JP3817910B2 - 筒内噴射式内燃機関のピストン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガソリン機関に代表される筒内噴射式内燃機関のピストンに関し、特に、シリンダ内に生成されるタンブル成分およびスワール成分を利用して、均質燃焼及び成層燃焼の双方が可能な筒内噴射式内燃機関のピストンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
全開出力時等にシリンダ内に略均質な空燃比の混合気を形成していわゆる均質燃焼を行うとともに、低負荷域では、シリンダ内の一部つまり点火プラグ近傍のみに比較的濃い混合気を形成して平均的な空燃比を非常に大きく得るようした成層燃焼を行う筒内噴射式内燃機関が従来から種々提案されている。
【0003】
成層希薄燃焼を可能とした筒内噴射式内燃機関のピストンとしては、例えば、特公平8−35429号公報に記載のものが知られている。この公報に記載の内燃機関は、ピストンの頂部に、ピストン外形円に対し偏心した非円形のボウルが形成されているとともに、ピストン上死点付近においてこのボウルへ向けて燃料を噴射供給できるように燃料噴射弁が配置されている。上記ボウルは、内部に燃料およびスワールを封じ込めるように、リエントラント型の構成となっている。また、このボウルに強いスワールを生成するために、一対の吸気ポートの一方をヘリカルポートとして構成するとともに、他方の吸気ポートを開閉する空気制御弁を備えている。
【0004】
つまり、この公報の内燃機関では、希薄燃焼時には、上記空気制御弁を閉じて一方のヘリカルポートのみから新気を導入し、シリンダ外周部に強いスワールを生成する。このスワールは、ピストンの上昇に伴ってボウル内に導入されるので、圧縮上死点付近でボウル内に燃料を噴射することにより、ボウル内で可燃混合気が形成され、かつ点火プラグ近傍に運ばれる。従って、適宜な時期に点火を行うことにより、着火燃焼に至ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シリンダ内に生成するスワールは、外周側の流動成分が内周側の流動成分に比して強い傾向にある。しかしながら、上記従来のピストン構造では、内周側のスワール成分はボウル内へ比較的導入され易いものの、外周側のスワール成分は、圧縮上死点付近でシリンダヘッド側のペントルーフ傾斜面と、ピストン冠面の傾斜面との間に挟まれて減衰され易く、ボウル内へ良好に導入されない。この結果、ボウル内に十分なスワール成分を確保できず、燃焼効率の低下を招く虞がある。
【0006】
この発明は、シリンダ外周部を旋回する筒内スワールを効果的にボウル内に導入し得る新規な筒内噴射式内燃機関のピストンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る筒内噴射式内燃機関のピストンは、シリンダヘッドに凹設されたペントルーフ型燃焼室に2つの吸気弁および2つの排気弁を有するとともに、シリンダ略中央に点火プラグを有し、かつ、シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁が吸気弁側に配置され、シリンダ内にタンブル流成分を付与した状態で吸気行程付近で燃料噴射を行うことにより均質燃焼を実現するとともに、シリンダ内にスワール成分を付与した状態で圧縮行程付近で燃料噴射を行うことにより成層燃焼を実現するようになっている。
【0008】
そして、請求項1の発明は、ピストン頂部に、上記ペントルーフ型燃焼室を構成する2つの傾斜面にそれぞれ略平行となるように傾斜した吸気弁側傾斜面及び排気弁側傾斜面を有する凸部を形成し、この凸部に、皿状のボウルをピストン外形円に対し吸気弁側に偏心した位置に凹設するとともに、このボウルの筒内スワール下流側位置にスワールガイド部を凹設し、上記ボウルの周壁面が上方へ向かってテーパ状に拡がった皿形をなしているとともに、上記スワールガイド部の側壁面が上方へ向かって拡がるように傾斜しており、このスワールガイド部の側壁面の上縁を、上記ボウルの周壁面の上縁に滑らかに接続するとともに、上記スワールガイド部の側壁面を上記凸部の外周部まで延長したことを特徴としている。
【0009】
すなわち、ピストン頂部に形成される凸部の頂面に、吸気弁側傾斜面と排気弁側傾斜面とが形成され、ピストン上死点においてシリンダヘッド側の燃焼室との間の空間が可及的に小さくなるように構成されている。
【0010】
成層燃焼時には、例えば一方の吸気ポートを閉じる等の手段によって、シリンダ内に筒内スワールが生成される。ここで、シリンダ外周部を旋回する外周側のスワールは、ピストンの上昇に伴ってスワールガイド部の側壁面に突き当たる形となり、この側壁面をガイドとしてボウル内にスムースに導入される。従って、外周側のスワールが十分にボウル内に導入され、ピストン上死点付近でボウル内に良好に封じ込められる。この結果、上死点近傍で燃料がボウルへ向けて噴射されることにより、良好な成層燃焼を実現できる。
