JP2017217606A - アルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法 - Google Patents

アルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017217606A
JP2017217606A JP2016113575A JP2016113575A JP2017217606A JP 2017217606 A JP2017217606 A JP 2017217606A JP 2016113575 A JP2016113575 A JP 2016113575A JP 2016113575 A JP2016113575 A JP 2016113575A JP 2017217606 A JP2017217606 A JP 2017217606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
slurry
reaction
addition
containing waste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016113575A
Other languages
English (en)
Inventor
直伸 中田
Naonobu Nakata
直伸 中田
利幸 土田
Toshiyuki Tsuchida
利幸 土田
高士 松嶋
Takashi Matsushima
高士 松嶋
隆志 長屋
Takashi Nagaya
隆志 長屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AIZUK Inc
Original Assignee
AIZUK Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AIZUK Inc filed Critical AIZUK Inc
Priority to JP2016113575A priority Critical patent/JP2017217606A/ja
Publication of JP2017217606A publication Critical patent/JP2017217606A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

【課題】 埋立処分されていた金属Al含有量30wt%未満のアルミ含有廃棄物を有効利用することを目的とし、水素ガスを安定的に発生させることは元より、安全かつ適正にAl系凝集剤を製造する方法を得る。【解決手段】 アルミドロスを主成分とする金属Al含有量が30wt%未満のアルミ含有廃棄物粉末に水を添加してスラリーを調製するスラリー調製工程と、調製されたスラリーにアルカリ剤を添加して発生した水素ガスを回収する水素回収工程と、前記アルカリ剤を添加しても水素ガスが発生しなくなった前記スラリーを放冷してAl系凝集剤を得る凝集剤回収工程とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、金属Alを含む廃棄物(アルミ含有廃棄物)、例えばアルミドロス等のアルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造に関するものである。
アルミ箔層と樹脂中間層と紙層とが積層されている包装材から、アルミ箔を回収して、回収したアルミ箔を用いて水素エネルギーを得ることが提案されている(特許文献1参照)。一方、アルミニウム溶解時に発生する表面酸化物(副産物)等の溶融残渣(アルミドロス)やこれにアルミ溶解炉のばいじん等を含むアルミ灰(以下、「アルミ含有廃棄物」とも記す)は、水や酸・アルカリを添加することにより水素を発生する廃棄物である。
このアルミ含有廃棄物としては、金属Al含有量30〜40wt%以上の高濃度で含有する廃棄物はリサイクル処理されているが、Al含有量30wt%未満(主に10〜20wt%)の低濃度で含有する廃棄物は、主に金属Al含有量の高い廃棄物とブレンドして鉄鋼副資材として再利用したり、アルカリ液により水素、アンモニアを放出(通称、ガス抜き)後、埋立したり、直接、焼却又は溶解して処理されている。
ここで、アルミ含有廃棄物からアルカリ液により水素を抽出する反応式を以下に示す。
2Al+6HO → 2Al(OH)+3H↑(発熱反応) ……(1)
Al(OH)+NaOH → Na+[Al(OH)] ……(2)
