JP2011025472A - 発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型 - Google Patents

発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型 Download PDF

Info

Publication number
JP2011025472A
JP2011025472A JP2009172151A JP2009172151A JP2011025472A JP 2011025472 A JP2011025472 A JP 2011025472A JP 2009172151 A JP2009172151 A JP 2009172151A JP 2009172151 A JP2009172151 A JP 2009172151A JP 2011025472 A JP2011025472 A JP 2011025472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
resin
cavity
cavity space
foamed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009172151A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5577061B2 (ja
Inventor
Koichi Masukawa
功一 増川
Tamotsu Kawaguchi
保 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Electric Works Co Ltd filed Critical Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority to JP2009172151A priority Critical patent/JP5577061B2/ja
Publication of JP2011025472A publication Critical patent/JP2011025472A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5577061B2 publication Critical patent/JP5577061B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

【課題】熱可塑性樹脂の射出発泡成形において、ウェルドの発生する成形品であっても、ウェルド部に窪みの発生しない高発泡成形品を得ること。
【解決手段】 熱可塑性樹脂成形体を射出成形により製造する方法であって、(i)金型のキャビティ空間を発泡可能な樹脂原料で満たす工程、および、(ii)キャビティ空間を増加させることによって、樹脂原料において発泡を生じさせる工程を含んで成り、工程(i)では、樹脂原料のウェルド部の形成領域におけるキャビティ空間Aの厚み寸法が最終成形品の寸法Laになっていると共に、ウェルド部の形成領域以外のキャビティ空間Bの厚み寸法がLaよりも小さい寸法Lbとなっており、工程(ii)では、キャビティ空間Bの厚み寸法がLbより大きくかつLa以下となるようにキャビティ空間Bを増加させ、それによって、キャビティ空間Bに充填されている樹脂原料を発泡させることを特徴とする製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱可塑性樹脂の発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型に関する。より詳細には、本発明は、コアバック方式の射出成形に基づいた熱可塑性樹脂の発泡成形体、その発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型に関する。
近年の原油価格の高騰により、省材料化を目的とした発泡成形技術の開発が盛んになっている。熱可塑性樹脂の射出成形品の高発泡化のためには、「ガスが溶解した樹脂原料」もしくは「ガスを封入したカプセル剤を含有した樹脂原料」を金型キャビティ内に充填した後、金型コアを移動させることによって金型キャビティ容積を拡張して発泡化させるコアバック成形法が有用である(例えば特許文献1参照)。
射出成形において、金型が2点以上のゲートを有する場合や1点のゲートであっても充填経路途中で流れが分離されるキャビティ形状を有する場合では、金型キャビティ内において2つの樹脂原料流れが発生する。この2つの樹脂原料流れが合流する面は“ウェルド”と称されるものであるが、ウェルドが発生した状態でコアバックにより発泡化させると(即ち、型開閉可能な一対の金型の一方を後退させて発泡化させると)、ウェルド部が他の部位と比較して発泡不足となり、窪みが生じやすい。
