JP5027536B2 - セラミックヒータ及びグロープラグ - Google Patents

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Description

本発明は、グロープラグ等の着火源等に用いられるセラミックヒータ、及び、これを用いたグロープラグに関する。
ディーゼルエンジンの予熱用に使用されるグロープラグは、近年、特に急速昇温可能なものの需要が増加している。例えば、11Vの印加で2〜3秒程度で1000℃に到達する程の昇温性能が求められている。このような要求を満たすために、例えば特許文献1〜3では、導電性のセラミックである窒化珪素−炭化タングステン複合焼結体により、先端部(発熱部)が高抵抗で、リード部が低抵抗な発熱抵抗体を形成している。
特開2002−203665号公報 特開2002−220285号公報 特開2002−289327号公報
しかしながら、例えば特許文献2に記載されているように、低抵抗化のために炭化タングステンの含有量を増加させると、それに比例して窒化珪素−炭化タングステン複合焼結体からなる発熱抵抗体の熱膨張係数も大きくなるため、窒化珪素質焼結体からなる絶縁基体との熱膨張係数の差も大きくなる。このため、その製造過程や使用過程において、大きな熱応力を受けることとなり、発熱抵抗体と絶縁基体との界面で両者間に隙間が生じる等の不具合が起こりやすくなる。
また、急速昇温を実現するために、発熱抵抗体は、先端の発熱部を細くし、リード部を太くする構造としている。それ故、径大化されたリード部では、製造過程や使用過程で掛かる熱応力も大きくなるため、発熱抵抗体と絶縁基体との界面で隙間が生じる等の不具合が起こりやすい。また、リード部を導電性セラミックで構成するオールセラミックヒータは、タングステンリード線の代替としてリード部が導電性セラミックで形成されるため、タングステンリード線を使用するヒータに比して発熱抵抗体の全長が長くなる。このために、製造過程や使用過程でこの発熱抵抗体に掛かる熱応力も大きくなりがちである。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、製造過程や使用過程において発熱抵抗体と絶縁基体との界面で両者間に隙間が生じる等の不具合が起こりにくいセラミックヒータ及びこれを用いた信頼性の高いグロープラグを提供することを目的とする。
このために、軸線方向に延びる形態をなし、通電により自身の先端部が発熱するセラミックヒータであって、絶縁性のセラミックからなり、前記軸線方向に延びる形態をなす絶縁基体と、導電性のセラミックからなり、前記絶縁基体に埋設されてなる発熱抵抗体と、を備え、前記発熱抵抗体は、前記絶縁基体の先端部に埋設され、基端側から先端側に延び、方向転換した後、再び基端側に延びる形態をなし、通電により発熱する発熱部と、この発熱部の基端にそれぞれ接続し、前記軸線方向の基端側に延びる形態をなす一対のリード部と、この一対のリード部にそれぞれ接続すると共に、径方向外側に延びて外部に露出してなる一対のリード取出部と、を含み、前記軸線方向に直交する前記セラミックヒータの断面のうち、前記リード部が存在する任意の断面において、前記セラミックヒータの断面積をSaとし、一対の前記リード部の断面積の合計をS1としたときに、式 S1≧0.15Saを満たしてなるセラミックヒータとするのも好ましい
絶縁性のセラミックからなる絶縁基体と導電性のセラミックからなる発熱抵抗体とでは、熱膨張係数が異なるため、セラミックヒータの製造過程や使用過程において熱応力が掛かることにより、絶縁基体と発熱抵抗体との界面で両者間に隙間が生じる等の不具合が発生しやすい。
これに対し、セラミックヒータの断面積をSaとし、一対のリード部の断面積の合計をS1としたときに、リード部の合計断面積S1を小さく、具体的には0.34Sa以下、更には0.25Sa以下とすることにより、絶縁基体と発熱抵抗体との界面に掛かる応力を小さくできる。
一方、リード部の合計断面積S1が0.15Sa未満となると、発熱抵抗体のリード部が細くなり過ぎるために、発熱抵抗体(リード部)自身の強度が低下し、クラック等が発生するおそれが増大する。
これに対し、上述のセラミックヒータでは、リード部の合計断面積S1を、0.15Sa以上と大きくしているので、発熱抵抗体のリード部を十分な太さとし、リード部自身の強度を高く保つことができるので、リード部にクラック等が発生することを抑制できる。
