JP2011020898A - セラミックヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで高い耐食性を備えるセラミックヒータを提供する。
【解決手段】発熱抵抗体141と電気的に接続された電極パッド121を有するセラミック基体105と、電極パッド121の表面上に設けられたロウ材部124を介してその電極パッド121と電気的に接続される接合部131と、を備えるセラミックヒータ100において、耐食性確保のためにロウ材部124の表面と電極パッド121の表面とを一体的に覆うニッケルボロンメッキ膜125を、6μm以上の厚みを有すると共に第1メッキ層126と第2メッキ層127との複数の層で形成する。そして、第1メッキ層126の厚さを第2メッキ層127の厚さよりも小さくすることで、下地との密着性を高めるとともにメッキにおける応力の低減を図り、膨れや剥れ等を抑制するとともに、耐食性を確保する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガス濃度を検出するためのガスセンサ等に用いられるセラミックヒータに関する。
従来、例えばエンジン等では、ガス濃度(ひいては空燃比)を検出するためのガスセンサが設置される。そして、このようなガスセンサでは、センサ素子を活性化するためのセラミックヒータが設けられる。
この種のセラミックヒータとしては、アルミナ等のセラミック基体中に、タングステンやモリブデン等の高融点金属からなる発熱抵抗体を埋設したものが用いられている。そして、セラミックヒータの外周面には、発熱抵抗体と電気的に接続された電極パッドが設けられ、この電極パッドには、発熱抵抗体に外部から電圧を印加するための接続端子がロウ材によりロウ付けされる。この電極パッドは発熱抵抗体と同様にタングステンやモリブデン等の高融点金属からなるものである(例えば、特許文献1参照)。
また、ガスセンサは高温環境下や温度変化の激しい環境下での使用頻度が多いため、例えばセラミックヒータのロウ付けの部分(以下、ロウ材部と記載する)の熱耐久性の向上が求められている。この点については、銅を含むロウ材を用いることで、ロウ材部の熱耐久性の向上が図られている。さらに、ロウ材に含まれる銅を酸化から防ぐために、ロウ材部の表面にはメッキ層が形成される。加えて、電極パッドは高温下で酸素が侵入すると破壊されてしまうため、その電極パッドの表面も含めてメッキ層が形成される。そして、このようなメッキ層は下地(メッキ層と接合する箇所)との密着性を高めるために熱処理されるようになっている。
特開2005−331502号公報
ところで、上記のようなメッキ層としては、Auメッキ層やPtメッキ層等で構成することが耐食性の点では好ましい。一方、AuメッキやPtメッキは高価であり、コストがかかってしまうという問題がある。
これに対し、より安価なメッキとしては、ニッケルメッキやニッケルリンメッキ、ニッケルボロンメッキ等のニッケルを主成分とするメッキ(以下、ニッケルメッキと言う)がある。なお、このニッケルメッキは、AuメッキやPtメッキと比較して耐食性は劣るかもしれないが、メッキ厚をAuメッキ層やPtメッキ層よりも大きくすることによってAuメッキ層やPtメッキ層と略同等な耐食性を得ることが可能である。
しかしながら、ニッケルメッキ厚を大きく(厚く)すればするほど、熱処理の際にクラックやピンホール(以下、クラック等とも記載する)が発生し易くなる。特に、ニッケルボロンメッキの場合は、硬度が高いことからそのクラック等の発生が顕著に生じる。ニッケルメッキ層にクラック等が存在すると、そのクラック等から侵入する酸素によって、ロウ材部が酸化・腐食したり、或いは電極パッドが酸化・破壊したりするなどの不都合が生じる。また、ニッケルメッキ層を厚くすればするほど、環境の温度変化に伴って生じるニッケルメッキの応力や、或いはニッケルメッキ中の異物などが原因で、ニッケルメッキ層が剥れたりするなどの異常も生じやすくなる。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、コストをかけなくてもより高い耐食性を備えるセラミックヒータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本願発明は、内部に発熱抵抗体が埋設され、発熱抵抗体と電気的に接続された電極パッドを表面上に有するセラミック基体と、電極パッドの表面上に設けられたロウ材部を介してその電極パッドと電気的に接続される接続端子と、ロウ材部及び電極パッドが外部に露出しないように、直接又は他部材を介してロウ材部及び電極パッドを一体的に覆うNiを主成分とするメッキ層と、を備えるセラミックヒータであり、そのメッキ層は、次のように構成されている。