一般に、金型キャビティ内に樹脂原料を充填する際、樹脂原料流れにはスキン層と呼ばれる層が外面に形成される(図6参照)。樹脂原料流れの内部と比較して、スキン層は金型キャビティ表面への熱伝導に起因して温度が低下した状態となっており、発泡に必要とされる低い溶融粘度を維持していない。ウェルドは、かかるスキン層が合流する地点であり、それゆえ、コアバックを行ってもウェルドで高発泡させることができず、窪みが形成されてしまう(図6参照)。
特開2001−18943号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の課題は、熱可塑性樹脂の射出発泡成形においてウェルドの発生する場合であっても、ウェルド部に窪みのない発泡成形体を得ることができる製造方法および製造用金型を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明では、熱可塑性樹脂成形体を射出成形により製造する方法であって、
(i)金型キャビティ空間を発泡可能な樹脂原料で満たす工程、および
(ii)金型キャビティ空間を増加させることによって、樹脂原料において発泡を生じさせる工程
を含んで成り、
工程(i)では、「樹脂原料のウェルド部の形成領域におけるキャビティ空間Aの厚み寸法」が最終成形品(最終的に得られる成形体)の寸法Laになっていると共に、「ウェルド部の形成領域以外のキャビティ空間Bの厚み寸法」がLaよりも小さい寸法Lbとなっており、また
工程(ii)では、キャビティ空間Bの厚み寸法がLbより大きくかつLa以下となるようにキャビティ空間Bを増加させ、それによって、キャビティ空間Bに充填されている樹脂原料を発泡させることを特徴とする製造方法が提供される。
本発明の製造方法は、コアバック式の発泡射出成形に際して、「ウェルド部の形成領域の金型キャビティ空間A」を一定に維持しつつ、「ウェルド部の形成領域以外の金型キャビティ空間B」をコアバックにより増加させることを特徴の1つとしている。
本明細書において「発泡成形体」とは、連続した固体物質中に複数の気泡・気孔が含まれた多孔材料のことを実質的に指している。特に本発明では、金型のキャビティ空間Bに充填されていた成形部分が複数の気泡・気孔が含まれた多孔質状態となる。本発明における“熱可塑性樹脂”としては、射出成形可能なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、EVA樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアニルエーテルニトリル樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂等を挙げることができる。
また、本明細書において「ウェルド」または「ウェルド部」とは、射出成形において原料樹脂流れが金型キャビティ内において合流する部分、即ち、図6に示すような原料樹脂の流れの“合わせ目部分”のことを実質的に意味している。
本発明の製造方法では、「最終成形品の寸法に相当するキャビティ空間Aの厚み寸法La」に対する「コアバックを行う前のキャビティ空間Bの厚み寸法Lb」の比(Lb/La)は好ましくは0.5〜1(1を除く)程度となっている。
ある好適な態様では、工程(ii)において、キャビティ空間Bの厚み寸法がLaとなるようにキャビティ空間Bを増加させる。つまり、キャビティ空間Bをキャビティ空間Aの厚み寸法まで増加させる。
別のある好適な態様では、工程(ii)において、キャビティ空間Bの厚み寸法がLa未満となるようにキャビティ空間Bを増加させる。つまり、キャビティ空間Bを増加させるものの「キャビティ空間Aの厚み寸法」までは増加させない。
本願発明では、熱可塑性樹脂の製造方法だけでなく、かかる製造方法によって得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体も提供される。特に本発明の熱可塑性樹脂の発泡成形体は、非発泡領域Aと発泡領域Bとを有して成り、非発泡領域Aがリブを構成していることを特徴としている。本明細書にいう「非発泡領域A」とは、あくまでも発泡領域Bと比べて発泡していない領域(≒高発泡していない領域)のことを実質的に意味しており、それゆえ、非発泡領域Aには製造過程などに起因して不可避的または偶発的に発生した気泡が少なからず含まれ得る。
