JP3819705B2 - セラミックヒータ及びグロープラグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミックヒータ及びグロープラグに関し、更に詳しくは、特に耐衝撃性、曲げ強さ等の機械的強度に優れ、高い耐久性を有するセラミックヒータ及びグロープラグに関する。本発明のセラミックヒータはディーゼルエンジンの始動補助装置であるグロープラグや燃焼式ヒータの加熱源として好適に用いることができ、また、本発明のグロープラグはディーゼルエンジンに用いるグロープラグとして好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、グロープラグに用いられるセラミックヒータの絶縁性セラミック基体としては耐熱性が高く、機械的強度に優れるセラミックスが用いられている。一方、この絶縁性セラミック基体内に埋設された発熱抵抗体へ通電するためのリード線は通常金属性の導電材が用いられている。このリード線は、発熱抵抗体と共に絶縁性セラミック基体内に埋設されており、一端側が発熱抵抗体に接続され、他端側が絶縁性セラミック基体外表面に表出され、この表出部を介して発熱抵抗体へ通電が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この表出部について検討された技術は知られていない。また、絶縁性セラミック基体の外表面へリード線を表出させるためのリード線の形状としては特公平6−100339号公報、特開平7−142153号公報及び特開平9−184627号公報等が知られているが、何れのリード線の形状の加工も容易ではなく、製造時の作業性、製造における歩留まり、製造コスト及び使用時の耐久性等を合わせて考慮すると最良であるとは必ずしもいい難い。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、セラミックヒータが十分な機械的強度及び優れた機械的強度に起因する耐久性を備え、同時に製造効率及びこれらの特性を低いコストで実現できるセラミックヒータ及びこのセラミックヒータを備えるグロープラグを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
グロープラグ等に使用されるセラミックヒータは極めて高い機械的強度が要求される。これは、例えば、グロープラグがインパクトレンチ等の高い衝撃を課す工具でエンジンに取り付けられること、また、ディーゼルエンジンは非常に高い圧縮圧力で稼働していること、更には、この圧縮圧力が高いため異常燃焼が生じた場合等は非常に大きな衝撃を受けること、また、自身が冷熱間サイクルを繰り返すことによる熱衝撃を負担すること等からも分かる。本発明者らは、このようなグロープラグ等における使用に十分に絶え得るセラミックヒータについて、特に絶縁性セラミック基体の内部に埋設されるリード線の形状及び発熱抵抗体を通電するために絶縁性セラミック基体の外表面から表出されることとなるリード線1本あたりの表出面積について検討を重ねた。
【0006】
その結果、セラミックヒータ(発熱抵抗体)を発熱させるために印加する電圧は、絶縁性セラミック基体の外表面から表出するリード線の表出部にロー付けされる外部導通部材(グロープラグにおいては保護外筒、リードコイル又は接続リード等)から供給されるが、リード線の表出部の面積は非常に小さくロー付け及び導通の確実を期すことのみを目的とすると表出面積は大きくすることが好ましいことを確認した。一方で、絶縁性セラミック基体内のリード線には絶縁性セラミック基体とその特性(熱膨張率及び焼成収縮率等)の差異が大きい材料を使用することがある。このため絶縁性セラミック基体内におけるリード線の配置位置が絶縁性セラミック基体外表面に近づくに連れてその位置における曲げ強さは低下する傾向にあり、特にリード線が絶縁性セラミック基体の外表面から表出する部分においては、その表出面積が大きいとセラミックヒータの曲げ強さが低下し易いことを確認した。これらの結果より、絶縁性セラミック基体から表出するリード線1本あたりの表出面積を最適化することにより外部導通部材とのロー付け強度及びセラミックヒータ自体の機械的強度のいずれをも十分に満足させるセラミックヒータを得ることができることを見出し本発明を完成させた。
【0007】
