JP2019127905A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室の周方向において燃焼室の形状が異なることによって燃焼期間後半における混合気の燃焼速度が低下することを抑制する。【解決手段】内燃機関1は、混合気を燃焼させる主燃焼室7と、貫通孔を介して主燃焼室に連通する副燃焼室50と、主燃焼室及び前記副燃焼室内での混合気の燃焼を制御する制御装置31と、を備える。制御装置は、主燃焼室の混合気の燃焼が開始される前に副燃焼室内の混合気の燃焼が開始されて貫通孔から燃焼ガスが主燃焼室内に噴出するように混合気の燃焼を制御する。貫通孔は、各気筒の中心軸線を含むと共に中心軸線から放射状に延びる断面のうち、ピストンが圧縮上死点にあるときの中心軸線と主燃焼室の壁面とによって画定される面積に対する主燃焼室の壁面長さの比率が最も大きい断面上に燃焼ガスが噴出するように構成される。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費を改善すべく、内燃機関の熱効率をできるだけ高めることが検討されている。このように内燃機関の熱効率を高める一つの手段として、圧縮比を高めることが挙げられる。
しかしながら、一般的に、圧縮比を高めると、ノッキングやプレイグニッション(以下、ノッキング等)が発生し易くなる。したがって、ノッキング等を抑制すべく、混合気を後期重心型燃焼によって燃焼させることが提案されている(例えば、特許文献1)。後期重心型燃焼は、混合気の燃焼期間のうちの前半においては、比較的低速で混合気を燃焼させ、後半においては比較的高速で混合気を燃焼させる燃焼形態である。後期重心型燃焼を行うことにより、燃焼期間前半では筒内圧力や温度が急上昇することに伴う過早着火が抑制されると共に、燃焼機関後半では燃え残りを核とする自着火を抑制することができ、結果的にノッキング耐性が高められる。
特に、特許文献1では、後期重心型燃焼により混合気を燃焼させるために、ピストンの上面の一部に凸部を設けている。すなわち、このように凸部を設けることによりこの凸部が設けられた領域が一種の絞りとなって燃焼室の中央から外周へ向かう火炎伝播が抑制され、その結果、燃焼期間前半における燃焼速度が比較的遅くなる。一方、絞りを超えて火炎が進むと、もはや絞りの影響を受けなくなるため速やかに火炎伝播が進行し、よって燃焼期間後半における燃焼速度が速くなる。この結果、後期重心型燃焼によって混合気を燃焼させることができるようになる。
特開2007−100549号公報 特開2007−085181号公報
ところで、例えば上述したようにピストンの上面の一部に凸部が設けられているような場合、シリンダヘッド及びピストンによって画定される燃焼室の形状は、燃焼室の周方向において異なったものとなる。このように燃焼室の周方向において燃焼室の形状が異なると、燃焼室の周方向において燃焼室内に生じている混合気の乱れの散逸率(減衰率)が異なる。
この結果、燃焼室の周方向のうち一部の領域では、他の領域に比べて、混合気の乱れの散逸率が大きくなり、よって燃焼期間後半における混合気の燃焼速度を十分に速めることができなくなる。このように燃焼期間後半の混合気の燃焼速度が速めることができないと、最終的には燃焼期間全体が長くなり、熱効率の悪化、ひいては燃費の悪化を招くことになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃焼室の周方向において燃焼室の形状が異なることによって燃焼期間後半における混合気の燃焼速度が低下することを抑制することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)混合気を燃焼させる主燃焼室と、貫通孔を介して前記主燃焼室に連通する副燃焼室と、前記主燃焼室及び前記副燃焼室内での混合