JP2014013649A - セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法 - Google Patents

セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014013649A
JP2014013649A JP2012149623A JP2012149623A JP2014013649A JP 2014013649 A JP2014013649 A JP 2014013649A JP 2012149623 A JP2012149623 A JP 2012149623A JP 2012149623 A JP2012149623 A JP 2012149623A JP 2014013649 A JP2014013649 A JP 2014013649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal terminal
ceramic heater
brazing material
coating film
terminal portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012149623A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5868276B2 (ja
Inventor
Tomohiro Kuwayama
友広 桑山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2012149623A priority Critical patent/JP5868276B2/ja
Publication of JP2014013649A publication Critical patent/JP2014013649A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5868276B2 publication Critical patent/JP5868276B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

【課題】ロウ材部および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるセラミックヒータ、セラミックヒータを備えるガスセンサ、セラミックヒータの製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックヒータ100においては、金属端子部130を覆うクロムメッキ膜126が、金属端子部130の全体にわたり均一の厚さ寸法となる形態ではなく、加締め部135での平均厚さ寸法が接合部133での平均厚さ寸法よりも小さくなる形態で形成されている。このため、金属端子部130の全体にわたり厚さ寸法が均一となるクロムメッキ膜に比べて、金属端子部130の加締め部135を変形させる際に、クロムメッキ膜126が破損し難くなる。よって、セラミックヒータ100によれば、ロウ材部124および金属端子部130の腐食・劣化を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒータ本体部と金属端子部とロウ材部とを備えるセラミックヒータ、セラミックヒータを備えるガスセンサ、およびセラミックヒータの製造方法に関する。
従来、内部に埋設された発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電気的に接続され、自身の外表面に設けられた電極パッドとを有するヒータ本体部と、電極パッドと外部機器とを繋ぐ通電経路となる長尺形状の金属端子部と、電極パッドと金属端子部とを電気的に接合するロウ材部と、を備えるセラミックヒータが知られている。
このようなセラミックヒータは、使用環境によってはロウ材を腐食・劣化させる成分を含んだ環境下で使用される場合があり、ロウ材の腐食・劣化に伴い金属端子部と電極パッドとが断線する虞がある。これに対して、ロウ材の腐食・劣化を抑制するためにロウ材を覆う被覆膜(メッキ層)を備えるものがある。
そして、被覆膜としては、Niを主成分としたものが知られているが、耐腐食性に優れたセラミックヒータを実現するために、被覆膜としてCrを主成分とする被覆膜を用いる技術が提案されている(特許文献1)。
他方、検出素子を加熱するためのヒータ部としてセラミックヒータを備えるガスセンサが知られている(特許文献1)。
特開2005−331502号公報
しかし、Crを主成分とする被覆膜は、柔軟性に乏しく硬質であり、耐腐食性を実現するために厚さ寸法を大きくすると、外力が印加された場合に、自身の形状変化が限界に達してしまい、亀裂が生じて剥がれ落ちる虞がある。
他方、ロウ材部のみならず金属端子部についても腐食・劣化が生じる環境下で使用されるセラミックヒータにおいては、ロウ材部に加えて金属端子部に対しても被覆膜を設ける必要がある。
しかし、金属端子部は、外部機器に繋がるリード線を加締め接続するための加締め部を備えている。
金属端子部のうち加締め部についてもCrを主体とする被覆膜を設けると、加締め部によりリード線を加締め接続する場合に、加締め部の形状変化に対して被覆膜が追従できずに亀裂などが生じてしまい、被覆膜が剥がれ落ちる虞がある。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、ロウ材および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるセラミックヒータを提供すること、そのようなセラミックヒータを備えるガスセンサを提供すること、そのようなセラミックヒータの製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本発明は、内部に埋設された発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電気的に接続され、自身の外表面に設けられた電極パッドとを有するヒータ本体部と、電極パッドと外部機器とを繋ぐ通電経路となる長尺形状の金属端子部と、電極パッドと金属端子部とを電気的に接合するロウ材部と、を備えるセラミックヒータであって、金属端子部およびロウ材部を覆うCrを主体とする被覆膜が備えられ、金属端子部は、長手方向の一端に設けられてロウ材部により電極パッドと接合される本体側端部と、長手方向の他端に設けられて外部機器に繋がるリード線を加締め接続する外部側端部と、を備えており、外部側端部での被覆膜の平均厚さ寸法は、本体側端部での被覆膜の平均厚さ寸法よりも小さいこと、を特徴とするセラミックヒータである。
このセラミックヒータにおいては、金属端子部を覆う被覆膜が、金属端子部の全体にわたり均一の厚さ寸法となる形態ではなく、外部側端部での平均厚さ寸法が本体側端部での平均厚さ寸法よりも小さくなる形態で形成されている。
このため、金属端子部の全体にわたり厚さ寸法が均一となる被覆膜に比べて、金属端子部の外部側端部がリード線を加締め接続する際に、被覆膜が破損し難くなる。
