JP6102674B2 - 電気加熱式触媒装置 - Google Patents

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本発明は、ハニカム構造体に設けられたセラミックス端子と、セラミックス端子に通電する外部電極と、セラミックス端子と外部電極とを電気的に接続するリード線とを有する電気加熱式触媒装置に関する。
自動車等の排気管には、例えば、Pt、Pd、Rh等の排ガス浄化用触媒が担持されたハニカム構造体が用いられる。その触媒の活性化のためには、少なくとも400℃程度の加熱が必要となる。そのため、セラミックスからなるハニカム体の表面に一対の電極を設け、これらの電極間に通電を行ってハニカム体を加熱する電気加熱式触媒体(EHC)が開発されている。そして、EHCの電極間に通電を行うために、電極には、電極から突出する導電性セラミックスからなる電極端子(セラミックス端子)が接合され、このセラミックス端子に外部電極から通電を行う構成のEHCが開発されている(特許文献1参照)。このEHCにおいては、外部電極とセラミックス端子とを電気的に接続するために、リード線を用いて両者の間を接続している。
特開2013−158714号公報
EHCにおいて、外部電極とセラミックス端子との接続に関する開発は未だ十分に進んでいない。EHCの組付け時には、セラミックス端子にリード線を接続する必要があるが、EHCを構成する各部品には設計上のばらつき等が生じるため、外部電極とセラミックス端子との間の接続位置がずれてしまうことがある。このような位置ずれがある状態で、外部電極とセラミックス端子とをリード線により接続すると、電極から突出したセラミックス端子の根元、即ち電極との接合部に応力が発生する。この応力により、リード線との接続時にセラミックスからなるセラミックス端子が折損してしまうおそれがある。また、接続時には折損が起こらなくても、根元に応力が生じた状態のセラミックス端子は、例えば自動車の振動等により折損が起こり易くなる。
また、リード線としては、NiやCu等からなるものが一般的である。しかしながら、これらのリード線は、EHCの使用環境のような高温環境下において酸化し易く、電気抵抗が上昇し易い。その結果、リード線の過熱し、例えばセラミックス端子や外部電極の接続部などでリード線に断線が起こるおそれがある。また、酸化が起こると振動に対する耐久性も悪くなり、振動により断線が起こるおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであって、セラミックス端子と外部電極を優れた柔軟性で接続することができると共に、通電時のリード線の過熱を防止して断線の発生を抑制することができる電気加熱式触装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、ハニカム構造体と、
該ハニカム構造体の表面に設けられた一対の電極層と、
該電極層から伸びるセラミックス端子と、
該セラミックス端子に電流を供給する外部電極と、
上記セラミックス端子と上記外部電極とを電気的に接続するリード線とを有し、
上記リード線は、金属端子を介して上記セラミックス端子に接続しており、
上記リード線は、SUS304、SUS310、又はSUS316からなり、断面積が2〜6mm2であり、
上記リード線は、複数の単線を撚り合わせた撚線からなり、各単線は、直径が0.05mm以下であることを特徴とする電気加熱式触媒装置にある。
上記電気加熱式触媒装置(以下、適宜「EHC」という)は、上記構成を有し、特に、リード線が上記所定の材質からなる。そのため、高温環境下で酸化されやすい条件で使用されるEHCにおいても上記リード線の酸化が起こり難い。それ故、通電時にリード線の電気抵抗の上昇を防止することができる。その結果、通電時に上記リード線の過熱を防止し、断線の発生を抑制することができる。また、酸化に伴う振動に対する耐久性の劣化を防止することができる。