AlO+2NaOH+3HO → 2Na+2[Al(OH)] ……(3)
先ず、金属アルミニウムは水と酸化還元反応して水素を発生する(式(1) 参照)。このとき、金属アルミニウム表面は水との反応で被膜(Al(OH)、AlO)を形成するため、式(1) の反応は停止する。しかし、アルカリを添加することでこれらが溶解し(式(2)(3)参照)、再び式(1) の反応が開始するため、アルカリ条件下では連続的にアルミ含有廃棄物から水素ガスを発生させることができる。
ところで、発生する水素ガスは爆発上限界と下限界との範囲が広く(4%〜74%)、十分な安全対策を講じないと爆発を起こすという危険なイメージがあるが、近年、二酸化炭素を発生しないクリーンエネルギーとして、化石燃料の代替燃料として期待されており、今後、国を挙げた水素社会の構築が計画されている。
特開2008−207131号公報
このため、アルミ含有廃棄物の処理に際して発生する水素ガスに十分な安全対策を講じた上で回収・活用することにより、二酸化炭素排出削減に大きく貢献することが期待できる。加えて、前述の反応において、アルミニウムに着目すると、金属AlからAl3+イオンに酸化する。このため、アルミ含有廃棄物には凝集効果を阻害する他の金属等も含まれている可能性のために凝集剤としての検証を必要とするが、アルミ含有廃棄物から調製したAl3+イオンを含む液はAl系凝集剤(PAC等)の代替として利用できる可能性がある。
本発明は、埋立処分されていた金属Al含有量30wt%未満のアルミ含有廃棄物を有効利用することを目的とし、水素ガスを安定的に発生させることは元より、安全かつ適正にAl系凝集剤を製造する方法を得ることを目的とする。
請求項1に記載された発明に係るアルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法では、アルミドロスを主成分とする金属Al含有量が30wt%未満のアルミ含有廃棄物粉末に水を添加してスラリーを調製するスラリー調製工程と、
調製されたスラリーにアルカリ剤を添加して発生した水素ガスを回収する水素回収工程と、
前記アルカリ剤を添加しても水素ガスが発生しなくなった前記スラリーを放冷してAl系凝集剤を得る凝集剤回収工程とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係るアルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法では、請求項1に記載のスラリー調製工程で調製されたスラリーが、アルミ含有廃棄物の20〜40wt%スラリーであり、
前記水素回収工程のアルカリ剤の添加速度を、アルミ含有廃棄物粉末40gに対して、0.5ml/分以上1.5ml/分未満とし、液温が40℃を超えた時点で添加を停止し、
ピーク温度に到達後、液温が1℃低下した時点よりアルカリ剤の添加を再開し、この時のアルカリ剤の添加速度を当初の添加速度よりも大きくし、アルカリ剤の合計量が1.0mol/mol(OH/Al)以上に達するまで添加することを特徴とするものである。
本発明は、埋立処分されていた金属Al含有量30wt%未満のアルミ含有廃棄物から、水素を安定的に発生させ、安全かつ適正にAl系凝集剤を製造する方法を得ることができるという効果がある。
アルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造試験装置の概要を示す説明図である。 ガス発生試験の反応状況を示す線図である。 アルカリ添加速度と温度変化とを示す線図である。 アルカリ添加量と温度変化とを示す線図である。 反応中のガス量の変化を示す線図である。 使用アルカリ剤と液温変化とを示す線図である。 Al系凝集剤の安全性確認試験を行う装置の概要を示す説明図である。
本発明においては、アルミドロスを主成分とする金属Al含有量が30wt%未満のアルミ含有廃棄物粉末に水を添加してスラリーを調製するスラリー調製工程と、調製されたスラリーにアルカリ剤を添加して発生した水素ガスを回収する水素回収工程と、アルカリ剤を添加しても水素ガスが発生しなくなったスラリーを放冷してAl系凝集剤を得る凝集剤回収工程とを備える。これにより、水素を安定的に発生させることは元より、安全かつ適正にAl系凝集剤を製造することができる。
