JP3374728B2 - 焼却塵灰の処理方法 - Google Patents
焼却塵灰の処理方法Info
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Description
れる焼却塵灰、具体的には焼却灰、焼却飛灰およびこれ
らを溶融処理した際に生じる溶融飛灰(焼却灰、焼却飛
灰および溶融飛灰を総称して焼却塵灰と云う)の処理方
法に関する。より詳しくは、本発明は、焼却塵灰を金属
製錬炉において溶融処理し、スラグ化する方法に関す
る。
は多量の焼却灰および焼却飛灰が排出され、これらの排
出量は毎年数百万トンに及び、その処分方法が問題にな
っている。焼却灰および焼却飛灰中には重金属類、ダイ
オキシン類などが含まれているため、約1300℃以上の高
温溶融炉において溶融してスラグ化する溶融固化法が知
られているが、この溶融処理の際に溶融炉で煤塵すなわ
ち溶融飛灰が発生し、これが排ガスに含まれる。溶融炉
内は1300〜1500℃の高温状態であるためダイオキシン類
は炉内で分解されるが、排ガス中の溶融飛灰が電機集塵
機やバグフィルター等で捕集される際、この部分で排ガ
スが冷却されるため再びダイオキシン類が生成され、溶
融飛灰中に含有されることになる。このため溶融飛灰は
セメントと混練され、セメント固化体として埋立て処分
を行うことが行われている。
ているので、これを回収する試みもなされており、例え
ば、特開平7-71730号には、溶融飛灰中の重金属回収の
前処理方法として、溶融飛灰の一部を元の溶融炉へ循環
返送することによって溶融飛灰中の重金属の濃度を順次
高める方法が示されている。また、特開平7-109533号に
は、溶融飛灰中の重金属類を酸またはアルカリ水溶液に
よって浸出した後、pH調整して重金属類を水酸化物と
して沈殿分離し、あるいは水溶性硫化物を添加して硫化
物として沈殿分離する方法が示されている。
処分する方法は、埋立処分場の確保が次第に困難になっ
てきており、また埋立処分は環境汚染が懸念され、社会
問題化している。また、溶融飛灰を溶融炉へ循環返送し
て飛灰中の重金属類の濃度を高める方法は、例示されて
いるように亜鉛濃度を50重量%以上に高めようとする
と、かなりの回数に亘って循環を繰り返す必要があり、
これに伴い溶融炉を循環する溶融飛灰の量が累積的に多
くなり、循環処理の負担が増大する問題がある。一方、
溶融飛灰中の重金属類を酸またはアルカリ水溶液で浸出
して回収する方法では、重金属類を沈殿分離した後の多
量の濾液の処理が問題であり、処理工程全体も複雑であ
る。
上記問題を解決したものであり、溶融飛灰に限らず通常
の焼却灰を含めて、既存の金属製錬設備を利用し、有害
物質を発生させずに効率よく処理し、好ましくは製錬材
料のフラックスとして利用する方法を提供することを目
的とする。
塵灰を水または酸で洗浄して脱塩素処理した後に金属製
錬炉に投入し、金属精鉱と共に加熱溶融処理する際にフ
ラックスとして利用することを特徴とする焼却塵灰の処
理方法に関する。さらに、本発明の処理方法は(2)脱
塩処理した焼却塵灰に、水と共に金属精鉱、珪石粉、ベ
ントナイトの何れか、および/またはセメントを混合し
てペレット化したものを金属製錬炉に投入し、フラック
スとして利用する処理方法を含む。
に説明する。本発明の処理方法は、塩素含有焼却塵灰を
水または酸で洗浄して脱塩素処理した後に金属製錬炉に
投入し、金属精鉱と共に加熱溶融処理する際にフラック
スとして利用することを特徴とする焼却塵灰の処理方法
であり、好ましくは、脱塩処理した焼却塵灰に、水と共
に金属精鉱、珪石粉、ベントナイトの何れか、および/
またはセメントを混合しペレット化したものを金属製錬
炉に投入し、フラックスとして利用する処理方法であ
る。
灰や焼却飛灰、これらを溶融処理した際の溶融飛灰の主
な成分はそれぞれ表1に示すとおりであり、概ねシリカ
分が15〜30重量%、アルミナ分および石灰分が数%
含まれており、その他に金属類が数%〜数十%程度含有
されている。これらのシリカ分(SiO2)、アルミナ分(Al2
O3)および石灰分(CaO)は金属製錬においてスラグを形成
する成分であり、従って、焼却塵灰を金属製錬炉に投入
することにより、スラグ成分を調整し、また溶融温度を
調整するフラックスとして用いることができる。
射炉、自溶炉、および連続製錬プロセスの溶解炉、ある
いは鉛製錬の溶鉱炉などが適している。また、各種金属
製錬において、製錬原料を溶融しスラグ処理を行う種々