また、被覆膜は、本体側端部での平均厚さ寸法が外部側端部での平均厚さ寸法よりも大きいことから、ロウ材部や金属端子部の本体側端部での耐腐食性に優れ、ロウ材部や金属端子部の本体側端部の腐食・劣化を抑制できる。さらに、被覆膜は、Crを主体として形成されるため、Niを主体とする被覆膜に比べて耐腐食性に優れた材料で形成されている。
また、被覆膜がロウ材部のみならず金属端子部を覆うため、このセラミックヒータは、ロウ材部および金属端子部を腐食・劣化を抑制できる。
よって、本発明によれば、ロウ材部および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるセラミックヒータを実現できる。
なお、「Crを主体とする被覆膜」とは、被覆膜を構成する材料のうちCrが70重量%以上であることを意味しており、特に80質量%以上、更に90質量%、100質量%であってもよい。また、被覆膜の各部の平均厚さ寸法は、各部における複数箇所(例えば3箇所)の厚さ寸法の平均値である。
次に、本発明のセラミックヒータにおいては、金属端子部は、外部側端部と本体側端部との間に設けられ、自身の一部が屈曲する連結部を備えており、連結部での被覆膜の平均厚さ寸法は、本体側端部での被覆膜の平均厚さ寸法よりも小さい、という構成を採ることもできる。
このセラミックヒータにおいては、金属端子部を覆う被覆膜が、金属端子部の全体にわたり均一の厚さ寸法ではなく、連結部での平均厚さ寸法が本体側端部での平均厚さ寸法よりも小さい形態で形成されている。
このため、金属端子部の全体にわたり厚さ寸法が均一となる被覆膜に比べて、屈曲している部位を有する金属端子部の連結部においても、被覆膜が破損し難くなる。
よって、本発明によれば、金属端子部の連結部に設けた被覆膜の破損が生じ難くなるため、ロウ材部および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるセラミックヒータを実現できる。
次に、本発明のセラミックヒータにおいては、被覆膜の下地としてNiを主体とする下地膜を備える、という構成を採ることができる。
このように、Niを主体とする下地膜を備えることで、Crを主体とする被覆膜は金属端子部やロウ材部から剥がれ難くなる。
つまり、Niを主体とする下地膜は、Crを主体とする被覆膜との密着性に優れると共に、ロウ材部や金属端子部との密着性にも優れることから、Niを主体とする下地膜を備えることで、被覆膜を金属端子部(または、ロウ材部)に直接接触させる形態に比べて、被覆膜と金属端子部(またはロウ材部)との密着性が向上する。
よって、本発明によれば、Crを主体とする被覆膜が金属端子部やロウ材部から剥がれ難くなるため、ロウ材部および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるセラミックヒータを実現できる。
上記目的を達成するためになされた本発明は、軸線方向に延びる筒状に形成されると共に先端が閉塞され、被測定成分を検出する検出素子と、検出素子の筒孔内に配置され、検出素子を加熱するセラミックヒータと、を備えるガスセンサであって、セラミックヒータは、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセラミックヒータであること、を特徴とするガスセンサである。
このように、セラミックヒータとして、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセラミックヒータを備えることで、セラミックヒータは耐腐食性に優れたものとなる。
そして、Crを主体とする被覆膜を有するセラミックヒータを備えることで、ロウ材部および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるため、ガスセンサとしても耐腐食性に優れたものとなる。
よって、本発明によれば、セラミックヒータにおけるロウ材部および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるガスセンサを実現できる。
上記目的を達成するためになされた本発明方法は、内部に埋設された発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電気的に接続され、自身の外表面に設けられた電極パッドとを有するヒータ本体部と、電極パッドと外部機器とを繋ぐ通電経路となる長尺形状の金属端子部と、電極パッドと金属端子部とを電気的に接合するロウ材部と、を備えるセラミックヒータの製造方法であって、セラミックヒータは、金属端子部およびロウ材部を覆うCrを主体とする被覆膜を備えており、金属端子部は、長手方向の一端に設けられてロウ材部により電極パッドと接合される本体側端部と、長手方向の他端に設けられて外部機器に繋がるリード線を加締め接続する外部側端部と、を備えており、本体側端部と電極パッドとをロウ材を用いて接合し、ロウ材部を形成する接合工程と、接合工程の後、金属端子部の外部側端部に電解メッキ用導電部を接続して、金属端子部およびロウ材部をCrを主体とする電解メッキ液に浸して電解メッキ処理を行い被覆膜を形成する被覆膜形成工程と、を有することを特徴とするセラミックヒータの製造方法である。
このセラミックヒータの製造方法は、被覆膜形成工程において、電解メッキ用導電部を接続する部位を金属端子部の外部側端部に定めることに特徴がある。
なお、電解メッキ法によりCrを主体とする被覆膜を形成する場合、被覆対象物のうち電解メッキ用導電部に近い領域よりも電解メッキ用導電部から遠い領域の方が、被覆膜の平均厚さ寸法が大きくなることが、本願発明者により確認された。
このため、本製造方法のように、電解メッキ用導電部を接続する部位を金属端子部の外部側端部に設定することで、金属端子部のうち外部側端部における被覆膜の平均厚さ寸法を本体側端部における被覆膜の平均厚さ寸法に比べて小さくすることができる。
よって、本発明方法によれば、金属端子部のうち外部側端部における被覆膜の平均厚さ寸法が本体側端部における被覆膜の平均厚さ寸法に比べて小さい形態のセラミックヒータを製造できる。つまり、本発明方法によれば、被覆膜が破損しがたく、ロウ材部および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるセラミックヒータを製造できる。
次に、本発明方法(セラミックヒータの製造方法)においては、接合工程と被覆膜形成工程との間に、金属端子部およびロウ材部を覆うNiを主体とする下地膜を形成する下地膜形成工程を行うこともできる。
このように、接合工程と被覆膜形成工程との間に下地膜形成工程を行うことで、被覆膜形成工程でCrを主体とする被覆膜を形成するにあたり、金属端子部やロウ材部から剥がれ難い被覆膜を形成できる。
つまり、Niを主体とする下地膜は、Crを主体とする被覆膜との密着性に優れると共に、ロウ材部や金属端子部との密着性にも優れることから、被覆膜形成工程の前段階で下地膜形成工程を行いNiを主体とする下地膜を形成することで、被覆膜を金属端子部(または、ロウ材部)に直接接触させる形態に比べて、被覆膜と金属端子部(またはロウ材部)との密着性が向上する。