さらに、上記リード線は、複数の単線を撚り合わせた撚線からなり、各単線は、直径が上記所定値未満になっている。そのため、上記リード線は、柔軟性にも優れている。それ故、セラミックス端子と外部電極を優れた柔軟性で接続することができる。その結果、組み付け時に上述のように外部電極とセラミックス端子との間に位置ずれがあったとしても、セラミックス端子と電極層との接合部等に発生しうる応力をなくしたり、又は緩和することができる。これにより、組み付け時におけるセラミックス端子の折損を防止することができる。さらに、振動等によるセラミックス端子の折損を防止することもできる。
実施例1における電気加熱式触媒装置の軸方向と直交する断面を示す説明図。 実施例1における電気加熱式触媒装置の外観を示す説明図。 実施例1におけるリード線を示す説明図。 実施例1における電気加熱式触媒装置の部分拡大断面を示す説明図。 実施例1における電気加熱式触媒装置の軸方向と直交する断面において、各構成部品間の電気抵抗R1、R2、R3の位置を示す説明図。 実験例1における材質の異なるリード線の電気抵抗の経時変化を示す説明図。 実験例2における、リード線の断面積と、通電時におけるリード線と外部電極との接合部における温度との関係を示す説明図。 実験例3における、リード線の断面積と、EHCの過酷な実使用環境下におけるリード線と外部電極との接合部における温度との関係を示す説明図。
上記電気加熱式触媒装置(EHC)において、リード線は、セラミックス端子と外部電極との間を接続する。リード線とセラミックス端子は、両者を直接接続することもできるが、金属端子を介して接続することもできる。リード線の長さは、搭載スペースの観点から、50mm以下であることが好ましい。
(実施例1)
次に、EHCの実施例について図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すごとく、本例のEHC1は、ハニカム構造体2と、一対の電極層3と、セラミックス端子4と、外部電極5と、リード線6とを少なくとも有する。以下、本例のEHCについて詳細に説明する。
図1及び図2に示すごとく、ハニカム構造体2は、円柱状であり、SiCにSiが含浸されたSiC−Si複合材を主成分とする多孔質セラミックスからなる。ハニカム構造体2は、セル形成部21と、その周囲を覆う円筒状の外皮部22とを有する。セル形成部21は、四角形格子状に配された多孔質の隔壁211と、その隔壁211に囲まれてハニカム構造体2の軸方向200に形成された多数のセル212とからなる。なお、本例においては、ハニカム構造体2の軸方向200に直交するセル212の断面形状や、ハニカム構造体2の端面28、29におけるセル212の形状が四角形となるセル形状を採用している。セル形状は、他の形状を採用することも可能である。例えば、セル212の形状を円形にしたり、三角形、六角形、八角形等の多角形にしたりすることができる。また、多孔質のハニカム構造体2の気孔率は例えば10〜70%とすることができる。
多孔質の隔壁211及びその細孔内には、排ガス浄化用の触媒(図示略)が担持されている。触媒としては、例えばPt、Pd、Rh等の貴金属からなる三元触媒を用いることができる。ハニカム構造体2には、その軸方向200における一方の端面28から排ガスを流入させ、セル212内を通過して浄化された排ガスを軸方向における他方の端面29から排出させることができる。
ハニカム構造体2の外皮部22における外周面221には、SiC−Si複合材からなる一対の電極層3が設けられている。これらの電極層3は、ハニカム構造体2の径方向において互いに対向する位置に配設されている。各電極層3は、ハニカム構造体2の外皮部22の外周面221に沿って均一な厚みで形成されている。また、電極層3は、ハニカム構造体2の周方向に所定の幅で形成されると共に、軸方向200に所定の長さで形成されている。即ち、電極層3は瓦状である。
一対の電極層3は、ハニカム構造体2の外周面221上に互いに対向配置されており、各電極層3は、導電性の接着剤(図示略)を介して、ハニカム構造体2の外皮部22に接合されている。接着剤としては、電極層を構成するSiC−Siの複合材、カーボン、バインダー等を含有するものを用いることができる。この接着剤を塗布した電極層3を外皮部22に配置し、加熱することにより、電極層3を接合させることができる。