上述の工程(ii)でキャビティ空間Bの厚み寸法がLaとなるようにコアバックさせた場合、得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体は非発泡領域Aと発泡領域Bとが実質的に面一となっている。一方、上述の工程(ii)でキャビティ空間Bの厚み寸法がLa未満となるようにコアバックさせた場合、得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体では非発泡領域Aが成形体表面から突出している。
更に本発明では、上述の製造方法に使用される発泡射出成形用金型も提供される。本発明の発泡射出成形用金型は、キャビティが非発泡成形用キャビティ部Aと発泡成形用キャビティ部Bとを有して成り、
金型使用時にて原料樹脂のウェルド部が形成される領域に非発泡成形用キャビティ部Aが設けられていると共に、非発泡成形キャビティ部Aが樹脂原料の最終成形品の寸法Laに相当する寸法を有しており、
発泡成形キャビティ部Bは、金型使用時にて、その寸法がLa以下の範囲で容積(≒空間体積)を変えることができるようになっていることを特徴とする。
本発明の金型の好適な態様では、金型使用時にて原料樹脂のウェルド部が非発泡成形キャビティ部Aに形成されるようにゲート部が設けられている。また別の好適な態様では、コア側金型とキャビティ側金型とから構成されており、発泡成形用キャビティ部Bの容積を変えることができるようにコア側金型の一部が移動可能となっている。
本発明の製造方法では、熱可塑性樹脂の射出発泡成形時にウェルド部が発生する場合であっても、ウェルド部にて窪み・凹みのない発泡成形品を得ることができる。例えば、発泡成形体のウェルド部における成形面が他の成形面と“面一状態”となった成形体を得ることができるだけでなく、発泡成形体のウェルド部における成形面が他の成形面よりも “突出した形態”の成形体をも得ることができる。
また、本発明の製造方法で得られる成形体は、非発泡領域Aと発泡領域Bとを有して成るものであり、非発泡領域Aを成形品の補強部となる“リブ”として好適に用いることができ、成形品用途の多様性を図ることができる。
本発明の製造方法の特徴を概念的に示した図 本発明の製造方法を示す工程断面図(第1実施形態) 本発明の製造方法(第1実施形態)で得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体を模式的に表した斜視図 本発明の製造方法を示す工程断面図(第2実施形態) 本発明の製造方法(第2実施形態)で得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体を模式的に表した斜視図 従来技術においてウェルド部近傍の態様を模式的に示した図
[本発明の製造方法]
以下にて、本発明の製造方法を詳細に説明する。図1に本発明の製造方法の特徴を概念的に示す。図示するように、本発明の製造方法では、発泡射出成形時にて、「樹脂原料のウェルド部の形成領域の金型キャビティ空間A」を一定に維持しつつ、「ウェルド部の形成領域以外の金型キャビティ空間B」をコアバックにより増加させる。
(第1実施形態)
まず、工程(i)として、溶融化した樹脂原料を供給して金型キャビティ内を熱可塑性樹脂原料で満たす。かかる溶融化した樹脂原料は発泡可能な状態となっており、例えば予め化学発泡剤を仕込んでおいたものであってよい。化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムおよびアゾビスイソブチロニトリルから成る群から選択される少なくとも1種以上の物質を用いることができる。また、“化学発泡剤”のように予め仕込んでおく態様に必ずしも限定されず、射出成形時にガス成分をシリンダ内部へと直接的に供してもよい。より具体的には、注入インジェクタなどを用いることによって原料樹脂の充填後にガス成分を金型シリンダに直接的に注入してもよい。
更に具体的に詳述すると、まず、金型を型締めして図2(a)に示すような金型キャビティを形成する。次いで、図2(b)に示すように、射出成形機を用いて金型に対して樹脂原料を射出し、スプルー、ランナーおよびゲートを介して、溶融化した樹脂原料を金型キャビティへと充填する。金型キャビティ内に充填された樹脂原料は、金型自体が加熱された状態にあるので、最終的には例えば180℃〜220℃程度の温度に達し得る。また、金型内の樹脂平均圧力は約200〜500kgf/cm程度となり得る。
図2(a)および(b)に示すように、溶融化した樹脂原料は2点ゲートa,bから金型内に導入されるので、キャビティ空間Aにおいてウェルド部が形成されることになる。つまり、金型内に導入される樹脂原料流れは金型表面との接触伝熱効果に起因してスキン層が形成され(図6参照)、かかるスキン層の“合わせ目部分”に相当するウェルド部がキャビティ空間Aに形成される。
