JP2011020897A - セラミックヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで高い耐食性及び耐久性を備えるセラミックヒータを提供する。
【解決手段】発熱抵抗体141と電気的に接続された電極パッド121を有するセラミック基体105、電極パッド121の表面上に設けられたロウ材部124を介してその電極パッド121と電気的に接続される接合部131、ロウ材部124及び電極パッド121が外部に露出しないように、そのロウ材部124及び電極パッド121を一体的に覆うNiを主成分とするニッケルボロンメッキ膜125、を備えるセラミックヒータ100にて、ニッケルボロンメッキ膜125が、粒径が1μm以下のメッキ粒子にて形成される構成とする。これにより、メッキ粒子同士の密着性が向上してクラックやピンホールの発生が抑制されるとともに、メッキ厚が均一なものとなり、ニッケルボロンメッキ膜125の耐食性能が向上し、ひいてはセラミックヒータ100の耐食性及び耐久性が向上する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガス濃度を検出するためのガスセンサ等に用いられるセラミックヒータに関する。
従来、例えばエンジン等では、ガス濃度(ひいては空燃比)を検出するためのガスセンサが設置される。そして、このようなガスセンサでは、センサ素子を活性化するためのセラミックヒータが設けられる。
この種のセラミックヒータとしては、アルミナ等のセラミック基体中に、タングステンやモリブデン等の高融点金属からなる発熱抵抗体を埋設したものが用いられている。そして、セラミックヒータの外周面には、発熱抵抗体と電気的に接続された電極パッドが設けられ、この電極パッドには、発熱抵抗体に外部から電圧を印加するための接続端子がロウ材によりロウ付けされる。この電極パッドは発熱抵抗体と同様にタングステンやモリブデン等の高融点金属からなるものである(例えば、特許文献1参照)。
また、ガスセンサは高温環境下や温度変化の激しい環境下での使用頻度が多いため、例えばセラミックヒータのロウ付けの部分(以下、ロウ材部と記載する)の熱耐久性の向上が求められている。この点については、銅を含むロウ材を用いることで、ロウ材部の熱耐久性の向上が図られている。さらに、ロウ材に含まれる銅を酸化から防ぐために、ロウ材部の表面にはメッキ層が形成される。加えて、電極パッドは高温下で酸素が侵入すると破損する可能性もあるため、その電極パッドの表面も含めてメッキ層が形成される。そして、このようなメッキ層は下地(メッキ層と接合する箇所)との密着性を高めるために熱処理されるようになっている。
特開2005−331502号公報
ところで、上記のようなメッキ層としては、Auメッキ層やPtメッキ層等で構成することが耐食性の点では好ましい。一方、AuメッキやPtメッキは高価であり、コストがかかってしまうという問題がある。
これに対し、より安価なメッキとしては、ニッケルメッキやニッケルリンメッキ、ニッケルボロンメッキ等のニッケルを主成分とするメッキ(以下、ニッケルメッキと言う)がある。しかしながら、ニッケルメッキは、AuメッキやPtメッキと比較して耐食性は劣ることが知られている。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、コストをかけなくてもより高い耐食性及び耐久性を備えるセラミックヒータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本願発明のセラミックヒータは、内部に発熱抵抗体が埋設され、発熱抵抗体と電気的に接続された電極パッドを表面上に有するセラミック基体と、電極パッドの表面上に設けられたロウ材部を介してその電極パッドと電気的に接続される接続端子と、ロウ材部及び電極パッドの表面が外部に露出しないように、直接もしくは他部材を介して前記ロウ材部及び前記電極パッドを一体的に覆うNiを主成分とするメッキ層と、を備えるセラミックヒータにおいて、メッキ層は、粒径が1μm以下のメッキ粒子で構成されているものである。
本願出願人が鋭意研究を重ねた結果、メッキ層を構成するメッキ粒子の粒径(以下、メッキ粒径とも記載する)が耐食性に影響することが判明し、特に、メッキ粒径がより小さいほうが有利であることが分かった。