また、一対の電極層3には、セラミックス端子4がそれぞれ設けられている。これらのセラミックス端子4は、電極層3と同様に、SiC−Siの複合材を主成分とする導電性セラミックスからなる。また、セラミックス端子4は、円柱状であり、ハニカム構造体2の軸方向と直交する方向に電極層から直立している。セラミックス端子4は、上述の電極層3と同様の接着剤により、電極層3に接合している。
また、各セラミックス端子4には、先端31に金属端子7がそれぞれ接合されている。セラミックス端子4と金属端子7との接合は、かしめ加工、溶接、導電性接着剤等により行うことができる。金属端子7の材質としては、鉄合金やニッケル合金等の導電性金属を採用することができる。鉄合金としては、例えばステンレスがあり、ニッケル合金としては、例えばインコネル(登録商標)がある。
また、ハニカム構造体2は、金属製のケース10内に収容されている。ケース10は、円筒状の本体カバー部101と、本体カバー部101から径方向外側に突出すると共にセラミックス端子4及び金属端子7を覆う端子カバー部102を有する。セラミックス端子4と金属端子7との接合部は、本体カバー部101の径方向の外側に位置する。
本体カバー部101とハニカム構造体2及び電極層3との間には、ハニカム構造体2を保持する保持部材12が配置される。即ち、ハニカム構造体3は、保持部材12を介してケース10内に保持されている。また、保持部材12は、本体カバー部101の内側においてセラミックス端子4の周囲を覆っている。保持部材12は、繊維状のアルミナからなるマット状の弾性体である。
また、外部電極5は、その軸方向に径が大きくなったり小さくなったりする部分を有するが、全体形状は円柱状である。この外部電極5は、電気的導通性を有する部材を内部に備え、その軸方向(長手方向)において電気的導通性を有する。外部電極5は、その軸方向が、ハニカム構造体2の軸方向200と平行になるように配置されている。また、外部電極5の軸方向における先端51側はケース10内に挿入され、後端側はケース10から外部に露出している。外部電極5の後端側は、外部回路(図示略)に電気的に接続される。また、外部電極5の先端51は、リード線6及び金属端子7を介してセラミックス端子4に電気的に接続している。具体的には、リード線6は、その長手方向の両端において、外部電極5及び金属端子7とそれぞれ接合している。外部電極5は、外部回路からの電流をリード線6及び金属端子7を介してセラミックス端子4に供給する。
図3に示すごとく、リード線6は、多数の単線61を撚り合わせた撚線からなり、各単線61は、SUS316(JIS規格)からなる。リード線6は、軸方向(長手方向)に直行する断面の面積(以下、この面積を「リード線の断面積」という)が4mm2である。また、単線の直径は0.01mmである。
外部電極5と金属端子7とのリード線6を介した接合は、例えば次のようにして行うことができる。
まず、電極層3、セラミックス端子4、及び金属端子7を組み付けたハニカム構造体2を保持部材12に巻き付けて、ケース10内に入れる。次いで、外部電極5の先端51にリード線6の一端を接続する。次いで、リード線6を接続した外部電極5の先端51側をケース10内に挿入する。そして、ケース10内においてリード線6の他端を金属端子7と接続する。このようにして、外部電極5、リード線6、金属端子7、セラミックス端子4、電極層3、及びハニカム構造体2という導電経路を形成することができる。
次に、本例のEHC1の作用効果について説明する。
図1〜図3に示すごとく、本例のEHC1においては、リード線6がオーステナイト系ステンレス1種であるSUS316からなる。そのため、高温かつ酸化雰囲気下で使用されるEHC1においてもリード線6の酸化が起こり難い。それ故、EHC1の通電時等に、リード線6が過熱することを防止し、断線の発生を抑制することができる。また、酸化に伴う振動に対する耐久性の劣化も防止することができる。
また、EHC1においては、リード線6の断面積が2〜6mm2という所定の範囲に調整されている。これにより、EHC1の使用条件下におけるリード線6の過熱をより一層防止し、断線の発生をより一層抑制することができる。
