JP2006294479A - ろう付け接合体およびセラミックヒータ - Google Patents

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喜久男 桜井
Yoshinori Kawaguchi
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Abstract

【課題】 電極パッドと端子部材とを固定するろう材の偏りを低減して応力を分散することで耐久性を向上することができるろう付け接合体およびセラミックヒータを提供する。
【解決手段】 外部回路との電気的な接続を行うための接続端子130は、セラミックヒータ100の内部回路に電気的に接続され、そのセラミックヒータ100の基体105の外表面に形成された電極パッド121に、ろう材部124を介して接合されている。このとき、接続端子130の接続部132の延設方向が、電極パッド121とろう材部124との接合面に対して直交する方向となるように構成されている。このため、接続端子130と電極パッド121とを接合するろう材部124は、滑らかなフィレット形状を形成し、冷熱サイクルによって発生する応力が均一に分散されるため、接合部分の耐久性が向上する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、端子部材と電極パッドとをろう材部により接合したろう付け接合体およびセラミックヒータに関するものである。
従来、自動車などの排気ガス中の特定ガス成分を検出する酸素センサやNOxセンサ、HCセンサ等のガスセンサが知られている。このガスセンサとして代表的な酸素センサは、ジルコニア等の固体電解質を用いたセンサ素子を備えており、排気ガス中の酸素の濃度を検出して、混合気の空燃比を制御するのに使用される。このようなセンサ素子は温度が低いと活性化しないため、センサ素子の近傍には、センサ素子加熱用のセラミックヒータが設けられている。
セラミックヒータとしては、アルミナ等の絶縁性セラミック基体中に、タングステン、モリブデン等の高融点金属からなる発熱抵抗体を埋設したものが広く用いられている。例えば有底筒状をなすセンサ素子に内挿される丸棒状のセラミックヒータは、発熱抵抗体(発熱体)が形成されたセラミックのグリーンシートをセラミック製の碍管(セラミック中軸)に巻き付け、一体に焼成することによって形成される。さらに、セラミックヒータの外周面には発熱抵抗体と電気的に接続された電極パッド(取出電極)が設けられており、この電極パッドには発熱抵抗体に外部からの電圧を印加するための端子部材(リード線のリード端子)がろう付けにより接合されている(例えば特許文献1参照。)。
こうした端子部材は通常、棒状に形成され、その長手方向をセラミックヒータ本体の軸方向に沿わせ、セラミックヒータの電極パッド(金属端子部)にろう付けにより固定される。しかし、端子部材の表面とセラミックヒータの表面とが近接した状態でろう付けを行うと、両者間にろう材が流れ込み、セラミックヒータ本体の電極パッドの非形成部(具体的には端子部材と対向する部位)にろう材が達してしまう虞がある。そこで、電極パッドの非形成部と端子部材との両者間の距離が離されるように端子部材を段違い状に折り曲げて接続部を形成し、その接続部よりも発熱体側の対向部と電極パッドとのろう付けが行われている(例えば特許文献2参照。)。
特開平8−148260号公報 特開2000−268944号公報
しかしながら従来のセラミックヒータの端子部材では、電極パッドに対する折り曲げ角度が鋭角となるように接続部を設けている。つまり、この端子部材を電極パッドにろう付けすると、端子部材の一端から他端に向けて、接続部が電極パッドの表面から次第に遠ざかる構成となる。このため、接続部の電極パッドの近傍では電極パッドの表面と近接しており、ろう材の表面張力によって、こうした近接部分にはろう材が流れ込み溜まりやすい。そしてその部分のろう材部の体積が多くなると、端子部材を取り巻くろう材部の配分が不均一となる。セラミックヒータ使用時の冷熱サイクルによって生ずる応力はろう材部の体積の多い部位ほど大きく、応力に偏りが生ずることでろう材部が電極パッドから剥離し、端子部材が脱落してしまう虞があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、電極パッドと端子部材とを固定するろう材部の偏りを低減して応力を分散することで耐久性を向上することができるろう付け接合体およびセラミックヒータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のろう付け接合体は、外部回路と電気的な接続を行う端子部材と、基体の表面に設けられ、該基体の内部に設けられる内部回路と電気的な接続を行う電極パッドとをろう材部により接合したろう付け接合体であって、前記端子部材は、前記電極パッドの前記ろう材部との接合面に対して垂直方向に延びると共に、前記ろう材部から突出する接続部を有する。
また、請求項2に係る発明のろう付け接合体は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記接続部は、前記端子部材の一端に形成され、前記端子部材の前記接続部のみが、前記ろう材部により前記電極パッドに接合されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のろう付け接合体は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記端子部材は、前記接続部と連結し、前記電極パッドの前記接合面に対向する対向部を有し、前記端子部材の前記接続部および前記対向部が前記ろう材部により前記電極パッドに接合されており、前記対向部と前記電極パッドとの対向方向と直交する平面に、前記対向部を投影した投影部分の面積は、前記垂直方向と直交する断面の面積に対し5倍以下の大きさであることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のセラミックヒータは、内部に発熱抵抗体を埋設してなるセラミック基体と、前記セラミック基体の外部に露出し、前記発熱抵抗体と電気的な接続を行う電極パッドと、ろう材により、前記電極パッドに接合される端子部材とを備えたセラミックヒータであって、前記電極パッドと前記端子部材とが、請求項1乃至3のいずれかに記載のろう付け接合体を構成する。
請求項1に係る発明のろう付け接合体では、ろう材部を介して電極パッドに接合する端子部材の接続部を、電極パッドのろう材部との接合面に対し垂直方向にし、ろう材部から突出させたので、電極パッドの表面に対し、接続部の外表面は鋭角を構成しない。このため、接続部の電極パッドの表面の近接部分に溜まるろう材部の体積を、鋭角が形成された場合と比べ小さくすることができる。これにより、冷熱サイクルによって発生する応力を小さくすることができ、ろう材部の浮き、剥がれ、割れ等の発生を低減させ、電極パッドと接続端子との接合部分の耐久性を高めることができる。
また、請求項2に係る発明のろう付け接合体では、請求項1に係る発明の効果に加え、ろう材部を介し、接続端子の接続部のみが電極パッドに接合され、その接続部は、電極パッドのろう材部との接合面に対し垂直方向に突出しているので、ろう材部は接続部の外表面の全周から電極パッドに対して均一に滑らかな裾広がり状とすることができる。このため、冷熱サイクルによって発生する応力は、接続部の外表面の全周側において均一に分散されるので、ろう材部の浮き、剥がれ、割れ等が発生しにくく、電極パッドと接続端子との接合部分の耐久性を高めることができる。
また、請求項3に係る発明のろう付け接合体では、請求項1に係る発明の効果に加え、接続端子と電極パッドとの接合を、接続部に連結する対向部を電極パッドの接合面に対向させた状態で、ろう材部を介して行ったので、接続端子と電極パッドとの接合時に位置合わせを行いやすい。このため、接続部を、電極パッドのろう材部との接合面に対し垂直方向に突出させるための位置決めを行いやすくすることができる。また、接続部の外表面の全周から電極パッドに対して構成するろう材部は、対向部によって段差を生ずる。しかし、対向部と電極パッドとの対向方向と直交する平面に対向部を投影した投影部分の面積を、接続部の延設方向と直交する断面の面積の5倍以下としたので、ろう材部を滑らかにすることができる。このため、冷熱サイクルによって発生する応力は、接続部の外表面の全周側において比較的均一に分散されるので、ろう材部の浮き、剥がれ、割れ等が発生しにくく、電極パッドと接続端子との接合部分の耐久性を高めることができる。
また、請求項4に係る発明のセラミックヒータでは、電極パッドと端子部材とが請求項1乃至3のいずれかに記載のろう付け接合体を構成しているので、冷熱サイクルにおいて、ろう材部の材質とセラミック基体の材質の熱膨張係数の差によってろう材部に応力が発生しても、その応力がろう材部全体に均一に分散されるため、ろう材部に浮き、剥がれ、割れ等が発生しにくく、電極パッドと接続端子との接合部分の耐久性を高めることができる。
以下、本発明を具体化したセラミックヒータの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、セラミックヒータ100の構造について説明する。図1は、セラミックヒータ100の斜視図である。図2は、セラミックヒータ100の基体105の分解斜視図である。図3は、セラミックヒータ100の電極部120付近の拡大断面図である。なお、本実施の形態において、セラミックヒータ100の加熱部110側を先端側とし、電極部120側を後端側として説明する。
図1に示すように、セラミックヒータ100は、図示しない有底筒状をなす固体電解質管の内外面それぞれに電極層が形成されたセンサ素子に内挿され、センサ素子を加熱するためのものであり、その基体105は丸棒状をなしている。セラミックヒータ100は発熱抵抗体141を埋設し、後端側の電極部120より電圧が印加され、先端側の加熱部110にて発熱を行うものである。なお、基体105が、本発明における「セラミック基体」に相当する。
図2に示すように、セラミックヒータ100は、丸棒状のアルミナセラミック製の碍管101の外周に絶縁性の高いアルミナセラミック製のグリーンシート140,146が巻き付けられ、これが焼成されることによって基体105が製造される。グリーンシート140上には、ヒートパターンとしてのタングステン系の発熱抵抗体141が形成されている。発熱抵抗体141は、加熱部110(図1参照)に相当する位置に形成される発熱部142、および発熱部142の両端のそれぞれに接続される一対のリード部143により構成される。また、リード部143の後端側にはそれぞれスルーホール144が穿設され、このスルーホール144を介し、セラミックヒータ100の外表面上に形成される2つの電極パッド121と、両リード部143との電気的な接続が行われる。
また、グリーンシート146は、グリーンシート140の発熱抵抗体141が形成される側の面に圧着されるシートである。その圧着面とは反対側の表面にアルミナペーストが塗布され、この塗布面を内側にしてグリーンシート140,146が碍管101に巻き付けられて外周が押圧されることにより、セラミックヒータ成形体が形成される。その後、セラミックヒータ成形体が焼成されることにより、セラミックヒータ100の基体105として形成される。
次に、図1に示すように、セラミックヒータ100の基体105の電極部120には、陽極側および陰極側となる2つ(図2参照)の電極パッド121が形成されている。この電極パッド121は、上記した2つのスルーホール144(図2参照)に対応するグリーンシート140の外面の位置に2ヶ所、それぞれ設けられている。発熱抵抗体141のリード部143との導通は、各スルーホール144内壁に導電性ペーストが印刷されることにより行われる。
また、各電極パッド121には、セラミックヒータ100に外部から電圧を印加するための接続端子130の対向部131および接続部132が、銀系のろう材部124(図3参照)により接合されている。接続端子130は板棒状のニッケル系合金からなり、真っ直ぐ延びる胴部133の一端を厚み方向に段状に折り曲げて接続部132および対向部131が形成されている。胴部133と対向部131とは厚み方向が同一で、両者を接続する接続部132の厚み方向は、胴部133および対向部131の厚み方向に対して直交するように構成されている。すなわち、胴部133の一端側を直角に折り曲げ、さらに段状となるように直角に折り返すことによって、接続部132と対向部131とが形成されている。なお、固化して接続端子130と電極パッド121との接合を行うろう材部124が、本発明における「ろう材部」に相当する。
胴部133の他端側には図示しない外部回路接続用のリード線が加締め固定される加締め部134が形成されている。加締め部134は、幅広に形成した胴部133の他端を、胴部133の長手方向に対して略直角にひねるようにねじ曲げ、両側の縁部分を一方の面側に折り返すことで、リード線を加締める部分が構成されている。
このような形状に構成される接続端子130は、接続部132および対向部131の折り曲げ方向が互いに異なる2部品を組とし、ろう材部124を介して2つの電極パッド121にそれぞれの対向部131が接合される。このとき、図3に示すように、電極パッド121とろう材部124との接合面に対し、接続端子130の接続部132の延設方向、すなわち接続部132における対向部131から胴部133へと向かう方向が、垂直方向となるように、電極パッド121と接続端子130とが接合される。なお、ろう材部124を介し接合された電極パッド121と接続端子130とが、本発明における「ろう付け接合体」に相当する。
電極パッド121と接続端子130の対向部131との接合において、両者をろう付けするろう材部124は対向部131を覆い、電極パッド121上に広がる。このとき、ろう材部124は、接続部132の外周面から電極パッド121の表面にかけてフィレット形状をなす。上記したように、接続部132は電極パッド121の表面に対し垂直方向に立ち上がっており、対向部131や電極パッド121の表面に対し、接続部132の表面は鋭角を構成しない。このため、対向部131や接続部132の電極パッド121の近接部分に溜まるろう材部124の体積は、鋭角が形成された場合と比べ小さい。また、ろう材部124と電極パッド121との接合の縁部分において、電極パッド121の表面に対するろう材部124の外表面の接触角も小さくなる。
ところで、本実施の形態において、セラミックヒータ100の基体105は丸棒状をなし、この外周面に設けられた電極パッド121の表面も、基体105の外周に沿って湾曲している。このため、上記したように電極パッド121の表面に対し接続部132が垂直方向に立ち上げるには、電極パッド121と対向部131とを基体105の軸と直交する方向に対向させ、この対向方向を接続部132の延設方向とした状態で、接続端子130のろう付けを行っている。すなわち、接続部132の延設方向を、電極パッド121から最も遠ざかる方向としている。
また、本実施の形態では、図4に示すように、電極パッド121に対向する対向部131の対向面の面積Bが、接続部132の延設方向と直交する断面の面積Aに対し5倍以下となる。これにより、ろう材部124を滑らかにすることができ、ろう材部124の浮き、剥がれ、割れ等が発生しにくく、電極パッド121と接続端子130との接合部分の耐久性を高めることができる。なお、このことは後述する評価試験の結果に基づいている。さらに、上記のように電極パッド121の表面が湾曲している場合、電極パッド121と対向部131とを基体105の軸と直交する方向に対向させ、この対向方向と直交し、基体105の軸に平行な仮想の平面Cに対して対向部131を投影した投影部分の面積をBとする。
次に、他の実施の形態について図5を参照して説明する。図5は、セラミックヒータ200の電極部120付近の拡大断面図である。なお、他の実施の形態のセラミックヒータ200は、本実施の形態とは接続端子230の形状および電極パッド121と接続端子230との接続部分が異なるものであり、その他の部分については本実施の形態と同符号を用い、省略する。
図5に示すように、セラミックヒータ200の基体105の電極部120には、陽極側および陰極側となる2つの電極パッド121が形成されている。そして、各電極パッド121には、セラミックヒータ200に外部から電圧を印加するための接続端子230の接続部232が、銀系のろう材部224により接合されている。接続端子230は、板棒状のニッケル系合金からなり、真っ直ぐに延びる胴部233の一端を厚み方向に折り曲げて接続部232が形成されている。この胴部233と接続部232とは、それぞれの厚み方向が直交している。
そして、電極パッド121と接続端子230の接続部232とをろう付けするろう材部224は、接合部232の一部を覆い、電極パッド121上に広がる。このとき、接続部232は、電極パッド121の表面に対し垂直方向に立ち上がっており、電極パッド121の表面に対し、接続部232の表面は鋭角を構成しない。このため、接続部232と電極パッド121との近傍部分に溜まるろう材部224の体積は、鋭角が形成された場合と比べ小さい。
さらに、ろう材部224は、接合部232の外表面の全周から電極パッド121に対して均一に滑らかに末広がり状のフィレット形状をなす。このため、冷熱サイクルによって発生する応力は、接続部232の外表面側において均一に分散されるので、ろう材部224の浮き、剥がれ、割れ等が発生しにくく、電極パッド121と接続端子230との接合部分の耐久性を高めることができる。
次に、電極パッド121にろう材部124を介し接合した接続端子130の接続部132の延設方向を、電極パッド121とろう材部124との接合面と直交する方向、すなわち、本実施の形態で、電極パッド121と対向部131との対向方向としたことの効果を確認するため、以下に示す評価試験を行った。
[実施例1]
この評価試験では、接続端子の形状が従来のもの(本実施の形態のセラミックヒータ100を例に説明すると、図3に示した接続端子130の接続部132の延設方向が、対向部131と電極パッド121との対向方向と直交する仮想平面に対し45°の角度で立ち上がる形状のもの)と、本実施の形態で説明した垂直に立ち上がる形状のものとについて、接続端子と電極パッドとの接合強度(引っ張り強度)を比較した。また、接続部を上記のように垂直に立ち上げた接続端子において、電極パッドとの対向面の大きさが異なる接続端子と電極パッドとの接合強度について比較した。
接続端子は、厚さ0.3mmのニッケル合金からなる板材を加工して作製した。そのうち、対向部、接続部および胴部となる部位は幅1mmに加工し、胴部と対向部とが段状となるように、胴部に対し接続部を90°折り曲げ、さらに接続部に対し90°折り曲げた対向部を形成した。対向部は1.5mmのもの、および3mmのものの2種を作製した。さらに、図5のように対向部を設けずに、接続部のみを形成したものも作製した。また比較例としての従来のセラミックヒータの接続端子は、上記したように電極パッドに対し接続部が45°の角度となり、胴部と対向部とが段状となるように折り曲げ、対向部の長さが3mmとなるように作製した。
これらの接続端子それぞれにめっき層処理を行った後、あらかじめ別工程にて作製した直径2.8mmのセラミックヒータの基体の電極パッドにろう付けした。ろう材には銀ろう(BAg−8)を用い、別途行ったろう付け試験にて求めた適量となる分量(ろう付け後にX線CTスキャンを行い、滑らかなフィレット形状となった場合の分量)を使用してろう付けを行った。具体的には、対向部の長さが3mmのものには12mgのろう材を使用し、1.5mmのものには8mgのろう材を使用し、接続部のみのものには4mgのろう材を使用した。
そして、ろう付け後に電極パッドと接続端子にめっき処理を行い、さらに焼結処理を行って、上記4種のセラミックヒータのサンプルを完成した。
次に、これらサンプルに対し、400℃で5分間加熱後、室温にて5分間冷却を行う冷熱サイクル試験を行った。上記4種のサンプルをそれぞれ含むサンプルの組を3組用意し、各組に対し、冷熱サイクル試験をそれぞれ0サイクル、500サイクル、950サイクル行った。
冷熱サイクル試験後、各サンプルの接続端子をセラミックヒータの電極パッドから引き剥がす引っ張り試験を行った。この試験では、セラミックヒータの基体を固定し、接続端子の胴部の延設方向が、セラミックヒータの基体の軸と直交する方向となるように胴部を折り曲げ、さらにその方向への接続端子の引っ張りを行った。そして、電極パッドと接続端子とを接合するろう材に、浮き、剥がれ、割れ等が発生した時の荷重を荷重計で測定した。この試験の結果をグラフ化したものを図6に示す。
図6に示すように、いずれのサンプルも、冷熱サイクル試験前(0サイクル)の引っ張りに対する強度(引っ張り強度)は120Nであった。接続端子が従来の形状のセラミックヒータのサンプル(対向部の長さが3mmで、電極パッドに対する接続部の折り曲げ角度が45°のもの)では、冷熱サイクル試験を500サイクル行った後には、引っ張り強度が52.4N、950サイクル行った後には20.1Nとなった。これと比べ、対向部の長さは3mmのままで、電極パッドに対する接続部の折り曲げ角度を90°としたサンプルでは、冷熱サイクル試験を500サイクル行った後の引っ張り強度が72.5N、950サイクル後には23.2Nとなった。また、対向部の長さを1.5mmとしたサンプル(電極パッドに対する接続部の折り曲げ角度は90°)では、冷熱サイクル試験を500サイクル行った後の引っ張り強度は101.0N、950サイクル後には23.2Nとなった。そして、接続部のみのサンプル(電極パッドに対する接続部の折り曲げ角度は90°)では、冷熱サイクル試験を500サイクル行った後の引っ張り強度は117.0N、950サイクル後には23.2Nとなった。
この結果より、冷熱サイクル試験を500サイクル行った時点では、接続端子の形状によって対向部と電極パッドとの接合部分の耐久性に差が生ずることがわかった。まず、電極パッドに対する接続部の折り曲げ角度を45°から90°とすることで、接続端子の電極パッドとの接合部分の耐久性が向上した。これは、接続部の延設方向を電極パッドの垂直方向とすることによって、接続部の電極パッドの表面の近傍部分に溜まるろう材の体積が減少したため、ろう材の材質と、セラミックヒータの基体の材質との熱膨張差に起因して発生する応力の影響が小さくなったことによる。
また、電極パッドに対する接続部の折り曲げ角度を90°とした場合において、対向部の長さを短くするほど対向部と電極パッドとの接合部分の耐久性が向上することがわかった。ろう材の形成するフィレット形状は、接続部を中心として電極パッドに裾広がりに広がる形状となり、対向部が小さいほど、ろう材が、より滑らかに広がるフィレット形状が形成される。特に、ろう材と電極パッドとの接合の縁部分において、電極パッドの表面に対するろう材の外表面の接触角が小さくなると、冷熱サイクルによって発生する応力はその縁部分において小さくなり、ろう材の浮き、剥がれ、割れ等は発生しにくくなる。
そして、予め実験等により問題がないとして確認されている引っ張り強度の条件(冷熱サイクル500サイクル実施時)としての100N以上を満たすには、対向部の長さを1.5mm以下とすればよいことがわかった。接続部材を構成する板材の幅が1mm、厚さが0.3mmであるので、接続部の延設方向と直交する断面の面積(図4における面積A)は0.3mmとなり、これに対し、電極パッドに対向する対向部の対向面の面積(図4における面積B)が1.5mm以下、すなわち5倍以下となればよいことがわかる。特に図5の様に、対向部131(図3参照)を形成せず、接続部232を電極パッド121とろう付けすれば、接続部232の外表面の全周から電極パッド121に対して均一に滑らかな裾広がり状のフィレット形状となる。このため、冷熱サイクルによって発生する応力はろう材部224のどの部位にもほぼ均一に分散され、ろう材部224に浮き、剥がれ、割れ等が発生しにくいことがわかった。
以上、本発明を実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変更が可能である。例えば、接続端子130はニッケル系合金より作製したが、これに限らず、銅、ニッケル、鉄などの金属、あるいはそれらの合金から作製してもよい。また、接続端子130を板材の曲げ加工により作製したが、金属部材の削り出しやプレス加工、鋳造などにより作製してもよい。その形状は板状に限られるものでもなく、少なくとも対向部131、接続部132および胴部133の部分は丸棒状であってもよいし、多角柱状であってもよい。また、対向部131、接続部132および胴部133が同一の断面積を有していなくともよいし、対向部131や接続部132などが別部品から形成されていてもよい。また、電極パッド121に凹部を形成し、接続部132の延設方向を電極パッド121から最も遠ざかる方向に向けた状態で、その凹部に接続部132を係合させ、接続端子130のろう付けを行うものであってもよい。
また、ろう材として銅や金、ニッケル等を用いてもよい。また、セラミックヒータ100の基体105の形状は丸棒状に限定されず、板状であってもよい。
内部回路との電気的な接続を行う電極パッドに外部回路との電気的な接続を行う端子部材をろう付けした構成を有するろう付け接合体に適用でき、特に、加熱により活性化されるセンサ素子を加熱するためのセラミックヒータや、ディーゼル機関の始動補助用グロープラグのセラミックヒータに適用できる。
セラミックヒータ100の斜視図である。 セラミックヒータ100の基体105の分解斜視図である。 セラミックヒータ100の電極部120付近の拡大断面図である。 セラミックヒータ100の電極部120付近の拡大斜視図である。 セラミックヒータ200の電極部120付近の拡大断面図である。 引っ張り試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
100 セラミックヒータ
105 基体
121 電極パッド
124 ろう材
130 接続端子
131 対向部
132 接続部

Claims (4)

  1. 外部回路と電気的な接続を行う端子部材と、基体の表面に設けられ、該基体の内部に設けられる内部回路と電気的な接続を行う電極パッドとをろう材部により接合したろう付け接合体であって、
    前記端子部材は、
    前記電極パッドの前記ろう材部との接合面に対して垂直方向に延びると共に、前記ろう材部から突出する接続部を有することを特徴とするろう付け接合体。
  2. 前記接続部は、前記端子部材の一端に形成され、
    前記端子部材の前記接続部のみが、前記ろう材部により前記電極パッドに接合されていることを特徴とする請求項1に記載のろう付け接合体。
  3. 前記端子部材は、前記接続部と連結し、前記電極パッドの前記接合面に対向する対向部を有し、
    前記端子部材の前記接続部および前記対向部が前記ろう材部により前記電極パッドに接合されており、
    前記対向部と前記電極パッドとの対向方向と直交する平面に、前記対向部を投影した投影部分の面積は、前記垂直方向と直交する断面の面積に対し5倍以下の大きさであることを特徴とする請求項1に記載のろう付け接合体。
  4. 内部に発熱抵抗体を埋設してなるセラミック基体と、
    前記セラミック基体の外部に露出し、前記発熱抵抗体と電気的な接続を行う電極パッドと、
    ろう材により、前記電極パッドに接合される端子部材と
    を備えたセラミックヒータであって、
    前記電極パッドと前記端子部材とが、請求項1乃至3のいずれかに記載のろう付け接合体を構成することを特徴とするセラミックヒータ。
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