図2(a)ないしは図1(a)に示すように、コアバックさせる前では、キャビティ空間A(≒ウェルド部の形成領域)の厚み寸法が最終成形品の寸法La(ないしはそれと同等の寸法)になっていると共に、キャビティ空間B(≒ウェルド部が形成されない領域)の厚み寸法がLaよりも小さい寸法Lbとなっている。ここで、本明細書で用いる“厚み寸法”とは、コアバックする方向(即ち、キャビティ空間が増加する方向)におけるキャビティ空間寸法のことを実質的に意味している(図1(a)参照)。
工程(i)に引き続いて工程(ii)を実施する。つまり、キャビティ空間を局所的に増加させることによって、樹脂原料において発泡を生じさせる。特に本発明では、キャビティ空間Aの厚み寸法はそのままで、キャビティ空間Bの厚み寸法がLbより大きくかつLa以下となるように局所的にキャビティ空間を増加させる。これにより、樹脂原料中で発泡が局所的に生じる。換言すれば、金型キャビティ空間のうちキャビティ空間Bのみを増加させ、それによって、キャビティ空間Bに充填されている樹脂原料中において発泡化を引き起こす。
このような局所的なコアバックの移動距離は、|La−Lb|以下となる。特に図示する態様(図2(c))では、キャビティ空間Bの厚み寸法がLaとなるようにキャビティ空間Bを増加させるので、局所的なコアバックの移動距離はLa−Lbとなる。ここで、局所的なコアバックの尺度となる(Lb/La)は好ましくは0.5〜1(1を除く)程度、より好ましくは0.6〜0.8程度である。また、局所的なコアバックの別の尺度として、コアバック前のキャビティ空間Aの体積Vとキャビティ空間Bの体積Vとの比(V/V)は、4.0〜9.0程度であることが好ましい。
局所的なコアバック操作、即ち、キャビティ空間Bの増加はできるだけ瞬時に行うことが好ましく、例えば1〜100mm/s以内で行うことが好ましい。キャビティ空間Bの増加を瞬時に行うことによって、キャビティ空間Bにおける樹脂原料の圧力が急減し、その樹脂原料内に溶解しているガス成分が気泡化して所望の発泡状態が得られることになる。
キャビティ空間Bに発生する気泡は、球状、楕円状または米粒状などの各種形状を有し得る。ここでいう「球状」とは、アスペクト比(種々の方向で測定した場合の最大長さと最小長さとの比)が1.0〜1.2の範囲にある形状を指し、「楕円状」とは、アスペクト比が1.2〜1.5の範囲(但し、1.2を含まない)にある形状を指している。気泡の平均サイズは、例えば、10〜2000μm程度である。ここで「気泡のサイズ」とは、気泡のあらゆる方向における長さのうち最大となる長さを実質的に意味しており、「気泡の平均サイズ」とは、最終的に得られる発泡体における気泡・気孔の透過型電子顕微鏡写真または光学顕微鏡写真に基づいて例えば50個の気泡サイズ・気孔サイズを測定し、その数平均として算出したものを実質的に意味している。
工程(ii)においてキャビティ空間Bの増加により樹脂原料中で局所的な発泡化を行った後は、冷却および離型操作を行う。これにより、図2(d)に示すように、最終成形品たる熱可塑性樹脂の発泡成形体が得られる。
このような製造工程により得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体100は、図3に示すように、非発泡領域Aと発泡領域Bとを有して成り、非発泡領域Aと発泡領域Bとが実質的に面一となっている。つまり、非発泡領域Aは射出発泡成形時にウェルド部に相当する箇所であったにも拘わらず、そのような非発泡領域Aにおいては窪み・凹みが生じていない。
(第2実施形態)
本実施形態は、キャビティ空間Bの厚み寸法がLa未満となるように局所的にキャビティ空間を増加させる形態である。
図4(a)に示すように、コアバックさせる前では、「樹脂原料のウェルド部の形成領域たるキャビティ空間Aの厚み寸法」が最終成形品の寸法Laになっていると共に、「ウェルド部の形成領域以外のキャビティ空間Bの厚み寸法」がLaよりも小さい寸法Lbとなっている。
次いで、図4(b)に示すように、溶融化した発泡可能な樹脂原料を金型キャビティ内に充填する。そして、キャビティ空間Aの厚み寸法はそのままで、キャビティ空間Bの厚み寸法がLbより大きくかつLa未満となるようにキャビティ空間Bを増加させる。これにより、キャビティ空間Bに充填されている樹脂原料を発泡化させる(図4(c)参照)。
発泡後は冷却および離型操作を行う。これにより、図4(d)に示すように、最終成形品たる熱可塑性樹脂の発泡成形体を得ることができる。
実施形態2の製造工程により得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体100は、図5に示すように、非発泡領域Aと発泡領域Bとを有して成り、非発泡領域Aが成形体表面から突出した形態を有している。つまり、非発泡領域Aは射出発泡成形時にウェルド部に相当する箇所であったにも拘わらず、そのような非発泡領域Aにおいては窪み・凹みが生じていない。
