JP2011023277A - 燃料電池システム及び燃料電池の特性回復方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池の特性回復方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単位電池を転極させることなく出力特性の回復ができる燃料電池システムを提案する。
【解決手段】
触媒を担持した燃料極と酸化剤極とを含む単位電池を積層した燃料電池スタック1と、燃料極にアルコール水溶液を供給排出する手段8と、酸化剤極に酸化剤を供給排出する手段9とを具備する。燃料電池スタック1は、独立した外部負荷13に接続され負荷を駆動するための電力を供給するための通常運転モードと酸化剤極側の触媒の回復を目的とする回復運転モードとを切り換える制御手段11を具備しており、制御手段11は、回復運転モードにおいて、単位電池の起電力が予め設定した電圧値以下となるように、酸化剤極に担持した触媒に還元剤を接触させる手段を具備することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機物あるいは有機物の溶液を直接燃料極に供給して発電を行うことができる直接形燃料電池システム及びその燃料電池の特性回復方法に関する。
固体高分子型燃料電池(以下、「燃料電池スタック」という。)は、「単位電池」とよばれる電池が積層した構造を有している。この単位電池は、触媒層を設けた正極(カソード)および負極(アノード)間に高分子電解質を挟み込んで、高分子電解質膜と触媒層とを接合したセルを組み合わせて構成され、単位電池ごと酸化剤としての空気と還元剤としての燃料(たとえばメタノール水溶液)とが供給されることで、発電する。
このような燃料電池スタックを備えた燃料電池システムを長時間にわたり運転すると、徐々にその出力特性が低下してくる。この理由は、酸化剤極側の触媒金属が酸化するためと考えられている。そこで、低下した燃料電池スタックの出力特性を事後的に回復させる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、通常運転時よりもカソード電位(すなわち酸化剤極側の電位)を低下させた状態で発電することにより、性能低下を「回復」させうることが記載されている(第5段落等)。同様に、特許文献2には、燃料電池システムを車載電源とする燃料電池車輌において、「燃料電池スタックの出力電圧を強制的に引き下げることにより、触媒活性化処理を実施」しうることが記載されている(第4段落等)。
すなわち、これらの文献には、発電することによってカソード電位を、酸化される白金触媒が還元される還元電位近くまで引き下げることで、燃料電池の触媒を活性化させることに関する知見が示されている。
特表2003−536232号公報 特開2008−192468号公報
しかし、発電することによってカソードの電位を下げる処理を行うと以下のような問題が生じることがある。
(1)カソードの電位を、回復に必要なレベルまで下げることができない場合がある。この問題は、アノードにおいて燃料の拡散律速が生じることに起因する。拡散律速が生じると限界電流密度以上の電流密度での発電ができないので、その電流密度においてカソード電位が上記のレベルよりも貴な場合は、従来技術の範囲では酸化剤極の回復は不可能である。この問題は、水素ガスなどのガス状燃料系を採用する燃料電池と比べて、アルコール水溶液などを燃料とする液体燃料系の直接形燃料電池の場合に顕著に生じる。液体燃料は、ガス燃料と比べて限界電流密度が極端に低いからである。
(2)複数の燃料電池を直列に積層して製作した燃料電池スタックに適用する場合に一部の燃料電池に転極が生じる。転極は、その燃料電池のアノードで拡散律速が生じたときに起こりうる。
(3)酸化剤の流量を下げるとアノードから水素が発生する。なお、水素ガスなどを燃料とするガス状燃料系でも水素が発生しうるが、水素ガスを燃料とするので高気密に設計されているため問題にならない。
ここで図7を参照して上記(1)について説明する。同図は、電流密度と可逆水素電極を基準とした電位との関係を示している。グラフ中の各点は、酸化剤として空気を、燃料としてメタノール水溶液を、それぞれ用いて発電したときのカソード及びアノード電位を電流密度ごとに測定してプロットしている。実線がカソード電位、点線がアノード電位である。○印はメタノール水溶液の濃度が5.0%、△印は2.0%のものである。2.0%のものでは、電流密度が高くなると、アノードで燃料の拡散律速が生じることが判る。なお、電極保護のため測定していないが、電流密度をさらに大きくすると電位が急上昇すると予想される。例えば、△でプロットした電池を400mAcm−2で発電させた場合、アノード電位は800mVになり、その後は触媒金属の溶出反応が生じるのでしばらくはそのままの電位で推移すると予想される。なぜなら、不足している燃料の代わりに触媒金属が酸化されるからである。例えば、800mVはRuが酸化される電位に相当する。すなわち、電位が触媒金属が溶出する電位まで貴にシフトすることになる。