まず、メッキ層は、6μm以上の厚みを有するとともに複数の層から構成されている。また、メッキ層を構成する複数の層のうち、最もロウ材部に近い第1メッキ層の厚みは、前記メッキ層のうちその第1メッキ層以外の残りの層の合計厚みよりも小さくなっている。
このように、メッキ層の厚みを6μm以上の厚みとすることで、Niメッキ層であっても、Auメッキ層やPtメッキ層と略同等な耐食性を得ることが可能である。なお、6μm未満であれば、充分な耐食性を得られない虞がある。
さらに、セラミックヒータにおいて、ロウ材部側(電極パッド側)に形成された第1メッキ層は相対的に薄く形成されるため、その第1メッキ層においてはクラック等(クラックやピンホール等)の発生が抑制されることは勿論であるが、下地(ロウ材部や電極パッド等)との密着性が良くなるとともにその第1メッキ層におけるメッキの応力(環境の温度変化に伴い生じるメッキの応力)が小さくなる。このため、第1メッキ層と下地との関係では、剥れ等が生じにくくなる。
そして、第1メッキ層上に第1メッキ層よりも厚いメッキ層(以下、表面メッキ層という)を形成する。このため、第1メッキ層の欠点を補うことができる。具体的に、密着性向上、応力低減の観点から第1メッキ層が薄く形成されることでその第1メッキ層の耐食性が必ずしも充分でないとしても、第1メッキ層よりも厚く形成された表面メッキ層によって耐食性を補うことができる。しかも、表面メッキ層の厚さをより大きくしたとしても、表面メッキ層にとっての下地が第1メッキ層であるから、同主成分のため密着性も確保することができる。
さらに、仮に、第1メッキ層、表面メッキ層においてクラック等が発生するとしても、第1メッキ層におけるクラック等の発生箇所と、表面メッキ層におけるクラック等の発生箇所とが重複する可能性は極めて低く、クラック等の発生の影響を無くす或いは低減することができる。例えば、第1メッキ層のある箇所にてクラック等が発生したとしても、第1メッキ層の上に表面メッキ層を形成することで第1メッキ層におけるクラック等を覆ってしまうことができる。このため、耐食性を良好に維持できる。
なお、表面メッキ層は、1層にて形成されていても良いし、複数の層にて形成されていても良い。表面メッキ層が複数の層にて形成されている場合には、それぞれの層の合計厚みを表面メッキ層の厚みとする。また、「メッキ層が複数の層にて形成されている」ことは、メッキ層を含むロウ材部の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)による高倍観察にて確認することができる。
また、本願発明に係るセラミックヒータでは、ロウ材部を形成するロウ材の成分が第1メッキ層に含侵していることが好ましい。これによれば、ロウ材部と第1メッキ層との密着性が高まり、さらには、ロウ材部とメッキ層との密着性が高まり、メッキ剥がれ等が生じにくいメッキ層を得ることができる。
また、本願発明に係るセラミックヒータでは、メッキ層のうち、外表面に露出する層である第2メッキ層はロウ材の成分を含有しないことが好ましい。換言すれば、ロウ材部を形成するロウ材の成分が第2メッキ層までは拡散しないということである。ロウ材部を構成するロウ材がメッキ層に含侵することで密着性が向上することは既に述べたが、含侵の程度によっては逆に耐食性の低下を招く。例えば、ロウ材が第2メッキ層まで含浸して拡散すると、そのメッキ層の表面の酸化を招き、耐食性が劣ってしまうことがある。この点、本願発明のセラミックヒータによれば、第2メッキ層にはロウ材が含浸しないため、その第2メッキ層の耐食性を良好に保つことができる。