[本発明の熱可塑性樹脂の発泡成形体]
次に、本発明の熱可塑性樹脂の発泡成形体について説明を行う。かかる熱可塑性樹脂の発泡成形体は、上述した製造方法によって得られるものである。用いられる樹脂原料によるが、本発明の熱可塑性樹脂の発泡成形体は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、EVA樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアニルエーテルニトリル樹脂および/またはポリベンゾイミダゾール樹脂などから成る発泡体である。
本発明の熱可塑性樹脂の発泡成形体は、非発泡領域Aと発泡領域Bとを有して成り、非発泡領域Aが窪んでいないといった特徴を有している。例えば、上述の製造方法で触れたように、本発明の熱可塑性樹脂の発泡成形体100は、非発泡領域Aと発泡領域Bとが実質的に面一となった形態を有していたり(図3)、あるいは、非発泡領域Aが成形体表面から突出した形態を有している(図5)。ここで、本発明の熱可塑性樹脂の発泡成形体100では、非発泡領域Aが高発泡してない領域ゆえに高強度を維持しており、それゆえ、非発泡領域Aを補強用リブとして好適に用いることができる。
本発明の発泡成形体では、非発泡領域Aの体積V’と発泡領域Bの体積V’との比(V’/V’)は、例えば2.0〜9.0程度となっている。
発泡成形体の発泡領域Bにおける気泡率(空隙率)は、好ましくは10〜50%程度であり、個々の気泡の平均サイズは、好ましくは10〜100μm程度である。
[本発明の金型]
次に、本発明の金型について説明を行う。本発明の金型は、上述の本発明の製造方法に使用できる金型である。具体的には、本発明の金型(例えばピンゲート方式の3プレート金型)では、その金型キャビティが非発泡成形用キャビティ部Aと発泡成形用キャビティ部Bとを有して成る。そして、金型使用時にて原料樹脂のウェルド部が形成される領域に非発泡成形用キャビティ部Aが設けられていると共に、非発泡成形キャビティ部Aが樹脂原料の最終成形品の寸法Laに相当する寸法を有している。一方、発泡成形キャビティ部Bは、金型使用時にて、その寸法がLa以下の範囲で容積を変えることができるようになっている。
本発明の金型では、非発泡成形キャビティ部Aにて樹脂原料のウェルドが発生するように“ゲート位置設計”が行われている。例えば、図2(a)または図4(a)に示すように、2点ゲートa,bを有する態様が考えられる。かかる態様では、対向する位置関係にあるゲートa,bから樹脂原料が導入されるので、そのゲートa,bの中央領域にウェルドが発生し得る。従って、かかる中央領域を非発泡成形キャビティ部Aとなるように設計してよい。つまり、そのような中央領域を最終成形品の寸法Laに相当する厚み寸法を有するように設計する。尚、例えば1点ゲートであっても、樹脂原料流れが金型内でまわり込むように設計されている場合では樹脂原料流れ同士が接触し得るのでウェルドが発生する。従って、そのようなウェルドが発生する領域を非発泡成形キャビティ部Aとみなして金型設計を行ってもよい。
本発明の金型は、図2および図4に示すように、コア側金型の一部が移動可能となっていることが好ましく、それによって、発泡成形用キャビティ部Bの容積を変えることができるようになっている。より具体的には、コア側金型が、固定部と可動部とを有して成り、可動部が、図示するようにエジェクタプレートに取り付けられている態様であってよい(図2参照)。かかる場合、エジェクタプレートがコアバック方向に移動・駆動することによって、発泡成形用キャビティ部Bの容積を変えることができる。尚、離型時には、エジェクタプレートをコアバック方向とは反対に動かすことによって成形品を突き出すことができる。
本発明においては、金型の材質は、特に制限なく、一般的な射出成形に常套的に使用される金型の材質と同じであってよく、更には、金型に設けられる加熱・冷却手段も、特に制限なく、一般的な射出成形に常套的に使用されるものと同様であってよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、あくまでも典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
本発明の製造方法ないしは金型から得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体は、非発泡領域Aを補強リブとして用いることができるので、一般的なプラスチック製品の他、断熱材、吸音材などの種々の用途に好適に用いることができる。
100 熱可塑性樹脂の発泡成形体