【0011】
また均質燃焼時には、一対の吸気弁を介してシリンダ内に流入した新気によってタンブル流が生成され、かつ吸気行程付近で燃料が噴射される。このタンブル流によってボウル内の燃料の滞留が防止され、均質な混合気による均質燃焼を実現できる。
【0012】
より好ましくは、請求項2の発明のように、上記スワールガイド部の平坦な底面が、円形の平坦面をなす上記ボウルの底面よりもピストン軸方向で浅い位置に形成されている。
【0013】
すなわち、ボウルとスワールガイド部との間に段差が与えられており、ボウル内に導入された混合気やスワール成分が、スワールガイド部に漏出することなく、確実にボウル内に封じ込められる。
【0014】
請求項3の発明は、上記吸気弁側傾斜面に上記吸気弁の弁頭部に対応して一対のバルブリセスが凹設されており、上記スワールガイド部が、上記ボウルの筒内スワール下流側に位置する一方のバルブリセスを兼用していることを特徴としている。
【0015】
このようにバルブリセスが凹設されていると、吸気上死点付近でも吸気弁にリフトを与えることが可能となり、均質燃焼時の出力向上を図る場合に有利である。
【0016】
請求項4の発明は、上記ボウルの周壁面と上記スワールガイド部の側壁面とが滑らかに連続する湾曲面に形成されているとともに、上記ボウルの底面と上記スワールガイド部の底面とが滑らかに連続する平坦面に形成されていることを特徴としている。
【0017】
つまり、ボウルとスワールガイド部とが滑らかに連続する1つの凹部として形成されているため、その加工が容易であるとともに、ピストン冠面の凹凸が少なくなるので、熱効率的に有利である。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る筒内噴射式内燃機関のピストンによれば、シリンダ外周部を旋回する外周側のスワール成分が、スワールガイド部の側壁面をガイドとしてスムースにボウル内へ導入されるようになり、十分な強さのスワールをボウル内に確保できるため、その燃焼特性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
始めに、この発明に係るピストン4が用いられる筒内噴射式内燃機関の構成を図1および図2に基づいて説明する。図示するように、シリンダブロック1には、複数のシリンダ3が直列に配置されており、その上面を覆うように、シリンダヘッド2が固定されている。シリンダ3内には、ピストン4が摺動可能に嵌合している。また、シリンダヘッド2に凹設された燃焼室11は、いわゆるペントルーフ型に構成されており、その一方の傾斜面11aに一対の吸気弁5が、他方の傾斜面11bに一対の排気弁6がそれぞれ配置されている。そして、これらの一対の吸気弁5および一対の排気弁6によって囲まれたシリンダ3の略中心位置に、点火プラグ7が配置されている。
【0021】
シリンダヘッド2には、一対の吸気弁5にそれぞれ対応する一対の吸気ポート8が互いに独立して形成されている。つまり、一対の吸気ポート8は、シリンダヘッド2内で合流せず、それぞれシリンダヘッド2側面において独立して開口している。また排気弁6に対応して排気ポート9が形成されている。
【0022】
略円筒状をなす電磁式燃料噴射弁10は、吸気弁5側のシリンダ3側壁寄りのシリンダヘッド2下面部に配置されており、その中心軸が斜め下方へ向かった姿勢で取り付けられている。また、燃料噴射弁10は、図2に示すように、2つの吸気弁5の間に配置されている。
【0023】
シリンダ3内に配置されたピストン4の頂部には、後述するように、吸気弁5側に偏心した位置に、略皿形のボウル12が凹設されており、ピストン4が上死点近傍にあるときに、燃料噴射弁10の噴霧軸線がこのボウル12を指向するようになっている。なお、点火プラグ7は、ピストン4が上死点にあるときにボウル12内に入り、かつその外周部に位置するように配置されている。
【0024】
一対の吸気ポート8は、それぞれ吸気マニホルド13側に独立して形成された一対の吸気通路14a,14bに接続されている。そして、一方の吸気通路14b内には、この吸気通路14bを開閉するバタフライバルブ型の空気制御弁15が介装されている。この空気制御弁15は、シャフト16を介して図示せぬ駆動機構により機関運転条件に応じて開閉制御される。なお、空気制御弁15が閉じた状態では、他方の吸気通路14aに連なる吸気ポート8のみを通して新気が流入するのであるが、この吸気ポート8は、ヘリカルポートではなく、緩く湾曲した略直線状のポート形状をなしている。
【0025】
上記の内燃機関の基本的な作用について説明すると、機関の全負荷時あるいは希薄燃焼域の中でも比較的空燃比が小さな領域では、シリンダ3内に均質な混合気を形成して点火する均質燃焼が行われる。この均質燃焼時には、空気制御弁15が開状態に制御され、一対の吸気ポート8の双方からシリンダ3内へ新気が導入される。これにより、シリンダ3内には、強いタンブル流(縦渦)が生成される。また、燃料は、吸気行程中にシリンダ3内に噴射供給される。この燃料は、タンブル流によってシリンダ3内で積極的に拡散され、ボウル12内に滞留することなく均質化が促進される。
【0026】
一方、低負荷域で、かつ空燃比を非常に大きくする希薄燃焼域では、混合気の成層化により確実な着火を可能とする成層希薄燃焼を行う。この成層希薄燃焼時には、空気制御弁15が閉じられ、一方の吸気ポート8のみからシリンダ3内に新気が流入する。これにより、シリンダ3内では、タンブル成分が相対的に弱められ、かつ水平方向に沿ったスワール流が強く生成される。そして、この成層希薄燃焼の際には、燃料は、圧縮行程の後半において燃料噴射弁10からボウル12へ向けて噴射される。この噴射された燃料は、ピストン4頂部のボウル12内に封じ込められたスワール流に乗って点火プラグ7側へ移動し、点火プラグ7周辺に着火可能な混合気を形成するので、適宜なタイミングで点火することにより、着火燃焼が可能となる。
【0027】
次に、図3〜5を参照して、本発明の第1実施例に係るピストン4の構成、特にその頂部の構成を詳細に説明する。
【0028】
このピストン4においては、上死点においてボウル12がシリンダ3内の空間の大部分を占めるように、その頂面に凸部21が設けられている。この凸部21は、基本的に4つの面から構成されている。すなわち凸部21は、シリンダヘッド2側のペントルーフ型燃焼室11を構成する2つの傾斜面11a,11b(図1,2)に略平行な平面からなる吸気弁側傾斜面22および排気弁側傾斜面23と、ピストン4の外形円と同心の円錐面からなる一対の円錐形側面24,25とによって構成されている。
【0029】
そして、ピストン4が上死点にあるときに、凸部21の各面22〜25とシリンダヘッド2の燃焼室11との間に生じるクリアランスが非常に小さなものとなり、シリンダ3内に残る容積の大部分を、凸部21に凹設されたボウル12及び後述するスワールガイド部40が占有する形となる。
【0030】
なお、ピストン4頂面のスラスト,反スラスト側の部分には、シリンダヘッド2側の燃焼室11の両側に平坦面として残されたスキッシュエリア2a,2b(図1)に対応して、一対の水平面26が形成されている。
【0031】
上記のボウル12は、その底面12aが円形の平坦面に形成されているとともに、その周壁面12bが上方へ向かって緩くテーパ状に拡がった皿形をなしている。また、ボウル12の開口縁部(上縁部)12cは、図4,5に示すようにピストン4の軸方向視で円形をなし、かつ、僅かに排気弁側傾斜面23側へはみ出ている。
【0032】
そして本実施例では、シリンダ3内を旋回する筒内スワールSの流れ方向で、ボウル12のスワール下流側位置に、スワールガイド部40が凹設されている。このスワールガイド部40は、2つの面から形成されていて、すなわち、ボウル12の底面12aよりもピストン軸方向視で浅い位置に形成された平坦なガイド底面40aと、このガイド底面40aと凸部21頂面とを接続するように、上方へ向かって緩く傾斜するガイド側壁面40bと、から形成されている。
【0033】
このガイド側壁面40bは、シリンダ3の外周部を旋回する外周スワールS1を良好にボウル12内に導くように、この外周スワールS1に対向するように形成されており、より具体的には、内周側でボウル12の周壁面12bと滑らかに接続されているとともに、凸部21の外周部すなわち円錐形側面25まで外周側に延長されている。
【0034】
そして、略直線状に延びるガイド側壁面40bの上縁40cが、ボウル12の開口縁12cと滑らかに接続し、つまりボウル開口縁12cの接線方向に延びている。
【0035】
次に、本実施例の作用を図4,5を参照して説明する。
【0036】
成層希薄燃焼時には、上述したように一方の吸気弁5を閉じることによって、シリンダ3内に強いスワールSが生成される。
【0037】
図4の(a)はピストン4が吸気下死点に位置する状態を示しており、この状態(a)からピストン4が(b)に示す位置まで上昇してくると、先ず、比較的流動成分の弱い内周側のスワールS2がピストン軸方向で高い位置にあるボウル12の周壁面12bをガイドとしてボウル12内に導入される。
【0038】