また、本願発明に係るセラミックヒータでは、ロウ材部は、電極パッドの一部に設けられており、第1メッキ層と電極パッドの間には、Niを主成分とする第3メッキ層を有しており、第3メッキ層の厚みは、第1メッキ層の厚みよりも小さいことが好ましい。電極パッドとロウ材との密着性を向上させるために、電極パッド上に第3メッキ層を設けることがあるが、ロウ材部が電極パッド上に一部設けられる場合、第3メッキ層は第1メッキ層と電極パッドとの間に配置されることがある。この場合においても、第3メッキ層の厚みが第1メッキ層の厚みよりも小さいことで、第1メッキ層の密着性を維持できる。
本実施形態のセラミックヒータ100の外観を表した斜視図である。 本実施形態のセラミックヒータ100の内部構成を表した分解斜視図である。 電極部120の周囲部分における部分断面図である(A−A矢視)。 電極部120の周囲部分における部分断面図である(B−B矢視)。 ニッケルボロンメッキ膜125を観察した顕微鏡写真を示す図である。 本発明の効果を確認する実験結果を示す図である。
本発明を具体化したセラミックヒータの実施形態について、図面を参照して説明する。
尚、本実施形態のセラミックヒータは、図示しない有底筒状をなす固体電解質管の内外面それぞれに電極層が形成されたセンサ素子に内挿されて使用され、該センサ素子を加熱するためのものである。加熱対象のセンサ素子としては、自動車や各種内燃機関における各種制御(例えば、空燃比フィードバック制御など)に使用するために、測定対象ガス(排ガス)中の特定ガス(酸素)を検出するガスセンサ素子などが挙げられる。
まず、図1,図2を参照して、本実施形態のセラミックヒータ100の構造について説明する。
図1は、セラミックヒータ100の外観を表した斜視図である。図2は、セラミックヒータ100の内部構成を表した分解斜視図である。尚、以下では、セラミックヒータ100の加熱部110(図1参照)側を先端側とし、電極部120(図1参照)側を後端側として説明する。
図1に示すように、セラミックヒータ100は、発熱抵抗体141を有するセラミック基体105と、セラミック基体105より露出されるとともに発熱抵抗体141に通電するための電極パッド121と、導電性のロウ材により電極パッド121に接合される接合部材130と、を備え、丸棒状(略円柱形状)に構成されてなる。
セラミックヒータ100は、セラミック基体105の後端側に設けられた電極部120を介して電源装置から発熱抵抗体141に対して通電されることで、発熱抵抗体141が発熱する構成である。尚、発熱抵抗体141のうち発熱する部分(後述する発熱部142(図2参照))は、セラミック基体105の先端側に配置されている。つまり、セラミックヒータ100は、セラミック基体105のうち先端側の加熱部110が発熱することで、加熱対象物(センサ素子など)を加熱するよう構成されている。
図2に示すように、セラミックヒータ100は、丸棒状のアルミナセラミック製の碍管101の外周に、絶縁性の高いアルミナセラミック製のグリーンシートからなる第1シート部材140,第2シート部材146が巻き付けられ、これが焼成されることによって製造される。
第1シート部材140の上には、ヒートパターンとしてのタングステン系の材料を主体とする発熱抵抗体141が形成されている。発熱抵抗体141は、加熱部110(図1参照)に相当する位置に形成される発熱部142と、発熱部142の両端のそれぞれに接続される一対のリード部143と、を備えて構成される。
また、第1シート部材140の後端側には、2個の貫通孔144が形成されている。一対のリード部143は、2個の貫通孔144を介して、セラミックヒータ100の外表面上に形成される2つの電極パッド121と電気的に接続される。
また、第2シート部材146は、第1シート部材140のうち発熱抵抗体141が形成される側の面に圧着されるシートである。
第2シート部材146のうち第1シート部材140とは反対側の表面にアルミナペーストが塗布され、この塗布面を内側にして第1シート部材140、第2シート部材146が碍管101に巻き付けられて外周から内向きに押圧されることにより、セラミックヒータ成形体が形成される。その後、セラミックヒータ成形体が焼成されることにより、セラミックヒータとして形成される。
次に、図1及び図2に示すように、セラミックヒータ100の電極部120には、陽極側及び陰極側となる2つの電極パッド121が形成されている。この電極パッド121は、上記した2つの貫通孔144(図2参照)に対応する第1シート部材140の外面の位置に2ヶ所、それぞれ設けられている。発熱抵抗体141のリード部143との導通は、貫通孔144の内部に充填される導電層145(後述する図3参照)を介して行われる。尚、電極パッド121の表面には、後述するメッキによる金属層(後述する図3に示すニッケルメッキ膜122)が形成される。