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂成形体を射出成形により製造する方法であって、
    (i)金型のキャビティ空間を発泡可能な樹脂原料で満たす工程、および
    (ii)前記キャビティ空間を増加させることによって、前記樹脂原料において発泡を生じさせる工程
    を含んで成り、
    前記工程(i)では、前記樹脂原料のウェルド部の形成領域におけるキャビティ空間Aの厚み寸法が最終成形品の寸法Laになっていると共に、前記ウェルド部の形成領域以外のキャビティ空間Bの厚み寸法が前記Laよりも小さい寸法Lbとなっており、また
    前記工程(ii)では、キャビティ空間Bの厚み寸法がLbより大きくかつLa以下となるようにキャビティ空間Bを増加させ、それによって、キャビティ空間Bに充填されている前記樹脂原料を発泡させることを特徴とする、製造方法。
  2. 前記工程(ii)において、キャビティ空間Bの厚みがLaとなるようにキャビティ空間Bを増加させることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(ii)において、キャビティ空間Bの厚みがLa未満となるようにキャビティ空間Bを増加させることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  4. Laに対するLbの比(Lb/La)が0.5〜1(1を除く)となっていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で得られる熱可塑性樹脂の発泡成形体。
  6. 非発泡領域Aと発泡領域Bとを有して成り、
    非発泡領域Aがリブを構成していることを特徴とする、請求項5に記載の熱可塑性樹脂の発泡成形体。
  7. 非発泡領域Aと発泡領域Bとが面一になっていることを特徴とする、請求項2に従属する請求項5に記載の熱可塑性樹脂の発泡成形体。
  8. 非発泡領域Aが成形体表面から突出した形態を有していることを特徴とする、請求項3に従属する請求項5に記載の熱可塑性樹脂の発泡成形体。
  9. 発泡射出成形用金型であって、
    金型キャビティが非発泡成形用キャビティ部Aと発泡成形用キャビティ部Bとを有して成り、
    金型使用時にて原料樹脂のウェルド部が形成される領域に非発泡成形用キャビティ部Aが設けられ、非発泡成形キャビティ部Aが樹脂原料の最終成形品の寸法Laに相当する寸法を有しており、
    発泡成形キャビティ部Bは、金型使用時にて、その寸法が前記La以下の範囲で容積を変えることができるようになっていることを特徴とする、発泡射出成形用金型。
  10. 金型使用時にて原料樹脂のウェルド部が非発泡成形キャビティ部Aに形成されるようにゲート部が設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の発泡射出成形用金型。
  11. 発泡射出成形用金型が、コア側金型とキャビティ側金型とから構成されており、
    発泡成形用キャビティ部Bの容積を変えることができるように、コア側金型の一部が移動可能となっていることを特徴とする、請求項9または10に記載の発泡射出成形用金型。
JP2009172151A 2009-07-23 2009-07-23 発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型 Expired - Fee Related JP5577061B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009172151A JP5577061B2 (ja) 2009-07-23 2009-07-23 発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009172151A JP5577061B2 (ja) 2009-07-23 2009-07-23 発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011025472A true JP2011025472A (ja) 2011-02-10
JP5577061B2 JP5577061B2 (ja) 2014-08-20

