JP2011029220A - 有機薄膜太陽電池用材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池であるが、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化するにつれて、次世代太陽電池への要求が高まりつつある。このような背景の中で、有機太陽電池は、安価で毒性が低く、原材料不足の懸念もないことから、シリコン系太陽電池に次ぐ次世代の太陽電池として大変注目を集めている。
n層として、チタニア等の無機半導体表面にルテニウム色素等の増感色素を単分子吸着させ、p層として電解質溶液を用いたものは、色素増感太陽電池(所謂グレッツエルセル)と呼ばれている。変換効率の高さから、1991年以降精力的に研究されてきたが、溶液を用いるため、長時間の使用に際して液漏れする等の欠点を有していた。
そこで、このような欠点を克服するため、最近、電解質溶液を固体化して全固体型の色素増感太陽電池を模索する研究がなされている。しかしながら、多孔質チタニアの細孔に有機物をしみ込ませる技術は難易度が高く、再現性よく高変換効率が発現できるセルは完成していないのが現状である。
一方、n層、p層ともに有機薄膜からなる有機薄膜太陽電池は、全固体型のため液漏れ等の欠点がなく、作製が容易であり、稀少金属であるルテニウム等を用いないこと等から最近注目を集め、精力的に研究がなされている。
さらに、特許文献3ではチエノアセン骨格が提案されている。
1.下記式(1)で表されるチエノアセン誘導体を含有する有機薄膜太陽電池用材料。
2.前記R1〜R6のいずれかがアリールアミノ基である1に記載の有機薄膜太陽電池用材料。
3.前記式(1)で表わされるチエノアセン誘導体が、下記式(2)で表わされるチエノアセン誘導体である1に記載の有機薄膜太陽電池用材料。
R11〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルキニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基である。R1,R5,R6,R11〜R14のうち、隣接するものは互いに結合して環を成してもよい。)
4.一対の電極の間に、少なくともp層を有し、前記p層が1〜3のいずれかに記載の材料からなる有機薄膜太陽電池。
尚、Cx〜Cyは炭素数がx〜yであることを意味する。
R11〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルキニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基である。R1,R5,R6,R11〜R14のうち、隣接するものは互いに結合して環を成してもよい。)
(1)下部電極/有機化合物層/上部電極
(2)下部電極/p層/n層/上部電極
(3)下部電極/p層/i層(又はp材料とn材料の混合層)/n層/上部電極
(4)下部電極/p材料とn材料の混合層/上部電極
及び上記(2)、(3)の構成のp層とn層を置換した構造が挙げられる。
また、必要に応じて、電極と有機層の間にバッファー層を設けてもよい。例えば具体例として、上記構成(1)にバッファー層を設けた場合、下記構成を有する構造が挙げられる。
(5)下部電極/バッファー層/p層/n層/上部電極
(6)下部電極/p層/n層/バッファー層/上部電極
(7)下部電極/バッファー層/p層/n層/バッファー層/上部電極
以下、各構成部材について簡単に説明する。
下部電極、上部電極の材料は特に制限はなく、公知の導電性材料を使用できる。例えば、p層と接続する電極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)や金(Au)、オスミウム(Os),パラジウム(Pd)等の金属が使用でき、n層と接続する電極としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In),カルシウム(Ca),白金(Pt)リチウム(Li)等の金属やMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の二成分金属系,さらには上記P層と接続する電極例示材料が使用できる。
p層、p材料とn材料の混合層又はn層のいずれかである。本発明の材料を有機化合物層に使用するとき、具体的には、下部電極/本発明の材料の単独層/上部電極や、下部電極/本発明の材料と、後述するn層材料又はp層材料の混合層/上部電極等の構成が挙げられる。
本発明の材料をp層に用いるときは、n層は特に限定されないが、電子受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば有機化合物であれば、C60等のフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等、高分子系ではCN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基又はCF3基含有ポリマー、それらの−CF3置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体等を挙げることができる。電子の移動度が高い材料が好ましい。さらに、好ましくは、電子親和力が小さい材料が好ましい。このように電子親和力の小さい材料をn層として組み合わせることで充分な開放端電圧を実現することができる。
本発明の材料をn層に用いるときは、p層は特に限定されないが、正孔受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば有機化合物であれば、N,N’−ビス(3−トリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(mTPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4,4’,4’’−トリス(フェニル−3−トリルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等に代表されるアミン化合物、フタロシアニン(Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、チタニルフタロシアニン(TiOPc)等のフタロシアニン類、オクタエチルポルフィリン(OEP)、白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTPP)等に代表されるポルフィリン類、高分子化合物であれば、ポリヘキシルチオフェン(P3HT)、メトキシエチルヘキシロキシフェニレンビニレン(MEHPPV)等の主鎖型共役高分子類、ポリビニルカルバゾール等に代表される側鎖型高分子類等が挙げられる。
一般に、有機薄膜太陽電池は総膜厚が薄いことが多く、そのため上部電極と下部電極が短絡し、セル作製の歩留まりが低下することが多い。このような場合には、バッファー層を積層することによってこれを防止することが好ましい。