の炉において本発明を適用することができる。
のCu以外の成分をスラグとして分離するために適正な
スラグ組成を整えることが非常に重要であり、そのため
にスラグの主成分であるSiO2、Al2O3、CaO等
について、珪石、石灰等をフラックスとして添加してい
る。本発明の具体的な一例は、焼却塵灰をこのフラック
スの一部ないし代替えとして利用する。
クスとして利用する際、先に示したように焼却塵灰には
金属類が数%ないし数十%程度含有されているので、こ
の金属類の多くがスラグ、マットないし溶融金属に移行
し、マットや溶融金属に移行した金属類はその後の処理
工程に伴って回収することができる。なお、焼却塵灰に
含まれている金属類のうち亜鉛や鉛などは溶融処理の際
に揮発して煙灰に含まれるが、一般に金属製錬では、煙
灰中に含まれる鉛や亜鉛を捕集し、回収することが行わ
れているので、焼却塵灰から排出された亜鉛や鉛もこれ
らと一体に捕集回収することができる。
は、焼却塵灰を単独で適時、投入することができる。さ
らに、焼却塵灰を金属精鉱に予め混合して投入すれば、
炉内での溶解および塵灰成分のスラグへの移行がより良
好に進む。また、焼却塵灰のうち、焼却飛灰や溶融飛灰
は嵩比重が約0.2〜0.3と非常に小さいため、粉体の
まま金属製錬炉に投入すると排ガスと共にダストとして
排出し易い。そこで焼却飛灰や溶融飛灰を予めペレット
化して用いれば、このような不都合を防ぐことができ
る。焼却塵灰をペレット化する場合には水と共に粘結剤
として金属精鉱、珪石粉、ベントナイト、セメント等を
用いることができる。
含まれている。従って、焼却塵灰を金属製錬炉に投入し
て溶融処理する際には、焼却塵灰を水または酸により洗
浄して脱塩素処理すると良い。塩素は炉壁、ボイラー
管、ガス配管等の金属部を腐食させる原因になるので、
金属製錬炉に投入する前に、予め焼却塵灰を水または薄
い酸で洗浄して塩素を浸出させることにより脱塩素処理
するのが好ましい。具体的には、焼却塵灰を水槽に潜ら
せ、あるいは焼却塵灰に散水すると良い。なお、洗浄
後、適度な水を含んだ状態のもはペレット化するにも都
合が良い。
す。実施例1 溶融飛灰200gに珪石(SiO2)71g、アルミナ(Al2O3)
1g、石灰(CaO)8g、酸化鉄(Fe2O3)282gを混合して
フラックスを調製した。この混合物を銅精鉱1000g
に加え、溶解炉にて空気雰囲気、温度1350℃で溶解する
ことにより、マット785g、スラグ608gを得た。こ
のスラグの成分を表2に示した。一方、比較基準とし
て、銅精鉱1000gに、フラックスとして珪石(SiO2)
109g、アルミナ(Al2O3)7g、石灰(CaO)13g、およ
び酸化鉄(Fe2O3)287gを加え、同様に溶解炉にて空気
雰囲気、温度1350℃で溶解することにより、マット79
2g、スラグ565gを得た。このスラグの成分を表2に
対比して示した。なお、この比較基準のフラックスは、
通常の銅製錬におけるフラックス組成となる成分比であ
る。表2のように、溶融飛灰を含むフラックスを用いた
本実施例のスラグ組成は比較基準と同様のスラグ組成を
有しており、従って、溶融飛灰を用いることにより適度
なスラグを形成することができ、従来のフラックスの珪
石や石灰の使用量を軽減できることが確認された。因み
に、本実施例では比較基準に比べて、珪石が約35重量
%、石灰が約38重量%低減されている。
て、パン型ペレタイザーにより、直径30〜50mmのペ
レットを製造した。このペレットを銅製錬の反射炉に精
鉱投入ホッパーから投入したところ、このペレットは反
射炉内のフェットリング部で溶解し、排ガスと共に炉外
に排出することを防ぐことができた。また、表2に示す
ように、このペレット化した溶融飛灰によるスラグは比
較基準と同様の良好な組成を有するものが形成された。
溶融飛灰中の塩素を浸出させた後に、実施例1と同様に
銅精鉱と混合して溶解した。この時の溶融飛灰中の塩素
含有量は水洗浄前は8.4%、水洗浄後は0.2%であっ
た。なお、表2に示すように、スラグは比較基準と同様
の良好な組成を有するものであった。
O3)7g、および酸化鉄(Fe2O3)298gを混合してフラ
ックスを調製した。この混合物を銅精鉱1000gに加
え、溶解炉にて空気雰囲気、温度1350℃で溶解する
ことにより、マット792g、スラグ623gを得た。
このスラグの成分は表2に示すように比較基準とほぼ同
様のスラグ組成であった。
錬のフラックスとして用いるので、フラックス成分の珪