Family

ID=43634807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009172151A Expired - Fee Related JP5577061B2 (ja) 2009-07-23 2009-07-23 発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5577061B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110103411A (zh) * 2019-04-24 2019-08-09 中国航发北京航空材料研究院 一种多次注射成型模具及应用该模具的注射成型方法
US11267169B2 (en) * 2017-05-23 2022-03-08 Otrajet Inc. Processing method for molding foamed polymer
US11780129B2 (en) 2020-03-20 2023-10-10 King Steel Machinery Co., Ltd. Molding method for operating molding device

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006175708A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Gp Daikyo Corp 樹脂成形品
JP2006347002A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Daikyoo Nishikawa Kk 樹脂成形体
JP2007083597A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Daikyoo Nishikawa Kk 樹脂パネル及びその製造方法
JP2007185841A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Daikyo Nishikawa Kk 成形型
JP2007216650A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Daikyo Nishikawa Kk 樹脂成形体
JP2007223282A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Daikyo Nishikawa Kk 樹脂成形体及びその成形方法
JP2008000905A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Daikyo Nishikawa Kk 樹脂成形品
JP2009101660A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Sekisui Techno Seikei Kk 発泡樹脂成形品およびその成形金型

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006175708A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Gp Daikyo Corp 樹脂成形品
JP2006347002A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Daikyoo Nishikawa Kk 樹脂成形体
JP2007083597A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Daikyoo Nishikawa Kk 樹脂パネル及びその製造方法
JP2007185841A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Daikyo Nishikawa Kk 成形型
JP2007216650A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Daikyo Nishikawa Kk 樹脂成形体
JP2007223282A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Daikyo Nishikawa Kk 樹脂成形体及びその成形方法
JP2008000905A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Daikyo Nishikawa Kk 樹脂成形品
JP2009101660A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Sekisui Techno Seikei Kk 発泡樹脂成形品およびその成形金型

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11267169B2 (en) * 2017-05-23 2022-03-08 Otrajet Inc. Processing method for molding foamed polymer
CN110103411A (zh) * 2019-04-24 2019-08-09 中国航发北京航空材料研究院 一种多次注射成型模具及应用该模具的注射成型方法
US11780129B2 (en) 2020-03-20 2023-10-10 King Steel Machinery Co., Ltd. Molding method for operating molding device

Also Published As

Publication number Publication date
JP5577061B2 (ja) 2014-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4283797B2 (ja) 樹脂発泡成形体およびその製造方法
JP2019064203A (ja) 樹脂成形品
JP2017196764A (ja) 発泡樹脂成形体の成形方法、成形型、及び発泡樹脂成形体
JP5577061B2 (ja) 発泡成形体、発泡成形体の製造方法および発泡成形体製造用金型
JP5501529B2 (ja) 管部材の製造方法及び製造装置
JP2011025450A (ja) 発泡成形品の製造方法及び発泡成形品
JP2007130826A (ja) 射出発泡成形体の製造方法
JP4311275B2 (ja) 発泡成形品およびその製造方法
JP2006281698A (ja) 発泡成形品の成形方法及び発泡成形品の成形装置
JP5681347B2 (ja) 熱硬化性樹脂発泡成形体の製造方法およびそれにより得られる発泡成形体
JP2007015231A (ja) 熱可塑性樹脂発泡成形体及びその製造方法
JP6915751B1 (ja) 射出成形品及びその製造方法
JPH08300392A (ja) 発泡性プラスチック組成物の射出成形方法
JP2003266476A (ja) 表皮一体樹脂成形品の製造方法
JPH08300391A (ja) 発泡性プラスチック組成物の射出成形方法
JP2011025452A (ja) 発泡成形用金型及び発泡成形品の製造方法
JP2000210969A (ja) 発泡射出成形法及びその装置
JP5691476B2 (ja) 発泡樹脂成形品の成形方法
JP2020040690A (ja) 発泡容器及び発泡容器の製造方法
JPWO2020003535A1 (ja) 樹脂成形品及び樹脂成形品の製造方法
JP2005328297A (ja) スピーカの振動板及びスピーカの振動板の製造方法
JP2009066941A (ja) 発泡樹脂成形品の成形方法
JP2009061592A (ja) 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
JP2016043661A (ja) 熱可塑性樹脂の発泡成形方法及び発泡成形品
JP2006076124A (ja) 熱可塑性樹脂組成物発泡成形体の成形装置および方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120117

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140624

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140707

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees