JP2008169695A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】CO排出量、トルク変動特性、燃料消費量などのエンジン性能を向上させ得る内燃機関を提供すること。
【解決手段】この内燃機関1は、シリンダ2と、シリンダ2内に往復可能に収容されるピストン3と、シリンダ2の燃焼室に燃料を噴射するインジェクタ6と、シリンダ2内の燃料に点火する点火プラグ7とを有する。また、この内燃機関1は、吸気行程中にてシリンダ2内に吸気流を形成して吸気と燃料とを混合する。この内燃機関1では、インジェクタ6が第一燃料噴射孔と少なくとも一対の第二燃料噴射孔とを有する。そして、第一燃料噴射孔が点火プラグ7の着火点の近傍に燃料を噴射する。また、一対の第二燃料噴射孔が点火プラグ7の着火点の直下を跨ぐ二方向であってシリンダ2内の吸気流の接線方向かつ流れ方向に沿って燃料を噴射する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、内燃機関に関し、さらに詳しくは、CO排出量、トルク変動特性、燃料消費量などのエンジン性能を向上させ得る内燃機関に関する。
筒内直噴式のガソリンエンジンでは、CO排出量、トルク変動特性、燃料消費量などのエンジン性能を向上すべき要請がある。これらのエンジン性能は、一般に混合気の均質性を高めることにより実現される。
例えば、ポート噴射式のガソリンエンジンでは、吸気ポートにて予め燃料が噴射され、この燃料がシリンダ内に流入する吸気の流速によりせん断されて混合されるため、混合気の均質性がきわめて良好である。一方、筒内直噴式のガソリンエンジンでは、すでにシリンダ内に流入した吸気の流動(吸気流)を利用して燃料の拡散が行われるため、混合気の均質性が悪化し易い。このため、筒内直噴式のガソリンエンジンでは、ポート噴射式のガソリンエンジンと比較して、燃料と吸気との混合性(均質性)が低く、その燃焼効率が悪い。
また、エンジンの暖気前や冷間始動時には、エンジンの触媒温度を上昇させて排気エミッションを低減させる必要がある。この場合、燃料の直噴を活用した始動時の点火遅角制御は、触媒の暖気にあたり非常に有力な手段となる。しかしながら、燃料噴霧の形状が大きな制約を受けるため、混合気の均質性との両立が困難である。
また、ピストンに向けて燃料を噴射することによりシリンダ内の混合気を巻き上げて成層を形成する構成や、点火プラグの周辺に貫徹力の弱い(噴霧長の短い)燃料噴霧を直接的に噴射して弱成層の混合気を形成する構成もある。しかしながら、かかる構成では、強い貫徹力の燃料噴霧がシリンダ内の吸気流に噴射されるため、混合気の均質性が悪化し易い。
なお、混合気の均質性の課題に関する従来の内燃機関には、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の内燃機関(筒内燃料噴射型内燃機関)は、シリンダブロックにおけるシリンダの頂部を塞ぐシリンダヘッドに、前記シリンダ内に下向きに開口する吸気ポート及び点火栓を設けて成り、更に、前記シリンダヘッドのうち前記吸気ポート側の部位に前記シリンダ内に向かって斜め下向きに燃料を噴射するようにした燃料噴射弁を設け、この燃料噴射弁による燃料噴射の時期を、中速以下の低回転域においては吸気行程のうち下死点に近づけるように遅角し、中速以上の高回転域においては吸気行程のうち上死点に近づけるように進角して成る筒内燃料噴射型内燃機関において、前記燃料噴射弁における燃料噴射口を、少なくとも、前記シリンダの軸線に対する下向きの噴射角度を小さくした第1燃料噴射口と、前記シリンダの軸線に対する下向きの噴射角度を大きくした第2燃料噴射口とに構成し、更に、前記低回転域において前記第1燃料噴射口及び前記第2燃料噴射口から燃料噴射し、前記高回転域において前記第1燃料噴射口からの燃料噴射を停止し、前記第2燃料噴射口から燃料噴射するように構成したことを特徴とする。
