JP4311275B2 - 発泡成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、いずれの場合にも、アーチ部90の意匠面にヒケが生じやすくなり、外観特性が低下するという問題がある。
上記接合平面を略垂直に投影した領域の部分である接合平面形成部の発泡倍率よりも、該接合平面形成部に隣接する部分である一般部の発泡倍率が高く、上記接合平面形成部の発泡倍率をA、上記一般部の発泡倍率をBとした場合、B/A=1.01〜2.5であり、
かつ、上記接合平面形成部と上記一般部との間には、成形時の金型に設けた突起部に対応して、上記接合平面を設けた面と同じ側の面から窪んだ溝部が形成されていることを特徴とする発泡成形品にある(請求項1)。
また、従来中実品であったものを本発明の発泡成形品に置き換えることによって、上記のごとく被接着物との接合性を高めることができる上、軽量化および使用材料低減によるコストダウンをも図ることもできる。
固定型および該固定型に対して相対的に進退する移動型を有し、上記発泡成形品を形成するためのキャビティを備え、該キャビティにおける上記接合平面を形成する2つの平キャビティ面を有する一対のイジェクト型に挟まれて隣接するように上記移動型を配置して該移動型を上記一般部に対面させており、かつ、上記イジェクト型の上記平キャビティ面における上記移動型との境界部分には、上記溝部を形成するための突起部を形成してなる金型を用い、
上記キャビティには、予め予圧用ガスを充填して予圧を与えておき、その後、上記キャビティ内に発泡剤を含有させた合成樹脂材料又は発泡用ガスを含有させた合成樹脂材料を射出し、その後、上記移動型を後退させて上記一般部の容積を増加させることにより発泡を促し、かつ、上記イジェクト型は成形中においては定位置を保ったままとすることを特徴とする発泡成形品の製造方法にある(請求項6)。
ここで注目すべき点は、上記平キャビティ面には、上記移動型との境界部分に、上記突起部を設けてあることである。これにより、上記移動型が後退した後においても、上記突起部がいわゆる堰の役割を果たし、接合平面形成部に位置する材料が一般部に向けて容易に移動することを抑制する。そのため、発泡が起こる位置を一般部に集中させることができ、上記の発泡倍率の差違をより明確に発現させることができる。
なお、上記接合平面形成部に位置する材料も、上記堰のない部分から一般部に向かって圧力を解放するように若干の発泡を起こそうとする。これらの発泡の圧力により、成形時のヒケ発生を抑制することができ、得られる外観特性を向上させることができる。
この発泡倍率の測定の方法としては、たとえば、上記接合平面形成部と一般部の密度を測定することによって算出することができる。
また、上記合成樹脂材料に含有させる発泡用ガスとしては、たとえば炭酸ガス(CO2)、窒素ガス(N2)その他の不活性なガスを用いることができる。
また、上記カウンタープレッシャーを付与するための上記予圧用ガスとしても、上記発泡用ガスと同様のガスを適用することができる。
上記移動型の温度の好適な範囲は、合成樹脂材料の種類によっても異なるが、概ね20〜60℃の範囲である。一方、移動型以外の部分は、30〜80℃の範囲に維持することが好ましい。
本発明の実施例に係る発泡成形品及びその製造方法につき、図1〜図6を用いて説明する。
本例の発泡成形品1は、図1に示すごとく、被接合物に接合される接合平面15を有する発泡成形品である。
上記接合平面15を略垂直に投影した領域の部分である接合平面形成部12の発泡倍率よりも、接合平面形成部12に隣接する部分である一般部11の発泡倍率が高い。そして、接合平面形成部12と一般部11との間には、接合平面15を設けた面と同じ側の面から窪んだ溝部18が形成されている。
以下、さらに詳説する。
また、一般部11と接合平面形成部12との間には、アーチ部10の凹側の面(裏面)から窪んだ溝部18が形成されている。
また、本例の発泡成形品1は、同図に示すごとく、アーチ部10の表面における上記溝部18に対向する部分に意匠線19を設けてある。これにより、たとえ万が一にもわずかなヒケが生じたとしても意匠線19によって外観上問題ないようにしてある。
また、本例の発泡成形品1は、車両のボディに接合されるサイドモールであって、上記接合平面15に両面テープを貼設してこれによって被接合物である車両のボディに接合されるように構成されている。
本例では、図2に示すごとく、射出装置5として、スクリュー51を内蔵すると共に、発泡剤を導入する発泡剤導入部54を有する装置を用いた。
上記射出装置5の先端には、金型6が接続されている。
本例の金型6は、図2に示すごとく、可動型61及び固定型62を有しており、これらの間において発泡成形品1を形成するためのキャビティ8を設けてある。
移動型615は、アーチ部10の凹側の面における一般部11のみに対面するように配置されており、図示しないアクチュエータによって本体部610に対して進退可能に構成されている。
なお、本例における可動型61と固定型62とは、成形時には固定使用されるものであり、いずれも本願の第2の発明における固定型の概念に含まれるものである。
また、イジェクト型612も、図示しないアクチュエータによって本体部610に対して前進可能になっている。しかし、これは、後述するごとく、成形品を離型する際に機能させるためのものであり、成形時には本体部610と一体化した状態のままである。
上記固定型62は、アーチ部10の凸側の面全体に対応するキャビティ面81を設けた型であり、型開き時には可動型61から遠ざかるように相対移動し、型締め時には可動型61に近づくように相対移動するように構成されている。
そして、射出装置5からキャビティ8への射出が行われている際には、キャビティ8に充填された予圧用ガスによって、射出された合成樹脂材料に対して適度なカウンタープレッシャーが付与される。これにより、成形品の外表面にはいわゆるスキン層19(図1)が形成されながら、キャビティ8内に充填される。
ここで本例の金型6は、上記のごとく、平キャビティ面82の移動型615との境界部分に、上記突起部825を設けてある。そのため、上記移動型615が後退した後においても、突起部825がいわゆる堰の役割を果たし、接合平面形成部12に位置する材料が一般部11に向けて容易に移動することを抑制する。そのため、発泡が起こる位置を一般部11に集中させることができる。
また、接合平面形成部12に位置する材料も、上記堰のない部分から一般部11に向かって圧力を解放するように若干の発泡を起こそうとするが、一般部11と比べると格段に発泡倍率が低くなる。
また、このような発泡を起こす際の圧力により、成形時のヒケ発生を抑制することができ、得られる外観特性も優れたものとなる。
その後、図6に示すごとく、次の発泡成形品を成形するために、イジェクト型612を元の位置に復帰させると共に、可動型61と固定型62とを合わせて型締めする。そして、再び移動型615を前進位置に移動させて図2の状態に戻した後に、上述した一連の成形を繰り返し行うことにより、上記発泡成形品1を連続して成形することができる。
また、従来中実品であったものを本例の発泡成形品1に置き換えることによって、軽量化および使用材料低減によるコストダウンをも図ることもできる。
本例は、実施例1における金型6に代えて、これと若干構造が異なる金型7を用いた例である。
本例で使用する金型7は、図7〜図10に示すごとく、可動型71及び固定型72を有しており、これらの間において発泡成形品を形成するためのキャビティ8を設けてある。
金型7におけるその他の構造は、実施例1の場合と同様である。
その後、図10に示すごとく、次の発泡成形品を成形するために、イジェクト型712を元の位置に復帰させると共に、可動型71と固定型72とを合わせて型締めする。そして、再び図7の状態に戻した後に、上述した一連の成形を繰り返し行うことにより、上記発泡成形品1を連続して成形することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果が得られる。
10 アーチ部
11 一般部
12 接合平面形成部
15 接合平面
5 射出装置
6、7 金型
61、72 可動固定型
612、712 イジェクト型
615、715 移動型
62、72 固定型
8 キャビティ
82 平キャビティ面
Claims (3)
- 断面形状が略弓形のアーチ部を有すると共に、該アーチ部の凹側の面における両端に被接合物に接合される接合平面を有し、該接合平面に両面テープを貼設してこれによって被接合物である車両のボディに接合されるように構成された車両用サイドモール用の発泡成形品であって、
上記接合平面を略垂直に投影した領域の部分である接合平面形成部の発泡倍率よりも、該接合平面形成部に隣接する部分である一般部の発泡倍率が高く、上記接合平面形成部の発泡倍率をA、上記一般部の発泡倍率をBとした場合、B/A=1.01〜2.5であり、
かつ、上記接合平面形成部と上記一般部との間には、成形時の金型に設けた突起部に対応して、上記接合平面を設けた面と同じ側の面から窪んだ溝部が形成されていることを特徴とする発泡成形品。 - 断面形状が略弓形のアーチ部を有すると共に、該アーチ部の凹側の面における両端に被接合物に接合される接合平面を有し、該接合平面に両面テープを貼設してこれによって被接合物である車両のボディに接合されるように構成され、該接合平面を略垂直に投影した領域の部分である接合平面形成部の発泡倍率よりも、該接合平面形成部に隣接する部分である一般部の発泡倍率が高く、上記接合平面形成部の発泡倍率をA、上記一般部の発泡倍率をBとした場合、B/A=1.01〜2.5であり、上記接合平面形成部と上記一般部との間には、上記接合平面を設けた面と同じ側の面から窪んだ溝部が形成されている車両用サイドモール用の発泡成形品を製造する方法であって、
固定型および該固定型に対して相対的に進退する移動型を有し、上記発泡成形品を形成するためのキャビティを備え、該キャビティにおける上記接合平面を形成する2つの平キャビティ面を有する一対のイジェクト型に挟まれて隣接するように上記移動型を配置して該移動型を上記一般部に対面させており、かつ、上記イジェクト型の上記平キャビティ面における上記移動型との境界部分には、上記溝部を形成するための突起部を形成してなる金型を用い、
上記キャビティには、予め予圧用ガスを充填して予圧を与えておき、その後、上記キャビティ内に発泡剤を含有させた合成樹脂材料又は発泡用ガスを含有させた合成樹脂材料を射出し、その後、上記移動型を後退させて上記一般部の容積を増加させることにより発泡を促し、かつ、上記イジェクト型は成形中においては定位置を保ったままとすることを特徴とする発泡成形品の製造方法。 - 請求項2において、上記移動型は、少なくとも上記平キャビティ面よりも高温に維持することを特徴とする発泡成形品の製造方法。
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