JP5779521B2 - ディーゼルエンジンの副室式燃焼室 - Google Patents

ディーゼルエンジンの副室式燃焼室 Download PDF

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの副室式燃焼室に関し、詳しくは、燃料消費率と燃焼騒音を低減させることができる、ディーゼルエンジンの副室式燃焼室に関する。
従来、ディーゼルエンジンの副室式燃焼室として、副室と主燃焼室とを噴口で連通させ、副室に燃料噴射ノズルを臨ませるとともに、副室にグロープラグを進入させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この種の副室式燃焼室によれば、圧縮行程で、主燃焼室から噴口を介して押し込まれた圧縮空気に燃料噴射ノズルから燃料を噴射し、副室で予混合燃焼を生じさせ、その燃焼圧力によって未燃焼ガスを副室から噴口を介して主燃焼室に噴出させ、主燃焼室の圧縮空気と混合させ、主燃焼室で燃焼させることにより、主燃焼室での燃焼圧力の上昇速度を小さくして、燃焼騒音を低減させることができる利点がある。
この種の副室式燃焼室では、グロープラグの発熱部を棒状部とこの棒状部から突出する突出部とで構成しているが、突出部は通常、半球面であり、棒状部の先端からの突出部の突出寸法(P)を棒状部の先端の直径寸法(D)で除した値(P/D)の百分率は50%程度になる。
特開2001−248444号公報(図1参照)
《問題》 燃料消費率が高く、燃焼騒音も大きい。
棒状部の先端からの突出部の突出寸法(P)を棒状部の先端の直径寸法(D)で除した値(P/D)の百分率が50%程度である場合、燃料消費率が高く、燃焼騒音も大きい。
その理由は、次のようなものと推定される。
すなわち、突出部の表面積が大きくなり過ぎ、エンジン運転中、副室から突出部を介して多量の燃焼熱が逃げ、熱損失が大きい。このため、燃料消費率が高い。また、着火遅れによる急激な予混合燃焼が起こり、燃焼騒音も大きい。
本発明の課題は、燃料消費率と燃焼騒音を低減させることができる、ディーゼルエンジンの副室式燃焼室を提供することにある。
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図2に例示するように、副室(1)と主燃焼室(2)とを噴口(3)で連通させ、副室(1)に燃料噴射ノズル(4)を臨ませるとともに、副室(1)にグロープラグ(5)を進入させた、ディーゼルエンジンの副室式燃焼室において、
図1(A)(B)または図3(A)(B)に例示するように、グロープラグ(5)の発熱部(6)を棒状部(7)とこの棒状部(7)の先端(7a)から突出する突出部(8)とで構成し、突出部(8)に棒状部(7)の先端(7a)の円形の周縁部(7b)から縮径しながら突出する凸曲面(8a)を設け、
棒状部(7)の先端(7a)からの突出部(8)の突出寸法(P)を棒状部(7)の先端(7a)の直径寸法(D)で除した値(P/D)の百分率が3%〜23%となるようにし、
グロープラグ(5)の突出部(8)の表面積(S1)を副室(1)の表面積(S2)で除した値(S1/S2)の百分率が0.66%〜1.28%となるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの副室式燃焼室。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果1−1》 燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
図1(A)(B)または図3(A)(B)に例示するように、棒状部(7)の先端(7a)からの突出部(8)の突出寸法(P)を棒状部(7)の先端(7a)の直径寸法(D)で除した値(P/D)の百分率が23%以下となるようにしたので、突出部(8)の表面積が理想的な大きさとなり、燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
この適正範囲の上限値を上回ると、突出部(8)の表面積が大きくなり過ぎ、エンジン運転中、副室(1)から突出部(8)を介して多量の燃焼熱が逃げ、熱損失が大きくなり、燃料消費率が高くなり、燃焼騒音も大きくなる。
《効果1−2》 冷始動性能を高く維持することができる。
図1(A)(B)または図3(A)(B)に例示するように、棒状部(7)の先端(7a)からの突出部(8)の突出寸法(P)を棒状部(7)の先端(7a)の直径寸法(D)で除した値(P/D)の百分率が3%以上となるようにしたので、突出部(8)の表面積が理想的な大きさとなり、冷始動性能を高く維持することができる。
