JP3865953B2 - セラミックグロープラグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの始動時に着火源として用いられるグロープラグに関し、特に発熱体をセラミックの中に埋設し一体に焼結したセラミックグロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のセラミックグロープラグは、例えば特開昭59−231322号公報に記載されているように、タングステン(W)等の細線からなる発熱線コイルとリード線とを接続したものを窒化珪素(Si34)等の粉末中に埋設し焼結成形してセラミックヒータとしたものであった。
また、特開平9−14659号公報には、金属線からなる発熱線コイルの代わりに、タングステン(W)合金の粉末と窒化珪素(Si34)の粉末を混合したものを成形してセラミック発熱体とし、基体となる窒化珪素(Si34)と共に焼結成形してセラミックヒータとしたものが提案されている。また、同公報にはセラミック抵抗体を2種類用意し,その一つをセラミック発熱体とし、他を温度抵抗係数の大きな組成のものとして温度制御用のセラミック抵抗体として使用する2材タイプの自己制御型グロープラグが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属細線のコイルを使ったセラミックグロープラグは、金属コイルの作製と接続に手間がかかりコスト高になるという問題点があった。
一方、上記の温度抵抗係数の異なる2種類のセラミック発熱体を用いた自己制御型セラミックグロープラグは、消費電力が大きいという問題点があった。
【0004】
消費電力の問題について図5を参照し説明する。図5は自己飽和型のセラミックグロープラグの先端部に装着されるセラミックヒータ30,40の断面図である。窒化珪素(Si34)を主成分とする略円柱形状の基体セラミック31,41の中にU字形状をしたセラミック発熱体32,42とリード線33,34,43,44が埋設されている。セラミック発熱体32,42は例えばタングステンカーバイト(WC)と窒化珪素(Si34)の混合物を焼成したものを主な組成とする。リード線33,34,43,44は純粋な金属タングステン(W)で構成される。
【0005】
図5(A)に示すようにセラミック発熱体32が長尺のものでは、セラミックヒータ30の先端を高温にするためセラミック発熱体32の先端を細くして抵抗を大きくし先端を白熱させる必要がある。一方、図5(B)に示すようにセラミック発熱体42の有効長を短くしてリード線43,44を長くすれば先端だけ高温にすることができる。しかしながら、有効長を短くするとタングステン(W)からなるリード線43,44がエンジンの燃焼室に極く近い位置に位置することになり、燃焼室の1400°Cの使用温度環境下では基体セラミック41とリード線43,44との熱膨張率の差によりクラックが発生する恐れがあり耐久性に問題点があった。
【0006】
クラックを防止するためには、セラミック発熱体42とリード線43,44との嵌合位置をグロープラグのシート面より後退側に持ってくる必要があり、結局、セラミック発熱体42が長尺化する。セラミック発熱体42が長尺化すると本来必要のない先端以外の部分でも無駄な電力を消費し発熱することになり、消費電力が大きくなるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、消費電力が極力少なく、かつ、耐久性に優れた自己飽和型のセラミックグロープラグを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のうち請求項1記載の発明は、電気絶縁体である基体セラミックの中に、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)またはクロム(Cr)より選ばれた少なくとも1種類以上の珪化物、炭化物または窒化物を主体としたセラミック抵抗体を埋設させてなるセラミックヒータと、先端に燃焼室との密閉を図るシート面を有する主体金具と、その主体金具の先端から突出する金属外筒とを具備し、前記金属外筒に前記セラミックヒータの先端部を前記金属外筒から露出して配設してなるセラミックグロープラグであって、前記セラミック抵抗体は抵抗値の異なる2種類のものが用意され、抵抗値の高い第1のセラミック抵抗体は基体セラミックの先端部に埋設され、前記第1のセラミック抵抗体の両端に分割して結合された抵抗値の低い第2のセラミック抵抗体は基体セラミックの後退部に埋設されており、その第2のセラミック抵抗体に基体セラミック外部と接続するリード線が埋設されて結合されるとともに前記第2のセラミック抵抗体と前記リード線との結合位置を前記シート面よりも後退させていることを特徴とする。
【0009】
このように形成したグロープラグの基体セラミックにリード線を経由して通電すると、直列に接続された第1のセラミック抵抗体及び第2のセラミック抵抗体に通電されそれぞれが発熱する。ここで、第1のセラミック抵抗体の抵抗値(R1)は第2のセラミック抵抗体の抵抗値(R2)より大であるから(抵抗値比R1/R2>1)、第1のセラミック抵抗体は第2のセラミック抵抗体に比べてより強く発熱する。このため、第1のセラミック抵抗体が実質的な発熱体となり基体セラミックの先端部が強く加熱される。一方、第2のセラミック抵抗体は抵抗値(R2)が小さいからその発熱量は小さく電力消費量が少ない。従って、リード線から供給される電力の大部分が第1のセラミック抵抗体で消費されることになり、1種類のセラミック抵抗体で構成した1材タイプのセラミックグロープラグに比べて、基体セラミックの先端すなわちグロープラグの先端を同じ温度にするのに必要な消費電力が少なくなる。
【0010】
そして、第1のセラミック抵抗体、第2のセラミック抵抗体及び基体セラミックは同じようなセラミックで構成することができ熱膨張係数を近似したものとすることができるから、基体セラミックの先端を繰り返し1000°C以上に加熱してもクラックの発生する恐れが無く、耐久性のあるグロープラグとすることができる。また、リード線と第2のセラミック抵抗体との結合は基体セラミックの後退部で行われるから温度上昇が比較的低くなり、クラックに強く十分な耐久性を示す。
【0011】
ここで、請求項2記載の発明のように、前記第1のセラミック抵抗体の軸方向長さをL1とし、前記基体セラミックが金属外筒から露出したセラミック露出長をL2として、L1/L2<0.8と設定したことを特徴とすることができる。このように形成すると、金属外筒から露出した基体セラミックの露出部の中でも第1のセラミック抵抗体が存在する先端部が強く加熱され高温になる。第1のセラミック抵抗体からある程度離れた金属外筒の位置では基体セラミックの温度が先端部に比べて低下し、基体セラミックと金属外筒とをロウ付け固着しているロウ材を溶融するほどにはならない。実験によるとロウ材が溶出しない限界が、L1/L2<0.8の近傍にある。すなわち、このように形成するとロウ材が溶出せず耐久性のあるセラミックグロープラグを提供することができる。
【0012】
ここで、請求項3記載の発明のように、前記第1のセラミック抵抗体と第2のセラミック抵抗体との結合部が、凹部と凸部との嵌合により結合されていることを特徴とすることができる。
このように形成すると、結合部が凹凸嵌合になり、第1のセラミック抵抗体と第2のセラミック抵抗体とを突き合わせ結合する場合に比べて結合強度が高くなり耐久性のあるセラミックグロープラグを提供することができる。
【0013】
ここで、請求項4記載の発明のように、前記セラミック抵抗体の結合部の凸部が、逆テーパー形状とされていることを特徴とすることができる
このように形成すると、第1のセラミック抵抗体と第2のセラミック抵抗体との結合が2つのセラミック体の接着力だけではなく機械的にも結合されるから、第1のセラミック抵抗体と第2のセラミック抵抗体との結合がより強くなりより耐久性のあるセラミックグロープラグを提供することができる。このような、逆テーパー形状の結合は第1及び第2のセラミック抵抗体を射出成形により形成することにより容易に実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
図1は本発明に係るセラミックグロープラグの部分断面図である。セラミックグロープラグ1の主体金具2は低炭素鋼で構成され、プラグレンチと嵌合する6角形部2Aと、シリンダヘッドに螺合するねじ部2Bとを備えている。主体金具2の先端には燃焼室との密閉を図るシート面2Cが形成されている。主体金具2の先端から図面下方に突出して金属外筒(スリーブ)3が配設されている。その金属外筒3に保護されて略円柱形状で先端が半球状のセラミックヒータ4が配設され、その先端部を金属外筒3から図面下方に露出させている。金属外筒3は主体金具2にロウ付け固着され、セラミックヒータ4は金属外筒3にロウ付け固着されている。
【0015】
主体金具2の後退側(図面上部)には低炭素鋼からなる中軸5が配設されている。中軸5はセラミックグロープラグ1の電極となる部材であり、その上部にねじ部5Aが形成されている。中軸5はガラスシール材6により主体金具2の中心に位置するようにされ、絶縁体7を介してナット8により固定されている。中軸5とセラミックヒータ4とはリードコイル9により電気的に接続されている。
【0016】
図2はセラミックグロープラグ1の先端部を拡大して示し、特に、セラミックヒータ4の内部構造を示す断面図である。セラミックヒータ4は略円柱形状をした電気絶縁体である基体セラミック11の中に、U字形状をした第1のセラミック抵抗体12と、直線状をした2本の第2のセラミック抵抗体13,14と、その2本の第2のセラミック抵抗体にそれぞれ嵌合された第1及び第2のリード線15,16が埋設されている。第1のリード線15は基体セラミック11の上端近傍の側周に露出し、リードコイル9にロウ付けされる。第2のリード線16は基体セラミック11の中程の側周に露出し、金属外筒3にロウ付けされる。
【0017】
従って、中軸5に電圧(通常+11V程度)を印加すると電流は、中軸5、リードコイル9、第1のリード線15、一方の第2のセラミック抵抗体13、第1のセラミック抵抗体12、他方の第2のセラミック抵抗体14、第2のリード線16、金属外筒3、主体金具2と流れ接地される。この電流によりU字形状をした第1のセラミック抵抗体12が強く発熱し基体セラミック11の先端部を加熱する。
【0018】
セラミックヒータ4の構成についてさらに詳細に説明する。セラミックヒータ4の本体となる基体セラミック11には電気絶縁体である窒化珪素(Si34)の焼成体を用いる。第1及び第2のセラミック抵抗体12,13には導電材料であるタングステンカーバイト(WC)と窒化珪素(Si34)との混合物を焼結したものを用いる。第1のセラミック抵抗体12には抵抗値を比較的高くするため、例えばタングステンカーバイト(WC)が55%のものを用い、抵抗値の比較的小さい第2のセラミック抵抗体13,14には、例えばタングステンカーバイト(WC)が70%のものを用いる。リード線15,16には耐熱性のある純タングステン(W)線を用いる。
【0019】
セラミックヒータ4の製造方法について簡単に説明する。
▲1▼、タングステンカーバイト(WC)等の導電材料に規定量の窒化珪素(Si34)及び焼結助剤を添加し、湿式にて72Hr混合粉砕を行う。
▲2▼、その泥漿を乾燥後、粉末状態とし、混練機中にその粉末及び成形補助バインダーを投入し、4Hr混練する。
▲3▼、その混練した導電材料をペレット状に裁断し、射出成形機に投入してインサート成形のようにしてリード線15,16が嵌合した2本の第2のセラミック抵抗体13,14を成形する。
▲4▼、第1のセラミック抵抗体12の材料を生成するため組成の異なった導電材料で上記▲1▼▲2▼の工程を経て混練した導電材料を得る。
▲5▼、その混練した導電材料をペレット状に裁断し、リード線15、16が嵌合した2本の第2のセラミック抵抗体13、14が金型に装着された状態で、射出成形機に投入し、U字形状をした第1のセラミック抵抗体12の両端に2本の第2のセラミック抵抗体が嵌合した導電部品を成形する。
【0020】
次に上記導電部品を基体セラミック11中に埋設する工程について説明する。
▲6▼、基体セラミックの材料となる窒化珪素(Si34)に焼結助剤を添加し、40Hr湿式にて混合粉砕した後、噴霧乾燥により造粒粉末とする。
▲7▼、上記▲6▼で得られた粉末中に▲5▼で得られた導電部品を埋没し、一体プレスする。
▲8▼、上記の一体プレス品をホットプレス法により焼成する。
▲9▼、上記の焼成体を円柱形状に研磨し、先端側(第1のセラミック抵抗体12側)を半球状にR研磨し、セラミックヒータ4とした。
【0021】
図2を参照し、上記のセラミックグロープラグにおいて、U字形状をした第1のセラミック抵抗体12の抵抗値R1と第2のセラミック抵抗体13、14の抵抗値R2との抵抗値比R1/R2と、第1のセラミック抵抗体12の軸方向長さL1と基体セラミック11が金属外筒3から露出したセラミック露出長L2との軸長比L1/L2と、リード線15,16の第2のセラミック抵抗体12,13への嵌合位置との、3つのパラメータを変えた試作品を作り、通電耐久テストを行った。リード線の結合位置は主体金具2のシート面2Cの位置を基準とし、先端側を−、後退側を+とした。また、セラミック抵抗体12,13,14の抵抗値R1,R2は常温での抵抗値で測定した。通電耐久テストの結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003865953
【0023】
表1において、「5sec時温度」とはグロープラグに11Vを印加してから60秒経過時の飽和温度が1200°Cである場合に、電圧印加後5秒経過時の温度である。温度はセラミックヒータ4の先端から2mmの位置の温度を放射温度計で測定した温度であり、単位は°Cである。この温度は少なくともディーゼルエンジンの冷間始動に必要な900°C以上は必要であり、好ましくは1000°C以上であることが望ましい。この温度が高いほど製品のバラツキに対する余裕が出てきて製品の歩留まりが向上する。「60sec時電流値」とは飽和温度に達した60秒経過時の電流値である。この電流値が小さいほど本発明の目的である消費電力の小さいグロープラグになる。「通電耐久テスト」とはセラミックヒータ4の先端から2mmの位置の温度が1400°Cになるような電圧で1分間通電し、1分間遮断するという通電パターンで規定のサイクル数まで異常が出ないか耐久性をテストしたものである。
【0024】
表1において実施例1から8までは本発明に係るセラミックグロープラグでのデータであり、比較例1から3は比較のため本発明品ではないセラミックグロープラグでのデータを示したものである。比較例1は本発明品と同じく2種類のセラミック抵抗体を用いているが、本発明とは逆に先端の第1のセラミック抵抗体12の抵抗値R1より第2のセラミック抵抗体13,14の合計抵抗値R2の方を大きくし、抵抗値比R1/R2を1より小さくしたものである。比較例2と3は1種類のセラミック抵抗体を用いた従来の一材タイプのものである。比較例2はセラミック抵抗体が長尺な図5(A)に示すようなものであり、比較例3はセラミック抵抗体が極く短い図5(B)に示すようなものである。
【0025】
表1において実施例1と比較例2とを比較すると、「5sec時温度」が同じ1000°Cでありながら「60sec時電流値」が1材タイプの比較例2が7Aであるのに対して実施例1では5Aと大幅に消費電力が低減していることがわかる。セラミック抵抗体が短尺でリード線嵌合位置が−8mmと大きく先端方向に下がっている比較例3では、「60sec時電流値」は4Aと消費電力が小さく良好であるが、通電耐久テストでリード線とセラミック抵抗体との嵌合部に割れが発見され、耐久性に問題があることを示している。
【0026】
実施例1と同じ2材タイプの比較例1とを比較すると、抵抗値比R1/R2が0.5の比較例1の「60sec時電流値」が7Aであるのに対して、抵抗値比R1/R2が1.5の実施例1では5Aと低減している。さらに、実施例1,2,3を比較すると抵抗値比R1/R2が1.5,4.0,10.0と大きくなるほど「60sec時電流値」が低減し消費電力が減少していることがわかる。このことから、自己飽和型のセラミックグロープラグにおいて消費電力を低減するには、2材タイプとし、第1のセラミック抵抗体の抵抗値R1と第2のセラミック抵抗体の合計抵抗値R2との抵抗値比R1/R2が少なくとも1以上あることが必要であり、さらに好ましくは抵抗値比R1/R2が8以上であることが好適である。これらのデータは請求項1の発明を支持するものである。
【0027】
また、実施例1,2,3を比較すると、抵抗値比R1/R2が大きくなるほど「60sec時電流値」が低下し消費電力が低減するばかりではなく、「5sec時温度」が上昇している。このことは、素子のバラツキに対する許容度を上げ、それだけ製品の歩留まりを上げることになり好ましことである。
【0028】
次に、実施例4,5を比較すると、抵抗値比R1/R2が大きくなるほど「60sec時電流値」が低下し消費電力が低減すると共に、「5sec時温度」が上昇するという実施例1,2,3と同じ傾向を示している
【0029】
次に、実施例6,7を比較する。ここでは軸長比L1/L2を変化させている。実施例1〜では、第1のセラミック抵抗体12の軸方向長さL1とセラミック露出長L2との軸長比L1/L2は0.5で一定であった。実施例では軸長比L1/L2を0.7まで上げたが通電耐久テストの2万サイクルを無事通過し耐久性に問題は生じなかった。しかし、軸長比L1/L2を0.85とした実施例では通電耐久テストの2万サイクルはクリアしたものの、小さなロウ材の溶出が観察された。従って、軸長比L1/L2は、L1/L2<0.8、と設定することが耐久性の要請から妥当である。この実験結果は請求項2の発明を支持するものである。
【0030】
図3はセラミックグロープラグに電圧(11V)を印加した後の温度と電流の変化を示すグラフ図である。曲線A,Bは温度を、曲線C,Dは電流を示している。横軸は時間であり単位は秒である。縦軸の左側は温度であり単位は°Cであり、縦軸の右側は電流であり単位はアンペアである。実線で示す曲線A.Cは本発明品である表1の実施例2のセラミックグロープラグの特性を示している。破線で示す曲線B,Dは従来品である表1の比較例2のセラミックグロープラグの特性を示している。
【0031】
温度特性を示す曲線A,Bについて検討してみる。曲線AとBは重なり合っているように見えるが仔細に観察すると、発明品の温度曲線Aの方が従来品の温度曲線Bより立ち上がりが早く、5秒経過時付近では温度曲線Aの方が温度曲線Bより温度が高い。10秒経過時付近で温度曲線AとBが逆転し、温度曲線Bの方が温度が高くなる。そして、両者の温度曲線A,Bは時間の経過と共に1200°Cで飽和する。このように、発明品の温度曲線Aの方が従来品の温度曲線Bより立ち上がりが早く、5秒経過時付近では温度曲線Aの方が温度曲線Bより温度が高い点が本発明品の優れた特徴である。
【0032】
電流特性を示す曲線C,Dについて検討してみる。電流曲線CとDは明らかに異なり、発明品の電流曲線Cの方が従来品の電流曲線Dを絶えず下回っている。そして、飽和電流は発明品の電流曲線Cでは4Aを示し、従来品の電流曲線Dでは7Aを示す。このように、立ち上がり温度が高いにも係わらず電流曲線Cが低い値を示すのは、消費電力が少ないという本発明品の優れた特徴を表している。
【0033】
以上説明した実施の形態では、U字形状をした第1のセラミック抵抗体12と直線状の第2のセラミック抵抗体13,14とを平面的に突き合わせた状態で焼成し接合したが、両者12,13の結合を凹凸嵌合とし2つのセラミック抵抗体の結合強度を高めることができる。
【0034】
図4は2つのセラミック抵抗体の結合部を示す断面図である。図4(A)は第1のセラミック抵抗体12の端部に円孔状の凹部を設け、その凹部に第2のセラミック抵抗体13,14の円柱状の凸部が嵌合するようにしたものである。このように、凹凸嵌合とすることにより、第1のセラミック抵抗体12と第2のセラミック抵抗体13,14との接合部の面積が大きくなり、それだけ結合強度が強くなる。また、横方向への剪断力に対しても機械的に結合強度が強くなる。図4(B)は第1のセラミック抵抗体12の端部の円孔状の凹部を底に行くほど径が大きくなる逆テーパー形状とし、第2のセラミック抵抗体13,14の凸部をこれと嵌合する逆テーパー形状の凸部としたものである。このように、逆テーパーの凹凸嵌合とすることにより、セラミック抵抗体12,13,14どうしの接合力だけでなく機械的にも結合されるから、それだけ結合強度が強くなる。結合強度が強くなるとそれだけセラミックグロープラグ1の耐久性が増すことになる。
【0035】
図4(C)は(A)とは逆に、第1のセラミック抵抗体12に凸部を設け、第2のセラミック抵抗体13,14に凹部を設けたものである。図4(D)は(B)とは逆に、第1のセラミック抵抗体12に逆テーパー形状の凸部を設け、第2のセラミック抵抗体13,14に逆テーパー形状の凹部を設けて嵌合させたものである。このような複雑な形状の嵌合も、セラミック抵抗体12,13,14を射出成形により形成するため金型の工夫により容易に実現できる。図4(A)及び図4(C)に示す例は請求項3の発明に対応し、図4(B)及び図4(D)に示す例は請求項4の発明に対応する。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、抵抗値の異なる2種類のセラミック抵抗体を用意し、抵抗値の高い第1のセラミック抵抗体を基体セラミックの先端部に埋設し、抵抗値の低い第2のセラミック抵抗体を第1のセラミック抵抗体の端部に接合すると共に基体セラミックの後退部に埋設しリード線との連結を図ったものであるから、自己飽和型のセラミックグロープラグであって、消費電力が少なく、かつ、耐久性に優れているという優れた効果がある。
また、発熱体となる第1のセラミック抵抗体及び導電部となる第2のセラミック抵抗体が射出成形により形成することが可能になるから、生産性が向上し、コストが低下するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックグロープラグの部分断面図である。
【図2】セラミックグロープラグの先端部を拡大して示す断面図である。
【図3】セラミックグロープラグの温度特性及び電流特性を示すグラフ図である。
【図4】2つのセラミック抵抗体の結合部分を示す断面図である。
【図5】従来のセラミックヒータの断面図である。
【符号の説明】
1 セラミックグロープラグ
2 主体金具
3 金属外筒
4 セラミックヒータ
11 基体セラミック
12 第1のセラミック抵抗体
13 第2のセラミック抵抗体
14 第2のセラミック抵抗体
15 第1のリード線
16 第2のリード線

Claims (4)

  1. 電気絶縁体である基体セラミックの中に、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)またはクロム(Cr)より選ばれた少なくとも1種類以上の珪化物、炭化物または窒化物を主体としたセラミック抵抗体を埋設させてなるセラミックヒータと、
    先端に燃焼室との密閉を図るシート面を有する主体金具と、
    その主体金具の先端から突出する金属外筒とを具備し、
    前記金属外筒に前記セラミックヒータの先端部を前記金属外筒から露出して配設してなるセラミックグロープラグであって、
    前記セラミック抵抗体は抵抗値の異なる2種類のものが用意され、抵抗値の高い第1のセラミック抵抗体は基体セラミックの先端部に埋設され、前記第1のセラミック抵抗体の両端に分割して結合された抵抗値の低い第2のセラミック抵抗体は基体セラミックの後退部に埋設されており、その第2のセラミック抵抗体に基体セラミック外部と接続するリード線が埋設されて結合されるとともに前記第2のセラミック抵抗体と前記リード線との結合位置を前記シート面よりも後退させていることを特徴とするセラミックグロープラグ。
  2. 前記第1のセラミック抵抗体の軸方向長さをL1とし、前記基体セラミックが金属外筒から露出したセラミック露出長をL2として、L1/L2<0.8と設定したことを特徴とする請求項1記載のセラミックグロープラグ。
  3. 前記第1のセラミック抵抗体と第2のセラミック抵抗体との結合部が、凹部と凸部との嵌合により結合されていることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックグロープラグ。
  4. 前記セラミック抵抗体の結合部の凸部が、逆テーパー形状とされていることを特徴とする請求項3記載のセラミックグロープラグ。
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