本発明のアルミ含有廃棄物としては、アルミドロスと呼ばれるアルミニウム溶解時に発生する表面酸化物(副産物)等の溶融残渣を主とする廃棄物であり、場合によってはこれにアルミ溶解炉のばいじん等が混合された廃棄物であり、従来は埋立処分されていた廃棄物である。好ましくは、金属Al含有量が0wt%よりも多く(即ち、金属Alを含有し)、30wt%未満のもの、好ましくは25wt%以下、更には20wt%以下のものを指す。更に好ましくは、アルミ含有廃棄物からの水素発生反応を効率よく、60分以内の短時間で完了させるためには、アルミ含有廃棄物の粒径は297μm(50メッシュ)未満が望ましい。
本発明のアルミ含有廃棄物では、アルミニウム溶解時に発生する溶融残渣や、アルミ溶解炉のばいじん中に、凝集効果を阻害する可能性のある物質、例えば、Fe、F、Mg、Si等の物質を阻害する量以上含まないことが初めて確認された。即ち、FeはBF分解を阻害する可能性があり、ホウフッ化物イオンは水酸化アルミニウムや水酸化鉄にはほとんど吸着しない。また、MgやSiは、水素を発生し、Alイオンの凝集自体を阻害する可能性があり、本発明の凝集剤では、凝集効果を阻害しないことが初めて確認された。
本発明のアルカリ剤としては、アルミ含有廃棄物粉末のスラリーに添加された際に、金属アルミニウムを溶解して水素ガスを発生させるアルカリ性の溶液であればよい。具体的には、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、洗びん用廃アルカリやアルカリ性めっき廃液等の廃苛性ソーダ、及び、水酸化カルシウム(消石灰)等が使用できる。その他のアルカリ剤(水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、生石灰)も使用可能と考えられる。薬剤の選定は、反応時のハンドリングや安全性、効率、残渣の対応、コスト等を含めて、総合的に判断して決定すればよい。
本発明のスラリー調製工程としては、アルミドロスを主成分とする金属Al含有量が30wt%未満のアルミ含有廃棄物粉末に水を添加してスラリーを調製するが、好ましくは、スラリー調製工程のスラリーを、アルミ含有廃棄物の20〜40wt%スラリー、より好ましくはアルミ含有廃棄物の30wt%スラリーとする。これにより、アルカリの添加による反応の暴走を抑えることができる。尚、アルミ含有廃棄物が20wt%未満のスラリーでは凝集剤中のAl濃度が低くなり、40wt%より大きいと反応の制御が難しくなる。
本発明の水素回収工程としては、調製されたスラリーにアルカリ剤を添加して発生した水素ガスを回収するが、好ましくは、アルミ含有廃棄物粉末40gに対して、0.5ml/分以上1.5ml/分未満とし、液温が40℃を超えた時点で添加を停止し、ピーク温度に到達後、液温が1℃低下した時点よりアルカリ剤の添加を再開し、この時のアルカリ剤の添加速度を当初の添加速度よりも大きくして2.0ml/分とし、アルカリ剤の合計量が1.0mol/mol(OH/Al)以上に達するまで添加する。これにより、反応が激しく急激に進行し、自己反応による制御不能の暴走状態とならずに、短時間で反応が終了することが確認された。
また、本発明の水素回収工程では、アルミ含有廃棄物(金属Al 20wt%品)から250l/kg-廃棄物の水素を回収することができた。この水素を燃料電池車(FCV)への燃料供給や、燃料電池発電によるグリーン電力の創造に利用することにより、地球温暖化対策として二酸化炭素排出削減に貢献できる。
本発明の凝集剤回収工程としては、アルカリ剤を添加しても水素ガスが発生しなくなったスラリーを放冷してAl系凝集剤を得る。得られた放冷されたスラリーの溶液には、PAC(Al 63g/l)と同等レベルのAlを含有することが確認された。
実施例1.試験装置の概要
図1はアルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造装置の概要を示す説明図である。図の通り、本実施例の試験装置10は、ポンプ12により送液されたアルカリ剤の投入口と温度計13の差し込み口と発生ガス出口とを備えた反応容器11と、支持台14と、スラリーを撹拌するスターラー15と、反応容器11からの気液を分離するための容器16と、発生ガス中のアンモニアを吸収するための吸収器17(希硫酸)と、ガス中の水分を除去する除湿器18と、ガス捕集用のガスバッグ19とから成る。また、気液分離容器16からアンモニア吸収器17、除湿器18からガスバッグ19間には三方バルブ20があり、それぞれ硫酸逆流防止、ガスバッグ切り替えに使用する。また、反応暴走時に備えて安全弁21を装着した。
実施例2.Al系凝集剤の製造法
