JP2004319459A - セラミックヒータおよびそれを用いた酸素センサ用ヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のセラミックヒータは、発熱抵抗体の線幅が全体均一に形成されているため、急速昇温性の観点でみると問題があった。
【解決手段】前記セラミックシートに形成した発熱抵抗体をパターンの長さ方向に3等分し、その中央部の線幅の平均をPsとし、その外側の線幅の平均Poとしたときに、Ps<Poであること,さらには,本発明のセラミックヒータの発熱抵抗体形成部の最高温度部が酸素センサの内壁に接触もしくは0.5mm以内に近接するように設置することで,耐久性が良好でかつ昇温性能の良好な酸素センサを提供できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車用の空燃比検知センサ加熱用ヒータや気化器用ヒータ、半田ごて用ヒータなどに使用するセラミックヒータに関するものである。
従来より、酸化アルミニウムを主成分とするセラミックス中に、W、Re、Mo等の高融点金属からなる発熱抵抗体を埋設してなるアルミナセラミックヒータが、一般的に用いられている。
例えば、通常の円柱状のセラミックヒータを製造する場合は、図1、2に示すようにセラミック芯材2とセラミックシート3を用意し、セラミックシート3の一方の主面にW、Re、Mo等の高融点金属を含有するペーストを印刷して発熱抵抗体4と電極引k出部5を形成した後、前記主面が内側となるようにセラミックシート3を上記セラミック芯材2の周囲に巻付け、全体を焼成一体化することによりセラミックヒータ1を得ることができる。
また、図1に示すようにセラミックシート3上には、発熱抵抗体4に直接電極引き出し部5が接続され、該電極引出部5の末端にスルーホール6が形成され裏面の電極パッド7と該電極引出部5がスルーホール6で接続されている。スルーホール6には、必要に応じて導体ペーストが注入される。
なお、図2に示すように、セラミックシート3に形成する発熱抵抗体4は、蛇行状のパターンとし、その後端部には電極引出部5が接続される。この発熱抵抗体4の厚みはスクリーン印刷を行い易くするために10〜30μm程度としていた。また、セラミックシート3の裏側には電極パッド7を形成し、電極引き出し部5と電極パッド7間はスルーホール6を形成して導通させる構造となっている。
そして、最終的なセラミックヒータ1では側面に露出した電極パッド7にリード線8をロウ付けしたり圧接したりして接合し、このリード線8から通電するようになっている。
また、1000℃以上の高温用のヒータとして窒化珪素質セラミックヒータ1も用いられており,この構造は、高融点金属線等からなる発熱抵抗体4を窒化珪素質セラミック中に埋設し、これに接続した電極引き出し部5の末端を表面に露出させて電極パッド7とし、銀等のロウ材によってこの電極パッド7にリード線8を接合したものである。
図7に示すように、従来のセラミックヒータ1は内蔵された発熱抵抗体4の線幅pが均一に形成されていた。
これらのセラミックヒータ1は、耐食性、耐久性に優れ、急速昇温が可能であることから、石油ファンヒータ等の各種燃焼機器の点火用ヒータや燃料気化器用ヒータ、水等の流体を加熱するための流体加熱用ヒータ、酸素センサ等の各種センサや測定機器の加熱用ヒータに使用されている。
自動車用酸素センサにおいては、コールドスタート時に酸素センサ14を作動温度まで急速に加熱させるために、セラミックヒータ1で酸素センサ14を加熱するシステムが使用されている。近年、排ガス規制の強化に伴ってコールドスタート時の立上り特性を向上させる必要があり、800℃以上の高温でも使用可能な耐久性の高いセラミックヒータ1が求められている。ところが、セラミックヒータ1の発熱量を大きくして昇温時間を短くすると、特にエンジンが冷えている冷始動時には、電圧印加後の時間が長くなるため温度のオーバーシフトが発生し、酸素センサ14の電極を傷めたり、セラミックヒータ1の耐久性が低下したり、また、電極パッド7の温度が上昇して断線したりするような問題が発生した。
このような課題に対応するために、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックシート3上に、電極取出部5と一体に発熱抵抗体4となる任意形状及び厚さを有するヒートパターンを印刷すると共に、前記発熱抵抗体4と直列に発熱抵抗体4より温度抵抗係数の大きい導電物質を接続してなるセラミックヒータ1が提案されている(特許文献1参照)。
