JP4682885B2 - 筒内直接噴射式内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、筒内直接噴射式内燃機関の燃焼の制御に関し、特に、ノッキングの発生を防止しつつ出力を向上させるための制御に関する。
ガソリンエンジンでは、点火プラグにより点火した火炎が点火プラグ近傍から燃焼室外壁へ向けて伝播する過程において、主に燃焼室外周部付近の未燃混合気が、ピストン上昇による圧縮作用と、伝播する火炎による圧縮作用(爆発による燃焼室内圧上昇)とによって着火温度に達し、自己着火して急激な圧力上昇が引き起こされるノッキング現象が知られている。
このノッキング現象の発生を防止するために、圧縮比の上限は未燃混合気が自己着火しない程度に制限されてしまい、結果として最高トルクが制限される。
ところで、筒内直接噴射式エンジンにおいては、燃料噴射後の燃料が拡散する前に速やかに着火して燃焼させることができれば、燃焼室外周付近に混合気は存在しなくなるので、理論上ノッキングは発生し得ない。このような燃焼形態は一般に噴霧燃焼と呼ばれており、ディーゼル機関では一般的である。
しかしながら、一般的なディーゼルエンジンの場合、機関負荷、機関回転数等の運転条件やEGR量によって、燃料噴霧が燃焼開始する位置は異なる。このため、運転条件によっては燃料が空気と十分に混合する前に燃焼することによってスモークやCOが生成され、排気性能が悪化するおそれがある。
また、ガソリンエンジンを対象とした噴霧燃焼としては、筒内にスワール流動を生成したうえで、燃料噴射弁から噴射された燃料が燃焼室内の空気を取り込んで混合気を形成した直後に点火し、かつ火炎伝播速度と燃料供給速度とを釣り合わせることによって、燃焼が開始する位置(以下、火炎面という)を所望の場所に定在化させる技術が非特許文献1に開示されている。
非特許文献1によれば、火炎面の混合気濃度を噴霧断面の平均当量比が略2程度となるように制御することで、スモークを発生させない燃焼を実現可能することができる。
SAEペーパーNo.610012
しかしながら、非特許文献1には、自動車用エンジンのように燃焼室内の雰囲気が刻々と変化する機関への適用についての記載はない。すなわち、筒内の圧力は常にピストンの上下動により変動し、そして機関負荷や機関回転数の変化に伴う筒内圧や筒内温度の変化等によって筒内雰囲気が変化し、これに伴って燃焼速度が変化する場合に、火炎を所望の位置に定在化させるための技術についての記載がない。
したがって、火炎の定在位置が常にシリンダボア径内になるとは限らず、理論上の火炎面の定在位置がシリンダボアの外側になる場合もある。この場合、燃料供給速度が火炎伝播速度よりも高いため、火花点火によって火炎を生成しても火炎面はシリンダ壁面方向に移動し、その後に噴射される燃料が燃焼を開始する前にシリンダ壁面に衝突して失火を招くおそれがある。
また、筒内雰囲気の変化に伴って火炎面の定在位置が変化した際に、着火位置における空燃比を所望の値に保持するための制御についての記載もない。
したがって、上述したディーゼルエンジンの場合と同様に、空気と十分に混合していないリッチ混合気が燃焼して、スモークやCOが生成されるおそれがある。
そこで、本発明では、車両用のガソリンエンジンにおいて火炎面をシリンダボア内に定在させる噴霧燃焼を実現することによって、ノッキングの発生を回避して出力の向上を図り、かつスモークやCOの発生を防止して排気性能の向上を図ることを目的とする。
本発明の筒内直接噴射式内燃機関は、機関の筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射手段と、前記燃料噴射手段から噴射された燃料が周囲の空気を取り込んで形成する燃料噴霧の噴霧速度を可変に制御する供給速度制御手段と、燃料噴射期間中に前記混合気の燃焼を開始させる燃焼開始手段と、機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態に応じた筒内の混合気の火炎伝播速度を検知する燃焼速度検知手段と、を備え、前記供給速度制御手段により前記噴霧速度が筒内で前記筒内の混合気の火炎伝播速度と同等となるように燃料噴霧の噴霧速度を制御することで、前記混合気の燃焼火炎の火炎面が筒内で移動しないようにする第1の燃焼モードを有する。
本発明によれば、混合気の供給速度を燃焼速度と同等となるように制御することで、筒内に燃焼火炎を定在化させることができる。燃焼火炎が筒内に定在化していれば、噴射された燃料は燃焼火炎まで到達すると燃焼を開始することになり、燃料噴射期間と燃焼期間とが略等しい燃焼が成立する。
すなわち、未燃混合気が発生しないため、高負荷運転時のノッキングを回避することができる。
これにより、機関圧縮比を高めて燃費性能の向上を図ることができる。
また、ノッキングが発生しないため燃焼特性が燃料の自己着火性に依存せず、点火もしくは着火さえできればよくなる。したがって、使用する燃料について、オクタン価やセタン価等の特性による制限がなくなる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態のシステム構成の概略図であり、エンジンのシリンダ周辺をエンジンのフロント側から見た断面図である。
2はシリンダヘッド、3はシリンダブロック、4はシリンダブロック3に設けたシリンダ内を摺動するピストン、1はシリンダヘッド2下面とシリンダブロック3とピストン4の冠面とで形成する燃焼室である。5、6はそれぞれ燃焼室1に開口部を有する吸気通路と排気通路、7は吸気通路5の開口部を開閉する吸気バルブ、8は排気通路6の開口部を開閉する排気バルブである。吸気バルブ7、排気バルブ8はそれぞれ吸気カムシャフト9、排気カムシャフト10によって駆動する。11は燃焼室1内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁(燃料噴射手段)、12は燃焼室1内の混合気に点火する点火栓(燃焼開始手段)、13は燃料噴射弁11の噴射時期、噴射量等及び点火栓12の点火タイミングを制御するコントロールユニット(供給速度制御手段、燃焼速度検知手段)である。