先ず、Al系凝集剤を製造するに当たり、アルカリ剤を添加した際のガス発生状況及び組成について検証した。即ち、アルミ含有廃棄物(金属Al 20wt%品)に水を加えてスラリー化した後、苛性ソーダ(25%)を添加して行った。発生したガスの組成は、水素ガス 59.3vol%、アンモニア 7.8vol%、水蒸気 29.7vol%、その他 3.2vol%であった。水蒸気とその他ガスを除けば、発生ガス中の水素ガス濃度は概ね 90vol%であり、混合ガスとしてアンモニアが 10vol%程度含まれているが(廃棄物中の窒化アルミ由来)、硫酸等により分離は可能であるため、比較的高濃度の水素ガスが回収できる可能性が見出せた。
一方、アルミ含有廃棄物に対して、適当量の苛性ソーダを一度に添加したところ、反応が激しく急激に進行し、暴走(自己反応による制御不能)状態となった、この結果を受けて、反応を安全に制御する方法として、アルミ含有廃棄物に対するアルカリ剤の添加速度の条件を検討した。
先ず、ガス発生試験の反応状況を図2に示した。アルカリ剤の添加を開始した直後から液温は急激に上昇していき、約90℃でピークを迎え(以後、区間I)、その後ゆっくり低下していく(以後、区間II)パターンとなる。ここで、暴走状態が発生するのは、アルカリ添加開始(0分)からピークの区間(区間I)であるため、この区間のアルカリ剤添加速度または量をコントロールすればよい。また、液温が40℃程度になると、アルカリ剤の添加を停止しても自己反応熱で液温が上昇(=反応が進行)していくため、この温度(40℃)に達した時点でアルカリ剤の添加を停止することを条件の一つとして、停止するまでの苛性ソーダ添加量を検証した。
実験方法は、次の通りである。サンプルはアルミ含有廃棄物(金属Al 20wt%品)40gであり、水を93.3ml添加してスラリー化したものを使用した。アルカリ剤は苛性ソーダ(25%)を用いた。添加速度は、サンプル40gに対して0.5、1.0、1.5、2.0ml/分 の添加速度で添加した。尚、液温が40℃を超えた段階でアルカリ剤添加停止とすることとした。薬剤添加速度による水素発生試験結果を表1、図3に示す。
Figure 2017217606
表1及び図3に示す通り、添加速度が速くなる程、アルカリ剤の添加量が多くなり、液温の上昇速度も速くなった。また、添加速度が1.5ml/分以上では、暴走状態に至った。以上の結果から、反応開始からピーク温度まで(区間I)のアルカリ剤添加度は、1.0ml/分(添加量は7ml/40g)を基本条件として設定することとした。
次に、反応ピーク後(区間II)は、液温が徐々に低下していくため、反応効率も低下していく。反応効率が低下すると、反応完了までに長時間を要する事や、未反応のアルミニウムが残存しやすくなるため、運用面や安全面から、反応の効率化が必要である。その対策として、アルカリ剤を追加する方法がある。アルカリの追加によりアルミの溶解反応を促進させ、さらに反応熱により高温状態を維持させることにより反応が促進すると考えられる。そこで、反応効率を高くする方法として、アルカリ剤の追加を検討した。
実験方法は、次の通りである。サンプルは、アルミ含有廃棄物(金属Al 20wt%品)40gであり、水を93.3ml添加してスラリー化したものを使用した。アルカリ剤は苛性ソーダ(25%)とした。添加速度は、区間Iの場合に1.0ml/分(暴走なし条件)、区間IIの場合に2.0ml/分とした。添加量は、区間Iと区間IIの合計量は0.5、1.0、1.5mol/mol(OH/Al)とした。尚、区間IIでのアルカリ添加開始は、液温がピーク温度−1℃(約90℃)に達した時点とし、反応終了判断基準は、散気管としての吸収器17の硫酸へのガスの通過が10秒途切れた時点とした。目標時間は、60分以内で反応終了とした。資材苛性ソーダ添加量と反応終了時間の測定結果を表2に、反応状況変化を図4及び図5に示した。
図4に示す通り、区間IIにてアルカリを追加した結果、液温が高温状態を維持した。図5に示す通り、アルカリ追加と同時にガス発生量も増加し、効率よく反応が進んでいる様子であった。この際、アルカリ添加量が1.0 mol/mol以上でほぼ水素の全量を出し切ることができ、反応時間も60分以下となった。一方、アルカリ添加量が少なくなると反応終了時間は長くなる傾向であった。これより、区間IIにおいてアルカリ剤を2.0ml/分の添加速度で1.0 mol/mol(OH/Al)の量まで添加することにより、高効率で反応させられることが分かった。
Figure 2017217606