「発熱抵抗体」は、導電性セラミックからなるものであればよく、例えば導電成分と絶縁成分とから構成される導電性のセラミックが挙げられる。導電成分としては、W、Ta、Nb、Ti、Mo、Zr、Hf、V、Cr等から選ばれる1種類以上の金属元素の珪化物、炭化物、窒化物等が挙げられる。また、絶縁成分としては、例えば窒化珪素が挙げられる。
また、「絶縁基体」は、絶縁性のセラミックからなるものであればよく、例えば窒化珪素質焼結体が挙げられる。この窒化珪素質焼成体としては、窒化珪素のみからなるものでもよいし、窒化珪素を主成分とし、これに少量の窒化アルミニウム、アルミナ等が含有されるものでもよい。
そしてその解決手段は、軸線方向に延びる形態をなし、通電により自身の先端部が発熱するセラミックヒータであって、絶縁性のセラミックからなり、前記軸線方向に延びる形態をなす絶縁基体と、導電性のセラミックからなり、前記絶縁基体に埋設されてなる発熱抵抗体と、を備え、前記発熱抵抗体は、前記絶縁基体の先端部に埋設され、基端側から先端側に延び、方向転換した後、再び基端側に延びる形態をなし、通電により発熱する発熱部と、この発熱部の基端にそれぞれ接続し、前記軸線方向の基端側に延びる形態をなす一対のリード部と、この一対のリード部にそれぞれ接続すると共に、径方向外側に延びて外部に露出してなる一対のリード取出部と、を含み、前記軸線方向に直交する前記セラミックヒータの断面が円状、楕円状または長円状を有する形態をなし、前記断面のうち、前記リード部が存在する任意の断面において、この断面の中心を通る仮想直線のうち、この仮想直線に沿って測った一対の前記リード部同士の間隙が最小となる線分を含む仮想直線を最小仮想直線として、この最小仮想直線と一方の前記リード部の周縁とが交わる点のうち前記中心側の点をA点とし、この最小仮想直線と他方の前記リード部の周縁とが交わる点のうち前記中心側の点をE点とし、この断面の中心を中心とし、この断面の長径の2分の1の直径を有する仮想円を描いて、この仮想円と一方の前記リード部の周縁とが交わる点をB点及びC点とし、この仮想円と他方の前記リード部の周縁とが交わる点をF点及びG点としたときに、線分ABと線分ACとのなす角α及び線分EFと線分EGとのなす角βが、共に160度以上175度以下であるセラミックヒータである。
線分ABと線分ACとのなす角αまたは線分EFと線分EGとのなす角βが、160度未満である場合、製造過程や使用過程で、絶縁基体と発熱抵抗体(リード部)との界面のうち、特にA点、E点付近に応力が集中しやすくなる。このため、A点、E点付近において、発熱抵抗体と絶縁基体との界面で両者間に隙間が生じる等の不具合が起こりやすくなる。
一方、線分ABと線分ACとのなす角αまたは線分EFと線分EGとのなす角βが、175度を超える場合、焼成前の発熱抵抗体を射出成形する際、発熱抵抗体の型抜きが困難になるおそれがある。
これに対し、本発明では、線分ABと線分ACとのなす角α及び線分EFと線分EGとのなす角βを160度以上としているので、A点、E点付近に応力が集中することを抑制できる。従って、絶縁基体とリード部との界面、特にA点、E点付近において隙間が生じる等の不具合を、効果的に防止できる。
また、線分ABと線分ACとのなす角α及び線分EFと線分EGとのなす角βを175度以下としているので、焼成前の発熱抵抗体を射出成形する際に、発熱抵抗体の型抜きを確実に行うことができる。
更に、上記のセラミックヒータであって、前記軸線方向に直交する前記セラミックヒータの断面のうち、前記リード部が存在する任意の断面において、前記セラミックヒータの断面積をSaとし、一対の前記リード部の断面積の合計をS1としたときに、式 S1≧0.15Saを満たしてなるセラミックヒータとすると良い。
前述したように、リード部の合計断面積S1が0.15Sa未満となると、発熱抵抗体のリード部が細くなり過ぎるために、発熱抵抗体(リード部)自身の強度が低下し、クラック等が発生するおそれが増大する。
これに対し、本発明では、リード部の合計断面積S1を、0.15Sa以上と大きくしているので、発熱抵抗体のリード部を十分な太さとし、リード部自身の強度を高く保つことができるので、リード部にクラック等が発生することを抑制できる。
また、他の解決手段は、上記のセラミックヒータを備えるグロープラグである。
