JP2011025117A - 焼却炉からの焼却灰の処理装置および処理方法 - Google Patents

焼却炉からの焼却灰の処理装置および処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】家庭から排出されたごみや産業廃棄物などを焼却するための焼却炉で発生した焼却灰に含まれる資源を効果的に回収できるようにするとともに、同焼却炉で発生した二酸化炭素を固定化できるようにする。
【解決手段】焼却炉からの焼却灰の処理装置である。焼却炉1で発生した焼却灰を用いて、ナトリウムとカリウムと塩素とを含有する第1の温度の水溶液を作り出す灰反応装置12と、水溶液の温度を第1の温度よりも低温の第2の温度に低下させて塩化カリウムを生成分離させる冷却晶析装置16と、水溶液と焼却炉1で発生した二酸化炭素含有ガスとを反応させて炭酸水素ナトリウムを生成分離させる吸収塔11と、冷却晶析装置16および吸収塔11で塩化カリウムおよび炭酸水素ナトリウムを生成分離させた後の液を灰反応装置12に戻すための戻し手段13とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼却炉からの焼却灰の処理装置および処理方法に関する。
家庭から排出されたごみや、産業廃棄物などは、焼却炉において焼却処理されるのが通例となっている。焼却処理の結果、焼却灰が発生するが、この焼却灰は、埋め立てなどの処理に供されている。しかし、たとえば家庭から排出されるごみにはナトリウムやカリウムが含まれていることが多く、特にナトリウムは塩化物すなわち食塩の形で含まれていることが多い。このため、ナトリウムやカリウムや塩素は、焼却灰中にも一定量以上が含まれている。したがって焼却灰を埋設処理してしまったのでは、これらの資源が回収されず、その再利用ができなくなる。
一方、特許文献1には、生活排水などの排水からナトリウムやカリウムを回収するための方法として、排水を1価イオン選択性イオン交換膜を具備した電気透析装置によって1価イオンを含む濃縮水として分離回収する電気透析工程と、その回収水から晶析操作によって塩化ナトリウムや塩化カリウムを分離回収する工程とを含む手法が開示されている。
特開2001−026418号公報
本発明は、家庭から排出されたごみや産業廃棄物などを焼却するための焼却炉で発生した焼却灰に含まれる資源を効果的に回収できるようにするとともに、同焼却炉で発生した二酸化炭素を固定化できるようにすることを目的とする。
この目的を達成するため本発明の焼却炉からの焼却灰の処理装置は、
焼却炉で発生した焼却灰を用いて、ナトリウムとカリウムと塩素とを含有する第1の温度の水溶液を作り出す灰反応装置と、
前記水溶液の温度を第1の温度よりも低温の第2の温度に低下させて塩化カリウムを生成分離させる冷却晶析装置と、
前記水溶液と前記焼却炉で発生した二酸化炭素含有ガスとを反応させて炭酸水素ナトリウムを生成分離させる吸収塔と、
前記冷却晶析装置および吸収塔で塩化カリウムおよび炭酸水素ナトリウムを生成分離させた後の液を前記灰反応装置に戻すための戻し手段とを有することを特徴とする。
本発明の焼却炉からの焼却灰の処理装置は、冷却晶析装置と吸収塔とがこの順で直列に配置されていることが好適である。
本発明の焼却炉からの焼却灰の処理装置は、灰反応装置に戻される液は吸収塔で水溶液と二酸化炭素とが反応することにより生成された溶解性炭酸塩を含み、前記灰反応装置は、この灰反応装置に戻される液に含まれる溶解性炭酸塩と、焼却灰に含まれるマグネシウムおよびカルシウムとを反応させて炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムを生成分離させることが可能であることが好適である。
本発明の焼却炉からの焼却灰の処理装置は、吸収塔で生成された炭酸水素ナトリウムを焼却炉で発生した酸性ガスの処理剤として利用させるための手段を有することが好適である。
本発明の焼却炉からの焼却灰の処理方法は、
焼却炉で発生した焼却灰を用いて、ナトリウムとカリウムと塩素とを含有する第1の温度の水溶液を生成させ、
前記水溶液の温度を第1の温度よりも低温の第2の温度に低下させることで、前記水溶液から塩化カリウムを生成分離させ、
前記水溶液と前記焼却炉で発生した二酸化炭素含有ガスとを反応させることで、前記水溶液から炭酸水素ナトリウムを生成分離させ、
前記塩化カリウムおよび炭酸水素ナトリウムを生成分離させた後の液を前記第1の温度の水溶液の生成に供することを特徴とする。
