JP2010117348A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】リード部がパッキンによって損なわれることを防止できるガスセンサを提供すること。
【解決手段】ホルダ15と検出素子3との間に配置される第2パッキン27は、中央に貫通孔65を有する環状の板パッキンである。詳しくは、例えばSUS430からなるステンレス基板67の両主面にCr層69を備えたものである。つまり、酸素センサ1では、検出素子3の鍔部29に当接する第2パッキン27として、その当接面にCrからなる金属層69を備えているので、従来より高温の状態などの過酷な環境で使用した場合でも、検出素子3の表面のリード部63が第2パッキン27側に固着して剥離することを抑制でき、よって、リード部63における導通が損なわれることを抑制できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関やボイラー等の各種燃焼機器などに使用されるガスセンサに関し、特に、有底筒状で鍔部を備えた検出素子を外側より保持する構造のガスセンサに関する。
従来より、酸素センサ等のガスセンサの素子として、例えば固体電解質の基体に電極を備えた検出素子が用いられている。
具体的には、軸線方向に延びると共に先端が閉じた有底筒状で、周方向にわたって外側に張り出す鍔部を有する基体を用い、その基体の内面に内部電極を備えると共に外面に外部電極を備えた検出素子が知られている。
この検出素子では、外部電極は鍔部より先端側に形成されており、その外部電極から鍔部を超えて後端側に伸びるようにリード部が形成されている。また、検出素子は、その鍔部にて、金属製のパッキンを介して、例えばセラミックホルダによって外側から保持されている(特許文献1、2参照)。
特開2005−190762号公報 特表2000−502457号公報
しかしながら、上記従来のガスセンサでは、リード部とパッキンとが直接に交差するように接触する構造であるので、このガスセンサを、例えば従来より高温の状態などの過酷な環境で使用する場合には、リード部がパッキン側に固着して鍔部から剥離し、リード部における導通が損なわれる恐れがあった。
本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、リード部がパッキンによって損なわれることを防止できるガスセンサを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、軸線方向の先端側(閉塞端側)が閉じた有底筒状であり、周方向にわたって外側に張り出す鍔部を有し、内面に内部電極を備えると共に外面に外部電極を備えた検出素子と、前記鍔部の先端向き面(先端側に向いている面)に接触させたパッキンと、前記検出素子を、前記鍔部にて前記パッキンを介して外側より保持する絶縁碍子と、を備え、前記検出素子により被測定成分を検出するガスセンサにおいて、前記検出素子は、前記鍔部より先端側外面に前記外部電極を備えると共に、前記外部電極から前記鍔部を超えて後端側(開放端側)に延びるリード部を備え、前記パッキンは、少なくとも前記鍔部の前記先端向き面との当接面側のうち前記リード部と接触する部位に、Crからなる金属層又はCrを主成分とする金属層を備えたことを特徴とする。
本発明は、検出素子の鍔部に当接するパッキンとして、その当接面側にCrからなる金属層又はCrを主成分とする金属層を備えているので、従来より高温の状態などの過酷な環境で使用した場合でも、検出素子のリード部がパッキン側に固着して鍔部から剥離することを抑制でき、よって、リード部における導通が損なわれることを防止できる。
具体的には、リード部が鍔部から剥離する前に、金属層とリード部との界面にて割ける、金属層とパッキンとの界面にて割ける、若しくは金属層自身が割けることで、リード部が鍔部に固着することを維持できる。
ここで、金属層の厚みとしては、0.4μm以上あれば十分であり、0.4μm未満であれば、上記効果を得られないことがある。また、金属層の厚みは、30μm以下が好ましく、30μmを越えて形成されたとしても、上記効果がより得られるようになることは無く、コスト、時間がかかってしまうことがある。更に、金属層は、少なくともパッキンの当接面側のうちリード部と接触する部位にあればよく、当接面側の一部であっても良いし、当接面側の全体に設けられていても良い。(以下同様)
