JPH091105A - 飛灰中の塩化カリウムの回収方法 - Google Patents
飛灰中の塩化カリウムの回収方法Info
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- JPH091105A JPH091105A JP7152098A JP15209895A JPH091105A JP H091105 A JPH091105 A JP H091105A JP 7152098 A JP7152098 A JP 7152098A JP 15209895 A JP15209895 A JP 15209895A JP H091105 A JPH091105 A JP H091105A
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Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 廃棄物の焼却処理や溶融処理において発生し
た飛灰から、重金属類を含有しない純度の高い塩化カリ
ウムを回収できるようにする。 【構成】 飛灰9を高温水10およびNaHS11と混
合して、飛灰9中に含まれる重金属類を硫化物として沈
殿させるとともに、塩化カリウムおよび塩化ナトリウム
を高温水10に溶解させる。この混合物12から重金属
類の沈殿や未溶解の塩化ナトリウムを含んだスラッジ1
3を沈降分離し、上澄液14を適当温度に冷却して塩化
カリウム15を選択的に析出させる。
た飛灰から、重金属類を含有しない純度の高い塩化カリ
ウムを回収できるようにする。 【構成】 飛灰9を高温水10およびNaHS11と混
合して、飛灰9中に含まれる重金属類を硫化物として沈
殿させるとともに、塩化カリウムおよび塩化ナトリウム
を高温水10に溶解させる。この混合物12から重金属
類の沈殿や未溶解の塩化ナトリウムを含んだスラッジ1
3を沈降分離し、上澄液14を適当温度に冷却して塩化
カリウム15を選択的に析出させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみや産業廃棄物
などの廃棄物を焼却処理および溶融処理する際に発生す
る飛灰中の塩化カリウムの回収方法に関するものであ
る。
などの廃棄物を焼却処理および溶融処理する際に発生す
る飛灰中の塩化カリウムの回収方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、都市ごみや産業廃棄物などの廃棄
物は焼却炉において焼却処理され、ここで発生した焼却
灰は灰溶融炉において溶融処理されている。溶融処理に
よって生成される溶融スラグは、酸やアルカリに強くか
つ重金属類が溶出しにくいため非常に安全・安定である
とともに、その容積が焼却灰の1/2〜1/3に減縮さ
れるという利点を有している。
物は焼却炉において焼却処理され、ここで発生した焼却
灰は灰溶融炉において溶融処理されている。溶融処理に
よって生成される溶融スラグは、酸やアルカリに強くか
つ重金属類が溶出しにくいため非常に安全・安定である
とともに、その容積が焼却灰の1/2〜1/3に減縮さ
れるという利点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、廃棄物の焼却
処理および溶融処理の際に飛灰が発生し、この飛灰中に
は塩化カリウムや塩化ナトリウムが高濃度に含まれてい
るので(溶融飛灰中、合計80〜90重量%)、塩化カ
リウムを分離回収できればカリ肥料や工業用カリ原料な
どとして有効利用できる。しかしながら、飛灰中には少
量の重金属類も含まれており、肥料等の有価物として利
用できるような、重金属類を含有せずかつ塩化ナトリウ
ムの混入率の低い塩化カリウムを回収することはこれま
で困難であった。
処理および溶融処理の際に飛灰が発生し、この飛灰中に
は塩化カリウムや塩化ナトリウムが高濃度に含まれてい
るので(溶融飛灰中、合計80〜90重量%)、塩化カ
リウムを分離回収できればカリ肥料や工業用カリ原料な
どとして有効利用できる。しかしながら、飛灰中には少
量の重金属類も含まれており、肥料等の有価物として利
用できるような、重金属類を含有せずかつ塩化ナトリウ
ムの混入率の低い塩化カリウムを回収することはこれま
で困難であった。
【0004】本発明は上記問題を解決するもので、重金
属類を含有しない純度の高い塩化カリウムを飛灰から回
収できるようにすることを目的とするものである。
属類を含有しない純度の高い塩化カリウムを飛灰から回
収できるようにすることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の飛灰中の塩化カリウムの回収方法は、廃棄