反応効率を高める方法の一つとして、篩い分けによりアルミ廃棄物の粒径を小さくすることが挙げられる。これは、粒径が小さくなれば、反応表面積が大きくなるためである。そこで、アルミ含有廃棄物を篩いで分級し、粒径ごとの反応終了時間を検証した。実験方法としては、次の通りである。サンプルは、アルミ含有廃棄物(金属Al 20wt%品)40gであり、水を93.3ml添加してスラリー化したものを使用した。
Figure 2017217606
篩い分けは、850μm以上から297μm以下の間を4段階で篩い分けした。アルカリ剤は苛性ソーダ(25%)とした。添加速度は、区間Iで1.0ml/分(暴走なし条件)、区間IIで2.0ml/分とした。添加量は、区間Iと区間IIの合計量を1.0 mol/mol(OH/Al)とした。尚、区間IIでのアルカリ添加開始は、液温がピーク温度−1℃に達した時点とし、反応終了判断基準は、散気管としての吸収器17の硫酸へのガスの通過が10秒途切れた時点とした。目標時間は60分以内で反応終了とした。
篩い分けによる粒径範囲と重量比率及び粒径ごとの反応終了時間測定結果を表3に示す。サンプル粒径が小さくなる程、反応終了時間は短くなる傾向が見られた。粒径が425〜600μmについてはほぼ同等な結果となった。これは、当該粒径範囲における重量比率(表3参照)が、その他粒径範囲と比較して小さいため、差が出にくかったと推測される。以上の結果から、処理対象とする粒径は小さいものが好ましく、さらに反応を短時間で完了させるためには、粒径が297μm未満とすることが望ましいことが確認された。
次に、Al系凝集剤を製造する際の使用するアルカリ剤として、資材の苛性ソーダ、廃棄物として排出された廃苛性ソーダ、及び消石灰の適用について比較検討した。実験方法は次の通りである。サンプルは、アルミ含有廃棄物(金属Al 20wt%品)40gであり、水を93.3ml添加してスラリー化したものを使用し、297μm未満の篩い分け品を用いた。
アルカリ剤は、資材苛性ソーダ(25%、 8N)、廃苛性ソーダ(7.5N)、35%消石灰スラリー(11.7N)を用いた。添加速度は区間Iで1.0ml/分(暴走なし条件)とし、区間IIで2.0ml/分とした。添加量は、区間Iと区間IIの合計量を1.0 mol/mol(OH/Al)とした。尚、区間IIでのアルカリ添加開始は、液温がピーク温度−1℃に達した時点とした。反応終了判断基準は、散気管からのガスの通過が10秒途切れた時点とした。
使用したアルカリ剤による水素ガス発生試験結果を表4及び図6に示した。尚、表4において、表中の個々の欄はサンプル40gに対する量であり、消石灰のガス発生量は120分時点の発生ガス量である。
反応の状況(液温変化)については、資材苛性ソーダ、廃苛性ソーダについては概ね同等の挙動を示したが、消石灰を使用した場合は、区間Iの温度上昇がやや緩やかであった(図6参照)。また消石灰を使用した場合は反応途中でスラリーが固化し、撹拌不良状態となったが、反応自体は緩やかに進行し、液温が80℃程度になった段階で固化は解消された。
Figure 2017217606
以上の通り、反応終了時間については、資材苛性ソーダ、廃苛性ソーダで大きな差はなく、ほぼ同等であった。また、これらの同種資材で添加量の違いによる大きな差もなく、ほぼ同等であった。一方、消石灰を使用した場合は、反応終了時間が 120分超と長くなった。要因として、(1) 消石灰は溶解度が低い(添加した消石灰が全量溶解しない)ため、アルミに対する(OH)供給量が比較的少なくなったこと、(2) カルシウム添加により、塩(アルミン酸カルシウムなど)が生成し、反応途中で固化したことなどが挙げられる。
ガス発生量について、資材苛性ソーダ、廃苛性ソーダについては、添加量に関わらず概ね同程度であった。一方、消石灰の場合は、120分段階で反応終了条件を満たしていなかった(反応途中であった)ため、120分時点のガス量となっている。資材苛性ソーダ、廃苛性ソーダ使用時のガス発生量(反応率)を100%とすると、消石灰は120分時点で80%程度となる。
次に、製造したAl系凝集剤のAl含有量について、固液分離後のろ液中の成分を測定した結果、Alが高濃度で含有していた。苛性ソーダを使用した場合は40〜60g/lと、PAC(Al 63g/l)と同等レベルのAlを含有していた。一方、消石灰を使用した場合は、4.5g/lとなり、他のアルカリ剤と比較して低濃度であった。これは、カルシウム塩の添加により、アルミン酸カルシウム(固体)が生成したためと考える。消石灰を使用した場合のガス発生量(反応率)が、苛性ソーダ使用時の80%程度であることから、AlからAl3+は十分に生成していたと考える。