この状態(b)から(c)に示す状態(点火時付近の状態)までピストン4が上昇してくると、シリンダ3の傾斜面11a,11bとピストン4の傾斜面22,23との間の空間が非常に狭くなってくる。このとき、シリンダ3の外周部を旋回する比較的流動成分の強い外周側のスワールS1が、スワールガイド部40のガイド側壁面40bに衝突し、このガイド側壁面40bに沿ってボウル12内にスムースに導入される。
【0039】
そして、圧縮行程後半においてボウル12へ向けて燃料が噴射された後、(d)に示すようにピストン4が上死点に近づくと、ボウル12を有する凸部21の各面がシリンダヘッド2側の対応する面にそれぞれ近接し、ボウル12が全周に亙って良好にシールされた状態となって、十分な強さのスワールS1,S2がボウル12内に封じ込められる。従って、ボウル12内のスワールや混合気が外部へ漏出せずに、このボウル12内で良好に燃焼が進行する。
【0040】
一方、均質燃焼時には、一対の吸気ポート8から流入した新気によってシリンダ3内にタンブル流が形成され、かつ吸気行程中に燃料噴射が行われるが、ボウル12は、上方が緩いテーパ状に拡がった皿形をなしており、かつ、タンブル流が集中する一対の吸気ポート8の中心線上に略円形のボウル12が位置しているので、このボウル12内に入った燃料がタンブル流によって容易に洗い流され、滞留してしまうことがない。従って、高負荷時にも均質な混合気を形成でき、良好な均質燃焼が可能である。
【0041】
以上のように本実施例では、シリンダ3外周部を旋回する外周側のスワールS1を、スワールガイド部40の側壁面40bをガイドとしてスムースにボウル12内に導入できるため、十分な強さのスワールをボウル12内に確保でき、その燃焼特性が向上する。
【0042】
また、この第1実施例では、スワールガイド部40のガイド底面40aがボウル12の底面12aよりもピストン軸方向で浅い位置に形成されており、ボウル12とスワールガイド部40との間に段差が与えられているため、ボウル12内に導入されたスワールや混合気を、スワールガイド部40へ漏出させることなく確実にボウル12内へ封じ込めておくことができる。
【0043】
次に、図6〜8を参照して、本発明の第2実施例に係るピストンについて説明する。なお、後述する実施例において、既に上述した部分には同一符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0044】
この第2実施例では、図1,2に示す吸気弁5に対して公知の可変動弁機構が設けられており、機関運転条件に応じてバルブリフト特性を可変制御できる構成となっている。そして、凸部21の吸気弁側傾斜面22に、吸気弁5の弁頭部に対応して一対のバルブリセス31,32が凹設されている。
【0045】
また、上記第1実施例と同様、ボウル12のスワール下流側位置にはスワールガイド部40が形成されているが、このスワールガイド部40は、ボウル12のスワール下流側に位置する一方の下流側バルブリセス32を兼用する形となっている。
【0046】
詳述すると、筒内スワールSの流れ方向でボウル12の上流側に位置する上流側バルブリセス31は、バルブ傾斜角に沿って比較的浅い円形に凹設されており、ボウル12と部分的に重なっている関係で、略三日月形に現れている。この上流側バルブリセス31は、2つの面から形成されていて、その平坦な底面12aがピストン軸方向でボウル底面12aよりも浅い位置に形成されているとともに、その側壁面31bが吸気弁5の弁頭部に対応した円弧状の湾曲面となっている。
【0047】
一方、スワールSの流れ方向でボウル12の下流側に位置する下流側バルブリセス32は、その底面32aが上流側バルブリセス31の底面31aと略同じ深さ位置に形成されているものの、その側壁面32b(40b)が、上記第1実施例のスワールガイド部40のガイド側壁面40bと同様、ボウル12の周壁面12bに滑らかに接続しているとともに、凸部21の外周部まで外周側に延長されている。つまり、この側壁面32bは、上流側バルブリセス31の側壁面31bに比して排気弁側(スワールS下流側)へ後退した形となっている。
【0048】
すなわち、この実施例では、ボウル12のスワール下流側部分が、スワールガイド部40と下流側バルブリセス32とを含む形で、上流側バルブリセス31よりも広範囲にわたって凹設されている。
【0049】
このような第2実施例では、吸気弁側傾斜面22に一対のバルブリセス31,32が凹設されているため、吸気上死点付近でも吸気弁5にリフトを与えることが可能となり、均質燃焼時の出力向上を図る場合に有利である。
【0050】
そして、下流側バルブリセス32を兼用する形でスワールガイド部40が凹設されているため、外周側のスワール成分S1を効率的にボウル12内へ導入することができ、上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0051】
図9〜11は、本発明の第3実施例に係るピストンを示している。
【0052】
この第3実施例では、第1実施例のスワールガイド部40に相当する部分42を、ボウル12と滑らかに一体化させた形状となっている。つまり、この実施例では、ボウル12の周壁面12bとスワールガイド部42の側壁面42bとが滑らかに連続する非円形の1つの湾曲面に形成されているとともに、ボウル12の底面12aとスワールガイド部42の底面42aとが滑らかに連続する非円形の1つの平坦面に形成されている。
【0053】
言い換えると、スワールガイド部42を兼用するように、ボウル12自体がスワール下流側へ張り出す形に凹設されている。
【0054】
このような第3実施例によれば、上記第1実施例と同様、スワールガイド部42の側壁面42bをガイドとして十分な強さのスワールをボウル12内に導入でき、その燃焼特性が向上する。
【0055】
そして、この第3実施例では、ボウル12とスワールガイド部42とを滑らかに連続する1つの凹部として形成しているため、ピストン鋳造時の加工工数が低減され、その製造が容易になるとともに、ピストン冠面の凹凸が少なくなるので、熱効率的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る筒内噴射式内燃機関の構成を示す縦断面図。
【図2】シリンダヘッドを下面側から見た状態を示す底面図。
【図3】この発明に係るピストンの第1実施例を示す斜視図。
【図4】第1実施例の作用説明図で、上段が平面図,下段が断面対応図。
【図5】図4と同様、第1実施例の作用説明図。
【図6】この発明に係るピストンの第2実施例を示す斜視図。
【図7】第2実施例の作用説明図で、上段が平面図,下段が断面対応図。
【図8】図7と同様、第2実施例の作用説明図。
【図9】この発明に係るピストンの第3実施例を示す斜視図。
【図10】第3実施例の作用説明図で、上段が平面図,下段が断面対応図。
【図11】図10と同様、第3実施例の作用説明図。
【符号の説明】
4…ピストン
12…ボウル
12b…周壁面
22…吸気弁側傾斜面
23…排気弁側傾斜面
31,32…バルブリセス
40,42…スワールガイド部
40b,42b…側壁面
S1…外周側のスワール
S2…内周側のスワール

Claims (4)

  1. シリンダヘッドに凹設されたペントルーフ型燃焼室に2つの吸気弁および2つの排気弁を有するとともに、シリンダ略中央に点火プラグを有し、かつ、シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁が吸気弁側に配置され、シリンダ内にタンブル流成分を付与した状態で吸気行程付近で燃料噴射を行うことにより均質燃焼を実現するとともに、シリンダ内にスワール成分を付与した状態で圧縮行程付近で燃料噴射を行うことにより成層燃焼を実現するようにした筒内噴射式内燃機関のピストンにおいて、
    ピストン頂部に、上記ペントルーフ型燃焼室を構成する2つの傾斜面にそれぞれ略平行となるように傾斜した吸気弁側傾斜面及び排気弁側傾斜面を有する凸部を形成し、
    この凸部に、皿状のボウルをピストン外形円に対し吸気弁側に偏心した位置に凹設するとともに、このボウルの筒内スワール下流側位置にスワールガイド部を凹設し、
    上記ボウルの周壁面が上方へ向かってテーパ状に拡がった皿形をなしているとともに、上記スワールガイド部の側壁面が上方へ向かって拡がるように傾斜しており、
    このスワールガイド部の側壁面の上縁を、上記ボウルの周壁面の上縁に滑らかに接続するとともに、上記スワールガイド部の側壁面を上記凸部の外周部まで延長したことを特徴とする筒内噴射式内燃機関のピストン。
  2. 上記スワールガイド部の平坦な底面が、円形の平坦面をなす上記ボウルの底面よりもピストン軸方向で浅い位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関のピストン。
  3. 上記吸気弁側傾斜面に上記吸気弁の弁頭部に対応して一対のバルブリセスが凹設されており、
    上記スワールガイド部が、上記ボウルの筒内スワール下流側に位置する一方のバルブリセスを兼用していることを特徴とする請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関のピストン。
  4. 上記ボウルの周壁面と上記スワールガイド部の側壁面とが滑らかに連続する湾曲面に形成されているとともに、上記ボウルの底面と上記スワールガイド部の底面とが滑らかに連続する平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関のピストン。
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