JP2008183834A - 射出発泡成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形金型にフロートコアのようなスライド部材を設けることなく、成形品端末の寸法精度を高め、形状ダレなどの不具合の発生を可及的に防止可能とした射出発泡成形品を提供する。
【解決手段】一対の成形型を型締めすることにより、これら成形型間に形成されるキャビティ内に、発泡樹脂材料を射出充填した後、前記成形型の一方を型開き方向に後退させることによって、前記発泡樹脂材料が発泡して多孔質層が形成されるとともに、該多孔質層の成形型への接触部にはスキン層が形成されてなる射出発泡成形品であって、該射出発泡成形品の端末は、少なくとも一つの冷却溝を設けることにより、射出発泡成形品の端末の発泡を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対の成形型を型締めして形成されるキャビティ内に、発泡性樹脂材料を射出充填した後、前記一対の成形型の一方を型開き方向に後退させて前記キャビティの容積を拡張することによって、前記発泡性樹脂材料の発泡前に前記成形型に接して形成された外側のスキン層と、スキン層の内側に前記発泡性樹脂材料が発泡してなる多孔質層を形成してなる成形品の射出発泡成形方法、およびこの成形方法によって成形される成形品に関する。
従来より、一対の成形型を型締めして形成されるキャビティ内に、発泡性樹脂材料を射出充填した後、前記一対の成形型の一方を型開き方向に後退させて前記キャビティの容積を拡張することによって、前記発泡性樹脂材料の発泡前に前記成形型に接して形成された外側のスキン層とスキン層の内側に前記発泡性樹脂材料の発泡による多孔質層を形成してなる成形品を成形する射出発泡成形方法が知られている。
射出発泡成形では、先ず、各種の発泡剤を含む発泡性樹脂材料を、一対の成形型を型締めして形成されたキャビティ内に射出充填する。成形工程の初期には、成形型のキャビティ内は内圧が高い状態におき、発泡性樹脂材料の発泡が抑制された状態に置かれる。この時、キャビティ内の発泡性樹脂材料は成形型の型面と接する側から徐々に冷却されて、固化された非発泡のスキン層が形成される。次に、所定の時間の経過後、成形型の一方を他方の型から離間する方向に所定量後退させて、キャビティの容積を拡げることによって、前記スキン層の内側において未固化状態にあった発泡性樹脂材料中の発泡剤の発泡反応が促進され、スキン層の内側に多数の気泡を有する低密度の多孔質層が形成される。
しかしながら、上記射出発泡成形品は、その一般面においては、前記溶融層の発泡によって板厚が増加して、成形型のキャビティに追従することができるが、端末部においては、成形品側面のスキン層が溶融状態にある発泡樹脂材料の発泡反応を抑制するため、成形型のキャビティ形状に追従することが難しく、狙いの製品形状が得られ難く、コーナー部などに形状ダレが形成され、外観性能が著しく悪化する。特に、成形品端末に延出形成される取付固定用の係合突起の端部から膨出形成された頭部において係止面となる、成形型の型開き方向に直交する方向に延びる底面に前記形状ダレが形成されると、前記係合突起の係止力が弱くなり、係止状態が解除され易くなるため、前記射出発泡成形品の取付強度が不十分となり、脱落したり、ガタツキによる異音が発生したり、また、隣接部品との合わせ精度が低下し、見栄えが悪化したりする。
射出発泡成形によって形成された成形品は、内部に低密度の多孔質層が形成されるため、成形品の軽量化が可能となる利点があり、近年、多くの採用がなされるようになっている。たとえば、自動車の燃費を向上させる目的から、自動車のドアトリムのような大型の内装部品に用いられることも多い。
特開2006−130878号公報(特願2004−325221)
この種の発泡射出成形方法、およびその成形品において、以下の課題がある。
一対の成形型を型締めして形成されるキャビティ内に発泡性樹脂材料を射出充填して一次成形体を形成し、成形型の一方を型開き方向に後退させて前記キャビティの容積を拡張した際、一次成形体は、スキン層内部の未固化の発泡性樹脂材料が発泡することによって膨張し、型開き方向に平行する方向に、前記成形型の後退量に相当する分の厚さを増す。