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
200mLフラスコに1,2−ベンゾジフェニレンサルファイド(0.70g,3.0mmol)を秤りとり、ジクロロメタン(30mL)に溶解させた。臭素(0.2mL,4.1mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、有機層をジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。これを濃縮し、中間体A1(0.85g,2.7mmol)を白色粉末として得た(収率90%)。
この固体の核磁気共鳴測定(1H−NMR)を以下に示す。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ8.50(s,1H),8.40−8.38(m,1H),8.18(dd,J=6.8,3.0Hz,1H),8.14(dd,J=6.8,3.0Hz,1H)
300mLフラスコに中間体A1(0.85g,2.7mmol)を秤りとり、ジフェニルアミン(0.68g,4.0mmol),トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.15g,0.16mmol),ナトリウムターシャルブトキシド(0.37g,3.9mmol)を加え、系内をアルゴン置換した。無水トルエン(30mL)に溶解させ、ターシャルブチルホスフィンの66wt%トルエン溶液(16μL,0.13mmol)を加えた後、5時間加熱還流した。反応溶液をセライト濾過した後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物A(0.55g,1.5mmol)を白色粉末として得た。(収率55%)
この固体の1H−NMR、電解離脱質量分析(FDMS)、及び液体クロマトグラフィ(HPLC)による純度の測定結果を以下に示す。
δ8.17(d,J=7.6Hz,1H),8.10−8.05(m,3H),7.97−7.95(m,1H),7.59(brt,J=7.2Hz,1H),7.48−7.45(m,2H),7.23−7.19(m,4H),7.12−7.10(m,4H),6.94(brt,J=7.2Hz,2H)
・FDMS:計算値C28H19NS=401、実測値m/z=401(M+,100)
・HPLC:94.5%(検出波長254nm,面積%)
・HPLC:97.7%(検出波長254nm,面積%)
チアナフテン−2−ボロン酸(5.0g,28mmol)、2−ブロモ−5−クロロベンズアルデヒド(5.6g,26mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.29g,0.26mmol)を1,2−ジメトキシエタン(50ml)に懸濁し、2M炭酸ナトリウム水溶液(38mL,76mmol)を加えて5時間還流した。反応混合物に塩化メチレン(50mL)、水(50mL)を加え、有機層を抽出し、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して中間体B1(4.1g,15mmol)を白色固体として得た(収率58%)。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ10.2(s,1H),8.01(s,1H),7.89−7.83(m,2H),7.63−7.58(m,2H),7.46−7.39(m,2H),7.28(s,1H)
水素化ナトリウム(60%inパラフィン,0.43g,11mmol)をヘキサンで2回洗浄後、ジメチルスルホキシド(50ml)に懸濁させ、5分間室温で撹拌した。この系にトリメチルスルホオキソニウムヨージド(2.4g,11mmol)を加えて30分間撹拌した。さらに中間体A1(2.7g,10mmol)を滴下ロートで10分間かけて滴下後、60℃で7時間還流した。反応混合物に、冷水(200mL)、酢酸エチル(400mL)を加え、飽和食塩水(50mL)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去して中間体B2(3.3g)を黄色油状物として得た(収率quant.)。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ7.32−7.87(m,8H),4.15−4.08(m,1H),3.19(dd,J=4,2Hz,1H),2.82(dd,J=3Hz,1H)
中間体B2(3.3g,12mmol)をジエチルエーテル(50ml)に懸濁させた。氷冷下、三フッ化ホウ素ジエチエルエーテル錯体(14ml,113mmol)を10分間かけて滴下した。0℃で30分間撹拌後、室温で7時間撹拌した。反応混合物に、冷水(50mL)、塩化メチレン(100mL)を加え、有機層を抽出した。さらに10%炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去して淡黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフィーで精製して中間体B3(1.3g,4.9mmol)を得た(収率43%)。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS)
δ8.22−8.19(m,2H),8.01(d,J=9Hz,1H),7.98−7.94(m,2H),7.79(d,J=9Hz,1H),7.58−7.48(m,3H)
窒素雰囲気下、中間体B3(1.3g,4.9mmol)、ジフェニルアミン(1.0g,5.9mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.06g,0.07mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.8g,6.9mmol)を無水トルエン(50ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.05ml,0.14mmol)を加えて5時間還流した。反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して褐色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィーで精製後、化合物B(0.7g,1.7mmol)を白色固体として得た。(収率35%)
・1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ8.16−8.18(m,1H),8.08(d,J=8Hz,1H),8.01(d,J=8Hz,1H),7.98−7.94(m,1H),7.61(d,J=8Hz,1H),7.55−7.39(m,4H),7.32−7.27(m,4H),7.19−7.16(m,4H),7.10−7.05(m,2H),