すなわち、従来の燃料電池の回復方法は、通常運転時と同程度の比較的「高い電流密度」で目的のセル電圧(カソード電位)を得ていたために、目的のセル電圧で発電させること自体が不可能だったり、目的のセル電圧とした場合でもカソード電位は回復に必要なレベルには達していなかったりすることがあった。そして、単位電池を複数積層した場合、いわゆる燃料電池スタックの場合、一部の単位電池が転極して触媒金属が溶出する危険性があった。そして、これらの問題が引き金となり、燃料電池スタックの出力低下を引き起こす可能性があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、カソードの電位を確実に回復に必要なレベルに至らせる燃料電池システムを提案することを技術的課題とする。また、単位電池を転極させることなく出力特性の回復ができる燃料電池システムを提案することを追加の技術的課題とする。
本発明に係る燃料電池システムは、触媒を担持した燃料極と酸化剤極とを含む燃料電池と、前記燃料極に燃料を供給排出する手段と、前記酸化剤極に酸化剤を供給排出する手段と、を具備する燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池が外部負荷に接続され前記負荷を駆動するための電力を供給するための通常運転モードと予め設定したセル電圧値以下で発電する回復運転モードとを切り換える制御手段を具備し、
前記制御手段は、前記回復運転モードにおいて、前記酸化剤極に担持した触媒に還元剤を接触させる手段を具備することを特徴とする。
回復運転モードは、予め設定した電圧値以下の単セル電圧で燃料電池を放電させるモードである。このモードでの運転を経た後の燃料電池は、出力性能が回復している。回復とは、このモードを経た後の燃料電池の放電電圧が、電圧以外は同じ放電条件で放電したときにこのモードを経る前の放電電圧と比べて高くなることである。したがって、「予め設定した電圧値」とは、この回復が達成できるように予め設定した電圧の値を意味する。この「予め設定した電圧値」は、燃料の種類や燃料電池の作動温度などの条件で変更する値である。この回復は、単セル電圧が低くなることに連動して、カソード電位が卑にシフトしたことに起因すると推定される。触媒表面に形成された酸化被膜が除去される電位になるまで、カソード電位が卑にシフトした場合、触媒表面の酸化被膜の除去が進行して、カソード反応の活性化過電圧が小さくなる。
通常運転モードは、回復運転モード以外の条件で燃料電池を放電させるモードである。たとえば、「予め設定した電圧値」より高い単セル電圧で燃料電池を放電させるモードである。
転極は、各単位電池に供給されるメタノール水溶液と空気の量が不均一であることに起因していると考えられる。そこで、上記のように、酸化剤極側の触媒に還元剤を供給することで、カソードの電位を強制的に下げ、より低い電流密度で目的のセル電圧に設定して回復運転を行っている。このような構成によると、高い電流密度で目的のセル電圧に設定して回復運転を行う場合と比べて、転極が起こりにくくなる。
なお、回復運転時の動作としては、外部負荷に接続している状態で発電を継続しながらセル電圧を所定の値(例えば0.2V以下)に下げるようにしてもよいが、所定の放電回路などからなる内部負荷を更に備え、外部負荷を切り離して内部負荷にのみ接続した状態で、セル電圧を所定の電圧に下げるようにしてもよい。
本発明における「酸化剤極に担持した触媒に少量の還元剤を接触させる手段」は、燃料極及び酸化剤極への前記アルコール水溶液及び酸化剤の供給をそれぞれ継続した状態で、アルコール水溶液を直接的に酸化剤極にも供給するようにアルコール水溶液の流路を制御するように構成してもよい。或いは、アルコール水溶液の燃料濃度を通常運転時よりも高くすることで効率よくクロスオーバーさせることによって間接的に燃料極側から酸化剤極側に到達させるように構成してもよい。
いずれの手段によってもアルコール水溶液が酸化剤極側に供給されることで低い電流密度のままでカソード電位を強制的に低下させるという作用をもたらす。従って、以上の方法によれば、転極を抑えて酸化剤極側の触媒金属を還元し、出力特性を回復させることができる。
本発明によれば、酸化剤極に担持した触媒に還元剤を接触させることにより酸化剤極の電位を強制的に下げることで、アノードの限界電流密度よりも低い電流密度で単位電池あたりの出力電圧を所定の電圧以下にすることができる。そのため、カソードの電位を確実に回復に必要なレベルに至らせることができる。また、燃料電池スタックにおいては、単位電池を転極させることなく燃料電池スタックの性能を回復できる。