燃料噴射弁11は噴孔を複数備えるいわゆるマルチホール噴射弁である。なお、噴射弁の種類は針弁により噴孔を開閉する一般的な噴射弁の他に、外開き噴射弁やスワール噴射弁等であってもよい。
点火栓12の配置について図1、図2を参照して説明する。図2は図1の上面図であり、吸気バルブ7、排気バルブ8、吸気カムシャフト9、排気カムシャフト10を省略したものである。
点火栓12は、燃料噴射弁11から噴射される複数の燃料噴霧それぞれに点火することができるように、噴孔と同数だけ設ける。例えば、図1及び図2に示すように吸気通路5、排気通路6、燃料噴射弁11と干渉せず、かつ燃料噴霧に点火可能な位置に設ける。
本実施形態では、図2に示すように燃料噴射方向が6方向なので、燃料噴射弁11から見て燃料噴射方向下流側の位置に、6個の点火栓12を設ける。
なお、図1、図2に示した燃料噴射方向や燃料噴霧の本数、点火栓12の配置はあくまでも一例である。
次に本実施形態で適用する燃焼形態の概要について、図3を参照して説明する。
図3上図は、燃料が噴射されてから点火、燃焼するまでの挙動を模式的に表した図であり、図3下図は燃料噴孔からの距離と燃料噴霧の速度の関係を表したものである。なお、燃料噴霧の速度は、平均流速で表す。
図3下図に示すように、噴霧速度は燃料噴孔から遠ざかるほど低下する特性があり、低下する途中で火炎伝播速度と釣り合う点Pがある。なお、点Pは燃焼室1内の雰囲気、燃料噴射圧等により異なる。
燃料噴射弁11から噴射された燃料は、周囲の空気を取り込みながら霧化・蒸発を経て可燃混合気を形成する。そして、燃料噴霧下流の点Qに設けた点火栓12により可燃混合気に火花点火すると、火炎が生成する。
そして、図3下図に示すように点Qでは噴霧速度が火炎伝播速度よりも低いため、燃料噴射継続中に火炎は燃料噴孔方向にも伝播する。そして噴霧速度と火炎伝播速度とが釣り合う点Pで燃料噴孔方向への火炎の伝播は止まり、その後は、噴射された燃料は点Pで燃焼を開始することになる。燃焼開始後の微少時間は予混合燃焼が持続するものと仮定すると、予混合燃焼の反応帯が明確となる。そこで、以下この反応帯を火炎面と定義すると、火炎面は、燃料噴射終了直前に噴射された燃料が燃焼するまで点Pに定在化する。
なお、本実施形態の燃焼では、未燃混合気が発生せず、排気性能の良い燃焼が得られれば燃焼火炎の形態は特に問わないので、火炎面は必ずしも明確に定義できる必要はない。
また、火花点火は、通常のガソリンエンジンと同様に、燃料噴射開始後に1回行えばよい。
上記のように、噴射された燃料は混合気を形成したら即座に燃焼を開始し、噴射された燃料のすべてが火炎面で燃焼開始するので、未燃混合気を発生させない噴霧燃焼が可能となり、また、燃料噴射時間と燃焼時間とがほぼ同等になる。
以下、このような燃焼を「混合気律則燃焼」(第1の燃焼モード)と称する。なお、混合気律則燃焼の場合は、クランクシャフト角度が圧縮上死点近傍となる時期に燃料噴射を行う。
混合気律則燃焼によれば、上述したように未燃混合気が発生しないので、シリンダ外周付近に存在する未燃混合気が火炎伝播により燃焼する前に自己着火してノッキング現象が発生する、という問題も起こりえない。すなわち、混合気律則燃焼が成立するかぎり、ノッキングは発生しない。
また、点火栓12により火花点火する位置が点Pよりも噴孔側の場合は、噴霧速度が火炎伝播速度よりも大きいので、火炎は噴孔から遠ざかる方向にのみ伝播し、点Qで点火した場合と同様に、火炎伝播速度と燃料供給速度とが釣り合う点Pで定在化する。
このように、点火栓12による点火位置と火炎面が定在する場所とが異なっていても、火炎面は噴霧速度と火炎伝播速度とが釣り合う位置に定在するので、点火栓12を設ける位置は、燃料噴霧に火花点火できる位置であればよく、燃料噴射弁11からの距離を厳密に設定しなくてもよい。
また、火炎伝播速度、すなわち噴射された燃料の燃焼速度は、筒内温度、筒内圧、筒内ガス流動、混合気濃度により変化する特性がある。具体的には図4に示すような関係がある。
図4(a)は燃焼速度と筒内温度との関係を表す図であり、縦軸に燃焼速度、横軸に筒内温度をとったものである。図に示すように、筒内温度が上昇するのに伴って燃焼速度も高くなる特性がある。
図4(b)は燃焼速度と筒内圧力との関係を表す図であり、縦軸に燃焼速度、横軸に筒内圧力をとったものである。図に示すように、筒内圧力が上昇するのに伴って燃焼速度は低下する特性がある。
図4(c)は燃焼速度と筒内ガス流動との関係を表すであり、縦軸に燃焼速度、横軸に流動の強さをとったものである。図に示すように、流動が強くなるのに伴って燃焼速度も高くなる特性がある。なお、ここでいうガス流動とは、コントロールバルブを設けて意図的に生成するスワール流動やタンブル流動の他に、吸気ポート形状やバルブリフト量等が要因となって発生する流動も含むものである。
図4(d)は燃焼速度と燃料噴射圧との関係を表す図であり、縦軸に燃焼速度、横軸に燃料噴射圧をとったものである。燃料噴射圧が高くなると同一噴射時間に噴射される燃料量が増加して混合気濃度がリッチ化するので、燃焼速度が高くなる。すなわち、燃料噴射圧の変化に伴って燃焼速度も変化することとなり、火炎面の定在する位置が変化することになる。しかし、混合気律則燃焼においては、火炎面が燃焼期間中常に一定の位置に定在している必要はなく、後述する条件を満たす範囲に定在していればよい。
ここで、火炎面の定在する位置について図9を参照して説明する。
図9は縦軸に噴霧の平均流速Ux、横軸に噴霧距離をとったものであり、実線Phigh、Plowはそれぞれ高燃圧、低燃圧の場合の特性を表している。また、点線Sthigh、Stlowはそれぞれ高燃圧時と低燃圧時の火炎伝播速度Stを表している。すなわち、高燃圧時に平均流速と燃焼速度(火炎伝播速度)が釣り合う点Lb2、低燃圧時に平均流速と燃焼速度が釣り合う点Lb1は、それぞれ高燃圧時。低燃圧時における火炎定在距離である。
同一噴霧距離における噴霧平均流速Uxは、当然に高燃圧時の方が低燃圧時よりも高い。また、火炎伝播速度Stは、図4(d)に示したように燃圧が高くなるほど高くなる特性がある。したがって、図9に示すように、高燃圧時は低燃圧時に比べて火炎定在距離Lbが大きくなる。
ところで、燃焼時に未燃混合気の発生と同様に問題となるものとして、スモークの発生が挙げられる。スモークの生成量は燃料の当量比φとの間に図7に示すような関連がある。
図7は横軸に当量比、縦軸にスモーク生成量をとったものである。図7から明らかなように、当量比φが略2以下ではスモークはほとんど生成されない。
したがって、混合気律則燃焼の場合、火炎面の噴霧断面の平均当量比φxが略2以下となっていれば、スモークの発生を防止できる。
噴霧断面の平均当量比φxと燃料噴孔からの距離(以下、噴霧距離と称する)との関係は図6下図を参照して説明する。
図6下図は、縦軸に噴霧断面の当量比φx、横軸に噴霧距離をとり、噴霧拡がり角度θが異なる場合の特性(図中θ1、θ2、θ3)について表したものである。なお、θ2、θ3は噴霧角度θがそれぞれθ1の2倍、3倍の場合について表したものであり、θ1、θ2、θ3はいずれも同一の燃料量を噴射した場合である。
図6下図に示す通り、噴霧距離が伸びるほど当量比は低下する特性となっている。これは、噴霧距離が伸びるに連れて周囲の空気を取り込むためである。そして、同量の燃料を噴射した場合には、噴霧拡がり角度θが大きくなるほど燃料噴霧の体積が増大するために周辺の空気との混合が促進され、噴孔に近い位置で当量比φが略2以下となる。
したがって、噴霧角度θ1、θ2、θ3の場合のスモーク限界距離を、それぞれLs1、Ls2、Ls3とすると、Ls1>Ls2>Ls3の関係が成立する。
なお、噴霧拡がり角度θは、基本的には燃料噴射弁11の噴孔の開口方向により定まるが、図6上図に示したように、雰囲気密度が高くなるにつれて拡がり角度θも大きくなる傾向がある。したがって、雰囲気密度が高くなるほど当量比φx=2となる噴霧距離は短くなる。
上記のことから、火炎面での平均当量比φxを2以下となるようにすれば燃焼時のスモーク発生を防止できるということがわかる。しかしながら、当量比φが小さくなるほど燃焼性は悪化する特性があるので、燃焼可能な当量比には下限(希薄可燃限界)がある。
したがって、φx=2から希薄可燃限界までが、スモークを発生させない燃焼が可能な範囲(スモークレス燃焼範囲)となる。
図8に噴霧断面の平均当量比φx、噴霧距離、スモークレス燃焼範囲の関係を表す。図8は縦軸に噴霧平均当量比φx、横軸に噴霧距離をとり、スモークレス燃焼範囲を斜線部で表したものである。
図8においては、噴霧距離がSL1からSL2までの間で、噴霧断面の平均当量比φxがスモークレス燃焼範囲に収まる。このSL1からSL2までの間のように、噴霧断面の平均当量比φxが2以下かつ希薄可燃限界以上となる噴霧距離を、スモークレス燃焼の成立距離とする。そして、スモークレス燃焼範囲のうち最も燃料噴孔に近い部分、すなわち噴霧断面の平均当量比φxが2になる部分の噴霧距離をスモーク限界距離Lsとする。
以上のことから、火炎定在距離Lbがスモークレス燃焼の成立距離内になれば、ノッキングを生じず、かつスモーク発生のない燃焼となる。
ところが、車両用エンジンの場合は、機関負荷や機関回転数等の運転条件が刻々と変化するので、火炎定在位置も刻々と変化することになる。また、シリンダのボア寸法が定まっているので、後述するように火炎面がシリンダ内に定在するようにしなければならない。
そこで、車両用エンジンにおいて混合気律則燃焼を行うために、以下に説明する制御を行うこととする。
なお、燃料噴射弁11の噴孔の大きさは、後述する混合気律則燃焼を行うための制御によって、燃焼室内のいずれかの位置に、噴霧断面の平均当量比φxが略2以下となる混合気が形成されるように設定する。例えば、機関負荷や機関回転数等の変化による筒内雰囲気の変化幅を予め求め、その変化幅の中でできるだけ広い範囲で平均当量比φxを略2以下とすることができる大きさに設定する。
図5はコントロールユニット13が混合気律則燃焼を行なうために実行する制御ルーチンを表すフローチャートである。なお、本制御では、後述する調整によっても火炎面定在位置がシリンダボア内に収まらない場合には均質燃焼を行うこととしている。均質燃焼とは、運転状態に応じて定まる燃料量を吸気行程中に噴射し、圧縮行程中に筒内の空気と拡散混合(予混合)させ、圧縮上死点近傍で火花点火する燃焼モード(第2の燃焼モード)をいう。
なお、本制御ルーチンを行うのは、予混合均質燃焼ではノッキングが発生し易い機関低回転・高負荷運転領域であり、例えば、図10の運転領域マップの斜線で囲んだ領域である。その他の領域(高回転・高負荷運転領域も含める)では均質燃焼を行う。
ステップS101では、筒内温度、圧力、雰囲気密度を読み込む。具体的には前記各値を機関回転数及び負荷に割り付けたマップを作成しておき、回転数センサ14やアクセル開度センサ15等(運転状態検出手段)によって検出した回転数及び負荷を用いて前記マップを検索する。なお、筒内温度、圧力、雰囲気密度は、それぞれ圧縮上死点時の温度、圧力、雰囲気密度を指す。
ステップS102では、ステップS101で読み込んだ雰囲気密度に基づいて、燃料噴霧の拡がり角度θを算出し、この噴霧拡がり角度θと燃料噴射弁の噴孔径とに基づいてスモーク限界距離Lsを算出する。
雰囲気密度と噴霧拡がり角度θとの間には、図6上図に示すように、雰囲気密度が高くなるほど、すなわち燃料噴射中の筒内の実圧縮比が高くなるほど噴霧拡がり角度も大きくなる特性がある。そこで、燃料噴射弁11の仕様に基づいて、図6上図のようなマップを予め作成しておき、ステップS101で読み込んだ雰囲気密度で検索することによって燃料噴霧拡がり角度θを求める。