・FDMS:計算値C28H19NS=401、実測値m/z=401(M+,100)
・HPLC:98.2%(検出波長254nm,面積%)
得られた固体(0.7g)を280℃/8.2x10−1Paで昇華精製することにより白色アモルファス固体(0.6g)を得た。
HPLC,99.2%(検出波長254nm,面積%)
500mLフラスコにメチルトリフェニルホスフィンヨージド(26.7g,66.0mmol)を秤りとり、無水DMSO(200mL)に溶解させた。反応溶液を10℃に冷却し、水素化ナトリウム60%鉱油分散物(2.61g,65.2mmol)を加え、1時間攪拌した。ベンゾ[b]チオフェン−3−カルバルデヒド(10.6g,65.3mmol)を加え、10時間攪拌した。メタノール、水をゆっくり加えた後、有機層を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体C1(6.40g,39.9mmol)を無色透明油状物として得た(61%)。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ7.93(d,J=1.2Hz,1H),7.91(d,J=1.2Hz,1H),7.47(s,1H),7.43−7.34(m,2H),6.98(dd,J=10.4,18.4Hz,1H),5.81(d,J=18.4Hz,1H),5.39(d,J=10.4Hz,1H)
300mLフラスコに中間体C1(3.40g,21.5mmol),1,4−ナフトキノン(10.2g,64.5mmol)を秤りとり、酢酸(100mL)に溶解させた。反応溶液を13時間加熱還流した。水を加え、析出した沈殿物を濾過し、水、メタノールで洗浄した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体C2(8.64g,21.5mmol)を黄色粉末として得た(quant.)。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ8.29(s,1H),8.18(s,1H),8.11(d,J=8Hz,1H),7.92(d,J=8Hz,1H),7.82−7.80(m,4H),7.76−7.72(m,3H),7.70−7.68(m,3H),7.62−7.59(m,4H),7.43−7.32(m,4H)
300mLフラスコに中間体C2(8.7g,28mmol)を秤りとり、系内をアルゴン置換した後、無水トルエン(140mL),無水THF(70mL)に溶解させた。溶液を−60℃に冷却した後、フェニルリチウムの1.9Mジフェニルエーテル溶液(44mL,84mmol)を加え、9時間攪拌した。メタノールを加え、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、粗ジオール(6.8g)を得た。
300mLフラスコに得られた粗ジオール(6.8g)、ヨウ化カリウム(8.3g,50mmol),ホスフィン酸ナトリウム一水和物(2.3g,22mmol)を秤りとり、系内をアルゴン置換した後、酢酸(160mL)に溶解させた。反応溶液を10時間加熱還流した。水を加え、析出した結晶を濾過し、水、メタノールで洗浄した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物C(2.5g,5.7mmol)を黄色粉末として得た(収率21%)。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ8.14(d,J=7.2Hz,1H),8.02(d,J=9.2Hz,1H),7.76−7.70(m,7H),7.65−7.61(m,2H),7.56−7.52(m,4H),7.39−7.37(m,5H).
・FDMS:計算値C32H20S=436、実測値m/z=436(M+,100).
・HPLC:98.5%(検出波長254nm,面積%)
・HPLC,98.5%(検出波長254nm,面積%)
・1H−NMR(400MHz,CDCl3)
δ8.14(d,J=7.2Hz,1H),8.02(d,J=9.2Hz,1H),7.76−7.70(m,7H),7.65−7.61(m,2H),7.56−7.52(m,4H),7.39−7.37(m,5H)
・FDMS:計算値C36H22S=486、実測値m/z=486(M+,100)
・HPLC:94.8%(検出波長254nm,面積%)
・HPLC,94.4%(検出波長254nm,面積%)
実施例1
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、透明電極を覆うようにして膜厚30nmの化合物Aを抵抗加熱蒸着により、1Å/sで成膜した。続けて、この化合物A膜上に膜厚60nmのC60を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜し、その上に10nmのバソクプロイン(BCP)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。最後に、連続して対向電極として金属Alを膜厚80nm蒸着させ、有機薄膜太陽電池を形成した。面積は0.5cm2であった。
尚、光電変換効率は下記式によって導出した。
実施例1の化合物Aをそれぞれ化合物B、化合物C、化合物Dへ変更した以外は実施例1と同様に有機薄膜太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
上記製造例で合成した材料、及び特許文献2で開示された下記化合物(TES−ADT)を、それぞれテトラヒドロフランに溶解させた。この溶液を、光照射下(白色蛍光灯下)にて40分間放置した。光照射前後のHPLC純度を比較した結果を表2に示す。
本発明の有機薄膜太陽電池は、時計、携帯電話及びモバイルパソコン等に使用できる。
Claims (4)
- 下記式(1)で表されるチエノアセン誘導体を含有する有機薄膜太陽電池用材料。
- 前記R1〜R6のいずれかがアリールアミノ基である請求項1に記載の有機薄膜太陽電池用材料。
- 前記式(1)で表わされるチエノアセン誘導体が、下記式(2)で表わされるチエノアセン誘導体である請求項1に記載の有機薄膜太陽電池用材料。
R11〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルキニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基である。R1,R5,R6,R11〜R14のうち、隣接するものは互いに結合して環を成してもよい。) - 一対の電極の間に、少なくともp層を有し、前記p層が請求項1〜3のいずれかに記載の材料からなる有機薄膜太陽電池。
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