JP2011029608A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011029608A
JP2011029608A JP2010132190A JP2010132190A JP2011029608A JP 2011029608 A JP2011029608 A JP 2011029608A JP 2010132190 A JP2010132190 A JP 2010132190A JP 2010132190 A JP2010132190 A JP 2010132190A JP 2011029608 A JP2011029608 A JP 2011029608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
aluminum
nickel
semiconductor device
semiconductor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010132190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5683139B2 (ja
Inventor
Atsushi Ogasawara
淳 小笠原
Toru Kamiyama
徹 神山
Kyosuke Endo
恭介 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2010132190A priority Critical patent/JP5683139B2/ja
Publication of JP2011029608A publication Critical patent/JP2011029608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5683139B2 publication Critical patent/JP5683139B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】リーク電流を抑え、微小電流が流れる領域で電圧降下を低くすることができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、n型半導体層の一方の表面近傍に、微小電流が流れる領域で電圧降下が生じるように濃度設定されたp型半導体層を形成してpn接合を形成し、p型半導体層の表面に、アルミニウムの膜を形成し、アルミニウムとp型半導体層のシリコンを、焼結処理により反応させてアルミニウム・シリサイド膜を生成し、アルミニウム・シリサイド膜の上部に存在するアルミニウムであって、シリコンとは未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去して表面を粗面化し、粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜の上に、ニッケル膜を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
本願は、2009年6月23日に、日本に出願された特願2009−149101号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
低濃度アノード構造を用いて、微小電流が流れる領域の電圧降下(VF)を低くした半導体装置が知られている。ここで、微小電流が流れる領域とは、例えば、電流密度が10A/cmの領域である。この半導体装置では、低濃度アノードとのオーミック接触を取るために、アルミニウム電極を採用している。ところが、ニッケル電極を使用する場合、低濃度アノード構造とニッケル電極とはオーミック接触にならない。
そのため、ニッケル電極を使用するために、図9のような半導体装置100が提案されている。図9では、低濃度n型層101の上に、低濃度p型層102が形成されている。そして、低濃度p型層102の上に、ニッケルとのオーミック接触を実現するために、高濃度p型層103を形成している。そして、高濃度p型層103の表面に、サンドブラストを行うことにより、粗面化処理を行っている。サンドブラストを行うことにより、高濃度p型層103の表面が粗面化され、高濃度p型層103上に形成する層が、高濃度p型層103に付着し易くなる。
その後、粗面化された高濃度p型層103上にニッケルめっき104を形成し、そのニッケルめっき104上に半田膜105を形成することにより、オーミック接触となるニッケル電極110を形成している(特許文献1参照)。
図9において、半導体装置100の紙面上方向はアノード(A)を示しており、紙面下方向はカソード(K)を示している。
特許第4022113号公報
特許文献1の半導体装置100では、ニッケル電極110とオーミック接触を実現するために、高濃度p型層103を用いている。そのため、p型半導体とn型半導体との間の電位差であるビルトイン・ポテンシャルが上昇する。これにより、低濃度p型層102による効果が薄れ、低濃度p型層102と高濃度p型層103との間の電圧降下(VF)が大きくなるという課題があった。
また、特許文献1の半導体装置100では、サンドブラストを行うことにより、高濃度p型層103上の粗面化処理を行う。そのため、サンドブラストによる粗面化処理によって低濃度p型層102の結晶構造が破壊されることにより、低濃度p型層102にダメージ部106が発生し、リーク電流が大きくなるという課題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、サンドブラストを行わないため、リーク電流を抑えることができ、アルミニウム・シリサイド膜を形成することによりオーミック接触が形成されるため、微小電流が流れる領域で電圧降下を低くすることができ、発熱量を抑えることができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
(1) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法は、n型半導体層の一方の表面近傍に、微小電流が流れる領域で電圧降下が生じるように濃度設定されたp型半導体層を形成してpn接合を形成し、前記p型半導体層の表面に、アルミニウムの膜を形成し、前記アルミニウムと前記p型半導体層のシリコンを、焼結処理により反応させてアルミニウム・シリサイド膜を生成し、前記アルミニウム・シリサイド膜の上部に存在するアルミニウムであって、前記シリコンとは未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去して表面を粗面化し、前記粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜の上に、ニッケル膜を形成する。
(2) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記アルミニウムの膜の厚さは、前記焼結処理後にシリコンとは未反応のアルミニウムが表面に残る厚さとしてもよい。
(3) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記アルミニウムの膜の厚さは、6μm以下としてもよい。