物の焼却処理や溶融処理において発生した飛灰中の塩化
カリウムの回収方法であって、前記飛灰を、重金属不溶
化剤を含有する適当量の高温水と混合して、飛灰中に含
まれる重金属類を重金属不溶化剤との反応により沈殿さ
せるとともに、飛灰中の塩化カリウムや塩化ナトリウム
を高温水に溶解させ、この混合物より重金属沈殿などの
固形分を分離した後、得られた分離液を適当温度に冷却
して塩化カリウムを選択的に析出させ、析出した塩化カ
リウムを分離回収するようにしたものである。
に、本発明の飛灰中の塩化カリウムの回収方法は、廃棄
物の焼却処理や溶融処理において発生した飛灰中の塩化
カリウムの回収方法であって、前記飛灰を、重金属不溶
化剤を含有する適当量の高温水と混合して、飛灰中に含
まれる重金属類を重金属不溶化剤との反応により沈殿さ
せるとともに、飛灰中の塩化カリウムや塩化ナトリウム
を高温水に溶解させ、この混合物より重金属沈殿などの
固形分を分離した後、得られた分離液を適当温度に冷却
して塩化カリウムを選択的に析出させ、析出した塩化カ
リウムを分離回収するようにしたものである。
【0006】また、本発明の飛灰中の塩化カリウムの回
収方法は、塩化カリウムを分離回収した後の分離液を加
熱して、高温水として循環使用するようにしたものであ
る。
収方法は、塩化カリウムを分離回収した後の分離液を加
熱して、高温水として循環使用するようにしたものであ
る。
【0007】
【作用】上記構成において、飛灰中に含まれる重金属類
は沈殿を生じ、飛灰中の塩化カリウムや塩化ナトリウム
は高温水に溶解するが、塩化カリウムの溶解度は温度依
存性が大きいのに対し、塩化ナトリウムの溶解度は温度
依存性がほとんどないので、適当量の高温水に対して塩
化ナトリウムはわずかしか溶解しない。このため、重金
属沈殿などの固形分を分離する際には、重金属沈殿と未
溶解の塩化ナトリウムとが分離される。同様に、これら
を分離した分離液を適当温度に冷却する際には、分離液
中に含まれる塩化ナトリウムはわずかしか析出せず、主
として塩化カリウムが析出するので、高純度の塩化カリ
ウムが回収される。
は沈殿を生じ、飛灰中の塩化カリウムや塩化ナトリウム
は高温水に溶解するが、塩化カリウムの溶解度は温度依
存性が大きいのに対し、塩化ナトリウムの溶解度は温度
依存性がほとんどないので、適当量の高温水に対して塩
化ナトリウムはわずかしか溶解しない。このため、重金
属沈殿などの固形分を分離する際には、重金属沈殿と未
溶解の塩化ナトリウムとが分離される。同様に、これら
を分離した分離液を適当温度に冷却する際には、分離液
中に含まれる塩化ナトリウムはわずかしか析出せず、主
として塩化カリウムが析出するので、高純度の塩化カリ
ウムが回収される。
【0008】塩化カリウム回収後の分離液を昇温させた
高温水においては、塩化ナトリウムはほぼ飽和状態にあ
り、塩化カリウムは未飽和状態にあるので、このような
高温水を循環使用することにより、飛灰中の塩化カリウ
ムを選択的に溶解させることができる。
高温水においては、塩化ナトリウムはほぼ飽和状態にあ
り、塩化カリウムは未飽和状態にあるので、このような
高温水を循環使用することにより、飛灰中の塩化カリウ
ムを選択的に溶解させることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例の飛灰中の塩化カリ
ウムの回収方法を、図1に示したフローチャートを参照
しながら説明する。
ウムの回収方法を、図1に示したフローチャートを参照
しながら説明する。
【0010】図1において、1は攪拌手段2を備えた溶
解槽、3は高温沈殿槽、4は低温沈殿槽、5は熱交換器
である。6は攪拌手段7を備えた洗浄槽、8は重金属沈
殿槽である。飛灰9は都市ごみや産業廃棄物などの廃棄
物の焼却処理や溶融処理において発生したものであり、
塩化ナトリウムや塩化カリウムを高濃度で含むととも
に、水銀などの重金属類を少量含んでいる。
解槽、3は高温沈殿槽、4は低温沈殿槽、5は熱交換器
である。6は攪拌手段7を備えた洗浄槽、8は重金属沈
殿槽である。飛灰9は都市ごみや産業廃棄物などの廃棄
物の焼却処理や溶融処理において発生したものであり、
塩化ナトリウムや塩化カリウムを高濃度で含むととも
に、水銀などの重金属類を少量含んでいる。
【0011】溶解槽1の内部に、飛灰9と適当量の高温
洗浄水10とNaHS11などの硫化物イオンを生じる
重金属不溶化剤とを導入して攪拌手段2により攪拌混合
し、これにより、飛灰9中に含まれる重金属類をNaH
S11との反応により硫化物として沈殿させるととも