また、セラミックヒータ100においては、接合部材130の接合部131が、銅を主体とするロウ材部124(後述する図3,図4参照)を用いて電極パッド121にロウ付けされている。
接合部材130は、ニッケルからなり、平板状に切り出されたカシメ部135と、そのカシメ部135の先端から延設された接続部134と、を備えて構成される。
接続部134の先端部分は、厚み方向に段状に折り曲げられて、接合部131として形成されている。また、接合部材130は、接続部134とカシメ部135との間にて、接続部134の長手方向を軸として略直角にひねるようにねじ曲げられている。
そして、接合部材130は、カシメ部135に図示しない外部回路接続用のリード線などがカシメ固定されることで、リード線などを介して外部回路(外部電源装置)との導通が図られる。
このような形状に構成される2つの接合部材130は、2つの電極パッド121のそれぞれに接合されて、セラミックヒータ100に電圧を印加する際の陽極側端子及び陰極側端子として機能する。
次に、図3,図4を参照して、電極部120の構造について説明する。
図3は、図1に示すセラミックヒータ100におけるA−A矢視図であり、図4は、図1に示すセラミックヒータ100におけるB−B矢視図である。両図は、より具体的には電極部120の周囲部分における部分断面図である。尚、図3,図4において、接合部材130からセラミックヒータ100の中心軸に向かう方向(図中紙面下方向)を下方向として、また、セラミックヒータ100の中心軸から接合部材130に向う方向(図中紙面上方向)を上方向として説明する。
図3,図4に示すように、電極部120に形成された電極パッド121は、碍管101の外周に巻かれた第1シート部材140の外面150に形成され、貫通孔144の導電層145を介して第1シート部材140の内面151に形成されている発熱抵抗体141のリード部143と導通されている。
この電極パッド121は、タングステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種類以上の元素からなる主体材料を80重量%以上含むパッド状の金属層である。タングステンやモリブデンは、銅系のロウ材部124との接合性がよく、また、融点が高く耐熱性に優れているので、電極パッド121の組成として好適である。
接合部材130は、ニッケルを90重量%以上含むニッケル部材からなる。
接合部材130の接合部131は、図3,図4に示したように、ロウ材部124により電極パッド121に接合されている。具体的には、電極パッド121の略中央に接合部131を対向させ、その電極パッド121と接合部131を接続するようにロウ材部124が形成されている。接合部131と電極パッド121とを接合するロウ材部124は、例えば50重量%を上回る量の銅を含有している。尚、ロウ材部124としては例えばCu、Au−Cu、Ag−Cu系のもので銅を50重量%以上含むものであれば良い。
そして、ロウ材部124により互いに接合された接合部131及びニッケルメッキ膜122を介してロウ材部124が形成されていない電極パッド121の上に、ニッケルボロンによるメッキが施され、ニッケルボロンメッキ膜125が形成される。このニッケルボロンメッキ膜125により、電極部120の酸化による腐食が防止される。尚、メッキ処理法としては無電解メッキ法が用いられる。
特に、本実施形態では、ニッケルボロンメッキ膜125は、第1のニッケルボロンメッキ層126(以下、単に第1メッキ層126と記載する)と、第2のニッケルボロンメッキ層127(以下、単に第2メッキ層127と記載する)とを有して形成される。具体的には、ニッケルボロンのメッキ処理が2回施されることで2層状に形成される。
ニッケルボロンメッキ膜125はその全体の厚さ(第1メッキ層126及び第2メッキ層127の双方を含む厚さ)tが6μm以上となるように形成される。尚、ニッケルボロンメッキ膜125の厚さtは6μm以上であれば必ずしも制限されるものではないが、15μm以下とすることが好ましい。ニッケルボロンメッキ膜125の厚さtが15μmより大きくなると、メッキの応力(環境の温度変化に伴って生じるメッキの応力)の増大に伴うメッキの破損等が懸念されるためである。