(4) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、ニッケル蒸着により前記ニッケル膜を形成してもよい。
(5) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、ニッケルめっきにより前記ニッケル膜を形成してもよい。
(6) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記ニッケルめっきを1分以上行なうことにより前記ニッケル膜を形成してもよい。
(7) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜の上に、第1ニッケル膜を形成し、前記第1ニッケル膜の形成後に、焼鈍によりニッケル・シリサイド膜を生成し、前記ニッケル・シリサイド膜の生成後に、未反応の前記第1ニッケル膜を除去した後、前記ニッケル・シリサイド膜上に、第2ニッケル膜を形成することにより前記ニッケル膜を形成してもよい。
(8) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、400度以上の温度の焼鈍により前記ニッケル・シリサイド膜を生成してもよい。
(9) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記p型半導体層の濃度は、5×1015〜2×1016cm−3の範囲内にあってもよい。
(10) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記第1ニッケル膜又は第2ニッケル膜の厚みは、1μm以下としてもよい。
(11) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記ニッケル膜上に、半田膜を更に形成してもよい。
(12) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記アルミニウムと前記p型半導体層のシリコンを、350度〜550度の焼結処理により反応させて前記アルミニウム・シリサイド膜を生成してもよい。
(13) 本発明の一態様による半導体装置の製造方法では、前記アルミニウム・シリサイド膜の最上部と最下部の高さの差が、0.1μm〜1.5μmとなるように、前記アルミニウム・シリサイド膜を粗面化してもよい。
(14) 本発明の一態様による半導体装置は、n型半導体層と、前記n型半導体層の一方の表面近傍に形成され、前記n型半導体層とpn接合を形成し、微小電流が流れる領域で電圧降下が生じるように濃度設定されたp型半導体層と、前記p型半導体層の表面に、アルミニウムを焼結処理して生成されたアルミニウム・シリサイドの表面に残った未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去することにより粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜と、前記粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜の上に形成されたニッケル膜と、を備える。
本発明の半導体装置およびその製造方法によれば、サンドブラストを行わないため、リーク電流を抑えることができ、アルミニウム・シリサイド膜を形成することによりオーミック接触が形成されるため、微小電流が流れる領域で電圧降下を低くすることができ、発熱量を抑えることができる。
本発明の実施形態に係る半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図2A後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図2B後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図2C後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図2D後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図3A後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図3B後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図3C後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図3D後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図4A後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図4B後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置の図4C後の製造工程を示す半導体装置の断面構成図である。 同実施形態に係る半導体装置を用いた場合の効果を示すグラフである。 同実施形態に係るニッケルめっき工程でのめっき時間を変化させた場合の順方向電流と順方向電圧の特性を示したグラフである。 同実施形態に係るニッケルめっき工程後の焼鈍温度を変化させた場合の順方向電流と順方向電圧の特性を示したグラフである。 同実施形態に係るニッケルめっき工程でのめっき時間または焼鈍温度を変化させた場合の順方向電流と順方向電圧の特性を示した表である。 従来の実施形態に係る半導体装置の断面構成図である。
以下、図1〜図8を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は係る実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
微小電流を扱う半導体装置の構造例を、メサ型ダイオード1を例として、図1の断面構成図を用いて説明する。図1において、本実施形態のメサ型ダイオード1では、下層n型半導体層11上に、上層n型半導体層12が形成されている。
下層n型半導体層11は、高濃度となるように形成されている。下層n型半導体層11の濃度は、例えば、2×1019cm−3である。下層n型半導体層11の厚みは、例えば、180μmである。
上層n型半導体層12は、下層n型半導体層11より不純物濃度が低くなるように形成されている。上層n型半導体層12の濃度は、例えば、1×1014cm−3である。上層n型半導体層12の厚みは、例えば、50μmである。
上層n型半導体層12上には、低濃度p型半導体層13が形成されている。低濃度p型半導体層13は、微小電流が流れる領域で低い電圧降下が生じるように、低濃度に濃度設定されている。低濃度p型半導体層13の濃度は、例えば、2×1016cm−3である。低濃度p型半導体層13の厚さは、例えば厚み8μmである。
また、低濃度p型半導体層13の表面には、アノード電極40が形成されている。また、メサ型ダイオード1のメサ溝には、保護膜としてガラス膜17が形成されている。また、下層n型半導体層11下には、カソード電極41が形成されている。
アノード電極40は、アルミニウム・シリサイド膜23と、ニッケル・シリサイド膜33と、Ni(ニッケル)−P膜35と、半田膜36とを備えている。