ステップS103では、スモーク限界距離Lsがシリンダボア半径よりも小さいか否かの判定を行う。判定の結果、スモーク限界距離の方が大きい場合にはステップS115に進み、一般的なガソリンエンジンと同様に均質燃焼を行うことを決定して処理を終了する。
なお、ここでのシリンダボア半径とは、燃料噴孔からシリンダ壁面までの距離をいう。
ステップS103での判定の結果、スモーク限界距離Lsの方が小さい場合には、ステップS104に進み、燃料噴射圧(燃圧)の初期設定を行う。具体的には、図示しない燃料ポンプ等といったエンジンシステムの仕様から定まる最低燃圧に設定する。
ステップS105では、噴霧断面の平均流速Uxを求める。
具体的には、燃圧とその燃圧で噴射した場合の平均流速Uxとの関係を予め求めてマップ化しておき、設定した燃圧でマップ検索することによって求める。なお、下式(1)により算出しても構わない。
Figure 0004682885
ステップS106では、火炎伝播速度St、すなわち噴射した燃料の燃焼速度を求める。例えば、図4(d)に示すような燃焼速度と燃料噴射圧(燃圧)との関係をマップ化しておき、設定した燃圧で検索することによって求めることができる。
ステップS107では、火炎定在距離Lb、すなわち燃料噴孔から火炎伝播速度Stと燃料噴霧の平均流速Uxとが釣り合う位置までの距離を求める。
同一噴霧距離における噴霧平均流速Uxは、当然に高燃圧時の方が低燃圧時よりも高く、また、火炎伝播速度Stは図4(d)に示したように燃圧が高くなるほど高くなる特性がある。したがって、図9に示すように、高燃圧時は低燃圧時に比べて火炎定在距離Lbが大きくなる。
ステップS108では、ステップS107で算出した火炎定在距離Lbが、下式(2)の関係を満たすか否かの判定を行う。
Lb=ボア半径×0.9 ・・・(2)
なお、式(2)において0.9を乗じているのは、以下の理由による。
混合気律則燃焼を行うためには、火炎定在距離Lbがシリンダのボア半径以下であることが必要条件である。したがって、火炎定在距離Lbがボア半径と同一の場合も、理論上は混合気律則燃焼を行うことはできる。しかし、火炎定在距離Lbがボア半径と同一ということは、火炎面がシリンダ壁面に形成されるということになる。このような状態で燃焼を行うと、シリンダ壁面からの冷却損失が大きくなり、失火するおそれもある。
すなわち、混合気律則燃焼を実行することが実質的に可能なのは、火炎面が形成される位置がシリンダ壁面から適当な距離だけ離れている場合であり、本実施形態ではその適当な距離をボア半径の1割程度として設定したものである。
したがって、式(2)で乗じる数値は0.9に限られるわけではなく、火炎定在距離Lbがシリンダ壁面での冷却損失が許容できる上限値となるような値であればよい。
ステップS108での判定の結果が肯定的な場合は、ステップS109に進み、混合気律則燃焼を行なうことを決定して処理を終了する。判定の結果が否定的な場合は、ステップS110に進み、下式(3)の関係を満たすか否かの判定を行う。
Lb<ボア半径×0.9 ・・・(3)
判定の結果、火炎定在距離Lbがボア半径の0.9倍よりも小さい場合にはステップS111に進み、大きい場合にはステップS113に進む。
ステップS111では現在の燃圧がエンジンシステムの仕様から定まる上限値であるか否かの判定を行う。
上限値であると判定した場合には、ステップS109に進み混合気律則燃焼を実行することを決定して処理を終了する。
上限値ではないと判定した場合には、ステップS112に進み、燃圧を上昇させ、ステップS105に戻る。
上記ステップS111、S112を行うことにより、式(2)を満たす範囲で最大燃圧となるようフィードバック制御されることになる。このとき、時間当たりの燃料噴射量は燃圧を高めた分だけ増加するので、運転状態に応じた燃料噴射量を噴射するために、燃圧の上昇に応じて燃料噴射の噴射パルスを短くする。すなわち、噴射パルスは式(2)を満たす範囲で最短となる。これにより、出力向上と排気性能を両立することができる。
ステップS110での判定の結果が否定的な場合は、ステップS113に進み、燃圧がエンジンシステムの仕様から定まる下限値であるか否かの判定を行う。下限値であると判定した場合にはステップS115に進み、均質燃焼を実行することを決定して処理を終了する。燃圧が下限値でないと判定した場合には、ステップS114に進み、燃圧を低下させてステップS105に進む。
燃圧を低下させると、図9に示したように火炎定在距離Lbは燃料噴孔に近づくので、上記ステップS113、S114を行うことによって、燃圧がエンジンシステムの仕様から定まる下限値となるまでの範囲で、式(2)が成立するようにフィードバック制御されることになる。そして、このフィードバック制御によってステップS108で式(2)が成立したときには、式(2)を満たす最大燃圧となる。
上記の制御についてまとめると、以下のとおりである。
機関の運転状態に応じて変化する燃焼速度(火炎伝播速度)に合わせて混合気の供給速度を制御することにより、幅広い運転範囲で火炎面を燃焼室内に定在させることができる。なお、混合気の供給速度の制御は、燃圧を制御することによって行う。
火炎面が燃焼室内に定在する範囲で燃圧を最大値にすることにより、燃焼期間を可能な限り短縮することができ、機関の出力向上と排気性能を両立することができる。
噴射した燃料は混合気を形成すると即座に燃焼を開始し、火炎面が形成された後に噴射された燃料はすべて火炎面で燃焼を開始するので、一行程中に噴射した燃料のすべてが燃焼することになり、未燃混合気が発生しない。
火炎面をシリンダ壁から離れた部分に形成することによって、燃料がシリンダ壁に衝突することを防止するので、シリンダ壁面での壁流の発生やシリンダ壁面付近での消炎による排気性能の悪化を回避することができる。