通常、メッキ粒径を大きくすると、メッキ層の厚みを大きくでき、耐食性を向上させることができるはずである。しかしながら、メッキ厚を厚くすればするほど、熱処理の際にクラックやピンホール(以下、クラック等とも記載する)が発生し易くなる。さらに、メッキ粒径が大きい場合、粒子間の隙間が大きくなり、粒子間の隙間に形成されたクラック等が進行してしまうような懸念もある。そして、クラック等から侵入する酸素によって、ロウ材部が酸化・腐食したり、或いは電極パッドが酸化・腐食したりするなどの不都合が生じる。
また、メッキ粒径が大きいほど、メッキ層の厚みの精密な調整が難しくなり、メッキ層全体における厚みのばらつきが大きくなってしまう場合がある。そして、メッキ層において厚みのばらつきが大きくなると、メッキ層の部分ごとに耐食性にもばらつきが生じ、ひいては耐食性の低下にもつながってしまうことも懸念される。
これに対し、本願発明においては、メッキ粒径が1μm以下であるようなメッキ層が形成されている。メッキ粒径が1μm以下であるようなより緻密なメッキ層によれば、メッキ粒子間の隙間を小さくすることができ、メッキ粒子間の密着性を確保することができる。これにより、クラック等の発生或いは進行を抑えることができる。また、メッキ粒子がより小さくなるようにすることでメッキ層の厚みをより精密に制御できるようになり、メッキ層全体に亘って厚みを均一なものとすることができる。したがって、耐食性をより向上させることができるのである。
尚、メッキ粒径が1μm以下であるとは、換言すれば、メッキ粒径が1μmを超えるメッキ粒子が存在しないということである。また、メッキ粒径が1μm以下であるような緻密なメッキ層は、メッキ処理工程においてメッキ液を攪拌したりメッキ処理対象物(本願発明に係るセラミックヒータ)を揺動させるなどの処理を行うことに加え、メッキ形成後の熱処理における熱処理温度を調整することによって形成することが可能である。
また、ロウ材部は電極パッドの表面全体と接合していても良いし、表面の一部と接合していても良い。さらに、ロウ材部が電極パッドの表面の一部と接合する場合には、メッキ層は、そのロウ材部の表面と、電極パッドの表面うちロウ材部が接合していない部分との双方を覆うように形成される。また、ロウ材部が電極パッドの表面の全部と接合する場合には、メッキ層は、そのロウ材部の表面を覆うように形成される。
また、本願発明においては、メッキ層は、そのメッキ層の全域に亘り少なくとも3μmの厚みを有していることを特徴としている。また、「全域に亘り」とは、例えばロウ材部の角や電極パッドの角を覆うようなメッキ層も含む趣旨である。つまり、本願発明に係るセラミックヒータは、ロウ材部の角や電極パッドの角においても、3μmの厚みのメッキ層が形成されているというものである。具体的には、ロウ材部の角や電極パッドの角とメッキ層の表面との間に直径3μmの仮想球が内包できることを意味するものである。ロウ材部の角や電極パッドの角などは特にメッキが付着しにくく耐食性が劣ってしまう場合があるが、本願発明のように、そのような角にも他の部分と略同じ厚みのメッキ層を形成することで、耐食性をより確実に確保することができる。尚、1μm以下のメッキ粒径を実現すればこそ、メッキ層を、その全域に亘って所望の厚み(例えば3μm)に形成することができる。例えばメッキ粒径が1μmを超えると、メッキ層の厚みにばらつきが生じてしまい、メッキ層をその全域に亘って所望の厚みに形成することが難しくなる。
本実施形態のセラミックヒータ100の外観を表した斜視図である。 本実施形態のセラミックヒータ100の内部構成を表した分解斜視図である。 電極部120の周囲部分における部分断面図である(A−A矢視)。 電極部120の周囲部分における部分断面図である(B−B矢視)。 メッキ層の厚みについての定義を示した図面である。 メッキ層の厚みについて補足説明を示した図面である。 メッキ粒径とメッキ厚との関係を検証するための実験を表す図面である。 メッキ粒径と耐食性との関係を検証するための実験を表す図面である。
本発明を具体化したセラミックヒータの実施形態について、図面を参照して説明する。
尚、本実施形態のセラミックヒータは、図示しない有底筒状をなす固体電解質管の内外面それぞれに電極層が形成されたセンサ素子に内挿されて使用され、該センサ素子を加熱するためのものである。加熱対象のセンサ素子としては、自動車や各種内燃機関における各種制御(例えば、空燃比フィードバック制御など)に使用するために、測定対象ガス(排ガス)中の特定ガス(酸素)を検出するガスセンサ素子などが挙げられる。
まず、図1,図2を参照して、本実施形態のセラミックヒータ100の構造について説明する。
図1は、セラミックヒータ100の外観を表した斜視図である。図2は、セラミックヒータ100の内部構成を表した分解斜視図である。尚、以下では、セラミックヒータ100の加熱部110(図1参照)側を先端側とし、電極部120(図1参照)側を後端側として説明する。
図1に示すように、セラミックヒータ100は、発熱抵抗体141を有するセラミック基体105と、セラミック基体105より露出されるとともに発熱抵抗体141に通電するための電極パッド121と、導電性のロウ材により電極パッド121に接合される接合部材130と、を備え、丸棒状(略円柱形状)に構成されてなる。
セラミックヒータ100は、セラミック基体105の後端側に設けられた電極部120を介して電源装置から発熱抵抗体141に対して通電されることで、発熱抵抗体141が発熱する構成である。尚、発熱抵抗体141のうち発熱する部分(後述する発熱部142(図2参照))は、セラミック基体105の先端側に配置されている。つまり、セラミックヒータ100は、セラミック基体105のうち先端側の加熱部110が発熱することで、加熱対象物(センサ素子など)を加熱するよう構成されている。
図2に示すように、セラミックヒータ100は、丸棒状のアルミナセラミック製の碍管101の外周に、絶縁性の高いアルミナセラミック製のグリーンシートからなる第1シート部材140,第2シート部材146が巻き付けられ、これが焼成されることによって製造される。
第1シート部材140の上には、ヒータパターンとしてのタングステン系の材料を主体とする発熱抵抗体141が形成されている。発熱抵抗体141は、加熱部110(図1参照)に相当する位置に形成される発熱部142と、発熱部142の両端のそれぞれに接続される一対のリード部143と、を備えて構成される。
また、第1シート部材140の後端側には、2個の貫通孔144が形成されている。一対のリード部143は、2個の貫通孔144を介して、セラミックヒータ100の外表面上に形成される2つの電極パッド121と電気的に接続される。
また、第2シート部材146は、第1シート部材140のうち発熱抵抗体141が形成される側の面に圧着されるシートである。
第2シート部材146のうち第1シート部材140とは反対側の表面にアルミナペーストが塗布され、この塗布面を内側にして第1シート部材140、第2シート部材146が碍管101に巻き付けられて外周から内向きに押圧されることにより、セラミックヒータ成形体が形成される。その後、セラミックヒータ成形体が焼成されることにより、セラミックヒータとして形成される。
次に、図1及び図2に示すように、セラミックヒータ100の電極部120には、陽極側及び陰極側となる2つの電極パッド121が形成されている。この電極パッド121は、上記した2つの貫通孔144(図2参照)に対応する第1シート部材140の外面の位置に2ヶ所、それぞれ設けられている。発熱抵抗体141のリード部143との導通は、貫通孔144の内部に充填される導電層145(後述する図3参照)を介して行われる。尚、電極パッド121の表面には、後述するメッキによる金属層(後述する図3に示すニッケルメッキ膜122)が形成される。
また、セラミックヒータ100においては、接合部材130の接合部131が、銅を主体とするロウ材部124(後述する図3,図4参照)を用いて電極パッド121にロウ付けされている。
接合部材130は、ニッケルからなり、平板状に切り出されたカシメ部135と、そのカシメ部135の先端から延設された接続部134と、を備えて構成される。
接続部134の先端部分は、厚み方向に段状に折り曲げられて、接合部131として形成されている。また、接合部材130は、接続部134とカシメ部135との間にて、接続部134の長手方向を軸として略直角にひねるようにねじ曲げられている。
そして、接合部材130は、カシメ部135に図示しない外部回路接続用のリード線などがカシメ固定されることで、リード線などを介して外部回路(外部電源装置)との導通が図られる。
このような形状に構成される2つの接合部材130は、2つの電極パッド121のそれぞれに接合されて、セラミックヒータ100に電圧を印加する際の陽極側端子及び陰極側端子として機能する。
次に、図3,図4を参照して、電極部120の構造について説明する。