気の燃焼を制御する制御装置と、を備えた内燃機関であって、前記制御装置は、前記主燃焼室の混合気の燃焼が開始される前に前記副燃焼室内の混合気の燃焼が開始されて前記貫通孔から燃焼ガスが前記主燃焼室内に噴出するように混合気の燃焼を制御し、前記貫通孔は、各気筒の中心軸線を含むと共に該中心軸線から放射状に延びる断面のうち、ピストンが圧縮上死点にあるときの前記中心軸線と前記主燃焼室の壁面とによって画定される面積に対する前記主燃焼室の壁面長さの比率が最も大きい断面上に前記燃焼ガスが噴出するように構成される、内燃機関。
本発明によれば、燃焼室の周方向において燃焼室の形状が異なることによって燃焼期間後半における混合気の燃焼速度が低下することが抑制される。
図1は、一つの実施形態に係る内燃機関を概略的に示す部分断面図である。 図2は、主燃焼室の上面を概略的に示す底面図である。 図3は、副燃焼室の拡大断面図である。 図4は、主燃焼室の上面を概略的に示す部分断面底面図である。 図5は、異なる圧縮比におけるクランク角と熱発生率との関係を示す図である。 図6は、或る構成の燃焼室における乱れ散逸率を概略的に示す図2と同様な底面図である。 図7は、各気筒の中心軸線を含む断面における燃焼室近傍の断面図である。 図8は、図6に示した燃焼室における、角度θと、角度θの断面における燃焼室壁面長さL/燃焼室断面積Sとの関係を示す図である。 図9は、乱れの散逸と燃焼室の壁面からの距離との関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<内燃機関の構成>
図1は、一つの実施形態に係る内燃機関1を概略的に示す部分断面図である。図1に示したように、内燃機関1は、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、ピストン4、コンロッド5を備える。
シリンダブロック2は、並んで配置された複数の気筒6を備える。シリンダヘッド3は、当接面Aにおいてシリンダブロック2に当接するように配置され、シリンダブロック2に形成された気筒6の一方の端部を塞ぐように配置される。
ピストン4は、シリンダブロック2内に形成された気筒6内を往復運動するように配置される。ピストン4は、ピストンピンを介してコンロッド5に連結される。コンロッド5は、クランクピンを介してクランクシャフト(図示せず)に連結される。コンロッド5は、ピストン4の往復運動をクランクシャフトの回転運度に変換するように作用する。また、シリンダブロック2の気筒6の壁面とシリンダヘッド3とピストン4とによって、混合気が燃焼する主燃焼室7が形成される。
図2は、一つの主燃焼室7の上面を概略的に示す底面図である。したがって、図2は、シリンダヘッド3の底面であって、一つの気筒6を塞ぐように位置する部分を概略的に示している。また、図2は、後述する吸気弁及び排気弁が設けられていない状態を示している。
図1及び図2に示したように、シリンダヘッド3には、吸気ポート11及び排気ポート12が形成される。吸気ポート11は、主燃焼室7に面すると共にシリンダヘッド3に形成された吸気開口13を介して主燃焼室7に連通する。同様に、排気ポート12は、主燃焼室7に面すると共にシリンダヘッド3に形成された排気開口14を介して主燃焼室7に連通する。
図2に示したように、本実施形態では、各主燃焼室7毎に、二つの吸気開口13及び二つの排気開口14が設けられる。二つの吸気開口13は、複数の気筒6が並んで配置される方向(以下、「気筒整列方向」ともいう)と同一方向に並んで配置される。同様に、二つの排気開口14は、気筒整列方向と同一方向に並んで配置される。各気筒6の中心軸線Xを通って気筒整列方向に延びる整列方向中央平面Caに対して一方側に二つの吸気開口13が配置され、他方側に二つの排気開口14が配置される。