しかしながら、実際の製品では、型開き方向に非平行な面であっても、部分的に成形型の後退時の発泡を抑えたい面が生じることがあり、たとえば、図7に示すような、成形体の係合突起100である。この係合突起100は、本製品を不図示の相手部品に対して係合するためのものであり、製品の端縁に形成され、製品の本体部から延長された可撓性の基部の先に断面略三角形の頭部101をもってなるものである。図7において、成形型の後退前の一次成形体を実線で、成形型の後退後の成形品を点線で示しているが、成形型の後退後の前記基部から前記頭部101の底面101a´には、形状ダレが発生する。これは、厚肉に形成された頭部101には、成形型に接する部分に固化形成されたスキン層に比べて、発泡性樹脂材料の発泡に伴なってその容積を拡張する多孔質層の割合が多いためであり、図7のように、成形型104が型開き方向に後退すると、スキン層内の発泡性樹脂材料は、前記底面101aの上方の拡張スペースに向かって発泡する。このような形状ダレが発生すると、隣接部品との合わせ精度が低下したり、見栄えが悪化したりして好ましくない。特に頭部101の底面101aは、係止面となるため、相対する相手部品と正確に接する必要があり、寸法精度が低下すると、相手部品との係止力が低下するため、係止が外れて隙が発生したり、ガタツキによる異音が発生したりするなどして好ましくない。
従来例(特許文献1)では、この課題に鑑み、成形型の後退時に一次成形体の一部の表面をフロートコアを用いて継続的に押圧することにより、この表面での発泡を押さえることが提案されている。図8に上記特許文献1に開示された実施例を示す。図8は、端末に縦壁部201を有するバックドアトリム200の射出発泡成形方法において、発泡性樹脂材料の射出充填後、発泡スペースを確保するために、可動側金型203が所定ストローク後退する際、固定側金型204に設けられたフロートコア205が付勢バネ206のバネ圧により、可動側金型203に追随することによって、前記縦壁部201が可動側金型203のコーナー部の内面形状に追随するため、成形品のコーナー部はシャープなコーナーラインを現出させることが可能となる。
しかしながら、上記従来例に開示された射出発泡成形方法は、成形品の端末形状の寸法精度を良くすることはできるものの、成形金型の内部にフロートコアを設定する必要があるため、金型の製作コスト、および、製作工数が増大するという課題を有している。また、複数の上記フロートコアのような小形のスライド部材を金型内に設定することによって、金型の成立性への影響を考慮する必要があるため、型設計に制約がでたり、耐久性が悪化したり、メンテナンス性が悪化したりする惧れを有している。
本発明の目的は、成形金型に上記フロートコアのようなスライド部材を設けることなく、成形品端末の寸法精度を高め、形状ダレなどの不具合の発生を防止可能とした射出発泡成形方法および該射出発泡成形方法による成形品を提供することである。
課題を解決するための本発明の手段は、一対の成形型を型締めして形成されるキャビティ内に、発泡性樹脂材料を射出充填した後、前記一対の成形型の一方を型開き方向に後退させて前記キャビティの容積を拡張することによって、前記発泡性樹脂材料の発泡前に前記成形型に接して形成された外側のスキン層と、スキン層の内側に前記発泡性樹脂材料が発泡してなる多孔質層を形成してなる成形品の射出発泡成形方法において、前記成形品の厚肉部に、前記発泡性樹脂材料の多孔質層の発泡を抑制するための冷却溝を形成することを特徴とする、射出発泡成形方法による。
本発明の射出発泡成形方法によれば、厚肉部に冷却溝が設けられて、発泡性樹脂材料の発泡が抑えられる。すなわち、一次成形体で厚肉部の内側まで延びるスキン層が形成されて、発泡性樹脂材料の温度が下がりやすく、また、冷却溝がある分、厚肉部で発泡性樹脂材料の樹脂量が低減されるとともに、厚肉部のスキン層の割合が増大するため、厚肉部における発泡量を低減でき、さらに、成形の初期にスキン層が冷却、固化されて、スキン層が成形型の後退時に内側の発泡性樹脂材料の発泡による変形に耐えて、一次成形の形状を保持する作用がある。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための好適な実施例を説明する。
図1は、本発明にかかる射出発泡成形方法によって、成形品の端縁に係合突起が延設され、係合突起の頭部が断面略三角形の厚肉部として形成され、該厚肉部に冷却溝を形成した部分を示す。