本発明に係る燃料電池システムの一例を示す概略構成図。 図1の燃料電池スタックを構成する単位電池の構造の概略図。 燃料電池スタックの運転動作手順の一例を示す図 実施例1の燃料電池システムの動作手順 実施例2の燃料電池システムの動作手順 実験例1乃至4および比較例1乃至5の処理の結果を示す図。 電流密度と可逆水素電極を基準とした電位の関係を示す図。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)−燃料電池システムについて−
図1は、本発明に係る燃料電池システムの一例を示す概略構成図である。
このシステムにおける燃料電池スタック1は、酸化剤としての空気と、還元剤としての燃料(特に、アルコール水溶液などの液体燃料)とを直接接触させて発電する直接メタノール型燃料電池(DMFC)で構成される。燃料電池スタックには熱交換器2、水タンク3、燃料タンク4、循環タンク5などが各種ポンプ(水ポンプ6、燃料ポンプ7、循環ポンプ8)などの補機に接続され、系内をアルコール水溶液が循環している。空気ポンプ9から燃料電池スタック1に酸素を供給することで発電する。
熱交換器2は、燃料電池スタック1の酸化剤極から排出されたガス中の水を冷却して回収する。水タンク3は、熱交換器で回収した水を貯めるタンクであり、燃料タンク4は、通常運転時よりも高い濃度のメタノール水溶液を溜めるためのタンクである。循環タンク5にはメタノール水溶液の濃度を測定するための濃度センサー10と、メタノール水溶液の濃度を任意の調整するために水ポンプ6と燃料ポンプ7やバルブV1等の機械類の動作を制御するための制御ユニット11が接続される。
さらに、燃料電池スタック1の出力端子には、電力の取り出しを制御する放電回路として機能する放電ユニット12と、燃料電池スタック1から得られた電力を出力する外部負荷13とが接続されている。放電ユニット12は、燃料電池スタックを所定の電圧値以下で放電させるための放電回路として機能するもので、外部負荷13に対して、燃料電池システムの内に保持するため、便宜上「内部負荷」と呼ぶ。また、外部負荷と内部負荷の接続の切り換えや、システム内全体の各電気的要素の動作を電子制御する制御回路14が設けられている。また、アルコール水溶液を酸化剤極側にも一部供給することができる流路15が設けられていてもよい。この場合、バルブV1、V2およびバッファ16を用いることにより、回復運転時に流路15を介してアルコール水溶液を酸化剤極側にも供給することができる。ここで、バッファ16を用いるのは、酸化剤が流路15に流れ込むことを防ぐためである。その供給方法は、まず、バルブV1を開けてアルコール水溶液をバッファ16に入れ、次にバルブV1を閉じ、そして、V2を開ける(以下、バルブV1、V2を開くという。)。これにより、アルコール水溶液は酸化剤と混合されて酸化剤極に供給される。
燃料電池システムには、上述したほかに、熱交換器2を冷却するためのファンやバルブなどを備えるが、図1ではこれらを省略する。
図2は、図1の燃料電池スタックを構成する単位電池の構造の概略を示す図である。単位電池100は、電解質膜101とその両面に設けた燃料極102a及び酸化剤極102bと、その外側に設けたガス拡散層103a及び103bからなる膜電極接合体とで挟持される。さらに、膜電極接合体に臨む面に、燃料極102aに供給するメタノール水溶液を流通するための流路を設けたセパレータ104aと、酸化剤極102bに供給する空気を流通するための流路を設けたセパレータ104bとを備えている。図1の燃料スタック1は、このような単位電池100を例えば40セル積層したもので構成される。
燃料極102a及び酸化剤極102bの触媒層は、触媒金属材料、イオン交換樹脂、イオン交換膜、炭素材料などで構成される。燃料極102aの触媒層は、粉末状のメタノール包接化合物が含まれていてもよい。また、燃料極102aの触媒層と酸化剤極102bの触媒層ともに必要に応じてPTFE(ボリテトラフルオロエチレン)やFEP(フルオロエチレンプロピレン)などの撥水性材料を使用することもできる。
本発明に使用される触媒金属の材料としては、メタノールの酸化反応および酸素の還元反応を促進させる触媒作用を有するものが好ましい。例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウムなどの白金族金属、またはそれらの合金などが該当する。
また、イオン交換樹脂およびイオン交換膜としては、プロトン導電性を示す樹脂を用いることができる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、スチレンージビニルベンゼンスルホン酸樹脂、またはイオン交換基としてカルボン酸基、ホスホン酸基、およびリン酸基を備えたイオン交換樹脂が好ましい。また、ポリオレフィンやポリイミドにスルホン酸基を形成させた樹脂なども使用することができる。なお、イオン交換樹脂を触媒層内に分散させる方法としては、上記触媒層の構成材料を混合、成形する方法やあらかじめイオン交換樹脂以外の構成材料を混合、成形したのちに、イオン交換樹脂を含浸する方法など が挙げられる。炭素材料としては、電子伝導性が高いものが好ましく、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック以外に、気相成長炭素、活性炭や黒鉛などを用いてもよい。