なお、本明細書では、気筒整列方向と垂直な方向であって整列方向中央平面Caから吸気開口13へ向かう方向、すなわち排気開口14から吸気開口13に向かう方向を「吸気開口側」又は「吸気開口方向」Diと称する。また、気筒整列方向と垂直な方向であって整列方向中央平面Caから排気開口14へ向かう方向、すなわち吸気開口13から排気開口14に向かう方向を「排気開口側」又は「排気開口方向」Deと称する。加えて、各気筒6の中心軸線Xを通って気筒整列方向と垂直な方向に延びる平面を吸排気方向中央平面Cfと称する。
シリンダヘッド3は、主燃焼室7の上面が吸気側傾斜面17と排気側傾斜面18との二つの傾斜面を有するように形成される。吸気側傾斜面17は、吸気開口側の縁部から整列方向中央平面Caに向かって当接平面Aからの高さ(気筒6の中心軸線X方向における当接平面Aからの長さ)が高くなっていくように形成される。排気側傾斜面18は、排気開口側の縁部から整列方向中央平面Caに向かって当接平面Aからの高さが高くなっていくように形成される。したがって、主燃焼室7の上面は整列方向中央平面Caにおいてが最も高くなるように傾斜する。なお、主燃焼室7の上面は、吸気開口側から中央へ向かって高さが高くなるような傾斜面と、排気開口側から中央へ向かって高さが高くなるような傾斜面とを備えていれば、必ずしも整列方向中央平面Caにおいて最も高くなるように形成されていなくてもよい。
また、シリンダヘッド3には、吸気開口13を開閉する吸気弁21と、排気開口14を開閉する排気弁22とが設けられる。また、シリンダヘッド3には、吸気ポート11内に燃料を噴射する第1燃料噴射弁25が設けられる。
吸気弁21は、吸気弁21の軸線方向に摺動可能にシリンダヘッド3内に配置される。吸気弁21は、吸気動弁機構(図示せず)によってその軸線方向にリフトされる。吸気動弁機構は、吸気弁21の作用角、位相角及び最大リフト量の少なくとも一つを変更可能な可変動弁機構であってもよいし、これらを変更不能な動弁機構であってもよい。
同様に、排気弁22は、排気弁22の軸線方向に摺動可能にシリンダヘッド3内に配置される。排気弁22は、排気動弁機構(図示せず)によってその軸線方向にリフトされる。排気動弁機構は、排気弁22の作用角、位相角及び最大リフト量の少なくとも一つを変更可能な可変動弁機構であってもよいし、これらを変更不能な動弁機構であってもよい。
第1燃料噴射弁25は、吸気ポート11内を流れる空気内に燃料を噴射する。したがって、内燃機関1の運転中においては、主燃焼室7には基本的に吸気開口13を介して燃料及び空気を含む混合気が供給される。なお、第1燃料噴射弁25は、主燃焼室7内に直接燃料を噴射するように構成されてもよい。
電子制御ユニット(ECU)31はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス32を介して相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)33、RAM(ランダムアクセスメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36及び出力ポート37を具備する。
アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。クランク角センサ42は例えばクランクシャフトが15度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート36に入力される。CPU35ではこのクランク角センサ42の出力パルスから機関回転数が計算される。一方、出力ポート37は対応する駆動回路39を介して第1燃料噴射弁25等に接続される。なお、ECU31は、主燃焼室7及び後述する副燃焼室内での混合気の燃焼を制御する制御装置として機能する。
<副燃焼室の構成>