図1は、一対の成形型(上型1と下型2)が、型間に所要のキャビティをもって型締めされた後、下型2を型開き方向に所定量d2だけ後退させた状態を示している。型締め時のキャビティの形状としては、所定の平坦な厚さに、広い面積にわたって一般面の一次成形体が形成されるとともに、一般面の端縁には係合突起の一次成形形状が形成される。この時、前記上型および下型に接する部分には、未発泡状態で冷却、固化されたスキン層が形成されるが、厚肉部として形成された、前記係合突起の頭部に、冷却溝が形成されるように、前記成形型のキャビティ形状を設計することによって、前記係合突起の頭部の内部にも、前記冷却溝に対応する部分に成形型と接する領域が生じるため、スキン層が形成される。その後、前記下型2を型開き方向にd2だけ後退させることによって、スキン層内部の発泡性樹脂材料の発泡反応が促進されて、一次成形体の一般面の板厚はd1から下型の後退量d2だけ増える。一方、前記係合突起の頭部は、厚肉に形成されているものの、前記冷却溝を形成しているため、スキン層の割合が増大し、発泡性樹脂材料の割合が低減されていると共に、スキン層によって、発泡性樹脂材料の発泡反応が抑制されるため、一次成形体の形状を維持することができ、成形品のコーナー部に形状ダレなどの成形不具合の発生が起こらなくなる。
射出発泡成形方法では、先ず、キャビティに発泡性樹脂材料を射出充填して、一次成形体を成形する。発泡性樹脂材料としては、母材樹脂は、ポリプロピレン樹脂や、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂であり、母材樹脂に対して、発泡剤があらかじめ所定量充填されている。
これらの発泡剤は、母材樹脂がキャビティに樹脂を充填する射出成形機のスクリュー部にあるときや、成形型のキャビティの中に充填された直後では、母材樹脂に作用している内圧が高いために、発泡反応が抑制されている。
発泡性樹脂材料の成形型に接している外側面では、徐々に型面に熱を奪われて冷却されてスキン層が形成される一方、スキン層の内側は、温度が下がりにくく、未固化の状態を維持している一次成形体が形成される。
次に、所定の時間が経過して、スキン層の厚さが0.4〜0.6mmになった段階で、成形型の一方を型開き方向に後退(0.5〜3.0mm)させる。これにともない、スキン層の内部に未固化状態にあった発泡性樹脂材料に含まれていた発泡剤の発泡反応が促進される。これによって一次成形体のスキン層の内側に多孔質層(セル層)が形成され、一般部で、型開き量d2分だけ厚さを増し、軽量化された成形品が得られる。
図2に成形品の端縁に延設された係合突起10の斜視図を示す。係合突起10の形状としては、薄肉で可撓性の基部11と、基部11の先端に厚肉の頭部12を形成してなる。頭部12は、成形型の型開き方向に略直交する向きに延びる底面12aと、成形型の型開き方向に略平行する向きに延びる立面(前記基部11の頭部12が膨出形成される面の反対側の面から延設された面)と、傾斜面12bとをもって、断面略三角形をなす。この際、係合突起10でおこる反応について、図2を参照して説明すると係合突起10に形成される厚肉の頭部12の傾斜面12bには、頭部12の底面12aおよび立面12cに向かって冷却溝13、13´が形成されている。前記係合突起10の頭部12に、前記冷却溝13、13´を設けることによって、多孔質層の割合が減少すると共に、成形型への接触面積が増大するため、前記頭部12の内部にもスキン層が形成されるため、前記頭部12内での発泡性樹脂材料の発泡が抑制される。この結果、係合突起10のコーナー部には、形状ダレが形成されるようなことがなくなり、寸法安定性が著しく向上する。
図3に、取付の相手部品9に設けた貫通孔9aに係合突起10が係止している状態を断面図で示す。相手部品9への係合は、係合突起10の可撓性の基部11を撓めて、係合突起10の頭部12に形成した傾斜面12bを相手部品の係合孔9aに差し入れ、底面12aで相手部品に係合するものである。
係合突起10は、射出発泡成形品の一般面端末から延出する基部11と該基部11の突出方向と交差する方向へと、前記基部11の端縁から延出形成された頭部12とからなり、取付の相手部品9に形成された係止用の貫通孔9aの開口周縁に係止することにより、取付固定される。
頭部12には、前記貫通孔9aの開口周縁に係止して、抜止として機能する底面12aと、前記貫通孔9aに係止させる際に、前記貫通孔9aに容易に挿入可能となるように傾斜面12bが設けられている。本実施例においては、貫通孔9aの開口の周縁に前記底面12aが係止されて、成形品は取付固定されているが、これに限られるものではなく、たとえば、前記貫通孔9aの側面に前記頭部12が嵌合可能な嵌合用凹部を形成しても良いし、前記貫通孔9aの側面に前記頭部12が係止可能な突条を突出形成する構成としても構わない。