なお、前記周方向とは、軸線を中心にした場合の周囲を回る方向である。また、主成分とは、50質量%以上のことである。(以下同様)
(2)請求項2の発明は、軸線方向の先端側(閉塞端側)が閉じた有底筒状であり、周方向にわたって外側に張り出す鍔部を有し、内面に内部電極を備えると共に外面に外部電極を備えた検出素子と、前記鍔部の先端向き面(先端側に向いている面)に接触させたパッキンと、前記検出素子を、前記鍔部にて前記パッキンを介して外側より保持する主体金具と、を備え、前記検出素子により被測定成分を検出するガスセンサにおいて、前記検出素子は、前記鍔部より先端側外面に前記外部電極を備えると共に、前記外部電極から前記鍔部を超えて後端側(開放端側)に延びるリード部を備え、前記パッキンは、少なくとも前記鍔部の前記先端向き面との当接面側のうち前記リード部と接触する部位に、Crからなる金属層又はCrを主成分とする金属層を備えたことを特徴とする。
本発明は、検出素子の鍔部に当接するパッキンとして、その当接面側にCrからなる金属層又はCrを主成分とする金属層を備えているので、従来より高温の状態などの過酷な環境で使用した場合でも、上記理由と同様に検出素子のリード部がパッキン側に固着して剥離することを抑制でき、よって、リード部における導通が損なわれることを防止できる。
(3)請求項3の発明では、前記金属層は、Crのメッキ層であることを特徴とする。
本発明は、好適な金属層を例示したものである。なお、Crのメッキ層を形成する方法としては、電解メッキ、無電解メッキ等が挙げられる。
(4)請求項4の発明では、前記検出素子には、外部電極を覆う保護層を有しており、該保護層は、前記鍔部よりも先端側に配置されている事を特徴とする。
外部電極の被毒等を防止する保護層を鍔部の先端向き面上まで設けることで、パッキンとリード部とが直接接触することが防止できるが、鍔部に形成された保護層は剥離しやすく、外部電極の被毒等を防止できない虞がある。
これに対し、本発明では、保護層を鍔部よりも先端側に配置することで、保護層が剥離することを防止でき、外部電極の被毒等を防止できる。その上、パッキンには、金属層が設けられているので、リード部がパッキン側に固着して鍔部から剥離することを抑制できる。
(5)請求項5の発明では、前記鍔部の前記先端向き面上に形成される前記リード部の面積は、該先端向き面の面積の3%以上64%以下であることを特徴とする。
電極材料のコスト低減のため、リード部(リード電極)を軸線方向に延びる長軸状に形成することがある。この場合、鍔部の先端向き面に形成されるリード部の面積は先端向き面全体に形成される場合に比べ小さくなり、更にリード部が鍔部から剥離する虞が増加するが、この場合においてもパッキンには金属層が設けられているので、リード部がパッキン側に固着して鍔部から剥離することを抑制できる。
なお、3%未満であれば、リード部としての機能が果たせず、外部電極からの出力が得られないことがある。一方、64%を越えると、コスト低減の効果が得られにくくなる。また、リード部の本数には問わず、複数本設けることも可能である。複数本の場合には、全ての面積の合計が3%以上64%以下であればよい。
(6)請求項6の発明では、前記金属層は、前記鍔部の前記先端向き面に形成される前記リード部の面積の3倍以上、前記当接面上に備えられたことを特徴とする。
これにより、リード部に対し金属層がさらに確実に接触する事ができる。
(7)請求項7の発明では、前記パッキンは、板状であり、その板厚方向の両面又は表面全体に前記金属層を備えたことを特徴とする。
本発明は、パッキンを例示したものである。ここで、板厚方向の両面に金属層を備えたパッキンを形成する方法としては、板材の表面に例えばCrメッキ等により金属層を形成し、その後、プレス等によってパッキンの形状に打ち抜く方法が挙げられる。
また、表面全体(板厚方向だけでなく側面なども含む全周)に金属層を備えたパッキンを形成する方法としては、プレス等によって板材をパッキンの形状に打ち抜き、その後、パッキン形状の部材の表面に例えばCrメッキ等により金属層を形成する方法が挙げられる。
(8)請求項8の発明では、前記リード部は、貴金属を主成分とし、さらに前記鍔部の主成分を5〜30質量%含有することを特徴とする。
これにより、さらに、リード部と鍔部(基体)との密着性を向上させることができ、リード部がパッキン側に固着して鍔部から剥離することを抑制できる。ここで、5質量%未満であれば、上記効果を得られない虞がある。一方30質量%を越えると、外部電極からの出力を外部装置に伝導させることができないことがある。
なお、貴金属としては、例えば白金、ロジウム、パラジウムを採用できる。
第1実施形態の酸素センサの全体構成を示す断面図である。 第1実施形態の酸素センサの要部を拡大して示す断面図である。 第1実施形態の検出素子を示す正面図である。 (a)第2パッキンの平面図、(b)第2パッキンの正面図である。 第2パッキンを拡大して破断して示す斜視図である。 検出素子と第2パッキンとの配置を示す説明図である。 第2実施形態の酸素センサの全体構成を示す断面図である。
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[第1実施形態]
a)まず、本発明が適用された第1実施形態のガスセンサ(酸素センサ)の全体構成を説明する。
尚、図1に示す酸素センサの下端側が本発明における「センサの先端側(閉塞端側)」に相当し、図1に示す酸素センサの上端側が「センサの後端側(開放端側)」に相当する。
図1に示すように、酸素センサ1は、軸線方向に延びて先端が閉じた有底筒状の検出素子3と、検出素子3の内部に配置されて検出素子3を加熱する棒状のセラミックヒータ5と、酸素センサ1の内部構造物を収容するとともに酸素センサ1を排気管等の取付部に固定するケーシング7などを備えている。
このうち、ケーシング7は、検出素子3を保持するとともに、検出素子3の先端側の検出部9を排気管等の内部に突出させる主体金具11と、主体金具11の上部に延設されて検出素子3との間で基準ガス空間を形成する外筒13とを備えている。
前記主体金具11は、円筒状であり、その内部に、検出素子3を下方から支持するセラミックス製のホルダ15と、ホルダ15の上部に充填される滑石粉末からなる充填材17と、充填材17を上方から押圧するスリーブ19などを収容する。
詳しくは、図2に示すように、主体金具11の下端側の内周には、内向き突出した段部21が設けられており、この段部21の上面に第1パッキン23を介してホルダ15が係止されることにより、ホルダ15が下方から支持されている。
更に、ホルダ15の内周にも、内向きに突出した段部25が設けられており、この段部25の上面に第2パッキン27を介して検出素子3(特にその鍔部29)が係止されることにより、検出素子3が下方から支持されている。
図1に戻り、ホルダ15の上側に配設された充填材17の上側には、スリーブ19及び第3パッキン31が、順次同軸状に内挿されており、主体金具11の上端部が内方(下方)に加締められることで、充填材17が加圧充填される。
なお、主体金具11の下端側外周には、検出素子3の突出部分を覆うとともに、複数の孔部を有する金属製の二重のプロテクタ33、35が溶接によって取り付けられている。
一方、主体金具11の上部開口を覆うように、外筒13の下端開口端が主体金具11に外挿されており、この下端開口端に外方から溶接が施されて、外筒13が主体金具11に装着されている。
また、外筒13の上端開口の近傍には、セラミックで筒状に形成された絶縁性のセパレータ37が内挿されている。このセパレータ37は、外部電極端子部材43と内部電極端子部材45とを異なる挿通孔39、41の内部に収容している。
外部電極端子部材43は、外部電極47側とリード線49側とを電気的に接続するものであり、内部電極端子部材45は、内部電極49側とリード線51側とを電気的に接続するものである。
また、外筒13の上端開口には、リード線49、51を夫々外部に引き出すとともに、酸素センサ1の内部への水分や油分の侵入を防止するシールユニット53が設けられている。このシールユニット53は、フッ素ゴムからなる円柱状のグロメット55とシート状の通気フィルタ57とを備えている。
b)次に、本実施形態の要部である検出素子3を支持する構成について詳しく説明する。
前記図2に示したように、ホルダ15と検出素子3との間に配置される第2パッキン27は、その板圧方向の主面である一方の表面(下面22)が、ホルダ15の段部25の上面24に当接し、他方の表面(当接面)26が、検出素子3の鍔部29の先端向き面(即ち鍔部29の表面のうち先端側に向いている面)28に当接している。
このうち、検出素子3は、図3に示すように、ジルコニア(ZrO)を主成分とする固体電解質からなる有底円筒の基体(固体電解質体)59を有しており、この固体電解質体59には、周方向に沿って外側に張り出す鍔部29が環状に形成されている。
また、鍔部29より先端側には、前記外部電極47が形成されており、この外部電極47は、例えば白金又は白金合金により多孔質に形成された電極(測定電極)である。一方、検出素子3の内側には全面にわたって内部電極49(図1参照)が形成されており、この内部電極49も、例えば白金又は白金合金により多孔質に形成された電極(基準電極)である。
更に、検出素子3の後端側の外周面には、前記外部電極端子部材43と接触する例えば白金/パラジウムからなる後端端子部61が環状に設けられており、特に、検出素子3の外周面には、外部電極47と後端端子部61とを電気的に接続するように、鍔部29を超えて検出素子3の軸方向に延びる、例えば白金を主成分(50質量%以上含有)とし、さらにジルコニアを12質量%含有するリード部63が設けられている。
このリード部63は、軸方向に細長く形成されており、鍔部29の先端向き面28全体の面積に対する(先端向き面28内の)リード部63の面積S(網目部分:図3参照)の割合が約4%となっている。なお、先端向き面28の全体の面積は約32mm2、リード部63の面積Sは約1.2mm2である。また、この鍔部29の先端向き面28に形成されたリード部63の厚みは5〜50μmが好ましく、具体的には10μmとなっている。さらに、外部電極47の外表面には保護層48(図3の一点鎖線)が形成されている。この保護層48は、鍔部29よりも先端側に形成されている。
また、図4に示すように、ホルダ15と検出素子3との間に配置される第2パッキン27は、中央に貫通孔65を有する環状の板パッキンである。詳しくは、図5に拡大し破断して示すように、例えばSUS430からなる厚さ0.3mmのステンレス基板67の両主面に厚さ1μmのCr層69を備えたものである。
なお、板パッキンとしては、0.2mm〜0.4mmが好ましい。0.2mm未満であれば、気密性が損なわれる事がある。一方0.4mmを越えると、鍔部29を強固に押圧して鍔部29が破損することがある。
従って、検出素子3が酸素センサ1に組み付けられた場合には、図6に示すように、検出素子3の外側面にて縦方向に伸びるリード部63と横方向に配置される第2パッキン27の(同図上方に向く)当接面26とが、検出素子3の鍔部29の(同図下方に向く)先端向き面28側にて交差するようにして接触することになる。
なお、第2パッキン27は、酸素センサ1に組み付けつけられる前は、前記図4(b)に示すように平板であるが、組み付け際の押圧力により、前記図6に示すように、テーパ状に変形する。
c)次に、本実施形態の要部である検出素子3及び第2パッキン27等の製造方法について説明する。
(1)検出素子3の製造方法
検出素子3を製造する場合には、定法により、前記図3に示すように、例えばジルコニアからなる有底円筒形状の固体電解質体59を製造する。例えばプレス成形により成形体を製造する。
次に、固体電解質体59の鍔部29より先端側に、外部電極47を形成する。この外部電極47の形成方法としては、周知の核付け工程及びメッキ工程により、白金製の外部電極47を形成する方法を採用できる。
次に、固体電解質体59の内側面に、内部電極49を形成する。この内部電極49の形成方法としても、周知の核付け工程及びメッキ工程により、白金製の内部電極49を形成する方法を採用できる。
次に、白金/パラジウム混合ペーストを用い、厚さが10μmとなるように、固体電解質体59の外側面において、開口端の周囲を帯状に印刷し、後端端子部61となるパターンを形成する。
次に、白金ペーストを用い、厚さが10μmとなるように、固体電解質体59の外面において、後端端子部61となるパターンから外部電極47の上端に達するように、リード部63のパターンを形成する。詳しくは、前記白金ペーストが後端端子部61のパターンに重なると共に外部電極47の一部と重なるように、固体電解質体59の軸方向に沿って延びて鍔部29を乗り越えるようにして、例えば幅2mmのリード部63のパターンを形成する。
次に、上述したパターンを形成した固体電解質体59を、1500℃で2時間焼成し、検出素子3を製造した。
なお、その後、検出素子3の外部電極47の領域(鍔部29よりも先端側)に対して、スピネル溶射によって、多孔質の保護層48を形成する。
(2)第2パッキン27の製造方法
例えば板厚0.3mmのSUS430のステンレス板の両側に、Crメッキを施して、例えば厚み1μmのCr層(金属層)69をそれぞれ形成した。
そして、このメッキしたステンレス板をプレス等により打ち抜いて、前記図4に示した形状の第2パッキン27を製造した。
従って、この第2パッキン27では、環状のステンレス基板67の両主面には金属層69が形成されているが、第2パッキン27の外側面や貫通孔65の内周面には、金属層69が形成されていない。
c)次に、本実施形態における効果について説明する。
本実施形態の酸素センサ1では、検出素子3の鍔部29に当接する第2パッキン27には、鍔部29(詳しくは鍔部29上のリード部63)に当接する側にCrからなる金属層69を備えているので、従来より高温の状態などの過酷な環境で使用した場合でも、検出素子3のリード部63が第2パッキン27側に固着して鍔部29から剥離することを抑制でき、よって、リード部63における導通が損なわれることを防止できる。
また、検出素子3には、外部電極47を覆う保護層48が鍔部29よりも先端側に配置されている。このように保護層48が鍔部29よりも先端側に設けられることで保護層48の剥離を防止できる。その上、第2パッキン27には、Cr層69が設けられているので、リード部63が第2パッキン27側に固着して鍔部29から剥離することを抑制できる。
しかも、鍔部29の先端向き面28上に形成されるリード部63の面積Sが、先端向き面28の面積の3%以上64%以下であるので、鍔部29の先端向き面28全体に形成される場合に比べ小さくなり、更にリード部63が鍔部29から剥離する虞が増加するが、Cr層69が設けられているので、リード部63がパッキン27側に固着して鍔部29から剥離することを抑制できる。
その上、第2パッキン27の当接面26側のCr層69の面積は約19mm2であり、このCr層69の面積は、鍔部29の先端向き面28に形成されるリード部63の面積S(即ち約1.2mm2)の3倍以上、具体的には約6.3倍であるので、リード部63に対しCr層69が確実に接触することができる。
また、リード部63は、貴金属を主成分とし、更に鍔部29の主成分を5〜30質量%含有しているので、リード部63と鍔部29との密着性を向上させることができ、リード部63がパッキン27側に固着して鍔部29から剥離することを抑制できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態の酸素センサ71は、前記第1実施形態と同様に、有底筒状の検出素子73と、検出素子3の内部に配置されたセラミックヒータ75と、酸素センサ71の内部構造物を収容するとともに酸素センサ71を排気管等に固定するケーシング77などを備えている。
このケーシング77は、主体金具81と外筒83とからなり、主体金具81は、その内部に、滑石粉末からなる充填材85と、充填材85を上方から押圧するスリーブ87などを収容する。
前記検出素子73は、前記第1実施形態と同様に、ジルコニアを主成分とする固体電解質体89と、内部電極91と、外部電極93と、リード部95などを備えている。
特に本実施形態では、主体金具81の下端側の内周には、内向きに突出した段部97が設けられており、この段部97にパッキン99を介して検出素子73の鍔部101が係止されることにより、検出素子73が下方から支持されている。
つまり、本実施形態では、前記第1実施形態のように、ホルダによって検出素子73を支持するのではなく、主体金具81自身がパッキン99を介して検出素子73を下方より支持している。これにより、パッキン99は、その当接面102側にて、リード部95と接触するとともに、鍔部101の先端向き面104に接触している。
本実施形態で使用されるパッキン99は、図示しないが、環状のステンレス基板の全表面(全面)を覆うように、Crを主成分とし、Cu、Snが含有された金属層が形成されたものである。
<実験例>
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
本発明の範囲の試料として、SUS430からなる厚さ0.3mmのステンレス基板(板パッキン)の表面に、Crメッキ(平均厚み:0.4μm、0.7μm、1.1μm、2.3μm、3.5μm、6.6μm、10μm)をした試料(試料No.2〜8)を、それぞれ2個作製した。
なお、下記表1では、パッキンの両主面にCrメッキしたものをエッジ部(側面)以外Crメッキとし、パッキンの全面にCrメッキしたものを全面Crメッキとした。
更に、比較例として、Crメッキを施さない試料(試料No.1)も、2個作製した。
そして、各試料のパッキンを、前記第1実施形態の酸素センサの第2パッキンとして用いて、酸素センサを作製し、その酸素センサに対して、バーナ火炎での加熱を15分、その後の空冷を15分を1サイクルとして、サイクル耐久を150時間(300サイクル)実施した。
その後、酸素センサを解体し、検出素子の鍔部におけるリード部の剥離の有無を調べた。その結果を、下記表1に記す。
Figure 2010117348
この表1から明かなように、表面にCrメッキからなる金属層を備えたパッキンを用いた場合には、過酷な状況で酸素センサを使用したときでも、検出素子の表面のリード部の剥離がなく、好適であった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば、本発明の適用対象は、酸素センサに限られることはなく、電極端子部材を備えるセンサであれば、他のガス(CO、NOxなど)を検出するガスセンサや、温度検出を行う温度センサなどであっても良い。
1、71…酸素センサ
3、73…検出素子
7、77…ケーシング
11、81…主体金具
13、83…外筒
15…ホルダ
26、102…当接面
27…第2パッキン
28、104…先端前向き面
29、101…鍔部
47、93…外部電極
49、91…内部電極
59、89…固体電解質体
63、95…リード部
67…ステンレス基板
69…金属層
99…パッキン

Claims (8)

  1. 軸線方向の先端側が閉じた有底筒状であり、周方向にわたって外側に張り出す鍔部を有し、内面に内部電極を備えると共に外面に外部電極を備えた検出素子と、
    前記鍔部の先端向き面に接触させたパッキンと、
    前記検出素子を、前記鍔部にて前記パッキンを介して外側より保持する絶縁碍子と、
    を備え、前記検出素子により被測定成分を検出するガスセンサにおいて、
    前記検出素子は、前記鍔部より先端側外面に前記外部電極を備えると共に、前記外部電極から前記鍔部を超えて後端側に延びるリード部を備え、
    前記パッキンは、少なくとも前記鍔部の前記先端向き面との当接面側のうち前記リード部と接触する部位に、Crからなる金属層又はCrを主成分とする金属層を備えたことを特徴とするガスセンサ。
  2. 軸線方向の先端側が閉じた有底筒状であり、周方向にわたって外側に張り出す鍔部を有し、内面に内部電極を備えると共に外面に外部電極を備えた検出素子と、
    前記鍔部の先端向き面に接触させたパッキンと、
    前記検出素子を、前記鍔部にて前記パッキンを介して外側より保持する主体金具と、
    を備え、前記検出素子により被測定成分を検出するガスセンサにおいて、
    前記検出素子は、前記鍔部より先端側外面に前記外部電極を備えると共に、前記外部電極から前記鍔部を超えて後端側に延びるリード部を備え、
    前記パッキンは、少なくとも前記鍔部の前記先端向き面との当接面側のうち前記リード部と接触する部位に、Crからなる金属層又はCrを主成分とする金属層を備えたことを特徴とするガスセンサ。
  3. 前記金属層は、Crのメッキ層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記検出素子には、外部電極を覆う保護層を有しており、
    該保護層は、前記鍔部よりも先端側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 前記鍔部の前記先端向き面上に形成される前記リード部の面積は、該先端向き面の面積の3%以上64%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサ。
  6. 前記金属層は、前記鍔部の前記先端向き面に形成される前記リード部の面積の3倍以上、前記当接面上に備えられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 前記パッキンは、板状であり、その板厚方向の両面又は表面全体に前記金属層を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスセンサ。
  8. 前記リード部は、貴金属を主成分とし、さらに前記鍔部の主成分を5〜30質量%含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガスセンサ。
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