さらに、リード線6は、複数の単線61を撚り合わせた撚線からなり、各単線61は、直径が0.05mm以下となっている。そのため、リード線6は、セラミックス端子4(金属端子7)と外部電極5とを優れた柔軟性で接続することができる。したがって、EHC1の組み付け時に外部電極5とセラミックス端子4(金属端子7)との間に位置ずれがある状態で両者の間をリード線6で接続しても、セラミックス端子4と電極層3との接合部等に発生しうる応力をなくしたり、緩和することができる。これにより、セラミックス端子4の折損を防止することができる。
また、図4に示すごとく、本例のEHC1においては、セラミックス端子4の直立方向と外部電極5の軸方向(長手方向)とのなす角度Rが90°±15°の範囲内にある。そのため、ハニカム構造体2の径方向におけるEHC1の寸法を小さくすることができる。そのため、小さなスペースにもEHC1を搭載することが可能になる。また、上記角度範囲にある場合には、EHC1の使用温度環境下において、リード線6の両端の温度差、即ち、金属端子7とリード線6との接合部と、リード線6と外部電極5との接合部の温度差を小さくすることができる。その結果、エンジン作動中の振動等により、断線が起こることを防止することができる。
即ち、排ガス経路内に配置されるEHC1においては、金属端子7とリード線6との接合部が最大で温度600℃程度に加熱されることが想定される。このとき、図4に示すごとく、上記角度Rが90°の場合にはリード線6と外部電極5との接合部の温度は500℃程度となる。一方、例えば上記角度Rが180°程度の場合(図示略)には、金属端子7とリード線6との接合部が温度600℃になっても、リード線6と外部電極5との接合の温度は400℃程度にしかならない。即ち、セラミックス端子4の直立方向と外部電極5の軸方向とのなす角度が90°から大きくなるにつれて、リード線6の両端の温度差が大きくなっていく。この温度差が大きくなると、高温ほど強度が低下するので、例えば振動等により高温側のリード線6の金属端子7との接合部に応力が集中し、破断し易くなる。一方、EHC1を構成する各部品の寸法や位置関係という観点から、上記角度Rを90°よりあまり小さくすることも困難である。したがって、上記角度Rは90°±15°の範囲内にすることが好ましい。
また、本例においては、リード線6は、比較的加工が容易な金属端子7を介してセラミックス端子4に接合されている。そのため、リード線6とセラミックス端子4との電気的接続が容易になる。即ち、セラミックス端子4と金属端子7との接合は、例えばかしめ加工、溶接、金属端子の部分的融着、導電性接着剤等により容易に行うことができる。また、金属端子とリード線との接続も例えばかしめ加工、溶接、金属端子の部分的融着、導電性接着剤等により容易に行うことができる。このようにして、金属端子7を介してセラミックス端子4とリード線6とを接続することにより、これらの電気的接続を容易に実現することができる。
また、図5に示すごとく、EHC1においては、外部電極5、リード線6、金属端子7、セラミックス端子4、電極層3、及びハニカム構造体2という一連の導電経路が形成されている。本例のEHC1においては、ハニカム構造体2の電気抵抗値R1Ωと、電極層3と金属端子7との間の電気抵抗値R2Ωと、金属端子7と外部電極5との間の電気抵抗値R3Ωとが、R1>R2>R3の関係を満足する。より具体的には、本例の構成においては、R1が数十Ω、R2が0.1〜0.2Ω、R3が0.1未満となる。そのため、通電によりハニカム構造体2を確実に発熱させることができると共に、リード線6の発熱を抑えることができる。したがって、過熱によるリード線6の断線をより一層抑制することができる。上記導電経路において、電気抵抗値R1は、ハニカム構造体2の外表面221における対向する位置に一対の端子を付け、これらの端子間の抵抗値を求めることにより測定できる。その他の抵抗値R2、R3についても端子を用いて同様に測定することができる。抵抗値R1、R2、R3は、EHC1の各構成部品の材質や寸法を調整することにより制御することができる。