また、本実施形態の内燃機関1では、各主燃焼室7の中央においてシリンダヘッド3に副燃焼室50が形成される。以下では、図3を参照して、副燃焼室50の構成について説明する。
図3は、副燃焼室50の拡大断面図である。図1及び図3に示したように、副燃焼室50は、各気筒6の中心軸線Xを中心軸線とする円筒状に形成される。また、副燃焼室50は、少なくとも部分的にシリンダヘッド3内に位置するように形成される。なお、副燃焼室5は、その中心軸線が各気筒6の中心軸線Xに対してオフセットするように形成されてもよい(例えば、各気筒6の中心軸線Xが副燃焼室5内を通過するように形成されてもよい)。
副燃焼室50は、副燃焼室壁51によってその周囲が囲まれ、よって副燃焼室壁51によって画定される。副燃焼室壁51は、その一部がシリンダヘッド3内に設けられると共に、残りの部分がシリンダヘッド3から突出するように形成される。本実施形態では、シリンダヘッド3から突出した副燃焼室壁51の部分(以下、「突出部分」という)の先端は半球状に形成される。なお、本実施形態では、副燃焼室壁51はその全体がシリンダヘッド3とは別体として形成されているが、その少なくとも一部がシリンダヘッド3と一体的に形成されてもよい。
副燃焼室壁51の突出部分52には、副燃焼室壁51を貫通する貫通孔53が設けられる。また、貫通孔53は、主燃焼室7に曝されるように形成される。したがって、貫通孔53は、主燃焼室7と副燃焼室50とを連通させる。
加えて、貫通孔53は、気筒6の中心軸線方向に見たとときに、副燃焼室50の軸線(すなわち気筒6の中心軸線X)から放射状に延びるように形成される。特に、本実施形態では、副燃焼室壁51には吸気開口方向Diに延びる第1貫通孔53aと排気開口方向Deに延びる第2貫通孔53bとの二つの貫通孔53が設けられる。また、各貫通孔53は、副燃焼室50から主燃焼室7に向かう中心軸線X方向において、中心軸線Xと鋭角を成して傾斜する方向に延びるように形成される。なお、貫通孔53は突出部分52に一つのみ設けられてもよいし、三つ以上設けられてもよい。
副燃焼室壁51には、突出部分52と対向する領域、すなわち貫通孔53から離れた領域において、第2燃料噴射弁55、空気噴射弁56及び点火プラグ57が設けられる。図1及び図3に示したように、第2燃料噴射弁55、空気噴射弁56及び点火プラグ57は、副燃焼室壁51を貫通して延びるように配置される。
第2燃料噴射弁55は、副燃焼室50内に燃料を噴射する弁であり、その噴孔が副燃焼室50内に位置するように配置される。本実施形態では、第2燃料噴射弁55は、副燃焼室50の中心に向かって燃料を噴射するように構成される。空気噴射弁56は、副燃焼室50内に空気を噴射する弁であり、その噴孔が副燃焼室50内に位置するように配置される。本実施形態では、空気噴射弁56は、副燃焼室50の中心に向かって空気を噴射するように構成される。点火プラグ57は、副燃焼室50内の混合気に点火するプラグであり、副燃焼室50内の中央近傍において点火プラグ57によって火花が生成されるように構成される。
第2燃料噴射弁55、空気噴射弁56及び点火プラグ57は、対応する駆動回路39を介してECU31の出力ポートに接続される。したがって、第2燃料噴射弁55、空気噴射弁56及び点火プラグ57は、ECU31によって制御される。
なお、上記実施形態では、副燃焼室50内に燃料を噴射する第2燃料噴射弁55及び副燃焼室50内に空気を噴射する空気噴射弁56が設けられているが、このうち少なくとも何れか一方が設けられていれば、必ずしもこれら両方が設けられなくてもよい。
<副燃焼室での燃焼制御>
このように構成された副燃焼室50の第2燃料噴射弁55、空気噴射弁56及び点火プラグ57は、主燃焼室7の混合気の燃焼が開始される前に、副燃焼室50内の混合気の燃焼が開始されて貫通孔から燃焼ガス(火炎)が主燃焼室7内に噴出するように制御される。以下では、ECU31によるこれら第2燃料噴射弁55、空気噴射弁56及び点火プラグ57の制御手順について説明する。
吸気行程中に吸気弁21が開弁され、主燃焼室7内には第1燃料噴射弁25から噴射された燃料を含んだ混合気が流入する。第1燃料噴射弁25は混合気の空燃比が主燃焼室7内での燃焼に適した空燃比となるように燃料噴射を行うため、主燃焼室7内には燃焼に適した空燃比の混合気が流入する。特に、本実施形態では、第1燃料噴射弁25は、混合気の空燃比が理論空燃比近傍の空燃比となるように燃料噴射を行う。
副燃焼室50は貫通孔53を介して主燃焼室7に連通していることから、主燃焼室7内に理論空燃比の混合気が流入すると貫通孔53を介して副燃焼室50内に理論空燃比の混合気が流入する。このため、吸気行程から圧縮行程前半にかけて、副燃焼室50内には理論空燃比の混合気が流入する。
その後、圧縮行程前半において、空気噴射弁56から副燃焼室50内に空気が噴射される。この結果、副燃焼室50内の混合気の空燃比は理論空燃比よりもかなりリーンな空燃比になると共に、このリーンな空燃比の混合気の一部は貫通孔53を介して副燃焼室50外へ押し出され、よって主燃焼室7の副燃焼室壁51周りの混合気の空燃比はかなりリーンな空燃比となる。
圧縮行程後半になると、第2燃料噴射弁55から副燃焼室50内に燃料が噴射される。この結果、突出部分52の近傍を除いた副燃焼室50内の大部分の混合気の空燃比が理論空燃比近傍の空燃比となる。一方、突出部分52の近傍では、第2燃料噴射弁55から遠いことから第2燃料噴射弁55から噴射された燃料噴霧がとどきにくいことと、圧縮行程中であるため主燃焼室7の副燃焼室壁51周りのかなりリーンな混合気が貫通孔53を介して副燃焼室50内に戻されることから、混合気の空燃比はかなりリーンのまま維持される。
その後、圧縮上死点近傍において、点火プラグ57による混合気への点火が行われる。この結果、副燃焼室50内の混合気が着火されて燃焼し、燃焼に伴って生成された燃焼ガス(火炎)Fが図4に示したように貫通孔53を通って主燃焼室7内に噴出する。図4に示したように、貫通孔53は吸気開口方向Di及び排気開口方向Deに延びることから、燃焼ガス(火炎)Fも吸気開口方向Di及び排気開口方向Deに噴出する。
このように主燃焼室7内に燃焼ガス(火炎)が噴出することにより、主燃焼室7内の混合気が着火され、燃焼する。主燃焼室7内の混合気が燃焼すると気筒6内でピストン4が押し下げられることになる。
本実施形態によれば、副燃焼室50内に第2燃料噴射弁55から燃料が噴射されても突出部分52の近傍では副燃焼室50内の混合気の空燃比がかなりリーンな空燃比となる。この結果、突出部分52の温度上昇が抑制され、よって突出部分52が高温になることによって生じる早期着火を抑制することができる。
<燃焼速度と混合気の乱れとの関係>
ところで、内燃機関の熱効率を高める一つの手段として、圧縮比を高めることが考えられる。ところが、このように圧縮比を高めた場合には混合気の燃焼後半において、燃焼速度が低下し、結果的に十分に熱効率を高めることができない場合がある。以下では、このことについて説明する。
図5は、異なる圧縮比におけるクランク角と熱発生率との関係を示す図である。熱発生率dQ/dθは単位クランク角当たりに主燃焼室7内での混合気の燃焼に伴って発生した熱量を意味する。図中の破線ε14は圧縮比が14である場合の熱発生率のクランク角推移を示しており、図中の実線ε15は圧縮比が15である場合の熱発生率のクランク角推移を示している。
なお、図5に示した例では、13°ATDC近傍において熱発生率が最大となる。本明細書では、このように熱発生率が最大となるクランク角よりも前を主燃焼前半と称し、熱発生率が最大となるクランク角よりも後を主燃焼後半と称する。
図5からわかるように、主燃焼前半においては、圧縮比が高い場合(ε15)及び圧縮比が低い場合(ε14)共に、熱発生率は同じように上昇していく。ところが、主燃焼後半においては、圧縮比が低い場合(ε14)には熱発生率が急速にゼロ近傍まで低下するのに対して、圧縮比が高い場合(ε15)には熱発生率はそれほど急速にゼロ近傍まで低下しない。したがって、圧縮比が高い場合(ε15)には、圧縮比が低い場合(ε14)に比べて、主燃焼後半において、燃焼速度が遅いことがわかる。
このように圧縮比が高い場合に主燃焼後半において燃焼速度が遅い要因として、主燃焼室7内の混合気の乱れの散逸(減衰)が考えられる。混合気の乱れの散逸率(減衰率)が高くなると、主燃焼後半において主燃焼室7内の未燃の混合気に生じている乱れが小さくなり、よって主燃焼後半における燃焼速度が遅くなる。
ここで、主燃焼室7内の混合気の乱れの散逸は、必ずしも主燃焼室7の周方向において均一ではない。図6は、或る構成の主燃焼室7における乱れ散逸率を概略的に示す図2と同様な底面図である。図6中の濃い領域は混合気の乱れ散逸率が高い領域を示しており、図6中の薄い領域は混合気の乱れ散逸率が低い領域を示している。
図6からわかるように、混合気の乱れの散逸率は主燃焼室7の周方向において均一ではない。図6に示した主燃焼室7では、主燃焼室7の排気開口方向Deや吸気開口方向Diに位置する領域において乱れ散逸率が高く、それ以外の方向(例えば気筒整列方向)に位置する領域では乱れ散逸率が低いことがわかる。したがって、図6に示した主燃焼室7では、主燃焼後半における燃焼速度の遅延は、主燃焼室7の排気開口方向Deや吸気開口方向Diに位置する領域において乱れ散逸率が高いことによるものであると考えられる。
<乱れ散逸率と燃焼室形状との関係>
混合気の乱れの散逸率には、主燃焼室7の形状が関係していると考えられる。このことについて、図7及び図8を参照して説明する。図7は、各気筒6の中心軸線Xを含む断面における主燃焼室7近傍の断面図である。図7では、説明を分かりやすくするために、副燃焼室壁51が省略されている。
ここで、本明細書では、気筒6の中心軸線Xを含むと共に中心軸線Xから放射状に延びる断面(例えば、図7中の中心軸線Xよりも左側の断面)において、ピストン4が圧縮上死点にあるときの中心軸線Xと主燃焼室7の壁面によって画定される面積を燃焼室断面積Sと称する。また、気筒6の中心軸線Xを含むと共に中心軸線Xから放射状に延びる断面(例えば、図7中の中心軸線Xよりも左側の断面)にける主燃焼室の壁面の長さ(すなわち、主燃焼室7を画定するシリンダヘッド3の底面、ピストン4の上面の長さの合計)を燃焼室壁面長さLと称する。
また、本明細書では、気筒6の中心軸線Xから吸気開口方向Diに延びる断面を基準とし、この基準断面からの角度がθ(図6参照)である方向に気筒6の中心軸線Xから放射状に延びる断面を角度θの断面と称する。
燃焼室断面積S、燃焼室壁面長さL及び角度θの断面を上述したように定義すると、図8は、図6に示した主燃焼室7における、角度θと、角度θの断面におけるL/Sとの関係を示している。
図8からわかるように、図6に示した主燃焼室7では、L/Sは角度θが180°の断面において最大となる。すなわち、L/Sは、気筒6の中心軸線Xから排気開口方向Deに延びる断面において最大となる。そして、角度θが180°から90°に変化するにつれて及び角度θが180°から270°に変化するにつれてL/Sも低下する。そして、角度θが90°から0°に向けて変化するにつれて及び角度θが270°から360°に変化するにつれてL/Sは再び増加し、0°及び360°近傍で比較的大きな値となる。
ここで図6に示したように、主燃焼室7の排気開口方向Deや吸気開口方向Diに位置する領域では乱れの散逸率の高い。一方、図8に示したように、主燃焼室7の排気開口方向Deや吸気開口方向Diに位置する領域を含む断面では、L/Sが大きい。したがって、L/Sが大きい断面では、混合気の乱れの散逸率が高くなると考えられる。
