JP4428273B2 - 筒内直接噴射式内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は筒内直接噴射式内燃機関に関し、特にノッキングフリーの燃焼を実現させる技術に関する。
筒内直接噴射式内燃機関においては、点火プラグにより点火した火炎が伝播する際に、主に燃焼室外壁付近から未燃混合気の自己着火により、急激な圧力上昇が引き起こされるノッキング現象が生じると最高トルクが制限される。つまり、機関の全負荷トルクを向上するためには、ノッキングの発生を抑制することが不可避である。
そこで非特許文献1に示すような筒内直接噴射式内燃機関が開示されている。この従来技術では、筒内にスワール流動を生成し、燃料噴霧の噴射直後に点火を行うとともに、順次燃料噴射を行いつつ噴射した燃料を新気と混合させて燃焼行うことにより、ノッキングの発生を抑制することができるとしている。
SAEペーパー(No.610012)
しかしながら、上記従来技術では燃料噴霧が一方向であり、その燃料噴霧に伴う燃焼も一箇所で起こっているために、空気利用率を大きくできないという問題点があった。すなわち、燃料が噴射され順次燃焼する際に新気が燃焼火炎に導入されることが必要となるが、噴霧方向が一方向だけであるため、燃焼時に筒内の空気のうち燃焼部周辺以外の空気を取り込みづらく、安定した燃焼を行うことができないおそれがあった。
そこで本発明はノッキングの発生を防ぐとともに、空気利用率を高め、安定した燃焼を行うことができる筒内直接噴射式内燃機関を提供することを目的とする。
燃焼室内に点火プラグと燃料噴射弁を有し、その燃料噴射弁によって1サイクル中に2度の分割燃料噴射を行う筒内直接噴射式内燃機関において、1度目のパイロット噴射と2度目のメイン噴射によって噴射される燃料の少なくとも一部の噴霧形状を異ならせる。そして、前記パイロット噴射によって噴射された燃料により形成された混合気に点火プラグによって点火し、前記パイロット噴射により混合気が形成された部位とは異なる部位に前記メイン噴射による混合気を形成しつつ、該点火により発生したパイロット火炎にメイン噴射を衝突させることによって、前記メイン噴射により形成された燃料の燃焼を行う。
本発明によれば、メイン噴射により形成された燃料噴霧が筒内に拡散する前に速やかに点火・燃焼させることが可能であり、伝播火炎による未燃混合気の圧縮作用が起きにくい。そのため、ノッキングの発生を回避することができる。加えて、パイロット噴射によって噴射される燃料とメイン噴射によって噴射される燃料の噴霧形状を異ならせることで、筒内の空気利用率を高めることができ、安定した燃焼を行うことができる。
本発明の第1の実施形態を図1ないし4に基づいて説明する。
図1において、燃焼室17はシリンダヘッド1、シリンダブロック2及びピストン3から形成されている。燃焼室17はその上部で吸気バルブ4を介して吸気ポート5と、排気バルブ6を介して排気ポート7とそれぞれ連通している。上記燃焼室17上部の中央には燃料噴射弁8が配設され、その近傍には点火プラグ9が設けられている。そして、エンジンコントロールユニット(ECU)10が運転状態に基づき演算を行い、燃料噴射時期、燃料噴射量及び点火時期の制御を行う。
ピストン3の冠面の中央には前記燃料噴射弁8の噴射方向に対峙して、浅い皿形のキャビティ11が形成されている。該キャビティ11に衝突した燃料は、気化・混合しつつキャビティ11の形状によって燃焼室17の上方へ巻き上がり、点火プラグ9の近傍に混合気を形成する。当該キャビティ11はピストン3の冠面で見て円形であり、キャビティ底面11aとキャビティ側面11bによって構成されている。本実施形態では、キャビティ側面11bをシリンダ中心軸に対して燃焼室17の中心上部に若干傾斜するように形成したことで、点火プラグ9の近傍に所望する混合気を形成することができる。
