JP2011014925A5 - - Google Patents

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組成物
本発明は電子デバイスにおける絶縁層とし化学蒸着(CVDにより製造される低誘電率材料の分野に関する。
エレクトロニクス産業は、回路の間の絶縁層、並びに集積回路(IC)及び関連するエレクトロニクスデバイスの構成部分として誘電材料を用いている。線寸法はマイクロエレクトロニクスデバイス(例えばコンピュータチップ)の速度及び記憶能力を増加させるために低減されている。マイクロチップの寸法が低減するにつれて、層間絶縁(interlayer dielectric)(ILD)に対する誘電要件は益々厳しくなっている。間隔の縮小は、RC時定数(time constant)(ここで、Rは導線の抵抗、Cは絶縁誘電中間層のキャパシタンスである)を最小にするために低誘電率を要求する。C(絶縁誘電中間層のキャパシタンス)は間隔に逆比例し、かつ層間絶縁膜(ILD)の誘電率(k)に比例する。SiH 又はTEOSSi(OCHCH、テトラエチルオルソシリケート}と から製造される従来のシリカ(SiO)CVD絶縁膜は、4.0より大きい誘電率を有する。比較的低い誘電率を持つシリカ系CVD膜を製造するために産業が試みてきたいくつかの方法がある。これらのうちで最もうまくいっているのは有機基で絶縁酸化ケイ素膜をドープすることであり、これは誘電率2.7〜3.5を与える。有機シリカガラスは、メチルシラン又はシロキサンのような有機ケイ素前駆体と、 又はOのような酸化体から緻密な膜(密度〜1.5g/cm)として堆積されるのが通常である。有機シリカガラスはここでは、OSG(OrganoSilica Glass)とよばれる。デバイス密度が大きくなり、かつ寸法が小さくなるにつれて、要求される誘電率、すなわち「k」値が2.7未満に低下してくると、産業緻密な膜のための大部分の適切な低誘電率(低k)組成物を研究し尽くし、そして誘電特性を向上させるために種々の多孔質材料を調べてきた。
CVD法によって得られる多孔質層間絶縁膜(ILDの領域において知られている特許及び出願は次のものを含む。
特許文献1及び2は、NOのような酸化体及び任意に過酸化物の存在下で、反応活性基を持つ有機ケイ素前駆体から有機シリカガラス(OSG膜を堆積し、ついで熱アニール処理で反応活性基を除去して多孔質有機シリカガラス(OSG膜を得る方法を記述している。
特許文献3及び4は、堆積有機シリカガラス(OSGから、酸化アニール処理で、本質的にすべての有機基を除去して多孔質無機SiOを得ることを教示してい
特許文献5は水素化された炭化ケイ素を堆積し、ついで酸化プラズマで処理して多孔質無機SiOを得ることを記述している。
特許文献6及び7、並びに非特許文献1はいずれも、有機ケイ素前駆体及び有機化合物から膜共堆積させ、そして続く熱アニール処理によって、多相有機シリカガラス(OSG/有機膜を与えることを教示している。ここでは、重合された有機成分の一部が保持されることを教示している。これらの文献において、膜の最終的な組成は残留ポロゲン及び高炭化水素膜含量(8090原子%)を示す。ここでは、最終的な膜が酸素原子の一部が有機基で置換されているSiO様ネットワークを保持している最終的な膜が好適であるとしている
上記のすべての文献の記載、ここで引用して本明細書の記載に含める
ヨーロッパ特許公開第1,119,035号公報 米国特許第6,171,945号公報 米国特許第6,054,206号公報 米国特許第6,238,751号公報 ヨーロッパ特許公開第1037275号公報 米国特許第6,312,793号公報 国際公開WO00/24050号公報
Grill,A.Patel,V.Appl.Phys.Lett.(2001)、79(6)、803〜805頁
本発明は、低い誘電率及び改良された機械的性質、熱的安定性及び化学的耐性を有する多孔質有機シリカガラス膜を提供することを目的とする。