これは、混合気の乱れの散逸と主燃焼室7の壁面からの距離との関係によるものであると考えられる。図9は、乱れの散逸と主燃焼室7の壁面からの距離との関係を示す図である。図9に示したように、混合気の乱れの散逸は、主燃焼室7の壁面からの距離が近いほど大きくなる。そして、L/Sが大きい場合には、基本的に主燃焼室7の壁面から近い空間が多くなる。したがって、L/Sが大きい断面では、混合気の乱れの散逸率が高くなると考えられる。
<本実施形態における作用・効果>
本実施形態では、上述したように、副燃焼室壁51には吸気開口方向Diに延びる第1貫通孔53aと排気開口方向Deに延びる第2貫通孔53bとの二つの貫通孔53が設けられる。このため、燃焼ガス(火炎)Fが貫通孔53から吸気開口方向Di及び排気開口方向Deに噴出する。この結果、燃焼ガスFが噴出された主燃焼室7内の吸気開口方向Di及び排気開口方向Deに位置する領域では、混合気の燃焼速度が速くなる。
本実施形態では、図6及び図8に示したように、主燃焼室7の排気開口方向Deや吸気開口方向Diに位置する領域を含む断面ではL/Sが大きく、よって混合気の乱れの散逸率が高く、したがって主燃焼後半において燃焼速度が遅くなっていた。これに対して、本実施形態では燃焼ガスFにより主燃焼室7内の吸気開口方向Di及び排気開口方向Deに位置する領域にて混合気の燃焼速度が速くなるため、この領域における主燃焼後半における燃焼速度の低下を抑制することができる。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、副燃焼室壁51の貫通孔53は、気筒6の中心軸線Xを含むと共に中心軸線Xから放射状に延びる断面のうち、ピストン4が圧縮上死点にあるときの燃焼室断面積S対する燃焼室壁面長さLの比率L/Sが周方向においてピークとなる二つの断面(角度θが180°の断面と0°の断面)上に燃焼ガスが噴出するように構成されている。
しかしながら、副燃焼室壁51の貫通孔53は、L/Sが周方向において最大となる断面上に燃焼ガスが噴出するように構成されていれば、どのように構成されてもよい。したがって、副燃焼室壁51には一つの貫通孔53のみが設けられ、この貫通孔53をL/Sが周方向において最大となる断面上に燃焼ガスを噴出するように形成してもよい。或いは、副燃焼室壁51には三つ以上の貫通孔53を設け、これら貫通孔53を周方向においてL/Sが相対的に大きくなるような断面上に燃焼ガスを噴出するように形成してもよい。
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 ピストン
6 気筒
7 主燃焼室
11 吸気ポート
12 排気ポート
13 吸気開口
14 排気開口
25 第1燃料噴射弁
50 副燃焼室
51 副燃焼室壁
53 貫通孔
55 第2燃料噴射弁
56 空気噴射弁
57 点火プラグ

Claims (1)

  1. 混合気を燃焼させる主燃焼室と、貫通孔を介して前記主燃焼室に連通する副燃焼室と、前記主燃焼室及び前記副燃焼室内での混合気の燃焼を制御する制御装置と、を備えた内燃機関であって、
    前記制御装置は、前記主燃焼室の混合気の燃焼が開始される前に前記副燃焼室内の混合気の燃焼が開始されて前記貫通孔から燃焼ガスが前記主燃焼室内に噴出するように混合気の燃焼を制御し、
    前記貫通孔は、各気筒の中心軸線を含むと共に該中心軸線から放射状に延びる断面のうち、ピストンが圧縮上死点にあるときの前記中心軸線と前記主燃焼室の壁面とによって画定される面積に対する前記主燃焼室の壁面長さの比率が最も大きい断面上に前記燃焼ガスが噴出するように構成される、内燃機関。
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