JP2011024544A - イーストドーナツの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】揚げ色がほとんど付かない白色ないし淡色を呈し、しかも十分なボリュームが得られ、且つ良好な食感を有するイーストドーナツを容易に製造することができる方法を提供する。
【解決手段】小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、マルチトールおよび/またはトレハロースを1〜20質量部と小麦グルテンを0.2〜8質量部配合し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と小麦グルテンの質量比を20〜0.5:1に調整すると共に、発酵性糖類および粉乳を添加しないか、あるいは添加した発酵性糖類がイーストにより資化されて実質的に消費された状態で生地の最終発酵を行うこと以外は、定法に従ってイーストドーナツを製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、揚げ色がほとんど付かず白色ないし淡色を呈するイーストドーナツの製造方法に関する。より詳細には、マルチトールおよび/またはトレハロースと小麦グルテンとを特定の量および割合で用いることで、揚げ色がほとんど付かず白色ないし淡色を呈し、しかも十分なボリュームが得られ、且つ良好な食感を有するイーストドーナツを製造する方法に関する。
従来、イーストドーナツは一般に小麦粉を主体とする穀粉類に、イーストと共に食塩、砂糖、その他の副資材および水を加えて混捏し、次いで発酵、成形、ホイロ、油揚げの各工程を経て製造されるものであり、イーストの発酵により食感がふっくらとしたソフトであることから、人気のあるドーナツ類のひとつである。近年、加熱調理時の着色を抑えて白色あるいは淡色とした小麦粉食品が提案されている。例えば、加工澱粉および/または馬鈴薯澱粉を50〜99重量%、油脂類を1〜10重量%配合した原料に水を加えて液状生地を作製し、型に入れて焼成して白い鯛焼きを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法で用いられている生地は澱粉を主体とするバッター状の生地であり、イーストドーナツには適用できない。
また、焼成による焼き色を抑えて白色ないし焼き色が淡いパン類の製造方法がいくつか提案されている。例えば、小麦粉100重量部に対して、糖アルコール2〜30重量部および乳蛋白質0.02〜0.5重量部を添加し、160〜180℃で焼成する白色パンの製造方法(例えば、特許文献2参照)や、小麦粉に対してブドウ糖およびトレハロースを特定量で用いることで、200℃で焼成してもほとんど焼き色が付かない白色パン類の製造方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。しかし、これらの方法でイーストドーナツを製造しようとしても、揚げ色を所望の程度まで抑えることができないことがあるだけでなく、得られるイーストドーナツのボリュームの低下や油揚げ後の沈みの問題が生じる可能性があり、また、吸油量や食感の点でも十分なものとはいえない。
一方、ペクチンとバイタルグルテンを特定割合で含有するドーナツ品質改質剤(例えば、特許文献4参照)や、ペクチンやガム類、小麦活性グルテン及び乳化剤に、さらにシスチンまたはアスコルビン酸を添加したパン類の品質改良剤(例えば、特許文献5参照)が知られている。しかし、これらは、吸油量の低減やボリュームの増加を目的としたものであり、また、これらの方法を適用しても揚げ色が付かず、ボリュームや食感の点で十分なものは得られない。
さらに、小麦粉等の食品原材料1重量部に対し、無水トレハロース及び無水トレハロースから変換したトレハロース含水結晶を、無水トレハロースに換算した合計量で0.01乃至200重量部含有する、ドーナツ等食品を含むトレハロース含有固状組成物(例えば、特許文献6参照)が知られている。しかし、ここでのトレハロースは、脱水剤として使用されている。
特開2004−321182号公報 特開2003−102366号公報 特開2007−097554号公報 特許第4173950号公報 特開平8−173013号公報 特許第3812931号公報