(第2の実施形態)−燃料電池スタックの回復処理について−
次に、各図を参照して燃料電池スタックの回復処理について説明する。この実施形態では、白金触媒の還元による回復処理の方法として、通常運転時よりも低い電流密度で目的のセル電圧にするために、カソードの電位を強制的に下げることを特徴とする。
図3は、燃料電池スタックの運転動作手順の一例を示している。制御回路14は、燃料電池システムの運転中に燃料電池スタックのスタック電圧を常時測定している(ステップS11)。
次に、下限電圧に到達したかどうかを判定する(ステップS12)。ここで、「下限電圧」とは、予めスタック数から計算により求めた所定の電圧と定義する。たとえば、通常運転モードでの放電電圧が0.4V/セル程度の場合、下限電圧としては0.3V(単セル電圧)が設定され得る。この場合には、単セル電圧が0.3Vに達した段階で回復運転モードに切り替える、というフローで運転される。下限電圧値はユーザーまたはシステムの設計者が適宜設定する値である。下限電圧に達したら燃料電池スタック1の特性を回復させるために、通常運転モードから回復運転モードに移行する(ステップS13)。
但し、通常運転モードと回復運転モードとの区別はセル電圧を、予め設定した電圧値、たとえば、0.2V程度まで低下させて運転しているか否かで区別される。すなわち、外部負荷に接続されているか、内部負荷に接続されているかは、問題とならない。外部負荷に接続している状態で発電しながら後述する方法により単セル電圧を0.2Vまで低下させて運転した場合、「回復運転モード」で運転していることになる。この0.2Vは、燃料の種類や燃料電池の作動温度などの条件で変更される。
しかしながら、通常運転時に負荷の状態の変動などに起因して、単セル電圧がばらついて一時的に0.2Vを下回る場合には、形式的には回復運転モードで運転していることなる。たとえば、単セル電圧が0.2Vまで低下している状態で、「回復運転モード」となるように操作をすれば、その発電により触媒金属が還元される状態になるため「回復運転モード」といえる。
回復運転モードで運転する場合、単セル電圧が0.2V以下の「一定電圧」で動作させるために、外部負荷を切り離して内部負荷、すなわち、放電ユニット12のような燃料電池スタックを所定の電圧値以下となる電流密度で放電させるための放電回路に接続することが好ましい。この放電ユニット12は、具体的には定電圧回路などにより構成され、燃料電池スタックの出力電圧を所定の電圧で放電させることができる。
本発明が提案する「回復運転モード」の運転態様としては、上述の通り、「通常運転時よりも低い電流密度で目的のセル電圧にするために、カソードの電位を強制的に下げ」た状態で発電するということが前提となり、その上で低い電流密度で転極を防止しながら発電するための手段、具体的には、バルブ操作(図1のV1、V2)によって酸化剤極に少量のアルコール水溶液(還元剤)を直接供給する(実施例1)或いは、アルコール水溶液の濃度調整手段によって通常運転時よりも高濃度のアルコール水溶液を燃料極に供給することで、クロスオーバーにより燃料極を介して酸化剤極の触媒金属にアルコール水溶液(還元剤)を間接的に供給する(実施例2)ことにより実現される手段)を講じることが重要となる。
ともあれ、いずれの方法(実施例1,2)においても、アルコール水溶液を酸化剤極側に供給することで低い電流密度のままでカソード電位を強制的に低下させるという作用をもたらす。従って、転極を抑えながら酸化剤極側の触媒金属を還元し、出力特性を回復させることができる。以下、2つの実施例について説明する。
(実施例1)
図1の燃料電池システムにおいて、回復運転モードへの移行動作として、制御ユニット11により、バルブV1、V2を開いて少量のアルコール水溶液を酸化剤極に接触させるように構成する。このようにして燃料電池スタックのカソード電位を強制的に低下させ、単セルあたりのセル電圧を0.2V程度まで強制的に低下させることで低い電流密度で転極を防止しながら燃料電池スタックの回復処理を行う。
図4は、実施例1の燃料電池システムの回復動作手順の一例を示している。回復運転モードをスタートさせるために、制御ユニット11によってバルブV1、V2を開に設定し、必要に応じて流量の制御を行う(S21)。この状態で、単セルあたりのセル電圧が0.2V(又はそれ以下)の一定電圧とし、かつ通常運転モードで同じセル電圧を得る電流密度よりも低い電流密度で発電する(S22)。所定時間運転を継続することで(S23)、回復運転モードを終了する(S23)。
内部負荷に接続せず外部負荷に接続している状態(通常運転時の状態)で、そのままこのバルブV1、V2を開にすることで燃料極だけでなく酸化剤極にもアルコール水溶液が供給されるようにして、カソード電位を下げて強制的に単セルあたりの電圧を0.2V程度まで低下させた状態で運転することで、回復処理を行ってもよいが、外部負荷の接続を切り離し電気制御ユニット12のような内部負荷に接続して運転することで触媒金属の回復に必要な所定の電流及び電圧が得られるように制御することが望ましい。
なお、再び通常運転モードに移行するためには、バルブV1とV2とを閉じてしばらく運転を行い、酸化剤極へに直接供給されるアルコール水溶液が無くなるようにすることが必要となる。
(実施例2)
図1の燃料電池システムにおいて、回復運転時の動作として、制御ユニット11により、アルコール水溶液の燃料濃度を通常運転時よりも高くすることで効率よくクロスオーバーさせることによって間接的に燃料極側から酸化剤極側に到達させるような構成を採用してもよい。
すなわち、通常運転時には、バルブV1を閉じた状態で燃料極側には循環ポンプ8を介して適当な濃度に調整されたアルコール水溶液が燃料電池スタックの燃料極側に供給され、酸化剤極側には空気ポンプを介して空気が供給された状態で発電し、放電ユニット12が切り離された状態で外部負荷に接続されている。
図5は、実施例2の燃料電池システムの回復動作の一例を示している。回復運転モードをスタートさせるために、制御ユニット11によって水ポンプ6及び燃料ポンプ7を調整し、メタノール水溶液の濃度を通常運転時の濃度よりも高くなるように設定する(S31)。濃度センサー10により、目的の濃度に到達したことを確認し(S32)、この状態で単セルあたりのセル電圧が0.2V(又はそれ以下)の一定電圧とし、通常運転モードで同じセル電圧を得る電流密度よりも低い電流密度で運転する(S33)。所定時間運転することで(S34)、回復運転モードを終了する(S35)。
実施例1同様、内部負荷に接続せず外部負荷に接続している状態(通常運転時の状態)で、そのままアルコール水溶液の濃度調整を行い、カソード電位を強制的に単セルあたり0.2V程度まで低下させた状態で運転することで、回復処理を行ってもよいが、望ましくは外部負荷の接続を切り離し電気制御ユニット12のような内部負荷に接続して運転することで触媒金属の回復に必要な所定の電流及び電圧が得られるように制御する。このようにすれば、一層効果的に回復処理が完了する。
なお、再び通常運転モードに移行するためには、制御ユニット11により濃度をもとの濃度に設定することが必要となる。
−実験例−
本発明に係る燃料電池システムの回復運転による燃料電池スタックの特性を評価するために、まず以下の手順により燃料電池スタックを製作した。
1.燃料極の製作
(1)白金−ルテニウム触媒担持カーボン(田中貴金属工業社製、白金29.2質量%、ルテニウム22.6mass%)1.0gとスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体の陽イオン交換樹脂(Dupont社製、5mass%溶液)9.6gと撥水剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、PTFE、60mass%分散液)0.5gと精製水8.0gとを秤量したのちに撹拌棒で混合し、さらに、遊星ボールミルを用いて混練することによって、燃料極用スラリーを調製した。
(2)一辺が5.0cm、もう一辺が5.0cmに切り出したカーボンベーパー(東レ社製、厚さ200μm)を撥水剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、PTFE、60mass%分散液)に含浸し、乾燥した後、360℃で焼成することによって、撥水性を施したカーボンペーパーを作成した。
(3)(2)のカーボンペーパーの片面に(1)の燃料極用スラリーをスプレー塗工機で塗布・乾燥することによって、燃料極を形成した。この燃料極の触媒担持量は、3.0mg(Pt−Ru)/cmであった。
2.酸化剤極の製作
(1)白金触媒担持カーボン(田中貴金属工業社製、白金46.5mass%)1.0gと陽イオン交換樹脂(Dupont社製、5mass%溶液)7.1gと撥水剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、PTFE、60mass%分散液)0.5gと精製水8.0gとを秤量したのちに撹拌棒で混合し、さらに、遊星ボールミルを用いて混練することによって、酸化剤極用スラリーを調製した。
(2)一辺が5.0cm、もう一辺が5.0cmに切り出したカーボンベーパー(東レ社製、厚さ200μm)を撥水剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、PTFE、60mass%分散液)に含浸し、乾燥した後、360℃で焼成することによって、撥水性を施したカーボンペーパーを形成した。
(3)(2)のカーボンベーパーの片面に(1)の酸化剤極用スラリーをスプレー塗工機で塗布・乾燥することによって、酸化剤極を形成した。この酸化剤極の触媒担持量は、3.0mg(Pt)/cmであった。