図3は、図1に示すセラミックヒータ100におけるA−A矢視図であり、図4は、図1に示すセラミックヒータ100におけるB−B矢視図である。両図は、より具体的には電極部120の周囲部分における部分断面図である。尚、図3,図4において、接合部材130からセラミックヒータ100の中心軸に向かう方向(図中紙面下方向)を下方向として、また、セラミックヒータ100の中心軸から接合部材130に向う方向(図中紙面上方向)を上方向として説明する。
図3,図4に示すように、電極部120に形成された電極パッド121は、碍管101の外周に巻かれた第1シート部材140の外面150に形成され、貫通孔144の導電層145を介して第1シート部材140の内面151に形成されている発熱抵抗体141のリード部143と導通されている。
この電極パッド121は、タングステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種類以上の元素からなる主体材料を80重量%以上含むパッド状の金属層である。タングステンやモリブデンは、銅系のロウ材部124との接合性がよく、また、融点が高く耐熱性に優れているので、電極パッド121の組成として好適である。
接合部材130は、ニッケルを90重量%以上含むニッケル部材からなる。
接合部材130の接合部131は、図3,図4に示したように、ロウ材部124により電極パッド121に接合されている。具体的には、電極パッド121の略中央に接合部131を対向させ、その電極パッド121と接合部131を接続するようにロウ材部124が形成されている。接合部131と電極パッド121とを接合するロウ材部124は、例えば50重量%を上回る量の銅を含有している。尚、ロウ材部124としては例えばCu、Au−Cu、Ag−Cu系のもので銅を50重量%以上含むものであれば良い。
そして、ロウ材部124により互いに接合された接合部131及びニッケルメッキ膜122を介してロウ材部124が形成されていない電極パッド121の上に、ニッケルボロンによるメッキが施され、ニッケルボロンメッキ膜125が形成される。このニッケルボロンメッキ膜125により、電極部120の酸化による腐食が防止される。尚、メッキ処理法としては無電解メッキが用いられる。無電解メッキは、化学メッキとも言われ、外部から電流を流すことなくメッキ層を得る方法である。具体的には、化学還元剤の作用によってメッキ処理液中の金属イオンを還元し、メッキ層を得るものである。
ニッケルボロンメッキ膜125の処理方法(無電解メッキ)について以下に説明する。
まず、メッキ処理の対象部分(具体的には、電極パッド121、ロウ材部124、及び接合部131を少なくとも含む部分であり、以下、メッキ処理部位とも記載する)を、ニッケルボロンメッキ処理液中に浸す。
そして、ニッケルボロンメッキ処理液を攪拌したり、メッキ処理部位を揺動(実際にはセラミックヒータ100全体を揺動)したりする。これにより、ニッケルボロンメッキ処理液中の金属イオンがメッキ処理部位全体に均一に接するようにするのである。尚、攪拌の頻度や攪拌動作の速度、或いは揺動の頻度や揺動動作の速度を上げることで、その効果(金属イオンがメッキ処理部位全体に均一に接するようになる効果)を向上させることが可能である。これにより、より緻密で(メッキ層の粒子がより小さく)、かつメッキ厚がより均一なメッキ層を得ることができる。
また、形成したいメッキ厚に応じて、メッキ処理時間(メッキ処理部位をニッケルボロンメッキ処理液中に浸す時間)を調整する。本実施形態では、ニッケルボロンメッキ膜125の厚さt(図3、図4参照)が3μmとなるように、メッキ処理時間を調整する。
ここで、ニッケルボロンメッキ膜125の厚みの点についてより具体的に説明する。
ニッケルボロンメッキ膜125の厚みが例えば3μmであるとするその趣旨は、図5に示すように、その厚みが、下地(ロウ材部124或いは電極パッド121)の表面を直径3μmの円が転がることによって描かれる軌跡として定義されるという趣旨である。即ち、図5のように垂直方向の厚み、及び水平方向の厚みの双方とも、3μmとなる。さらに、下地の角20からの厚み(角20からニッケルボロンメッキ膜125の表面までの距離)も、3μmとなる。加えて、ここでは、図6に示すような形態も含む趣旨とする。具体的には、下地(ロウ材部124或いは電極パッド121)の角20に合わせてニッケルボロンメッキ膜125にも角21が立ち、結果的に角20と角21との距離が3μm以上となる場合も含むものとする。
