JP2016113990A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】正タンブル流に対向するようにインジェクタから燃料を噴射する火花点火式直噴エンジンにおいて、高圧縮比運転時の混合気の着火性の低下を抑制する。【解決手段】図4中央(シリンダヘッド18側から見たピストン16の平面図)に示すように、凹み部22は、Fr−Rr方向に長軸(In−Ex方向に短軸)を有する楕円状に形成されている。同図右方(楕円の長軸に沿った平面による燃焼室20の断面図)に示すように、凹み部22は円弧状に形成され、凹み部22の中央部における円弧の曲率半径R1は、同外周部における円弧の曲率半径R2よりも大きくされている。同図下方(楕円の短軸に沿った平面による燃焼室20の断面図)に示すように、凹み部22のピストン内側方向の深さは大きく、In−Ex方向の幅は狭くされている。【選択図】図4

Description

本発明は内燃機関に関し、詳細には、吸気ポートから流入させた吸気によって燃焼室内にタンブル流を発生させる火花点火式直噴内燃機関に関する。
従来、例えば特許文献1(特開2012−021467号公報)には、吸気ポートから流入させた吸気によって燃焼室内にタンブル流を発生させる内燃機関が開示されている。この内燃機関は、燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタと、噴射燃料と吸気の混合気に点火する点火プラグと、を備える火花点火式直噴エンジンである。また、このエンジンのピストンの頂面の中央の略全面には、平面視において燃料噴射方向(燃料噴霧の中心線の延長方向)に短軸を有する楕円状の平坦な底面と、この平坦底面とピストン頂面を接続する内側面であって断面視において円弧状の内側面とから構成される凹み部が形成されている。このエンジンによれば、凹み部の平坦底面によってタンブル流を崩壊させて点火プラグ周辺の混合気に乱れを生じさせ、その一方で凹み部の内側面によってタンブル流の形状を維持できるという利点がある。
また、特許文献2(特開2002−295260号公報)には、特許文献1と同様の構成の火花点火式直噴エンジンが開示されている。但し、特許文献2のエンジンでは、点火プラグの下側を通って燃焼室の排気側からピストンの頂面に向かい、尚且つ、この頂面で反転して燃焼室の吸気側から点火プラグ方向に向かう正タンブル流を発生させることを前提としている。また、このエンジンでは、発生させた正タンブル流に対向するようにインジェクタから燃料が噴射されている。インジェクタからの噴射燃料を正タンブル流に対向させることで、噴射燃料の微粒化を促進できる。また、正タンブル流により噴射燃料のペネトレーションを低下できるので、点火時期において点火プラグ周辺に混合気を成層化できる。
特開2012−021467号公報 特開2002−295260号公報 特開2008−303803号公報
ところで、特許文献1のエンジンにおいて、特許文献2の様な正タンブル流に対向させる燃料噴射を行う場合には、次のような問題が生じる。即ち、特許文献1のエンジンでは凹み部の平坦底面によってタンブル流が崩壊するので、特許文献2の正タンブル流も同様に崩壊すると考えられる。そうすると、正タンブル流の速度が低下してしまい、対向させる噴射燃料の減速が不十分となるので、点火時期において点火プラグ周辺に混合気を成層化できなくなる。従って、混合気の着火性が低下し、特にエンジンの冷間運転時において燃焼が不安定となる可能性がある。
この点、ピストンの頂面全体に平坦底面の無い凹み部を設ければ、凹み部でのタンブル流の崩壊を抑制できると考えられる。しかし、過給機付きエンジンにおいて、過給機の駆動中に燃焼空燃比をリーンにする高圧縮比運転を行う場合、TDCでの燃焼室の容積が限られることから、凹み部に十分な容積を割り当てることができないという実情がある。そのため、ピストンの頂面全体に凹み部を設けようとすると、凹み部に平坦底面を形成せざるを得なくなる。このように、高圧縮比運転を前提としたエンジンでは、ピストン頂面に形成できる凹み部の容積に制限があり、タンブル流の強度を維持するのが難しいという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものである。即ち、正タンブル流に対向するようにインジェクタから燃料を噴射する火花点火式直噴エンジンにおいて、高圧縮比運転時の混合気の着火性の低下を抑制することを目的とする。
本発明は、内燃機関であって、
少なくともシリンダボアの壁面とシリンダヘッドの底面とピストンの頂面とにより構成される燃焼室と、
前記燃焼室を構成する前記底面の略中央から前記燃焼室を臨む点火プラグと、
前記点火プラグの下側を通って前記燃焼室の排気側からピストンの頂面に向かい、尚且つ、この頂面で反転して前記燃焼室の吸気側から点火プラグ方向に向かうタンブル流を発生させるタンブル流発生手段と、
前記燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタであって、前記燃焼室内に発生させたタンブル流が前記頂面で反転する時期を噴射時期として、当該タンブル流に向けて燃料を噴射するように構成されたインジェクタと、を備え、
前記頂面の略中央部には、前記燃焼室の吸排気方向に短軸を有する平面視楕円状、尚且つ、断面視円弧状の凹み部が形成され、
前記凹み部の外周部における曲率は、前記凹み部の中央部における曲率よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、燃焼室の吸排気方向に短軸を有する平面視楕円状、尚且つ、断面視円弧状の凹み部をピストンの頂面に形成したので、限られた容積の凹み部での反転の際にタンブル流が崩壊するのを抑制できる。また、凹み部の外周部における曲率を凹み部の中央部における曲率よりも大きくしたので、凹み部の曲率を一定とする場合に比べて、タンブル流を燃焼室の中心部に集め易くなる。従って、高圧縮比運転を行わせる場合においても混合気の着火性の低下を抑制できる。
実施の形態のエンジン10の断面模式図である。 エアガイドコンセプトを説明するための図である。 一般的な直噴エンジンのCFD(Computational Fluid Dynamics)解析結果を示す図である。 凹み部22の形状を説明するための図である。 凹み部22による効果を説明するための図である。 凹み部22による効果を説明するための図である。 凹み部22による効果を説明するための図である。 図7のタンブル比を測定した2種類のピストンの平面図、吸排気方向に沿った平面による断面図および車両前後方向に沿った平面による断面図である。 一般的な直噴エンジンの圧縮行程でのタンブル流の回転中心の移動傾向を示した図である。 参考例に係る凹み部の形状を説明するための図である。
以下、図1乃至図8に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[内燃機関の構成]
本実施の形態の内燃機関は、車両等の移動体の駆動源として搭載される過給機付きの火花点火式直噴エンジンであり、当該過給機の駆動中に燃焼空燃比をリーンとする過給リーン燃焼を行うように構成されている。図1は、本実施の形態のエンジン10の断面模式図である。図1に示すように、エンジン10のシリンダブロック12にはシリンダボア14が形成されている。シリンダボア14の内部には、ピストン16が上下方向に移動可能に収容されている。シリンダブロック12の上方には、シリンダヘッド18が配置されている。少なくともシリンダボア14の壁面とピストン16の頂面とシリンダヘッド18の底面とにより燃焼室20が画定される。燃焼室20はペントルーフ型の燃焼室である。ピストン16の頂面には、円弧状の凹み部22が形成されている(詳細は後述)。
シリンダヘッド18には、燃焼室20内に燃料を直接噴射するためのインジェクタ24が設けられている。インジェクタ24は、その先端部に多数の墳孔が形成された多孔インジェクタとして構成されている。シリンダヘッド18には、燃焼室20内の混合気に点火するための点火プラグ(点火栓)26も設けられている。点火プラグ26の電極には、イグナイタ(不図示)から高電圧が供給されるように構成されている。
シリンダヘッド18には、吸気ポート28と排気ポート30が2つずつ(但し、図1においては1つずつ示す)形成されている。上述したインジェクタ24は、2つの吸気ポート28の間に設けられている。また、各吸気ポート28には吸気バルブ32が設けられ、各排気ポート30には排気バルブ34が設けられている。吸気ポート28には、図1中に「タンブル方向」と示す方向、即ち、点火プラグ26の下側を通って排気側からピストン16の頂面に向かい、尚且つ、この頂面で反転して吸気側から点火プラグ26方向に向かうタンブル流(正タンブル流)を発生させるための気流調節弁(不図示)が設けられている。
なお、図1においては省略するが、エンジン10は過給機を備えている。エンジン10が備える過給機としては、例えば、排気タービンの回転により吸気コンプレッサを駆動させる公知のものが挙げられる。
[エアガイドコンセプト]
ところで、高い燃費性能を実現可能な過給リーン燃焼においては、高タンブル比のタンブル流を発生させるための吸気ポート設定と、このタンブル流を効率的に乱れに変換するピストン頂面形状の2つがリーン燃焼の性能向上に重要である。一方、直噴エンジンの大きなメリットの一つとして混合気の成層化が挙げられるが、強いタンブル流は噴射燃料の拡散を強めるため成層混合気の形成には不利となる。そこで、本実施の形態では、エンジン10において過給リーン燃焼を行うに際し、インジェクタ24からの噴射燃料とタンブル流の相互作用によって混合気を形成させて、点火プラグ26の直下に誘導するエアガイドコンセプトを採用している。
図2は、エアガイドコンセプトを説明するための図である。図2に示すように、本実施の形態では、タンブル流がピストンの頂面で反転する時期を噴射時期として、このタンブル流にインジェクタからの噴射燃料を衝突させる。これにより、噴射燃料の微粒化を促進させると共に噴射燃料のペネトレーションを低下させて、周囲に比べて燃料濃度の高い混合気を燃焼室の中央部に形成している。形成された混合気は、燃焼室の中央部に滞留したような状態となり、ピストンの上昇に伴い上方、即ち、シリンダヘッド側に誘導される。このように、エアガイドコンセプトでは、燃焼室の中央部に混合気が形成されて、点火プラグの直下に誘導される。なお、図2に示す「In」は燃焼室の吸気側を意味し、「Ex」は同排気側を意味している。
ところが、図3は、一般的な直噴エンジンのCFD(Computational Fluid Dynamics)解析結果を示す図であり、インジェクタからの噴射燃料の燃焼室内での拡散挙動を示している(エンジン回転速度:1300rpm、噴射時期:BTDC100°)。なお、図3に示す「Fr」はエンジン10を搭載した移動体の前方を意味し、「Rr」は同移動体の後方を意味している。図3から分かるように、インジェクタからの噴射燃料は、時間の経過に伴い、燃焼室の吸排気方向(In−Ex方向)と車両前後方向(Fr−Rr方向)の両方に拡散していく。また、図3中に破線で囲って示すように、TDC直前(BTDC40°〜10°)では、燃焼室の吸排気方向よりも車両前後方向に噴射燃料が広く分布することが分かる。このように、上述したエアガイドコンセプトを実現するためには、燃料噴射方向(つまり、吸排気方向)のみならず、車両前後方向への噴射燃料の拡散も考慮することが重要である。
エアガイドコンセプトにおいて上述した噴射燃料の拡散を考慮した場合、燃焼室で発生させたタンブル流の強度を燃料噴射方向と車両前後方向の両方において維持すべく、ピストンの頂面全体に凹み部を設けることが望ましいことになる。しかし、過給リーン燃焼では直噴エンジンが高圧縮比運転されることになるため、TDCでの燃焼室の容積が限られ、凹み部に十分な容積を割り当てることができないという実情がある。例えば、ピストンの頂面全体に凹み部を設けようとしても、容積制限によって、平面視において平坦な底面を形成せざるを得なくなる。そうすると、この平坦底面での反射の際にタンブル流が崩壊してしまい、タンブル流の強度が却って低下してしまう。また、タンブル流が早期に崩壊することになるので、この崩壊前に燃料を噴射することも考えられる。しかしこの場合は、噴射燃料のペネトレーションの低下が不十分となる可能性がある。
[凹み部22]
そこで、本実施の形態では、凹み部22を以下に説明するような形状としている。図4は、凹み部22の形状を説明するための図である。図4の中央に示したのは、シリンダヘッド18側から見たピストン16の平面図である。この平面図で示すように、ピストン16の頂面には、吸気バルブ32との接触を避けるためのリセス部36や、排気バルブ34との接触を避けるためのリセス部38が形成されている。凹み部22は、合計4つのリセス部36,38で囲まれたピストン16の頂面の略中央部に形成されている。また、凹み部22の外周は、Fr−Rr方向に長軸(換言すればIn−Ex方向に短軸)を有する楕円状に形成されている。
また、図4の右方に示したのは、シリンダボア中心軸を含み、尚且つ、車両前後方向に沿った平面(楕円の長軸に沿った平面)による燃焼室20の断面図である。この断面図で示すように、凹み部22は円弧状に形成されている。上述したように、燃焼室20はペントルーフ型の燃焼室であり、ペントルーフ型の燃焼室では中央部から外周部に向かうほどタンブル流の回転半径が減少する。この点、凹み部22を円弧状に形成することで、タンブル流が凹み部22で崩壊するのを抑制してその強度を維持できる。また、タンブル流の乱れへの変換時期を遅らせることができるので、リーン燃焼の性能向上に繋がるという効果もある。
また、この断面図に示すように、凹み部22の中央部における円弧の曲率半径R1は、同外周部における円弧の曲率半径R2よりも大きくされている。即ち、中央部の円弧よりも外周部の円弧の方が大きい曲率とされている。このような曲率関係によれば、噴射燃料の凹み部22外へのはみ出しを少なくできるので、混合気の成層度を高めることができ、未燃燃料がクレビス経由で燃焼室20外へ流出するのを抑えることができる。
また、図4の下方に示したのは、シリンダボア中心軸を含み、尚且つ、吸排気方向に沿った平面(楕円の短軸に沿った平面)による燃焼室20の断面図である。この断面図で示すように、凹み部22は円弧状に形成されている。また、凹み部22の外周の吸排気方向の幅は狭くされ、その分ピストン内側方向の深さは大きくされている。このようにピストン内側方向の深さを大きくすることで、点火プラグ26直下の凹み部22においてタンブル流の強度が低下するのを抑制できるので、混合気の成層化を一層高めることができる。なお、この断面図では省略しているが、図4の右方に示した断面図同様、凹み部22では中央部の円弧よりも外周部の円弧の方が大きい曲率とされており、このような曲率関係とすることで、凹み部22のピストン内側方向の深さを確保している。
図5乃至図7は、凹み部22による効果を説明するための図である。先ず、図5を参照しながら、凹み部22の形状による効果を説明する。図5の左側に「エアガイドピストン」として示したものは、高圧縮比運転を行わないエンジン(例えば、非過給型のエンジン)においてエアガイドコンセプトを実現するピストン頂面に相当する。この「エアガイドピストン」では、ピストン頂面の全体に凹み部が設けられている。
「エアガイドピストン」の頂面を、高圧縮比運転を行うエンジンに対応させたものとして考えられるものが、図5の右側に示した2つのピストン頂面である。この2つのピストン頂面のうち、「比較形状」として示す凹み部は、In−Ex方向に長軸を有する楕円状に形成されている。このような凹み部を形成した場合、高圧縮比運転を行うエンジンにおいて凹み部に十分な容積を割り当てることができないという実情は考慮されているものの、図3で説明した車両前後方向の噴射燃料の拡散が考慮されていないので、図5中に破線で囲って示すFr方向の端部とRr方向の端部において火炎伝播が阻害され、燃焼が不安定となる可能性がある。
一方、2つのピストン頂面のうち、「本技術形状」として示したものが凹み部22を有するピストン頂面に相当する。既に説明したように、凹み部22の形状は、Fr−Rr方向に長軸を有する楕円状である。従って、高圧縮比運転を行うエンジンにおいて凹み部に十分な容積を割り当てることができないという実情を考慮しつつ、この凹み部でのタンブル流の崩壊を抑えることができるという効果がある。
図6は、図5に示した2種類の頂面を有するピストンをそれぞれ適用したエンジンの冷間運転時において、噴射時期を変えながら求めた図示平均有効圧力Pmiの変動係数(Coefficient of variance)を示している(エンジン回転速度:1300rpm、油水温:40℃、空燃比:14.6、燃圧:20MPa、トルク:10Nm、点火時期:ATDC15°)。図6から分かるように、「本技術形状」の凹み部22によれば、「比較形状」の凹み部に比べて変動係数を小さくでき、特に噴射時期をTDC側(BTDC90°よりも遅角側)に設定した場合の変動係数を小さくできる。この結果は、凹み部22の形状が、タンブル流による噴射燃料の制御性を向上させて燃料を安定化させたことを意味している。
図7は、2種類の頂面を有するピストンそれぞれを適用したエンジンでのタンブル比の推移を示している。図7に「本技術形状」として示したものが凹み部22を有するピストン16を適用したエンジンでのタンブル比を示し、「タンブル維持形状」として示したものがタンブル流の強度を維持し易い凹み部を有する比較用のピストンを適用したエンジンでのタンブル比を示している。なお、これらのピストンの平面図、吸排気方向に沿った平面による断面図および車両前後方向に沿った平面による断面図は図8に示す通りである。図7に破線で囲って示すように、「本技術形状」における圧縮行程(BTDC180°〜0°)でのタンブル比のピーク値は、「タンブル維持形状」のそれと略等しい。この結果は、凹み部22の形状が「タンブル維持形状」と同等のタンブル比維持特性を有していることを意味している。
以上説明したように、本実施の形態のエンジン10によれば、ピストン16の頂面に形成した凹み部22によって、高圧縮比運転を行うエンジンでのエアガイドコンセプトの実現に際しての不具合の発生を抑制できる。
なお、上記実施の形態においては、気流調節弁が本発明の「タンブル流発生手段」に、凹み部22が本発明の「凹み部」に、それぞれ相当する。
次に、本発明の実施の形態の検討の過程において本発明者が考案した別の発明を参考例として開示する。なお、エンジンの基本構成やエアガイドコンセプトは上記実施の形態と同様であることから、それらの説明は省略する。
図9は、一般的な直噴エンジンの圧縮行程でのタンブル流の回転中心の移動傾向を示した図である。図9に示すように、圧縮行程において、タンブル流の速度は燃焼室の吸気側で増加し、同排気側で減少する。これは、ピストンからの反作用によるものであり、タンブル流の速度差が生じることで、タンブル流の回転中心が排気側に移動し易くなる。そこで、この参考例においては、この回転中心の移動傾向に鑑み、シリンダボア中心に対して排気側に凹み部をオフセットさせている。
[凹み部42]
図10は、参考例に係る凹み部の形状を説明するための図である。図10の中央に示したのは、シリンダヘッド側から見たピストン40の平面図である。この平面図で示すように、凹み部42は、リセス部38側のピストン16の頂面に形成されている。凹み部42はFr−Rr方向に長軸を有する楕円状に形成されている。
また、図10の右方に示したのは、シリンダボア中心軸を含み、尚且つ、車両前後方向に沿った平面(楕円の長軸に沿った平面)による燃焼室20の断面図である。なお、この断面図については、図4の右方に示した図と同様である。即ち、凹み部42は円弧状に形成されているので、タンブル流が凹み部42で崩壊するのを抑制してその強度を維持できる。また、タンブル流の乱れへの変換時期を遅らせることができるので、リーン燃焼の性能向上に繋がるという効果もある。
また、凹み部42の中央部における円弧の曲率半径R1は、同外周部における円弧の曲率半径R2よりも大きくされている。従って、噴射燃料の凹み部22外へのはみ出しを少なくできるので、混合気の成層度を高めることができ、クレビスを経由した未燃燃料の燃焼室20外への流出を抑えることができる。
また、図10の下方に示したのは、シリンダボア中心軸を含み、尚且つ、吸排気方向に沿った平面(楕円の短軸に沿った平面)による燃焼室20の断面図である。この断面図で示すように、凹み部42は円弧状に形成されている。但し、凹み部42はシリンダボア中心に対して排気側にオフセットさせている。このように凹み部42をオフセットさせることで、タンブル流が凹み部42で崩壊するのを抑制できる。
以上説明したように、参考例に係るエンジンによれば、シリンダボア中心に対して排気側にオフセットさせた凹み部42によって、凹み部42でのタンブル流の崩壊を良好に抑制してその強度を維持できる。また、タンブル流の乱れへの変換時期を更に遅らせることができるので、リーン燃焼の更なる性能向上に繋がるという効果もある。
10 エンジン
14 シリンダボア
16,40 ピストン
18 シリンダヘッド
20 燃焼室
22,42 凹み部
24 インジェクタ
26 点火プラグ

Claims (1)

  1. 少なくともシリンダボアの壁面とシリンダヘッドの底面とピストンの頂面とにより構成される燃焼室と、
    前記燃焼室を構成する前記底面の略中央から前記燃焼室を臨む点火プラグと、
    前記点火プラグの下側を通って前記燃焼室の排気側からピストンの頂面に向かい、尚且つ、この頂面で反転して前記燃焼室の吸気側から点火プラグ方向に向かうタンブル流を発生させるタンブル流発生手段と、
    前記燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタであって、前記燃焼室内に発生させたタンブル流が前記頂面で反転する時期を噴射時期として、当該タンブル流に向けて燃料を噴射するように構成されたインジェクタと、を備え、
    前記頂面の略中央部には、前記燃焼室の吸排気方向に短軸を有する平面視楕円状、尚且つ、断面視円弧状の凹み部が形成され、
    前記凹み部の外周部における曲率は、前記凹み部の中央部における曲率よりも大きいことを特徴とする内燃機関。
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