本発明の焼却炉からの焼却灰の処理方法によれば、水溶液から塩化カリウムを生成分離させた後に、水溶液から炭酸水素ナトリウムを生成分離させることが好ましい。
本発明の焼却炉からの焼却灰の処理方法によれば、水溶液と二酸化炭素含有ガスとを反応させることで生成された溶解性炭酸塩を含む液を第1の温度の水溶液の生成に供し、この溶解性炭酸塩と焼却灰から前記水溶液に溶解されたマグネシウムおよびカルシウムとを反応させて炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムを生成分離させることが好ましい。
本発明の焼却炉からの焼却灰の処理方法によれば、生成分離された炭酸水素ナトリウムを焼却炉で発生した酸性ガスの処理剤として用いることが好ましい。
本発明によると、焼却炉からの焼却灰に含まれるカリウムを塩化カリウムの形で分別抽出することができるとともに、同焼却灰に含まれるナトリウムを炭酸水素ナトリウムの形で分別抽出することができる。かつ、焼却炉からの排ガスを、炭酸水素ナトリウムを生成する際に用いる二酸化炭素含有ガスとして用いるため、本発明によれば、ナトリウムおよびカリウムの抽出と同時に二酸化炭素の固定化を図ることもできる。
また本発明によると、水溶液と二酸化炭素含有ガスとを反応させることで生成された溶解性炭酸塩を含む液を用いて、焼却灰から水溶液に溶解されたマグネシウムおよびカルシウムを炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムとして生成分離することができる。
さらに本発明によると、生成分離された炭酸水素ナトリウムを焼却炉で発生した酸性ガスの処理剤として用いることで、系外からの処理剤を利用することなしに、焼却炉で発生した酸性ガスを処理することができる。
本発明の実施の形態の焼却炉からの焼却灰の処理装置の概略構成を示す図である。 塩化カリウムと塩化ナトリウムとの水溶液の溶解度の温度依存性を示す図である。 炭酸水素ナトリウムと炭酸水素カリウムとの水溶液の溶解度の温度依存性を示す図である。 図1の装置の各部位における各イオンの活量を示す図である。 図1の装置の各部位における各イオンの活量とpHの値とを示す図である。
図1において、1は焼却炉で、家庭から排出されたごみや産業廃棄物などを焼却するために用いられる。焼却炉1では、焼却によって焼却灰が発生する。2はその焼却灰の排出口である。3は焼却炉1からの排ガスのための煙道で、この煙道3には、ガス冷却装置4と、除塵装置5とが設けられている。6は排気用のブロワ、7は煙突である。
10は、本発明の処理装置を示す。ここで、11はCO吸収塔、12は灰反応装置である。灰反応装置12は、沈殿槽の形態をとることができる。CO吸収塔11と灰反応装置12との間には水溶液を循環させるための循環経路13が設けられている。この循環経路13において、14は灰反応装置12からCO吸収塔11への水溶液供給経路、15はCO吸収塔11から灰反応装置12への戻り経路である。循環経路13の水溶液供給経路14には、冷却晶析装置16が設けられている。
17は粉砕機で、焼却炉1の排出口2からの焼却灰を粉砕したうえで灰反応装置12へ供給可能である。焼却炉1にて生成される焼却灰は、ナトリウムとカリウムと塩素とを含むとともに、カルシウムやマグネシウムを含むことが通例である。ナトリウムと塩素とは、一般的には食塩の形態をとっている。カリウムと塩素とは、一般的には塩化カリウムの形態をとっている。灰反応装置12は、撹拌装置18を備えている。
CO吸収塔11は、焼却炉1の煙道3からのCOを含む排ガスをその内部に通過させることで処理し、処理後のガスを煙道3に戻すことができるように構成されている。19は煙道からの排ガスの供給路、20は煙道へ戻す排ガスの排出路である。21はシャワーノズルで、CO吸収塔11の内部を通過する排ガスに対して循環経路13からの水溶液を噴射させることが可能である。
このような構成において、循環経路13には最初は水が循環されている。焼却炉1で発生した焼却灰は、上述のようにナトリウムとカリウムと塩素とカルシウムとマグネシウムとを、たとえば食塩などの塩化物の形で含むものであるが、粉砕機17に供給されて微細に粉砕され、そのうえで灰反応装置12に送り込まれる。
灰反応装置12では、塩化物の形のナトリウムやカリウムやカルシウムやマグネシウムは水に溶け、そのうちのカルシウムおよびマグネシウムは、後述のように水中の炭酸イオンと反応して炭酸塩を形成し、装置12の内部で沈殿され除去される。詳細は後述するが、灰反応装置12は、60℃程度で処理を行うように温度設定される。