アルミニウム・シリサイド膜23は、ニッケルめっきを行うために最適に粗面化されており、低濃度p型半導体層13表面に形成されている。
図1では、アルミニウム・シリサイド膜23が、最適に粗面化された状態を、アルミニウム・シリサイド膜23中に、15個の三角形を並べることにより模式的に図示している。これらの三角形の高さ、つまり、最適に粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23の最上部と最下部との高さの差は、例えば、0.3μm〜1.5μmである。アルミニウム・シリサイド膜23を最適に粗面化することにより、図1に示すように、アルミニウム・シリサイド膜23の表面には、凹凸が生じる。
ニッケル・シリサイド膜33は、アルミニウム・シリサイド膜23上に形成されている。
Ni−P膜35は、ニッケル・シリサイド膜33上に形成されている。Ni−P膜35は、リン(P)を含むニッケルからなる。なお、本実施形態では、Ni−P膜35が、リン(P)を含む場合について説明するが、Ni−P膜35は、リン(P)を含まなくてもよい。
半田膜36は、Ni−P膜35上に形成されている。
アノード電極40の各膜の厚みは、例えば、以下の厚みとなるように形成される。つまり、アルミニウム・シリサイド膜23は0.5μmの厚さに形成される。また、ニッケル・シリサイド膜33は約0.7μmの厚さに形成される。また、Ni−P膜35は約1μmの厚さに形成される。
カソード電極41は、シリサイド化された膜を有するニッケル膜32と、半田膜37とを備えている。
ニッケル膜32は、下層n型半導体層11下に形成される。なお、本実施形態では、ニッケル膜32が、リン(P)を含んでいない場合について説明しているが、ニッケル膜32は、リン(P)を含んでいてもよい。
半田膜37は、ニッケル膜32下に形成される。
なお、図1において、メサ型ダイオード1の紙面上方向はアノード(A)を示しており、紙面下方向はカソード(K)を示している。
次に、微小電流が流れる領域において低い電圧降下(VF)の特性が得られ、リーク電流を抑え、さらにオーミック接触が得られる構造的な理由について説明する。
まず、低濃度p型半導体層13上にアルミニウム・シリサイド膜23を形成した。そして、形成されたアルミニウム・シリサイド膜23上にニッケルめっきを行うことで、ニッケル・シリサイド膜33およびNi−P膜35を形成した。そして、Ni−P膜35上に半田膜36を形成した。これにより、アノード電極40を形成した。このため、低濃度p型半導体層13と、アルミニウム・シリサイド膜23とによりオーミック接触が確保される。
また、アルミニウム・シリサイド膜23に対して、後述するエッチング工程により、ニッケルめっきを行なうために、前述したように、最適な粗面化を行なった。その後、アルミニウム・シリサイド膜23上に、ニッケルめっきを行うようにした。そのため、低濃度p型半導体層13に、図9のようなダメージ部106が発生することを防ぐことができるため、リーク電流を抑えることができる。
つまり、本実施形態のメサ型ダイオード1を製造する際に、サンドブラストの工程を行わない。そのため、低濃度p型半導体層13にダメージ部106(図9)が生じることを防ぐことができる。そのため、ダメージ部106(図9)を介して、リーク電流が流れることを防ぐことができる。
また、本実施形態のメサ型ダイオード1では、アルミニウム・シリサイド膜23を形成することにより、オーミック接触が形成されるため、微小電流が流れる領域で電圧降下を低くすることができる。そのため、メサ型ダイオード1発熱量を抑えることができる。
本実施形態によれば、アルミニウム・シリサイド膜23を形成するため、シリコンの表面濃度が低い低濃度p型半導体層13を用いる場合であっても、ニッケル・シリサイド膜33と低濃度p型半導体層13との間で、オーミック接触を実現することができる。
なお、リーク電流とは、図1のメサ型ダイオード1のアノード(A)とカソード(K)との間に、逆方向電圧を印加した場合に、流れる逆方向電流である。
また、低濃度p型半導体層13上にアルミニウム・シリサイド膜23を介して、ニッケルを含むニッケル・シリサイド膜33およびNi−P膜35を形成する。そのため、微小電流が流れる領域において、0.7Vの電圧降下(VF)が得られる。ここで、微小電流が流れる領域とは、例えば、電流密度10A/cmの領域である。これにより、例えば、高濃度のp型半導体層上に、ニッケルを用いたアノード電極を形成した場合と比較して、約0.15V低い電圧降下(VF)を実現した。
次に、図2A〜図4Dを用いて、本実施形態の微小電流を扱う半導体装置の製造方法の工程を説明する。本実施形態では、微小電流を扱う半導体装置の例として、メサ型ダイオード1を製造する工程について説明する。
図2Aに示すように、半導体基板は、下層n型半導体層11と、上層n型半導体層12とを備える。
下層n型半導体層11は、n型の半導体層である。下層n型半導体層11は、高濃度となるように形成されている。下層n型半導体層11の濃度は、例えば、2×1019cm−3である。
上層n型半導体層12は、下層n型半導体層11より不純物濃度が低くなるように、下層n型半導体層11上に形成されている。上層n型半導体層12の濃度は、例えば、例えば2×1014cm−3である。
この上層n型半導体層12上に、微小電流が流れる領域で低い電圧降下(VF)を実現するために、不純物濃度の低い(例えば5×1015cm−3〜2×1016cm−3)p型半導体を拡散させ、低濃度p型半導体層13を形成する。また、拡散により形成された低濃度p型半導体層13上に、SiOからなるシリコン酸化膜14を形成する。また、下層n型半導体層11下に、SiOからなるシリコン酸化膜15を形成する。
次に、図2Bに示すように、形成されたシリコン酸化膜14をマスクとして使用して、エッチングを行い、メサ溝16を形成する。このエッチングとしては、ドライエッチングまたはウェットエッチングなどを用いることができる。
次に、図2Cに示すように、形成されたメサ溝16およびシリコン酸化膜14を覆うように、ガラス膜17による保護膜を形成する。
次に、図2Dに示すように、電極を作製するために、形成されたシリコン酸化膜14およびガラス膜17上に、エッチングにより開口部18を形成する。このエッチングとしては、ドライエッチングまたはウェットエッチングなどを用いることができる。開口部18は、低濃度p型半導体層13に届くように開口されている。
次に、図3Aに示すように、ガラス膜17および開口部18上に、アルミニウム膜21を蒸着またはスパッタリング等により形成する。形成されるアルミニウム膜21の厚さは、後述する焼結処理後にシリコンとは未反応のアルミニウムが、アルミニウム・シリサイド膜22(図3C)の表面に残る厚さに形成する。アルミニウム膜21の厚さは、例えば、6μmに形成する。
次に、形成されたアルミニウム膜21上の電極形成に必要な部分に、レジストを形成する。その後、ガラス膜17上等に形成されたアルミニウム膜21の不要な部分を、エッチングにより除去する。このエッチングには、例えば、燐酸が用いられる。また、このエッチングとしては、ドライエッチングまたはウェットエッチングなどを用いることができる。
エッチング後、アルミニウム膜21上のレジストを除去する。図3Bは、レジスト除去後の状態を示す図である。