更に、リード線はその一部を絶縁性セラミック基体の外表面に表出させるために、発熱抵抗体に接続する一端側から他端側に延びるリード線のいずれかの個所において適宜方向変換部を設けることが通常である。しかし、リード線は高い耐熱性を必要とするためタングステン及びタングステン合金等の比較的脆い金属を使用せざるを得ないことが多い。このため、方向変換部の形成自体がリード線にとっては強度的な負担となり易い。更に、そのような脆さを有する一方で小さな部品であるため加工の精密さが要求され、その加工は容易でなく、このような加工を1本のリード線の複数ヶ所に施すことはコスト的にも好ましくない。
【0008】
しかし、これまではリード線の絶縁性セラミック基体の表出部における絶縁性セラミック基体とリード線との材質の差異による絶縁性セラミック基体からの剥がれの防止、及び外部導通部材との確実な接続等を図るために、リード線に方向変換部を2ヶ所以上設ける等の加工が行われている。これに対して、本発明者らは必ずしもリード線に方向変換部を2ヶ所以上有する必要がないこと、更には、前述のような絶縁性セラミック基体から表出するリード線1本あたりの表出面積の最適化により、外部導通部材とのロー付け強度、セラミックヒータ自体の機械的強度、更にはコスト的な問題をも解決し得ることを見出し本発明を完成させた。
【0009】
本発明のセラミックヒータは、絶縁性セラミック基体と、通電により発熱する発熱抵抗体と共に該絶縁性セラミック基体内に埋設され、一端側が該発熱抵抗体を通電するために該発熱抵抗体に接続され、他端側の端面が該絶縁性セラミック基体の外表面に表出する一対のリード線とを備え、該リード線1本あたりの該絶縁性セラミック基体の外表面に表出する面積は0.07〜0.60mmであることを特徴とする。
本発明のセラミックヒータは、前記リード線のうちの一方は、該一端側から延び、方向変換されて該他端側に至る方向変換部を1ヶ所のみ有し、該方向変換部の曲げ角θは15゜ < θ≦30゜であるとともに、前記リード線のうちの他方は、該一端側から延び、方向変換されて該他端側に至る方向変換部を1ヶ所のみ有するか、方向変換部を有さない構成をなすことを特徴とする。
【0010】
上記「絶縁性セラミック基体」は目的により種々選択できるが、窒化珪素質のセラミックが多用され、特にEr、Yb等の希土類元素の少なくとも1種を含有して得られる窒化珪素を絶縁性セラミック基体全体に対して90質量%以上含有することが好ましい。また、窒化珪素質には窒化珪素を主成分とするものが広く含まれ、窒化珪素に加えて、窒化アルミニウム、アルミナ及びサイアロン等を含有させることができる。尚、発熱抵抗体に含まれる導電成分との熱膨張率の差を小さくするため、絶縁性セラミック基体にこの導電成分を少量含有させることもできる。
【0011】
また、上記「発熱抵抗体」は、通電により発熱する抵抗体であり絶縁成分と導電成分とにより構成される。絶縁成分としては窒化珪素が多く用いられる。一方、導電成分としては、W、Ta、Nb、Ti、Mo、Zr、Hf、V、及びCr等から選ばれる1種以上の金属元素の珪化物、炭化物又は窒化物等のうちの少なくとも1種を用いることができる。なかでも、発熱抵抗体の絶縁成分として、更には絶縁性セラミック基体としても多用される窒化珪素との熱膨張率の差が小さく、更には、耐熱温度が高いことが好ましい。これにより、セラミックヒータの最高温度を向上させることができ、熱膨張率の差に起因したクラックの発生もほとんど生じることがない。このような導電成分としては、WC、MoSi2、TiN又はWSi2等が挙げられる。また、これら絶縁成分と導電成分との量比は特に限定されないが、発熱抵抗体を100体積%とした場合に、導電成分を15〜40体積%(特に20〜30体積%)とすることができる。
【0012】
上記「リード線」は、発熱抵抗体に通電するための導通用配線であり、通常2本備えることが一般的である。このリード線は、W、Re、Ta、Mo及びNb等から選ばれる1種の金属又は2種以上からなる合金等により形成できる。また、このリード線の線形は特に限定されず、また、断面形状も特に限定されないが破壊起点を減少させることができるため円形であることが好ましい。更に、その線径も特に限定されないが0.30〜0.60mm(より好ましくは0.35〜0.55mm、更に好ましくは0.40〜0.50mm)であることが好ましい。この線径が0.30mm未満となると製造時の取り扱いが困難になる傾向にあることに加え、通電量に対する相対的な抵抗が大きくなり、リード線自体が発熱し易くなる。一方、0.60mmを超えて太い必要はなく、セラミックヒータの機械的強度を低下させる傾向にあるため好ましくない。
【0013】
本発明のセラミックヒータは、図1に一例を示すように所定位置にリード線13a’及び13b’の一端側が接続されたU字形状の未焼成発熱抵抗体12’を、図2に示すように未焼成発熱抵抗体及びリード線の形状の凹部が形成された半割形状の未焼成絶縁性セラミック基体11a’及び11b’で、上記の未焼成発熱抵抗体12’及びリード線13a’及び13b’を挟み、未焼成セラミックヒータ組立体11’を形成し、次いで、これらを一体に焼成する。更に、得られた焼結体の表面を所定量研磨することで、リード線13a’及び13b’の他端側を絶縁性セラミック基体11の外表面から表出させる(図3参照)。これにより、軸線方向に延びる形態のセラミックヒータが形成される。このリード線が絶縁性セラミック基体の外表面に表出する場所はリード線の形状等により異なるが、絶縁性セラミック基体の側面であっても、絶縁性セラミック基体後端面(絶縁性セラミック基体において発熱抵抗体が配置される側を先端側とする)であってもよい。
【0014】
このリード線が絶縁性セラミック基体の外表面に表出する面積は、リード線1本あたり0.07〜0.60mm2(更に好ましくは0.20〜0.50mm2、特に好ましくは0.30〜0.40mm2)であることが好ましい。この面積が0.07mm2未満では、外部導通部材とロー付けを行う領域が少ないがために導電不良を生じる場合や、導通は十分であっても耐久性が不十分となる場合があり好ましくない。一方、0.60mm2を超えて大きいとセラミックヒータの機械的強度が低下する傾向にあり好ましくない。
【0015】
この面積が0.07mm2以上であると加速冷熱間サイクル耐久試験において200サイクル以上を課す場合においても、外部導通部材とのロー付け部の剥がれを生じない十分なロー付け強度を保持することができる。一方、この面積が0.60mm2以下であれば、セラミックヒータ表面上において絶縁性セラミック基体から表出するリード線の表出部の中央を荷重点とした3点曲げ強さ(スパン12mm、クロスヘッドスピード5mm毎分)において400MPa以上とすることができ優れた機械的強度を備えるセラミックヒータを得ることができる。
【0016】
尚、冷熱間サイクル耐久試験とは、セラミックヒータを管状炉に投入して、セラミックヒータ自体の温度を室温から400℃まで昇温させた、炉から取出し風冷して室温に戻すことを1サイクルとして、この1サイクルを複数回繰り返す試験である。この冷熱間サイクル耐久試験は、セラミックヒータをグロープラグとして用いる場合にエンジンに実装された時のロー付け部の最高温度は通常250〜300℃である。従って、この試験はセラミックヒータにとって加速耐久試験となる。
【0018】
上記「方向変換部」は、リード線において発熱抵抗体と接続される一端側から延びる中心線の方向が変化する部位を表す。この方向の変化は直線的であっても、曲線的であってもよい。この方向変換部が従来のように2ヶ所以上であると、リード線の加工にコストがかかり、また、製造工程中の絶縁性セラミック基体内への埋設位置の若干のズレによっても絶縁性セラミック基体外表面に表出する面積が大きくなり易く、セラミックヒータ自体の機械的強度が低下する傾向にあるため好ましくない。
【0019】
また、この方向変換部の曲げ角は15゜≦θ≦30゜とする。尚、この方向変換部の曲げ角θは、未焼成発熱抵抗体に一端側に接続したリード線を未焼成セラミック基体内に埋設し、これらを一体に焼成した後の曲げ角をいうものである。この焼成後の曲げ角が40゜を超える場合にあっては、焼成前のリード線における方向変換部を焼成収縮率を考慮して焼成後の曲げ角よりも大きく設定しなければならず、焼成後に図4に示すような座屈部分と称される強く曲がった部分を方向変換部近傍に生じる傾向にある。この座屈部分でも曲げ角が40゜を超えるリード線に生じるものはセラミックヒータの使用初期には問題ないが、使用時間が増えると共に次第に断線のおそれや、セラミックヒータ自体の機械的強度の低下を招くため好ましくない。
【0020】
なお、焼成前のリード線における曲げ角θ’が約20゜である場合は焼成後は約15゜となり、θ’が約30゜である場合はθは約20゜となり、θ’が約45゜である場合はθは約30゜となり、θ’が約55゜である場合はθは約40゜となる。
【0021】
尚、焼成前及び焼成後のリード線における方向変換部の曲げ角において、リード線の中心線の方向が変化する曲げ角とは、図5に示すようにリード線において発熱抵抗体中に接続され、一端側Fから延びる中心線及びその延長線をl1とし、リード線の中心線の方向が変化する点p1と中心線が絶縁性セラミック基体の外表面に表出する他端側Bにおける点p2とを結ぶ直線をl2とした場合に、l1とl2に挟まれる角のうち、リード線の他端側Bを絶縁性セラミック基体の外表面から表出させるために曲げた角度にあたるθをいうものとする。
【0022】
また、本発明に示すセラミックヒータにおいて、リード線の他端側でのリード線1本あたりの絶縁性セラミック基体の外表面に表出する面積は、0.07〜0.60mm2(より好ましくは0.20〜0.50mm2、更に好ましくは0.30〜0.40mm2)であることが好ましい。この面積が0.07mm2未満又は0.60mm2を超えると好ましくないことは前記と同様である。
【0023】
リード線の表出する場所は絶縁性セラミック基体の外表面であれば特に限定されないが、通常、絶縁性セラミック基体の発熱抵抗体が埋設される側を先端側とした場合に、発熱抵抗体の後端よりも後方側で表出される。即ち、全てのリード線を絶縁性セラミック基体の外側面から表出させることができる他、リード線のうちの少なくとも1本は絶縁性セラミック基体の外側面に表出させ、且つ少なくとも1本は絶縁性セラミック基体の後端面に表出させることができる。尚、ここでいう外側面とは、軸線方向に延びる形で形成される絶縁性セラミック基体において、その軸を中心とした周方向における絶縁性セラミック基体の外表面をいうものである。
【0024】
これらは何れの形態であってもよいが、全てのリード線の他端側を絶縁性セラミック基体の外側面から表出させたセラミックヒータをグロープラグに組み付ける場合は、図6及び7に示すように絶縁性セラミック基体11と主体金具22との間にリードコイル24を挿入するための隙間を設ける必要がある。このため、より細径なグロープラグを得ることを目的とする場合には適さない。これに対して、本発明のセラミックヒータでは、例えば図8及び図9に示すよう絶縁性セラミック基体11の後端面から端子金具まで直線的に接続リード23を接続できるため、絶縁性セラミック基体11と主体金具22との間に隙間をほとんど必要とせず細径なグロープラグを得ることができる。
尚、この絶縁性セラミック基体の後端面から表出するリード線は方向変換部を有さなくてもよく、また、曲げ角θが0゜<θ≦40゜である方向変換部を有してもよい。
【0025】
本発明のグロープラグは、前記セラミックヒータを備えることを特徴とする。これらのセラミックヒータを備えるグロープラグは、セラミックヒータ自身が優れた機械的強度に起因する高い耐久性を有し、且つセラミックヒータを構成するリード線と外部導通部材とのロー付け強度に優れるため、長期に渡って安定して使用することができる。また、リード線のうちの少なくとも1本は絶縁性セラミック基体の外側面に表出し、且つ少なくとも1本は絶縁性セラミック基体の後端面に表出するセラミックヒータを備えるグロープラグは特に細径にできることは前述の通りである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミックヒータ及びグロープラグを実施例により更に詳しく説明する。
(1)セラミックヒータの作製
86質量%の窒化珪素原料粉末に、焼結助剤として10質量%のEr23粉末及び4質量%のSiO2粉末を配合して絶縁成分用原料とした。この絶縁成分用原料40質量%と導電成分用原料であるWC粉末60質量%とを、72時間湿式混合した後、乾燥し、混合粉末を得た。その後、この混合粉末とバインダーとを混練機に投入し、4時間混練した。次いで、得られた混練物を裁断してペレット状とした。一方、射出成形金型の所定位置に断面が円形である表1及び表2に示す所定のタングステン製リード線を設置した後、射出成形機により上記ペレット状とした混練物を射出し、リード線の一端側が両端に接続されたU字状の未焼成発熱抵抗体を得た。尚、リード線には表1に示すL1〜L8を、表2に示す組み合わせで用いた。
【0027】
一方、84質量%の窒化珪素原料粉末に、焼結助剤として10質量%のEr23粉末、4質量%のSiO2粉末及び2質量%のMoSi2粉末を配合し、40時間湿式混合したものをスプレードライヤー法により造粒し、この造粒物を圧粉した未焼成発熱抵抗体及びリード線が収まる凹部を備える2個の半割型を用意した。その後、未焼成発熱抵抗体を2個の半割型の間の所定位置に載置し、プレス成形して埋入した後、これらを7MPaの圧力で一体に加圧し、未焼成セラミックヒータ組立体を得た。次いで、この未焼成セラミックヒータ組立体を600℃で脱脂した後、黒鉛製の加圧用ダイスにセットし、窒素雰囲気下、1800℃で1.5時間、ホットプレス焼成して直径3.5mmの円断面を有する粗製セラミックヒータを得た。その後、得られた粗製セラミックヒータの表面を所定量研磨し、各リード線の他端側を絶縁性セラミック基体の外表面から表出させて、軸線方向に延びる形態のセラミックヒータ(実験例1〜7、表2参照)を得た。
【0028】
【表1】
Figure 0003819705
尚、L8は2ヶ所の方向変換部を有し、このうち後方側の方向変換部からリード線後端までの距離は1mmのリード線である。
【0029】
【表2】
Figure 0003819705
【0030】
更に、粗製セラミックヒータ表面の上記研磨における研磨量、及びこの研磨により絶縁性セラミック基体の外側面から表出する面積(L5〜L8の表出面積)を表3に示した。
【0031】
【表3】
Figure 0003819705
【0032】
(2)セラミックヒータの評価
▲1▼3点曲げ強さ
実験例1〜4のセラミックヒータ表面上において絶縁性セラミック基体の外側面から表出するリード線(L5〜L8)の表出部の中央を荷重点として、JISR 1601に従い3点曲げ強さ(スパン12mm、クロスヘッドスピード5mm毎分)を測定した。この結果を表3に併記する。
【0033】
▲2▼焼成によるリード線の座屈の有無
3点曲げ強さを測定した後、リード線の方向変換部を含む形でセラミックヒータの軸線方向と平行な向きに実験例1〜4のセラミックヒータを切断し、その断面において各リード線(L5〜L8)の座屈の有無を調べた。その結果を表3に併記する。
【0034】
(3)グロープラグの製造
(1)及び(2)で得られた各セラミックヒータを保護外筒及び接続リードとロー付けし、その後、この保護外筒は主体金具とロー付けし、接続リードは中軸に溶接することによってグロープラグを得た。尚、このグロープラグは実験例1〜7の各セラミックヒータの各々について20本づつ製造した。
【0035】
得られたグロープラグは図10(断面図)に示す構成となる。即ち、グロープラグ2は、先端側に発熱抵抗体12が配置される形態でセラミックヒータ1を備え、セラミックヒータ1は金属製の保護外筒21に貫装され、同時にセラミックヒータの外側面から表出する一方のリード線(L5〜L8)はロー材により電気的にこの保護外筒に接続されている。この保護外筒21は主体金具22の先端側に更にロー付けにより固定されている。また、セラミックヒータ1の他方のリード線(L1〜L4)は接続リード23とロー付けにより電気的に接続され、更に、中軸25に接続され、更に、端子金具26に接続されている。尚、主体金具22の外周には、グロープラグをエンジンにねじ込むための取り付けねじ部27が螺刻され、更に、そのねじ込む際にインパクトレンチを宛うための六角状の工具係合部28が形成されている。
【0036】
(4)インパクトレンチによる耐クラック・折損性の評価
得られたグロープラグのうち実験例1〜4のセラミックヒータを用いたグロープラグをインパクトレンチ(ウリュウ社製、形式「u610」)を用い、エア圧0.5MPa、回転数約5000毎分回転に設定してエンジンに実際に取り付けた。その後、グロープラグを取り外して分解し、セラミックヒータに折損が生じているかを取り付け前後の抵抗値を比較すること、及び、クラックの有無を蛍光探傷法により観察した。その結果20本あたりにクラック及び折損を生じたセラミックヒータの数を表3に併記した。
【0037】
(5)ロー付け部の冷熱間サイクル耐久性
更に、得られたグロープラグのうち実験例1及び実験例5〜7のセラミックヒータを備えるグロープラグの保護金具及び接続リードとリード線の表出面積との相関をロー付け部の耐久性により評価した。
上記各グロープラグ各5本を管状炉(高温炉)に入れて室温から400℃まで60秒間で昇温させた後、ファンを用いて風冷して室温まで約5分間かけて降温させるサイクルを1サイクルとして200サイクル繰り返した。そして、10サイクルおきに各ロー付け部の抵抗値をミリオームハイテスタ(日置電機社製、型式「3227」)を用いて直流四端子法により測定した。この抵抗値が10mΩ以上変化している場合は抵抗値の変化を生じていると評価し表4に示した。また、各リード線が絶縁性セラミック基体から表出する面積を表4に併記した。抵抗値の変化が大きくなるとロー付け部の強度は低下する傾向にある。
【0038】
【表4】
Figure 0003819705
評価は、耐久サイクル数(5本平均)が200サイクルのものを○、150サイクル以上200サイクル未満のものを△、150サイクル未満のものを×とした。
【0039】
表3の結果より、リード線の方向変換部が1ヶ所であり、更に、絶縁性セラミック基体の外側面から表出するリード線の表出面積が小さいほど、即ち表出面積が0.60mm2以下であればセラミックヒータの3点曲げ強さは大きくなることがわかる。また、リード線の表出面積が本発明の範囲内であれば上記の3点曲げ強さにおいて400MPa以上の高い値が得られている。更に、表4の結果より、リード線の表出面積が0.07mm2以上あればロー付け部においても十分に高い耐久性(冷熱間サイクルに対する高いロー付け強度)を発揮できることが分かる。
【0040】
【発明の効果】
本発明のセラミックヒータによると、高い耐久性を備えるグロープラグを、低いコストで得ることができる。また、本発明のグロープラグによると、長期にわたり安定してエンジンの始動及びアイドリングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発熱抵抗体にリード線が配設された未焼成体の正面図である。
【図2】セラミックヒータの製造工程を説明する説明図である。
【図3】セラミックヒータの断面図である。
【図4】座屈を説明する説明図である。
【図5】曲げ角を説明する説明図である。
【図6】本発明のセラミックヒータを備える一例のグロープラグの先端断面図である。
【図7】本発明のセラミックヒータを備える他例のグロープラグの先端断面図である。
【図8】本発明のセラミックヒータを備えるその他の例のグロープラグの先端断面図である。
【図9】本発明のセラミックヒータを備える更にその他の例のグロープラグの先端断面図である。
【図10】本発明のグロープラグの一例の断面図である。
【符号の説明】
1;セラミックヒータ、11;絶縁性セラミック基体(11’;未焼成絶縁体)、12;発熱抵抗体(12’;未焼成発熱抵抗体)、13a、13b;リード線(13a’、13b’;未焼成時リード線)、2;グロープラグ、21;保護外筒、22;主体金具、23;接続リード、24;リードコイル、25;中軸、26;端子金具、27;取り付けねじ部、28;工具係合部。

Claims (3)

  1. 絶縁性セラミック基体と、
    通電により発熱する発熱抵抗体と共に該絶縁性セラミック基体内に埋設され、一端側が該発熱抵抗体を通電するために該発熱抵抗体に接続され、他端側の端面が該絶縁性セラミック基体の外表面に表出する一対のリード線とを備え、
    該リード線1本あたりの該絶縁性セラミック基体の外表面に表出する面積は0.07〜0.60mm であり、
    前記リード線のうちの一方は、該一端側から延び、方向変換されて該他端側に至る方向変換部を1ヶ所のみ有し、該方向変換部の曲げ角θは15゜≦θ≦30゜であるとともに、
    前記リード線のうちの他方は、該一端側から延び、方向変換されて該他端側に至る方向変換部を1ヶ所のみ有するか、方向変換部を有さない構成をなすことを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 上記絶縁性セラミック基体における上記発熱抵抗体が埋設される側を先端側とした場合に、上記リード線のうちの少なくとも1本は該絶縁性セラミック基体の外側面に表出し、且つ少なくとも1本は上記絶縁性セラミック基体の後端面に表出する請求項に記載のセラミックヒータ。
  3. 請求項1又は2に記載のセラミックヒータを備えることを特徴とするグロープラグ。
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