そして、ニッケルボロンメッキ膜125は、第1メッキ層126の厚さt1が、第2メッキ層127の厚さt2よりも小さくなるように形成される。
より具体的には、第1メッキ層126の厚さt1を0.5μm以上3μm以下とするのが良く、より好ましくは2μm程度である。電極パッド121上にニッケルボロンメッキを施す場合、メッキ厚さが3μmを超えると、温度変化があったときのメッキの応力やメッキ中に共析した異物によって、電極パッド121或いはニッケルボロンメッキ膜125が膨れたり剥がれたりするような異常が生じる可能性が高くなる。このため、第1メッキ層126の厚さt1を3μm以下とすることが有効である。
そして、第2メッキ層127の厚さt2は、t1+t2が15μmを超えない範囲で、第1メッキ層126の厚さt1よりも大きくなるようにすれば良いが、より好ましくは2μm以上10μm以下とすると良い。第2メッキ層127の厚さt1が2μmより小さいと耐食性を十分に確保できなくなる懸念があり、10μmより大きいと環境の温度変化に伴って生じるメッキの応力が大きくなってしまう懸念があるためである。
さらに、ニッケルメッキ膜122の厚さt3は、t1よりも小さくなるように形成される。これにより、第1メッキ層126の密着性の向上を維持できる。
このようなニッケルボロンメッキ膜125の処理方法について説明する。
まず、第1メッキ層126を所望の厚みに形成する。
そして、第1メッキ層126が形成されたセラミック基体105を、2回目のメッキ処理の前に、500℃以上で熱処理する。尚、熱処理温度の範囲は、ロウ材の融点を考慮して、500〜1100℃とすることが好ましい。
続いて、2回目のメッキ処理にて第2メッキ層127を所望の厚みに形成する。
さらに、第2メッキ層127が形成されたセラミック基体105を再度500℃以上で熱処理する。この際の熱処理温度の範囲は、ロウ材の融点を考慮して、500〜1100℃とするのが好ましい。
図5は、ニッケルボロンメッキ膜125を観察した顕微鏡(具体的には、走査型電子顕微鏡:SEM)写真を示したものである。この図5においては、2つのものを上下にそれぞれ示すが、どちらも同じ条件下で製造されたものである。
図5の顕微鏡写真のうち、5000倍の拡大写真によれば、第1メッキ層126と第2メッキ層127との境界が存在していることが把握でき(例えば符号Pの部分参照)、ニッケルボロンメッキ膜125がその第1メッキ層126と第2メッキ層127とから形成されていることが認識できる。
ここで、図5の顕微鏡写真に現れているが、第1メッキ層126において、ロウ材部124と接する部分には、そのロウ材部124が含有する銅が含侵した銅含侵層Xが形成されている。銅含侵層Xは、第1メッキ層126を形成した後の熱処理時に形成されるものである。つまり、その熱処理時に、ロウ材部124が含有する銅が第1メッキ層126に含侵する。このような拡散が生じることによって、ロウ材部124と第1メッキ層126との密着性が向上し、剥がれ等が生じにくいより良好なメッキ層が形成される。
一方、ロウ材部124が含有する銅は、第2メッキ層127までは含侵しない。つまり、第2メッキ層127は、ロウ材部124に含まれる銅を含有していない。尚、これは、第2メッキ層127が、第1メッキ層126を形成して熱処理した後に形成されるためである。第2メッキ層127は銅を含有していないため、その第2メッキ層127において酸化が抑制され、良好な耐食性を得ることができる。
図6は、本実施形態のセラミックヒータ100の効果を確認するために行った実験の結果を表すものである。
ニッケルボロンメッキ膜125の態様が異なる4種類のセラミックヒータ100を用意し、その良否及び耐食性について比較した。
4種類のうち、3種類は比較例として用意した。
1つ目は、ニッケルボロンメッキ膜125に係るメッキ処理回数を1回とし、そのメッキ厚(目標値)を4μmとしたものである。以下、比較例1とする。
2つ目は、同じくメッキ処理回数を1回とし、そのメッキ厚(目標値)を8μmとしたものである。以下、比較例2とする。
3つ目は、メッキ処理回数を2回とし、第1メッキ層の厚み(目標値)を6μmとして第2メッキ層の厚み(目標値)を2μmとしたものである。以下、比較例3とする。