次に、図3Cに示すように、アルミニウム膜21上のレジストを除去後、焼結工程を行う。この焼結工程は、例えば、400度〜500度の温度で行なわれる。これにより、低濃度p型半導体層13内のシリコンと、アルミニウム膜21とによりアルミニウム・シリサイド膜22を形成する。この工程により、低濃度p型半導体層13と、ニッケルを含むアノード電極40を形成するアルミニウム・シリサイド膜22とが、オーミック接触を実現する。
次に、図3Dに示すように、アルミニウム・シリサイド膜22表面のアルミニウムであって、シリコンとは未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去する。このエッチングとしては、ドライエッチングまたはウェットエッチングなどを用いることができる。
このエッチング処理により、アルミニウム・シリサイド膜22表面から不要なアルミニウムが除去される。さらに、後述するニッケル膜のめっきを行うために、上述したように、表面が最適に粗面化(例えば0.3μm〜1.5μm)されたアルミニウム・シリサイド膜23が得られる。
次に、図4Aに示すように、表面が粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23上と、下層n型半導体層11下とに、それぞれニッケルめっきを行う。なお、前述したニッケルめっきには、リン(P)が含まれている。アルミニウム・シリサイド膜23上に形成されるニッケルめっきであるNi−P膜31の厚みは、例えば1μmである。
次に、アルミニウム・シリサイド膜23上にニッケル・シリサイド膜33を形成するために、焼鈍工程を行う。焼鈍工程により、図4Bに示すように、アルミニウム・シリサイド膜23上に、ニッケル・シリサイド膜33が形成される。また、ニッケル・シリサイド膜33上に、Ni−P膜34が形成される。
ニッケル・シリサイド膜33の厚さは、例えば、約0.7μmである。
Ni−P膜34の厚さは、例えば、約0.3μmである。
次に、図4Cに示すように、焼鈍工程でアルミニウム・シリサイド膜23中のシリコンとは未反応であったNi−P膜34を、硝酸等を用いたエッチングにより除去する。このエッチングとしては、ドライエッチングまたはウェットエッチングなどを用いることができる。
次に、図4Dに示すように、ニッケル・シリサイド膜33上に、ニッケルめっきを行うことで、Ni−P膜35を形成する。Ni−P膜35の厚さは、例えば、約1μmである。
Ni−P膜35上に、半田印刷を行うことで半田膜36を形成する。また、ニッケル膜32下に、半田印刷を行うことで半田膜37を形成する。
このように、本実施形態におけるアノード電極40は、表面が粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23を備えている。また、アノード電極40は、アルミニウム・シリサイド膜23上に形成されたニッケル・シリサイド膜33を備えている。また、アノード電極40は、ニッケル・シリサイド膜33上に形成されたNi−P膜35および半田膜36を備えている。また、カソード電極41は、ニッケル膜32と、半田膜37とを備えている。
以上により、微小電流を扱う半導体装置の製造工程を終了する。
以上のように、微小電流が流れる領域について低い電圧降下(VF)の特性が得られるように濃度設定された低濃度のp型の不純物拡散層である低濃度p型半導体層13の表面に、アルミニウムの膜を形成する。次に、形成されたアルミニウム膜と、低濃度p型半導体層13のシリコンとを焼結処理により反応させて、アルミニウム・シリサイド膜23を生成する。次に、生成されたアルミニウム・シリサイド膜23の上部に存在するアルミニウムであって、低濃度p型半導体層13のシリコンとは未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去して、アルミニウム・シリサイド膜23の表面を粗面化する。さらに、粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23の上に、ニッケルを含むニッケル・シリサイド膜33やNi−P膜35などを形成することにより、アノード電極40を形成する。このため、低濃度p型半導体層13とアルミニウム・シリサイド膜23との間で、オーミック接触を実現し、リーク電流を抑え、さらに低い電圧降下の特性(VF)を兼ね備えたメサ型ダイオード1を実現することが可能になる。
図5は、本発明の実施形態に係る半導体装置を用いた場合の効果を示すグラフである。図5において、横軸は順方向電圧(V)を示しており、縦軸は順方向電流(A)を示している。
曲線g11は、本発明の実施形態に係る半導体装置(図1)を用いた場合の特性を示している。
曲線g12は、特許文献1の半導体装置100(図9)を用いた場合の特性を示している。
直線g13は、特許文献1の半導体装置100(図9)において、低濃度p型層102上に、高濃度p型層103を形成せず、ニッケルめっき104を直接形成した場合の特性を示している。
図5の直線g13は、順方向電流を増加させると、順方向電圧が直線的に増加しており、ダイオードとしての特性を示さない。
図5の曲線g11およびg12では、順方向電流を増加させるに従って、順方向電圧の増加率が大きくなっており、ダイオードとしての特性を示す。
曲線g11は、曲線g12に比べて、同じ順方向電流を流した場合の順方向電圧が小さく、半導体装置の発熱量を、より抑えることができる。
本実施形態によれば、微小電流が流れる領域で、高濃度のp型半導体層上にニッケルを用いたアノード電極を形成した場合と比べて、約0.15V低い電圧降下(VF)を実現した。これにより、回路の電力損出を減少させると共に、メサ型ダイオード1の発熱を抑えることができる。このため、本実施形態におけるメサ型ダイオード1は、整流用のダイオード、ブリッジダイオードなどにも使用可能である。
なお、本実施形態では、Ni−P膜31、ニッケル膜32、Ni−P膜35の形成をめっきで行う例について説明したが、ニッケル蒸着により形成しても同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、メサ型ダイオードについて説明したが、プレーナ型ダイオードでも同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、微小電流を扱う半導体装置およびその製造方法として、ダイオードを用いて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などの場合であっても同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、メサ型ダイオード1の単体の構成について説明したが、半導体集積回路上の電極を形成する場合にも、本実施形態によるニッケルを含む電極の製造工程を用いることが可能である。
また、本実施形態で説明した各領域の不純物濃度および深さに限られるものではなく、本実施形態におけるオーミック接触およびニッケルめっきを実現できる不純物濃度および深さであれば良い。
図6は、本発明の実施形態に係るニッケルめっき工程でのめっき時間を変化させた場合の順方向電流と順方向電圧の特性を示したグラフである。図6において、横軸は順方向電圧(V)を示しており、縦軸は順方向電流(A)を示している。