本発明の課題は、揚げ色がほとんど付かない白色ないし淡色を呈し、しかも十分なボリュームが得られ、且つ良好な食感を有するイーストドーナツを容易に製造することができる方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、小麦粉を主体とする穀粉原料に対して、マルチトールおよび/またはトレハロースと小麦グルテンを特定の量および割合で用いると共に、発酵性糖類および粉乳のいずれも添加しないか、あるいは発酵性糖類を添加するが、添加した発酵性糖類がイーストにより資化されて実質的に消費された状態で生地の最終発酵を行うことにより、上記課題を解決しうることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、(1)小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、マルチトールおよび/またはトレハロースを1〜20質量部と小麦グルテンを0.2〜8質量部配合し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と小麦グルテンの質量比を20〜0.5:1に調整すると共に、発酵性糖類および粉乳を添加しないか、あるいは添加した発酵性糖類がイーストにより資化されて消費された状態で生地の最終発酵を行うことを特徴とするイーストドーナツの製造方法や、(2)さらに増粘多糖類を0.02〜1.5質量部配合し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と増粘多糖類の質量比を100〜3:1に調整する、上記(1)のイーストドーナツの製造方法や、(3)増粘多糖類が、グアガムおよび/またはペクチンである、上記(2)のイーストドーナツの製造方法に関する。
また、本発明は、(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法により製造されるイーストドーナツや、(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のイーストドーナツの製造方法に用いる穀粉組成物であって、小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、マルチトールおよび/またはトレハロースを1〜20質量部と小麦グルテンを0.2〜8質量部含有し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と小麦グルテンの質量比が20〜0.5:1に調整されていることを特徴とする穀粉組成物に関する。
本発明のイーストドーナツの製造方法によると、これまで困難とされていた、揚げ色がほとんど付かず白色ないし淡色を呈し、しかも十分なボリュームが得られ、且つ良好な風味・食感を有するイーストドーナツを容易に製造することができる。本発明の製造方法により得られるイーストドーナツは、揚げ色が付かずに白色または淡いクリーム色であり、さらに、表面の白色または淡いクリーム色と対照的に、フィリングやトッピングである野菜や果物、その他の素材の有する色合いがより鮮明となり、外観の点でも優れており、イーストドーナツとして極めて商品価値の高いものである。
本発明のイーストドーナツの製造方法としては、小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対し、1〜20質量部のマルチトールおよび/またはトレハロースと、0.2〜8質量部の小麦グルテンとを配合し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と小麦グルテンの質量比を20〜0.5:1に調整すると共に、発酵性糖類および粉乳を添加しないか、あるいは添加した発酵性糖類がイーストにより資化されて実質的に消費された状態で生地の最終発酵を行う方法であれば、特に制限されず、ここでイーストドーナツとは、イーストで発酵させたパン生地のドーナツを意味し、イーストで発酵させずにベーキングパウダーで膨らませたケーキ生地のケーキドーナツは本発明の対象外である。
前記穀粉原料としては、通常、イーストドーナツの製造に用いる小麦粉、例えば強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉またはこれらの混合物を主体とし、ライ麦粉、ライ小麦粉、オーツ粉、コーンフラワー、米粉、各種澱粉類、それらの混合粉などを使用することができる。なお、各種澱粉類としては、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、またはこれらのα化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉などを使用することができる。
かかる小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、マルチトールおよび/またはトレハロースは1〜20質量部配合されるが、3〜10質量部配合することが好ましい。マルチトールおよび/またはトレハロースの総質量が、1質量部未満であると食味の点で劣るだけでなく、ソフトな食感が失われ、歯切れが悪くなりやすく、他方20質量部を超えると、ボリュームが低下し、吸油が増えてべたついた食感となりやすい。また、小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、小麦グルテンは0.2〜8質量部配合されるが、0.5〜5質量部配合することが好ましい。小麦グルテンが、0.2質量部未満であるとボリュームの低下や、吸油が増えやすく、8質量部を超えると固くヒキのある食感となるだけでなく、揚げ色が付きやすい。さらに、マルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と小麦グルテンの質量比は20〜0.5:1に調整されるが、8〜0.5:1に調整することが好ましい。小麦グルテン1質量部に対するマルチトールおよび/またはトレハロースの質量比が20を超えるとボリュームが低下し、吸油の多い製品となり、0.5より小さくなると揚げ後に沈みが生じ、またヒキのある食感となりやすい。なお、本発明において、マルチトールとトレハロースは、それぞれ単独または組み合わせて用いることができるが、マルチトール単独かまたはマルチトールとトレハロースの組み合わせが好ましい。また、小麦グルテンは乾物換算した質量で添加するものである。小麦グルテンとしては、ウェットグルテン、バイタルグルテン、凍結乾燥品のいずれも用いることができる。
さらに、得られるイーストドーナツの食感の向上および吸油量の低減の観点から、小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、増粘多糖類を0.02〜1.5質量部配合し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量に対する増粘多糖類の質量比を100〜3:1に調整することが好ましく、増粘多糖類を0.1〜0.8質量部配合し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と増粘多糖類の質量比を50〜5:1に調整するのがより好ましい。
上記増粘多糖類としては、グアガム、ペクチン、アラビアガム、キサンタンガム、プルラン、グルコマンナンなどが挙げられるが、グアガムやペクチンが好ましく、グアガムとペクチンの組み合わせがより好ましい。この場合、グアガムを0.01〜1.0質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部、およびペクチンを0.01〜0.5質量部、好ましくは0.03〜0.3質量部を配合し、且つグアガムとペクチンの配合比(質量比)を、20〜1:1、好ましくは10〜2:1の範囲とすることが好ましい。グアガムとペクチンの配合量および配合比を上記の範囲に調整することにより、しっとり感と歯切れのバランスがよくなるため、好ましい。
さらに、副原料として、通常、イーストドーナツの製造に用いられるもの、例えば各種発酵種やイースト(生イースト、ドライイースト等);イーストフード;卵または卵粉;ショートニングやバター、マーガリンやその他の動植物油等の油脂類;乳化剤;膨張剤;アスコルビン酸;食塩等の無機塩類;グルコシダーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等の酵素類;食物繊維を適宜使用することができる。
本発明にイーストドーナツの製造方法おいては、油揚げによるイーストドーナツの着色を防止する観点から、発酵性糖類および粉乳のいずれも添加しないか、あるいは発酵性糖類のみを添加するが、添加した発酵性糖類がイーストにより資化されて実質的に消費された状態で生地の最終発酵を行う必要がある。本発明で用いうる発酵性糖類とは、イーストにより速やかに資化されて生地の最終発酵の前までに消費されうると同時に、油揚げ時においてメイラード反応を起こし揚げ色の原因となりうる糖類であり、具体的にはショ糖、グルコース、果糖、麦芽糖またはこれらの混合物、例えば水あめや異性化糖等を意味する。なお、本発明で用いるマルチトールおよびトレハロースは、当該発酵性糖類には該当しない。これらの発酵性糖類を用いる場合には、イーストドーナツの生地を最終発酵(ホイロ)に供する前に、これらの発酵性糖類が実質的に全てイーストによる発酵により資化されて実質的に消費されるように、添加量および添加のタイミングを調整する必要があり、例えば中種法において、これら糖類を中種のみに穀粉原料100質量部に対して3質量部以下の量で添加する。また、粉乳には、乳糖等の揚げ色の原因となる成分が含まれており、特に乳糖はイーストにより消費されないため、イーストドーナツの原料として慣用される脱脂粉乳や全脂粉乳等の粉乳を用いるのは好ましくない。