このようにカルシウムやマグネシウムが除去された60℃の塩水溶液は、たとえば塩化ナトリウムと塩化カリウムとが混在した塩水溶液の形態となったうえで、循環経路13の水溶液供給路14を経て冷却晶析装置16に供給される。
冷却晶析装置16では、供給された水溶液が30℃程度に冷却される。すると、塩化カリウムは、60℃における飽和濃度に比べて30℃における飽和濃度が大幅に低いという特性を有するため、液中に溶解していた塩化カリウムは、冷却晶析装置16の内部に塩として析出し、その底部に沈殿していく。これにより、水溶液からカリウムを塩化カリウム(KCl)として分別抽出することができる。
冷却晶析装置16は、水溶液を強制冷却する構成のものであっても良いし、場合によっては自然放熱の形態の単なるサイクロンによって装置を構成することも可能である。
塩化カリウムを分別抽出した後の水溶液は、CO吸収塔11に供給され、シャワーノズル21から塔内に散水される。
CO吸収塔11には、焼却炉1の煙道3からのCOを含む排ガスが供給されている。この排ガスは、塔内に散水された水溶液に接触される。すると、COは炭酸イオンの形で水溶液中に溶け込み、この炭酸イオンと水溶液中のナトリウムとが反応して、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)が形成される。この炭酸水素ナトリウムは、CO吸収塔11の内部の水溶液中で析出し沈殿することで、塔外に排出される。これによって、焼却灰に含まれていたナトリウムが選択的に分別抽出される。
この分別抽出された炭酸水素ナトリウムは、送給路22を介して煙道3などに供給されることで、焼却炉1で発生した酸性ガスの処理剤として用いられる。このようにすると、系内で排ガスの処理剤を生成することができて、系外から処理剤を供給する必要が無いという利点がある。
冷却晶析装置16およびCO吸収塔11における反応の詳細について説明すると、水溶液が循環経路13に沿って循環することで、ナトリウムイオンとカリウムイオンと塩素イオンとが次第に濃縮して行き、飽和状態に達した後に塩化カリウムや炭酸水素ナトリウムといった塩の形で析出し沈殿していく。
ナトリウムを除去した後の水溶液は、余剰の溶解性炭酸塩を含んだものとなっているが、その状態で灰反応装置12に送られる。灰反応装置12では、上述のようにカルシウムやマグネシウムが水中の溶解性炭酸塩と即座に反応し、炭酸カルシウム(CaCO)や炭酸マグネシウム(MgCO)となって、残灰とともに沈殿する。沈殿した炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムや残灰は、系外に排出され、埋め立てに供されたり、セメント原料などとして再利用されたりすることができる。
たとえばごみ焼却炉の排ガスはCO濃度が10%程度であるが、全排出ガスのうちの適当量が、CO吸収塔11に供給されて水溶液に溶解することにより、ナトリウムの抽出に用いられるとともに、灰反応装置12における炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムの沈殿分離のために用いられる。これによって排ガス中のCOの固定化が行われる。
COが固定化されて除去された後のガスは、排出路20を経て煙道3に戻される。
カリウムとナトリウムとを分別して抽出するための析出メカニズムについて説明する。図2は、塩化カリウム(KCl)と塩化ナトリウム(NaCl)との水溶液の溶解度の温度依存性を示すものである。横軸は温度、縦軸は溶解度である。図示のように、塩化ナトリウムは、溶解度の温度依存性はあまり高くないが、塩化カリウムは、塩化ナトリウムに比べて溶解度の温度依存性が高い。すなわち、水溶液の温度が低下すると、それにつれて塩化カリウムの溶解度が大きく低下するため、溶解度を超えた分の塩化カリウムが塩の形で析出する。塩化ナトリウムは、たとえばその濃度を26質量%未満に制御しておけば、冷却晶析装置16で析出することはない。
図3は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)と炭酸水素カリウム(KHCO)との水溶液の溶解度の温度依存性を示すものである。同様に横軸は温度、縦軸は溶解度である。図示のように、0℃〜60℃の範囲では、炭酸水素ナトリウムの方が、炭酸水素カリウムよりも溶解度が低い。よって、吸収塔11へのCOの供給量を制御することによって、炭酸水素カリウムを溶解度未満に制御した状態で、炭酸水素ナトリウムを溶解度を超えた状態とすることで、CO吸収塔11において炭酸水素ナトリウムを選択的に析出させることができる。