本発明は、式Si(ここで、v+w+x+y+z=100%、vは10〜35原子%、wは10〜65原子%、xは5〜30原子%、yは10〜50原子%、及びzは0〜15原子%)で表わされる多孔質有機シリカガラス膜を提供する。ここで、この膜は細孔を持ち、かつ誘電率が2.6未満である。
本発明はさらに本発明の多孔質有機シリカガラス膜を製造するための化学蒸着方法を提供する。この方法は下記の工程を含む:
(a)真空チャンバ内に基体を用意すること;(b)オルガノシラン及びオルガノシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1つのケイ素系前駆体並びに少なくとも1つのケイ素系前駆体とは別個のポロゲンを含むガス状試薬を真空チャンバに導入すること;(c)真空チャンバ内のガス状試薬にエネルギーを加え、ガス状試薬の反応を生じさせて基体上に予備的な膜を堆積させること、ここでその予備的な膜はポロゲンを含み、そして予備的な膜は酸化体を添加しないで堆積される;並びに、(d)細孔を持ち、誘電率が2.6未満である多孔質膜を得るために、予備的な膜から実質的にすべてのポロゲンを除去すること。
発明はさらに、本発明の多孔質有機シリカガラス膜を製造するための他の化学蒸着方法を提供する。この方法は下記の工程を含む:
(a)真空チャンバ内に基体を用意すること;(b)オルガノシラン及びオルガノシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1つのケイ素系前駆体を含むガス状試薬を真空チャンバに導入すること、ここで、少なくとも1つのケイ素系前駆体はそれに結合したポロゲンを含む;(c)真空チャンバ内のガス状試薬にエネルギーを加え、ガス状試薬の反応を生じさせて基体上に予備的な膜を堆積させること、ここで、その予備的な膜は少なくとも1つのポロゲン、及びケイ素原子に結合された第1の量のメチル基を含む;並びに、(d)細孔を持ち、誘電率が2.6未満である多孔質膜を得るために、予備的な膜から実質的にすべてのポロゲンを除去すること、ここで、多孔質膜はケイ素原子に結合された第2の量のメチル基を含み、かつその第2の量は第1の量の50%より多い。
さらに本発明は、多孔質有機シリカガラス膜を製造するための新規なポロゲン化されたケイ素系前駆体を提供する。ここでこのポロゲン化されたケイ素系前駆体は、1,3,5,7−テトラメチルシクロ−テトラシロキサン、たとえばネオヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロ−テトラシロキサン及びトリメチルシリルエチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロ−テトラシロキサンを含む。
さらになお、本発明は本発明の膜を製造するための、ポロゲン及びケイ素系前駆体(ポロゲン化されたケイ素系前駆体、及び/又はポロゲン化されていないケイ素系前駆体を含有する新規な組成物を提供する。
本発明の膜の赤外スペクトルを示す。 本発明の膜の赤外スペクトルを示す。 本発明に細孔形成剤として用いられるα−テルピネン(ATPの赤外スペクトルを示す。 本発明の膜の熱重量分析を示す。
有機シリケートは、低誘電率(低k材料の候補であるが、これらの材料に多孔性を付与するためにポロゲンを添加しないと、その固有誘電率は2.7程度の低さに制限される。多孔性の付与(空隙空間は固有誘電率1.0を有する)は、通常、機械的特性を犠牲にして膜の全体誘電率を低下させる。低誘電率(低k)材料の特性は膜の化学組成及び構造に依存する。有機ケイ素前駆体の種類は膜構造及び組成に強い影響を有するので、所望の誘電率に到達するのに必要な量の細孔の付加が機械的に健全でない膜を生じないことを確実にするように、要求される膜特性を与えるケイ素系前駆体を使用することが有利である。このように、本発明は電気的及び機械的特性の望ましいバランスを有する多孔質有機シリカガラス(OSG膜を生じさせる手段を提供する。他の膜特性は電気的若しくは機械的特性をたどることが多い。
本発明の好適な態様は、他の多孔質有機シリカガラス材料に比べて低い誘電率改良された機械的性質、熱的安定性及び化学的耐性(酸素、水性酸化雰囲気等に対して)を有する薄膜材料を提供する。これは炭素(好ましくは主に有機炭素−CH(xは1〜3)の形態、より好ましくはCの大部分は−CHの形態)及び無機フッ素(例えばSi−F結合)の膜への導入の結果である。これによれば、特定のケイ素系前駆体若しくはネットワーク形成化学品が酸化体(酸化体として作用すると思われる限度までの任意の付加的/キャリアガスCO以外)のない雰囲気膜を堆積するのに使用される。さらに、膜中の水素の大部分は炭素に結合されていることが好ましい。
発明の好適な態様は、下記の成分を含む:(a)約10〜約35原子%、もっと好ましくは約20〜約30原子%のケイ素;(b)約10〜約65原子%、より好ましくは約20〜約45原子%の酸素;(c)約10〜約50原子%、より好ましくは約15〜約40原子%の水素;並びに(d)約5〜約30原子%、より好ましくは約5〜約20原子%の炭素。さらに、膜は1つ以上の材料特性を向上させるために、約0.1〜約15原子%、より好ましくは約0.5〜約7.0原子%のフッ素を含みうる。比較的少量の他元素も本発明の膜に存在しうる。
有機シリカガラス(OSG材料は、産業で伝統的に用いられている標準的な材料であるシリカガラスよりも誘電率が低いので、低誘電率(低k材料であると考えられている。本発明の低誘電率(低k)材料は堆積プロセスに細孔形成種すなわちポロゲンを添加し、堆積されたままの(すなわち予備的)有機シリカガラス(OSG膜にポロゲンを導入し、そして予備膜から実質的にすべてのポロゲンを除去する一方で、予備膜の末端Si−CH基を実質的に保持したまま生成物膜を得ることにより得ることができる。生成する膜は、多孔質有機シリカガラス(OSGであり、予備膜及びポロゲンなしに堆積された類似の膜と比べて減少した誘電率を有する。本発明の膜を多孔質の有機シリカガラス(OSGとして識別することが重要である。これに対して多孔質の無機SiOは、有機シリカガラス(OSGの有機基により付与される疎水性を欠く。
PE(プラズマ増強)−CVD TEOS(テトラエトキシシラン)で製造されるシリカは陽電子消滅寿命分光法(PALS)分析により測定される固有の自由体積(free volume)細孔径が球体相当径約0.6nmである。小角中性子散乱(SANS)若しくはPALSで測定される本発明膜の細孔径は球体相当径が好ましくは5nm未満、より好ましくは球体相当径が2.5nm未満である。
膜の全気孔率は5〜75%であり得、プロセス条件及び所望の最終膜特性に依存する。好ましくは、本発明の膜は2.0g/ccより小さい密度、1.5g/ccより小さい密度又は1.25g/ccより小さい密度を有する。好適には、本発明の膜はポロゲンなしに製造された類似の有機シリカガラス(OSG膜の密度と比較して、少なくとも10%小さい密度より好適には少なくとも20%小さい密度を有する。
膜の気孔率は膜全体にわたって一様である必要はない。ある態様において、気孔率の勾配及び/又は種々の気孔率の複数層がある。このような膜は、例えば堆積時にケイ素系前駆体に対するポロゲンの比を調節することにより得られうる。
本発明の膜は一般的な有機シリカガラス(OSG材料に比べて低い誘電率を有する。好ましくは、本発明の膜は、ポロゲンなしに製造された類似の有機シリカガラス(OSG膜の密度と比較して、少なくとも0.3小さい誘電率より好適には少なくとも0.5小さい誘電率を有する。好適には、本発明の多孔質膜のフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルは、ポロゲンがないこと以外は実質的に同一の方法により調製された対照膜の対照フーリエ変換赤外(FTIRと実質的に同一である。