そして、本発明を適用したセラミックヒータ100として、メッキ処理回数を2回とし、第1メッキ層の厚み(目標値)を2μmとして第2メッキ層の厚み(目標値)を6μmとしたものを用意した。以下、発明適用例とする。
まず、これらの比較例1〜3及び発明適用例に係るセラミックヒータ100をそれぞれ100づつ本用意し、電極パッド121上のロウ材部124が接合していない部分について目視検査を行った。そして、ニッケルボロンメッキ膜125の膨れや剥れの有無、及び電極パッド121の膨れや剥れの有無を検査し、その膨れ或いは剥れが生じたものの個数をカウントした。この結果、比較例1では100本中15本に異常が認められ、比較例2では100本全てに異常が認められ、比較例3では100本中40本に異常が認められた。そして、発明適用例では、異常が認められたものは1本もなかった。
次に、耐食性を確認するために、電食試験を行った。より具体的には、0.1%の希硝酸水溶液を満たした容器中に電極部120を浸漬し、100μA/cm2の電流を電極部120と容器中のカソード間に流し続け、接合部材130が脱落するまでの時間を計測した。尚、この電食試験においては、ロウ材部124としてCuを用いてセラミックヒータ100を構成した。また、上記の100μA/cm2という電流は、Cuが析出する側(カソード側)の端子(例えばニッケル板)における単位面積あたりの電流の大きさを表す。前述のように電流を流し続けると、ニッケルボロンメッキ膜125の下にあるロウ材部124(即ちCu)がカソード側に移動するようになっており、耐食性が優れているほど接合部材130が脱落するまでの時間を稼ぐことができる。つまり、脱落時間の長さにより耐食性を比較することができる。この結果、比較例1では4.5hであり、比較例2では6.5hであり、比較例3、及び発明適用例では、7.0hであった。
この電食試験によれば、比較例2、比較例3及び発明適用例のほうが比較例1よりも耐食性に優れていることが分かる。
この点、比較例2ではメッキ層の厚みが8μmであり、比較例3及び発明適用例では第1メッキ層の厚みと第2メッキ層の厚みとの合計が8μmであり、比較例1との比較では、その比較例1のメッキ厚よりも大きいことで耐食性がその比較例1よりも高くなっていると考えることができる。
また、比較例3及び発明適用例が、全体のメッキ厚が同じ8μmである比較例2と比較しても耐食性がより高いことは、次のように考えることができる。
具体的に、比較例3及び発明適用例では、メッキ処理を2回行っている。例えば、第1メッキ層、或いは第2メッキ層においてクラックやピンホールが発生するとしても、第1メッキ層におけるクラックやピンホールの発生箇所と、第2メッキ層におけるクラックやピンホールの発生箇所とが重複する可能性は極めて低いと考えられる。つまり、他方のメッキ層においてクラックやピンホールが発生しても、そのクラックやピンホールが他方のメッキ層によってカバーされ、全体として耐食性が良好に保たれるようになる。
また、膨れ・剥れに係る実験によれば、先に述べたように比較例2の結果が最も膨れ・剥れが生じやすく、次いで、比較例3が膨れ・剥れが生じやすかった。一方、発明適用例の結果は極めて良好であった。考察すると、比較例2ではメッキ厚が1層にて形成され、この厚みが8μmであり、比較例3では、第2メッキ層の厚みよりも大きい厚みを有する第1メッキ層が形成され、この厚みが6μmである。一方、発明適用例では、第2メッキ層の厚みよりも小さい厚みを有する第1メッキ層が形成され、この厚みは2μmである。
そうすると、膨れ・剥れに関しては、電極パッド121(及びロウ材部124)の表面に直接接する第1メッキ層の厚みを第1メッキ層以外のメッキ層(本実施形態では、第2メッキ層)よりも大きくすると、膨れ・剥れが生じやすくなることが分かる。
このように、本実施形態のセラミックヒータ100においては、電極パッド121(及びロウ材部124)を覆うニッケルボロンメッキ膜125を6μm以上の厚みを有すると共に複数の層から形成する。このように、メッキ層の厚みを6μm以上の厚みとすることで、ニッケルボロンメッキ膜125であっても、Auメッキ層やPtメッキ層と略同等な耐食性を得ることが可能である。