特開2005−42586号公報
この発明は、CO排出量、トルク変動特性、燃料消費量などのエンジン性能を向上させ得る内燃機関を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる内燃機関は、シリンダと、前記シリンダ内に往復可能に収容されるピストンと、前記シリンダの燃焼室に燃料を噴射するインジェクタと、前記シリンダ内の燃料に点火する点火プラグとを有すると共に、吸気行程中にて前記シリンダ内に吸気流を形成して吸気と燃料とを混合する内燃機関であって、前記インジェクタが第一燃料噴射孔と少なくとも一対の第二燃料噴射孔とを有し、且つ、前記第一燃料噴射孔が前記点火プラグの着火点の近傍に燃料を噴射すると共に、一対の前記第二燃料噴射孔が前記点火プラグの着火点の直下を跨ぐ二方向であって前記シリンダ内の吸気流の接線方向かつ流れ方向に沿って燃料を噴射することを特徴とする。
この内燃機関では、(1)第一燃料噴射孔が点火プラグの着火点の近傍に燃料を噴射することより、着火点の近傍に弱成層混合気が形成される。これにより、点火プラグの近傍に濃い混合気が形成されてエンジンの点火遅角制御が良好に行われる。また、(2)一対の第二燃料噴射孔がシリンダ2内の吸気流の接線方向かつ流れ方向に沿って燃料を噴射するので、この燃料噴射により吸気流が増速される。これにより、吸気と燃料とが効果的に混合されて混合気の均一性が向上する。また、(3)一対の第二燃料噴射孔が点火プラグの着火点の直下を跨ぐ二方向に燃料を噴射する。したがって、シリンダ内の吸気流を増速させるために第二燃料噴射孔の燃料噴射の貫徹力が強く設定されているときに、着火点の直下では、第二燃料噴射孔による燃料噴射が行われない。これにより、着火点にて第一燃料噴射孔による弱成層混合気が適正に形成されるので、エンジンの点火遅角制御が適正に行われる。上記の(1)〜(3)の作用により、エンジンのCO排出量、トルク変動特性および燃料消費量が向上する利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関では、一対の前記第二燃料噴射孔の噴霧形状が、燃料の噴射方向に直交する平面の断面視にて、前記シリンダの径方向に延在する幅広な断面形状を有する。
この内燃機関では、一対の第二燃料噴射孔がハの字状に配置されている構成と比較して、より大きな吸気流がシリンダ内に形成される。これにより、吸気と燃料との混合が良好に行われて、混合気の均一性が向上する利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関では、前記インジェクタが前記シリンダの側壁側に配置されて前記シリンダの中心方向に燃料を噴射する。
また、この内燃機関では、インジェクタが上記のような第一燃料噴射孔および一対の第二燃料噴射孔を有するときに、(1)第一燃料噴射孔の噴射領域を点火プラグの着火点の近傍に配置する構成、ならびに、(2)一対の第二燃料噴射孔の燃料噴射方向をシリンダ内の吸気流の接線方向に向けた構成が容易に実現される利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関では、前記第二燃料噴射孔がスリット形状を有する。
この内燃機関では、第二燃料噴射孔が複数の孔から成る構成と比較して、スリット形状の噴射孔により幅広かつ帯状の噴霧が容易に形成される。したがって、この噴霧がシリンダ2内の吸気流に噴射されることにより、シリンダ内の吸気流が効果的に増速される。これにより、吸気と燃料とが効果的に混合されて混合気の均一性が向上する利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関では、前記第二燃料噴射孔が配列された複数のピン孔により構成される。
この内燃機関では、第二燃料噴射孔がスリット形状を有する構成と比較して、貫徹力の強い噴霧が容易に形成される。したがって、この噴霧がシリンダ内の吸気流に噴射されることにより、シリンダ内の吸気流が効果的に増速される。これにより、吸気と燃料とが効果的に混合されて混合気の均一性が向上する利点がある。
この発明にかかる内燃機関では、(1)第一燃料噴射孔が点火プラグの着火点の近傍に燃料を噴射することより、着火点の近傍に弱成層混合気が形成される。これにより、点火プラグの近傍に濃い混合気が形成されてエンジンの点火遅角制御が良好に行われる。また、(2)一対の第二燃料噴射孔がシリンダ2内の吸気流の接線方向かつ流れ方向に沿って燃料を噴射するので、この燃料噴射により吸気流が増速される。これにより、吸気と燃料とが効果的に混合されて混合気の均一性が向上する。また、(3)一対の第二燃料噴射孔が点火プラグの着火点の直下を跨ぐ二方向に燃料を噴射する。したがって、シリンダ内の吸気流を増速させるために第二燃料噴射孔の燃料噴射の貫徹力が強く設定されているときに、着火点の直下では、第二燃料噴射孔による燃料噴射が行われない。これにより、着火点にて第一燃料噴射孔による弱成層混合気が適正に形成されるので、エンジンの点火遅角制御が適正に行われる。上記の(1)〜(3)の作用により、エンジンのCO排出量、トルク変動特性および燃料消費量が向上する利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる内燃機関を示す断面図である。図2は、図1に記載した内燃機関のインジェクタの噴射孔を示す正面図である。図3〜図5は、図1に記載した内燃機関の作用を示す説明図である。図6は、図1に記載した内燃機関の変形例を示す説明図である。図7は、この発明の実施例にかかる内燃機関のインジュクタのV角を示す説明図である。図8〜図10は、この発明の実施例にかかる内燃機関の性能試験の結果を示す試験結果図である。図11は、この発明の実施例にかかる内燃機関の性能試験の試験条件を示す説明図である。
[内燃機関]
この内燃機関1は、筒内噴射式の4サイクルガソリンエンジンである。内燃機関1は、シリンダ(シリンダボア)2と、シリンダ2内に往復可能に収容されるピストン3と、シリンダ2に連結される吸気ポート4および排気ポート5と、吸気ポート4を開閉する吸気バルブ41ならびに排気ポート5を開閉する排気バルブ51と、シリンダ2(燃焼室)に燃料を噴射するインジェクタ6と、シリンダ2内の燃料に点火する点火プラグ7とを有する(図1参照)。
エンジン稼働時には、まず、ピストン3が下降すると共に吸気バルブ41が開弁されて、吸気が吸気ポート4からシリンダ2(燃焼室)内に吸入される(吸気行程)。次に、ピストン3が上昇してシリンダ2内の吸気が圧縮される(圧縮行程)。次に、この吸気とインジェクタ6から噴射された燃料とがシリンダ2内にて混合されて混合気となる。次に、この混合気が点火プラグ7により点火されてシリンダ2内で燃焼し(燃焼行程)、その燃焼エネルギーによりピストン3が駆動されてシリンダ2内を往復運動する。そして、このピストン3の往復運動がクランクシャフト(図示省略)の回転運動に変換されて動力が発生する。その後に、ピストン3が上昇すると共に排気バルブ51が開放されて、シリンダ2内の燃焼ガスが排気ポート5から外部に排出される(排気行程)。
[インジェクタ]
