JPH10158718A - 電気炉におけるダストのリサイクル方法 - Google Patents

電気炉におけるダストのリサイクル方法

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JPH10158718A
JPH10158718A JP31958896A JP31958896A JPH10158718A JP H10158718 A JPH10158718 A JP H10158718A JP 31958896 A JP31958896 A JP 31958896A JP 31958896 A JP31958896 A JP 31958896A JP H10158718 A JPH10158718 A JP H10158718A
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JP
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dust
electric furnace
molten iron
recycling
scrap
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JP31958896A
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English (en)
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Katsutoshi Yamashita
勝俊 山下
Arata Ueda
新 上田
Keiji Kadota
圭司 門田
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 費用増加を招くことのない製出鋼歩留まりの
向上および電気炉ダスト処理費用の削減を併せて実現す
る。 【解決手段】 電気炉原料として溶銑を使用し、電気炉
操業時、溶銑浴面下に電気炉ダストを装入して該電気炉
ダスト中の鉄分を還元回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気炉における
ダストのリサイクル法に関し、特に溶銑を使用する電気
炉操業下でダストの有効利用のもと、製造コストの有利
な削減を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】電気炉で発生するダストは、図1に示す
ように燃焼塔で回収される燃焼塔ダストと、集塵機で回
収される造粒ダストに分けられる。ここで、集塵機で回
収される電気炉ダストを特に造粒ダストと区別したの
は、集塵機からの取り出しの際の飛散を防ぐために予め
造粒しているからである。いずれも亜鉛を含有する一
方、ダスト中に鉄分を54〜65wt%程度含んでいる。
【0003】通常、この電気炉で発生するダストは、亜
鉛回収業者による引き取り処理が行われているが、亜鉛
含有率が低いこともあって、その処理には費用がかか
る。また、かかるダストを埋め立て材として利用する場
合には、ダスト中に含まれる有害物質の流失など、環境
汚染上の問題がある。さらに、ダスト中には鉄分を含ん
でいるので、資源の有効利用の観点からも問題が残る。
【0004】この点、電気炉ダストを効果的にリサイク
ル使用できれば、上記の諸問題は解決する。このため、
従来から、電気炉ダストのリサイクル処理については種
々の提案がなされている(例えば、特開昭48-89815号公
報、特開昭52-53714号公報および特開昭57−120635号公
報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術はいずれも、電気炉ダストと還元剤との併用
が不可欠であって、還元剤としてはコークス等が使用さ
れるが、かかる還元剤の使用は、高価になる他、電気炉
溶鋼の汚染(P,Sの上昇)の問題もあり、また還元剤
を使用しても溶鋼側に炭素が消費され電気炉ダストが未
還元となってしまうという問題もあった。
【0006】また、実用化の面からは、燃焼塔で回収さ
れる燃焼塔ダストと集塵機で回収される造粒ダストの両
者ともに使用できるようにすることが重要である。
【0007】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、電気炉ダストの使用に当って、費用増加を招く
ことのない製出鋼歩留まりの向上および電気炉ダスト処
理費用の削減を併せて実現することのできる、電気炉に
おけるダストのリサイクル方法を提案することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
電気炉で発生したダストを再利用するに際し、電気炉原
料として溶銑を使用し、電気炉操業時、溶銑浴面下に電
気炉ダストを装入して該電気炉ダスト中の鉄分を還元回
収することを特徴とする電気炉におけるダストのリサイ
クル方法である。
【0009】この発明では、スクラップに電気炉ダスト
を混在させて電気炉に装入することが有利であるが、そ
の際には、電気炉ダストのスクラップに対する装入位置
を、電気炉操業時、該電気炉ダストが溶銑浴面下に没す
る位置とすることが望ましい。また、電気炉にダストを
装入するに際しては、電気炉ダストを予め造粒しておく