よって、本発明方法によれば、金属端子部やロウ材部から剥がれ難い被覆膜を形成できることから、ロウ材部および金属端子部の腐食・劣化を抑制できるセラミックヒータを製造できる。
セラミックヒータの外観を表した斜視図である。 セラミックヒータの内部構成を表した分解斜視図である。 図1に示すセラミックヒータのうち、一点鎖線A−A’にて矢視方向からみた電極部の周囲部分における部分断面図である。 セラミックヒータの製造方法で実行する各工程の順序を表すフローチャートである。 電解メッキ処理時の接続状態を表した説明図である。 クロムメッキ膜が形成されたセラミックヒータのうち、金属端子部およびセラミック基体の後端側を拡大した部分拡大図である。 第2実施形態に係るガスセンサの全体構成を説明する断面視図である。 ガス検出素子の構成を示す説明図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
本発明を適用したセラミックヒータおよびセラミックヒータ製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態のセラミックヒータは、センサ素子を活性化温度まで加熱する用途などに用いることができる。また、加熱対象のセンサ素子としては、自動車や各種内燃機関における各種制御(例えば、空燃比フィードバック制御など)に使用するために、測定対象ガス(排ガス)中の特定ガス(酸素)を検出するガスセンサ素子などが挙げられる。
まず、図1,図2を参照して、セラミックヒータ100の構造について説明する。
図1は、セラミックヒータ100の外観を表した斜視図である。図2は、セラミックヒータ100の内部構成を表した分解斜視図である。
なお、本実施形態のセラミックヒータ100においては、長手方向の両端部のうち、発熱部分を備える側(後述する発熱部142が形成される側)を「先端側」とし、これと反対側の端部を「後端側」として説明する。
セラミックヒータ100は、発熱抵抗体141を有する丸棒状(略円柱形状)のセラミック基体102と、セラミック基体102の外表面に設けられるとともに発熱抵抗体141と電気的に接続する電極パッド121と、融点が900℃以上である導電性のロウ材により電極パッド121に接合される金属端子部130と、を備えている。
セラミックヒータ100は、セラミック基体102の後端側に設けられた電極パッド121を介して外部装置(電源装置)から発熱抵抗体141に対して通電されることで、発熱抵抗体141が発熱する構成である。なお、発熱抵抗体141のうち発熱部142(図2参照)は、セラミック基体102の先端側に配置されている。つまり、セラミックヒータ100は、セラミック基体102のうち先端側が発熱することで、センサ素子を加熱するよう構成されている。
図2に示すように、セラミックヒータ100は、丸棒状のアルミナセラミック製の碍管101の外周に絶縁性の高いアルミナセラミック製のグリーンシート140,146が巻き付けられ、これが焼成されることによって製造される。
グリーンシート140の上には、ヒートパターンとしてのタングステン系の材料を主体とする発熱抵抗体141が形成されている。発熱抵抗体141は、先端側に形成される発熱部142と、発熱部142の両端のそれぞれに接続される一対のリード部143と、を備えて構成される。
また、グリーンシート140の後端側には、2個のスルーホール144が設けられている。一対のリード部143は、2個のスルーホール144を介して、セラミックヒータ100の外表面上に形成される2つの電極パッド121と電気的に接続される。
また、グリーンシート146は、グリーンシート140のうち発熱抵抗体141が形成される側の面に圧着されるシートである。
グリーンシート146のうちグリーンシート140に接する圧着面とは反対側の表面にアルミナペーストが塗布され、この塗布面を内側にしてグリーンシート140,146が碍管101に巻き付けられて外周から内向きに押圧されることにより、セラミックヒータ成形体が形成される。その後、セラミックヒータ成形体が焼成されることにより、セラミックヒータ100として形成される。
次に、図1および図2に示すように、セラミックヒータ100には、陽極側および陰極側となる2つの電極パッド121が形成されている。この電極パッド121は、上記した2つのスルーホール144(図2参照)に対応するグリーンシート140の外面の位置に2ヶ所、それぞれ設けられている。発熱抵抗体141のリード部143との導通は、スルーホール144の内部に充填される導電性ペーストを介して行われる。なお、電極パッド121の表面には、後述するメッキによる金属層(図3に示すパッド用メッキ膜122)が形成される。
金属端子部130は、長尺形状のニッケル部材からなり、ロウ材により電極パッド121と接合される接合部133と、平板状に切り出された加締め部135と、接合部133と加締め部135とをつなぐ連結部134と、を備えて構成される。
連結部134の先端部分は、厚み方向に段状に屈曲しており、接合部133に繋がるよう形成されている。また、金属端子部130は、連結部134のうち加締め部135との連結領域が、連結部134の長手方向の中心軸を回転中心として回転するようにねじ曲げられている。
そして、金属端子部130は、図示しない外部回路接続用のリード線などが加締め部135にカシメ固定されることで、リード線などを介して外部回路(外部電源装置)との導通が図られる。
このように構成される2つの金属端子部130は、2つの電極パッド121のそれぞれに接合されて、セラミックヒータ100に電圧を印加する際の陽極側端子および陰極側端子として機能する。
図3は、図1に示すセラミックヒータ100のうち、一点鎖線A−A’にて矢視方向からみた周囲部分における部分断面図である。なお、図3において、金属端子部130からセラミックヒータ100の中心軸に向かう方向(図中紙面下方向)を下方向として、また、中心軸より離れる方向(図中紙面上方向)を上方向として説明する。
図3に示すように、電極パッド121は、碍管101の外周に巻かれたグリーンシート140の外面(図3における上側の面)に形成され、スルーホール144を介してグリーンシート140の内面(図3における下側の面)に形成されている発熱抵抗体141のリード部143と導通されている。
この電極パッド121は、タングステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種類以上の元素からなる主体材料を80重量%以上含むパッド状の金属層である。タングステンやモリブデンは、銅系のロウ材部124との接合性がよく、また、融点が高く耐熱性に優れているので、電極パッド121の組成として好適である。
金属端子部130は、ニッケルを90重量%以上含むニッケル部材からなる。金属端子部130は、図3に示したように、ロウ材部124によって、パッド用メッキ膜122に覆われた電極パッド121に接合されている。そして、ロウ材部124により互いに接合された金属端子部130および電極パッド121の上に、さらに、ニッケル(Ni)を主体とするニッケルメッキ膜125と、クロム(Cr)を主体とするクロムメッキ膜126と、が形成されている。なお、ニッケルメッキ膜125の上側にクロムメッキ膜126が形成されており、ニッケルメッキ膜125およびクロムメッキ膜126を備えることで、ロウ材部124及び金属端子部130の酸化による腐食が防止される。