また、この内燃機関1は、吸気行程中にてシリンダ2内に吸気流(タンブル)を形成して吸気と燃料とを混合する構成を採用する(図1参照)。具体的には、インジェクタ6が吸気ポート4側のシリンダボアサイドに設置されてシリンダ2の中央に向けて燃料を噴射する。また、シリンダ2内には、正方向の吸気流(正タンブル)が形成される。すなわち、シリンダの軸方向断面視にて、シリンダ2の燃焼室内を吸気ポート4側から排気ポート5側に向かう吸気流が形成される。そして、インジェクタ6から噴射された燃料が吸気行程中の吸気流に乗るように、インジェクタ6が一方のシリンダボアサイドから対向するシリンダボアサイドに向けて燃料を噴射する(サイド噴射方式)。これにより、吸気と燃料との混合が良好に行われ、混合気の均質性が向上してエンジンの燃費率が向上する。
また、この内燃機関1では、インジェクタ6が第一燃料噴射孔61と少なくとも一対の第二燃料噴射孔62、62とを有する(図2参照)。例えば、この実施例では、単孔から成る第一燃料噴射孔61とスリット形状の第二燃料噴射孔62、62とがインジェクタ6の先端部(燃料噴射側の端部)に形成されている(図4参照)。また、インジェクタ6の正面視にて、一対の第二燃料噴射孔62、62がスリット形状の長手方向を直列に揃えて配置され(横二枚スリット構造)、これらの中間かつ側方に第一燃料噴射孔61が配置される。
第一燃料噴射孔61は、点火プラグ7の着火点の近傍(例えば、点火プラグ7の直下5[mm])に燃料を噴射して弱成層混合気を形成する(図2および図5参照)。このため、この第一燃料噴射孔61では、燃料噴射の貫徹力が十分に低く設定される。また、弱成層混合気によって点火遅角制御が成立する程度に、燃料噴射量が設定される。一般には、第一燃料噴射孔61の燃料噴射量が第二燃料噴射孔62の燃料噴射量よりも十分に少なく設定される。また、この第一燃料噴射孔61は、吸気流の形成を阻害しないように、吸気流の渦中心から外れた領域に燃料を噴射する。なお、この第一燃料噴射孔61による燃料噴射は、例えば、冷間始動時にて触媒を暖機するために用いられる。
第二燃料噴射孔62、62は、シリンダ2内の吸気流の接線方向かつ流れ方向に沿って燃料を噴射する(図2および図5参照)。例えば、第二燃料噴射孔62、62は、シリンダ2内に正方向の吸気流が形成されるときに、吸気流の渦中心に対して燃焼室側の接線方向かつ吸気流の流れ方向に沿って燃料を噴射する。この燃料噴射によって、シリンダ2内の吸気流が増速される。なお、この実施例では、この第二燃料噴射孔62、62の燃料噴射の貫徹力が高く設定されることにより、吸気流の増速効果が高められている。
また、一対の第二燃料噴射孔62、62は、点火プラグ7の着火点の直下を跨ぐ二方向に燃料を噴射する(図3および図4参照)。例えば、この実施例では、一対の第二燃料噴射孔62、62がシリンダ2の中心軸lを跨ぐ二方向に燃料を噴射する。すなわち、シリンダ2の径方向断面視にて、各第二燃料噴射孔62、62からの燃料がシリンダ2の中心軸lを左右(シリンダ2の径方向)に跨くようにV字状に噴射される。
この内燃機関1では、(1)第一燃料噴射孔61が点火プラグ7の着火点の近傍に燃料を噴射することより、着火点の近傍に弱成層混合気が形成される(図5参照)。これにより、点火プラグ7の近傍に濃い混合気が形成されてエンジンの点火遅角制御が良好に行われる。また、(2)一対の第二燃料噴射孔62、62がシリンダ2内の吸気流の接線方向かつ流れ方向に沿って燃料を噴射するので、この燃料噴射により吸気流が増速される。これにより、吸気と燃料とが効果的に混合されて混合気の均一性が向上する。また、(3)一対の第二燃料噴射孔62、62が点火プラグ7の着火点の直下を跨ぐ二方向に燃料を噴射する。したがって、シリンダ2内の吸気流を増速させるために第二燃料噴射孔62、62の燃料噴射の貫徹力が強く設定されているときに、着火点の直下では、第二燃料噴射孔62、62による燃料噴射が行われない。これにより、着火点にて第一燃料噴射孔61による弱成層混合気が適正に形成されるので、エンジンの点火遅角制御が適正に行われる。上記の(1)〜(3)の作用により、エンジンのCO排出量、トルク変動特性および燃料消費量が向上する利点がある。
[付加的事項1]
なお、この内燃機関1では、一対の第二燃料噴射孔62、62の噴霧形状が、燃料の噴射方向に直交する平面の断面視にて、シリンダ2の径方向に延在する幅広な断面形状を有することが好ましい(図2および図3参照)。すなわち、一対の第二燃料噴射孔62の噴霧形状がシリンダ2(燃焼室)の中央から側壁に向かって水平に延在するように、各第二燃料噴射孔62、62の開口形状が規定される(横二枚スリット噴霧形状)。かかる構成では、一対の第二燃料噴射孔がハの字状に配置されている構成(縦ダブル噴霧形状)と比較して、より大きな吸気流がシリンダ2内に形成される。これにより、吸気と燃料との混合が良好に行われて、混合気の均一性が向上する利点がある。
例えば、この実施例では、第二燃料噴射孔62が直線状のスリット形状を有し、一対の第二燃料噴射孔62、62が同一直線上に直列に配置されている(図2参照)。また、一対の第二燃料噴射孔62、62の噴霧形状が燃料噴射方向に直交する平面の断面視にてシリンダ2の径方向に対して水平かつ直線的に延びるように、各第二燃料噴射孔62、62の開口形状が規定されている(図3参照)。
[付加的事項2]
また、この内燃機関1では、インジェクタ6がシリンダ2の側壁側(シリンダボアサイド)に配置されてシリンダ2の中心方向に燃料を噴射することが好ましい(図1参照)。すなわち、サイド噴射方式が採用される。かかる構成では、インジェクタ6が上記のような第一燃料噴射孔61および一対の第二燃料噴射孔62、62を有するときに、(1)第一燃料噴射孔61の噴射領域を点火プラグの着火点の近傍に配置する構成、ならびに、(2)一対の第二燃料噴射孔62の燃料噴射方向をシリンダ2内の吸気流の接線方向に向けた構成が容易に実現される利点がある。例えば、インジェクタがシリンダの軸方向に配置される構成では、第一燃料噴射孔61および第二燃料噴射孔62の燃料噴射範囲を上記のように設定することが難しい。また、吸気ポート4および排気ポート5の設置スペースがインジェクタの配置によって減少するため、吸気量および排気量が縮小される問題点もある。
[付加的事項3]
また、この内燃機関1では、上記のように、第二燃料噴射孔62、62がスリット形状を有する(図4参照)。かかる構成では、第二燃料噴射孔が複数の孔から成る構成と比較して、スリット形状の噴射孔により幅広かつ帯状の噴霧が容易に形成される。したがって、この噴霧がシリンダ2内の吸気流に噴射されることにより、シリンダ内の吸気流が効果的に増速される。これにより、吸気と燃料とが効果的に混合されて混合気の均一性が向上する利点がある。
また、これに限らず、第二燃料噴射孔62が配列された複数のピン孔により構成されても良い(図6参照)。かかる構成では、第二燃料噴射孔がスリット形状を有する構成と比較して、貫徹力の強い噴霧が容易に形成される。したがって、この噴霧がシリンダ2内の吸気流に噴射されることにより、シリンダ2内の吸気流が効果的に増速される。これにより、吸気と燃料とが効果的に混合されて混合気の均一性が向上する利点がある。
[性能試験]
この実施例では、インジェクタの配置構成が異なる複数種類の内燃機関について、エンジンのCO排出量、トルク変動特性および燃料消費量に関する性能試験が行われた(図7〜図11参照)。これらの性能試験では、エンジン回転数1200[rpm]、出力密度Pme0.6[MPa]および理論空燃比の試験条件下にて、第二燃料噴射孔の噴霧のV角[deg]が変更されて測定が行われる。なお、噴霧のV角とは、シリンダの中心軸lに対して垂直な平面mをとり、この平面mと第二燃料噴射孔の燃料噴射方向とのなす角により定義される(図10参照)。また、噴霧のV角は、シリンダボアの寸法や吸気流の位置によって適宜規定される。