ことが好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の解明経緯につい
て説明する。前述したとおり、電気炉ダストのリサイク
ル処理については、従来から種々の方法が提案されてい
る(例えば、特開昭48-89815号公報、特開昭52-53714号
公報および特開昭57−120635号公報等)。
【0011】しかしながら、電気炉の集塵ダストを粉末
コークスと共にペレット化して再び電気炉に装入し、ダ
スト中の金属酸化物を有効に回収する方法(特開昭52-5
3714号公報)は、電気炉の原料がスクラップを溶融した
溶鋼であり炭素分が低いため、別途還元剤として炭材を
添加する必要があるが、電気炉ダストと共に使用する粉
末コークス等の炭素は、還元剤として電気炉ダストを還
元する以前に溶鋼に移行するため、電気炉ダスト還元率
を大きく低下させる。従って、電気炉ダストと共に使用
する粉末コークス量を多くする必要があるが、かような
炭材の増加は製造費用の上昇を招いていた。
【0012】また、溶融スラグを使用して、溶融スラグ
に電気炉ダストおよび還元剤を添加する電気炉ダストの
処理方法(特開昭57−120635号公報)は、揮化する亜鉛
を主体とする金属酸化物を回収するための設備を別途設
ける必要がある他、この方法では含有される鉄分を有効
に回収することができなかった。
【0013】この点、溶銑は、炭素を4〜6wt%含み、
スクラップを溶融した溶鋼と比べると含有炭素量が極め
て多いため、より効果的な金属酸化物の還元回収が期待
できる。この発明は、この溶銑中の炭素を利用して、リ
サイクルする電気炉ダスト中の鉄分を効果的に還元回収
するものである。
【0014】電気炉へのダストの供給に際しては、勿
論、ダストを粉体のまま溶湯中に吹き込む方式でも良い
が、スクラップと共に溶湯内へ供給できればより有利で
ある。そこで、電気炉ダストをスクラップバケットへ直
接装入する方式を試行した結果、ダストの装入位置を、
図2に示すように、バケット下部とすることにより、溶
湯(溶銑)への浸漬が極めて容易になることが判明し
た。このように、スクラップを溶湯(溶銑)中に装入す
る際、ダストが浴面下に位置する添加形態を採用すれ
ば、装入したダストがそのまま集塵設備に吸い込まれな
い利点もある。
【0015】実際、上記のように、電気炉ダストをスク
ラップバケットに装入し、スクラップと一緒に電気炉内
に供給したところ、発塵の発生はほとんどなく、極めて
ハンドリング性の良い供給が可能となった。
【0016】また、上記のように供給した場合には、電
気炉操業においても、溶銑を使用する電気炉内での沸
き、突沸は発生せず、電気炉操業時間の延長もなく、後
工程の連続鋳造でも問題がなく、操業上、何ら問題を生
じなかった。しかも、溶鋼中O,N濃度はダストを使用
しない溶鋼と同レベルであり、製品の品質についても問
題はなかった。
【0017】次に、電気炉ダストリサイクル実験を行っ
た時の酸素原単位変化および電力原単位変化について調
査した結果を、図3および図4にそれぞれ示す。図3
中、R=0%はダスト中の分解した酸素が脱炭素に使用
された率を0とした理論値、R=100 %は全量反応した
と仮定した場合の理論値である。回帰線は実線で示す。
【0018】同図によれば、電気炉ダスト1 kg/t のリ
サイクルにより 0.147 Nm3/tの酸素原単位が削減できる
ことが判る。
【0019】図4において、R=100 %は全量ダストが
還元された時の電力原単位の理論値、またR=0%は還
元されずスラグに全量捕捉された時の電力原単位の理論
値である。同図によれば、電気炉ダスト1 kg/t のリサ
イクルにより 0.92 kwh/t 電力原単位が増加しているこ
とが判る。このことから電気炉ダストは十分に還元され
ていることが判る。
【0020】次に、図5に、ダストリサイクルによる製
出鋼歩留り変化について調査した結果を示す。同図から
明らかなように、ダスト使用量の増加により、歩留りは
上昇しており、電気炉ダスト1 kg/t のリサイクル当た
り製出鋼歩留りは0.0427%上昇している。このことから
も電気炉に供給された電気炉ダストは十分に還元されて
いることが判る。
【0021】つぎに、還元されていると推定される電気
炉ダストの還元率について述べる。ダスト中でFeと結合
している酸素はダスト1kg当り0.15 Nm3に相当してお
り、T.Feのメタルへの還元率をR%とするとダスト1kg
からの発生酸素量は次式(1)で表すことができる。
【0022】
【数1】
【0023】図3には、還元率R=0%およびR=100
%の場合の酸素原単位変化を点線で示したが、上掲式
(1) と回帰直線で得られた0.14Nm3からR=95.4%と推
定される。
【0024】次に、電力原単位変化からダスト中T.Feの
還元率R%を考察した。ダストリサイクルによる熱変化
としては、 i) FeO およびFeO3の還元分解熱、 ii) スラグとしての昇熱 の2つが挙げられる。 i) FeO およびFe2O3 の還元分解熱 Fe(S) + 1/2O2(g)=FeO + 900kcal/kg-FeO 2Fe(S) + 3/2O2(g)=Fe2O3 + 1230kcal/kg-Fe2O3 還元率R%の場合のダスト1kg当りの還元分解熱は次式
(2) で表わされる。
【0025】
【数2】
【0026】ii) スラグとしての昇熱 還元分解反応により発生するM.Feおよび酸素以外は全て
スラグになると仮定し、ここではスケールを常温から16
00℃へ昇温する際の熱量(−357 kcal/kg(1))を用い
て、ダスト1kg当りの熱変化を算出した。還元率R%の
時のスラグ昇熱に必要な熱量は次式(3) で表わされる。
【0027】
【数3】
【0028】従って、式(2) および(3) より還元率R%
の時のダスト1kgによる熱変化は次式(4) で表わされ
る。 熱変化量 =−542.77−3.800 ×R(kcal/kg-ダスト) =−0.631 −4.417 ×10-3×R(kwh/kg-ダスト) --- (4)
【0029】図4中に、還元率R=0%およびR=100
%の場合の電力原単位変化を点線で示したが、式(4) と
回帰直線で得られた0.92 kwhからR=65.4%と推定され
る。また、図5に示すように製出鋼歩留りの変化からは
R=78.5%が得られる。ダストリサイクルによる酸素・
電力原単位変化および製出鋼歩留り変化から求めた還元
率は65.4%〜95.4%となる一定の範囲に収まっているこ
とから、電気炉にリサイクルされたダストはこのレベル
で還元されているといえる。
【0030】ところで図3の酸素原単位や図5の製出鋼
歩留りに比べ、図4のダストリサイクル原単位と電力原
単位の関係はバラツキが小さくほとんどの点が回帰線上
にあることから、還元率R=65.4%と仮定して、図6に
ダストリサイクルによる物質バランスを示した。還元率
R=65.4%の場合、製出鋼歩留りはダストリサイクル1
kg当り0.0356%向上する。
【0031】以上述べたことを整理すると、電気炉ダス
トのリサイクルによって、電気炉ダストの処理費用が削
減できる他、溶銑使用による還元剤の不要化によって製
造コストを削減できる。また、上記したように、電気炉
のダストリサイクルによって電力原単位は幾分悪化する
が、酸素原単位、製出鋼歩留りは改善されるため、電気
炉のダストリサイクル 16.9 kg/tの実施により、製造コ
ストは 5.2%の削減となった。
【0032】なお、図1に示したように電気炉ダストに
は、燃焼塔で回収される燃焼塔ダストと集塵機で回収さ
れる造粒ダストに分けられ、いずれも有価金属である亜
鉛を含有しているが、この発明では両者共に使用でき
る。しかも、この亜鉛は、この発明のようなリサイクル
を繰り返すうち、濃度が徐々に高まるため、亜鉛の回収
も容易になる他、電気炉ダストの処理費用の低減も併せ
て達成される。
【0033】また、使用形態もスクラップ中への添加の
他、特開昭57−120637号公報で述べられるようなインジ
ェクション方式を採ってもよいことは明らかで、要は溶
銑中に装入できれば電気炉ダストは溶銑中の炭素により
還元される。
【0034】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、電気炉の
操業性、品質を何等損なうことなく電気炉ダストをリサ
イクルすることができ、電気炉ダストの処理費用低減の
他、製造コスト削減も同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気炉ダストの流れを説明した図である。
【図2】スクラップへのダストの装入位置を示した図で
ある。
【図3】造粒ダストリサイクル原単位と酸素原単位との
関係を示したグラフである。
【図4】造粒ダストリサイクル原単位と電力原単位との
関係を示したグラフである。
【図5】造粒ダストリサイクル原単位と製出鋼歩留りと
の関係を示したグラフである。
【図6】ダストリサイクルによる物質バランスを示した
図である。
フロントページの続き (72)発明者 門田 圭司 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気炉で発生したダストを再利用するに
    際し、電気炉原料として溶銑を使用し、電気炉操業時、
    溶銑浴面下に電気炉ダストを装入して該電気炉ダスト中
    の鉄分を還元回収することを特徴とする電気炉における
    ダストのリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、スクラップに電気炉
    ダストを混在させて電気炉に装入するものとし、該電気
    炉ダストのスクラップに対する装入位置を、電気炉操業
    時、該電気炉ダストが溶銑浴面下に没する位置とするこ
    とを特徴とする電気炉におけるダストのリサイクル方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、電気炉ダス
    トを予め造粒しておくことを特徴とする電気炉における
    ダストのリサイクル方法。
JP31958896A 1996-11-29 1996-11-29 電気炉におけるダストのリサイクル方法 Pending JPH10158718A (ja)

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Cited By (5)

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