ここで、燃料噴射弁8は図2に示すような燃料噴射弁を用いる。図2の(A)はスワラー12aを有するスワール式燃料噴射弁8aである。該噴射弁8aにおいて、圧縮行程の後半に燃料噴射が行われるが、スワラー12a下流の容積部oに残留する燃料は針弁開放直後に噴孔13aから噴射され、その燃料はスワール成分を有しない(図2の(B)のa1)。円形断面である当該燃料噴射(図2の(B)のa2)は比較的貫徹力が強く、周辺空気とあまり混合せずに燃料噴射弁8aの軸線方向へ、すなわちシリンダ中心軸方向へほぼ直進する。本発明では1サイクル中に2度の燃料噴射を行い、1度目の燃料噴射をパイロット噴射、2度目の燃料噴射をメイン噴射とそれぞれ呼ぶが、スワール式燃料噴射弁8aを用いる際には、当該開弁初期の噴射をパイロット噴射として用いる。その一方で、該燃料噴射弁8aはスワラー12a及び噴孔13aによって、スワール成分を持った燃料噴射を行うことができる。その燃料噴射は燃料噴射弁8aの中心軸線、すなわちシリンダ中心軸線を中心軸とする円錐面状になされ、その貫徹力は比較的弱い(図2の(C)のb1及びb2)。そのため、燃料噴射後から当該燃料と周辺空気との混合が行われ、燃料噴霧の先端部は可燃空燃比の混合気を形成する。当該燃料噴射弁8aにおいては上記スワール成分を有する燃料噴射をメイン噴射に用いる。
なお本実施形態の燃焼は、主として比較的低回転・高負荷域において行うこととし、比較的高回転領域では吸気行程中に燃料噴射を行う、いわゆる均質燃焼を行い、比較的低回転・低負荷領域では点火時期以前に燃料噴射を行う一般的な成層燃焼を行うこととする。これは、機関回転数が比較的高回転のときには、空気と十分に混合することができるように、吸気行程に燃料噴射を行う必要があり、また、機関回転数が比較的低回転で、機関負荷が比較的低負荷の場合にはノッキング発生のおそれが低いため、通常の成層燃焼を行うことができるためである。
次に、図4を用いて本実施形態における混合気形成と燃焼形態について説明する。
本実施形態では、まず圧縮行程の後半に燃料噴射弁8からパイロット噴射を行う(図4の(a))。該パイロット噴射によって噴射された燃料aは比較的貫徹力が強く、シリンダ中心軸方向に直進し、ピストン3の冠面に設けられたキャビティ底面11aに衝突して、気化・混合しつつキャビティ底面11aに沿ってピストン3の周縁方向に移動する。その後、キャビティ側面11bより周辺空気と混合しながら巻き上がり、混合気a'を点火プラグ9の近傍に形成し、該点火プラグ9によってこの混合気a'に点火を行う(図4の(b))。点火された混合気a'は燃焼を起こしパイロット火炎a''となる(図4の(c))。ここで、キャビティ11の形状、パイロット噴射の噴射量及び噴射時期は、後のメイン噴射によって噴射される燃料bが、直接衝突することができ、かつ、吹き消えることのないパイロット火炎a''を形成するように設定されている。
次に燃料噴射弁8によるメイン噴射の噴射時期をパイロット火炎面a''に直接衝突するように設定する。該メイン噴射によって燃料bは円錐面状に噴射されるが、比較的貫徹力が弱いため周辺の空気と混合し、パイロット火炎面a''に衝突する前に可燃空燃比の混合気を形成する。そして燃料bの混合気がパイロット火炎面a''に衝突すると(図4の(d))、該火炎面a''によってこの混合気が点火され、メイン燃焼を起こす(図4の(e))。メイン燃焼ではメイン噴射によって噴射される燃料bは、その噴霧先端部で順次燃焼を行う。メイン噴射によって噴射される燃料bの流速は、噴射後には空気との干渉により急激に低下するが、火炎の乱流燃焼速度が噴霧流速以下であれば、火炎が燃料噴射弁8の噴孔側に進行することはない。そのため、例えば燃料圧力を高めたり,エアアシスト噴射弁のように予め燃料に空気を混ぜて噴射したりすることによって、可燃空燃比の混合気が形成されるまでに噴霧流速が火炎速度以下にならないように設定する。このことにより、空燃比が濃すぎることによるすすやCOの生成を抑制しつつ、メイン噴射によって噴射された燃料bの混合気の先端部で順次燃料を燃焼させることができる。なお、メイン噴射の初期においてもパイロット噴射によって噴射された燃料aと同様の噴射がなされるが、メイン噴射によって噴射される燃料bの方が流速が速く、先にパイロット火炎面a''に衝突するため、メイン燃焼が阻害されることはない。
なお、本実施形態では図2に示すようなスワール式燃料噴射弁8aを用いたが、図3に示すようなマルチホール燃料噴射弁8bを用いても良い。該マルチホール燃料噴射弁8bは、複数(図3では7つ)の噴孔13bを有し、第1針弁15のリフトによってパイロット噴射a3を行う(図3の(B))。このパイロット噴射a3は噴孔13b'から噴射され、上記スワール式燃料噴射弁8aによるパイロット噴射と同様に、燃料噴射弁8bの軸線方向、すなわちシリンダ中心軸方向へほぼ直進する。そして、さらに針弁15が引き上げられると、第1針弁15の上方に一定間隔を介して係合部16aを有する第2針弁16が、針弁15の係合部15aと係合部16aとの係合によって引き上げられる。このように第2針弁16が引き上げられることで、残りの複数の噴孔13bから燃料が燃料噴射弁8bの中心軸線、すなわちシリンダ中心軸線を中心軸とする円錐面状に噴射される(図3の(C)のb3)。そこでマルチホール燃料噴射弁8bを用いる際には、当該開弁初期の噴射をメイン噴射に用いる。
第1の実施形態による効果について説明する。
本実施形態では、一の燃料噴射弁8によって噴射される燃料のうち、パイロット噴射によって噴射される燃料aとメイン噴射によって噴射される燃料bのうち少なくとも一部が異なる噴霧形状に噴射される。そのため、パイロット噴射に基づく燃焼の影響を受けることなく、メイン噴射が周辺空気と混合することができ、燃焼する際には可燃空燃比の混合気を形成することができる。すなわち空気利用率を向上させることができる結果、安定した燃焼を行うことができるのである。また、パイロット噴射とメイン噴射で同じ燃料噴射弁8を用いることができるため、機関の設計・コストの面でも有利である。
特に本実施形態ではパイロット噴射とメイン噴射の噴射方向は同じであるが、噴射角度を異ならせた。このことにより、パイロット噴射による燃焼の影響がより少ない筒内位置においてメイン燃焼をすることが可能となり、筒内の空気利用率をより向上させることができる。その一方で、パイロット噴射とメイン噴射は噴射方向が同じ、すなわち両噴射の中心軸線が同一である。そのため、燃焼室17の上部の略中心に配設された燃料噴射弁8から噴射されたメイン噴射による燃料bは、その先端部がほぼ同時にパイロット火炎面に衝突することとなる。このことにより、メイン燃焼がばらつきなく生じることになり、音振性能・出力の向上につながる。
また、メイン噴射の燃料噴霧がシリンダ壁やピストン3の冠面に衝突する前に、直接パイロット火炎面に衝突するようにキャビティ形状及び2度の燃料噴射時期を設定する。これにより、燃焼室17の壁面での液膜形成や消炎による排気の悪化を回避可能となる。
キャビティ11をキャビティ底面11a及びキャビティ側面11bから形成し、パイロット噴射がキャビティ11に衝突した後、気化・混合し点火プラグ9近傍に巻き上がるようにした。そのため、パイロット噴射による燃料噴霧が点火プラグ9の近傍に効果的に混合気を形成することができ、点火プラグ9による点火で所望する形状のパイロット火炎面を形成することができる。また、パイロット噴射によって噴射される燃料aは比較的貫徹力が強く、キャビティ11に衝突した後に周辺空気と混合する。そのため、燃焼室17内の比較的下方の空気を利用して混合気を形成することになる。メイン噴射によって噴射される燃料bは、燃焼室17内の比較的上方の空気を利用して混合するため、当該燃料bの混合がパイロット噴射による影響を受けにくい。
なお本実施形態では燃焼室17の上部のほぼ中心に燃料噴射弁8と点火プラグ9を配設し、パイロット噴射及びメイン噴射の噴霧中心軸をシリンダ中心軸線と一致させた。このことで、メイン噴射の混合気による燃焼面はピストン3の冠面にほぼ水平となり、ピストン3にかかる燃焼圧力が均等になる結果、ピストン3のスカート部がシリンダボアに接触することによる摩擦損失、音振をより抑えることができ、出力の向上も可能となる。
本実施形態では燃料噴射弁8としてスワール式燃料噴射弁8aもしくはマルチホール燃料噴射弁8bを用いている。これらの燃料噴射弁8によれば、パイロット噴射には比較的強い貫徹力を持たせ、メイン噴射には比較的弱い貫徹力を持たせることができる。このことにより、パイロット噴射をより確実にキャビティ11に衝突させることができ、所望する混合気を点火プラグ9近傍に形成することができる。加えて、メイン噴射は周辺空気と混合しやすくなり、メイン噴射による燃料bがパイロット火炎面に衝突する際には可燃空燃比の混合気を形成することができる。
また、機関運転条件によって燃焼形態を切り替えることで、最適な燃焼をすることができる。すなわち比較的高回転領域では吸気行程で燃料噴射を行うことで、空気と混合気を十分に混合することができる。一方、比較的低回転・低負荷では点火時期前に燃料噴射を行い、ピストン3に設けたキャビティ11などを用いて成層混合気を点火プラグ9の近傍に形成し、その混合気に点火して成層燃焼を行うことにより、機関効率を高めることができる。ここで本実施形態における燃料噴射弁8は、該成層燃焼を行う際の成層混合気形成にも効果的である。そして比較的低回転高負荷では、前述の分割燃料噴射を行うことによりノッキングの発生を防ぐとともに、空気利用率を高め、安定した燃焼を行うことができる。
次に第2の実施形態について図5ないし7に基づいて説明する。
図5に本実施形態における内燃機関の構成を示す。燃料噴射弁8が燃焼室17側方の吸気ポート7の下側に配され、ピストン3の冠面には燃料噴射弁8に対峙するように中央から位置をずらしてキャビティ11を設けた。該キャビティ11は、キャビティ底面11c及びキャビティ側壁11dから形成される。燃料室17の側方に設けた燃料噴射弁8から噴射されたパイロット噴射による燃料が衝突した際には、該燃料はキャビティ底面11cを移動しつつ気化・混合し、キャビティ側壁11dに沿って巻き上がる。そして点火プラグ9の近傍に混合気を形成するようにキャビティ11の形状を設定している。
ここで、燃料噴射弁8には図6の(A)に示すようなスワール式燃料噴射弁8cを用いる。該燃料噴射弁8cはスワラー12cと噴孔13cを有している点では、第1の実施形態におけるスワール式燃料噴射弁8a(図2)と変わりがないが、噴孔壁14cが周方向で段部を有していることが異なっている。すなわち、図6の(1)に示すように、図の比較的左側、すなわち段部を有する部分の噴孔壁14cの高さが図の比較的右側の噴孔壁14cの高さよりもlだけ高い。
当該スワール式燃料噴射弁8cによって噴射される燃料について説明する。パイロット噴射aは第1の実施形態で用いたスワール式燃料噴射弁8aによるものと変わりがない(図6の(B)のa4及びa5)。すなわちスワール成分を有さず、比較的強い貫徹力を持つため、燃料噴射弁8cの軸線方向へ直進する。一方、本実施形態で用いる燃料噴射弁8cは噴射孔14cの周方向の一部に段部を有しているため、該段部によりメイン噴射bを偏らせることが可能となる(図6の(3)のb4及びb5)。すなわち、メイン噴霧bは噴孔壁14cのうち段部を有する部分から噴射された燃料の燃料噴霧が一部欠けた形状、すなわち円錐面形状の一部が欠けた形状に噴射されることになる。そして一部が欠けた円錐面形状の中心軸線はパイロット噴射の噴霧中心軸とは若干異なり、前記段部を有しない側に傾斜することになる。
その他の構成は第1の実施形態と同様である。
図7を用いて本実施形態における混合気形成と燃焼形態について説明する。
まず、燃料噴射弁8からピストン3の冠面に設けられたキャビティ11に向けてパイロット噴射を行う。比較的貫徹力の強いパイロット噴射a(図7の(a))はキャビティ11に衝突し、キャビティ底面11cを移動しつつ気化・混合し、キャビティ壁面11dから巻き上がる。そして、点火プラグ9近傍に混合気a'を形成し、該混合気に点火プラグ9によって点火を行うことで(図7の(b))燃焼が起こり、パイロット火炎a''を形成する。なおキャビティ11の形状、パイロット噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期は、後のメイン噴射によって噴射される燃料bが直接衝突するようなパイロット火炎a''を形成するようにそれぞれ設定されている。次に、燃料噴射弁8によるメイン噴射によって噴射される燃料bをパイロット火炎面a''に衝突するように設定する(図7の(c))。この際、燃料噴射弁8は噴孔壁14cの周方向に段部を有しており、燃料bは円錐面形状の一部が欠けた形状の噴霧となる。ここで、燃料噴霧のうち、円錐面形状の欠けた部分が燃焼室17の下方、すなわちピストン3の冠面側に位置するように、燃料噴射弁8を配設する。このことにより、燃焼室17の上方にはほぼ円錐面状の燃料噴霧が噴射されるが、ピストン3の冠面には燃料噴霧が噴射されず該冠面に直接衝突することがない。燃料bがパイロット火炎面a''に衝突した後は、第1の実施形態と同様に、燃料bの混合気による燃焼が起こり(図7の(d))、燃料噴射中に順次燃焼を行うことができる(図7の(e))。
第2の実施形態による効果について説明する。
本実施形態ではパイロット噴射によって噴射される燃料aの噴霧中心軸とメイン噴射によって円錐面形状に噴射される燃料bの中心軸が異なる。すなわち燃料の噴射方向が異なることを特徴としている。このことにより、第1の実施形態と同様に、パイロット噴射による燃焼の影響がより少ない筒内位置においてメイン燃焼をすることが可能となり、筒内の空気利用率をより向上させることができる。
本実施形態のように燃料噴射弁8を燃焼室17の側方に配することで、第1の実施形態による効果に加えて、空間自由度が広がり、設計・製造が容易になる。