そして、電極パッド121と金属端子部130とを接合するロウ材部124は、50重量%を上回る量の銅が含有されている。なお、本実施形態では、銅100重量%のロウ材部124を用いて、電極パッド121と金属端子部130とをロウ付けしている。
なお、ロウ付け時には、電極パッド121の上に設けたパッド用メッキ膜122のニッケル成分が、ロウ材部124へ拡散することになる。
つまり、本実施形態のセラミックヒータ100においては、図3に示すように、ロウ付け前におけるパッド用メッキ膜122は、ロウ材部124との境界部分が一点鎖線123で示す輪郭形状を示す。そして、ロウ付け後においては、パッド用メッキ膜122の一部がロウ材部124へ拡散して溶け込んだ形態となり、パッド用メッキ膜122およびロウ材部124は、一体化した状態で形成される。
[1−2.製造方法]
次に、本実施形態のセラミックヒータの製造方法について説明する。
図4は、セラミックヒータ100の製造方法で実行する各工程の順序を表すフローチャートである。
S110(Sはステップを表す)のセラミック基体形成工程では、まず、グリーンシート140に対して、発熱抵抗体141および電極パッド121となる金属抵抗体インク(メタライズインク)を所定のパターン形状に塗布(印刷)し、且つ、スルーホール144の内部にメタライズインク(または、導電性ペースト)を充填する処理を実行する。次に、グリーンシート140にグリーンシート146を圧着し、グリーンシート140およびグリーンシート146を碍管101に巻き付けて、セラミックヒータ成形体を形成する処理を実行する。続いて、このセラミックヒータ成形体を焼成することで、グリーンシート140,146および碍管101が一体となったセラミック基体102を形成する処理を実行する。
ここまでの処理がセラミック基体形成工程であり、発熱抵抗体141を有するセラミック基体102を製造しつつ、セラミック基体102に対して金属抵抗体インク(メタライズインク)を塗布して電極パッド121を形成する処理である。
続いて、S120の電極パッドメッキ形成工程では、電極パッド121を覆うパッド用メッキ膜122を形成する電極パッドメッキ形成処理を実施する。
次に、S130の接合工程では、パッド用メッキ膜122の上に、ロウ材および金属端子部130を互いに接触するように配置する。そして、この状態で900℃以上に加熱してロウ材を溶融させることで、金属端子部130と電極パッド121とをロウ付けにより接合しロウ材部124を形成する処理を実行する。
この接合工程では、ロウ材部124とパッド用メッキ膜122のうち一点鎖線123で囲んだ領域とが固溶化して、パッド用メッキ膜122のうち一点鎖線123で囲んだ領域がロウ材部124の中に溶け込む現象が生じる。
そして、S140のニッケルメッキ形成工程では、ロウ材部124および金属端子部130の接合部133を覆うように、無電解メッキ法によりニッケルメッキ処理を施して、ニッケルメッキ膜125を形成する処理を実行する。
このあと、S150のクロムメッキ形成工程では、電解メッキ法によりクロムメッキ処理を施して、Crを主体とするクロムメッキ膜126を形成する処理を実行する。
ここで、電解メッキ法を用いたクロムメッキ形成工程について説明する。なお、図5に、電解メッキ処理時の接続状態を表した説明図を示す。
クロムメッキ形成工程では、まず、ニッケルメッキ形成工程が完了した後のセラミックヒータ100(セラミック基体102および金属端子部130)のうち、金属端子部130の加締め部135に対して電解メッキ用導電部としての陰極205を接続する。
次に、セラミックヒータ100(セラミック基体102および金属端子部130)の全体をCrメッキ液207に浸漬した状態で、電源201からニッケルメッキ膜125(ロウ材部124および金属端子部130を覆うニッケルメッキ膜125)に対して通電を行い、電解メッキ処理を行う。
なお、電源201からの通電経路は、陽極203,Crメッキ液207,ニッケルメッキ膜125(ロウ材部124および金属端子部130の接合部133を覆うニッケルメッキ膜125),陰極205という経路であり、このような経路で通電を行うことで、ロウ材部124、接合部133を覆うニッケルメッキ膜125および金属端子部130に対して電解メッキ処理を行う。
これにより、ロウ材部124および金属端子部130を覆うニッケルメッキ膜125に、クロムメッキ膜126が形成される。
クロムメッキ膜126が形成されたセラミックヒータ100のうち、セラミック基体102の後端側および金属端子部130を拡大した部分拡大図を、図6に示す。
このとき形成されるクロムメッキ膜126は、陰極205(電解メッキ用導電部)に近い領域の平均厚さ寸法が、陰極205から遠い領域の平均厚さ寸法に比べて小さくなる。
本実施形態のクロムメッキ膜126の平均厚さ寸法に関しては、金属端子部130の加締め部135での平均厚さ寸法が0.3[μm]であり、連結部134での平均厚さ寸法が0.5[μm]であり、接合部133での平均厚さ寸法が0.7[μm]である。
つまり、クロムメッキ膜126は、金属端子部130の加締め部135での平均厚さ寸法が接合部133での平均厚さ寸法よりも小さい形態で形成される。また、クロムメッキ膜126は、連結部134での平均厚さ寸法が接合部133での平均厚さ寸法よりも小さい形態で形成される。
以上のような各工程を含む製造方法を実行することにより、クロムメッキ膜126を備えるセラミックヒータ100を製造することができる。
[1−3.効果]
以上説明したように、本実施形態のセラミックヒータ100においては、金属端子部130を覆うクロムメッキ膜126が、金属端子部130の全体にわたり均一の厚さ寸法となる形態ではなく、加締め部135での平均厚さ寸法(0.3[μm])が接合部133での平均厚さ寸法(0.7[μm])よりも小さくなる形態で形成されている。
このため、金属端子部130の全体にわたり厚さ寸法が均一となるクロムメッキ膜に比べて、金属端子部130の加締め部135がリード線を加締め接続する際に、クロムメッキ膜126が破損し難くなる。
また、クロムメッキ膜126は、接合部133での平均厚さ寸法が加締め部135での平均厚さ寸法よりも大きいことから、ロウ材部124や金属端子部130の接合部133での耐腐食性に優れ、ロウ材部124や金属端子部130の接合部133の腐食・劣化を抑制できる。さらに、クロムメッキ膜126は、Crを主体として形成されるため、Niを主体とする被覆膜に比べて耐腐食性に優れた材料で形成されている。
また、クロムメッキ膜126がロウ材部124のみならず金属端子部130を覆うため、このセラミックヒータ100は、ロウ材部124および金属端子部130を腐食・劣化を抑制できる。
よって、本実施形態のセラミックヒータ100によれば、ロウ材部124および金属端子部130の腐食・劣化を抑制できる。
また、セラミックヒータ100においては、金属端子部130を覆うクロムメッキ膜126が、金属端子部130の全体にわたり均一の厚さ寸法ではなく、連結部134での平均厚さ寸法(0.5[μm])が接合部133での平均厚さ寸法(0.7[μm])よりも小さい形態で形成されている。