に、飛灰9中の塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを高
温洗浄水10に溶解させてともにほぼ飽和状態とする。
洗浄水10とNaHS11などの硫化物イオンを生じる
重金属不溶化剤とを導入して攪拌手段2により攪拌混合
し、これにより、飛灰9中に含まれる重金属類をNaH
S11との反応により硫化物として沈殿させるととも
に、飛灰9中の塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを高
温洗浄水10に溶解させてともにほぼ飽和状態とする。
【0012】槽1内の混合物12を高温沈殿槽3に送っ
て静置し、重金属硫化物や未溶解の塩化ナトリウムを含
むスラッジ13と上澄液14とに分離させる。槽3内の
上澄液14を低温沈殿槽4に送って適当温度に冷却し、
これにより析出した塩化カリウム15を分離回収する。
て静置し、重金属硫化物や未溶解の塩化ナトリウムを含
むスラッジ13と上澄液14とに分離させる。槽3内の
上澄液14を低温沈殿槽4に送って適当温度に冷却し、
これにより析出した塩化カリウム15を分離回収する。
【0013】また、槽3内のスラッジ13を洗浄槽6に
送り、洗浄水16を加えて攪拌手段7により攪拌混合す
ることにより、スラッジ13中の塩化ナトリウムを溶解
させる。そして、槽6内の混合物17を重金属沈殿槽8
に送って静置し、混合物17中の重金属硫化物18を沈
降させて回収するとともに、上澄液たる塩化ナトリウム
水溶液19を回収する。
送り、洗浄水16を加えて攪拌手段7により攪拌混合す
ることにより、スラッジ13中の塩化ナトリウムを溶解
させる。そして、槽6内の混合物17を重金属沈殿槽8
に送って静置し、混合物17中の重金属硫化物18を沈
降させて回収するとともに、上澄液たる塩化ナトリウム
水溶液19を回収する。
【0014】低温沈殿槽4内の上澄液20は、槽4より
取り出して補給水21を加え、熱交換器5を通過させて
昇温させた後、高温水10として溶解槽1に返送して再
利用する。
取り出して補給水21を加え、熱交換器5を通過させて
昇温させた後、高温水10として溶解槽1に返送して再
利用する。
【0015】上記のようにして、溶融飛灰を80℃の高
温水で洗浄し、その洗浄液を20℃に冷却して塩化カリ
ウムを回収したところ、回収したKClの純度は84〜
88%であって重金属類は検出されず、回収率は96〜
90%であった。
温水で洗浄し、その洗浄液を20℃に冷却して塩化カリ
ウムを回収したところ、回収したKClの純度は84〜
88%であって重金属類は検出されず、回収率は96〜
90%であった。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、飛灰を重
金属不溶化剤含有高温水で洗浄して、飛灰中の重金属類
を沈殿させ分離するとともに、塩化ナトリウムをその溶
解度の温度非依存性を利用してほとんど溶解させること
なく分離し、これにより得られる主として塩化カリウム
を含んだ分離液を適当温度に冷却して塩化カリウムを選
択的に析出させるようにした。これにより、そのままカ
リ肥料として用いることができるほど純度が高く、重金
属類を含まない塩化カリウムを得ることができる。そし
て、このようにして、廃棄物である飛灰から塩化カリウ
ムや塩化ナトリムや重金属類を回収できるので、飛灰の
資源化、減容化を図れる。
金属不溶化剤含有高温水で洗浄して、飛灰中の重金属類
を沈殿させ分離するとともに、塩化ナトリウムをその溶
解度の温度非依存性を利用してほとんど溶解させること
なく分離し、これにより得られる主として塩化カリウム
を含んだ分離液を適当温度に冷却して塩化カリウムを選
択的に析出させるようにした。これにより、そのままカ
リ肥料として用いることができるほど純度が高く、重金
属類を含まない塩化カリウムを得ることができる。そし
て、このようにして、廃棄物である飛灰から塩化カリウ
ムや塩化ナトリムや重金属類を回収できるので、飛灰の
資源化、減容化を図れる。
【0017】また、塩化カリウム回収後の分離液を昇温
させて高温水として循環使用することにより、飛灰中の
塩化ナトリムを溶解させることなく塩化カリウムを選択
的に溶解させることができ、分離回収が容易である。
させて高温水として循環使用することにより、飛灰中の
塩化ナトリムを溶解させることなく塩化カリウムを選択
的に溶解させることができ、分離回収が容易である。
【図1】本発明の一実施例の飛灰中の塩化カリウムの回
収方法を説明するフローチャートである。
収方法を説明するフローチャートである。
9 飛灰 10 高温水 11 NaHS 13 スラッジ 14 上澄液 15 塩化カリウム 18 重金属硫化物 19 塩化ナトリウム水溶液
Claims (2)
- 【請求項1】 廃棄物の焼却処理や溶融処理において発
生した飛灰中の塩化カリウムの回収方法であって、前記
飛灰を、重金属不溶化剤を含有する適当量の高温水と混
合して、飛灰中に含まれる重金属類を重金属不溶化剤と
の反応により沈殿させるとともに、飛灰中の塩化カリウ
ムや塩化ナトリウムを高温水に溶解させ、この混合物よ
り重金属沈殿などの固形分を分離した後、得られた分離
液を適当温度に冷却して塩化カリウムを選択的に析出さ
せ、析出した塩化カリウムを分離回収することを特徴と
する飛灰中の塩化カリウムの回収方法。 - 【請求項2】 塩化カリウムを分離回収した後の分離液
を加熱して、高温水として循環使用することを特徴とす
る請求項1記載の飛灰中の塩化カリウムの回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7152098A JPH091105A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 飛灰中の塩化カリウムの回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7152098A JPH091105A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 飛灰中の塩化カリウムの回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH091105A true JPH091105A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15533012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7152098A Pending JPH091105A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 飛灰中の塩化カリウムの回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH091105A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000167529A (ja) * | 1998-12-08 | 2000-06-20 | Sumieito Kk | 排ガスダスト又は焼却灰からの水溶性成分の分離方法 |
JP2001130987A (ja) * | 1999-10-29 | 2001-05-15 | F-Tech Inc | 肥料用塩化カリウムおよびその製造方法 |
BE1015866A3 (fr) * | 2003-01-31 | 2005-10-04 | Group Portier Ind | Procede de traitement de residus de fumees d'incinerateur. |
JP2008070040A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Nikko Kinzoku Kk | 産業廃棄物の処理方法及び産業廃棄物の処理設備 |
JP2011025117A (ja) * | 2009-07-23 | 2011-02-10 | Hitachi Zosen Corp | 焼却炉からの焼却灰の処理装置および処理方法 |
JP2011148646A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-08-04 | Taiheiyo Cement Corp | 塩化カリウムの回収装置及び回収方法 |
JP5623402B2 (ja) * | 2009-07-23 | 2014-11-12 | 日立造船株式会社 | ナトリウムとカリウムの分別抽出装置および分別抽出方法 |
JP2015501776A (ja) * | 2011-11-17 | 2015-01-19 | ジーシー・テクノロジー・リミテッドGc Technology Limited | カリ化合物を精製および回収する相互接続システムおよび方法 |
-
1995
- 1995-06-20 JP JP7152098A patent/JPH091105A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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