また、噴孔壁14cの周方向に段部を有するスワール式燃料噴射弁8cを用い、燃焼室17の下方、すなわちピストン3の冠面側に燃料噴霧が噴射されないように燃料噴射弁8cを配設した。そのため、シリンダ壁やピストン3の冠面に燃料が衝突することがなく、液膜形成や消炎による排気の悪化を回避することができるとともに、シリンダ壁やピストン3の冠面からの冷却損失を低減することができる。また、メイン噴射によって噴射された燃料bは、第1の実施形態と同様に、直接パイロット火炎面に衝突するため、ノッキングの発生を防ぎ、安定した燃焼を行うことができる。その一方で、パイロット火炎面の存在しない燃焼室17の下方には燃料噴霧の噴射がないため、必要以上に燃料を消費することなく、燃費の向上にもつながる。
さらに、本実施形態では円錐面形状の一部が欠けた形状の噴霧を形成するために、噴孔壁14cの周方向に段部を設けた。そのため、通常の燃料噴射弁に若干の変更を加えるだけで本発明に適用することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなし得る様々な変更、改良が含まれることは言うまでもない。
第1の実施形態における内燃機関の構成図である。 第1の実施形態に用いるスワール式燃料噴射弁である。(A)スワール式燃料噴射弁の縦断面図である。(B)パイロット噴射の概略図である。(C)メイン噴射の概略図である。 第1の実施形態に用いるマルチホール燃料噴射弁である。(A)マルチホール燃料噴射弁の縦断面図である。(B)パイロット噴射の概略図である。(Cメイン噴射の概略図である。 第1の実施形態における混合気形成と燃焼形態の模式図である。(a)パイロット噴射直後の模式図である。(b)点火プラグによる点火時の模式図である。(c)パイロット火炎生成時の模式図である。(d)パイロット火炎面とメイン噴射の衝突時の模式図である。(e)メイン燃焼時の模式図である。 第2の実施形態における内燃機関の構成図である。 第2の実施形態に用いるスワール式燃料噴射弁である。(A)スワール式燃料噴射弁の縦断面図である。(B)パイロット噴射の概略図である。(C)メイン噴射の概略図である。 第2の実施形態における混合気形成と燃焼形態の模式図である。(a)パイロット噴射直後の模式図である。(b)点火プラグによる点火時の模式図である。(c)パイロット火炎生成時及びメイン噴射直後の模式図である。(d)パイロット火炎面とメイン噴射の衝突時の模式図である。(e)メイン燃焼時の模式図である。
符号の説明
1 シリンダヘッド
2 シリンダブロック
3 ピストン
4 吸気バルブ
5 吸気ポート
6 排気バルブ
7 排気ポート
8 燃料噴射弁
9 点火プラグ
10 エンジンコントロールユニット(ECU)
11 キャビティ
11a キャビティ底面
11b キャビティ壁面
11c キャビティ底面
11d キャビティ壁面
12 スワラー
13 噴孔
14 噴孔壁
15 第1針弁
15a 係合部
16 第2針弁
16a 係合部
17 燃焼室

Claims (11)

  1. 燃焼室内に点火プラグと燃料噴射弁とを有する筒内直接噴射式内燃機関において、
    前記燃料噴射弁によって1サイクルの圧縮行程に2度の分割燃料噴射を行い、かつ、1度目のパイロット噴射と2度目のメイン噴射によって噴射される燃料の少なくとも一部の噴霧形状が異なるように構成され、
    前記パイロット噴射により形成された混合気に前記点火プラグによって点火することでパイロット火炎を発生させた後に、前記メイン噴射により形成された燃料噴霧が、前記パイロット噴射により混合気が形成された部位とは異なる部位に混合気を形成しつつ前記パイロット火炎に直接衝突して燃焼するように、前記パイロット噴射及び前記メイン噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射量を設定することを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関。
  2. 前記パイロット噴射によって噴射される燃料と前記メイン噴射によって噴射される燃料は、噴射角度が異なることを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  3. 前記パイロット噴射によって噴射される燃料と前記メイン噴射によって噴射される燃料は、噴射方向が異なることを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  4. 前記燃料噴射弁は燃焼室側方に配設されたスワール式噴射弁であり、前記パイロット噴射によって噴射されるスワール成分を有さない燃料を前記燃料噴射弁の軸方向に噴射し、前記メイン噴射によって噴射されるスワール成分を有する燃料噴霧は円錐面形状のうち一部に欠けた部分を有する形状になっており、前記メイン噴射によって噴射される燃料がピストン冠面に衝突しないように、前記欠けた部分が燃焼室下側に位置するように設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  5. 前記スワール式噴射弁の噴射孔の周方向に段差を設けることで、前記メイン噴射によって噴射される燃料噴霧の円錐面形状のうち欠けた部分を形成することを特徴とする請求項4に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  6. 燃焼室内に点火プラグと燃料噴射弁とを燃焼室上部の略中央に有する筒内直接噴射式内燃機関において、
    前記燃料噴射弁によって1サイクルの圧縮行程に2度の分割燃料噴射を行い、かつ、1度目のパイロット噴射と2度目のメイン噴射によって噴射される燃料の少なくとも一部の噴霧形状が異なるように構成され、
    前記パイロット噴射では燃料がシリンダ中心軸と平行に噴射され、
    前記メイン噴射では燃料が前記シリンダ中心軸を円錐中心軸に有する略円錐面状に噴射されて、
    前記パイロット噴射により形成された混合気に前記点火プラグによって点火することでパイロット火炎を発生させた後に、前記メイン噴射により形成された燃料噴霧が前記パイロット火炎に直接衝突して燃焼するように、前記パイロット噴射及び前記メイン噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射量を設定することを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関。
  7. 前記燃料噴射弁はスワール式噴射弁であり、前記パイロット噴射によって噴射されるスワール成分を有さない燃料を前記燃料噴射弁の軸方向に噴射し、前記メイン噴射によって噴射されるスワール成分を有する燃料を略円錐面状に噴射することを特徴とする請求項に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  8. 前記燃料噴射弁はマルチホール噴射弁であり、針弁リフト量を調整することによって分割燃料噴射を行い、前記パイロット噴射の際には前記燃料噴射弁の最先端のホールから燃料を噴射し、メイン噴射の際には他のホールから略円錐面状に燃料を噴射することを特徴とする請求項6に記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  9. ピストン冠面にはキャビティが設けられており、前記パイロット噴射によって噴射された燃料が該キャビティに衝突し、周辺空気と混合しながら巻き上がり、点火プラグ近傍に混合気を形成することを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  10. 機関回転数が比較的低回転で、かつ、機関負荷が比較的高負荷の運転条件において、前記メイン噴射により噴射された燃料の燃焼を前記パイロット火炎によって行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の筒内直接噴射式内燃機関。
  11. 燃焼室内に点火プラグと燃料噴射弁とを有する筒内直接噴射式内燃機関において、
    前記燃料噴射弁によって1サイクルの圧縮行程に2度の分割燃料噴射を行い、かつ、1度目のパイロット噴射と2度目のメイン噴射によって噴射される燃料の少なくとも一部の噴霧形状が異なり、
    前記パイロット噴射により形成された混合気に前記点火プラグによって点火することでパイロット火炎を発生させた後に、前記メイン噴射により形成された燃料噴霧が、前記パイロット噴射により混合気が形成された部位とは異なる部位に混合気を形成しつつ前記パイロット火炎に直接衝突して燃焼するようにすることを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関の燃焼方法
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