第1メッキ層126は相対的に薄く形成されるため、下地との密着性が向上するとともにメッキの応力の低減が図られ、電極パッド121の膨れや剥れ或いは第1メッキ層126の剥れ等の異常を防止或いは抑制できるようになっている。
そして、第1メッキ層126の上に、第1メッキ層126より厚い第2メッキ層127を形成し、これにより耐食性が確保されるようにしている。つまり、第1メッキ層126が薄く形成されることでその第1メッキ層126の耐食性が必ずしも充分でないとしても、第2メッキ層127によって耐食性を補うことができる。
また、仮に、第1メッキ層126、第2メッキ層127においてクラックやピンホール等が発生するとしても、第1メッキ層126におけるクラック等の発生箇所と、第2メッキ層127におけるクラック等の発生箇所とが重複する可能性は極めて低く、クラック等の発生の影響を無くす或いは低減することができる。
このように、安価なニッケルボロンメッキを用いて、より高い耐食性を実現できるようになっている。
なお、本実施形態における「ニッケルボロンメッキ膜125」は、特許請求の範囲の「メッキ層」に相当し、「ニッケルメッキ膜122」は、「第3メッキ層」に相当する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態において、ニッケルボロンメッキ膜125は、3層以上のニッケルボロンメッキ層から構成されても良い。この場合、その複数の層について、ロウ材部124及び電極パッド121に接する層(以下、第1メッキ層と記載する)の厚みと、その第1の層を除いた残りを含む層(以下、表面メッキ層と記載する)の厚みとを比較した場合に、表面メッキ層の厚みの合計が第1メッキ層の厚みよりも大きくなるようにすれば良い。
また、上記実施形態において、ニッケルボロンメッキ膜125は電解メッキ法により形成しても良い。
また、上記実施形態において、ニッケルボロンメッキ膜125に代えて、ニッケルメッキ、或いはニッケルリンメッキが形成されるようにしても良い。
100…セラミックヒータ、101…碍管、105…セラミック基体、110…加熱部、120…電極部、121…電極パッド、122…ニッケルメッキ膜、124…ロウ材部、125…ニッケルボロンメッキ膜、126…第1のニッケルボロンメッキ層、127…第2のニッケルボロンメッキ層、130…接合部材、131…接合部、134…接続部、135…カシメ部、140…第1シート部材、141…発熱抵抗体、142…発熱部、143…リード部、144…貫通孔、145…導電層、146…第2シート部材。

Claims (4)

  1. 内部に発熱抵抗体が埋設され、前記発熱抵抗体と電気的に接続された電極パッドを表面上に有するセラミック基体と、前記電極パッドの表面上に設けられたロウ材部を介してその電極パッドと電気的に接続される接続端子と、前記ロウ材部及び前記電極パッドが外部に露出しないように、直接もしくは他部材を介して前記ロウ材部及び前記電極パッドを一体的に覆うNiを主成分とするメッキ層と、を備えるセラミックヒータにおいて、
    前記メッキ層は、6μm以上の厚みを有するとともに複数の層から構成され、
    前記メッキ層を構成する複数の層のうち、最も前記ロウ材部に近い第1メッキ層の厚みは、前記メッキ層のうちその第1メッキ層以外の残りの層の合計厚みよりも小さいことを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記ロウ材部を形成するロウ材の成分が前記第1メッキ層に含侵していることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記メッキ層のうち、外表面に露出する層である第2メッキ層は、前記ロウ材部を形成するロウ材の成分を含有しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記ロウ材部は、前記電極パッドの一部に設けられており、
    前記第1メッキ層と前記電極パッドとの間には、Niを主成分とする第3メッキ層を有しており、
    前記第3メッキ層の厚みは、前記第1メッキ層の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のセラミックヒータ。
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