このため、金属端子部130の全体にわたり厚さ寸法が均一となるクロムメッキ膜126に比べて、屈曲している部位を有する金属端子部130の連結部134においても、クロムメッキ膜126が破損し難くなる。
よって、本実施形態のセラミックヒータ100によれば、例えば、加締め部135と接合部133との間に設けられ、自身の一部が屈曲する連結部134であっても、クロムメッキ膜126の破損が生じ難くなるため、ロウ材部124および金属端子部130の腐食・劣化を抑制できる。
また、本実施形態のセラミックヒータ100は、下地膜としてニッケルメッキ膜125を備えることで、Crを主体とするクロムメッキ膜126は金属端子部130やロウ材部124から剥がれ難くなる。
つまり、ニッケルメッキ膜125は、クロムメッキ膜126との密着性に優れると共に、ロウ材部124や金属端子部130との密着性にも優れる。このことから、下地膜としてニッケルメッキ膜125を備えることで、クロムメッキ膜126を金属端子部130(または、ロウ材部124)に直接接触させる形態に比べて、クロムメッキ膜126と金属端子部130(またはロウ材部124)との密着性が向上する。
よって、本実施形態のセラミックヒータ100によれば、ニッケルメッキ膜125が金属端子部130やロウ材部124から剥がれ難くなるため、ロウ材部124および金属端子部130の腐食・劣化を抑制できる。
また、本実施形態におけるセラミックヒータ100の製造方法では、クロムメッキ形成工程において、電解メッキ用導電部としての陰極205を接続する部位を金属端子部130の加締め部135に設定している。
なお、電解メッキ法によりクロムメッキ膜126を形成する場合、被覆対象物(金属端子部130,ロウ材部124)のうち陰極205に近い領域よりも陰極205から遠い領域の方が、クロムメッキ膜126の平均厚さ寸法が大きくなることが、本願発明者により確認された。
このため、本実施形態の製造方法のように、陰極205を接続する部位を金属端子部130のうち加締め部135に設定することで、金属端子部130のうち加締め部135におけるクロムメッキ膜126の平均厚さ寸法を接合部133におけるクロムメッキ膜126の平均厚さ寸法に比べて小さくすることができる。
よって、本実施形態の製造方法によれば、金属端子部130のうち加締め部135におけるクロムメッキ膜126の平均厚さ寸法が接合部133におけるクロムメッキ膜126の平均厚さ寸法に比べて小さい形態のセラミックヒータを製造できる。つまり、本実施形態の製造方法によれば、ロウ材部124および金属端子部130の腐食・劣化を抑制できるセラミックヒータ100を製造できる。
なお、クロムメッキ膜126は、その平均厚さ寸法が0.5[μm]以下であれば、加締めなどにより変形した場合でも、亀裂などによる破損が生じることはない。また、クロムメッキ膜126は、その平均厚さ寸法が0.7[μm]以上であれば、ロウ材や金属端子部の腐食・劣化を抑制できる。
また、クロムメッキ膜126は、金属端子部130の全体を覆うように形成されており、金属端子部130の一部を覆う形態のクロムメッキ膜126に比べて、剥離が生じがたくなる。つまり、金属端子部130の一部を覆う形態のクロムメッキ膜126のようにメッキ膜の端部が存在する形態は、その端部からメッキ膜の剥離が生じる可能性があるが、金属端子部130の全体を覆う形態のクロムメッキ膜126は、メッキ膜の端部が無いため、メッキ膜の端部からの剥離が生じず、メッキ膜の剥離が生じがたくなる。
[1−4.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
電極パッド121を有するセラミック基体102がヒータ本体部の一例に相当し、金属端子部130が金属端子部の一例に相当し、クロムメッキ膜126が被覆膜の一例に相当し、ニッケルメッキ膜125が下地膜の一例に相当する。
接合部133が本体側端部の一例に相当し、加締め部135が外部側端部の一例に相当し、連結部134が連結部の一例に相当する。
S130の接合工程が接合工程の一例に相当し、S150のクロムメッキ形成工程が被覆膜形成工程の一例に相当し、S140のニッケルメッキ形成工程が下地膜形成工程の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
第2実施形態として、セラミックヒータ100を備えて構成されるガスセンサ1について説明する。
なお、以下の説明では、第2実施形態の構成のうち第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
図7は、第2実施形態に係るガスセンサ1の全体構成を説明する断面視図である。
本発明を適用したガスセンサ1は、乗用車等の車両に搭載された内燃機関の排気流路に締結され、排気流路の内部に自身の先端部分が配置されるガスセンサであり、排気ガス中の酸素濃度を計測する酸素センサである。
なお、以下の説明では、図7に示す軸線Oに沿う方向のうち、主体金具60に対してプロテクタ80の取り付けられる側(図の下側)を先端側とし、この逆側(図の上側)を後端側として説明する。
ガスセンサ1は、後述するガス検出素子10を加熱するためのセラミックヒータ100を備えたセンサであり、セラミックヒータ100の熱によってガス検出素子10を加熱して活性化し、排気ガス中の酸素濃度を計測するものである。このセラミックヒータ100は、第1実施形態のセラミックヒータ100と同様の構成である。
ガスセンサ1には、図7に示すように、ガス検出素子10(検出素子10)と、セラミックヒータ100と、セパレータ30と、シール部材40(弾性部材40)と、複数の端子金具50と、リード線55(リード部材55)と、それらの周囲を覆う主体金具60と、プロテクタ80と、外筒90(外筒部材90)等が、主に備えられている。
図8は、図7のガス検出素子10の構成を示す説明図である。
ガス検出素子10は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質から形成されたものである。ガス検出素子10は、軸線O方向に延びる円筒状に形成され、先端側の端部(図8の下側の端部)が閉塞された素子本体11と、素子本体11の外周面に設けられた外側電極16と、素子本体11の内周面に設けられた内側電極19と、を主に備えて構成されている。素子本体11の中央部の外周には、径方向外向きに突出する鍔部14が周方向にわたって設けられている。
素子本体11を構成する固体電解質としては、例えば、Y23又はCaOを固溶させたZrO2が代表的なものである。この固体電解質以外にも、アルカリ土類金属または希土類金属の酸化物とZrO2との固溶体である固体電解質を使用しても良い。また、アルカリ土類金属または希土類金属の酸化物とZrO2との固溶体に、さらにHfO2が含有された固体電解質を使用しても良い。
素子本体11の外周面には、外側電極16と、縦リード部17と、接触リード部18(外側リード電極18)とが形成されている。外側電極16は、ガス検出素子10の先端側に、PtあるいはPt合金(以下、「Pt等」と表記する。)を多孔質に形成した電極である。縦リード部17は、外側電極16から軸線方向に延びる導電部であり、Pt等から形成されたものである。接触リード部18は、縦リード部17の後端側の端部に設けられた縦リード部17と導電可能に接続される導電部であり、Pt等から形成されたものである。本実施形態では、接触リード部18は、素子本体11の外周面における周方向の一部分を覆う矩形状に形成され、後述する第2センサ端子金具52と電気的に接触する部分である。なお、接触リード部18の形状は矩形状であってもよいし、その他の多角形状であってもよいし、円形状や楕円形状であってもよく、特に限定するものではない。素子本体11の内周面には、Pt等を多孔質に形成した内側電極19が形成されている。
複数の端子金具50には、第1センサ端子金具51、第2センサ端子金具52(外側端子部材52)が含まれる。複数の端子金具50は、ニッケル合金(例えばインコネル750。英インコネル社製、登録商標)から形成された金具である。
第1センサ端子金具51は、ガス検出素子10の内側電極19と電気的に接触し、第2センサ端子金具52と共に、ガス検出素子10の検出信号を外部に出力するものである。また、第1センサ端子金具51は、セラミックヒータ100を把持するとともに、セラミックヒータ100の先端側を、ガス検出素子10の内面に押し付けるものである。その一方で、第2センサ端子金具52は、素子本体11の外側電極16と電気的に接続されるものである。
複数の端子金具50には、それぞれ、リード線55の芯線が加締め接続されて電気的に接続されている。図7では、4本のリード線55のうち3本のリード線55が図示されている。
セパレータ30は、図7に示すように、ガス検出素子10とシール部材40との間に配置される部材であり、電気絶縁性を有する材料、例えばアルミナから形成された円筒形状の部材である。セパレータ30には、複数の端子金具50などを収納する収容部31が設けられている。収容部31は、セパレータ30を軸線O方向に貫通して形成された貫通孔であり、セパレータ30よりも先端側の空間と、後端側の空間との間で大気の流通を可能とするものである。
さらに、セパレータ30の外周面には、径方向外側に突出するフランジ部32が設けられている。セパレータ30におけるフランジ部32よりも先端側の外周面には、略円筒状に形成された保持金具33が配置されている。このとき、セパレータ30は、保持金具33の内部に挿入されるように配置されている。
シール部材40は、例えばフッ素ゴムなどの弾性材料からなる栓部材であり、ガスセンサ1の後端に配置される部材である。シール部材40は、軸線O方向を高さ方向とする略円柱状に形成された、外筒90の後端を塞ぐ部材である。シール部材40は、セパレータ30の後端側の面に当接するように外筒90の後端側の開口に嵌め込まれている。
主体金具60は、図7に示すように、ステンレス合金(例えば、JIS規格のSUS310S)から形成された部材であり、概ね円筒状に形成された部材である。主体金具60には、ガス検出素子10の鍔部14を支持する段部61が、内周面から径方向内側に向かって、周方向にわたって突出して設けられている。
主体金具60の先端側の外周面には、ガスセンサ1を内燃機関の排気流路(図示せず。)に取付けるネジ部62と、ネジ部62を排気流路にネジ込むための取付工具を係合させる六角部63と、が周方向にわたって設けられている。ネジ部62と六角部63との間には、環状のガスケット64が配置されている。ガスケット64は、ガスセンサ1と排気流路との間の隙間からのガス抜けを防止するものである。
主体金具60におけるネジ部62よりも先端側には、後述するプロテクタ80が係合される先端係合部65が形成されている。先端係合部65は、ネジ部62よりも外周面の径が小さく形成された部分である。また、主体金具60における六角部63よりも後端側には、六角部63から後端側に向かって順に、外筒90と係合される後端係合部66と、ガス検出素子10を加締め固定する加締固定部67と、が形成されている。
主体金具60の内部には、段部61から後端側に向かって順に、金属製の先端側パッキン71、アルミナからなる筒状の支持部材72、金属製の後端側パッキン73、滑石の粉末からなる充填部材74、アルミナ製のスリーブ75、および、環状のリング76が配置されている。支持部材72の内周面には段部が形成されており、当該段部により素子本体11の鍔部14が支持されている。なお、支持部材72と鍔部14との間に後端側パッキン73が挟まれて配置されている。
リング76は、スリーブ75と加締固定部67との間に配置されるものであり、加締固定部67が、径方向内側かつ先端側に変形されることにより加わる先端方向への力を、充填部材74、後端側パッキン73、支持部材72、先端側パッキン71に伝えるものである。この押し付ける力により、充填部材74は軸線O方向に圧縮充填され、かつ、主体金具60の内周面および素子本体11の外周面との隙間を気密に埋める。
プロテクタ80は、ガスセンサ1が排気流路に取り付けられた際に、流路内に突出するガス検出素子10を、流路内を流れるガス中に含まれる水滴や異物等の衝突から保護するものである。プロテクタ80は、ステンレス鋼(例えば、JIS規格のSUS310S)から形成された部材であり、ガス検出素子10の先端を覆う保護部材である。プロテクタ80は、軸線方向に延びる筒状の部材であって、先端が閉塞された形状に形成されている。プロテクタ80の後端縁は、主体金具60の先端係合部65に溶接によって固定されている。
プロテクタ80には、有底筒状に形成され開放された側の周縁部が先端係合部65に嵌め合わされる外側プロテクタ81と、外側プロテクタ81の内部に固定された有底筒状に形成された内側プロテクタ82と、が設けられている。言い換えると、プロテクタ80は、外側プロテクタ81および内側プロテクタ82からなる2重構造を有している。
外側プロテクタ81および内側プロテクタ82の円筒面には、内部にガスを導入する導入口83が設けられている。図7では、外側プロテクタ81の導入口83のみが図示されており、内側プロテクタ82の導入口83は配置の関係上、図示されていない。さらに、外側プロテクタ81および内側プロテクタ82の底面には、内部に入り込んだ水滴や、ガスを排出する外側排出口84、内側排出口85がそれぞれ設けられている。
外筒90は、主体金具60とは異なるステンレス鋼(例えば、JIS規格のSUS304L)から形成された部材であり、外筒90の内部に主体金具60の後端係合部66が差し込まれて、主体金具60に固定されるものである。外筒90の内部には、主体金具60の後端から突出したガス検出素子10の後端や、セパレータ30や、シール部材40が配置されている。
以上説明したように、第2実施形態のガスセンサ1は、ガス検出素子10を加熱するためのヒータとして第1実施形態のセラミックヒータ100を備えている。
前述したように、セラミックヒータ100は、加締め部135と接合部133とで平均厚さ寸法が異なるクロムメッキ膜126を備えており、ロウ材部124や金属端子部130の腐食・劣化を抑制でき、耐腐食性に優れたものである。
このようなセラミックヒータ100を備えることで、ロウ材部124および金属端子部130の腐食・劣化を抑制できるため、ガスセンサ1としても耐腐食性に優れたものとなる。
よって、第2実施形態のガスセンサ1によれば、セラミックヒータ100におけるロウ材部124および金属端子部130の腐食・劣化を抑制できるガスセンサを実現できる。
また、クロムメッキ膜126を有するセラミックヒータ100を備えることで、ロウ材のマイグレーションを抑制できるため、ロウ材の一部が溶け出してガス検出素子10に到達する不具合の発生を抑制できる。つまり、セラミックヒータ100の金属端子部130とガス検出素子10(詳細には、内側電極19)とが電気的に接続されるという不具合の発生を抑制できる。
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。ガス検出素子10が検出素子の一例に相当する。
[3.その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上述したS140のニッケルメッキ形成工程では、無電解メッキ法によりニッケルメッキ膜125を形成する実施形態について説明したが、電解メッキ法によりニッケルメッキ膜125を形成しても良い。
また、ロウ材および金属端子部の材質がクロムメッキ膜との密着力が十分となる材質である場合には、下地膜としてのニッケルメッキ膜125を設けることなく、ロウ材および金属端子部に対してクロムメッキ膜126を形成しても良い。
さらに、クロムメッキ膜126の平均厚さ寸法は、上述した数値に限られることはなく、例えば、金属端子部130の加締め部135での平均厚さ寸法や連結部134での平均厚さ寸法は、0.5[μm]以下であるとよい。このような平均厚さ寸法であれば、柔軟性に優れたクロムメッキ膜126となるため、加締め部135を覆うクロムメッキ膜126が加締め作業時に破損することや、連結部134を覆うクロムメッキ膜126が屈曲している部位を有する連結部134に設けられていても破損することなどを抑制できる。
より好ましくは、クロムメッキ膜126の平均厚さ寸法は、0.2[μm]以下であってもよく、このような数値範囲の平均厚さ寸法となるクロムメッキ膜126は、形状の変形に対する柔軟性がさらに向上する。
さらに、クロムメッキ膜126の平均厚さ寸法は、接合部133での平均厚さ寸法が0.7[μm]以上であるとよい。クロムメッキ膜126の平均厚さ寸法が0.7[μm]以上であれば、ロウ材部や金属端子部の腐食・劣化を抑制できる。より好ましくは、クロムメッキ膜126の平均厚さ寸法が1.0[μm]以上であってもよく、このような数値範囲の厚さ寸法のクロムメッキ膜126は、耐腐食性をより一層向上できる。
1…ガスセンサ、10…ガス検出素子、55…リード線(リード部材)、100…セラミックヒータ、102…セラミック基体、121…電極パッド、124…ロウ材部、125…ニッケルメッキ膜、126…クロムメッキ膜、130…金属端子部、133…接合部、134…連結部、135…加締め部、201…電源、203…陽極、205…陰極。

Claims (6)

  1. 内部に埋設された発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電気的に接続され、自身の外表面に設けられた電極パッドとを有するヒータ本体部と、
    前記電極パッドと外部機器とを繋ぐ通電経路となる長尺形状の金属端子部と、
    前記電極パッドと前記金属端子部とを電気的に接合するロウ材部と、
    を備えるセラミックヒータであって、
    前記金属端子部および前記ロウ材部を覆うCrを主体とする被覆膜が備えられ、
    前記金属端子部は、長手方向の一端に設けられて前記ロウ材部により前記電極パッドと接合される本体側端部と、長手方向の他端に設けられて前記外部機器に繋がるリード線を加締め接続する外部側端部と、を備えており、
    前記外部側端部での前記被覆膜の平均厚さ寸法は、前記本体側端部での前記被覆膜の平均厚さ寸法よりも小さいこと、
    を特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記金属端子部は、前記外部側端部と前記本体側端部との間に設けられ、自身の一部が屈曲する連結部を備えており、
    前記連結部での前記被覆膜の平均厚さ寸法は、前記本体側端部での前記被覆膜の平均厚さ寸法よりも小さいこと、
    を特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記被覆膜の下地としてNiを主体とする下地膜を備えること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミックヒータ。
  4. 軸線方向に延びる筒状に形成されると共に先端が閉塞され、被測定成分を検出する検出素子と、
    前記検出素子の筒孔内に配置され、前記検出素子を加熱するセラミックヒータと、
    を備えるガスセンサであって、
    前記セラミックヒータは、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセラミックヒータであること、
    を特徴とするガスセンサ。
  5. 内部に埋設された発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電気的に接続され、自身の外表面に設けられた電極パッドとを有するヒータ本体部と、
    前記電極パッドと外部機器とを繋ぐ通電経路となる長尺形状の金属端子部と、
    前記電極パッドと前記金属端子部とを電気的に接合するロウ材部と、
    を備えるセラミックヒータの製造方法であって、
    前記セラミックヒータは、前記金属端子部および前記ロウ材部を覆うCrを主体とする被覆膜を備えており、
    前記金属端子部は、長手方向の一端に設けられて前記ロウ材部により前記電極パッドと接合される本体側端部と、長手方向の他端に設けられて前記外部機器と接続するリード線を加締める外部側端部と、を備えており、
    前記本体側端部と前記電極パッドとをロウ材を用いて接合し、ロウ材部を形成する接合工程と、
    前記接合工程の後、前記金属端子部の前記外部側端部に電解メッキ用導電部を接続して、前記金属端子部および前記ロウ材部をCrを主体とする電解メッキ液に浸して電解メッキ処理を行い前記被覆膜を形成する被覆膜形成工程と、
    を有することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
  6. 前記接合工程と前記被覆膜形成工程との間に、前記金属端子部および前記ロウ材部を覆うNiを主体とする下地膜を形成する下地膜形成工程を行うこと、
    を特徴とする請求項5に記載のセラミックヒータの製造方法。
JP2012149623A 2012-07-03 2012-07-03 セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法 Expired - Fee Related JP5868276B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012149623A JP5868276B2 (ja) 2012-07-03 2012-07-03 セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012149623A JP5868276B2 (ja) 2012-07-03 2012-07-03 セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014013649A true JP2014013649A (ja) 2014-01-23
JP5868276B2 JP5868276B2 (ja) 2016-02-24

Family

ID=50109232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012149623A Expired - Fee Related JP5868276B2 (ja) 2012-07-03 2012-07-03 セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5868276B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017107732A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 日本特殊陶業株式会社 セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法
JP2020034506A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ
KR20210126315A (ko) * 2020-04-10 2021-10-20 포항공과대학교 산학협력단 플렉시블 가스 센서 및 그 제조 방법

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07220236A (ja) * 1994-01-31 1995-08-18 Hitachi Ltd 薄膜磁気ヘッド
JP2005331502A (ja) * 2004-04-21 2005-12-02 Denso Corp セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ
JP2007218386A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Canon Electronics Inc 流体軸受装置および回転装置
JP2011020898A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミックヒータ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07220236A (ja) * 1994-01-31 1995-08-18 Hitachi Ltd 薄膜磁気ヘッド
JP2005331502A (ja) * 2004-04-21 2005-12-02 Denso Corp セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ
JP2007218386A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Canon Electronics Inc 流体軸受装置および回転装置
JP2011020898A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミックヒータ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017107732A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 日本特殊陶業株式会社 セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法
JP2020034506A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ
KR20210126315A (ko) * 2020-04-10 2021-10-20 포항공과대학교 산학협력단 플렉시블 가스 센서 및 그 제조 방법
KR102435557B1 (ko) * 2020-04-10 2022-08-24 포항공과대학교 산학협력단 플렉시블 가스 센서 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP5868276B2 (ja) 2016-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5868276B2 (ja) セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法
EP3135998B1 (en) Method for manufacturing ceramic-heater-type glow plug, and ceramic-heater-type glow plug
EP1283394B1 (en) Heater
JP5243498B2 (ja) セラミックヒータ及びそれを備えたガスセンサ
JP6245716B2 (ja) セラミックスヒータ型グロープラグの製造方法及びセラミックスヒータ型グロープラグ
JP6580969B2 (ja) セラミックヒータ、ガスセンサおよびセラミックヒータの製造方法
JP2006294479A (ja) ろう付け接合体およびセラミックヒータ
JP6291411B2 (ja) セラミックヒータ及びセンサ
JP5405929B2 (ja) セラミックヒータ
JP2016119277A (ja) セラミック接合体、セラミックヒータ及びセンサ
JP5336426B2 (ja) ガスセンサ
JP6475145B2 (ja) ガスセンサ
US20170321900A1 (en) Method for manufacturing ceramic heater-type glow plug, and ceramic heater-type glow plug
JP6456278B2 (ja) スパークプラグ
JP5296031B2 (ja) ガスセンサ
JP6042739B2 (ja) セラミックヒータおよびセラミックヒータの製造方法
JP6313155B2 (ja) ヒータ
JP2013178228A (ja) ガスセンサ
JP2010117348A (ja) ガスセンサ
JP6532779B2 (ja) セラミックヒータ及びセンサ
JP2005285486A (ja) スパークプラグ
JP5969413B2 (ja) 温度センサ
JP2017033812A (ja) スパークプラグの製造方法
JP2004125432A (ja) センサおよびセンサ製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5868276

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees