JP4222281B2 - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、いずれの場合にも、アーチ部90の意匠面にヒケが生じやすくなり、外観特性が低下するという問題がある。
上記接合平滑面を設けた接合平滑面形成部の発泡倍率よりも、一般部の発泡倍率が高いことを特徴とする発泡成形品がある。
少なくとも、固定型と、該固定型に対して相対的に進退する移動型とを有し、上記発泡成形品を形成するためのキャビティを備え、該キャビティにおける上記接合平滑面を形成する接合面形成用キャビティ面に隣接するように上記移動型を配置して該移動型を上記一般部に対面させた金型であって、成形後の発泡成形品を離型するためのイジェクト型を有しており、該イジェクト型の先端面に上記接合面形成用キャビティ面を設けてなる金型
を用い、
上記キャビティ内に、発泡剤を含有させた合成樹脂材料又は発泡用ガスを含有させた合成樹脂材料を射出し、その後、上記移動型を後退させて上記一般部の容積を増加させることにより発泡を促すことを特徴とする発泡成形品の製造方法にある(請求項1)。
また、上記一般部とは、上記接合平滑面形成部以外の部分をいう。
この発泡倍率の測定の方法としては、たとえば、上記接合平滑面形成部と一般部の密度を測定することによって算出することができる。なお、この場合に、接合平滑面形成部と一般部との境界部分がはっきりしている場合には、これらの部分全体をそれぞれ用いて算出することができるが、境界部分が不明確である場合には、確実に接合平滑面形成部に含まれる部分と確実に一般部に含まれる部分とをそれぞれの代表部分として、その部分の発泡倍率を求めることによって比較することができる。
また、上記合成樹脂材料に含有させる発泡用ガスとしては、たとえば炭酸ガス(CO2)、窒素ガス(N2)その他の不活性なガスを用いることができる。
また、上記カウンタープレッシャーを付与するための上記予圧用ガスとしては、エアあるいは上記発泡用ガスと同様のガスを適用することができる。
本発明の実施例に係る発泡成形品及びその製造方法につき、図1〜図6を用いて説明する。
本例の発泡成形品1は、図1に示すごとく、被接合物に接合される接合平滑面15を有する発泡成形品である。
上記接合平滑面15を設けた部分である接合平滑面形成部12の発泡倍率よりも一般部11の発泡倍率が高い。
以下、さらに詳説する。
また、図1に示すごとく、上記アーチ部10は、発泡をほとんど起こしていない薄皮状のスキン層19が外周面全周にわたって形成されている。
また、本例の発泡成形品1は、車両のボディに接合されるサイドモールであって、上記接合平滑面15に両面テープを貼設してこれによって被接合物である車両のボディに接合されるように構成されている。
本例では、図2に示すごとく、射出装置5として、スクリュー51を内蔵すると共に、発泡剤を導入する発泡剤導入部54を有する装置を用いた。
上記射出装置5の先端には、金型6が接続されている。
本例の金型6は、図2に示すごとく、固定型62と、固定型62に対して相対的に進退する移動型615とを有している。さらに、金型6は、移動型615を相対的に進退可能に備えた可動型61を有し、可動型61と固定型62とを相対的に進退可能に設けてある。
つまり、上記可動型61は、同図に示すごとく、本体部610と、上記2つの接合平滑面15を形成する接合面形成用キャビティ面82を有する左右一対のイジェクト型612と、これらに挟まれるように配置された移動型615とを組み合わせて構成されている。
移動型615は、アーチ部10の凹側の面における一般部12のみに対面するように配置されており、図示しないアクチュエータによって本体部610に対して進退可能に構成されている。
そして、本例では、固定型62、移動型615及びイジェクト型612によって、発泡成形品1を形成するためのキャビティ8を形成している。
上記固定型62は、アーチ部10の凸側の面全体に対応するキャビティ面81を設けた型であり、型開き時には可動型61から遠ざかるように相対移動し、型締め時には可動型61に近づくように相対移動するように構成されている。
そして、射出装置5からキャビティ8への射出が行われている際には、キャビティ8に充填された予圧用ガスによって、射出された合成樹脂材料に対して適度なカウンタープレッシャーが付与される。これにより、成形品の外表面にはいわゆるスキン層19(図1)が形成されながら、キャビティ8内に充填される。
また、このような発泡を起こす際の圧力により、成形時のヒケ発生を抑制することができ、得られる外観特性も優れたものとなる。