前記貫通孔9aは、前記頭部12を挿通できるだけの内径を有しており、前記係合突起10は、基部11が薄肉に形成されているため、弾性的に撓んで、前記貫通孔9aを貫通して、前記係合突起10が前記貫通孔9aから突出すると、元の形状に弾性的に復元されるため、前記貫通孔9aの開口周縁に係止される。ここで、前記係合突起10には、その先端部から徐々に拡径するように傾斜部12bが形成されているため、前記係合突起12を前記貫通孔9aに挿入し易く、前記基部11の弾性変形も容易にでき、さらに、前記係合突起10の耐久性も向上する。
本発明に係る射出発泡成形方法は、発泡材を予め混合した発泡性樹脂材料を、一対の成形型間に形成されるキャビティ内に、成形型が型締め状態において、射出充填するとともに、一方の成形型を型開き方向に後退させることによって、前記発泡性樹脂材料を発泡させて、多孔質層を形成することを特徴とする射出発泡成形によって形成されている。射出発泡成形によって形成された成形品は、発泡性樹脂材料の発泡によって形成された多孔質層を有するため、所要の肉厚を有しながら、軽量化が可能となる。
このような射出発泡成形において、前記発泡性樹脂材料は予め加熱され、溶融状態にされて、成形型間に形成されたキャビティ内に射出充填されるが、キャビティ内に充填された溶融状態の発泡性樹脂材料は、成形型の型面と接する表面部分は成形型によって冷却されるため、一方の成形型を型開き方向に後退させる発泡工程に至る前に、固化して、スキン層を形成する。固化したスキン層は、型締めによる圧力が開放されても、発泡することはなく、射出発泡成形品において、樹脂密度の高い硬質な表面層を形成する。
このとき、従来の射出発泡成形品の端末では、表裏面だけでなく、側面にもスキン層が形成されるため、該スキン層が、溶融状態にある発泡性樹脂材料の発泡を抑制し、成形型のキャビティ形状に追従することが難しく、形状ダレが生じ、寸法精度が悪くなり、外観性能が悪化する。
また、成形品端末に延出形成される、上記係合突起10における頭部12の底面12aのような箇所において、このような形状ダレが形成されると、前記係合突起12の係止力が弱くなり、係止状態が解除され易くなるため、成形品の取り付け強度が不十分となり、成形品が脱落したり、ガタツキによる異音が発生したり、隣接部品との合わせ精度が低下し、見栄えが低下するなどの不具合の原因となる。
ここで、本発明の前記係合突起10は、図2、3に示すような冷却溝13、13´が形成されることによって、上述の形状ダレの発生を防止することを可能としている。前記係合突起10に、前記冷却溝13、13´を設けることによって、前記係合突起10の肉厚を減らすことができるため、射出発泡成形を行なう際に、発泡性樹脂材料の発泡による前記多孔質層の割合を大幅に低減することでき、前記係合突起10において、前記スキン層の割合を増やすことが可能となる。これによって、成形型の後退による発泡工程において、前記係合突起10の発泡量が低減できるため、形状ダレなどが発生することなく、係合突起10は寸法精度良く成形することができる。また、冷却溝13と冷却溝13´との間には、補強壁14が形成されているため、前記係合突起10の強度低下を防止すると共に、頭部12が撓んで、係止力が低下するようなことを可及的に防止でき、所要の係止力を保持することができる。
前記冷却溝13、13´は、前記係合突起10の前記基部11において、前記頭部12の傾斜面12bに開口するように、前記頭部12内部に、中空状に形成されているが、前記冷却溝13、13´は、前記頭部12を貫通するように形成してもよいし、前記頭部12の側面に形成しても、底面12a、立面12cに形成してもよい。
前記頭部12の肉厚は、0.8〜1.2mmであることが好ましく、0.9〜1.1mmであることがより好ましい。前記下限以上であれば、強度および形状安定性に優れた射出発泡成形品が得られ、前記上限以下であれば、前記頭部12の略全体をスキン層とすることができ、頭部12の寸法精度に優れた係合突起10を有する射出発泡成形品が得られる。
図4および図5に、本発明による射出発泡成形品の第2の実施形態を示す。図4は、本発明の第2の実施形態による射出発泡成形品の端末から延出形成された係合突起20の部分拡大斜視図であって、図4(a)は、係合突起20を、成形型の型開き方向への後退を行なう前の、即ち、発泡前の状態を斜視図に示したものであって、図4(b)は、成形型の後退によって、係合突起20内部の発泡性樹脂材料が発泡した後の様子を斜視図に示したものである。図5は、発泡後の前記係合突起20(図4(b))の基部21の突出方向に沿った断面図である。
係合突起20は、射出発泡成形品の端末から薄肉状に延出形成された基部21と、該基部21の開放端部から、基部21の延出方向と略交差する方向に突出形成された頭部22とからなり、係合突起20は、射出発泡成形品の取付の相手部品に設けられた係止用の貫通孔等に挿通されて、前記頭部22が係止することによって、前記射出発泡成形品は取付固定される。
頭部22には、傾斜面22bと底面22aが形成され、基部21は、薄肉に形成されているため、弾性的に変形可能であり、また、傾斜面22bは、断面形状が係合突起21の末端部から、徐々に拡径するように傾斜した面を形成しているため、係合突起20を射出発泡成形品の取付相手部材に形成した貫通孔などに、挿通する際に、前記傾斜面22bが前記貫通孔の開口縁に当接しながら、前記係合突起21を前記貫通孔に押し込むことによって、前記基部21は徐々に弾性的に変形するため、前記係合突起21を前記貫通孔に容易に挿通可能となる。前記頭部22が、前記貫通孔を挿通した後、前記係合突起21は元の形状に復元するため、前記頭部22は、底面22aを前記貫通孔の開口縁に当接させて、係止される。
図4(a)に示すように、発泡前の前記頭部22には、冷却溝23が形成されており、該冷却溝23の底面23aは、前記頭部22の底面22aよりも一段低くされている。前記冷却溝23aは、立壁部22cと前記基部21との間に、前記頭部22内部の発泡性樹脂材料の発泡を許容する空間を形成し、図4(b)および図5に示したように発泡後は、前記冷却溝23の底面23aが、前記頭部22の底面22aと略同じ高さか、あるいは、底面22aよりも低くなるように、前記冷却溝23の容積は適宜設計される。
ここで、前記基部21および前記立壁部22cの厚みは、0.8〜1.2mmであることが好ましく、0.9〜1.1mmであることがより好ましい。前記下限以上であれば、強度および形状安定性に優れた射出発泡成形品が得られ、前記上限以下であれば、前記基部21および前記立壁部22cの略全体をスキン層とすることができ、頭部22の寸法精度に優れた射出発泡成形品が得られる。
上記の構成により、本発明の第2の実施形態による係合突起20は、前記基部21および前記立壁部22cの略全体がスキン層となって、発泡量を低減することができると共に、頭部22のスキン層内部の発泡性樹脂材料の発泡を、前記冷却溝23内でのみ起こすことが可能となる。前記冷却溝23は、前記スキン層内部の発泡性樹脂材料の発泡によって、冷却溝23の底面23aが前記頭部22の底面22aと略同じ高さとなるため、前記底面23aと前記底面22aによって、射出発泡成形品の取付相手部材に対する係止面が形成され、基部21と頭部22のコーナー部において、形状ダレが発生して、射出発泡成形品と取付相手部材との係止力が弱まるような不具合の発生を可及的に防止することが可能となる。
図6に、本発明の第3の実施形態を示す。図6は、射出発泡成形品30の端末部を示しており、該端末部には、一定の間隔をおいて複数の冷却溝31が設けられている。冷却溝31は、断面矩形状に刳り貫かれた凹形状を有しており、射出発泡成形品の端末から、離間して設けられている。射出発泡成形品の端末からの距離、および、冷却溝31同士の間隔、および、冷却溝31の底部の厚みは0.8〜1.2mmであることが好ましく、0.9〜1.1mmであることがより好ましい。前記下限以上であれば、強度および形状安定性に優れた射出発泡成形品が得られ、前記上限以下であれば、射出発泡成形品の端末において、略全体をスキン層から形成することができ、端末部の寸法精度に優れた射出発泡成形品が得られる。
図6に示した本発明の第3の実施形態における前記複数の冷却溝31は、成形品端部から略同じ距離だけ離間し、また、各冷却溝31は、略等間隔に配設されているが、これに限られるものではなく、成形品端部からの距離を交互に変えたり、冷却溝31同士の間隔を変えるなど任意の配置が可能である。また、冷却溝31の断面形状は、矩形状の他にも、円形、楕円形、多角形など任意の形状とすることができる。また、図6に示した実施例では、冷却溝31が成形品の一方の側からのみ開けられているが、反対側にも冷却溝を設けても構わない。図6の実施形態において、冷却溝31を両面から交互に開ける構造とすれば、成形品端末の強度低下を防止できる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