また,このような酸素センサをセラミックヒータ1で加熱する際に、これまではセラミックヒータ1の中央部4aに設置し、酸素センサ14を周方向に均一に加熱するようにしていた。しかしながら、エンジン冷始動時の酸素センサ14の早期作動を目指すためには、周方向全体を均一に加熱する必要はなく、酸素センサ14の一部を加熱すれば十分に作動することが示されている(特許文献2参照)。
また、セラミックヒータ1を急速昇温させると、最高温度部にクラックが発生することが示されており、急速昇温時の熱衝撃を緩和しセラミックヒータ1の表面へのクラックの発生を防止するために、発熱抵抗体4の外側の線幅を中央部4aより狭くして発熱部の周方向の温度分布を小さくすることが提案されている(特許文献3参照)。
特開平8−273813号公報 特開2000−193633号公報 特開2001−15252号公報
ところが、特許文献2に示されているセラミックヒータ1は、発熱抵抗体4の線幅Pが全体均一に形成されているため、急速昇温性の観点でみると、問題があった。
一方,特許文献3では,セラミック体表面にクラックが発生することを防止することはできるものの、発熱抵抗体4の外側4bの線幅pを細くするためセラミックヒータ1の耐久性に問題があった。
本発明のセラミックヒータは、発熱抵抗体を一方の主面に形成してなるセラミックシートを、前記主面をセラミック芯材に周回密着して一体的に焼成してなるセラミックヒータにおいて、前記セラミックシートに形成した発熱抵抗体をパターンの長さ方向に3等分し、該発熱抵抗体の中央部の線幅の平均をPs、両端部の線幅の平均をPoとしたときに、Ps<Poであることを特徴とする。
また、本発明のセラミックヒータは、前記セラミックシートに形成した発熱抵抗体の中央部の線幅をP1とし、外側に向かって順に線幅をP2、・・・、Pnとしたときに、P1≦P2≦・・・≦Pnであり、且つP1<Pnであることを特徴とする。
また、本発明のセラミックヒータは、前記発熱抵抗体の線幅P1がPnに対して50〜95%であることを特徴とする。
さらに、本発明のセラミックヒータは、発熱抵抗体形成部の最高温度部が酸素センサの内壁に接触もしくは0.5mm以内に近接するように設置したことを特徴とする。
本発明によれば、発熱抵抗体を一方の主面に形成してなるセラミックシートを、前記主面をセラミック芯材に周回密着して一体的に焼成してなるセラミックヒータにおいて、前記セラミックシートに形成した発熱抵抗体を3分割し、該発熱抵抗体の中央部の線幅の平均をPs、両端部の線幅の平均をPoとしたときに、Ps<Poとすることにより、耐久性が良好でかつ昇温特性良好な酸素センサを提供できる。
また、発熱抵抗体を一方の主面に形成してなるセラミックシートを、前記主面をセラミック芯材に周回密着して一体的に焼成してなるセラミックヒータにおいて、前記セラミックシートの中央部の前記発熱抵抗体の線幅をP1とし、外側に向かって順にP2、・・・、Pnとしたときに、P1≦P2≦・・・≦Pnであり、且つP1<Pnであること,および前記発熱抵抗体の線幅P1がPnに対して50〜95%であること,さらには,本発明のセラミックヒータの発熱抵抗体形成部の最高温度部が酸素センサの内壁に接触もしくは0.5mm以内に近接するように設置することで,耐久性が良好でかつ昇温性能の良好な酸素センサを提供できる。
以下本発明のセラミックヒータの実施の形態を、図を用いて説明する。
図1は、通常のセラミックヒータ1の斜視図であり、図2はその展開図を示した図である。
セラミックシート3の表面には、発熱抵抗体4と電極引出部5が形成され、さらに、その裏面側に形成される電極パッド7との間をスルーホール6で接合した構造となっている。こうして準備されたセラミックシート3をセラミック芯材2の表面に、前記発熱抵抗体4が内側になるように周回密着焼成することによりセラミックヒータ1とする。
このときに図3の断面図に示すようにセラミックシート3が芯材2を覆っていない隙間の部分を溝部9と呼ぶ。
本発明のセラミックヒータ1は、発熱抵抗体4を一方の主面に形成してなるセラミックシート3を、前記主面をセラミック芯材2に周回密着して一体的に焼成してなるセラミックヒータ1において、例えば図4に示した発熱抵抗体4の展開図において、該発熱抵抗体4の中央部4aの線幅の平均をPs、両端部4bの線幅の平均をPoとしたときに、Ps<Poであることを特徴とする。
例えば、この線幅の平均Po、Pnは、例えば図4に示すように発熱抵抗体4の往復する直線部分の数が6本の場合、中央部の2本とその両側の4本に分けることができ、均等に分割してそれぞれの平均を求めれば良い。
発熱抵抗体4の中央部4aの線幅の平均Psをその外側4bの線幅の平均Poとすることにより、中央部4aの線の抵抗値が外側線の抵抗値より高くなるので、中央部4aの温度が外側より高くすることが可能となる。
これにより、セラミックヒータ1を早く昇温させることが可能となる。
特に、最外周のパターンの線幅を広くすると、周方向の発熱部が狭くなるので、セラミックヒータ1を局部的に加熱することが可能となり、この局部的な加熱部分を酸素センサの内壁に近接させることにより、酸素センサの昇温性能を向上させることが可能となる。
一般的に広く使用されている理論空燃比を検知するための酸素センサは、酸素センサの検知部の一部を作動温度以上に加熱すれば酸素濃度を検知するようになるので、本発明により酸素センサの作動性能を向上させることが可能となる。
最近の酸素センサは、低温作動性が良好で、300℃以上に加熱すれば、酸素センサが作動し始めるとされている。
また、本発明のセラミックヒータ1の発熱抵抗体4の中央部4aにあるパターンの線幅をP1として順に外側4bの溝部9に向かってP2、P3,・・・,Pnと位置づけた時にP1≦P2≦・・・≦Pn且つP1<Pnの関係になるように線幅Pを調整する。このとき、線幅P1を線幅Pnの50%〜95%にすることが好ましい。さらに好ましくは、50%〜80%とすることが好ましい。
線幅Pの比を上記範囲としたのは、発熱抵抗体4の中央部4aの線幅P1が外側4bの線幅Pnの95%を越えると、セラミックヒータ1の表面の温度分布が小さくなるので、温度上昇に時間がかかり、被加熱対象物である酸素センサ14を作動温度まで上昇させるのが遅くなってしまう。
また逆に、前記線幅P1が線幅Pnの50%未満になると、発熱抵抗体4の中央部4aに発熱が集中するので、該中央部4aにクラックが発生しやすくなる。これに対し、前記線幅P1が線幅Pnの50〜95%になるようにすると、被加熱体である酸素センサ14を早く作動温度まで加熱できると共に、セラミックヒータ1の表面に発生するクラックを防止することができる。
また、図3に示すように、発熱抵抗体4のパターンを形成しない角度Cを大きくして、発熱部を局部加熱する方法もある。その場合、角度Cを60°以上にするか、もしくは発熱抵抗体4の両端の線幅Pnを中央部の線幅の平均Poに対し、10%以上広くして両端部の発熱を抑制することにより、その内側の発熱を促進して局部加熱しやすくすることも可能である。
またさらに、発熱抵抗体4の両端の線幅Pnを中央部4aの平均的な線幅Poより広くして両端の発熱を抑制すれば、見掛けの角度Cよりも発熱面積を小さくして、局部加熱を促進することが可能となる。
図5に示すように、発熱抵抗体4のパターン断面に対し溝部9を基準とし、例えば90°から270°の範囲に限定してパターンを配置させる事も可能である。溝部9を基準とし温度分布を設ける設計とするのは、セラミックヒータ1を酸素センサ14にセットする際にセラミックヒータ1の最高温度部mを酸素センサ14に接触させて熱効率を高めるためである。最高温度部mを外観から判断するために溝部9を基準とし180°の位置に最高温度部mが存在するように設計することも可能である。
また、図6に示すように、本発明のセラミックヒータ1の最高温度部mを酸素センサ14の内周面の一部に接触もしくは近接させることにより、効率的に酸素センサ14を作動させることが可能となる。この時、発熱抵抗体4の最高温度部mを酸素センサ14の内周面側に近づけるように設置する。この時、セラミックヒータ1と酸素センサ14の内壁14aの間隔gは、0.5mm以下、さらに好ましくは、200μm以下とすることが好ましい。
酸素センサ14は、350〜400℃で作動する。また、酸素センサ14全体を加熱する必要はなく、酸素センサ14の一部分をこの温度域に加熱できれば作動するようになる。そこで、図6に示すように、酸素センサ14の内壁14aにセラミックヒータ1の発熱形成部12側を近づけて加熱することにより、セラミックヒータ1により生成した熱を効率的に酸素センサ14に伝達することが可能となる。同じ消費電力で、加熱時間を10〜20%短縮することが可能となる。
このように、発熱抵抗体4の線幅Pを調整することにより、セラミックヒータ1の周方向の一部を局部的に発熱させ、酸素センサ14の加熱時間を短縮することができるようになる。
上記セラミックヒータ1の基材としては、アルミナ質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックス等の各種セラミックスからなり、特に、アルミナセラミックスからなることが好ましく、例えば、Alを88〜95重量%、SiOを2〜7重量%、CaOを0.5〜3重量%、MgOを0.5〜3重量%、ZrOを1〜3重量%からなるアルミナセラミックスを用いることが好ましい。Al含有量は88重量%未満となると、ガラス質が多くなるため通電時のマイグレーションが大きくなる恐れがある。一方、Al含有量を95重量%を超えると、セラミック体1中に埋設された発熱抵抗体4の金属層内に拡散するガラス量が減少し、セラミックヒータ1の耐久性が劣化する恐れがある。
また、上記セラミックヒータ1は、例えば外径が2〜20mm、長さが40〜200mm程度の円柱状で、自動車の空燃比センサ加熱用のセラミックヒータ1としては、外径が2〜4mm、長さが40〜65mmとすることが好ましい。
また、自動車用のセラミックヒータ1として用いる場合には、上記発熱抵抗体4の発熱長さfが3〜15mmとなるようにすることが好ましい。この発熱長さfが3mmより短くなると、通電時の昇温を早くすることができるが、セラミックヒータ1の耐久性を低下させる。一方、15mmより長くすると昇温速度が遅くなり、昇温速度を早くしようとするとセラミックヒータ1の消費電力が大きくなる。
なお、上記発熱長さfとは、発熱抵抗体4における電極引き出し部5を除いた往復パターンの部分の長さを示すものである。
前記セラミックシート3に形成した発熱抵抗体4のパターンの長さ方向に3等分し、発熱抵抗体4の中央部4aの線幅の平均をPsとし、その外側4bの線幅の平均をPoとしたときに、Ps<Poであることを特徴とするものである。
また、この発熱長さfは、用途により種々選択されるものである。
また、上記スルーホール6には、その内周面に平均厚み20μm以上の高融点金属からなるメッキ層を形成し、銅ロウ、銀ロウ、金銅ロウ等のロウ材や、タングステン、モリブデン、レニウム等の高融点金属からなるスルーホール導体が充填され、発熱抵抗体4の電極引き出し部5と電気的に接続するように電極パッド7が取着される。
また、上記スルーホール6に取着される電極パッド7は、その厚みが10〜50μmとすることが好ましく、長期間の使用においても電極パッド7に取着するリード線8の接合強度を高いものとできる。
さらに、上記電極パッド7には、にNi、Cr、もしくはこれらを主成分とする複合材料からなるメッキ層が厚み1〜5μm程度に形成されるとともに、該メッキ層にAu、Cu、Au−Cu、Au−Ni、Ag、Ag−Cu系等のロウ材を介してリード線8が接合される。
上記ロウ材は、Au−CuロウとしてAu含有量が25〜95重量%としAu−NiロウとしてはAu含有量が50〜95重量%含有してなるロウ材を用いることが好ましく、ロウ付け温度を1000℃程度に設定でき、ロウ付け後の残留応力を低減できる。また、湿度が高い雰囲気中で使用する場合には、Au系、Cu系のロウ材11を用いた方がマイグレーションが発生しにくくなる。また、使用雰囲気中の湿度を調整し、ロウ材11表面に水が生成することを防止してマイグレーションを抑制すれば、ロウ材11としてAg−Cuロウを使用することも可能である。
上記ロウ材11によって接合されるリード線8は、耐熱性良好なNi系やFe−Ni系合金等を使用することが好ましく、発熱抵抗体4からの熱伝達により、使用中にリード線8の温度が上昇し、劣化する可能性があるからである。
特に、リード線8の材質としてNiやFe−Ni合金を使用する場合、その平均結晶粒径を400μm以下とすることが好ましい。上記平均粒径が400μmを越えると、使用時の振動および熱サイクルにより、ロウ付け部近傍のリード線8が疲労し、クラックが発生するので好ましくない。
なお、上記リード線8の平均結晶粒径を400μm以下と小さくするためには、ロウ付けの際の温度をできるだけ下げ、処理時間を短くすればよい。
酸化アルミニウムを主成分とし、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムを合計10重量%以内になるように調整したセラミックシート3を準備し、この表面に、W−Re等からなる発熱抵抗体4とW等からなる電極引き出し部5をプリントした。また、裏面には電極パッド7をプリントした。
発熱抵抗体4は、発熱長さf5mmで4往復のパターンとし、中央部4aのパターン幅pを細くし外側4bに向かうにつれ、パターン幅pが太くなるように作製した。そして、外側4bのパターン幅pに対する中央部4aのパターン幅pが、60〜100%になるように調整した。
また、発熱抵抗体4の抵抗値は、2.4Ωとなるように調整した。
そして、W等からなる電極引き出し部5の末端には、スルーホール6が形成され、ここにペーストを注入する事により電極パッド7と電極引き出し部5間の導通をとった。こうして準備したセラミックシート3をセラミック芯材2の周囲に密着し、1500〜1600℃で焼成することにより、セラミックヒータ1とした。
パターン幅pの設計仕様の異なる各々10本のサンプルを作製し、これらサンプルを酸素センサ14の表面にセットし、図6に示すようにその表面に熱電対21をセットし、その点の温度が300℃に到達するまでの時間を評価した。
またこれらサンプルに1分間で1100℃に到達する初期電力を与え室温とのON,OFFサイクルを実施した。抵抗変化率が初期の抵抗値の110%以上となるサイクル数を表1に記した。
Figure 2004319459
表1に示すように、発熱抵抗体4の中央部4aの線幅P1、P2の平均Psと、両端部P3〜P6の線幅の平均Poの関係が、Ps>PoとなるNo.2〜11は、全て良好な昇温特性を示した。
また、パターン幅pの差が外側4bに向かって大きくなる程、被加熱体の表面温度の到達時間が短くなることを確認できた。またセラミックヒータ1の耐久性能と言った観点からはサンプル1〜6及びサンプル8,9において効果があることが確認できた。
これら結果よりサンプル2〜6 及び サンプル8,9の範囲でのパターン調整がセラミックヒータ1への熱衝撃性、及び被加熱体への熱効率が効果的であることを確認できた。
また表2に示すように酸素センサ14に効率良く熱を伝えるためには,セラミックヒータ1と酸素センサ14の内壁14aの間隔gは、0.5mm以下、さらに好ましくは、200μm以下とすることが好ましいことが確認できた。
Figure 2004319459
また、実施例1と同様にして、溝部9を基準として周方向の発熱抵抗体4の占める長さfについて確認するために 15°〜345°、45°〜315°、90°〜270°、135°〜225°、150°〜210°の範囲に発熱抵抗体4が配置されるようにサンプルを作製した。上記と同様に酸素センサ14の表面に熱電対21をセットし300℃までの到達温度を評価した。
Figure 2004319459
結果から分かるように、発熱パターンを局部的に配置させる事で被加熱体表面の目的温度への到達時間は短く出来ることが確認出来た。
通常のセラミックヒータの斜視図である。 通常のセラミックヒータの展開図である。 本発明のセラミックヒータ図1のX−Xに相当する断面図である。 本発明のセラミックヒータの発熱抵抗体のパターンを示す概念図である。 本発明のセラミックヒータの別の実施形態を示す断面図である。 本発明の酸素センサの一実施形態を示す断面図である。 従来のセラミックヒータの断面図である。
符号の説明
1:セラミックヒータ
2:セラミック芯材
3:セラミックシート
4:発熱抵抗体
4a:中央部
4b:外側
5:電極引き出し部
6:スルーホール
7:電極パッド
8:リード線
9:溝部
10:セラミックシート
11:ロウ材
12:発熱抵抗体形成部
14:酸素センサ
14a:内壁
21:熱電対
P:パターン幅
f:発熱長さ
g:隙間
m:最高温度部

Claims (4)

  1. 発熱抵抗体を一方の主面に形成してなるセラミックシートを、前記主面をセラミック芯材に周回密着して一体的に焼成してなるセラミックヒータにおいて、前記セラミックシートに形成した発熱抵抗体をパターンの長さ方向に3等分し、該発熱抵抗体の中央部の線幅の平均をPs、両端部の線幅の平均をPoとしたときに、Ps<Poであることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記セラミックシートに形成した発熱抵抗体の中央部の線幅をP1とし、外側に向かって順に線幅をP2、・・・、Pnとしたときに、P1≦P2≦・・・≦Pnであり、且つP1<Pnであることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
  3. 前記発熱抵抗体の線幅P1がPnに対して50〜95%であることを特徴とする請求項2記載のセラミックヒータ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックヒータを、発熱抵抗体形成部の最高温度部が酸素センサの内壁に接触もしくは0.5mm以内に近接するように設置したことを特徴とする酸素センサ用ヒータ。
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