JP2011016165A - 枝管を母管に配置して溶接する溶接方法および枝管を母管に配置する配置方法 - Google Patents

枝管を母管に配置して溶接する溶接方法および枝管を母管に配置する配置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業者の熟練度を必要とすることなしに、枝管を母管の周面に正確に配置して短時間で自動的に溶接する。
【解決手段】一方の端面(13)が開先加工された枝管(12)を母管(11)の周面に配置して溶接する溶接方法において、撮像部(39)の視線(40)を枝管と同軸にしつつ枝管の端面を撮像部により撮像し、撮像部により撮像された画像から枝管の端面を楕円として抽出し、抽出された楕円の中心と、予め定められた基準姿勢に対する中心回りの位相角とを算出し、算出された位相角に基づいて枝管を中心から定まる枝管の中心線回りに回転させ、回転された枝管の位相角を維持しつつ、枝管の端面が母管の周面に接触するまで枝管を移動させ、枝管の端面と母管とが接触したラインに沿って枝管を母管に溶接するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、枝管を母管に配置して溶接する溶接方法、特に端面が開先加工された枝管を母管の周面に配置して溶接する溶接方法に関する。さらに、本発明は枝管を母管に配置する配置方法に関する。
従来より、端面が鞍型形状に開先加工された枝管を母管の周面に配置して溶接する際に、産業用ロボットが使用されている(特許文献1)。また、特許文献2においては、母管の外径、枝管の外径、これら管の肉厚および開先加工角度に基づいて、溶接線データを作成し、溶接線データに基づいて配置された光学センサにより開先の形状を計測して溶接線位置座標および開先幅を検出し、溶接線位置座標で溶接線データを修正することが行われている。
特開昭63−194874号公報 特開平10−058139号公報
しかしながら、従来技術においては、作業者が枝管の位置と位相とを調節して、枝管を母管の周面に配置している。その後、作業者が枝管を母管に仮溶接した後で、産業用ロボットが溶接線に沿って溶接を行っていた。
このような方式では、作業者が手作業で枝管を配置する必要があるので作業時間が増す上に、作業者の熟練度によって枝管の配置のされ方が個々に異なるという問題点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、作業者の熟練度を必要とすることなしに、枝管を母管の周面に正確に配置して短時間で自動的に溶接を行うことのできる溶接方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、作業者の熟練度を必要とすることなしに、枝管を母管の周面に短時間で正確に配置することのできる配置方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために1番目の発明によれば、一方の端面が開先加工された枝管を母管の周面に配置して溶接する溶接方法において、撮像部の視線を前記枝管と同軸にしつつ前記枝管の前記端面を撮像部により撮像し、前記撮像部により撮像された画像から前記枝管の前記端面を楕円として抽出し、抽出された前記楕円の中心と、予め定められた基準姿勢に対する前記中心回りの位相角とを算出し、算出された前記位相角に基づいて前記枝管を前記中心から定まる前記枝管の中心線回りに回転させ、回転された前記枝管の位相角を維持しつつ、前記枝管の前記端面が前記母管の周面に接触するまで前記枝管を移動させ、前記枝管の前記端面と前記母管とが接触したラインに沿って前記枝管を前記母管に溶接する溶接方法が提供される。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記画像において、前記撮像部に対して近位に位置する前記端面の一部分が、前記撮像部に対して遠位に位置する前記端面の他の部分よりも相対的に大きいことを利用して、前記枝管の前記端面を楕円として抽出するようにした。
すなわち1番目および2番目の発明においては、撮像部により撮像された枝管の端面の画像から楕円を抽出し、基準姿勢に対する楕円の位相角に基づいて、枝管を母管の周面に配置し、溶接を行っている。つまり、角度調整を行った後で、枝管を母管の周面に配置している。このため、開先加工された枝管を母管の周面に正確に配置でき、また、作業者の熟練度に応じて枝管の配置が異なることもない。従って、枝管の溶接作業を短時間で自動的に行うことが可能となる。
3番目の発明によれば、一方の端面が開先加工された枝管を母管の周面に配置する配置方法において、撮像部の視線を前記枝管と同軸にしつつ前記枝管の前記端面を撮像部により撮像し、前記撮像部により撮像された画像から前記枝管の前記端面を楕円として抽出し、抽出された前記楕円の中心と、予め定められた基準姿勢に対する前記中心回りの位相角とを算出し、算出された前記位相角に基づいて前記枝管を前記中心から定まる前記枝管の中心線回りに回転させ、回転された前記枝管の位相角を維持しつつ、前記枝管を移動させて前記枝管の前記端面を前記母管の周面に配置する、配置方法が提供される。