図6は、図4Aで説明したように、アルミニウム・シリサイド膜23上にNi−P膜31を形成する場合に行われるニッケルめっきの特性を示している。
曲線g21は、ニッケルめっきのめっき時間を1分とし、ニッケルめっき後に行う焼鈍の温度を500度とした場合の特性を示している。曲線g22は、ニッケルめっきのめっき時間を2分とし、ニッケルめっき後に行う焼鈍の温度を500度とした場合の特性を示している。曲線g23は、ニッケルめっきのめっき時間を3分とし、ニッケルめっき後に行う焼鈍の温度を500度とした場合の特性を示している。
曲線g23は、順方向電流を1(A)以上に増加させた場合に、順方向電圧の値が急速に増加している。そのため、Ni−P膜31を形成する際のニッケルめっきのめっき時間を、3分とした場合(曲線g23)の半導体装置を、ダイオードとして用いることができる。
曲線g22は、曲線g23と比較して、同じ順方向電流を流した場合の順方向電圧の値が小さい。そのため、Ni−P膜31を形成する際のニッケルめっきのめっき時間を、3分とする場合(曲線g23)よりも、2分とする場合(曲線g22)の方が、同じ順方向電流を流したときの順方向電圧を小さくすることができ、半導体装置の発熱量を小さくすることができる。
曲線g21は、曲線g22と比較して、同じ順方向電流を流した場合の順方向電圧の値が小さい。そのため、Ni−P膜31を形成する際のニッケルめっきのめっき時間を、2分とする場合(曲線g22)よりも、1分とする場合(曲線g21)の方が、同じ順方向電流を流したときの順方向電圧を小さくすることができ、半導体装置の発熱量を小さくすることができる。
図7は、本発明の実施形態に係るニッケルめっき工程後の焼鈍温度を変化させた場合の順方向電流と順方向電圧の特性を示した他のグラフである。図7において、横軸は順方向電圧(V)を示しており、縦軸は順方向電流(A)を示している。
図7は、図4Aで説明したように、Ni−P膜31をニッケルめっきにより形成した後に行われる焼鈍工程の特性を示している。なお、図7では、図4Aで、ニッケルめっきにより形成したNi−P膜31の厚みを、0.2μmとした場合の特性を示している。
曲線g31は、Ni−P膜31の焼鈍温度を450度とした場合の特性を示している。曲線g32は、Ni−P膜31の焼鈍温度を500度とした場合の特性を示している。曲線g33は、Ni−P膜31の焼鈍温度を550度とした場合の特性を示している。
図7の曲線g33は、順方向電流を1(A)以上に増加させた場合に、順方向電圧の値が急速に増加している。そのため、Ni−P膜31を形成する際のニッケルめっきの焼鈍温度を、550度とした場合(曲線g33)の半導体装置を、ダイオードとして用いることができる。
曲線g32は、曲線g33と比較して、同じ順方向電流を流した場合の順方向電圧の値が小さい。そのため、Ni−P膜31を形成する際のニッケルめっきの焼鈍温度を、550度とする場合(曲線g33)よりも、500度とする場合(曲線g32)の方が、同じ順方向電流を流したときの順方向電圧を小さくすることができ、半導体装置の発熱量を小さくすることができる。
曲線g31は、曲線g32と比較して、同じ順方向電流を流した場合の順方向電圧の値が小さい。そのため、Ni−P膜31を形成する際のニッケルめっきの焼鈍温度を、500度とする場合(曲線g32)よりも、450度とする場合(曲線g31)の方が、同じ順方向電流を流したときの順方向電圧を小さくすることができ、半導体装置の発熱量を小さくすることができる。
図8は、本発明の実施形態に係るニッケルめっき工程でのめっき時間(分)または焼鈍温度(℃)を変化させた場合の順方向電流と順方向電圧の特性を示した表である。図8では、順方向電流をIF(単位:A)で示しており、順方向電圧をVF(単位:V)で示している。
図8は、図4Aで説明したように、アルミニウム・シリサイド膜23上にNi−P膜31を形成する場合に行われるニッケルめっきの特性を示している。
図8では、ニッケルめっき時のめっき時間とめっき後に行う焼鈍温度とが、めっき時間が1分であって焼鈍温度が450度である場合、めっき時間が1分であって焼鈍温度が500度である場合、めっき時間が2分であって焼鈍温度が500度である場合、めっき時間が3分であって焼鈍温度が500度である場合、めっき時間が1分であって焼鈍温度が550度である場合、めっき時間が2分であって焼鈍温度が550度である場合、めっき時間が3分であって焼鈍温度が550度である場合、めっき時間が1分であって焼鈍温度が600度である場合、めっき時間が2分であって焼鈍温度が600度ある場合、めっき時間が3分であって焼鈍温度が600度である場合における順方向電流が、0.001(A)、0.002(A)、0.005(A)、0.01(A)、0.02(A)、0.05(A)、0.1(A)、0.2(A)、0.5(A)、1(A)、2(A)、5(A)、10(A)、12.5(A)、20(A)となる場合の順方向電圧(V)の値を、それぞれ示している。
なお、図8の表において、空欄の部分は、順方向電圧の測定ができなかったことを示している。
図8において、ニッケルめっきのめっき時間が1分であって焼鈍温度が450度である場合は、図5の曲線g11に対応する。また、図8において、ニッケルめっきのめっき時間が1分であって焼鈍温度が500度である場合は、図6の曲線g21に対応する。また、図8において、ニッケルめっきのめっき時間が2分であって焼鈍温度が500度である場合は、図6の曲線g22に対応する。また、図8において、ニッケルめっきのめっき時間が3分であって焼鈍温度が500である場合は、図6の曲線g23に対応する。
ニッケルめっき後の焼鈍温度が同じである場合には、同じ大きさの順方向電流を流す場合には、ニッケルめっき時間が短い方が、順方向電圧の値は小さくなる傾向にある。
例えば、焼鈍温度が500度である場合であって、12.5(A)の順方向電流を流す場合、めっき時間が2分のときの順方向電圧の値は約2.982(V)であり、めっき時間が1分のときの順方向電圧の値は約0.871(V)である。
つまり、ニッケルめっき後の焼鈍温度が同じである場合には、ニッケルめっきのめっき時間が短い方が、同じ順方向電圧を流したときの順方向電圧の値が小さく、半導体装置の発熱量を小さくすることができる。
また、ニッケルめっきのめっき時間が同じである場合には、同じ大きさの順方向電流を流す場合には、ニッケルめっき後の焼鈍温度が低い方が、順方向電圧の値は小さくなる傾向にある。
例えば、ニッケルめっきのめっき時間が1分の場合であって、12.5(A)の順方向電流を流す場合、焼鈍温度が550度のときの順方向電圧の値は1.735(V)であり、焼鈍温度が500度のときの順方向電圧の値は1.287(V)であり、焼鈍温度が450度のときの順方向電圧の値は0.871(V)である。
つまり、ニッケルめっきのめっき時間が同じである場合には、ニッケルめっき後の焼鈍温度が低い方が、同じ順方向電圧を流したときの順方向電圧の値が小さく、半導体装置の発熱量を小さくすることができる。
上述したように、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1(半導体装置)の製造方法では、上層n型半導体層12(n型半導体層)の一方の表面近傍に、微小電流が流れる領域で電圧降下が生じるように濃度設定された低濃度p型半導体層13(p型半導体層)を形成してpn接合を形成する。