本発明によれば、一対の成形型によって形成されるキャビティ内に溶融させた発泡性樹脂材料を射出充填し、一方の成形型を型開き方向に後退させて、発泡樹脂材料を発泡させてなる射出発泡成形品において、成形型内にフロートコアなどを組み込むことなく、成形品端末部に生じる形状ダレの発生を防止することが可能になる。射出発泡成形において、前記キャビティ内に充填された発泡性樹脂材料は、成形型に接触する部分が、成形型によって冷却されて、一方の成形型を型開き方向に後退させる発泡工程に至る前に固化した、スキン層が形成される。その後、一方の成形型を型開き方向に後退させると、前記スキン層に覆われた溶融状態の発泡性樹脂材料が発泡することによって、表面をスキン層で覆われた多孔質層が形成される。
本発明の射出発泡成形方法および、該射出発泡成形方法によって得られる成形品は、このスキン層を利用することを特徴としており、成形品端末において、発泡不能なスキン層の割合を増大させることによって、形状ダレなどの発生を抑制し、寸法精度を良好に保つことを可能としたことを特徴とする。スキン層は、通常、型接触面から約0.5mmの厚みに形成されるため、射出発泡成形品の端末部において、その肉厚を0.8〜1.2mmとすることが好ましく、0.9〜1.1mmであればより好ましい。前記下限以上であれば、強度および形状安定性を損うことを防止でき、前記上限以下であれば、射出発泡成形品の端末において、略全体をスキン層から形成することができ、端末部の寸法精度に優れた射出発泡成形品が得られる。このため、本発明による射出発泡成形品によれば、成形のための成形型内部にフロートコアなどを組み込む必要がなくなるため、型費および型作製工数を低減できると共に、型構造の自由度が向上し、射出発泡成形品の設計制約が減少するといった優れた効果が得られる。
本発明による射出発泡成形方法を示した断面図。 本発明による射出発泡成形法によって形成した成形品に設けた係合突起を示した斜視図。 図2の係合突起を成形品の相手部品に取付けた状態に示した断面図。 本発明による射出発泡成形方法によって形成した成形品に設けた係合突起の第2の実施形態を示した発泡前後の斜視図。 本発明による射出発泡成形方法によって形成した成形品に設けた係合突起の第2の実施形態を示した発泡後の断面図。 本発明による射出発泡成形方法によって形成した成形品の第3の実施形態を示した要部拡大斜視図。 従来の射出発泡成形方法を示した断面図。 従来の射出発泡成形方法において、成形型にフロートコアを組込んだ成形型を用いた成形方法を示した断面図。
符号の説明
9 相手部品
9a 貫通孔
10、20 係合突起
11、21 基部
12、22 頭部
12a、22a 底面
12b、22b 傾斜面
12c 立面
22c 立壁部
13、13´、23、31 冷却溝
14 補強壁
23a 底面

Claims (6)

  1. 一対の成形型を型締めして形成されるキャビティ内に、発泡性樹脂材料を射出充填した後、前記一対の成形型の一方を型開き方向に後退させて前記キャビティの容積を拡張することによって、前記発泡性樹脂材料の発泡前に前記成形型に接して形成された外側のスキン層と、スキン層の内側に前記発泡性樹脂材料が発泡してなる多孔質層を形成してなる成形品の射出発泡成形方法において、前記成形品の厚肉部に、前記多孔質層の発泡を抑制するための冷却溝を形成することを特徴とする、射出発泡成形方法。
  2. 前記厚肉部が、前記成形型の型開き方向に略直交する向きに延びる底面と、前記成形型の型開き方向に略平行する向きに延びる立面と、傾斜面とからなる断面略三角形の、係合突起の頭部であることを特徴とする、請求項1に記載の射出発泡成形方法。
  3. 前記冷却溝が、前記係合突起の頭部の傾斜面から、底面および立面に向けて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の射出発泡成形方法。
  4. 前記冷却溝が、前記係合突起の頭部の底面に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の射出発泡成形方法。
  5. 前記冷却溝を設けることによって、前記係合突起の厚みが0.8mm〜1.2mmの範囲となるように形成されていることを特徴とする、請求項1〜4に記載の射出発泡成形方法。
  6. 請求項1〜5に記載の射出発泡成形方法によって成形されることを特徴とする、成形品。
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