好ましくは、本発明の膜は一般的な有機シリカガラス(OSG材料に比べて優れた機械的特性を有する。好適には、本発明の膜の基本有機シリカガラス(OSG構造(例えばポロゲンを添加していない膜)は、ナノ押込みで測定して、同一の誘電率を有する類似の有機シリカガラス(OSG膜より少なくとも10%大きい、より好適には少なくとも25%大きい、硬さ又は弾性率(モジュラスを有する。
本発明の膜は、低誘電率(低k膜を堆積するのに酸化体の使用を必要としない。ガス相に添加される酸化体(例えば、NO、オゾン、過酸化水素、NO、NO、N 又はそれらの混合物)の不存在は、膜におけるケイ素系前駆体のメチル基の保持を容易にする。ここでこの酸化体は、有機基を酸化しうる部分として定義される。これは望ましい特性、例えば低減誘電率及び疎水性の特性を付与するのに必要な最少量の炭素の配合を可能にする。同様に、これはシリカのネットワークを最大に保持し易く、優れた機械的特性、接着力、及び一般的なエッチング停止材料(例えば炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素)へのエッチング選択性を有する膜を付与する。これは本発明のが、伝統的な誘電絶縁体であるシリカに比較的類似する特徴を保持することによる
さらに、本発明の膜は無機フッ素の形態で(例えばSi−Fの形態で)フッ素を含有しうる。存在するとき、フッ素は0.5〜7原子%の量で含まれるのが好適である。
本発明の膜は熱的に安定であり、良好な化学品耐性を有する。特に、アニール処理後の好適な膜は中で425℃の等温下において、1.0wt%/hrより小さい平均減量を有する。さらに、好適には膜は空気中で425℃の等温下において、1.0wt%/hrより小さい平均減量を有する。
膜は種々の用途に適している。特に膜は半導体基体上の堆積に適しており、そして例えば絶縁層、層間絶縁膜及び/又は金属間絶縁膜としての使用に特に適する。膜は適合した被覆を形成しうる。これらの膜により示される機械的性質は、Alサブストラクティブ(subtractive)法、及びCuダマシン(damascene)法又はデュアルダマシン法における使用にそれらを特に適合させる。
膜は化学的機械平坦化及び異方性エッチングに適合し、そしてシリコン、SiO、Si有機シリカガラス(OSG、FSG(フッ素化シリカガラス)、炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、水素化炭窒化ケイ素、窒化ホウ素、水素化窒化ホウ素、反射防止被覆、フォトレジスト、有機ポリマー、多孔質有機及び無機材料、銅及びアルミニウムのような金属、並びにTiN、Ti(C)N、TaN、Ta(C)N、Ta、W、WN若しくはW(C)Nのような(これらに限定されない)拡散バリア層のような種々の材料に接着しうる。膜は、ASTM D3359−95aテープ引張り試験のような従来の引張り試験に合格するのに充分に、少なくとも1つの前述の材料接着しうるのが好適である。試料は膜の識別しうる除去がなければ合格したと判断される。
本発明は膜を供給するのに特に好適であり、そして本発明の生成物はここでは主として膜として説明されているが、本発明はそれに限定されない。
本発明は膜を供給するのに特に適し、そして本発明の生成物は膜としてここで主として説明されるが、本発明はこれらに限定されない。本発明の生成物はCVDにより堆積され得るいかなる形態でも供給され得、例えば被覆、多層集合体、並びに必ずしも平面若しくは薄くなくてもよい、他の種類の対象物であり得、さらには集積回路に必ずしも使用されない多数の対象物でありうる。好適には、基体は半導体である。
本発明の有機シリカガラス(OSG生成物に加えて、本発明は生成物が製造される方法、その生成物を使用する方法、並びにその生成物を製造するのに有用な化合物及び組成物を含む。