3.膜電極接合体の製作
スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜(Dupont社製、厚さ175μm)の片面に1.の燃料極を、他方の片面に2.の酸化剤極をそれぞれ配したのちに、10Mpa、150℃の条件でホットプレスすることによって、膜電極接合体を形成した。
4.燃料スタックの製作
(1)3.の膜電極接合体を、燃料を流すための流路を備えたカーボン製のセパレータと、酸化剤を流すための流路を備えたカーボン製のセパレータとで挟持して単位電池を形成した。
(2)(1)の単位電池を1セルとして40セル積層し、積層方向の両端をステンレス製のエンドプレートで挟持し、このエンドプレート間にボルトを通し、このボルトをナットで締めることによって、燃料電池スタックを形成した。
5.実験
次に、上記手順によって製作された燃料電池スタックを用いて、温度65℃、1mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、130mA/cmの電流密度で、10時間の連続運転を100サイクル、つまり、合計1000時間の燃料電池システムの運転を行った。この燃料電池スタックを用いて下記の実験例1乃至4および比較例1乃至5の処理を実施した。
<実験例1>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに1.5mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.15Vになるように、定電圧で2時間発電した。
<実験例2>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに1.5mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.2Vになるように、定電圧で2時間発電した。
<実験例3>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに2.0mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.15Vになるように、定電圧で2時間発電した。
<実験例4>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに2.0mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.2Vになるように、定電圧で2時間発電した。
<比較例1>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに1.5mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.25Vになるように、定電圧で2時間発電した。
<比較例2>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに2.0mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.25Vになるように、定電圧で2時間発電した。
<比較例3>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに1.0mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.15Vになるように、定電圧で2時間発電した。
<比較例4>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに1.0mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.2Vになるように、定電圧で2時間発電した。
<比較例5>
上記条件で1000時間運転後の燃料電池スタックに1.0mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.25Vになるように、定電圧で2時間発電した。
6.評価結果
上記実験例1乃至4および比較例1乃至5の処理をした燃料電池スタックを用いて、温度65℃、1mol/lメタノール水溶液を200ml/minの流量で燃料極に、空気を20000ml/minの流量で空気極に供給し、130mA/cmの電流密度で10時間連続運転を1サイクル、つまり、合計10時間の燃料電池システムの運転を行った。
実験例1乃至4および比較例1乃至5を評価するために、上記100サイクルの連続運転をしたときの1サイクル目および100サイクル目の10時間連続運転における燃料電池スタックの平均電圧と、実験例1乃至4および比較例1乃至5の処理をした後に10時間連続運転をしたときの燃料電池スタックの平均電圧と、実験例1乃至4および比較例1乃至5の処理中における電流密度の平均値とを取得した。
図6は、実験例1乃至4および比較例1乃至5の処理の結果を示す図である。実験例1乃至4および比較例1乃至5の処理前の1サイクル目と100サイクル目とに平均電圧のバラツキがあるが、10時間の連続運転を100サイクル行うことによって燃料電池スタックの特性が低下していることがわかる。また、実験例1乃至4の処理は、比較例1乃至5の処理よりも、燃料電池スタックの特性を回復させていることがわかる。
燃料電池スタックの特性の低下は、酸化剤極側の白金触媒が酸化されたために、酸素還元反応に対する反応性が低下したことに起因するものと推察される。実験例1乃至4では、通常運転時よりも高い濃度のメタノール水溶液を供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.2V以下となる電流で発電しているので、酸化剤極側の電位(カソード電位)が低下し、酸化剤極側の酸化された白金が還元されたために、燃料電池スタックの低下した特性が回復したものと推察される。一方、比較例1及び2の処理後の燃料電池スタックでは、通常運転時よりも高い濃度のメタノール水溶液を供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.25Vとなる電流で発電しているので、酸化剤極側の電位が酸化された白金を還元させるには高いために、酸化剤極側の酸化された白金が還元されず、燃料電池スタックの低下した特性が回復していないものと推察される。
図6より、比較例3及び4の処理後の燃料電池スタックの特性は、処理前よりも低下していることがわかる。つまり、燃料電池スタックの燃料極に通常運転時の濃度のメタノール水溶液を供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.2V以下となる電流で発電すると、燃料電池スタックの特性がさらに低下することがわかる。
比較例3及び4の処理では、実験例1乃至4と比べて処理中における電流密度の平均値が高いことから、比較例3及び4の処理中に燃料電池スタック内で燃料もしくは空気の分配を悪くしている単位電池が転極し、比較例3及び4の処理をした燃料電池スタックの特性が低下したものと推察される。一方、本発明の実験例1乃至4では、通常運転時よりもメタノール水溶液の濃度が高いために、燃料極から酸化剤極へのメタノール水溶液の透過量が増加するので、電流密度が低い状態で単位電池あたりの出力電圧を0.2V以下にできる。そのために、実験例1乃至4の処理をした燃料電池スタックでは、燃料電池スタック内で単位電池を転極させることなく燃料電池スタックの低下した特性を回復させることができるものと推察される。
図6より、比較例5の処理後の燃料電池スタックの特性は、処理前よりも低下していることがわかる。つまり、燃料電池スタックの燃料極に通常運転時の濃度のメタノール水溶液を供給し、単位電池あたりの出力電圧が0.25Vとなる電流で発電すると、燃料電池スタックの特性がさらに低下することがわかる。比較例5の処理においても、比較例3及び4と同様の原因で燃料電池スタックの特性が低下したものと推察される。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池スタックの単位電池の転極を防止して効率的に出力特性の回復ができるものとして、電極産業上の利用可能性は極めて大きい。
1 燃料電池スタック
100 単位電池
101 電解質膜
102a 燃料極
102b 酸化剤極
103a 燃料極ガス拡散層
103b 酸化剤極ガス拡散層
104a 燃料極セパレータ
104b 酸化剤極セパレータ
2 熱交換器
3 水タンク
4 燃料タンク
5 循環タンク
6 水ポンプ
7 燃料ポンプ
8 循環ポンプ
9 空気ポンプ
10 濃度センサー
11 制御ユニット
12 放電ユニット
13 外部負荷
14 制御回路
15 流路
16 バッファ

Claims (7)

  1. 触媒を担持した燃料極と酸化剤極とを含む燃料電池と、
    前記燃料極に燃料を供給排出する手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤を供給排出する手段と、
    を具備する燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池が外部負荷に接続され前記負荷を駆動するための電力を供給するための通常運転モードと予め設定したセル電圧値以下で発電する回復運転モードとを切り換える制御手段を具備し、
    前記制御手段は、前記回復運転モードにおいて、
    前記酸化剤極に担持した触媒に還元剤を接触させる手段を具備する燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池を所定の電圧値以下となる電流密度で放電させるための放電回路からなる内部負荷を更に備え、
    前記制御手段は、前記回復運転モードにおいて、
    前記外部負荷を切り離して前記内部負荷に接続した状態で前記回復運転モードを実行することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記回復運転モードにおける前記酸化剤極に担持した触媒に還元剤を接触させるための手段が、
    前記燃料極及び酸化剤極への前記燃料及び酸化剤の供給をそれぞれ継続した状態で、前記燃料を直接的に前記酸化剤極にも供給するように前記燃料の流路を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料がアルコール水溶液であり、前記燃料電池システムは前記燃料極に供給排出するアルコール水溶液の濃度調節手段を更に備え、
    前記回復運転モードにおける前記酸化剤極に担持した触媒に還元剤を接触させるための手段が、
    前記アルコール水溶液の濃度調節手段が前記アルコール水溶液の濃度を前記通常運転モードにおけるアルコール濃度よりも相対的に高い濃度のアルコールを前記燃料極に供給することにより、前記燃料極を介して間接的に前記酸化剤極に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  5. 触媒を担持した燃料極と酸化剤極とを含む燃料電池と、
    前記燃料極に燃料を供給排出する手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤を供給排出する手段と、
    を具備する燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池が外部負荷に接続され前記負荷を駆動するための電力を供給するための通常運転モードを終了するステップと、
    予め設定したセル電圧値以下で発電する回復運転モードで運転するステップと、
    前記酸化剤極に担持した触媒に還元剤を接触させるステップとを具備することを特徴とする燃料電池の特性回復方法。
  6. 触媒を担持した燃料極と酸化剤極とを含む単位電池を積層した燃料電池スタックと、
    前記燃料極にアルコール水溶液を供給排出する手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤を供給排出する手段と、
    前記燃料電池スタックを所定の電圧値以下となる電流密度で放電させるための放電回路(A)と、
    前記燃料電池スタックを外部の負荷に接続した状態で運転する通常運転モードと前記放電回路に接続した状態で運転する前記触媒の回復運転モードとを切り換えるために、
    前記通常運転モードにおいては前記燃料極に前記アルコール水溶液を供給する一方前記酸化剤極に酸化剤を供給し、
    前記回復運転モードにおいては前記燃料極への前記アルコール水溶液の供給を継続した状態で、前記酸化剤極に酸化剤とアルコール水溶液とを供給するように前記アルコール水溶液の流路を制御する制御手段(B)と
    を具備する燃料電池システムにおいて、
    前記制御手段が、
    前記燃料電池スタックを外部の負荷に接続した状態で運転する通常運転モードから前記外部の負荷を切断して発電を終了させる発電終了ステップと、
    前記アルコール水溶液を前記燃料極と酸化剤極の両方に供給するステップと、
    前記燃料電池スタックを前記放電回路に接続し、運転を開始する放電ステップとを具備することを特徴とする燃料電池スタックの特性回復方法。
  7. 触媒を担持した燃料極と酸化剤極とを含む単位電池を積層した燃料電池スタックと、
    前記燃料極にアルコール水溶液を供給排出する手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤を供給排出する手段と、
    前記燃料電池スタックを所定の電圧値以下となる電流密度で放電させるための放電回路(A)と、
    前記燃料極にアルコール水溶液を供給排出する手段(C)と、
    前記酸化剤極に酸化剤を供給排出する手段と、
    前記アルコール水溶液の濃度を調節する手段(D)とを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記制御手段が
    前記燃料電池スタックを外部の負荷に接続した状態で運転する通常運転モードから前記外部の負荷を切断して発電を終了させる発電終了ステップと、
    前記アルコール水溶液の供給排出手段(C)および濃度調節手段(D)によって、前記通常運転モードで前記燃料極に供給排出されるアルコール水溶液よりも高い濃度のアルコール水溶液を前記燃料極に供給させた状態で、
    前記燃料電池スタックを前記放電回路に接続し、運転を開始する放電ステップとを具備することを特徴とする燃料電池スタックの特性回復方法。
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