所望の時間メッキ処理を施した後、メッキ処理部位をニッケルボロンメッキ処理液中から取り出し、付着している余分なニッケルボロンメッキ処理液を除去する。
次いで、熱処理を施す。ここでは、800℃以下の温度で熱処理を施す。
このようにして形成された本実施形態のニッケルボロンメッキ膜125は、メッキ粒子の粒径(以下、メッキ粒径とも記載する)が1μm以下であるような緻密なものとなる。尚、メッキ粒径が1μm以下であるとは、換言すれば、メッキ粒径が1μmを超えるメッキ粒子が存在しないということである。
図7は、メッキ粒径の違いがメッキ層の厚みの均一性に及ぼす影響を検証するために行った実験を表す図である。尚、ここでは、ニッケルボロンメッキ層を用いて検証した。
本実験では、メッキ処理を施すための同型、同素材の材料を2つ用意し、一方には、メッキ粒径が0.5μmとなるようなニッケルボロンメッキ層を、メッキ厚の目標値を4.5μmとして形成し、これを試料10とした。以下、これを発明適用例と記載する。他方には、メッキ粒径が2.0μmとなるようなニッケルボロンメッキ層を、メッキ厚の目標値を同じく4.5μmとして形成し、これを試料11とした。以下、これを比較例と記載する。
そして、発明適用例(試料10)、及び比較例(試料11)において、図7に示すような四隅及び中央にてメッキ厚を測定した。
発明適用例(試料10)について、(1)〜(5)の箇所についてのメッキ厚の測定結果、及び(1)〜(5)の箇所についてのメッキ厚の最大値(MAX)、最小値(MIN)、平均値(AVE)、最大値と最小値との差(レンジ)は以下の通りである。
(1):4.431μm
(2):4.462μm
(3):4.429μm
(4):4.455μm
(5):4.467μm
MAX:4.467μm
MIN:4.429μm
AVE:4.449μm
レンジ:0.038μm
同じく、比較例(試料11)についての測定結果は以下の通りである。
(1):4.386μm
(2):4.221μm
(3):4.327μm
(4):4.375μm
(5):4.258μm
MAX:4.386μm
MIN:4.221μm
AVE:4.313μm
レンジ:0.165μm
発明適用例(試料10)におけるメッキ厚の平均値(AVE)と比較例(試料11)におけるメッキ厚の平均値(AVE)とを比較すると、前者の値のほうが目標とする4.5μmに近い値となっている。また、発明適用例(試料10)におけるメッキ厚の最大値(MAX)と比較例(試料11)におけるメッキ厚の最大値(MAX)とを比較した場合、及び発明適用例(試料10)におけるメッキ厚の最小値(MIN)と比較例(試料11)におけるメッキ厚の最小値(MIN)とを比較した場合も同様に、発明適用例(試料10)の場合のほうが目標値とする4.5μmに近い値となっている。このことから、メッキ粒径が小さくなるようにメッキ層を形成することによって、メッキ厚の精度も向上することが分かる。
また、発明適用例(試料10)におけるメッキ厚の最大値と最小値との差(レンジ)と、比較例(試料11)におけるメッキ厚の最大値と最小値との差(レンジ)と、を比較すると、前者の値のほうが小さくなっている。つまり、前者の発明適用例(試料10)の場合のほうがメッキ厚のばらつきが小さくなっている。このことから、メッキ粒径がより小さくなるようにメッキ層を形成することによって、メッキ層全体の厚みのばらつきも抑えられることが分かる。
このように、メッキ粒径がより小さくなるようにメッキ層を形成したほうが、そのメッキ層の精度がより向上する。
次に、図8は、メッキ層の耐食性を確認するために行った電食試験の結果を表す図である。
本実験では、より具体的には、0.1%の希硝酸水溶液を満たした容器中に電極部120を浸漬し、100μA/cm2の電流を電極部120と容器中のカソード間に流し続け、接合部材130が脱落するまでの時間を計測した。尚、この電食試験においては、ロウ材部124としてCuを用いてセラミックヒータ100を構成した。また、上記の100μA/cm2という電流は、Cuが析出する側(カソード側)の端子(例えばニッケル板)における単位面積あたりの電流の大きさを表す。前述のように電流を流し続けると、ニッケルボロンメッキ膜125の下にあるロウ材部124(即ちCu)がカソード側に移動するようになっており、耐食性が優れているほど接合部材130が脱落するまでの時間を稼ぐことができる。つまり、脱落時間の長さにより耐食性を比較することができる。