実施例の内燃機関1では、インジェクタ6がシリンダ2の側壁に配置されており(サイド噴射方式)、第一燃料噴射孔61および一対の第二燃料噴射孔62、62を有する(図1および図2参照)。そして、一対の第二燃料噴射孔62、62が点火プラグ7の着火点の直下を跨ぐ二方向であってシリンダ2内の吸気流の接線方向かつ流れ方向に沿って燃料を噴射する(図3〜図5参照)。比較例の内燃機関では、インジェクタがシリンダの側壁に配置されている。また、インジェクタには、単一のスリットが形成され、このスリットから燃料が噴射される(図11参照)。
試験結果に示すように、実施例の内燃機関1では、エンジンのCO排出量、トルク変動特性および燃料消費量が比較例の内燃機関よりも優れることが分かる(図7〜図9参照)。また、第二燃料噴射孔62の噴霧のV角が吸気流の接線方向に近づくと吸気流の増速作用が顕著になり、エンジン性能が向上することが分かる。
以上のように、本発明にかかる内燃機関は、CO排出量、トルク変動特性、燃料消費量などのエンジン性能を向上させ得る点で有用である。
この発明の実施例にかかる内燃機関を示す断面図である。 図1に記載した内燃機関のインジェクタの噴射孔を示す正面図である。 図1に記載した内燃機関の作用を示す作用説明図である。 図1に記載した内燃機関の作用を示す作用説明図である。 図1に記載した内燃機関の作用を示す作用説明図である。 図1に記載した内燃機関の変形例を示す説明図である。 この発明の実施例にかかる内燃機関のインジュクタのV角を示す説明図である。 この発明の実施例にかかる内燃機関の性能試験の結果を示す試験結果図である。 この発明の実施例にかかる内燃機関の性能試験の結果を示す試験結果図である。 この発明の実施例にかかる内燃機関の性能試験の結果を示す試験結果図である。 この発明の実施例にかかる内燃機関の性能試験の試験条件を示す説明図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダ
3 ピストン
4 吸気ポート
41 吸気バルブ
5 排気ポート
51 排気バルブ
6 インジェクタ
7 点火プラグ
61 第一燃料噴射孔
62 第二燃料噴射孔

Claims (5)

  1. シリンダと、前記シリンダ内に往復可能に収容されるピストンと、前記シリンダの燃焼室に燃料を噴射するインジェクタと、前記シリンダ内の燃料に点火する点火プラグとを有すると共に、吸気行程中にて前記シリンダ内に吸気流を形成して吸気と燃料とを混合する内燃機関であって、
    前記インジェクタが第一燃料噴射孔と少なくとも一対の第二燃料噴射孔とを有し、且つ、前記第一燃料噴射孔が前記点火プラグの着火点の近傍に燃料を噴射すると共に、一対の前記第二燃料噴射孔が前記点火プラグの着火点の直下を跨ぐ二方向であって前記シリンダ内の吸気流の接線方向かつ流れ方向に沿って燃料を噴射することを特徴とする内燃機関。
  2. 一対の前記第二燃料噴射孔の噴霧形状が、燃料の噴射方向に直交する平面の断面視にて、前記シリンダの径方向に延在する幅広な断面形状を有する請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記インジェクタが前記シリンダの側壁側に配置されて前記シリンダの中心方向に燃料を噴射する請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記第二燃料噴射孔がスリット形状を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の内燃機関。
  5. 前記第二燃料噴射孔が配列された複数のピン孔により構成される請求項1〜3のいずれか一つに記載の内燃機関。
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