JP5549083B2 - 筒内直接噴射式内燃機関のピストン - Google Patents

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Description

本発明は、ガソリン機関に代表される筒内噴射式内燃機関のピストンに関し、特に、点火時期を圧縮上死点後に設定した超リタード燃焼を実現可能な筒内噴射式内燃機関のピストンの改良に関する。
本出願人による特許文献1には、スワール流を利用した成層希薄燃焼とタンブル流を利用した均質燃焼とを両立させる筒内直接噴射式内燃機関に適したピストンが記載されている。このピストンの頂面には、ペントルーフ型燃焼室の形状に対応した凸部が設けられ、この凸部の吸気側傾斜面に、吸気弁の弁頭部に対応した一対のバルブリセスとキャビティ燃焼室とが凹設されている。
また、本出願人による特許文献2には、点火時期を圧縮上死点後まで大幅に遅角化することで、触媒の早期活性化と後燃えによるHC低減等を図る超リタード燃焼を実現可能な筒内直接噴射式内燃機関が記載されている。
特開平10−317973号公報 特開2007−9864号公報
上述した超リタード燃焼では、燃料噴射時期が点火時期より前の圧縮上死点近傍に設定されることから、圧縮上死点後の膨張行程つまりピストン下降行程で燃料噴霧が拡散され易く、点火プラグの周りに可燃混合気を集中させて安定した燃焼を得ることが難しい。また、上記特許文献1のように、ピストン頂面に凸部を設けたものでは、均質燃焼運転時におけるタンブル流動成分の保存が阻害され、この流動成分を利用した混合気の均質化を阻害するおそれがある。
本発明に係る筒内直接噴射式内燃機関は、シリンダヘッドに凹設されたペントルーフ型燃焼室に2つの吸気弁および2つの排気弁を有するとともに、シリンダ中央に点火プラグを有し、かつ、シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁が吸気側に配置され、点火時期が圧縮上死点後に設定された超リタード燃焼を実現可能なものである。
そして本発明は、このような超リタード燃焼を安定して行うことができるピストンを提供することを目的としている。すなわち、本発明のピストンは、ピストン冠面の中心に対して吸気側に凹設され、上記吸気弁の弁頭部に対応して傾斜するリセス傾斜面を有する一対の吸気バルブリセスと、上記ピストン冠面の中心に対して吸気側に凹設されたキャビティと、を有している。そして、上記キャビティが、上記ピストン冠面の中心と一対のリセス傾斜面の中心とを結ぶ2本の直線よりも吸気側の範囲に配設されていることを特徴としている。
上記吸気バルブリセス及びそのリセス傾斜面は、吸気弁の弁頭部が最もピストンに接近するとき(通常、圧縮上死点)の、弁頭部の形状に応じた形状に設計されている。従って、上記『リセス傾斜面の中心』とは、吸気弁の弁頭部が最もピストンに接近するときの、吸気弁のバルブ軸中心線の延長線とピストンとが交差する位置に相当する。
上記2本の直線に挟まれた吸気側の範囲、つまり、燃料噴射弁が配置された吸気側から点火プラグが配置されたシリンダ中央へ向けて三角形状に狭まる範囲内にキャビティが配置されるため、このキャビティがコンパクトなものとなり、かつ、超リタード燃焼時にはキャビティにより燃料噴霧を点火プラグ側へ案内し、点火時期の周りに可燃混合気を集中させることで、超リタード燃焼を安定して行うことができる。
また、ピストン冠面上に凸部が張り出すことのないフラットな形状とすることで、均質燃焼時における流動成分を阻害することがなく、良好な均質燃焼を実現可能である。
本発明によれば、上記のキャビティにより超リタード燃焼時には圧縮上死点後の点火時期に点火プラグの近傍に可燃混合気を集中させることで、安定した超リタード燃焼を実現することができる。
本発明の第1実施例に係る筒内直接噴射式内燃機関のピストンを示す図2のA−A線に沿う断面図。 第1実施例のピストンを示す上面図。 上記第1実施例に係る超リタード燃焼における圧縮上死点直前のピストン上昇行程での燃料噴射時期におけるピストンを示すA−A線に沿う断面図(A)及び上面図(B)。 上記第1実施例に係る超リタード燃焼における圧縮上死点直後のピストン下降行程での点火時期におけるピストンを示すA−A線に沿う断面図(A)及び上面図(B)。 本発明の第2実施例に係るピストンを示す断面図。 本発明の第3実施例に係るピストンを示す断面図。 本発明の第4実施例に係るピストンを示す断面図。 本発明の第5実施例に係るピストンを示す断面図。 本発明の第6実施例に係るピストンを示す上面図。 図9のA−A線に沿う断面図。 本発明の第7実施例に係るピストンを示す上面図。 本発明の第8実施例に係るピストンを示す上面図。 本発明の第9実施例に係るピストンを示す上面図。 ピストン頂部の2つの形状例(A),(B)を示す断面図。
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。始めに、この発明のピストン20が用いられる筒内噴射式内燃機関の構成を図1〜図4に基づいて説明する。なお、図3及び図4では吸気弁及び排気弁を図示省略している。
シリンダブロック1には、複数のシリンダ3(図では一つのみが示されている)が配置されており、その上面を覆うように、シリンダヘッド2が固定されている。各シリンダ3内には、ピストン20が摺動可能に嵌合している。また、上記シリンダヘッド2に凹設された燃焼室4は、いわゆるペントルーフ型に構成されており、その一方の吸気側傾斜面に一対の吸気弁5が、他方の排気側傾斜面に一対の排気弁6がそれぞれ配置されている。そして、これらの一対の吸気弁5および一対の排気弁6によって囲まれたシリンダ3の略中心位置に、点火プラグ7がシリンダ軸線3Aに沿うように配置されている。
上記シリンダヘッド2には、一対の吸気弁5によってそれぞれ開閉される一対の吸気ポート8が形成されるとともに、一対の排気弁6によってそれぞれ開閉される一対の排気ポート9が形成されている。略円筒状をなす電磁式燃料噴射弁10は、吸気弁5側のシリンダ3側壁寄りのシリンダヘッド2下面部に配置されており、その中心軸が斜め下方へ向かった姿勢で取り付けられている。すなわち、燃料噴射弁10は、図3にも示すように、その噴霧軸線が吸気側から排気側へ斜め下方へ向かうように配置されている。なお、燃料噴射弁10としては、多数の微細な噴孔を備えたマルチホール型の燃料噴射弁が用いられている(図3参照)。
上記シリンダ3内に配置されたピストン20の頂部のピストン冠面22には、後述するように、吸気弁5側に偏心した位置に、キャビティ26が形成されており、ピストン20が上死点近傍にあるときに、上記燃料噴射弁10の噴霧軸線がこのキャビティ26を指向するようになっている。この内燃機関の燃料噴射量,噴射時期及び点火時期等は、図示せぬ制御部により機関運転状態に応じて制御される。
この内燃機関の基本的な作用について簡単に説明すると、先ず、機関の全負荷時あるいは希薄燃焼域の中でも比較的空燃比が小さな領域では、シリンダ3内に均質な混合気を形成して点火する均質燃焼が行われる。この均質燃焼時には、シリンダ3内には強いタンブル流(縦渦)が生成され、吸気行程中にシリンダ3内に噴射供給される燃料は、タンブル流によってシリンダ3内で積極的に拡散される。特に、本実施例では、後述するように、ピストン冠面22上に凸部が設けられておらず、かつ、キャビティ26がコンパクトの構成となっているために、均質燃焼時にはタンブル流が阻害されることなく良好に保存され、キャビティ26内に滞留することもなく、均質化が促進される。