次に系内のイオン挙動について説明する。図4は、図1の装置の各部位における、Na、K、Cl、トータルCOの各イオンの活量を示したものである。また図5は、図1の装置の各部位における、HCO 、CO 2−の各イオンの活量と、pHの値とを示したものである。
図4に示すように、系内を流れる水溶液は、カリウムリッチの塩溶液の形態である。その基本的なイオンのモルバランスは、
[K+Na]=[Cl+HCO +2CO 2−
となる。ここで、CO 2−は、その量が多い方が、灰反応装置12における炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムの固定化に有利である。すると、それに対応して、Clの濃度はあまり高くすることができない。よって、塩化カリウムが析出する条件下では、必然的にK濃度が上昇することになる。ただ、CO吸収塔11で炭酸水素ナトリウムを選択的に析出させるため、K濃度は適当な上限が設定される。
CO吸収塔11の運転温度について説明する。COをナトリウムと反応させるためには、CO吸収塔11の設定温度が低い方が有利である。しかし、CO吸収塔11で炭酸水素ナトリウムが析出し過ぎると、灰反応装置12に供給される溶解性炭酸塩の量が減少してしまう。また灰反応装置12は、設定温度が高温である方が、反応時間が短く有利である。このためCO吸収塔11ではあまり温度を下げ過ぎないようにすることが好ましい。しかし、CO吸収塔11に供給されるCO含有ガスは焼却炉1からの排ガスであり、この排ガスはたとえば160℃以上の高温であり、またCOの吸収反応は発熱反応であるため、温度を下げるための工夫をすることが望ましい。またCO吸収塔11の設定温度が60℃を超えると、炭酸水素ナトリウムに分解が起こりやすくなるため、炭酸水素ナトリウムの析出に障害が出てくる可能性がある。これらの点から、CO吸収塔11は、50〜60℃に温度設定することが好ましい。なお、循環経路13を循環する水溶液がCO吸収塔11において排ガスで加熱されることによって、スケールの発生が効果的に防止される。
循環経路13を循環する水溶液のpHについて説明する。このpHは、吸収CO量や焼却灰量によって、他の薬品を使用せずに、制御することができる。吸収CO量によってpHを制御する場合は、CO吸収塔11に導入するガス量を調節したり、循環経路13を循環する水溶液をバイパスさせたりすることで、そのpH制御を達成することができる。図5に示すように、CO吸収塔11では、水溶液にCOを吸収させるとともに炭酸水素ナトリウムを析出させることによって、CO 2−の活量低下よりもHCO の活量上昇の方が顕著であり、これにともなってpHも変化する。ただし、pH制御に際しては、上述のCO吸収塔11の温度制御に及ぼす影響を考慮することが必要になる。
循環経路13を循環する水溶液の水量について説明する。焼却炉1からの排ガスは水分を含むため、これによって循環水量が増加する。一方、灰反応装置12に供給される灰は水分を吸収して排出されるので、これによって水量が減少する。水溶液、特に濃縮によって飽和状態となった水溶液は、排出残灰のリンスに使用することが可能である。
CO吸収塔11は、その内部で炭酸水素ナトリウムの析出が起こるため、充填材を使用することは困難である。CO吸収塔11の壁面は、相対的に温度が低くなるため、析出が発生しやすい。これに対し、壁面を加温してスケールの発生を防止することは難しいので、低濃度の塩水などを用いて壁面にシャワー散布することが効果的である。
炭酸水素ナトリウムは、析出粒径が小さくならないようにうまく結晶成長させることが好ましい。析出粒径が小さくなると、沈降性やろ過性が低下するばかりか、煙道3へのガス吹き込みの際に煙道配管への付着が発生するおそれがある。また炭酸水素ナトリウムは、純度が高すぎると、劣化しやすく再利用に適さなくなるため、保存性の良い成分となるようにプロセスを操作することが必要である。
灰反応装置12の運転温度について説明する。図1の系の性能上、灰反応装置12は、前述のように60℃程度の設定温度で運転することが好ましい。灰反応装置12は、一般的に、その運転温度が高いほど、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムの抽出率が高い。すなわち抽出速度が高い。そして、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムともに生成反応は発熱反応であるため、灰反応装置12を加熱するための外部からのエネルギは、ほとんど必要ない。