そして、低濃度p型半導体層13の表面に、アルミニウム膜21(図3A)を形成する。
そして、アルミニウム膜21のアルミニウムと、低濃度p型半導体層13のシリコンとを、焼結処理により反応させてアルミニウム・シリサイド膜22(図3C)を生成する。
そして、アルミニウム・シリサイド膜22の上部に存在するアルミニウムであって、低濃度p型半導体層13のシリコンとは未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去して表面を粗面化する。
そして、粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23(図3D)の上に、Ni−P膜31(図4A)及び35(図4D)(ニッケル膜)を形成する。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、アルミニウム膜21(図3A)の厚さは、焼結処理後にシリコンとは未反応のアルミニウムが表面に残る厚さとしてもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、アルミニウム膜21(図3A)の厚さは、6μm以下としてもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、ニッケル蒸着によりNi−P膜31(図4A)及び35(図4D)を形成してもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、ニッケルめっきによりNi−P膜31(図4A)及び35(図4D)を形成してもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、ニッケルめっきを1分以上行なうことによりNi−P膜31(図4A)及び35(図4D)を形成してもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23(図3D)の上に、Ni−P膜31(第1ニッケル膜)(図4A)を形成してもよい。
そして、Ni−P膜31の形成後に、焼鈍によりニッケル・シリサイド膜33(図4B)を生成してもよい。
そして、ニッケル・シリサイド膜33の生成後に、未反応のNi−P膜31を除去した後、ニッケル・シリサイド膜33上に、Ni−P膜35(図4D)(第2ニッケル膜)を形成してもよい。
これにより、Ni−P膜31(図4A)と、Ni−P膜35(図4D)とを形成してもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、400度以上の温度、より好ましくは、450度以上の温度の焼鈍によりニッケル・シリサイド膜33(図4B)を生成してもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、低濃度p型半導体層13(図1)の濃度を、5×1015〜2×1016cm−3の範囲内にあってもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、Ni−P膜31(図4A)又はNi−P膜35(図4D)の厚みは、1μm以下としてもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、Ni−P膜35上に、半田膜36(図4D)を更に形成してもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、アルミニウム膜21(図3A)のアルミニウムと、低濃度p型半導体層13(図3A)のシリコンとを、350度〜550度の焼結処理、より好ましくは、400度〜500度の焼結処理により反応させてアルミニウム・シリサイド膜22(図3C)を生成してもよい。
また、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1の製造方法では、アルミニウム・シリサイド膜22(図3C)の最上部と最下部の高さの差が、0.1μm〜1.5μm、より好ましくは、0.3μm〜1.5μmとなるように、アルミニウム・シリサイド膜22を粗面化してもよい。
なお、本発明の実施形態によるメサ型ダイオード1は、図1に示すように、上層n型半導体層12を備える。
また、メサ型ダイオード1は、上層n型半導体層12の一方の表面近傍に形成され、上層n型半導体層12とpn接合を形成し、微小電流が流れる領域で電圧降下が生じるように濃度設定された低濃度p型半導体層13を備える。
また、メサ型ダイオード1は、低濃度p型半導体層13の表面に、アルミニウムを焼結処理して生成されたアルミニウム・シリサイドの表面に残った未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去することにより粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23を備える。
また、メサ型ダイオード1は、粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23の上に形成されたニッケル膜であるニッケル・シリサイド膜33及びNi−P膜35を備える。
本実施形態では、低濃度p型半導体層13の上に、アルミニウムを焼結処理してアルミニウム・シリサイド膜23を生成する。そして、アルミニウム・シリサイド膜23の表面に残った未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去する。そのため、本実施形態によるメサ型ダイオード1は、粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜23と、粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜の上に、ニッケルめっきを行うことで形成されたニッケル膜(ニッケル・シリサイド膜33、Ni−P膜)を備える。
このため、アルミニウム・シリサイド膜23の表面は、未反応のアルミニウムをエッチングによって除去することにより粗面化される。よって、p型層である低濃度p型半導体層13へのダメージを防ぎつつ、ニッケルめっきの密着性を向上することができる。また、アルミニウム・シリサイド膜23、とp型層である低濃度p型半導体層13とによるオーミック接触を実現することができる。このように、低濃度p型半導体層13と、アルミニウム・シリサイド膜23と、ニッケル膜(ニッケル・シリサイド膜33、Ni−P膜)との3層構造にした。これにより、アルミニウム・シリサイド膜23上でオーミック接触を確保しつつ、微小電流が流れる領域で電圧降下(VF)を低くすることができる。上記によりニッケルめっきを用いたアノード電極40を備え、リーク電流を抑え、さらに低い電圧降下(VF)の特性を兼ね備えた半導体装置を実現することができる。
1・・・メサ型ダイオード、
11・・・下層n型半導体層、
12・・・上層n型半導体層、
13・・・低濃度p型半導体層、
15・・・シリコン酸化膜、
17・・・ガラス膜、
23・・・粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜、
32・・・ニッケル膜、