また、図1及び図2に示すごとく、柱状のセラミックス端子4は、ハニカム構造体2の軸方向200とは直行する方向に、電極層3から直立している。さらにセラミックス端子4の先端31側(電極層3との接合部とは反対側)には金属端子7が設けられている。セラミックス端子4と金属端子7との合計長さが短すぎると、セラミックス端子4と金属端子7との接合部の温度が高くなりやすい。その結果、熱応力が大きくなり、セラミックス端子4と金属端子7との接合部にクラックが発生する場合がある。そこで、上記合計長さを30mm以上にすることにより、クラックの発生をより確実に回避することができる。一方、合計長さが大きくなりすぎる、EHC1におけるハニカム構造体2の径方向の寸法が大きくなる。その結果、小さなスペースにEHC1を取り付けることができなくなるおそれがある。そこで、上記合計長さは60mm以下であることが好ましい。なお、セラミックス端子4と金属端子7との合計長さは、セラミックス端子4の上記直立方向における両者の長さである。
(実験例1)
本例は、EHC1におけるリード線6の材質を検討する例である。なお、本実験例1及び後述の実験例2、3において、実施例1と同じ符号は、実施例1と同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
具体的には、まず、SUS316からなるリード線6、及び純Niからなるリード線6を温度600℃の酸化雰囲気に200時間曝し、その間において経時的に抵抗値の測定を行った。その結果を図6に示す。図6においては、SUS316からなるリード線6の結果を丸(SUS)で示し、Niからなるリード線6の結果を三角(Ni)で示してある。
同図より知られるごとく、Niからなるリード線6は、経時的に電気抵抗が上昇していくことがわかる。一方、SUS316からなるリード線6は、電気抵抗の経時的な上昇はほとんどなかった。なお、図6には示していないが、例えばSUS304、SUS310等のオーステナイト系ステンレスからなるリード線6についてもSUS316と同様の効果が得られた。これらの中でも最も電気抵抗の上昇を抑制できるという観点から、リード線6はSUS316からなることが好ましい。
この電気抵抗の上昇は、高温環境下におけるリード線6の酸化の進行により起こると考えられる。そこで、次に、異なる材質からなる複数のリード線6について、高温酸化雰囲気における酸化の進行具合を評価した。具体的には、まず、純Ni、純Cu、SUS304(JIS規格)、又はSUS316(JIS規格)からなる各リード線6を温度600℃の酸化雰囲気に200時間放置した。次いで、各リード線6の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、リード線6の表面からの酸化皮膜層の厚みを測定した。酸化皮膜層の厚みが1μm以下の場合を「○」と評価し、酸化皮膜層の厚みが1μmを超える場合を「×」と評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006102674
表1より知られるごとく、Ni又はCuからなるリード線6は、高温酸化雰囲気下において、酸化皮膜層が大きな厚みで形成されていた。一方、オーステナイト系ステンレス(SUS304、SUS316)からなるリード線6については、酸化皮膜の厚みが非常に小さかった。
このように、本例によれば、高温酸化雰囲気下において使用されるEHC1のリード線6は、オーステステナイト系ステンレスであるSUS304、SUS310、又はSUS316からなることが好ましいことがわかる。
(実験例2)
本例においては、EHC1におけるリード線6の断面積を検討する。
具体的には、まず、断面積が異なる複数のSUS316からなるリード線6を作製した。次いで、これらのリード線6を用いて実施例1と同様の構成のEHC1を作製した。各EHC1は、リード線6の断面積を変えた点を除いては、実施例1と同様の構成である。
次に、電流30A、20秒という通電条件で各EHC1の通電を行い、リード線6と外部電極5との接合部における温度を熱電対により測定した。その結果を図7に示す。
また、2L、6気筒、回転数3800rpmのエンジンを用いて、温度950℃の排ガスが流れる排ガス経路に、リード線6の断面積が異なる各EHC1を配置した。そして、リード線6と外部電極5との接合部における温度を熱電対により測定した。その結果を図8に示す。