粉砕機17にて生成される粉砕灰は、細かく粉砕した方が抽出率が高い。その細かさの程度は、粉砕のために必要なエネルギとの兼ね合いによって決定することができる。
灰反応装置12において、焼却灰からカルシウムなどが溶け出すときには、瞬時に炭酸塩となり、この炭酸塩が他の個体粒子の表面をコーティングしてしまう。すると、他の固体粒子の反応性が阻害されてしまうため、そうならないように、撹拌装置20による強めの撹拌を行うことが好ましい。あるいは、緩めのメカノケミカル研磨を施すことも好ましい。
灰反応装置12に供給される原料について説明する。この原料は、モル濃度で、
[K+Na]>Cl
でないと、系内の循環が機能しない。また
K<Cl
となると、塩化ナトリウムが析出してくるため、炭酸水素ナトリウムの生産にとってマイナスの要因となる。
これらの関係は、基本的には灰反応装置12に供給される焼却灰の成分によって決まる。これに対し、塩廃液、飛灰、薬剤などを添加することによって、良好な結果をもたらす可能性もある。
1 焼却炉
3 煙道
10 処理装置
11 CO吸収塔
12 灰反応装置
13 循環経路
16 冷却晶析装置
17 粉砕機

Claims (8)

  1. 焼却炉で発生した焼却灰を用いて、ナトリウムとカリウムと塩素とを含有する第1の温度の水溶液を作り出す灰反応装置と、
    前記水溶液の温度を第1の温度よりも低温の第2の温度に低下させて塩化カリウムを生成分離させる冷却晶析装置と、
    前記水溶液と前記焼却炉で発生した二酸化炭素含有ガスとを反応させて炭酸水素ナトリウムを生成分離させる吸収塔と、
    前記冷却晶析装置および吸収塔で塩化カリウムおよび炭酸水素ナトリウムを生成分離させた後の液を前記灰反応装置に戻すための戻し手段とを有することを特徴とする焼却炉からの焼却灰の処理装置。
  2. 冷却晶析装置と吸収塔とがこの順で直列に配置されていることを特徴とする請求項1記載の焼却炉からの焼却灰の処理装置。
  3. 灰反応装置に戻される液は吸収塔で水溶液と二酸化炭素とが反応することにより生成された溶解性炭酸塩を含み、前記灰反応装置は、この灰反応装置に戻される液に含まれる溶解性炭酸塩と、焼却灰に含まれるマグネシウムおよびカルシウムとを反応させて炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムを生成分離させることが可能であることを特徴とする請求項1または2記載の焼却炉からの焼却灰の処理装置。
  4. 吸収塔で生成された炭酸水素ナトリウムを焼却炉で発生した酸性ガスの処理剤として利用させるための手段を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の焼却炉からの焼却灰の処理装置。
  5. 焼却炉で発生した焼却灰を用いて、ナトリウムとカリウムと塩素とを含有する第1の温度の水溶液を生成させ、
    前記水溶液の温度を第1の温度よりも低温の第2の温度に低下させることで、前記水溶液から塩化カリウムを生成分離させ、
    前記水溶液と前記焼却炉で発生した二酸化炭素含有ガスとを反応させることで、前記水溶液から炭酸水素ナトリウムを生成分離させ、
    前記塩化カリウムおよび炭酸水素ナトリウムを生成分離させた後の液を前記第1の温度の水溶液の生成に供することを特徴とする焼却炉からの焼却灰の処理方法。
  6. 水溶液から塩化カリウムを生成分離させた後に、水溶液から炭酸水素ナトリウムを生成分離させることを特徴とする請求項5記載の焼却炉からの焼却灰の処理方法。
  7. 水溶液と二酸化炭素含有ガスとを反応させることで生成された溶解性炭酸塩を含む液を第1の温度の水溶液の生成に供し、この溶解性炭酸塩と焼却灰から前記水溶液に溶解されたマグネシウムおよびカルシウムとを反応させて炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムを生成分離させることを特徴とする請求項5または6記載の焼却炉からの焼却灰の処理方法。
  8. 生成分離された炭酸水素ナトリウムを焼却炉で発生した酸性ガスの処理剤として用いることを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項記載の焼却炉からの焼却灰の処理方法。
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