この適正範囲の下限値を下回ると、突出部(8)の表面積が小さくなり過ぎ、冷始動時にグロープラグ(5)の発熱部(6)からの放熱量が不足し、副室(1)の予熱が不十分になり、冷始動性能が低下する。
《効果1−3》 燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
グロープラグ(5)の突出部(8)の表面積(S1)を副室の表面積(S2)で除した値(S1/S2)の百分率が1.28%以下となるようにしたので、燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
この最適範囲の上限値を上回ると、渦室副室(1)に対するグロープラグ(5)の突出部(8)の表面積の影響が大きくなり過ぎ、エンジン運転中、副室(1)から突出部(8)を介して燃焼熱が逃げやすく、燃料消費率と燃焼騒音とを低減させる機能が弱まるおそれがある。
《効果1−4》 冷始動性能を高く維持することができる。
グロープラグ(5)の突出部(8)の表面積(S1)に関する値(S1/S2)の百分率が0.66%以上となるようにしたので、冷始動性能を高く維持することができる。
この最適範囲の下限値を下回ると、副室(1)に対するグロープラグ(5)の突出部(8)の表面積の影響が小さくなり過ぎ、冷始動時にグロープラグ(5)からの放熱が制限され、冷始動性能を高く維持する機能が弱まるおそれがある。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果2−1》 燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
図1(A)(B)または図3(A)(B)に例示するように、副室(1)へのグロープラグ(5)の進出寸法(C)に関する値(C/D)の百分率が150%以下となるようにしたので、燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
この最適範囲の上限値を上回ると、副室(1)に対するグロープラグ(5)の発熱部(6)の表面積の影響が大きくなり過ぎ、エンジン運転中、副室(1)から発熱部(6)を介して燃焼熱が逃げやすく、燃料消費率と燃焼騒音とを低減させる機能が弱まるおそれがある。
《効果2−2》 冷始動性能を高く維持することができる。
図1(A)(B)または図3(A)(B)に例示するように、副室(1)へのグロープラグ(5)の発熱部(6)の進出寸法(C)に関する値(C/D)の百分率が115%以上となるようにしたので、冷始動性能を高く維持することができる。
この最適範囲の下限値を下回ると、副室(1)に対するグロープラグ(5)の発熱部(6)の表面積の影響が小さくなり過ぎ、冷始動時にグロープラグ(5)の発熱部(6)からの放熱が制限され、冷始動性能を高く維持する機能が弱まるおそれがある。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果3−1》 燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
燃焼室の圧縮比が22.5〜25.0となるようにしたので、燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
この最適範囲の下限値を下回ると、圧縮温度が低くなり過ぎ、燃焼効率が低下し、燃料消費率を低減させる機能が弱まるおそれがある。
この最適範囲の上限値を上回ると、圧縮温度が高くなり過ぎ、急激な予混合燃焼が起こりやすく、燃焼騒音を低減する機能が弱まるおそれがある。
《効果3−2》 冷始動性能を高く維持することができる。
燃焼室の圧縮比が22.5以上となるようにしたので、冷始動性能を高く維持することができる。
この最適範囲の下限値を下回ると、圧縮温度が低くなり過ぎ、冷始動性能を高める機能が弱まるおそれがある。
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果4−1》 燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
図1(A)に例示するように、グロープラグ(5)の突出部(8)の全部を凸曲面(8a)としたので、圧縮空気(9)が滑らかな凸曲面(8a)に沿って流れ、突出部(8)による圧縮空気(9)の乱れが起こりにくく、圧縮空気(9)と噴射燃料との混合が均一化され、良好で緩やかな燃焼が実現され、燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
《効果4−2》 冷始動性能を高く維持することができる。