また、その他成分として、Fの含有も確認された。これは使用したアルミ灰中に元々含まれていたもので、資材苛性ソーダ、廃苛性ソーダを使用した場合で1,000〜2,000mg/lと高濃度で含有していた。消石灰を使用した場合は、フッ化カルシウム生成のため低濃度となっていた。以上より、今回使用したアルカリ剤により製造したAl系凝集剤は、製造過程における反応性に違いはあるものの、それら凝集剤はPACと同程度のAl含有量を有していることが分かった。
実施例3.Al系凝集剤の性能評価
アルミばいじんより製造したAl系凝集剤の性能を評価するため、ろ液中Al3+濃度が最も高かった苛性ソーダにより製造したAl系凝集剤を用いて、フッ素を含有する廃液の処理試験を行った。実験方法は次の通りである。
Al剤としては、アルミ含有廃棄物(金属Al 25wt%品)より製造したAl系凝集剤(残渣およびそのろ液)ろ液中Al濃度60g/l(PAC中Al濃度63g/l)とした。処理方法としては、Al3+イオンは、廃液中に含まれるフッ素(40,000mg/l)に対して適宜添加後、消石灰等を添加してpH8以上に調製し、Fを凝集処理した。Al系凝集剤の性能評価試験の結果を表5に示す。Al系凝集剤を使用した結果、ろ液と残渣(ろ液+反応残渣)のFの処理性はPACと同程度であった。
Figure 2017217606
次に、Al系凝集剤の安全性について検証した。Al系凝集剤は、未溶解の金属成分(Mg、Fe等)が含まれており、酸に接触すると水素を発生する可能性がある。凝集剤は用途に応じて硫酸等の酸を併用するため、その際の水素ガス発生量については十分に把握しておく必要がある。ここで水素の安全基準について、水素の爆発限界(下限界)は4vol%となっており、水素ステーションや、燃料電池車等の安全基準(目安)を確認すると、概ね1vol%(下限の 1/4)程度に設定している。よって、本件についてもこの値を安全目安として、Al系凝集剤と硫酸を併用した場合の水素ガス発生状況を実験的に調査した。
具体的には、図7に示すAl系凝集剤の安全性確認試験装置を用いた。図に示す通り、模擬廃液に対して必要量分のAl系凝集剤を反応容器70内に投入した。反応容器70に蓋71をし、蓋71に設置した投入口72から75%硫酸を必要量添加した。投入口72は硫酸添加後に図示しないピンチコックで塞いだ。発生したガスは反応容器70内に連通した導管73及び三方バルブ74を介して注射筒75にて発生ガスを回収した。回収したガスの量と濃度を測定した。量は注射筒75の目盛にて、濃度はガス検知管にて測定した。
発生ガスの成分としては、水素、水蒸気等が考えられる。ラボスケール試験にて発生した水素ガス量から、スクラバーを設置した反応槽を想定したシミュレーションを行った。試算条件は、廃液10mを反応槽で処理することを想定し、Al系凝集剤を20%添加した場合に発生し得る水素ガス量を予測して、これとスクラバーによる空気吸引量とから、反応槽内混合ガスの水素濃度を試算した。試算の結果、反応槽内の水素ガス濃度は、0.30%となり、目標値1vol%以下となった。この結果から、Al系凝集剤を反応槽で使用しても、安全性は確保できることを確認した。
次に、Al系凝集剤を使用した処理物を埋立処分した際、埋立処分場内環境に曝された際の水素ガス発生状況について調査した。本実施例では、埋立安全性を確認するため、種々条件にて製造したAl系凝集剤に対して、管理型埋立処分場浸出水を接触させ、水素ガス発生の有無を確認した。
具体的には、次の通り、計測した。即ち、100mlビーカーに、Al系凝集剤1.5mlと浸出水1.5mlを入れ、ラップで上部を覆った後、10秒激しく混合した。混合から3分後のビーカーヘッドスペースの水素ガス濃度をガス検知管にて測定した。種々の条件で製造したAl系凝集剤と埋立処分場浸出水との混合試験結果を表6に示した。
すべての条件において、浸出水との接触による水素ガス発生は確認されなかった。これより、Al系凝集剤は、アルカリ条件で製造するため、極端に酸性条件にならない限りは、ガスは発生しないため、埋め立て処分による水素ガス発生の可能性はないことが確認された。
Figure 2017217606
10…試験装置、11…反応容器、12…ポンプ、13…温度計、14…支持台、15…スターラー、16…気液分離容器、17…アンモニア吸収器、18…除湿器、19…ガスバッグ、20…三方バルブ、21…安全弁、70…反応容器、71…蓋、72…投入口、73…導管、74…三方バルブ、75…注射筒、

Claims (2)

  1. アルミドロスを主成分とする金属アルミ含有量が30wt%未満のアルミ含有廃棄物粉末に水を添加してスラリーを調製するスラリー調製工程と、
    調製されたスラリーにアルカリ剤を添加して発生した水素ガスを回収する水素回収工程と、
    前記アルカリ剤を添加しても水素ガスが発生しなくなったスラリーを放冷してAl系凝集剤を得る凝集剤回収工程とを備えたことを特徴とするアルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法。
  2. 前記スラリー調製工程で調製されたスラリーが、アルミ含有廃棄物の20〜40wt%スラリーであり、
    前記水素回収工程のアルカリ剤の添加速度を、アルミ含有廃棄物粉末40gに対して、0.5ml/分以上1.5ml/分未満とし、液温が40℃を超えた時点で添加を停止し、
    ピーク温度に到達後、液温が1℃低下した時点よりアルカリ剤の添加を再開し、この時のアルカリ剤の添加速度を当初の添加速度よりも大きくし、アルカリ剤の合計量が1.0mol/mol(OH/Al)以上に達するまで添加することを特徴とする請求項1に記載のアルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法。
JP2016113575A 2016-06-07 2016-06-07 アルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法 Pending JP2017217606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016113575A JP2017217606A (ja) 2016-06-07 2016-06-07 アルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016113575A JP2017217606A (ja) 2016-06-07 2016-06-07 アルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017217606A true JP2017217606A (ja) 2017-12-14

Family

ID=60657448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016113575A Pending JP2017217606A (ja) 2016-06-07 2016-06-07 アルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017217606A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190084437A (ko) * 2018-01-08 2019-07-17 김명애 알루미늄 드로스의 처리방법
CN112661425A (zh) * 2020-12-29 2021-04-16 常熟理工学院 一种铝灰脱氯的方法
JP7249076B1 (ja) 2022-08-30 2023-03-30 グランドエンタープライズジャパン株式会社 水素生成方法
CN116101976A (zh) * 2023-02-08 2023-05-12 安徽浩悦环境科技有限责任公司 一种含铝废物产氢及副产水处理药剂的处理方法
JP7535263B2 (ja) 2020-05-25 2024-08-16 アルハイテック株式会社 水素製造方法及びその残渣物の再利用方法
WO2024207868A1 (zh) * 2023-04-04 2024-10-10 华南理工大学 一种二次铝灰的资源化处理方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190084437A (ko) * 2018-01-08 2019-07-17 김명애 알루미늄 드로스의 처리방법
KR102113779B1 (ko) * 2018-01-08 2020-05-20 김명애 알루미늄 드로스의 처리방법
JP7535263B2 (ja) 2020-05-25 2024-08-16 アルハイテック株式会社 水素製造方法及びその残渣物の再利用方法
CN112661425A (zh) * 2020-12-29 2021-04-16 常熟理工学院 一种铝灰脱氯的方法
JP7249076B1 (ja) 2022-08-30 2023-03-30 グランドエンタープライズジャパン株式会社 水素生成方法
JP2024033414A (ja) * 2022-08-30 2024-03-13 グランドエンタープライズジャパン株式会社 水素生成方法
CN116101976A (zh) * 2023-02-08 2023-05-12 安徽浩悦环境科技有限责任公司 一种含铝废物产氢及副产水处理药剂的处理方法
WO2024207868A1 (zh) * 2023-04-04 2024-10-10 华南理工大学 一种二次铝灰的资源化处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017217606A (ja) アルミ含有廃棄物を原料とした凝集剤の製造法
Tayeh et al. Production of hydrogen from magnesium hydrides hydrolysis
JP5661672B2 (ja) 高温での脱硝の間揮発性放射性核種を安定化させる方法およびシステム
TWI679282B (zh) 從煉鋼爐渣回收含有鈣的固體成分的方法
JP5623402B2 (ja) ナトリウムとカリウムの分別抽出装置および分別抽出方法
JP6521482B2 (ja) 焼却灰処理装置、廃棄物焼却装置、焼却灰処理方法及び廃棄物焼却方法
EP2838640A1 (en) A method and an apparatus for performing an energy efficient simultaneous desulphurization and decarbonisation of a flue gas by reduction with an electropositive metal
Xing et al. A simple and effective process for recycling zinc-rich paint residue
EP4005995A1 (en) Process for the transformation of fly ash in raw material
CN112317517A (zh) 一种适用于水泥窑协同处置电解铝大修渣的预处理系统及方法
WO2011145080A1 (en) A process for the production of hydrogen, the sequestration of carbon dioxide and the production of building materials starting from slags and/or industrial ashes
JP4747382B1 (ja) 排煙浄化処理方法
Li et al. Molten salt-enhanced production of hydrogen by using skimmed hot dross from aluminum remelting at high temperature
JP5072919B2 (ja) 焼却炉からの焼却灰の処理装置および処理方法
WO2021201151A1 (ja) リチウムイオン二次電池を失活化する方法
Xu et al. Microwave hydrothermal sulfuric acid leaching of spent cathode carbon from aluminum electrolysis for high efficiency removal of insoluble calcium fluoride
TWI518041B (zh) 自氫氟酸廢液回收氟鋁酸鈉之方法
US10858269B2 (en) Process for the treatment of water
JP7498991B2 (ja) 塩素ガスの処理方法
JP2020105632A (ja) 前処理方法、白金族金属の抽出方法、および白金族金属の抽出システム
US20220212921A1 (en) Method of oxidation in a molten salt bath
JP2011212530A (ja) フッ素含有廃棄物からのフッ素除去処理方法および処理装置
JP2004167405A (ja) 廃クーラント液水の再資源化方法
Meng et al. Green and efficient separation of fluorine from spent aluminum electrolyte by aluminum sulfate solution: Leaching behavior and mechanism
JP5940761B2 (ja) 廃酸の中和処理方法及び廃酸中和物の再資源化方法