さらに、本発明のイーストドーナツの製造方法において、各種フラワーペースト;野菜粉末または野菜ペースト、ナッツ類、ドライフルーツ、果汁粉末または果汁ペースト、コーヒー、ココア、チョコレート等の呈味料、パプリカやクチナシ等の色素、香料等を配合したり、トッピングとして用いてもよい。また、フィリングとして、通常、イーストドーナツの製造に用いられるもの、例えば各種のあん類やジャム、クリーム、カレー等を適宜用いることができる。
本発明において、イーストドーナツの製造は常法、例えばストレート法、中種法、速成法等により行うことができる。具体的には、前述した原料および副原料に加水して混捏して生地を得た後、発酵させて成型し、最終発酵(ホイロ)工程を経て、油揚げして製造される。また、イーストドーナツの製造工程において、成型後または最終発酵後に、成型生地を冷凍または冷蔵して流通させることもできる。この場合、飲食店等で最終発酵、油揚げ等の工程を行って、イーストドーナツを提供する。
さらに、本発明のイーストドーナツの製造方法は、プレミックスとして、前述した小麦粉を主体とする穀粉原料およびこれに対して、マルチトールおよび/またはトレハロースと小麦グルテンを特定の量および割合で含有するイーストドーナツ用穀粉組成物を用いて実施してもよい。この場合、小麦粉を主体とする穀粉原料、マルチトールおよび/またはトレハロース並びに小麦グルテンの他に、必要に応じて増粘多糖類、好ましくは上記した配合量および比率のグアガムおよびペクチンを配合し、さらにその他の副材料を適宜配合することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
〔実施例1〜4および比較例1〜2〕 ストレート法
表1に示す配合および下記の製造工程により、イーストドーナツを製造した。
Figure 2011024544
<工程>
ミキシング : 低速2分 中速4分 ↓ ショートニング 中速7分
捏ね上げ温度: 27℃
発酵時間 : 30分(温度27℃/湿度75%)
分割 : 40g
ベンチタイム: 15分
成型 : 棒状にしたのちリング状に手成型
ホイロ時間 : 30分(温度38℃/湿度60%)
油揚げ : 60秒 反転 60秒(温度175℃)
上記のようにして製造したイーストドーナツの外観として形状と色合い(イーストドーナツの呈色の程度)、および食感を下記の表2に示す評価基準に従って、10名のパネラーによって評価した。得られた結果の平均を表3に示す。なお、マルチトール、小麦グルテンおよび増粘多糖類(グアガムとペクチン)を配合しないものを対照例1とした。
Figure 2011024544
Figure 2011024544
上記の表3の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4により得られたイーストドーナツは、比較例1、2および対照例1により得られたイーストドーナツに比較して、外観として形状と色合い(呈色の程度)、および食感において優れたものである。特に、実施例2は、揚げ色が殆ど付かず白色を呈し、かつソフトでしっとり感があり食感に優れていた。マルチトールの配合量が1質量部未満の比較例1は、食味の点で劣るだけでなく、ソフトな食感が失われ、歯切れが悪くなり、他方20質量部を超える比較例2は、ボリュームが低下し、吸油が増えて食感がべたついていた。砂糖を用いている対照例1は外観や食感において優れているものの、揚げ色がしっかり付いていた。
〔実施例5〜7および比較例3〜5〕 ストレート法
表4に示す配合および下記の製造工程により、イーストドーナツを製造した。
Figure 2011024544
<工程>
ミキシング : 低速2分 中速4分 ↓ ショートニング 中速7分
捏ね上げ温度: 27℃
発酵時間 : 30分(温度27℃/湿度75%)
分割 : 40g
ベンチタイム: 15分
成型 : 棒状にしたのちリング状に手成型
ホイロ時間 : 30分(温度38℃/湿度70%)
油揚げ : 60秒 反転 60秒(温度175℃)
上記のようにして製造したイーストドーナツについて、その外観として形状と色合い(イーストドーナツの呈色の程度)、および食感を表2に示す評価基準に従って、10名のパネラーによって評価した。得られた結果の平均を表5に示す。なお、マルチトール、小麦グルテンおよび増粘多糖類(グアガムとペクチン)を配合しないものを対照例2とした。
Figure 2011024544
上記の表5の結果から明らかなように、本発明の実施例5〜7により得られたイーストドーナツは、比較例3〜5および対照例2により得られたイーストドーナツに比較して、外観として形状と色合い、および食感において優れたものであった。特に、実施例6は、形状、色合い、食感のすべてにおいて優れていた。小麦グルテンの配合量が0.2質量部未満の比較例3は、ボリュームが低下し、やや吸油が増えて食感がべたついており、8質量部を超える比較例4は、やや固くヒキのある食感となるだけでなく、やや揚げ色が付いていた。小麦グルテン1質量部に対するマルチトールの質量比が0.5より小さい比較例5は、やや揚げ後に沈みが生じ、またヒキのある食感となっていた。対照例2は外観や食感において優れているものの、揚げ色がしっかり付いていた。