本発明のグロープラグでは、前述したように使用過程で絶縁基体と発熱抵抗体との界面に隙間が生じる等の不具合が起こりにくいセラミックヒータを用いるので、信頼性の高いグロープラグとすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態のグロープラグ100の縦断面図を示す。また、図2に本実施形態のセラミックヒータ110の縦断面図を示す。更に、図3及び図4にセラミックヒータ110の軸線AX方向に直交する断面のうち、リード部117,117が存在する部分の断面(図2のA−A断面)を示す。
このグロープラグ100は、軸線AX方向に延びる形態をなし、セラミックからなるセラミックヒータ110と、このセラミックヒータ110の基端側を覆って保持する筒状の主体金具150とを備える。セラミックヒータ110は、後述するように、使用過程で発熱抵抗体115と絶縁基体111との界面に隙間が生じる等の不具合が起こりにくくされているので、このグロープラグ100は信頼性が高い。
セラミックヒータ110は、固定筒120を介して主体金具150の貫通孔150h内に保持されると共に、通電により発熱する先端部110s側が主体金具150の先端部150sから突出している。セラミックヒータ110は、図2に示すように、軸線AX方向に延びる円柱状で先端(図2中、下端)が半球状に丸められた絶縁基体111と、この絶縁基体111の内部に軸線AX方向に沿って埋設された発熱抵抗体115とを有する。
絶縁基体111は、絶縁性のセラミックである窒化珪素質焼結体により形成されており、直径Dが3.3mm、軸線AX方向の長さが42mmである。また、この絶縁基体111の室温における熱膨張係数は3.2ppm/℃である。
発熱抵抗体115は、導電性のセラミックである窒化珪素−炭化タングステン複合焼結体により形成されており、発熱部116と一対のリード部117,117と一対のリード取出部118a,118bとからなる。この発熱抵抗体115の軸線AX方向の全長Lは、40.0mmである。また、この発熱抵抗体115に含まれる窒化珪素粒子の平均粒径は、0.6μmである。また、この発熱抵抗体115の室温における熱膨張係数は3.8ppm/℃である。このため、絶縁基体111と発熱抵抗体115との室温における熱膨張係数の差は、0.6ppm/℃である。
このうち発熱部116は、図2中の破線BLよりも先端側(下方)の部分であり、絶縁基体111の先端部111sに埋設され、基端側(図2中、上方)から先端側(図2中、下方)に延び、方向転換した後、再び基端側に延びる形態をなし、通電により高温に発熱する。この発熱部116は、高抵抗とするため、リード部117,117よりも細く形成されている。
次に、リード部117,117について説明する。リード部117,117は、発熱部116の基端116k,116kにそれぞれ接続し、軸線AX方向の基端側に同じ太さ(同じ断面積)で延びる形態をなす。リード部117,117は、低抵抗とするため、発熱部116よりも太く形成されている。図3に示す、図2におけるA−A断面(軸線AX方向に直交する断面)から判るように、リード部117,117は、その断面が概略楕円形状であり、絶縁基体111の中心gを含む仮想の直線tlに対して、互いに対向する対称形をなす。
このセラミックヒータ110の断面全体の面積Saは、8.55mm2 である。一方、リード部117,117の合計断面積S1は、1.68mm2 である。従って、このセラミックヒータ110は、S1=0.20Saであるから、式 S1≦0.34Saを満たし、更には、式 S1≦0.25Saを満たしている。一方、このセラミックヒータ110は、式 S1≧0.15Saも満たしている。
前述したように、絶縁基体111(熱膨張係数3.2ppm/℃)と発熱抵抗体115(熱膨張係数3.8ppm/℃)とでは、室温における熱膨張係数の差が0.6ppm/℃以上であるため、セラミックヒータ110の製造過程や使用過程において熱応力が掛かることにより、絶縁基体111と発熱抵抗体115との界面で両者間に隙間が生じる等の不具合が発生しやすい。
しかし、本実施形態では、リード部117,117の合計断面積S1を、式 S1≦0.34Sa、更には、式 S1≦0.25Saを満たすように小さくしている。このようにリード部117,117の断面積S1を小さくすることにより、製造過程や使用過程で絶縁基体111とリード部117,117との界面に掛かる応力が小さくなる。従って、絶縁基体111とリード部117,117との界面において、従来よりも両者間に隙間が生じる等の不具合が起こりにくくなる。
その一方で、本実施形態では、リード部117,117の合計断面積S1を、式 S1≧0.15Saを満たすようにしているので、製造過程や使用過程で発熱抵抗体115(リード部117)自体にクラック等が発生してしまうことを抑制でき、良好な発熱抵抗体とすることができる。
また、このセラミックヒータ110の断面において、この断面の中心gを通る仮想直線のうち、この仮想直線に沿って測った一対のリード部117,117同士の間隙が最小となる線分を含む仮想直線を最小仮想直線klとする。そして、この最小仮想直線kl上における、一対のリード部117,117同士の間隙をa、一対のリード部117,117のそれぞれの寸法をb,cとする。本実施形態では、この間隙a(絶縁基体111のうちリード部117,117に挟まれた部分111mの最小厚み)は、0.43mmである(a=0.43mm)。また、各リード部117,117の寸法b,cは、共に1.00mmである(b=c=1.00mm)。また、絶縁基体111のうち、リード部117,117の径方向外側に位置しリード部117,117を覆う部分111n,111nの肉厚(最小仮想直線kl上における肉厚)d,eは、共に0.435mmである(d=e=0.435mm)。
また、このセラミックヒータ110の断面において、別途図4に示すように、最小仮想直線klと一方(図中、左側)のリード部117の周縁117yとが交わる点のうち中心g側の点をA点とし、最小仮想直線klと他方(図中、右側)のリード部117の周縁117yとが交わる点のうち中心g側の点をE点とする。また、この断面において、この断面の中心gを中心とし、この断面の直径D(3.3mm)の2分の1の直径DK(1.65mm)を有する仮想円kcを描く。そして、この仮想円kcと一方(図中、左側)のリード部117の周縁117yとが交わる点をB点及びC点とし、この仮想円kcと他方(図中、右側)のリード部17の周縁117yとが交わる点をF点及びG点とする。更に、線分ABと線分ACとのなす角をαとし、線分EFと線分EGとのなす角をβとする。本実施形態のセラミックヒータ110では、線分ABと線分ACとのなす角α、及び、線分EFと線分EGとのなす角βは、共に160度以上175度以下(具体的にはそれぞれ170度)となる。
線分ABと線分ACとのなす角αまたは線分EFと線分EGとのなす角βが、160度未満である場合、製造過程や使用過程で、絶縁基体111とリード部117,117との界面のうち、特にA点、E点付近に応力が集中しやすくなる。このため、A点、E点付近において、絶縁基体111とリード部117,117との界面で両者間に隙間が生じる等の不具合が起こりやすくなる。一方、角αまたは角βが、175度を超える場合、後述するように焼成前(未焼成)の発熱抵抗体115を射出成形する際、発熱抵抗体115の型抜きが困難になるおそれがある。
これに対し本実施形態では、角α及び角βを160度以上としているので、A点、E点付近に応力が集中することを抑制できる。従って、絶縁基体111とリード部117,117との界面、特にA点、E点付近において隙間が生じる等の不具合を、効果的に防止できる。また、角α及び角βを175度以下としているので、後述するように焼成前の発熱抵抗体115を射出成形する際に、発熱抵抗体115の型抜きを確実に行うことができる。
次に、リード取出部118a,118bについて説明する(図2参照)。リード取出部118a,118bは、一対のリード部117,117にそれぞれ接続すると共に、径方向外側に延びて外部に露出している。リード取出部118a,118b同士は、軸線AX方向に見て、互いに5mmの間隙Kをあけて配設されている。先端側(図1、図2中、下方)に位置する一方のリード取出部118aは、固定筒120を介して主体金具150に電気的に接続している。一方、基端側(図1、図2中、上方)に位置する他方のリード取出部118bは、後述するように、リードコイル153を介して通電端子151に電気的に接続している。
(実施例)
本実施形態の効果を検証するために、本発明に係る実施例1〜11として、リード部117,117の合計断面積S1を0.15Sa〜0.34Saの範囲で異ならせると共に、線分ABと線分ACとのなす角α及び線分EFと線分EGとのなす角βを異ならせて、11種類のセラミックヒータ110を製造した。具体的には、表1に示すように、リード部117,117の合計断面積S1を、0.15Sa、0.25Sa、0.30Sa、0.34Sa(なお、Saは前述の値と同様で8.55mm2 )とした。また、角α及び角βを、140度、150度、160度、170度、175度とした。
なお、各々のセラミックヒータ110のリード部117,117同士の間隙aは1.0mmとした。
そして、各々のセラミックヒータ110について、通電耐久試験を行った。具体的には、この通電耐久試験は、室温下において、直流電源をセラミックヒータ110に接続し、セラミックヒータ110の表面温度が2秒間で1450℃に達するように電圧を調整して印加・加熱し、その後、30秒間の空冷により室温まで冷却する。これを1サイクルとして、発熱抵抗体115が破損するまでのサイクル数を測定した。
Figure 0005027536
その結果、通電耐久試験において、角α及び角βをそれぞれ170度とした実施例1,3,6及び10では、断面積S1を0.15Sa〜0.34Saの範囲で変更しているが(具体的には、実施例1ではS1=0.15Sa、実施例3ではS1=0.25Sa、実施例6ではS1=0.30Sa、実施例10ではS1=0.34Sa)、いずれも通電耐久性が良好であった。具体的には、通電耐久試験のサイクル数は、実施例1では55128サイクル、実施例3では28056サイクル、実施例6では19520サイクル、実施例10では17503サイクルであった。
なお、実施例1がとりわけ良好な結果を示していることは、断面積S1がこの4サンプル中、最も小さく残留応力が最も小さいためであると推測される。また、発熱抵抗体115の成形において容易に作成し得る範囲内で、角α及び角βの角度をそれぞれ175度と大きくした実施例11では、通電耐久試験のサイクル数が19087と、同じ断面積S1を有する実施例10に比して、更に良好な結果が得られた。
ここで、角α及び角βがそれぞれ170度である場合における通電耐久試験の結果を評価基準とする。そして、それぞれ同一の断面積S1を有するサンプルにおいて、角α及び角βの角度が170度の場合に対し通電耐久性がどの程度であったかを示したものが、表中の「通電耐久比」である。
この通電耐久比によると、角α及び角βをそれぞれ160度とした実施例5及び9では、基準(170度のもの)に対して8割程度の通電耐久性を保持していた。これに対し、角α及び角βをそれぞれ140度とした実施例2,4及び7、並びに、角α及び角βをそれぞれ150度とした実施例8では、基準に対して大幅に通電耐久性が低下してしまっている。このことから、角α及び角βは成形上問題のない範囲で大きくすることが好ましいが、その下限値は通電耐久性の観点から160度以上であると良いことが確認される。
なお、断面積S1が0.25Sa、角α及び角βがそれぞれ140度である実施例2が、実施例4及び7に比較して通電耐久比の低下度合いが著しいのは、この角α及び角βが通電耐久性に与える影響度が断面積S1の小さいものに対してより顕著である傾向を示すものである。
これらの結果から、リード部117,117の合計断面積S1を、0.15Sa≦S1≦0.34Saとすることにより、更に好ましくは、0.15Sa≦S1≦0.25Saとすることにより、通電耐久性試験において、絶縁基体111とリード部117,117との界面で両者間に隙間が生じる等の不具合を効果的に抑制できることが判る。
また、角α及び角βを160度以上175度以下とすることにより、通電耐久性試験において、絶縁基体111とリード部117,117との界面で両者間に隙間が生じる等の不具合を効果的に抑制できることが判る。
次に、グロープラグ100のその他の部分について説明する(図1参照)。セラミックヒータ110の外周には、筒状の固定筒120が装着され、ロウ材により固着されている。そして、この固定筒120は、主体金具150の貫通孔150hに挿入されて、ロウ材により固着されている。
筒状の主体金具150には、棒状の通電端子151が挿通されている。この通電端子151の先端部151sと、上述のセラミックヒータ110の基端部110kとは、リードコイル153を介して、電気的に接続されている。具体的には、リードコイル153が、通電端子151の先端部151に巻き付いた状態で溶接されると共に、セラミックヒータ110の基端部110kに巻き付き、この基端部110kに設けられたリード取出部118b(図2参照)に接触した状態で、溶接されている。一方、通電端子151の基端側部分は、主体金具150内を通って主体金具150の基端部150kから基端側(図中上側)に突出している。この突出した部分の外周には雄ネジが螺刻されて、雄ねじ部151nを形成している。
主体金具150の基端部150kは、グロープラグ100をディーゼルエンジンに取り付けるに際して、トルクレンチ等の工具を係合させるための六角断面形状の工具係合部150rとされている。また、そのすぐ先端側には、取付用ねじ部150tが形成されている。また、主体金具150の基端部150kには、貫通孔150hに座ぐり部150zが形成され、ここに通電端子151が挿通したゴム製のOリング161とナイロン製の絶縁ブッシュ163とがはめ込まれている。そして更にその基端側には、この絶縁ブッシュ163の脱落を防止するための押さえリング165が装着されている。この押さえリング165は、その外周に加締めることにより通電端子151に固定されている。また、通電端子151の押さえリング165に対応する部分は、加締め結合力を高めるため、その外周面にローレット加工が施されたローレット部151rとされている。押さえリング165の基端側には、ナット167が螺合されている。このナット167は、図示しない通電用のケーブルを通電端子151に固定するためのものである。
このようなグロープラグ100は、主体金具150の取付用ねじ部150tを利用して、図示しないディーゼルエンジンのシリンダヘッドに形成した取付孔に取り付けられる。これにより、セラミックヒータ110の先端部110s側が、エンジンの燃焼室内に配置される。この状態で、通電端子151に車載のバッテリを電源として電圧を印加すると、通電端子151から、リードコイル153、一方のリード取出部118b、一方のリード部117、発熱部116、他方のリード部117、他方のリード取出部118a及び主体金具150を通じて電流が流れる。これにより、発熱部116が存在するセラミックヒータ110の先端部110sが急速に昇温する。セラミックヒータ110の先端側が所定の温度まで加熱された状態において、図示しない燃料噴霧装置のノズルから燃料を噴霧することで、燃料の着火が補助され、燃料の燃焼により、ディーゼルエンジンが始動する。
上述したセラミックヒータ110及びグロープラグ100は、公知の手法により製造することができる。
セラミックヒータ110は、次のようにして製造する。即ち、窒化珪素原料粉末88質量部に、焼結助剤としてYb23 粉末10質量部及びSiO2 粉末2質量部を配合して、絶縁成分用原料とする。この絶縁成分用原料40質量%と導電性セラミックであるWC粉末60質量%とを72時間湿式混合した後、乾燥させ、混合粉末を得る。その後、この混合粉末とバインダとを混練機に投入し、4時間混練する。次に、得られた混練物を裁断してペレット状とする。次に、発熱抵抗体115に対応したU字形状のキャビティを有する射出成形用金型に対して、射出成形機により上記のペレット状とした混練物を射出し、導電性セラミックからなる未焼成発熱抵抗体を得る。
この際、前述したリード部117,117の断面における線分ABと線分ACとのなす角αまたは線分EFと線分EGとのなす角β(図4参照)が、175度を超える場合、発熱抵抗体115の型抜きが困難になるおそれがある。しかし、本実施形態では、角α及び角βを175度以下(具体的には170度)としているので、発熱抵抗体115の型抜きを確実に行うことができる。
また一方で、窒化珪素原料粉末86質量部に、焼結助剤としてYb23 粉末11質量部、SiO2 粉末3質量部及びMoSi2粉末5質量部を配合し、40時間湿式混合したものをスプレードライヤ法によって造粒し、この造粒物を圧粉した2個の半割型を用意する。なお、この2個の半割型は、完成後の絶縁基体111を、その軸線AXと略平行な断面により2分割したときの、その各分割部に対応する形状に形成されており、各々その分割面に相当する部分に、上記未焼成発熱抵抗体に対応した形状の凹部が形成されている。そして、この凹部に未焼成発熱抵抗体を収容し、2個の半割型を型合わせすると共に、その状態で加圧して一体化し、未焼成のセラミックヒータを得る。
次に、この未焼成のセラミックヒータを窒素雰囲気下、600℃で仮焼して、射出成形による未焼成発熱抵抗体、絶縁基体となる未焼成体からバインダ等を除去し、仮焼体を得る。その後、この仮焼体を黒鉛製の加圧用ダイスにセットし、窒素雰囲気下、29.4MPaで加圧しながら1800℃で1.5時間ホットプレス焼成し、焼成体を得る。そして、焼成体の表面(外面)にセンタレス研磨加工を施せば、セラミックヒータ110が完成する。
グロープラグ100は、次のようにして製造する。即ち、まず、上記のセラミックヒータ110と通電端子151とをリードコイル153を介して接続する。また、セラミックヒータ110に固定筒120を装着して、ロウ材により両者を固着する。その後、主体金具150を用意し、主体金具150貫通孔105h内にセラミックヒータ110、通電端子151及び固定筒110を挿入し、主体金具150と固定筒120とをロウ材により固着する。その後は、主体金具150の基端部150kに形成された座ぐり部150zに、Oリング161をはめ込み、更に絶縁ブッシュ163をはめ込む。そして更に、押さえリング165を加締めて装着する。また、ナット167を所定位置に固定すれば、グロープラグ100が完成する。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施形態に係るグロープラグの縦断面図である。 実施形態に係るセラミックヒータの縦断面図である。 実施形態に係るセラミックヒータのうち、図2のA−A断面図である。 実施形態に係るセラミックヒータのうち、線分ABと線分ACとのなす角α及び線分EFと線分EGとのなす角βについて示す、図2のA−A断面図である。
符号の説明
100 グロープラグ
110 セラミックヒータ
110s (セラミックヒータの)先端部
110k (セラミックヒータの)基端部
111 絶縁基体
111s (絶縁基体の)先端部
115 発熱抵抗体
116 発熱部
116k (発熱部の)基端
117 リード部
118a,118b リード取出部
120 固定筒
150 主体金具
151 通電端子
AX 軸線
L (発熱抵抗体の軸線方向の)全長
K (リード取出部同士の軸線方向の)間隙
D 絶縁基体の直径
g 中心
kl 最小仮想直線
a (リード部同士の)間隙
b,c (リード部の並び方向における、リード部の)寸法
d,e (絶縁基体のうちリード部を覆う部分の)肉厚

Claims (2)

  1. 軸線方向に延びる形態をなし、通電により自身の先端部が発熱するセラミックヒータであって、
    絶縁性のセラミックからなり、前記軸線方向に延びる形態をなす絶縁基体と、
    導電性のセラミックからなり、前記絶縁基体に埋設されてなる発熱抵抗体と、
    を備え、
    前記発熱抵抗体は、
    前記絶縁基体の先端部に埋設され、基端側から先端側に延び、方向転換した後、再び基端側に延びる形態をなし、通電により発熱する発熱部と、
    この発熱部の基端にそれぞれ接続し、前記軸線方向の基端側に延びる形態をなす一対のリード部と、
    この一対のリード部にそれぞれ接続すると共に、径方向外側に延びて外部に露出してなる一対のリード取出部と、を含み、
    前記軸線方向に直交する前記セラミックヒータの断面が円状、楕円状または長円状を有する形態をなし、
    前記断面のうち、前記リード部が存在する任意の断面において、
    この断面の中心を通る仮想直線のうち、この仮想直線に沿って測った一対の前記リード部同士の間隙が最小となる線分を含む仮想直線を最小仮想直線として、
    この最小仮想直線と一方の前記リード部の周縁とが交わる点のうち前記中心側の点をA点とし、
    この最小仮想直線と他方の前記リード部の周縁とが交わる点のうち前記中心側の点をE点とし、
    この断面の中心を中心とし、この断面の長径の2分の1の直径を有する仮想円を描いて、
    この仮想円と一方の前記リード部の周縁とが交わる点をB点及びC点とし、
    この仮想円と他方の前記リード部の周縁とが交わる点をF点及びG点としたときに、 線分ABと線分ACとのなす角α及び線分EFと線分EGとのなす角βが、共に160度以上175度以下である
    セラミックヒータ。
  2. 請求項1に記載のセラミックヒータを備えるグロープラグ。
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