4番目の発明によれば、3番目の発明において、前記画像において、前記撮像部に対して近位に位置する前記端面の一部分が、前記撮像部に対して遠位に位置する前記端面の他の部分よりも相対的に大きいことを利用して、前記枝管の前記端面を楕円として抽出するようにした。
すなわち3番目および4番目の発明においては、撮像部により撮像された枝管の端面の画像から楕円を抽出し、基準姿勢に対する楕円の位相角に基づいて、枝管を母管の周面に配置している。つまり、角度調整を行った後で、枝管を母管の周面に配置している。このため、開先加工された枝管を母管の周面に正確に配置でき、また、作業者の熟練度に応じて枝管の配置が異なることもない。従って、枝管の配置作業を短時間で自動的に行うことが可能となる。
本発明に基づく溶接システムを示す略図である。 図1に示されるロボット制御装置のブロック図である。 (a)母管および枝管の部分拡大図である。(b)母管および枝管の他の部分拡大図である。 本発明に基づく溶接システムの動作を示すフローチャートである。 カメラのレンズと対象物および撮像面の関係を示す図である。 カメラにより撮像された枝管の一端の画像を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同様の部材には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
図1は本発明に基づく溶接システムを示す略図である。図1に示される溶接システム10は、ロボット制御部20およびビジョン制御部30を含むロボット制御装置15と、ロボット制御装置15に接続された溶接トーチなどの溶接部18とを主に含んでいる。溶接部18は、母管11に枝管12を鞍形(T字形状)に溶接するのに使用される。
図示されるように、ロボット制御部20は、ロボット29、例えば多関節ロボットに接続されている。このロボット29は、枝管12を把持するハンド機構部29aを備えている。ハンド機構部29aは枝管12をその軸線回りに少なくとも回転させられる。
さらに、ビジョン制御部30は、カメラ39およびモニタ38を主に含んでいる。なお、図1に示される実施形態においてはビジョン制御部30がロボット制御装置15に内蔵されているが、ビジョン制御部30はロボット制御装置15に外部から接続されていてもよい。
図2は、図1に示されるロボット制御装置のブロック図である。図2に示されるように、ロボット制御部20およびビジョン制御部30は接続ラインa1により互いに接続されており、各種信号および指令を送受信することができる。
ロボット制御部20はデジタルコンピュータであり、各種の処理を実施するCPU21と、ROM22と、RAM23と、不揮発性RAM24と、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)用データメモリ27と、デジタルシグナルプロセッサ28と、ロボット29を制御する軸制御機器25およびサーボ回路26とを含んでおり、これらがバスa2によって互いに接続されている。
ここで、ROM22はシステム全体を制御するプログラムを格納しており、RAM23はCPU21により処理するのに用いられるデータを一時的に格納する。さらに、不揮発性RAM24はロボット29のための動作プログラム、設定データ、後述する検出データ転送処理プログラムを格納している。
さらに、ビジョン制御部30もデジタルコンピュータであり、各種の処理を実施するCPU31と、フレームメモリ32と、画像処理プロセッサ33と、データメモリ34と、プログラムメモリ35と、モニタインタフェース36と、カメラインタフェース37とを含んでおり、これらがバスa3によって互いに接続されている。図2から分かるように、モニタインタフェース36およびカメラインタフェース37には、それぞれモニタ38およびカメラ39が接続されている。
フレームメモリ32はカメラ39により撮像された画像を格納する。そして、フレームメモリ32に格納された画像は、画像処理プロセッサ33によって後述するように処理される。データメモリ34は、画像処理プロセッサ33の各種設定を格納しており、プログラムメモリ35は後述する解析プログラムを格納する。
図3(a)および図3(b)は母管11および枝管12の部分拡大図である。母管11は図示しない固定具により固定されており、母管11の周面は少なくとも部分的に露出しているものとする。また、枝管12はロボット29のハンド機構部29a(図2には示さない)により把持されている。
図3(a)から分かるように枝管12の一端13は開先加工されている。この開先加工は、枝管12の一端13が母管11の周面に密着可能なように行われており、例えば鞍型形状に加工されている。言い換えれば、真横から見ると、枝管12の端面の縁部は母管11の周面の一部と一致する。なお、枝管12を母管11の周面に必ずしも垂直に配置する必要はなく、垂直以外の角度をなして配置してもよい。
一つの実施形態においては、枝管12の外径Dは20mmであり、枝管12の一端13の頂部13aと底部13bの間の高低差Rは2.5mmである。なお、図面においては、母管11および枝管12の外径は互いに等しいように表されている。しかしながら、母管11および枝管12の外径が互いに異なっていてもよく、そのような場合でも本発明の範囲に含まれる。なお、枝管12の他端は開先加工されてなくてもよい。
図4は本発明に基づく溶接システムの動作を示すフローチャートである。以下、図4を参照しつつ、溶接システム10の動作について説明する。はじめに、ステップ101において、ロボット制御部20は、ロボット29のハンド機構部29aに枝管12を把持させる。そして、ハンド機構部29aを移動させて、枝管12の一端13がカメラ39の真下に位置するようにする。これにより、枝管12の一端13がカメラ39の視野に入るようになる。図1から分かるように、このときには、カメラ39の視線40を枝管12の中心線に一致させる。
次いで、ステップ102において、ロボット制御部20は不揮発性RAM24の検出データ転送処理プログラムを実施し、ビジョン制御部30に対して、後述する以下の処理を行うよう指令する。従って、以下の処理は、ロボット制御部20からビジョン制御部30に移る。ステップ103においては、ビジョン制御部30がカメラ39に枝管12の一端13の画像を撮像させる。このとき、カメラ39の焦点は一端13の頂部13aと底部13bの中間位置に合わせるのが好ましい。これにより、後述する画像処理を容易に行うことができる。
撮像された画像はフレームメモリ32に格納される。そして、ステップ104において、ビジョン制御部30の画像処理プロセッサ33がプログラムメモリ35の解析プログラムを用いて枝管12の一端13の画像から楕円(長円)を抽出する処理を行う。この処理には、パターンマッチングまたはその他の手法を利用できる。
ここで、図5はカメラのレンズと対象物および撮像面の関係を示す図である。図5に示されるカメラ39の内部には、撮像面Qの前方にレンズ39aが配置されている。レンズ39aと撮像面Qとの間の距離は固定値fである。また、カメラ39の外部には、外寸Hが互いに等しい対象物P1、P2が例として配置されている。図5においては、対象物P1は、対象物P2よりもレンズ39aに近接して位置しており、対象物P1とレンズ39aとの間の距離Lは、対象物P2とレンズ39aとの間の距離L’よりも短い。
図5から分かるように、撮像面Qに投影される対象物P1の寸法hは、撮像面Qにおける対象物P2の寸法h’よりも大きい。すなわち、カメラ39により近接した位置に在る対象物が、撮像面Qにより大きく投影されることになる。
従って、枝管12の一端13の画像Iを示す図である図6から分かるように、カメラ39により近接した位置にある頂部13aは底部13bよりも大きく撮像される。このため、図6において頂部13a付近における枝管12の肉厚は、底部13b付近における枝管12の肉厚よりも大きい。その結果、画像Iにおける枝管12の一端13は、頂部13aと中心とを通る線分を長軸とする楕円形または長円形になる。このようなことから、プログラムメモリ35の解析プログラムは、枝管12の一端13を楕円形として画像Iから抽出することができる。この目的のために、カメラ39のレンズ39aは短焦点レンズ(広角レンズ)であるのが好ましく、カメラ39を枝管12の一端13に近付けて撮像することにより、楕円をより正確に抽出することができる。
次いで、図4のステップ105においては、画像I上の抽出された楕円に基づいてその中心Cを算出する。そして、楕円を表す式から楕円の長軸および/または短軸を求め、この楕円の基準姿勢に対する位相角θ(基準姿勢に対する回転量)を算出する(図6を参照されたい)。また、長円が画像Iから抽出された場合には、長円の外形を表す幾何情報モデル(ビジョン制御部30に記憶されている)と画像Iとの正規化相関などの手法を用いて、長円の基準姿勢に対する位相角θ(基準姿勢に対する回転量)を算出してもよい。なお、基準姿勢とは、枝管12を母管11の周面に密着させられる姿勢のことであり、予め実験等により定められているものとする。その後、ステップ106において、楕円の中心Cおよび位相角θの情報をロボット制御部20に送信する。従って、以下の処理は、ロボット制御部20において再び行われるようになる。