33・・・ニッケル・シリサイド膜、
35・・・Ni−P膜、
36、37・・・半田膜、
40・・・アノード電極部、
41・・・カソード電極

Claims (14)

  1. n型半導体層の一方の表面近傍に、微小電流が流れる領域で電圧降下が生じるように濃度設定されたp型半導体層を形成してpn接合を形成し、
    前記p型半導体層の表面に、アルミニウムの膜を形成し、
    前記アルミニウムと前記p型半導体層のシリコンを、焼結処理により反応させてアルミニウム・シリサイド膜を生成し、
    前記アルミニウム・シリサイド膜の上部に存在するアルミニウムであって、前記シリコンとは未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去して表面を粗面化し、
    前記粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜の上に、ニッケル膜を形成する半導体装置の製造方法。
  2. 前記アルミニウムの膜の厚さは、
    前記焼結処理後にシリコンとは未反応のアルミニウムが表面に残る厚さである請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記アルミニウムの膜の厚さは、6μm以下である請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. ニッケル蒸着により前記ニッケル膜を形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. ニッケルめっきにより前記ニッケル膜を形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記ニッケルめっきを1分以上行なうことにより前記ニッケル膜を形成する請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜の上に、第1ニッケル膜を形成し、
    前記第1ニッケル膜の形成後に、焼鈍によりニッケル・シリサイド膜を生成し、
    前記ニッケル・シリサイド膜の生成後に、未反応の前記第1ニッケル膜を除去した後、前記ニッケル・シリサイド膜上に、第2ニッケル膜を形成することにより前記ニッケル膜を形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 400度以上の温度の焼鈍により前記ニッケル・シリサイド膜を生成する請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記p型半導体層の濃度は、5×1015〜2×1016cm−3の範囲内にある請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1ニッケル膜又は第2ニッケル膜の厚みは、1μm以下である請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記ニッケル膜上に、半田膜を更に形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記アルミニウムと前記p型半導体層のシリコンを、350度〜550度の焼結処理により反応させて前記アルミニウム・シリサイド膜を生成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記アルミニウム・シリサイド膜の最上部と最下部の高さの差が、0.1μm〜1.5μmとなるように、前記アルミニウム・シリサイド膜を粗面化する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  14. n型半導体層と、
    前記n型半導体層の一方の表面近傍に形成され、前記n型半導体層とpn接合を形成し、微小電流が流れる領域で電圧降下が生じるように濃度設定されたp型半導体層と、
    前記p型半導体層の表面に、アルミニウムを焼結処理して生成されたアルミニウム・シリサイドの表面に残った未反応のアルミニウムを、エッチングにより除去することにより粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜と、
    前記粗面化されたアルミニウム・シリサイド膜の上に形成されたニッケル膜と、
    を備える半導体装置。
JP2010132190A 2009-06-23 2010-06-09 半導体装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP5683139B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010132190A JP5683139B2 (ja) 2009-06-23 2010-06-09 半導体装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009149101 2009-06-23
JP2009149101 2009-06-23
JP2010132190A JP5683139B2 (ja) 2009-06-23 2010-06-09 半導体装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011029608A true JP2011029608A (ja) 2011-02-10
JP5683139B2 JP5683139B2 (ja) 2015-03-11

Family

ID=43370001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010132190A Expired - Fee Related JP5683139B2 (ja) 2009-06-23 2010-06-09 半導体装置およびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5683139B2 (ja)
CN (1) CN101930919B (ja)
TW (1) TWI421921B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160115016A1 (en) * 2014-09-11 2016-04-28 Invensense, Inc. Film induced interface roughening and method of producing the same

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103887169A (zh) * 2013-11-29 2014-06-25 杭州恩能科技有限公司 一种具有提高抗浪涌电流能力的半导体装置的制备方法
KR101851884B1 (ko) * 2014-11-13 2018-04-24 신덴겐코교 가부시키가이샤 반도체 장치의 제조 방법 및 유리 피막 형성 장치

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49115275A (ja) * 1973-02-28 1974-11-02
JPS5263068A (en) * 1975-11-19 1977-05-25 Mitsubishi Electric Corp Formation of electrode of semiconductor device
JPS56160078A (en) * 1980-05-15 1981-12-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd Forming method of electrode of solar battery
JP2006237374A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Toshiba Corp 半導体集積回路装置及びその製造方法
JP2008244312A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Sanyo Electric Co Ltd 半導体装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH638641A5 (de) * 1978-11-17 1983-09-30 Univ Bern Inst Fuer Angewandte Halbleiterbauelement, verfahren zu dessen herstellung und verwendung des halbleiterbauelements.
US4478881A (en) * 1981-12-28 1984-10-23 Solid State Devices, Inc. Tungsten barrier contact
JPH01184942A (ja) * 1988-01-20 1989-07-24 Toshiba Corp トリミング素子とその電気短絡方法
JP4022113B2 (ja) * 2002-08-28 2007-12-12 新電元工業株式会社 半導体装置の製造方法及び半導体装置
TWI449183B (zh) * 2007-06-13 2014-08-11 Schott Solar Ag 半導體元件及製造金屬半導體接點之方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49115275A (ja) * 1973-02-28 1974-11-02
JPS5263068A (en) * 1975-11-19 1977-05-25 Mitsubishi Electric Corp Formation of electrode of semiconductor device
JPS56160078A (en) * 1980-05-15 1981-12-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd Forming method of electrode of solar battery
JP2006237374A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Toshiba Corp 半導体集積回路装置及びその製造方法
JP2008244312A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Sanyo Electric Co Ltd 半導体装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160115016A1 (en) * 2014-09-11 2016-04-28 Invensense, Inc. Film induced interface roughening and method of producing the same
US9611133B2 (en) * 2014-09-11 2017-04-04 Invensense, Inc. Film induced interface roughening and method of producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP5683139B2 (ja) 2015-03-11
TWI421921B (zh) 2014-01-01
TW201120948A (en) 2011-06-16
CN101930919A (zh) 2010-12-29
CN101930919B (zh) 2013-01-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI455342B (zh) Solar cell with selective emitter structure and manufacturing method thereof
JP5835309B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2011091100A (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP6029771B2 (ja) 半導体装置の製造方法及びガラス被膜形成装置
JP2007335431A (ja) 半導体装置とその製造方法
TW200947726A (en) Buried insulator isolation for solar cell contacts
JP2010161310A (ja) 裏面電極型太陽電池および裏面電極型太陽電池の製造方法
CN102832121B (zh) 快恢复二极管制造方法
TW201312779A (zh) 太陽能電池之製造方法及太陽能電池
JP5683139B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP5600985B2 (ja) 電力半導体装置の製造方法
JP5920275B2 (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
JP2011040431A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2010141028A (ja) 半導体装置の製造方法
JPWO2014125565A1 (ja) 半導体装置とその製造方法
CN105990134B (zh) 一种制作二极管的方法
CN104425243B (zh) 一种肖特基二极管的制造工艺方法
JP2011238846A (ja) 太陽電池セルの製造方法
JP2009010421A (ja) 半導体装置を回路基板に実装する方法
JP5047596B2 (ja) ショットキバリア半導体装置
JP6012172B2 (ja) 半導体装置
US20150380248A1 (en) Method for manufacturing a silicon carbide semiconductor element
JP5452535B2 (ja) 太陽電池の製造方法
JP5552249B2 (ja) 3端子サイリスタ
JP2009182133A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5683139

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees