JP2015153729A - セラミックヒータ - Google Patents
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Abstract
Description
この種のセラミックヒータとして、例えば、特許文献1に示すように、発熱抵抗体を内部に埋設したセラミック基体と、発熱抵抗体への通電のためにセラミック基体の表面上に設けられた電極パッドと、ロウ材により電極パッドにロウ付けされた端子部材とを備えたものが知られている。
このようにすると、減幅部の少なくとも一部が、接合部の長さ方向の中央よりも後端側に位置するので、この後端側における接合部の面積は、接合部の幅が接合部後端から先端側に向けて一定である場合に比して小さくなる。これにより、接合部を電極パッドにロウ付けするロウ付け面積が、接合部の後端側で小さくなり、ロウ材の量を少なくすることができるので、端子部材(接合部)及びロウ材と、セラミック基体との間の熱膨張差による応力を、接合部の後端側で小さくできる。
さらに、このセラミックヒータでは、端子部材のうち、延設部が一定の延設幅で接合部に接続し、この接合部及び延設部のうち接合部に繋がる一部が、電極パッドにロウ付けされている。このため、端子部材のうち延設部から接合部にかけてのロウ付け部位の強度を保ちながら、ロウ付け面積を小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るセラミックヒータ100の構造について説明する。
図1は、セラミックヒータ100の全体の外観を示す斜視図である。このセラミックヒータ100は、発熱抵抗体141を内部に有する丸棒状のセラミック基体102と、発熱抵抗体141に電気的に接続し、セラミック基体102の表面102m上に設けられた2つの電極パッド121と、これら2つの電極パッド121にそれぞれロウ付けによって接合された2本の端子部材130とを備えている。また、図2は、セラミックヒータ100のうち、セラミック基体102及びその表面102m上の電極パッド121の構造を示す分解斜視図である。
以下では、セラミックヒータ100及びセラミック基体102のうち、発熱抵抗体141の発熱部142が位置する側を先端側GSとし、これと反対側の電極パッド121及び端子部材130が位置する側を後端側GKとして説明する。
このうち、セラミック基体102は、図2に示すように、円筒状のアルミナセラミック製の碍管101の外周に、絶縁性のアルミナセラミック製のグリーンシート140,146が巻き付けられ、これらが焼成されることによって製造されている。グリーンシート140上には、ヒータパターンとして、タングステン系の材料からなる発熱抵抗体141が形成されている。発熱抵抗体141は、セラミック基体102のうち先端側GSに位置する発熱部142と、発熱部142の両端にそれぞれ接続されて後端側GKに延びる一対のリード部143とを備えており、上述したように、通電によって発熱部142が発熱する。また、グリーンシート140の後端側GKには、発熱抵抗体141の各リード部143に対応して、ビア144が2個ずつ設けられており、このビア144を介して、各リード部143とセラミック基体102の表面102m上に形成される2つの電極パッド121とが電気的に接続されている。
また、2つの電極パッド121には、ニッケル合金からなる端子部材130のうち、次述する接合部133及び延設部134の一部が、Ag−Cu共晶銀ロウによってロウ付けされている。
端子部材130は、ニッケル合金の金属板からなる帯状で、図1に示すように、この端子部材130の先端部位に位置する板状の接合部133、この接合部133から延設され、厚み方向HTについて折り曲げられた延設部134、この延設部134からさらに厚み方向HTについて折り曲げられて延設され、後端側GKに向けて延びる接続部135、及び、端子部材130の後端部位に位置する端子部136を有する。なお、この端子部材130の接続部135と端子部136との間は、接続部135の長手方向を軸にして90°ひねるようにねじ曲げられている。また、端子部136には、図示しないヒータリード線の端部が加締め固定され、このヒータリード線の芯線と電気的に接続される。
そこで、本実施形態のセラミックヒータ100では、端子部材130のうち、接合部133の形状を従来のものから変更することにより、ロウ付け部位、及び、ロウ付け部位下のセラミック基体102にクラックが発生するのを抑制している。以下、これについて説明する。
そして、この接合部133のうち延設部134に隣接する部位には、接合部後端133kから、先端側GSに向かうほど延設幅W2から徐々に幅が狭くなる減幅部133dが形成されている。
また、減幅部133dは、接合部133の長さ方向HNに対する減幅部133dの両側縁のなす角度θが30°以上45°以下であるのが好ましい。この点、本実施形態では、θ=40°とされている。
このようにすると、減幅部133dの少なくとも一部(本実施形態では、減幅部133dの全体)が、接合部133の長さ方向HNの中央CTよりも後端側GKに位置する。よって、この後端側GKにおける接合部133の面積は、接合部133の幅W3が接合部後端133kから先端側GSに向けて一定(W3=W2=1.0mm)である場合に比して小さくなる。これにより、接合部133を電極パッド121にロウ付けするロウ付け面積が、接合部133の後端側GKで小さくなり、ロウ材の量を少なくすることができるので、端子部材130(接合部133)及びロウ材部124と、セラミック基体102との間の熱膨張差による応力を、接合部133の後端側GKで小さくできる。
さらに、本実施形態のセラミックヒータ100では、端子部材130のうち、延設部134が一定の延設幅W2(=1.0mm)で接合部133に接続し、この接合部133及び延設部134のうち接合部133に繋がる一部が、電極パッド121にロウ付けされている。このため、端子部材130のうち延設部134から接合部133にかけてのロウ付け部位の強度を保ちながら、ロウ付け面積を小さくすることができる。
次いで、上述の実施形態の変形形態について、図5〜図7を参照して説明する。
図5は、第1の変形形態に係り、電極パッド221と端子部材230との関係を示す説明図である。この第1の変形形態では、図5に示すように、端子部材230がロウ材部224で電極パッド221にロウ付けされており、端子部材230は、接合部233、延設部234及び接続部235を有する。
実施形態では、端子部材130の接合部133のうち、減幅部133dが、延設部134に隣接して形成されていた。これに対し、この第1の変形形態では、接合部233のうち、延設部234に隣接する部位には、接合部後端233kから延び、延設幅W2と等しい幅W3eを有し(W3e=W2)、長さL3の等幅部233eが形成されている。等幅部233eは、長さL2の接合部233の長さ方向HNの中央CTよりも後端側GKに位置し(L3<L2/2)、この等幅部233eを介して、接合部233に、減幅部233dが形成されている。なお、本実施形態では、等幅部233e及び減幅部233dの全体が、接合部233の長さ方向HNの中央CTよりも後端側GKに位置している。
このように、接合部233に、等幅部233eを介して減幅部233dを設けた場合でも、減幅部233dの少なくとも一部(本変形形態では、減幅部233dの全体)が、接合部233の長さ方向HNの中央CTよりも後端側GKに位置するので、接合部233の後端側GKで、ロウ付け面積を小さくすることができる。また、等幅部233eを有していることにより、実施形態に比べて、接合部233の後端側GKの強度を補強することができる。
また、図6は、第2の変形形態に係り、電極パッド321と端子部材330との関係を示す説明図である。この第2の変形形態では、図6に示すように、端子部材330がロウ材部324で電極パッド321にロウ付けされており、端子部材330は、接合部333、延設部334及び接続部335を有する。
実施形態では、端子部材130の接合部133のうち、減幅部133dが、接合部133の長さ方向HNの中央CTよりも後端側GKの一部分に形成されていた。これに対し、この第2の変形形態では、減幅部333dを、長さL2の接合部333の長さ方向HNの全体にわたって形成した。
このように、接合部333の長さ方向HNの全体にわたって減幅部333dを形成することにより、ロウ付け面積を小さくすることもできる。また、このような減幅部333dを有していることにより、接合部333の全体にわたる強度を、実施形態よりも大きくすることができる。
また、図7は、第3の変形形態に係り、電極パッド421と端子部材430との関係を示す説明図である。この第3の変形形態では、図7に示すように、端子部材430がロウ材部424で電極パッド421にロウ付けされており、端子部材430は、接合部433、延設部434及び接続部435を有する。
この第3の変形形態は、接合部433のうち中央CTよりも後端側GKに、接合部後端433kから等幅部433e及び減幅部433dを設けている点で、第1の変形形態と同様であるが、接合部433の先端433sに、幅広の部位を設けている点で、第1の変形形態と異なる。このように、接合部433の中央CTよりも後端側GKに減幅部433dを設けて、接合部433の後端側GKで、ロウ付け面積を小さくする一方、先端433s付近を幅広の形状にして、接合部433の先端側GSの強度を補強することもできる。
例えば、実施形態及び変形形態では、ガスセンサのガス検出素子を加熱するために用いるセラミックヒータ100を示したが、本発明におけるセラミックヒータは、これに限られない。例えば、ディーゼルエンジンの始動を補助するグロープラグのセラミックヒータなど、ガスセンサ以外に用いるセラミックヒータに、本発明を適用しても良い。
また、端子部材の接合部、減幅部、等幅部等の形状及び長さも、実施形態及び変形形態に限られず、ロウ付け面積の大きさと接合部の強度とを考慮して、最適な形状及び長さに適宜変更すると良い。
GK 後端側
HN 長さ方向
HT 厚み方向
100 セラミックヒータ
102 セラミック基体
121,221,321,421 電極パッド
130,230,330,430 端子部材
133,233,333,433 接合部
133k,233k,333k,433k 接合部後端
133d,233d,333d,433d 減幅部
233e,433e 等幅部
134,234,334,434 延設部
141 発熱抵抗体
W2 延設幅
Claims (4)
- 通電により発熱する発熱抵抗体を内部に有するセラミック基体と、
上記発熱抵抗体に電気的に接続し、上記セラミック基体の表面上に設けられた電極パッドと、
上記電極パッドに接合された金属からなる帯状の端子部材であり、
当該端子部材の先端部位に位置する接合部、及び、
上記接合部から延設され、厚み方向のうち上記電極パッドから離れる側に折り曲げられて、一定の延設幅で延びる延設部を含み、
上記接合部及び上記延設部のうち上記接合部に繋がる一部が、上記端子部材と上記電極パッドとを上記厚み方向に重ねて見たときに、上記電極パッド内に位置し、かつ、上記電極パッドにロウ付けされてなる端子部材と、を備えた
セラミックヒータであって、
上記端子部材の上記接合部は、
上記延設部に隣接する接合部後端から、または、
上記接合部後端から延び、上記延設幅と等しい幅を有し、上記接合部の長さ方向の中央よりも後端側に位置する等幅部を介して、
先端側に向かうほど上記延設幅から徐々に幅が狭くなる減幅部を有する
セラミックヒータ。 - 請求項1に記載のセラミックヒータであって、
前記減幅部は、
前記接合部の長さ方向の中央よりも後端側に位置し、かつ、
上記長さ方向に対する当該減幅部の両側縁のなす角度がそれぞれ30°以上45°以下である
セラミックヒータ。 - 請求項2に記載のセラミックヒータであって、
前記減幅部は、前記延設部に隣接して形成されてなる
セラミックヒータ。 - 請求項2または請求項3に記載のセラミックヒータであって、
前記接合部のうち、前記減幅部よりも先端側の部位は、その全体にわたって、前記延設幅よりも狭い一定の幅を有する
セラミックヒータ。
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