ところで、上述したように混合気律則燃焼実行中はノッキングが発生しないので、均質燃焼ではノッキングが発生するような値まで圧縮比を高めることができる。そこで、可変圧縮比機構(実圧縮比可変手段)を用いて、混合気律則燃焼実行中は一般的な均質燃焼よりも高圧縮比、均質燃焼実行中は一般的な均質燃焼と同等の圧縮比となるよう制御することも可能である。
可変圧縮比機構としては、例えば図11に示すような機構が知られている。図11は特開2001−227367や特開2002−61501等に記載された機構であるため、機構の概略についてのみ説明する。
この機構において、ピストン4は、第一リンク20および第二リンク21を介してクランク軸23に連結される。第一リンク20と第二リンク21とは連結ピン26を介して連結されている。第二リンク21は、中央をクランク軸23のクランクピン28に回転可能に締結され、クランク軸23とともに回転する。また、第二リンク21の第一リンク20と反対側には、第三リンク22が連結ピン27を介して回転可能に締結され、第三リンク22はコントロールシャフト24に連結ピン29を介して固定される。コントロールシャフト24の中心軸と第三リンク22の締結部は軸が偏心しており、コントロールシャフト24が回転することにより、連結ピン29が移動し、第二リンク21の傾きが変わることにより第一リンク20およびピストン4の上死点位置が変わる。コントロールシャフト24は、モータ付きアクチュエータ25により回転させられる。
コントロールシャフト24の回転による上死点位置の変化について、図12を参照して説明する。図12は各リンク、連結ピン及びコントロールシャフト24の位置関係を模式的に表した図である。図12の左図はピストン4の上死点位置が高い、すなわち高圧縮比に設定した状態、右図はピストン4の上死点位置が低い、すなわち低圧縮比に設定した状態を表す。
コントロールシャフト24を回転させることにより、連結ピン29がコントロールシャフト24の中心軸に対して低くなる方向に移動すると、連結ピン27の位置も下がり、第二リンク21はクランクピン28を中心として図中時計回り方向に傾く。これによって連結ピン26の位置は上昇し、ピストン4も上昇して、圧縮比が高まる。
逆に、連結ピン29がコントロールシャフト24の中心軸よりも高くなる方向に移動すると、連結ピン27の位置も上がり、第二リンク21はクランクピン28を中心として図中反時計回り方向に傾く。これによって連結ピン26の位置は低くなり、ピストン4も下降して圧縮比が低くなる。
通常、上記の機構では、機関が高負荷運転領域では、機関回転数によらず、ノッキング防止のために低圧縮比状態に設定し、ノッキング発生のおそれが低い低中負荷運転領域では、出力の向上を図るために、高圧縮比状態に設定している。
しかしながら、本実施形態によれば、高負荷運転領域であっても機関回転数が低い領域であれば、混合気律則燃焼を実行するのでノッキングは発生しない。したがって、高負荷運転領域であっても機関回転数が低い領域であれば高圧縮比状態に設定することが可能となり、より高出力化を図ることが可能となる。
以上により、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)供給速度を燃焼速度(火炎伝播速度)と略同等となるように制御することで、混合気の燃焼火炎をシリンダボア内に定在化させるように制御するので、燃料噴射期間と燃焼期間が略等しい燃焼が成立し、噴射した燃料が混合気を形成したら即座に燃焼する。これにより未燃混合気の発生を抑制できるので、高負荷運転時のノッキングの発生を回避することができる。特に、要求出力は大きいもののノッキング防止の為に制限があった機関低回転・高負荷時の出力を向上することができる。さらに、ノッキングの発生が抑制されることにより、燃料選択時にオクタン価やセタン価等といった自己着火性を考慮する必要がなくなる。また、点火時期が燃料噴射期間中に設定されるので、混合気の拡散をできるだけ抑制することができ、これにより、ノッキング発生の要因であるシリンダ壁周辺での未燃混合気の滞留を抑制できる。また、未燃混合気の発生を抑制できるので、排気性能、燃費性能を向上することができる。
(2)燃圧を調整することによって混合気の供給速度を制御するので、機関運転状態に応じた応答性の良い制御が可能となる。なお、噴射期間及び噴射率を制御することによって燃焼期間、すなわち機関負荷が制御される。
(3)火炎面が定在化する位置を、燃料が概ね気相となる位置よりも燃料噴霧下流側となるように混合気の供給速度を制御するので、燃料が概ね酸素(燃焼室内の空気)との混合を済ませた状態で燃焼することとなり、燃焼効率が良く、排気性能のよい燃焼を実現できる。
(4)火炎面が定在化する位置の噴霧断面の平均当量比φxが略2以下となるように混合気の供給速度を制御するので、スモークやCOが生成されない燃焼が可能となる。
(5)火炎面がシリンダボア内に定在化するという条件を満たす範囲内で最も高い燃圧に設定するので、燃焼期間を短くすることができ、等容度の高い高燃費・高出力の機関運転が可能となる。また、高燃圧での燃料噴射には、燃料噴霧の微粒化や混合気の形成時期の促進、さらには乱流強度を高める効果があるので、燃焼速度が向上し、スモークが生成されやすい高負荷運転時において混合気の形成を促進してスモーク生成を抑制する効果も得られる。
(6)噴射した燃料に火花点火するので、燃焼開始時期を運転条件によらずに所望のタイミングに設定することができる。
(7)燃料噴射弁11はマルチホール式の噴射弁なので、各噴孔を小さく設定して高圧で噴射することが可能となり、燃料噴霧の微粒化や混合気の形成時期の促進、さらには乱流強度を高める効果を得られる。
(8)燃料噴射弁11の噴孔径を、噴霧断面の平均当量比φxが略2以下となるように設定することにより、スモークやCOが生成されない燃焼が可能となる。