石や石灰などの使用量を低減することができる。また、
焼却塵灰に含まれる金属類はスラグやマットあるいは溶
融金属に移行するので、マットや溶融金属に移行した金
属類は、その後の処理工程に伴って回収することができ
る。また、本発明の処理方法は、焼却塵灰をフラックス
として用いるものであるので、従来の有価金属の回収を
目的とした処理においてなされたような金属濃度を高め
るために溶融工程への循環を繰り返すことは必要とせ
ず、焼却塵灰を回収して直ちに製錬炉に投入して処理す
ることができる。従って、また溶融飛灰や焼却飛灰のよ
うに排ガスから捕集された塵灰に限らず、焼却灰でもこ
れを減容処理せず直接に製錬炉で溶融処理することがで
きる。なお、飛灰を灰溶融炉に循環して溶融飛灰中の金
属濃度を高める従来の方法では、金属濃度を高めた溶融
飛灰を原料として有効利用できると述べているが、その
具体的な利用方法は全く示されていない。一方、本発明
は溶融飛灰を含む焼却塵灰について、その具体的な処理
方法として金属製錬炉の利用を示したものであり、実用
性の高い処理方法である。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩素含有焼却塵灰を水または酸で洗浄し
て脱塩素処理した後に金属製錬炉に投入し、金属精鉱と
共に加熱溶融処理する際にフラックスとして利用するこ
とを特徴とする焼却塵灰の処理方法。 - 【請求項2】 脱塩処理した焼却塵灰に、水と共に金属
精鉱、珪石粉、ベントナイトの何れか、および/または
セメントを混合してペレット化したものを金属製錬炉に
投入し、フラックスとして利用する請求項1の処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29740097A JP3374728B2 (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 焼却塵灰の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29740097A JP3374728B2 (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 焼却塵灰の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11128875A JPH11128875A (ja) | 1999-05-18 |
JP3374728B2 true JP3374728B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=17846014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29740097A Expired - Lifetime JP3374728B2 (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 焼却塵灰の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3374728B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
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JP5726618B2 (ja) * | 2011-04-26 | 2015-06-03 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 錫含有銅の処理方法 |
CN106636653B (zh) * | 2016-12-27 | 2018-04-20 | 马守栋 | 一种废酸、碱渣以及除尘灰的综合利用方法 |
CN113718109B (zh) * | 2021-09-01 | 2022-10-18 | 兰州有色冶金设计研究院有限公司 | 一种熔池熔炼电子废物的渣型的确定方法及渣型 |
-
1997
- 1997-10-29 JP JP29740097A patent/JP3374728B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH11128875A (ja) | 1999-05-18 |
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