JP2006337020A - セラミックヒータ及びそのセラミックヒータを用いたグロープラグ - Google Patents

セラミックヒータ及びそのセラミックヒータを用いたグロープラグ Download PDF

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信行 堀田
Takaya Yoshikawa
孝哉 吉川
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正也 伊藤
Masahiro Konishi
雅弘 小西
Shindo Watanabe
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Abstract

【目的】 セラミックヒータ内に配設されたセラミック発熱体の局所的な過熱を防止でき、セラミックヒータの先端表面が最高温度になる優れた耐久性を有するセラミックヒータを実現する。
【構成】 軸線方向棒状のセラミック基体13と、セラミック基体14の内部に埋設され、抵抗発熱するセラミック発熱体10とを備えたセラミックヒータ1のセラミック発熱体10は、U字状の方向変換部10aの頂部10c横断面形状を内径側の面積が大きくなるようにすることで最高温度となる部分を分散させることができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ディーゼルエンジン用のグロープラグに使用されるセラミックヒータ及びそのセラミックヒータが使用されるグロープラグに関する。さらに詳しくは、セラミックヒータ内に配設されたセラミック発熱体による抵抗発熱によってセラミックヒータ表面の最高温度となる部分を先端に近付ける技術に関するものである。
従来より、セラミックグロープラグに使用されるセラミックヒータとして、絶縁性セラミック基体に対し、通電により抵抗発熱するU字状をした方向変換部を有するセラミック発熱体を埋設する構成を有するものが知られている。そして、セラミック発熱体には、その通電のために端部側において線状の電極の一端が埋設されている。このセラミックヒータは、例えば、下記のようにして製造されている。即ち、まず、射出成形等により、焼成後にセラミック発熱体となるU字形の導電性セラミック粉末成形体と電極との一体成形体を作る。このときU字形の部分は、ほぼ同一外径のロッド状に形成されている。一方、これとは別に、上記一体成形体を収容するための凹部がその合わせ面に形成され、焼成後にセラミック基体となる分割予備成形体を、基体セラミック粉末を用いてプレス成形等により作製する。次に上記凹部に一体成形体を収容して分割予備成形体を型合わせした後、これらを金型を用いてプレス・一体化することにより複合成形体を得る。ここで、そのプレス方向は、分割予備成形体の合わせ面とほぼ直角に設定される。こうして得られた複合成形体に対し、上記プレス方向と直角方向、即ち、合わせ面方向に加圧しながら焼成を行うホットプレス処理が施され、さらに得られた焼成体の外周面に研磨を施すことによりセラミックヒータが得られる。
このようにホットプレスされることによって作製されたセラミックヒータは、内部のセラミック発熱体がホットプレス時のプレス方向に潰れた形状になる。しかし、U字状の方向変換部の頂部は、プレス方向が断面に対して垂直方向であるために、焼成前の導電性セラミック粉末成形体の形状と相似形になる。つまり、焼成前は、U字形のロッド状に形成されているため、ホットプレス焼成後においても円形を保つことになる。
上述したような従来のセラミックヒータ内部におけるセラミック発熱体の発熱状態をFEM解析したところ、U字状の方向変換部の頂部内径側において局所的な微小部分に集中発熱していることが分かり、U字状の方向変換部の頂部中間から外径側においてはまったくと言って良いほどに発熱していないことが分かった。このため、セラミックヒータ表面は、最高温度となる部分が先端ではなく、線状の電極の一端が埋設された端部側に寄った部分が最高温度になっていたのである。その結果、セラミックヒータ先端の昇温特性が若干劣っていたり、無駄な電力を消費したり、局所的な微小部分で発熱が集中するためにその部分でクラックが発生する可能性が高くなることから耐久性の上で問題が生じることが予想される。
一例として、従来のセラミックヒータの先端温度分布を、FEM解析によって算出した結果を図14及び図15に示す。図15は、セラミックヒータ内部の断面をとったときの単位体積あたりの発熱量分布を示したものであって、発熱の低い部分を黒で表し、白くなるほど発熱量が多くなっていることを表している。この解析結果によると、頂部の内径側のみが発熱することによって、この部分から熱が各部に拡散していくものと考えられる。また、図14は、横軸をセラミックヒータの最先端位置0として、この位置から端部方向に表面に沿った距離を示し、縦軸をその距離における温度を示したものである。この解析結果から上述したように、セラミックヒータ表面の最高温度となる部分が先端ではなく、端部側に寄った部分であることが分かる。
本発明の課題は、セラミックヒータ内に配設されたセラミック発熱体の局所的な発熱を防止でき、セラミックヒータの先端表面が最高温度になる優れた耐久性を有するセラミックヒータ及びその様なセラミックヒータを使用するグロープラグを提供することにある。
第1の発明のセラミックヒータは、軸線方向棒状のセラミック基体と、該セラミック基体の内部に埋設され、自身の端部側から通電されることにより抵抗発熱するセラミック発熱体とを備えたセラミックヒータにおいて、前記セラミック発熱体は、U字状の方向変換部を備えるとともに、該方向変換部の頂部横断面形状は、幅bと厚みcとが、b>cの関係を満足することを特徴とする。
従来構造のセラミックヒータが上述したような温度分布になっているのは、以下のようなことが原因と考えられる。即ち、セラミックヒータに設けられた電極部に電圧を印加すると、セラミック発熱体中を電流が流れる。しかし、この電流は、セラミック発熱体の断面全体にわたって均一に流れるわけではなく、セラミック発熱体中の抵抗の低い部分を集中して流れることになる。図15に示すセラミック発熱体のうち直線状の部分100bは、ほぼ均一に電流が流れる。しかし、方向変換部100aの頂部100c付近においては、外径側はセラミック発熱体内でも経路が長いために抵抗値が高くなることから、外径側には電流が流れ難い。この結果、経路の短い、即ち、抵抗値の低い内径側に電流が集中して流れてしまうものと考えられる。従来構造のセラミックヒータ内に配設されたセラミック発熱体は、頂部100c付近の断面形状が円形であるため、上述したような抵抗値の低い内径側に電流が集中するのである。
従って、第1の発明のように方向変換部の頂部横断面形状を、幅bと厚みcとが、b>cの関係を満足する様な構成にすることによって、抵抗値の低い内径側の面積を増大させることができるのである。この部分の面積を増大させることができるため、電流の集中を分散させることができる。この結果、局所的な発熱を緩和することができるために、熱の拡散性も良くなり、セラミックヒータ先端の昇温特性を改善することができるとともに、無駄な電力消費を抑制することもできる。また、局所的な微小部分での発熱を緩和できることから、その部分でクラックの発生を防止することができる。なお、本明細書において頂部とは、図3に示すようにU字状のセラミック発熱体を正面から見た場合に、U字幅Hの中心を基準にしてH×3%の部分を言うものとする。
次に、第2の発明のセラミックヒータは、方向変換部の頂部における厚みcと方向変換部の端部側の厚みc’とが、c<c’の関係を満足することを特徴とする。このような構成にすることによって、頂部外径側の発熱していない部分をなくすことができる。従って、頂部内径側の発熱する部分をセラミックヒータのより先端側に配置することができる。この結果、従来構造のセラミックヒータに比べて、最高温度となる位置をより先端に近付けることができるため、セラミックヒータ先端の昇温特性を向上させることができる。
先端が細径に形成されたセラミックヒータの先端内に、セラミック発熱体の方向変換部の頂部が位置するように配置されたセラミックヒータは、上述のようなセラミック発熱体の抵抗発熱によって、細径に形成された部分がこのセラミックヒータ表面の最高温度となる。従って、セラミックヒータ先端の昇温特性を改善できるとともに、無駄な消費電力を抑制することができる。
上述したような、セラミックヒータをディーゼルエンジン用のグロープラグに用いれば、ディーゼルエンジンへの着火特性を改善することが可能になる。このセラミックヒータ表面の最高温度となる部分が最先端であるとより好ましい。
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係るセラミックヒータを使用したグロープラグを、その内部構造とともに示す。即ち、セラミックグロープラグ50は、その一端側に設けられたセラミックヒータ1と、セラミックヒータ1の曲面状に形成された先端2側が突出するようにその外周面を覆う金属製の外筒3、さらにその外筒3をその外側から覆う筒状の金属ハウジング4等を備えている。そして、セラミックヒータ1と外筒3との間及び外筒3と金属ハウジング4との間は、それぞれろう付けにより接合されている。また、セラミックヒータ1の後端部には、金属線により両端が弦巻ばね状に形成された結合部材5の一端が外側から嵌合するとともに、その他端側は、金属ハウジング4内に挿通された金属軸6の一方の端部に嵌着されている。そして、金属軸6の他方の端部側は金属ハウジング4の外側へ延びるとともに、その外周面に形成されたネジ部6aにナット7が螺合し、これを金属ハウジング4に向けて締め付けることにより、金属軸6が金属ハウジング4に対して固定されている。また、ナット7と金属ハウジング4との間には絶縁ブッシュ8が嵌め込まれている。そして、金属ハウジング4の外周面には、図示しないエンジンブロックにセラミックグロープラグ50を固定するためのネジ5aが形成されている。
セラミックヒータ1は、円柱状の直棒14部分の先端2を曲面状に形成することによって、直棒14部分に対し細径に形成されている。また、セラミックヒータ1は、図2に示すように、一方の端部から延びた後方向変換して他方の端部へ至る方向変換部10aと、その方向変換部10aの各端部から同方向に延びる2本の直線部10bとを有するU字状のセラミック発熱体10を備え、その各両端部にロッド状の電極部11及び12の先端部が埋設される。一方、セラミック発熱体10は、図3にその全体図及び図7に頂部10cで断面をとった場合の半断面図に示すような形状をしており、方向変換部10aと直線部10bとの接続部分において最も断面積が小さくなっている。この方向変換部10aと直線部10bとの接続部における幅b’及び厚みc’に対して、頂部10cに向かうに従って幅が大きく、かつ厚みが薄くなる形状になっている。そして、頂部10cでは、ほぼ菱形の頂点をR状にした断面形状をしている。
なお、本実施形態では、方向変換部10aと直線部10bとの接続部における幅b’及び厚みc’はそれぞれb’=1.2mm、c’=0.8mmに設定してある。また、直線部10bにおける幅b”及び厚みc”はそれぞれb”=2mm、c”=1.2mmに設定してある。さらに、本実施形態では、頂部10cでの断面形状の頂点をR状にしたほぼ菱形の形状に形成したが、楕円形としても良い。電圧印加の初期にセラミックヒータ1の表面での温度がオーバーシュート特性を持つように、方向変換部10aの断面積は直線部10bよりも小さくされているが、方向変換部10aと直線部10bは、断面積が互いに等しくなるように形成することもできる。
このセラミック発熱体10は、その頂部10cがセラミックヒータ1のセラミック基体13の曲面状に形成された先端2内に位置するように配置されている。なお、頂部10cは、セラミック基体13の最先端から1〜3mmの範囲、望ましくは0.5〜3mmの範囲で設定されている。また、各電極部11及び12は、セラミック基体13中においてセラミック発熱体10から離間する方向に延びるとともに、その一方のもの(12)は外筒3内において、他方のもの(11)はセラミック基体13の他方の端部近傍において、それぞれの後端部がセラミック基体13の表面に露出して、露出部12a及び11aを形成している。そして、セラミック発熱体10に埋設された各先端11b及び12bは、外筒3の端面3aよりも該外筒3側に入り込むように配置されている。該先端から外筒3の端面3a間での距離が2〜20mm、望ましくは3〜20mmの範囲で設定され
ている。
セラミック発熱体は、導電性を有するセラミックス、例えば炭化タングステン(WC)、珪化モリブデン(MoSi2)、タングステン(W)、珪化タングステン(WSi2)などの低抵抗材料と窒化珪素(Si3N4)などの絶縁性材料との複合物等により構成されるが、炭化珪素(SiC)などの半導体セラミックスを使用することもできる。また、電極部11及び12はタングステン(W)あるいはタングステン−レニウム(Re)等の高融点金属材料合金で構成される。なお、電極部11及び12は、セラミック発熱体10を構成する材料群から選ばれた前述の低抵抗材料によって構成しても良い。この場合、電極部11及び12は少なくともセラミック発熱体10よりも抵抗値を低く設定する。また、本実施形態ではセラミック発熱体10の両端部側に電極部11及び12を接続したが、セラミック発熱体10の両端部を直接セラミック基体13の表面に露出させて導通させるようにしても良い。一方、セラミック基体13は、主に絶縁性のセラミックス、例えばアルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、ジルコニア(ZrO2)、チタニア(TiO2)、マグネシア(MgO)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、ジルコン(ZrO2・SiO2)、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、窒化珪素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)等により構成される。
図2において、セラミック基体13の表面には、その電極部12の露出部12aを含む領域を除いた部分にガラス(図示せず)を焼き付け、そのガラス層を介して、セラミック基体13と外筒3とがろう付けにより接合される。一方、電極部12は、ろう付け時に、露出部12aとろう材とが直接接合されるため、外筒3と導通している。また、電極部11の露出部11aを含む領域にも結合部材5がろう付けされている。このように構成することで、図示しない電源から、金属軸6(図1)、結合部材5及び電極部11を介してセラミック発熱体10に対して通電され、さらに電極部12、外筒3、金属ハウジング4(図1)、及び図示しないエンジンブロックを介して接地される。この通電により、セラミック発熱体10は抵抗発熱することとなる。なお、本実施形態では電極部12を外筒3内で露出部12aを形成させたが、外筒3外におけるセラミック基体13中央部で露出部12aを形成し、コイル状の結合部材を介して外筒3にろう付けさせて導通するようにしても良い。
ここで、電極部11及び12の各先端11b及び12bが、外筒3の端面3aよりも該外筒3側に入り込むように配置することで、電極部11及び12とセラミック発熱体10との界面部分Pが、セラミックヒータの通電発熱やエンジンからの被熱により膨張/収縮しやすい外筒3の端面近傍部から離れて位置することとなり、上記膨張/収縮に伴う外筒3からの圧縮応力が、該界面部分Pに作用しにくくなる。その結果、該界面部分Pの近傍においてセラミック発熱体10にクラック等が発生することを防止ないし抑制することができる。ここで、電極部11及び12の各先端11b及び12bから外筒3の端面3aまでの距離lが2mm未満になると、上記効果が達成されなくなる場合がある。距離lはより望ましくは3mm以上に設定するのがよい。一方、距離lが20mmを超過した場合は、セラミック発熱体10の外筒3内に存在する長さが長くなり、外筒3とセラミックヒータ1とを接合しているろう材が、発熱体10からの発熱を過度に受けて溶融・流出する等の問題が生ずる場合がある。それ故、距離lは20mm以下に設定される。
セラミックヒータ1は、例えば下記のような方法により製造することができる。まず、図4(a)に示すように、セラミック発熱体10に対応したU字形状のキャビティ32を有した金型31に対して電極材30を、その端部が該キャビティ32内に入り込むように配置する。そして、その状態で、導電性セラミック粉末とバインダとを含有するコンパウンド33を射出することにより、同図(b)に示すように、電極材30とU字状の導電性セラミック粉末成形部34とが一体化された一体射出成形体35を作成する。なお、焼成後に直線部10bとなる部分34bは、断面形状をほぼ円形に形成してある。
一方これとは別に、セラミック基体13を形成するセラミック粉末を予め金型プレス成形することにより、図5(a)に示すような、上下別体に形成された予備成形体36及び37を用意しておく。これら予備成形体36及び37は、セラミック基体13を、その軸線とほぼ平行な断面により2分割したと仮定した場合の、その各分割部に対応する形状に形成されており、各々その分割部に相当する部分に、上記一体成形体35に対応した形状の凹部38が形成されている。そして、この凹部38に一体射出成形体35を収容し、上下の予備成形体36及び37を型合わせするとともに、その状態でこれら予備成形体36,37及び一体射出成形体35をさらに金型を用いてプレス・一体化することにより、図5(b)に示すような、複合成形体39を作成する。
こうして得られた複合成形体39は、まず射出成形による導電性セラミック粉末成形部34あるいは予備成形体36及び37からバインダ成分を除去するために仮焼され、続いて図6(a)に示すように、グラファイト等で構成された成形機40の間で加圧しながら所定の温度でホットプレス焼成を行うことにより、同図(b)に示すような焼成体41となる。このとき、図5(b)に示す導電性セラミック粉末成形機34がセラミック発熱体10を、予備成形体36及び37がセラミック基体13を、さらに電極材30が電極部11及び12をそれぞれ形成することとなる。その後、焼成体41の外面に、必要に応じて研磨等の加工を施すことにより、図2に示すようなセラミックヒータ1が得られる。
(実施例)
次に本発明の効果を示すための実験例について説明する。試料No.(1)〜(3)、(7)は本発明に係る実施例であり、No.(8)は本実施例との効果の差を確認するための比較品である。試料No.(1)〜(3)は、頂部10cの断面形状が楕円の場合の実施例であり、試料No.(7)は、ほぼ菱形の頂点をR状にした断面形状の場合の実施例を示す。尚、試料No.(4)〜(6)は、図9に示す断面形状にした場合の参考例である。そして、幅bと厚みc、及び試料(4)〜(7)の場合にはその幅bの中央60%の範囲における基部側輪郭線の挟角αを種々の形状のものを用意した。なお、試料No.(1)〜(3)は、図10に、試料No.(4)〜(6)は、図9に、試料No.(7)は、図8にその頂部における断面形状の拡大図を示す。これらの図面には、それぞれ基端側輪郭線10dの中央で接するように接線20と仮想円21及び幅の中央60%の範囲を示す仮想線22を点線で示してある。
試料No.(4)〜(7)は、頂部10cの横断面形状は、その幅の中央60%の範囲における基部側輪郭線10dが2本の直線によって形成されている。この2本の直線の挟角αは、試料No.(4)、(5)及び試料No.(7)は、160゜≦α<180゜に形成され、試料No.(6)は、α=156゜<160゜に形成されている。
なお、比較品である試料No.(8)の頂部の断面形状は図11に示すような円形の断面形状である。従って、幅bと厚みcは、いずれも直径と同一になる。また、この断面における幅b、即ち、直径と基部側の幅b’とは同一であり、この断面における厚みc、即ち、直径と基部側の厚みc’とは同一である。これらの各試料に付いて、昇温特性、消費電力、通電耐久の各試験を行った結果を図12に示す。また、この図12には、接線20と幅bの中央60%の範囲を示す仮想線22と基端側輪郭線10dとで囲まれる面積Aと、接線20と幅bの中央60%の範囲を示す仮想線22と仮想円21とで囲まれる面積A’とを同時に示してある。
これらの試験結果から、幅bが大きく、厚みcが薄い試料(7)が各試験とも最も良好な結果を示していることが分かる。なお、各試験の試験方法を下記に示す。昇温特性試験:通電開始から60秒経過後に、曲面状に形成された先端2の温度が1350℃となる電圧を印加した場合に、印加開始から3秒経過後の先端2の温度を計測する。この場合において、800℃以上850℃未満の範囲を可(△)、850℃以上900℃未満の範囲を良(○)、900℃以上を優(◎)として判断した。消費電力試験:温度定常時に、曲面状に形成された先端2の温度が1350℃となる電圧を印加した場合の温度定常時の消費電力を計測する。この場合において、80W以上を並(×)、75W以上80W未満の範囲を可(△)、70W以上75W未満の範囲を良(○)、70W未満の範囲を優(◎)として判断した。通電耐久試験:温度定常時に、曲面状に形成された先端2の温度が1350℃となる電圧で、1分通電、1分通電遮断し、通電遮断時エアーにて強制冷却するサイクルを1サイクルとして耐久試験を行った場合に、セラミック発熱体の抵抗値上昇等の要因で先端2の温度が1300℃以下になるまでのサイクル数を測定する。この場合において、15000サイクル以上20000サイクル未満の範囲(7) 特開2001−241660を並(×)、20000サイクル以上25000サイクル未満の範囲を可(△)、25000サイクル以上30000サイクル未満の範囲を良(○)、30000サイクル行っても異常のないものを優(◎)として判断した。
これらの試験結果から、以下のことが確認された。
1.幅bと厚みcとが、b>cの関係を満足する試料No.(1)〜(3)及び試料No.(7)は比較例である試料No.(8)と比較して、通電耐久性に優れていることが分かる。
2.幅bよりも基部側の幅b’がb>b’の関係を満足する試料No.(1)及び試料No.(7)は比較例である試料No.(8)と比較して、通電耐久性に優れていることが分かる。
3.面積Aと、面積A’とが、A’>Aの関係を満足する試料No.(1)〜(7)は比較例である試料No.(8)と比較して、通電耐久性に優れていることが分かる。
4.幅bの中央60%の範囲における基部側輪郭線が単数又は2本の直線によって形成されている試料No.(4)〜(7)の内、挟角αが、160゜≦α≦180゜である試料No.(4)、(5)及び試料No.(7)は、挟角αが、156゜となる試料(6)と比較して更に通電耐久性が向上していることが分かる。
5.厚みcよりも基部側の厚みc’がc<c’の関係を満足する試料No.(2)、(3)及び試料No.(7)は比較例である試料No.(8)と比較して、通電耐久性に優れているとともに、セラミック発熱体の最高温度部をセラミック基体の更に最先端側に配置することができることから、昇温特性も向上していることが分かる。また、消費電力も更に低減できている。
6.幅bと厚みcとが、b>cの関係を満足し、幅bよりも基部側の幅b’がb>b’の関係を満足し、面積Aと、面積A’とが、A’>Aの関係を満足し、挟角αが、160゜≦α≦180゜であり、厚みcよりも基部側の厚みc’がc<c’の関係を満足する試料No.(7)は、昇温特性、消費電力、通電耐久性ともに最も良好であることが分かる。
次に、通電耐久性、消費電力、昇温特性ともに最も良好な試料No.(7)と、比較例である試料No.(8)について、温度定常時に曲面状に形成された先端2の温度が1350℃となる電圧を印加した場合における温度定常時の温度分布を測定した結果を図13に示す。この図13は、横軸をセラミックヒータの最先端位置を0として、この位置から基部方向に表面に沿った距離を示し、縦軸をその距離における温度を示したものである。なお、この図13中の記号Pは、セラミックヒータ1における先端2と直棒14との境界の位置を示す。この結果、試料No.(7)は、セラミックヒータの最先端の温度が最も高く、基部側に向かうに従って温度が低くなっていることが分かる。これに対して比較例である試料No.(8)は、セラミックヒータ表面の最高温度となる部分が先端2になく、基部側に寄った位置であることが分かる。
本発明のグロープラグの一例を示す正面部分断面図である。 そのセラミックヒータの正面断面図である。 セラミック発熱体の全体図である。 セラミックヒータの製造工程説明図である。 図4に続く工程説明図である。 図5に続く工程説明図である。 本発明に係るセラミック発熱体を頂部で断面としたときの半断面図である。 本発明に係るセラミック発熱体の頂部拡大図である。 本発明の参考例に係るセラミック発熱体の頂部拡大図である。 本発明の他の実施例に係るセラミック発熱体の頂部拡大図である。 本発明の比較例に係るセラミック発熱体の頂部拡大図である。 本発明の実験結果を示す図面である。 本発明の実施例及び比較例に係るセラミックヒータの温度分布を示す図面である。 従来のセラミックヒータの温度分布を示す図面である。 従来のセラミックヒータの断面における温度分布をFEM解析によって求めた図面である。
符号の説明
1 セラミックヒータ
2 先端
10 セラミック発熱体
10a 方向変換部
10b 直線部
10c 頂部
10d 基端側輪郭線
11 電極部
12 電極部
13 セラミック基体
20 接線
21 仮想円
22 仮想線(幅の中央60%を示す線)
50 セラミックグロープラグ
α 挟角
b 幅
c 厚み

Claims (6)

  1. 軸線方向棒状のセラミック基体と、該セラミック基体の内部に埋設され、自身の端部側から通電されることにより抵抗発熱するセラミック発熱体とを備えたセラミックヒータにおいて、
    前記セラミック発熱体は、U字状の方向変換部を備えるとともに、該方向変換部の頂部横断面形状は、幅bと厚みcとが、b>cの関係を満足することを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 軸線方向棒状のセラミック基体と、該セラミック基体の内部に埋設され、自身の端部側から通電されることにより抵抗発熱するセラミック発熱体とを備えたセラミックヒータにおいて、
    前記セラミック発熱体は、U字状の方向変換部を備えるとともに、該方向変換部の頂部における厚みcと該方向変換部の端部側の厚みc’とが、c<c’の関係を満足することを特徴とするセラミックヒータ。
  3. 前記セラミックヒータは、先端が細径に形成されており、前記セラミック発熱体の前記方向変換部の前記頂部は、前記セラミックヒータの前記先端内に位置するように配置されており、前記セラミック発熱体が抵抗発熱することによって、該セラミックヒータ表面の最高温度となる部分が該先端であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記セラミックヒータ表面の最高温度となる部分が最先端であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
  5. 軸線方向棒状のセラミック基体と、該セラミック基体の内部に埋設され、自身の端部側から通電されることにより抵抗発熱するセラミック発熱体とを備えたセラミックヒータにおいて、
    該セラミックヒータは、先端が細径に形成されており、前記セラミック発熱体が抵抗発熱することによって、該セラミックヒータ表面の最高温度となる部分が該先端であることを特徴とするセラミックヒータ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のセラミックヒータを有するグロープラグ。

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