その後、図6に示すごとく、次の発泡成形品を成形するために、イジェクト型612を元の位置に復帰させると共に、可動型61と固定型62とを合わせて型締めする。そして、再び移動型615を前進位置に移動させて図2の状態に戻した後に、上述した一連の成形を繰り返し行うことにより、上記発泡成形品1を連続して成形することができる。
また、従来中実品であったものを本例の発泡成形品1に置き換えることによって、上記のごとく被接着物との接合性を高めることができる上、軽量化および使用材料低減によるコストダウンをも図ることもできる。
本例は、図8〜図11に示すごとく、実施例1における金型6に代えて、これと若干構造が異なる金型7を用いた例である。さらに、本例では、図7に示すごとく、成形対象の発泡成形品102の形状を、凹部設けたアーチ形状ではなく、裏面側がほぼ平面となるかまぼこ状の形状とした。そして、接合平滑面152及び接合平滑面形成部122は、幅方向の両端に設けてあり、これらに挟まれる部分が一般部112である。
上記イジェクト型712は、図8に示すごとく、実施例1におけるイジェクト型612と同様である。
金型7におけるその他の構造は、実施例1と同様である。
また、接合平滑面形成部122に位置する材料も、一般部112に向かって圧力を解放するように若干の発泡を起こそうとするが、一般部112と比べると格段に発泡倍率が低くなる。
また、本例では、発泡成形品102の裏面が凹所のない平坦な面になり、一般部112の裏面と接合平滑面152とがほぼ面一な状態となる。
その後、図11に示すごとく、次の発泡成形品を成形するために、イジェクト型712を元の位置に復帰させると共に、可動型71と固定型72とを合わせて型締めする。そして、再び図12の状態に戻した後に、上述した一連の成形を繰り返し行うことにより、上記発泡成形品1を連続して成形することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果が得られる。
本例では、本発明の発泡成形品の形状を変更させた第1の変形例を示す。
第1の変形例である発泡成形品2は、図12に示すごとく、アーチ部20と、その一端に隣接される飾り部28を有するものである。
本例では、本発明の発泡成形品の形状を変更させた第2の変形例を示す。
第2の変形例である発泡成形品3は、図13に示すごとく、第1アーチ部310と、第2アーチ部320と、これらの間に隣接される飾り部38を有するものである。
なお、接合平滑面352については、被接合物に接合しない単なる平滑面あるいは一般部の一部に変えることも可能である。
また、接合平滑面353についても、被接合物に接合しない単なる平滑面あるいは一般部の一部に変えることも可能である。
その他は実施例1と同様である。
10、20、310、320 アーチ部
11、21、311、321 一般部
12、22、312、322 接合平滑面形成部
15、25、351〜354 接合平滑面
5 射出装置
6 金型
61 可動型
612 イジェクト型
615 移動型
62 固定型
8 キャビティ
82 接合面形成用キャビティ面
Claims (4)
- 被接合物に接合される接合平滑面を有し、該接合平滑面を設けた接合平滑面形成部の発泡倍率よりも、一般部の発泡倍率が高い発泡成形品を製造する方法であって、
少なくとも、固定型と、該固定型に対して相対的に進退する移動型とを有し、上記発泡成形品を形成するためのキャビティを備え、該キャビティにおける上記接合平滑面を形成する接合面形成用キャビティ面に隣接するように上記移動型を配置して該移動型を上記一般部に対面させた金型であって、成形後の発泡成形品を離型するためのイジェクト型を有しており、該イジェクト型の先端面に上記接合面形成用キャビティ面を設けてなる金型を用い、
上記キャビティ内に、発泡剤を含有させた合成樹脂材料又は発泡用ガスを含有させた合成樹脂材料を射出し、その後、上記移動型を後退させて上記一般部の容積を増加させることにより発泡を促すことを特徴とする発泡成形品の製造方法。 - 請求項1において、上記金型は、上記移動型を相対的に進退可能に備えた可動型を有し、該可動型と上記固定型とを相対的に進退可能に設けてあることを特徴とする発泡成形品の製造方法。
- 請求項1または2において、上記発泡成形品は、断面形状が略弓形のアーチ部を有すると共に、上記接合平滑面を上記アーチ部の凹側の面における両端に設けてなり、上記移動型は、2つの上記接合面形成用キャビティ面に挟まれるように配置されていることを特徴とする発泡成形品の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記キャビティには、予め予圧用ガスを充填して予圧を与えておき、その後上記射出を行うことを特徴とする発泡成形品の製造方法。
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