図7及び図8より知られるごとく、リード線6の断面積を2mm2以上かつ6mm2以下にすることにより、リード線6の外部電極5との接合部側の温度上昇を十分に抑制できることがわかる。したがって、リード線6の断面積は、2〜6mm2であることが好ましい。より好ましくは、リード線6の断面積は、3mm2以上、5mm2以下がよい。
このように、断面積を2〜6mm2の範囲内にすることにより、リード線6の温度上昇を抑制し、この温度上昇によって引き起こされうる断線の発生を抑制することができる。これにより、電気的接合の信頼性の高いEHC1を実現することができる。
(実験例3)
本例においては、多数の単線61を撚り合わせた撚線からなるリード線6の組み付け性を評価する。実施例1において示すように、EHC1において、リード線6は、外部電極5と金属端子7とを接続する。EHC1においては、各部品の寸法ばらつき等により、外部電極5と金属端子7との位置関係に最大で2mm程度のずれが発生しうる。
そこで、外部電極5と金属端子7との位置を2mmずらして配置し、この状態で外部電極5の先端51に接続したリード線6と金属端子7とを組み付けた。このとき、セラミックス端子4の根元(電極層3との接合部)には上述の位置ずれに伴う応力が発生する。そして、この応力により生じるセラミックス端子4の折損を目視により確認した。評価には、直径の異なる3種類(0.01mm、0.05mm、0.1mm)の単線61をそれぞれ撚り合わせてなるリード線6(断面積6mm2)を用いた。その結果を表2に示す。表2においては、折損があった場合を「×」として評価し、折損が無かった場合を「○」として評価した。なお、本例のEHC1は、単線61の直径を変え、外部電極5と金属端子7との位置関係を意図的にずらして配置した点を除いては、実施例1と同様の構成を有する。
Figure 0006102674
表2より知られるごとく、単線61の直径が0.05mm以下の場合には、外部電極5と金属端子7との間で2mmの位置ずれがあった場合でもセラミックス端子4の折損を生じることなく、リード線6を接続できることがわかる。また、単線61の直径が小さくなりすぎると、その製造が困難になる。したがって、単線61の直径は0.01mm以上であることが好ましい。
1 電気加熱式触媒装置(EHC)
2 ハニカム構造体
3 電極層
4 セラミックス端子
5 外部電極
6 リード線
7 金属端子

Claims (3)

  1. ハニカム構造体(2)と、
    該ハニカム構造体(2)の表面に設けられた一対の電極層(3)と、
    該電極層(3)から伸びるセラミックス端子(4)と、
    該セラミックス端子(4)に電流を供給する外部電極(5)と、
    上記セラミックス端子(4)と上記外部電極(5)との間を電気的に接続するリード線(6)とを有し、
    上記リード線(6)は、金属端子(7)を介して上記セラミックス端子(4)に接続しており、
    上記リード線(6)は、SUS304、SUS310、又はSUS316からなり、断面積が2〜6mm2であり、
    上記リード線(6)は、複数の単線(61)を撚り合わせた撚線からなり、各単線(61)は、直径が0.05mm以下であることを特徴とする電気加熱式触媒装置(1)。
  2. 上記ハニカム構造体(2)はセル形成部(21)と該セル形成部(21)の周囲を覆う筒状の外皮部(22)とを有し、一対の上記電極層(3)は上記外皮部の外周面(221)に互いに対向配置されており、上記セラミックス端子(4)は上記ハニカム構造体(2)の軸方向(200)と直交する方向に上記電極層(3)から直立しており、上記外部電極(5)は全体形状が柱状であり、上記セラミックス端子(4)の直立方向と上記外部電極の軸方向とのなす角度(R)が90°±15°であることを特徴とする請求項1に記載の電気加熱式触媒装置(1)。
  3. 上記ハニカム構造体(2)の電気抵抗値R1Ωと、上記電極層(3)と上記金属端子(7)との間の電気抵抗値R2Ωと、上記金属端子(7)と上記外部電極(5)との間の電気抵抗値R3Ωとが、R1>R2>R3の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気加熱式触媒装置(1)。
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