(9)少なくとも低回転・高負荷運転領域では混合気律則燃焼を行うので、従来はノッキング防止の為に出力が制限されていた当該運転領域での出力性能を向上させることが可能となる。
(10)可変圧縮比機構を備え、混合気律則燃焼実行時には、吸気行程に燃料噴射して圧縮上死点近傍で点火する予混合燃焼に比べて、機関の実圧縮比を高く設定することにより、ノッキングの発生を抑制しつつ熱効率の高い運転が可能となり、燃費性能の向上を図ることができる。
第2実施形態について説明する。
本実施形態のエンジンシステムの構成は第1実施形態の構成と同様である。また、混合気律則燃焼を行うために、スモーク限界距離Lbと噴霧平均流速Ux、火炎伝播速度Stによって火炎面がシリンダボア内に定在化する条件をフィードバック制御する手法も第1実施形態と同様である。しかし、第1実施形態では、スモークを発生させない燃焼が可能な範囲において、機関負荷によらず燃圧ができるだけ大きくなるように制御していたのに対して、本実施形態では、負荷によらず噴射期間が一定となるように燃圧を制御する点が異なる。
以下、具体的な制御について、図13を参照して説明する。
図13は混合気律則燃焼のためにコントロールユニット13が実行する制御ルーチンを表すフローチャートである。
ステップS201〜S203は図5のステップS101〜S103と同様なので説明を省略する。
ステップS204では、機関負荷に応じた燃圧の設定を行う。具体的には、燃圧を機関負荷に割り付けたマップを作成しておき、回転数センサ14やアクセル開度センサ15等によって検出した機関負荷を用いて前記マップを検索する。
ここでは、機関負荷によらずに燃料噴射期間が一定となるように燃圧を割り付けたマップを用いることとする。なお、目標とする燃料噴射期間の一定値については後述する。
具体的には、図14に示すように機関負荷の増大に伴って燃圧も上昇するマップとなる。図14中の燃圧上限値は、エンジンシステムの仕様により定まる燃圧の上限値である。したがって、燃料噴射期間を一定にするために必要な燃圧が前記上限値を超えるような場合には、前記上限値に固定する。
ステップS204で燃圧を設定したらステップS205へ進むが、ステップS205〜S210は図5のステップS105〜S110と同様なので説明を省略する。
ステップS210での判定結果が肯定的な場合は、ステップS209に進み、混合気律則燃焼を行なうことを決定して処理を終了する。
ステップS210での判定結果が否定的な場合は、ステップS211、S212と進み、図5のステップS113、S114と同様の処理を行う。
上記の制御により、システム上の上限値を超えた場合を除いて、燃料噴射期間は原則として機関負荷によらずに一定となる。
仮に、燃圧が機関負荷によらずに一定の場合には、以下のような問題がある。
機関負荷が増大すると、必要とされる燃料噴射量も増大するので、機関負荷の増大に伴って燃料噴射期間も長くなり、また、混合気律則燃焼の場合は燃料噴射期間と燃焼期間とが略同等である。したがって、機関負荷が増大するにつれて燃焼時間が長くなり、噴射した燃料をできるだけ短時間で燃焼させたいという出力面での要求に反することになる。
また、機関負荷が低い場合には、燃料ポンプの駆動損失割合が大きくなるので、必要以上に高い燃圧で燃料噴射を行うと、すなわち燃料噴射期間が必要以上に短いと、前記駆動損失によって燃費性能が悪化するおそれもある。なお、機関負荷が低い場合には燃料噴射量が少なくて済むことから、燃圧を下げても燃焼期間が大きく伸びることはなく、燃費性能への跳ね返りも小さい。
そこで、燃料噴射期間が上記機関高負荷運転時の要求と機関低負荷時の要求を両立するような一定値となるように制御することにより、機関負荷が高い場合の燃料噴射期間の長期化を抑制して出力面からの要求を満足し、かつ、必要以上に燃圧を高めずに燃費性能の悪化を抑制することができる。
なお、上記要求を満たすような燃料噴射期間の一定値は、例えば常用回転数域や出力、そして燃料ポンプの容量等といったエンジンシステムの仕様によって異なるので、エンジンシステムごとに適した値を設定する。
以上により、本実施形態では第1実施形態の(1)から(4)及び(6)から(9)に記載した効果と同様の効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
機関負荷が変化した際にも燃料噴射期間が略一定となるように、混合気の供給速度を制御するので、機関負荷上昇したときの噴射期間増大による等容度の悪化を抑制できる。また、燃料の総噴射量が少ないため噴射期間が短く、燃焼期間の長期化が問題とならない低負荷運転域では、燃料ポンプの駆動損失を低減させて燃費性能を向上させることができる。
第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、基本的には第1実施形態と同様の構成であるが、点火栓12を燃料噴射弁11の付近に1つだけ設ける点、及び燃焼噴射弁11の噴孔の数が第1実施形態のそれよりも多い点で異なる。
点火栓12の配置について図15を参照して説明する。図15上図は燃料噴射弁11と点火栓12の位置関係を表す概略図であり、下図は上図のA−A矢視図である。なおA−A断面は点火栓12のプラグギャップ位置を含む断面である。
30は点火栓12のプラグギャップ位置、31a〜31eは燃料噴霧(噴霧断面)である。燃料噴霧の断面は、8つの噴霧断面が均等間隔で略円形に並ぶ。この略円形を噴霧外形線とする。そして、点火栓12は、いずれか一つの噴霧断面の近くに位置する。
上記の構成における燃焼形態について図17を参照して説明する。
図17は、一行程中にコントロールユニット13から燃料噴射弁11に発信する駆動信号をタイムチャートに表したものである。図17に示すように多段噴射を行い、t1〜t2は微少量のパイロット噴射、t3〜t4は主噴射とする。
パイロット噴射時には燃圧を低下させておき、概ねパイロット噴射終了時t2に点火栓12により火花点火を行う。
なお、燃料噴射弁11と点火栓12のプラグギャップとの間隔は、パイロット噴射終了時t2に、燃料噴霧31aに確実に着火できる間隔であればよい。また、パイロット噴射終了時t2から主噴射開始時期t3までのインターバルは、後述するパイロット噴射で噴射した燃料が燃焼している期間よりも短く設定する。
上記のように、パイロット噴射終了時t2に火花点火を行って燃料噴霧に火炎を生成させると、燃圧を低下させたことにより燃料供給速度が火炎伝播速度よりも低くなるので、t1〜t2間で既に噴射した燃料噴霧に火炎は伝播する。
そして、燃料噴霧31aは噴霧下流に進むにしたがって拡散しているので、火炎は燃料噴霧31aから両隣の燃料噴霧31bへと、すなわち燃料噴霧外形線の周方向に伝播する。そして燃料噴霧31bから燃料噴霧31c、31d、31eへと同様に伝播する。
このようにして生成した火炎が燃焼しているところへ、主噴射の燃料噴霧が到達すると、燃料噴霧31a〜31eの火炎が火種となって、主噴射によって噴射された燃料は燃焼を開始し、その後、火炎定在位置まで燃焼開始位置が移動する。
一般に、燃料噴射期間中の燃料噴孔近傍では燃料噴霧の流速が高く、火花点火は困難であるが、上記のようにパイロット噴射の流速を落として点火しやすくし、パイロット噴射の燃料噴霧31a〜31eが燃焼することによって形成した火炎を火種とすることで、主噴射の燃料噴霧を確実に点火させることができる。
このように、1つの点火栓12で全噴霧を燃焼させることができると、シリンダヘッド2における点火栓12のレイアウトの制約は、一般的なエンジンと同様になる。
したがって、多数の点火栓12を設けるために吸気弁7、排気弁8のバルブ径が制限されることがなくなるので、バルブ径を大きくとって出力向上を図ることができる。
なお、燃料噴射弁11の燃料噴孔の数、すなわち燃料噴霧の本数は、多い方が望ましい。これは、噴霧外形線の周方向への火炎伝播を考慮すると燃料噴霧どうしの周方向の間隔が短い方が望ましいからである。
以上により本実施形態では、第1実施形態、第2実施形態と同様の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
点火栓12を、燃料噴射弁11から噴射される燃料噴霧のいずれか一つ又は二つに、燃料噴射弁11付近で火花点火するように配置するので、点火された燃料噴霧から他の燃料噴霧へ火炎が伝播し、結果としてすべての燃料噴霧に着火することができる。これにより、点火栓12を燃料噴孔の数(噴霧の本数)設ける必要がなくなる。また、シリンダヘッド2における点火栓12のレイアウトが容易になる。
なお、プラグギャップ位置30は図15に示したものに限られず、図16に示すように、点火栓12のプラグギャップ位置が噴霧外形線の周上となるようにした場合でも、図15の場合と同様に、確実に燃料噴霧に着火することができる。
また、点火装置は一般的な火花点火を行う点火栓12に限られるわけではなく、レーザー点火等に見られるような、より強力な体積点火や線点火が可能な装置を用いることもできる。
第4実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様の構成であるが、燃料噴射弁11の構造が異なる。
図18は本実施形態で用いる燃料噴射弁11の先端部の断面図(図18上図)と外観図(図18下図)である。
45は燃料噴射弁11の内部に設けられ、燃料で満たされる燃料室、40は燃料室45内を燃料噴射弁11の軸線方向に往復動可能に収められた針弁、41は燃料室45と燃料噴射弁外部とを連通する燃料噴孔、44は燃料噴射弁11の先端部に装着するキャップ、46はキャップ44を装着したときにキャップ44と燃料噴射弁11先端部との間に形成される空気通路(空気供給手段)、42、43は、それぞれ空気通路46と燃焼室1とを連通する混合気噴孔、空気導入孔である。したがって、空気室46の内圧は燃焼室1の内圧と略同等となる。
針弁40はコントロールユニット13から入力される信号に基づいて往復動し、通常は針弁40先端部が燃料室45先端側に着座し、噴射信号が入力されたときに図中上方向に移動する。着座時には針弁40が燃料噴孔41を閉鎖し、噴射信号が入力されたときには、燃料噴孔41を開口する。
混合気噴孔42は、各混合気噴孔42の略中心を結ぶ外形線Xが、各空気導入孔43の略中心を結ぶ外形線Yよりも燃料噴射弁11側(図18中の上側)となるように設ける。また、混合気噴孔42及び空気導入孔43はいずれも、空気通路46に連通しており、混合気噴孔42は、キャップ44を燃料噴射弁11に装着したときに、燃料噴孔41と対向する位置となるように位置決めされる。
このような構成において、針弁40が移動して燃料噴孔41が開口すると、燃料が燃料噴孔41から空気室46、混合気噴孔42を介して噴射される。このとき、燃料が噴出することによるエジェクタ効果によって、空気室46内の空気も混合気噴孔42から噴出することとなり、混合気噴孔42からは燃料と空気の混合気が噴射されることとなる。そして、空気室46内へは空気導入孔43を介して燃焼室1から空気が導入されるので、燃料噴射中は常に混合気が噴射されることとなる。
このため、通常のマルチホール噴射弁で燃料噴射をする場合と比較して、均一な可燃混合気を迅速に形成することが可能となり、スモーク限界距離Lsを短縮できる。すなわち、より燃料噴射弁11に近い位置に火炎面を定在化させることが可能となる。
これにより、スモーク性能を悪化させることなく混合気の供給速度、すなわち燃圧を下げることが可能となるので、燃料ポンプの駆動損失を低減し、燃費性能及び排気性能の向上を図ることが可能となる。
なお、燃料噴射弁11の燃料噴孔近傍に空気供給孔を設け、吸気通路を流れる吸入空気の一部を、燃料噴孔から噴射される燃料噴霧に供給する、いわゆるエアアシスト噴射弁(例えば、特開2000−213439公報参照)を用いても同様の効果を得ることができる。
以上により本実施形態では、第1から第3の実施形態と同様の効果に加え、さらに以下のような効果を得ることができる。
燃料噴射弁11は、空気通路46を有し、燃料噴孔41から噴射された燃料に空気を供給するので、混合気噴孔42からは燃料と空気とが混合した状態で噴射される。これにより均一な可燃混合気を空気通路46を持たない燃料噴射弁に比べて迅速に形成させることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本実施形態のシステム構成の概略図である。 燃焼形態を説明するための燃焼室上面図である。 噴霧速度と噴孔距離との関係を表した図である。 (a)から(d)は燃焼速度と筒内雰囲気との関係を表す図である。 第1実施形態の制御ルーチンを表すフローチャートである。 上図は噴霧拡がり角度と雰囲気密度との関係を表す図、下図は平均当量比と噴霧距離との関係を表す図である。 平均当量比とスモーク生成量との関係を表す図である。 スモークレス燃焼範囲と平均当量比との関係を表すである。 燃料噴霧の平均流速と噴霧距離との関係を表す図である。 混合気律則燃焼を実行する運転領域を示すマップである。 可変圧縮比機構の一例を表す図である。 可変圧縮比機構の圧縮比変更動作の概略図である。 第2実施形態の制御ルーチンを表すフローチャートである。 燃圧を機関負荷に割り付けたマップである。 第3実施形態の点火栓の位置を表す図である(その1)。 第3実施形態の点火栓の位置を表す図である(その2)。 第3実施形態の燃料噴射パルス及び燃圧を表す図である。 第4実施形態の燃料噴射弁の構造の概略図である。
符号の説明
1 燃焼室
2 シリンダヘッド
3 シリンダブロック
4 ピストン
5 吸気通路
6 排気通路
7 吸気バルブ
8 排気バルブ
9 吸気カムシャフト
10 排気カムシャフト
11 燃料噴射弁
12 点火栓
13 コントロールユニット
20 第一リンク
21 第二リンク
22 第三リンク
23 クランク軸
24 コントロールシャフト
25 アクチュエータ
40 針弁
41 燃料噴孔
42 混合気噴孔
43 空気導入孔
44 キャップ
45 燃料室
46 空気通路

Claims (10)

  1. 機関の筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    前記燃料噴射手段から噴射された燃料が周囲の空気を取り込んで形成する燃料噴霧の噴霧速度を可変に制御する供給速度制御手段と、
    燃料噴射期間中に前記混合気の燃焼を開始させる燃焼開始手段と、
    機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    運転状態に応じた筒内の混合気の火炎伝播速度を検知する燃焼速度検知手段と、
    を備え、
    前記供給速度制御手段により前記噴霧速度が筒内で前記筒内の混合気の火炎伝播速度と同等となるように燃料噴霧の噴霧速度を制御することで、前記混合気の燃焼火炎の火炎面が筒内で移動しないようにする第1の燃焼モードを有することを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関。
  2. 前記供給速度制御手段は、前記燃料噴射手段の噴射圧を調整することによって前記噴霧速度を可変に制御することを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  3. 前記供給速度制御手段は、前記燃料噴射手段の噴孔から前記燃焼火炎の火炎面が筒内で移動しない位置までの噴霧距離を、当量比が所定値以下となる位置までの噴霧距離よりも大きくなるように前記噴霧速度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  4. 前記供給速度制御手段は、前記燃焼火炎の火炎面が筒内で移動しない位置の噴霧断面の平均当量比が以下となるように前記噴霧速度を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  5. 前記供給速度制御手段は、前記噴霧速度を前記火炎の火炎面が前記機関の筒内で移動しないようにするという条件を満たす範囲内で最も高い速度にすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  6. 前記供給速度制御手段は、前記機関の負荷が変化した際にも燃料噴射期間が定となるように前記噴霧速度を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  7. 前記燃焼開始手段は、火花点火により混合気を着火させる手段であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  8. 前記燃料噴射手段は、前記燃料噴射手段の内部又は前記燃料噴射手段の噴孔付近で燃料に空気を供給する空気供給手段を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  9. 前記第1の燃焼モードの他に、吸気行程中に燃料を噴射し、圧縮上死点近傍で筒内に拡散した混合気に点火する第2の燃焼モードを有し、
    少なくとも低回転・高負荷運転領域では前記第1の燃焼モードを行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  10. 機関の実圧縮比を可変に制御可能な実圧縮比可変手段を備え、
    前記第1の燃焼モード実行時には、機関の実圧縮比を前記第2の燃焼モード実行時に比べて高く設定することを特徴とする請求項9に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
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