一方、低負荷域で、かつ空燃比を非常に大きくする希薄燃焼域では、混合気の成層化により確実な着火を可能とする通常の成層希薄燃焼を行う。この成層希薄燃焼時では、圧縮行程の適宜な時期に燃料噴射が行われ、かつ、圧縮上死点前の時期に点火が行われる。燃料噴霧は点火プラグ7の近傍に層状に集められ、これにより、空燃比をリーンとした成層燃焼が実現される。
そして、例えば排気通路に設けられた触媒の早期昇温が要求される冷機始動時には、排気温度を高温とするように、超リタード燃焼が行われる。この超リタード燃焼では、図4に示すように、点火時期が圧縮上死点後の膨張行程つまりピストン上昇行程の前半に設定され、かつ、図3に示すように、燃料噴射時期が点火時期より前の圧縮上死点近傍、より具体的には圧縮上死点より前の圧縮行程つまりピストン下降行程の後半に設定される。このような超リタード燃焼によれば、上記の特開2007−9864号公報等にも記載されているように、点火時期の大幅な遅角化により排気の昇温及びHC低減を図ることができる。
次に、本発明の第1実施例に係るピストン20の構成、特にその頂部の構成について、図1〜図4を参照して詳細に説明する。このピストン20は、ピストン外形円の中心であるピストン中心線21と直交する平面もしくは仮想平面からなるピストン冠面22と、ピストン冠面22の中心23(ピストン中心線21とピストン冠面22とが交わる位置)に対して吸気側に偏心した位置に凹設された一対の吸気バルブリセス24と、ピストン冠面中心23に対して排気側に偏心した位置に凹設された一対の排気バルブリセス25と、ピストン冠面中心23に対して吸気側に偏心した位置に凹設されたキャビティ26と、を有している。
吸気バルブリセス24は、吸気弁5の弁頭部5Aとの干渉を回避するように、この弁頭部5Aに対応して傾斜する平面からなるリセス傾斜面24Aが形成されている。このリセス傾斜面24Aは、弁頭部5Aと同様、冠面中心23から吸気側へ向かうに従って深くなるように傾斜している。
[1]そして、キャビティ26は、ピストン冠面22の中心23と一対のリセス傾斜面24Aの中心27とを結ぶ2本の直線27Aよりも吸気側(図2の下側)の範囲R1に配設されている。ここで、リセス傾斜面24Aは、吸気弁5の弁頭部5Aが最も接近する状態(ピストン上死点位置)で、この弁頭部5Aと干渉することのないように、弁頭部5Aの形状に応じた仮想円形の傾斜面をなしており、この仮想円形の中心がリセス傾斜面24Aの中心27に相当する。つまり、リセス傾斜面24Aの中心27は、吸気弁5の弁頭部5Aがピストンに最も接近するピストン上死点位置での、吸気弁5のバルブ軸中心線がピストンと交差する位置に相当する。
このように、燃焼噴射弁10が配置された吸気側から点火プラグ7が配置されたシリンダ中央へ向けて狭まる三角形状をなす領域R1にキャビティ26を収めることで、キャビティ27がコンパクトなものとなるとともに、図2に示すように、典型的には領域R1と同様に点火プラグ7へ向けて徐々に幅狭となる形状を呈するものとなる。従って、図3及び図4に示すように、超リタード燃焼時には、圧縮上死点付近で噴射された燃料の噴霧F1が、コンパクトなキャビティ26内で受け止められ、かつ、キャビティ26の壁面により上空へ案内・跳ね上げられて、点火時期近傍の圧縮上死点後に、点火プラグ7の近傍に良好な可燃混合気F2を集中的に形成することが可能となり、安定した超リタード燃焼を実現することができる。また、このようにキャビティ26を小さくすることで、燃料噴霧のキャビティ26内での停滞時間が短くなり、ピストン冠面22への燃料付着量を低減し、排気エミッションを抑えることができる。更に、ピストン冠面22より上方に凸部が設けられていない形状となっているため、上記の均質運転時におけるタンブル流などのガス流動を阻害することがなく、良好な均質燃焼を実現することができる。
[2]キャビティ26は、図2に示すようなシリンダ軸方向視において、吸気側から排気側へ向かうに従って幅が狭くなる形状、つまり燃料噴射方向に沿って徐々に幅狭とな形状、つまり上記の直線27Aで挟まれた三角形状の領域R1に応じた略三角形状をなしている。従って、超リタード燃焼時には、図3(B)に示すように、燃料噴霧F1を吸気側へ向けて幅広となるキャビティ26内に良好に入り込ませることができ、かつ、このようにキャビティ26内で受け止めた燃料噴霧F1を、排気側へ向けて幅狭となったキャビティ形状によって点火プラグ7へ向けて集中させつつ上空へ跳ね上げさせて、図4に示すように、点火時期の近傍に点火プラグ7の周りに可燃混合気F2を良好に形成することができる。
[3]キャビティ26は、排気側の浅底部28と、この浅底部28よりも深く凹設された吸気側の深底部29と、を有している。このように、キャビティ26の排気側つまりピストン中央寄りの部分を浅底部28により浅底化し、燃料噴射弁10寄りの吸気側を深底部29により深底化することで、超リタード燃焼時には、燃料噴射弁10より噴射された燃料噴霧F1を、燃料噴射弁10側・吸気側へ向けて深底化されたキャビティ26内へ良好に入り込ませるとともに、このようにキャビティ26内に導入された燃料噴霧F1を、排気側つまりピストン中央へ向けて浅底化したキャビティ形状によって、点火プラグ7へ向けて上方へ案内し、図4に示すように、点火時期の近傍に点火プラグ7の周りに可燃混合気F2を良好に形成することができる。
[4]キャビティ26は一対の吸気バルブリセス24と部分的に重なり合うように形成されている。そして、浅底部28と吸気バルブリセス24とが交差する部分30(図2参照)では、図1に示すように、浅底部28の底面がリセス傾斜面24Aよりも低く(深く)設定されており、この浅底部28の底面からリセス傾斜面24Aへ向けて立ち上がるキャビティ側壁31が残存している。つまり、浅底部28の底面は吸気バルブリセス24側に直接的に露出・開放しておらず、キャビティ側壁31により浅底部28内の空間が吸気バルブリセス24側の空間と隔てられている。従って、このキャビティ側壁31により、浅底部28に導入された燃料噴霧F1が吸気バルブリセス24側へ拡散することを抑制し、成層混合気F2を吸気バルブリセス24側へ拡散させることなく点火プラグ7の周囲に集中させることができる。
また、本実施例においては、図1に示すように、深底部29においても、その大半がリセス傾斜面24Aよりも低く(深く)設定されており、深底部29の底面からリセス傾斜面24Aへ向けて立ち上がるキャビティ側壁31の一部31Aを残存させている。従って、深底部29によって、燃料噴霧を受け止めるためのキャビティ容積を確保しつつ、浅底部28と同様、キャビティ側壁31の一部31Aにより深底部29へ導入された燃料噴霧F1の吸気バルブリセス24側への拡散を抑制することができる。
[5]浅底部28の底面は、ピストン冠面22に平行な平面をなしている。このように浅底部28の底面を簡素な平面形状とすることで、応力集中が緩和されるとともに、燃料の噴霧の付着が抑制され、かつ、超リタード燃焼時に燃料噴射弁10から噴射された燃料噴霧F1を点火プラグ側へ指向させるための運動量の損失を小さく抑えることができる。
図5は第2実施例のピストン形状を示している。なお、以下に説明する実施例では、上述した実施例と同様の構成については同じ参照符号を付して重複する説明を適宜省略し、既述実施例と異なる部分についてのみ説明する。また、点火プラグ7,燃料噴射弁10やピストン20における排気バルブリセス25を適宜図示省略している。なお、後述する全ての実施例において、第1実施例と同様、キャビティ26(26A〜26D)は、2本の直線27Aに挟まれた領域R1内に配置されたものとなっている。
この第2実施例においては、深底部29Aの円弧状に湾曲する曲面をなす底面の最深部32Aが、深底部29Aの中で排気側寄りの位置に設定されている。これによって、図5の矢印Y1に示すように、超リタード燃焼時に燃料噴射弁10から深底部29Aへ噴射された燃料噴霧の向きを吸気側へ大きく偏向させて、この燃料噴霧の排気側への運動量を低減し、成層混合気が点火プラグ7よりも排気側へ流されることを抑制することができる。
図6に示す第3実施例では、深底部29Bの円弧状に湾曲する曲面をなす底面の最深部32Bが、深底部29Bの中で吸気側寄りの位置に設定されている。これによって、深底部29Bにおける最深部32Bよりも排気側の部分では、吸気バルブリセス24のリセス傾斜面24Aに沿う形で、このリセス傾斜面24Aよりも低く(深く)設定することで、深底部29Bの大部分をリセス傾斜面24Aよりも低くさせて、吸気バルブリセス24の露出・開放を更に抑制できる。従って、超リタード燃焼時に深底部29Bへ噴射された燃料の吸気バルブリセス24側への拡散を更に抑制することができる。また、矢印Y2に示すように、超リタード燃焼時に深底部29Bへ噴射された燃料を、深底部29Bにおける最深部32Bよりも排気側の部分に沿う形で、浅底部29側へと良好に案内させることができる。
図7に示す第4実施例では、深底部29Cの最深部分に、ピストン冠面22に平行な平面部33を設けている。これによって、リセス傾斜面24Aとの段差、つまり深底部29Cの平面部33とリセス傾斜面24Aとを繋ぐキャビティ側壁31Aの高さを十分に確保し、超リタード燃焼時に深底部29Cへ噴射された燃料の吸気バルブリセス24側への拡散を更に抑制することができる。
図8に示す第5実施例では、深底部29Dが実質的に断面矩形をなす形状に設定されており、キャビティ26と吸気バルブリセス24とが交差する全ての部分で、キャビティ26が吸気バルブリセス24よりも深く、リセス側壁31が残存する形となっている。
いる。これによって、第4実施例と同様、リセス傾斜面24Aとの段差を十分に大きく確保して、超リタード燃焼時に深底部29Dへ噴射された燃料の吸気バルブリセス24側への拡散を更に確実に抑制することができる。
図9及び図10は第6実施例のピストン形状を示している。この第6実施例では、キャビティ26Aが、上記第1〜5実施例のように浅底部と深底部とに段付形成されておらず、一つの薄皿型の形状をなしており、ピストン冠面22に平行な一つのキャビティ底面34と、このキャビティ底面34の周縁部から立ち上がるキャビティ側壁31と、により構成されている。このキャビティ底面34は、リセス傾斜面24Aの最深部39よりも高く(浅く)設定されている。従って、吸気バルブリセス24の吸気側つまり最深部39寄りの部分では、吸気バルブリセス24の一部35がキャビティ26Aの内側に入り込み、このキャビティ26A内に凹設された形となっている。つまり、キャビティ底面34がリセス傾斜面24Aと交差しつつ吸気側へ延在している。この構成によれば、超リタード燃焼時には、燃料噴射弁10より噴射された燃料を、キャビティ26A内に更に凹設された吸気バルブリセス24の一部35を利用してキャビティ26Aへ入り込ませることができ、広範囲に幅広く燃料が噴射される場合であっても、その燃料噴霧をキャビティ26A内へ良好に収めることができる。
図11に示す第7実施例のキャビティ26Bは、上記第1実施例のキャビティ26に比して、ピストンピン方向(図の左右方向)のキャビティ幅D1が狭い形状をなしており、つまり、ピストンピン方向と直交する方向つまり吸気側から排気側へ向かうスラスト−反スラスト方向のキャビティ長さL1が、キャビティ幅D1よりも十分に長い長尺な形状を呈している。この場合、キャビティをコンパクト化し、点火プラグ7への成層混合気の集中度を高めることができる。
図12に示す第8実施例のキャビティ26Cは、上記第7実施例のキャビティ26Bとは逆に、キャビティ幅D2がキャビティ長さL2よりも長い幅広形状を呈している。この構成によれば、噴霧角度が大きく広範囲に噴射される燃料噴射弁の仕様においても、広範囲の燃料噴霧をキャビティ26C内に入り込ませることができ、超リタード燃焼におけるキャビティ外への燃料噴霧の拡散を抑制することができる。
上述した第1〜第8実施例では、シリンダ中心を通るスラスト−反スラスト方向の基準線36(図13参照)つまり燃料噴霧軸線に対して対称形状に設定しているが、燃料噴射時期での流動場に応じて、基準線36に対して非対称の形状としても良い。例えば、図13に示す第9実施例は、スワール場におけるキャビティ形状を示しており、キャビティ26Dを、基準線36に対してスワール流の上流側(図13の左側)に偏心させており、これによって、超リタード燃焼時には、スワール流によって偏る成層混合気を的確に点火プラグ7の周りに集中させることができる。
図14はピストン頂部の2つの形状例(A),(B)を示しており、それぞれ図2のB−B線に沿う断面対応図である。上述した実施例は(A)に示すようにピストン冠面22が平坦な平面又は仮想平面からなるフラット形状のものである。但し、本発明のピストン形状はこれに限られず、例えば(B)の例のように、外周のピストン基準面37に対して低い平面(冠面)38を設けるようにしたものであっても良い。
1…シリンダブロック
2…シリンダヘッド
3…シリンダ
4…燃焼室
5…吸気弁
5A…弁頭部
6…排気弁
7…点火プラグ
10…燃料噴射弁
20…ピストン
22…ピストン冠面
23…冠面中心
24…吸気バルブリセス
26…キャビティ
28…浅底部
29…深底部

Claims (3)

  1. シリンダヘッドに凹設されたペントルーフ型燃焼室に2つの吸気弁および2つの排気弁を有するとともに、シリンダ中央に点火プラグを有し、かつ、シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁が吸気側に配置され、点火時期が圧縮上死点後に設定された超リタード燃焼を行う筒内噴射式内燃機関のピストンにおいて、
    ピストン冠面の中心に対して吸気側に凹設され、上記吸気弁の弁頭部に対応して傾斜するリセス傾斜面を有する一対の吸気バルブリセスと、
    上記ピストン冠面の中心に対して吸気側に凹設されたキャビティと、を有し、
    上記キャビティが、上記ピストン冠面の中心と一対のリセス傾斜面の中心とを結ぶ2本の直線よりも吸気側の範囲であって、吸気側からピストン冠面の中心へ向けて徐々に幅が狭くなる三角形状をなす領域に配設されており、
    かつ、上記キャビティは、この三角形状をなす領域と同様に、吸気側からピストン冠面の中心へ向けて徐々に幅が狭くなる形状をなし
    更に、上記キャビティは、燃料噴射弁より噴射された燃料噴霧を吸気側へ向けて入り込ませる吸気側の深底部と、この深底部よりも浅く凹設され、上記深底部に導入された燃料噴霧を点火プラグへ向けて上方へ案内する排気側の浅底部と、を有することを特徴とする筒内直接噴射式内燃機関のピストン。
  2. 上記キャビティが一対の吸気バルブリセスと部分的に重なり合うように形成されており、
    上記浅底部と吸気バルブリセスとが交差する部分では、上記浅底部の底面がリセス傾斜面よりも低く、この浅底部の底面からリセス傾斜面へ向けて立ち上がるキャビティ側壁が残存していることを特徴とする請求項に記載の筒内直接噴射式内燃機関のピストン。
  3. 上記浅底部の底面は、上記ピストン冠面に平行な平面をなしていることを特徴とする請求項又はに記載の筒内直接噴射式内燃機関のピストン。
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