圧縮空気(9)と噴射燃料との混合が均一化され、良好な燃焼が実現され、冷始動性能を高く維持することができる。
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果6−15−1》 燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
図3(A)に例示するように、グロープラグ(5)の突出部(8)は、棒状部(7)との隣接部(8b)を凸曲面(8a)とし、先端(8c)を平坦面としたので、圧縮空気(9)が滑らかな凸曲面(8a)に沿って流れ、突出部(8)による圧縮空気(9)の乱れが起こりにくく、圧縮空気(9)と噴射燃料との混合が均一化され、良好で緩やかな燃焼が実現され、燃料消費率と燃焼騒音とを低減させることができる。
《効果6−25−2》 冷始動性能を高く維持することができる。
圧縮空気(9)と噴射燃料との混合が均一化され、良好な燃焼が実現され、冷始動性能を高く維持することができる。
本発明の第1実施形態に係るディーゼルエンジンの副室式燃焼室を説明する図で、図1(A)はグロープラグとその周辺の拡大図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図である。 本発明の第1実施形態に係るディーゼルエンジンの副室式燃焼室の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るディーゼルエンジンの副室式燃焼室を説明する図で、図3(A)はグロープラグとその周辺の拡大図、図3(B)は図3(A)のB−B線断面図である。
図1〜図2は本発明の第1実施形態に係るディーゼルエンジンの副室式燃焼室を説明する図、図3は本発明の第2実施形態に係るディーゼルエンジンの副室式燃焼室を説明する図であり、各実施形態では、水冷の立形直列多気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
まず、第1実施形態に係るエンジンについて、説明する。
このエンジンは、水冷の立形直列多気筒ディーゼルエンジンであり、副室式燃焼室を備えている。
図2に示すように、このエンジンは、シリンダ(11)にピストン(12)を昇降自在に内嵌させ、シリンダ(11)の上部にシリンダヘッド(13)を組み付け、シリンダヘッド(13)とピストン(12)との間に主燃焼室(2)を形成している。シリンダヘッド(13)に上向きに凹設した半球形の窪み(14)を形成し、この窪み(14)に口金(15)を内嵌させ、口金(15)に下向きに凹設した放物面の窪み(16)を形成し、シリンダヘッド(13)の窪み(14)の奥側部分(17)と口金(15)の窪み(16)とで卵形(略球形)の副室(1)を形成している。口金(15)には噴口(3)を設け、この噴口(3)を副室(1)の内周面の接線方向に向け、副室(1)を渦室(18)とし、圧縮行程で噴口(3)から渦室(18)に押し込まれた圧縮空気(9)が渦流(10)となるようにしている。
副室(1)には、渦室(18)に代えて、予燃焼室を用いることもできる。
副室式燃焼室の構成は、次の通りである。
図2に示すように、副室(1)と主燃焼室(2)とを噴口(3)で連通させ、副室(1)に燃料噴射ノズル(4)を臨ませるとともに、副室(1)にグロープラグ(5)を進入させている。
図1(A)(B)に示すように、グロープラグ(5)の発熱部(6)を棒状部(7)とこの棒状部(7)の先端(7a)から突出する突出部(8)とで構成し、突出部(8)に棒状部(7)の先端(7a)の円形の周縁部(7b)から縮径しながら突出する凸曲面(8a)を設けている。
棒状部(7)の先端(7a)からの突出部(8)の突出寸法(P)を棒状部(7)の先端(7a)の直径寸法(D)で除した値(P/D)の百分率が3%〜23%となるようにしている。この数値範囲が、棒状部(7)の先端(7a)からの突出部(8)の突出寸法(P)に関する値(P/D)の百分率の適正範囲である。この値(P/D)の百分率の最適範囲は、5%〜20%である。
グロープラグ(5)の突出部(8)の表面積(S1)を副室(1)の表面積(S2)で除した値(S1/S2)の百分率が0.66%〜1.28%となるようにしている。この数値範囲が、グロープラグ(5)の突出部(8)の表面積(S1)に関する値(S1/S2)の百分率の最適範囲である。
図1(A)(B)に示すように、副室(1)へのグロープラグ(5)の発熱部(6)の進出寸法(C)を棒状部(7)の先端(7a)の直径寸法(D)で除した値(C/D)の百分率が115%〜150%となるようにしている。この数値範囲が、副室(1)へのグロープラグ(5)の進出寸法(C)に関する値(C/D)の百分率の最適範囲である。副室(1)へのグロープラグ(5)の発熱部(6)の進出寸法(C)は、グロープラグ(5)の中心軸線(5a)の位置で計測した寸法である。グロープラグ(5)の発熱部(6)は、燃料噴射ノズル(4)の渦流(10)旋回方向下流側に位置し、渦室(18)の上部から渦室(18)内に、シリンダ中心軸線(11a)と平行な向きで進入し、棒状部(7)の先端部は渦室(18)の内周面に沿っている。
燃焼室の圧縮比が22.5〜25.0となるようにしている。この数値範囲が、燃焼室の圧縮比の最適範囲である。
図1(A)に示すように、グロープラグ(5)の突出部(8)の全部を凸曲面(8a)としている。この凸曲面(8a)は部分球面である。この凸曲面(8a)は、部分球面に限らず、放物面等の他の凸曲面であってもよい。
第1実施形態に係る前記適正かつ最適範囲の数値を用いた実施例エンジンは、前記適正または最適範囲を外れた数値を用いた比較例エンジンに比べ、いずれも燃料消費率と燃焼騒音と冷始動性能に関し、後述する有効な実験結果が得られた。
実験には、渦室式燃焼室を備えた水冷の立形直列2気筒エンジンを用いた。このエンジンの排気量は479cc、渦室(18)の容積は8.2cc、ピストン(12)の上死点位置での主燃焼室(2)の容積は2.1ccである。
実施例エンジンとして、前記適正及び最適範囲の各最小値を用いた最小値実施例エンジンと、各最大値を用いた最大値実施例エンジンと、各中間値を用いた中間値実施例エンジンとを作製した。
最小値実施例エンジンは、突出部(8)の突出寸法(P)に関する値(P/D)の百分率が3%、突出部(8)の表面積(S1)に関する値(S1/S2)の百分率が0.66%、グロープラグ(5)の発熱部(6)の進出寸法(C)に関する値(C/D)の百分率が115%、燃焼室の圧縮比が22.5である。
最大値実施例エンジンは、突出部(8)の突出寸法(P)に関する値(P/D)の百分率が23%、突出部(8)の表面積(S1)に関する値(S1/S2)の百分率が1.28%、副室(1)へのグロープラグ(5)の発熱部(6)の進出寸法(C)に関する値(C/D)の百分率が150%、燃焼室の圧縮比が25.0である。
中間値実施例エンジンは、突出部(8)の突出寸法(P)に関する値(P/D)の百分率が13%、突出部(8)の表面積(S1)に関する値(S1/S2)の百分率が0.97%、グロープラグ(5)の発熱部(6)の進出寸法(C)に関する値(C/D)の百分率が133%、燃焼室の圧縮比が23.8である。
燃料消費率と燃焼騒音の実験は、エンジン回転数3600rpm、負荷率100%でエンジンを運転して行った。なお、負荷率は、最大出力が得られる定格回転数での定格負荷を負荷率100%として計算した。
冷始動性能の実験は、エンジン運転前にエンジンの周囲温度を−5°Cとし、グロープラグ(5)で渦室(18)を予熱した後、スタータモータでエンジンをクランキングして行った。
突出部(8)の突出寸法(P)に関する値(P/D)の百分率の適正範囲を評価する実験を行った。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、上記値(P/D))の百分率のみを、前記適正範囲の上限値23%を上回る25%に変更した比較例エンジンを作製した。
この各比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの燃料消費率と燃焼騒音を比較した結果、各比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、燃料消費率が2%程度低減し、燃焼騒音も低減することが確認された。
燃料消費率の低減は、各エンジンを20時間運転した後の燃料消費率に基づいて評価し、燃焼騒音の低減は、エンジン運転中に発生するエンジン音の音色を聴感で確認して評価した。以下の実験でも同様にして評価している。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、上記値(P/D)の百分率のみを、前記適正範囲の下限値3%を下回る2.5%に変更した比較例エンジンを作製した。
この各比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの冷始動性能を比較した結果、各比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、冷始動性能が高まることが確認された。
冷始動性能の確認は、エンジン運転前、エンジン周辺温度を−5℃とし、グロープラグで10秒間、渦室(18)を予熱した後、スタータモータでエンジンのクランキングを開始してからエンジン回転速度が完爆回転数に至るまでの始動所要時間によって評価した。以下の実験でも同様にして評価している。