〔実施例8〜11〕
マルチトール、小麦グルテン、グアガムおよびペクチンを下記の表6に示す量で用いた以外は、実施例5と同様の配合および製造工程により、イーストドーナツを製造した。
Figure 2011024544
上記のようにして製造したイーストドーナツについて、その外観として形状と色合い(イーストドーナツの呈色の程度)および食感を表2に示す評価基準に従って、10名のパネラーによって評価した。得られた結果の平均を表7に示す。
Figure 2011024544
上記の表7の結果から明らかなように、本発明の実施例8〜11により得られたイーストドーナツは、対照例2により得られたイーストドーナツに比較して、特に色合い(呈色の程度)において優れたものである。これに対して、対照例2は、マルチトール、小麦グルテン、グアガム、ペクチンが配合されておらず、砂糖を用いており、形状や食感は優れているものの、揚げ色がしっかり付いており、本発明におけるマルチトール/小麦グルテン(質量比)の配合比、マルチトール/増粘多糖類(グアガム+ペクチン)(質量比)の配合比、グアガム/ペクチン(質量比)の配合比による効果が明らかである。
〔実施例12〜14〕 中種法
表8に示す配合および下記の製造工程により、イーストドーナツを製造した。
Figure 2011024544
<工程>
〔中種〕
ミキシング : 低速3分 中速2分
捏ね上げ温度: 24℃
発酵時間 : 120分(温度27℃/湿度75%)
〔本捏〕
ミキシング : 低速2分 中速3分 ↓ ショートニング 低速1分 中速6分
捏ね上げ温度: 27℃
発酵時間 : 30分(温度27℃/湿度75%)
分割 : 40g
ベンチタイム: 15分
成型 : 棒状にしたのちリング状に手成型
ホイロ時間 : 40分(温度38℃/湿度85%)
油揚げ : 60秒 反転 60秒(温度175℃)
上記のようにして製造したイーストドーナツについて、その外観として形状と色合い(イーストドーナツの呈色の程度)、および食感を表2に示す評価基準に従って、10名のパネラーによって評価した。得られた結果の平均を表9に示す。
Figure 2011024544
上記の表9の結果から明らかなように、本発明の実施例12〜14により得られたイーストドーナツは、対照例3により得られたイーストドーナツに比較して、揚げ色がほとんど付かない白色ないし淡色を呈していた。これに対して、対照例3は、マルチトールと小麦グルテンを用いず、かつ、本捏工程で砂糖を用いており、糖類が添加されていない状態で生地の最終発酵を行う本発明とは異なり、揚げ色がしっかり付いていた。

Claims (5)

  1. 小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、マルチトールおよび/またはトレハロースを1〜20質量部と小麦グルテンを0.2〜8質量部配合し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と小麦グルテンの質量比を20〜0.5:1に調整すると共に、発酵性糖類および粉乳を添加しないか、あるいは添加した発酵性糖類がイーストにより資化されて消費された状態で生地の最終発酵を行うことを特徴とするイーストドーナツの製造方法。
  2. さらに増粘多糖類を0.02〜1.5質量部配合し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と増粘多糖類の質量比を100〜3:1に調整する、請求項1記載のイーストドーナツの製造方法。
  3. 増粘多糖類が、グアガムおよび/またはペクチンである、請求項2記載のイーストドーナツの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により製造されるイーストドーナツ。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のイーストドーナツの製造方法に用いる穀粉組成物であって、小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、マルチトールおよび/またはトレハロースを1〜20質量部と小麦グルテンを0.2〜8質量部含有し、且つマルチトールおよび/またはトレハロースの総質量と小麦グルテンの質量比が20〜0.5:1に調整されていることを特徴とする穀粉組成物。
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