本実験では、試験対象とする試料として、ニッケルボロンメッキ膜125を形成するメッキ粒径が0.5μmであるような試料(以下、発明適用試料と記載する)と、メッキ粒径が2.0μmであるような試料(以下、比較試料と記載する)とをそれぞれ3個づつ用意し、それぞれについて脱落時間を測定した。
図8に示すように、発明適用試料3個のそれぞれについて脱落時間を測定したところ、その脱落時間は4.5h、5.0h、4.5hとなり、平均値は約4.7hであった。
また、比較試料3個のそれぞれについて脱落時間を測定したところ、その脱落時間は3.5h、3.5h、3.0hとなり、平均値は約3.3hであった。
この実験結果から分かるように、メッキ粒径がより小さくなるようにメッキ層を形成することによって、耐食性が向上することが分かる。
この理由としては、まず、前述のようにメッキ厚のばらつきが小さくなることでメッキ層における耐食性のばらつきも小さくなって、メッキ層全体で均一な耐食性が得られるようになるという点が考えられる。即ち、仮に周囲と比較して耐食性の小さい部分が存在すると、その部分から集中的に腐食が進んでしまうようなことも考えられるが、メッキ層全体で均一な耐食性が得られれば、そのような部分的な腐食の進行を抑えることができると考えられる。
また、他の理由として、メッキ粒径をより小さくすることでメッキ粒子間の隙間を小さくすることができ、これによりメッキ粒子間の密着性を確保することができるという点が考えられる。これにより、粒子同士の離間が抑えられ、ひいてはクラックやピンホールの発生や進行を抑えることができると考えられる。
ここでは、メッキ粒径が0.5μm以下となるようなメッキ層について具体的数値を挙げて効果を説明したが、メッキ粒径が少なくとも1μm以下であれば同様の効果を得られることが実験により分かっている。
このように、メッキ粒径が1μm以下となるようにニッケルボロンメッキ膜125を形成した本実施形態のセラミックヒータ100においては、そのニッケルボロンメッキ膜125の耐食性が向上するため、ひいてはセラミックヒータ100の耐久性をより向上させることができる。特に、その耐食性及び耐久性の向上を、メッキ粒径がより小さくなるようにニッケルボロンメッキ膜125を形成することによって実現しており、例えば、ニッケルボロンメッキ膜125のメッキ厚を大きく(厚く)したり、高価なメッキを用いたりしなくてもよくなる。つまり、安価かつ簡単にセラミックヒータ100の耐食性及び耐久性の向上が実現される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態において、ニッケルボロンメッキ膜125に代えて、ニッケルメッキ、或いはニッケルリンメッキが形成されるようにしても良い。
また、上記実施形態において、ニッケルボロンメッキ膜125のメッキ厚は3μmとすることに限られず、3μmを超えるものであっても良く、3μm以下であっても良い。好ましくは15μm以下が良い。
100…セラミックヒータ、101…碍管、105…セラミック基体、110…加熱部、120…電極部、121…電極パッド、122…ニッケルメッキ膜、124…ロウ材部、125…ニッケルボロンメッキ膜、130…接合部材、131…接合部、134…接続部、135…カシメ部、140…第1シート部材、141…発熱抵抗体、142…発熱部、143…リード部、144…貫通孔、145…導電層、146…第2シート部材。

Claims (2)

  1. 内部に発熱抵抗体が埋設され、前記発熱抵抗体と電気的に接続された電極パッドを表面上に有するセラミック基体と、前記電極パッドの表面上に設けられたロウ材部を介してその電極パッドと電気的に接続される接続端子と、前記ロウ材部及び前記電極パッドが外部に露出しないように、直接もしくは他部材を介して前記ロウ材部及び前記電極パッドを一体的に覆うNiを主成分とするメッキ層と、を備えるセラミックヒータにおいて、
    前記メッキ層は、粒径が1μm以下のメッキ粒子で構成されていることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記メッキ層は、
    そのメッキ層の全域に亘り少なくとも3μmの厚みを有していることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
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