次に、突出部(8)の突出寸法(P)に関する値(P/D)の百分率の最適範囲を評価する実験を行った。
最小値実施例エンジンと最大値実施例エンジンの上記値(P/D)の百分率のみを、それぞれ最適範囲の下限値5%と上限値20%に変更した最適最小値実施例エンジンと最適最大値実施例エンジンとを作製した。
最小値実施例エンジンと最適最小値実施例エンジンとの冷始動性能を比較した結果、最小値実施例エンジンに比べ、最適最小値実施例エンジンは冷始動性能が高まることが確認された。
最大値実施例エンジンと最適最大値実施例エンジンとの燃料消費率と燃焼騒音を比較した結果、最大値実施例エンジンに比べ、最適最大値実施例エンジンは燃料消費率と燃焼騒音が低減することが確認された。
次に、突出部(8)の表面積(S1)に関する値(S1/S2)の百分率の最適範囲を評価する実験を行った。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、上記値(S1/S2)の百分率のみを、前記最適範囲の上限値1.28%を上回る1.40%に変更した比較例エンジを作製した。
この各比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの燃料消費率と燃焼騒音を比較した結果、各比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、燃料消費率が2%程度低減し、燃焼騒音も低減することが確認された。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、上記値(S1/S2)の百分率のみを、前記最適範囲の下限値0.66%を下回る0.60%に変更した比較例エンジンを作製した。
この各比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの冷始動性能を比較した結果、各比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、冷始動性能が高まることが確認された。
次に、グロープラグ(5)の進出寸法(C)に関する値(C/D)の百分率の最適範囲を評価する実験を行った。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、上記値(C/D)の百分率のみを、前記最適範囲の上限値150%を上回る165%に変更した比較例エンジンを作製した。
この各比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの燃料消費率と燃焼騒音を比較した結果、各比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、燃料消費率が2%程度低減し、燃焼騒音も低減することが確認された。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、上記値(C/D)の百分率のみを、前記最適範囲の下限値115%を下回る105%に変更した比較例エンジンを作製した。
この各比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの冷始動性能を比較した結果、比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、冷始動性能が高まることが確認された。
次に、燃焼室の圧縮比の最適範囲を評価する実験を行った。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、エンジンの燃焼室の圧縮比のみを、前記最適範囲の下限値22.0を下回る20.0に変更した比較例エンジンを作製した。
この各比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの燃料消費率と冷始動性能を比較した結果、各比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、燃料消費率が2%程度低減し、冷始動性能が高まることが確認された。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、燃焼室の圧縮比のみを、前記最適範囲の上限値25.0を上回る27.5に変更した比較例エンジンを作製した。
この各比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの燃焼騒音を比較した結果、各比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、燃焼騒音が低減することが確認された。
次に、グロープラグ(5)の突出部(8)の形状を評価する実験を行った。
比較例エンジンとして、各実施例エンジンのそれぞれに対し、グロープラグ(5)の突出部(8)の形状のみ、円錐形状に変形した比較例エンジンを作製した。
この比較例エンジンと前記各実施例エンジンとの燃料消費率と燃焼騒音と冷始動性能とを比較した結果、各比較例エンジンに比べ、各実施例エンジンは、燃料消費率と燃焼騒音が低減し、冷始動性能が高まることが確認された。
次に、第2実施形態に係るエンジンについて説明する。
第2実施形態に係るエンジンでは、図3(A)に示すように、グロープラグ(5)の突出部(8)は、棒状部(7)との隣接部(8b)を凸曲面(8a)とし、先端(8c)を平坦面としている点のみが第1実施形態と異なる。他の構成、数値の適正および最適範囲は、第1実施形態と同じである。図3(A)(B)中、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付しておく。なお、凸曲面(8a)は部分球面である。この凸曲面(8a)は、部分球面に限らず、放物面等の他の凸曲面であってもよい。
第2実施形態についても、第1実施形態と同様の実験を行ったところ、第2実施形態と同一傾向の実験結果が得られた。なお、グロープラグ(5)の突出部(8)の形状を評価する実験では、各実施例エンジンに対し、グロープラグ(5)の突出部(8)のみを円錐台形状に変形した比較例エンジンを作製して実験を行った。
(1) 副室
(2) 主燃焼室
(3) 噴口
(4) 燃料噴射ノズル
(5) グロープラグ
(6) 発熱部
(7) 棒状部
(7a) 先端
(7b) 円形の周縁部
(7c) 隣接部
(8) 突出部
(8a) 凸曲面
(8b) 隣接部
(8c) 先端
(P) 突出寸法
(D) 直径寸法
(S1) 表面積
(S2) 表面積
(C) 進出寸法

Claims (5)

  1. 副室(1)と主燃焼室(2)とを噴口(3)で連通させ、副室(1)に燃料噴射ノズル(4)を臨ませるとともに、副室(1)にグロープラグ(5)を進入させた、ディーゼルエンジンの副室式燃焼室において、
    グロープラグ(5)の発熱部(6)を棒状部(7)とこの棒状部(7)の先端(7a)から突出する突出部(8)とで構成し、突出部(8)に棒状部(7)の先端(7a)の円形の周縁部(7b)から縮径しながら突出する凸曲面(8a)を設け、
    棒状部(7)の先端(7a)からの突出部(8)の突出寸法(P)を棒状部(7)の先端(7a)の直径寸法(D)で除した値(P/D)の百分率が3%〜23%となるようにし、
    グロープラグ(5)の突出部(8)の表面積(S1)を副室(1)の表面積(S2)で除した値(S1/S2)の百分率が0.66%〜1.28%となるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの副室式燃焼室。
  2. 請求項1に記載したディーゼルエンジンの副室式燃焼室において、
    副室(1)へのグロープラグ(5)の発熱部(6)の進出寸法(C)を棒状部(7)の先端(7a)の直径寸法(D)で除した値(C/D)の百分率が115%〜150%となるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの副室式燃焼室。
  3. 請求項1または請求項2に記載したディーゼルエンジンの副室式燃焼室において、
    燃焼室の圧縮比が22.5〜25.0となるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの副室式燃焼室。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載したディーゼルエンジンの副室式燃焼室において、
    グロープラグ(5)の突出部(8)の全部を凸曲面(8a)とした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの副室式燃焼室。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載したディーゼルエンジンの副室式燃焼室において、
    グロープラグ(5)の突出部(8)は、棒状部(7)との隣接部(8b)を凸曲面(8a)とし、先端(8c)を平坦面とした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの副室式燃焼室。
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