図4のステップ107においては、ロボット29が、楕円の中心Cから定まる枝管12の中心線回りに枝管12を位相角θだけ回転して位置補正する。これにより、枝管12は基準姿勢に一致するようになる。次いで、ステップ108において、この位相角θを維持しつつ、ロボット29が枝管12をカメラ39から母管11の下方に移動させる。
そして、ロボット29は、枝管12を母管11の周面まで枝管12の中心線上に移動させる。これにより、枝管12の一端13は母管11の周面に密着して鞍形に配置されるようになる(図3(b)を参照されたい)。このような枝管12の母管11への配置は、作業者の熟練度によって変わることがない。従って、本発明においては、開先加工された枝管12を母管11の周面に正確かつ短時間で配置することが可能となる。
その後、ステップ109において、ロボット制御部20は溶接部18に溶接指令を出す。これにより、溶接部18は枝管12と母管11とが密着したラインに沿って溶接を行う。溶接ラインに沿った溶接作業自体は公知であるので、詳細な説明を省略する。
このように、本発明においては、カメラ39により撮像された枝管12の一端13の画像Iから楕円を抽出し、基準姿勢に対する楕円の位相角θに基づいて、枝管12を母管11の周面に配置し、溶接を行っている。つまり、本発明においては、角度調整を行った後で、枝管12を母管11の周面に配置している。このため、開先加工された枝管12を母管11の周面に正確に配置でき、また、作業者の熟練度に応じて枝管12の配置が異なることがない。従って、枝管12の溶接作業を短時間で且つ自動的に行うことが可能となっている。
なお、前述した実施形態においては周面に開口部を有さない母管11に枝管12を配置することを説明した。しかしながら、母管11に形成された開口部(直径が枝管12の外径と同じ)に枝管12を配置して溶接する場合にも、本発明を適用できるのは明らかであろう。また、枝管12の回転および移動は必ずしもロボット29が行う必要はなく、枝管12を回転および移動させられる他のデバイスを採用してもよい。さらに、母管11および枝管12が筒体である必要はなく、これらが円柱であってもよい。
10 溶接システム
11 母管
12 枝管
13 一端
13a 頂部
13b 底部
15 ロボット制御装置
18 溶接部
20 ロボット制御部
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 不揮発性RAM
25 軸制御機器
26 サーボ回路
27 DSP用データメモリ
28 デジタルシグナルプロセッサ
29 ロボット
29a ハンド機構部
30 ビジョン制御部
31 CPU
32 フレームメモリ
33 画像処理プロセッサ
34 データメモリ
35 プログラムメモリ
36 モニタインタフェース
37 カメラインタフェース
38 モニタ
39 カメラ(撮像部)
39a レンズ
40 視線

Claims (4)

  1. 一方の端面が開先加工された枝管を母管の周面に配置して溶接する溶接方法において、
    撮像部の視線を前記枝管と同軸にしつつ前記枝管の前記端面を撮像部により撮像し、
    前記撮像部により撮像された画像から前記枝管の前記端面を楕円として抽出し、
    抽出された前記楕円の中心と、予め定められた基準姿勢に対する前記中心回りの位相角とを算出し、
    算出された前記位相角に基づいて前記枝管を前記中心から定まる前記枝管の中心線回りに回転させ、
    回転された前記枝管の位相角を維持しつつ、前記枝管の前記端面が前記母管の周面に接触するまで前記枝管を移動させ、
    前記枝管の前記端面と前記母管とが接触したラインに沿って前記枝管を前記母管に溶接する溶接方法。
  2. 前記画像において、前記撮像部に対して近位に位置する前記端面の一部分が、前記撮像部に対して遠位に位置する前記端面の他の部分よりも相対的に大きいことを利用して、前記枝管の前記端面を楕円として抽出するようにした、請求項1に記載の溶接方法。
  3. 一方の端面が開先加工された枝管を母管の周面に配置する配置方法において、
    撮像部の視線を前記枝管と同軸にしつつ前記枝管の前記端面を撮像部により撮像し、
    前記撮像部により撮像された画像から前記枝管の前記端面を楕円として抽出し、
    抽出された前記楕円の中心と、予め定められた基準姿勢に対する前記中心回りの位相角とを算出し、
    算出された前記位相角に基づいて前記枝管を前記中心から定まる前記枝管の中心線回りに回転させ、
    回転された前記枝管の位相角を維持しつつ、前記枝管を移動させて前記枝管の前記端面を前記母管の周面に配置する、配置方法。
  4. 前記画像において、前記撮像部に対して近位に位置する前記端面の一部分が、前記撮像部に対して遠位に位置する前記端面の他の部分よりも相対的に大きいことを利用して、前記枝管の前記端面を楕円として抽出するようにした、請求項3に記載の配置方法。
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