分子の単一種が構造形成物及びポロゲンの両方として機能することも本発明の範囲内である。すなわち、構造形成用ケイ素系前駆体及び細孔形成前駆体は必ずしも異なる分子でなくてもよく、ある態様においてはポロゲンは構造形成用ケイ素系前駆体の部(例えば共有結合的に結合されている)である。それらに結合されているポロゲンを含有するケイ素系前駆体はここでは以後、「ポロゲン化されたケイ素系前駆体」(porogenated silicon−based precursors)と呼ばれることがある。例えば、ネオヘキシルテトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)を単一種として使用することは可能であり、それにより分子のテトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS部分は基本有機シリカガラス(OSG構造を形成し、かさばったアルキル置喚基であるネオヘキシルは細孔形成種であり、アニール処理プロセスの際に除去される。
有機シリカガラス(OSG構造にネットワークを形成するSi種に結合されたポロゲンを有することは、堆積時に膜への比較的高いポロゲン配合を達成するのに有利であり得る。さらに、ケイ素系前駆体1つのSiに結合した2つのポロゲン(例えばジ−ネオへキシル−ジエトキシシラン)、又は1つのポロゲンに結合した2つのSi(例えば1,4−ビス(ジエトキシシリル)シクロへキサン)を有することも、堆積時にプラズマ中で最も壊れ易い結合はSi−ポロゲン結合であるので、有利である。この様式では、プラズマ中での1つのSi−ポロゲン結合の反応は堆積膜におけるポロゲンの配合をなお生じさせる。
好適なポロゲン化されたケイ素系前駆体のさらなる非制限的な例は、1−ネオへキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−ネオペンチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ネオペンチルジエトキシシラン、ネオヘキシルジエトキシシラン、ネオヘキシルトリエトキシシラン、ネオペンチルトリエトキシシラン及びネオペンチル−ジ−t−ブトキシシランを含む。
単一若しくは複数のポロゲンがケイ素に結合している材料のある態様では、膜が硬化して細孔を形成するときポロゲンの一部がケイ素に結合したままで膜に疎水性を付与するようにポロゲンを設計するのが有利である。Si−ロゲン結合を含むケイ素系前駆体におけるポロゲンは、分解若しくは硬化が−CHのようなポロゲンからの末端化学基をSiに結合したまま残すようにして選ばれ得る。例えば、ポロゲンとしてネオペンチルが選ばれると、適切な条件下での熱アニール処理Siに対してβ位であるC−C結合での結合切断を生じさせる。この結合Siに隣接する2級炭素とt−ブチル基の4級炭素の間の結合であり、熱力学的に切断するのに最も有利な結合である。適切な条件下で、これはSiを満たすために末端−CH基を残し、また膜に疎水性及び低誘電率を与える。ケイ素系前駆体の例は、ネオペンチルトリエトキシシラン、ネオペンチルジエトキシシラン及びネオペンチルジエトキシメチルシランである。
堆積された膜におけるポロゲンは反応チャンバに導入されたポロゲンと同一の形態であっても、そうでなくてもよい。同様に、ポロゲン除去プロセスは膜からポロゲン若しくはその断片を遊離させうる。本質的に、ポロゲン試薬(又はケイ素系前駆体に結合されたポロゲン置換基)、予備膜におけるポロゲン及び除去されるポロゲンは同一種であってもなくてもよいが、それらはすべてポロゲン試薬(又はポロゲン置換基)に由来するのが好ましい。本発明の方法にわたってポロゲンが変化しないか否かにかかわらず、ここで使用される「ポロゲン」(porogen)という用語は細孔形成試薬(又は細孔形成置換基)及びその誘導体(本発明の全プロセスにわたって見出されるいかなる形態であっても)を包含するように意図される。
他の本発明の態様は新規なオルガノシラン及びオルガノシロキサンである。ネオへキシル−テトラメチルシクロテトラシロキサン(ネオヘキシル−TMCTS及びトリメチルシリルエチル−テトラメチルシクロテトラシロキサン(トリメチルシリルエチル−TMCTSのような低誘電率ケイ素系前駆体として使用するために合成された新規なポロゲン含有材料(すなわちポロゲン化された材料)は、さらに他の領域で潜在的な用途を有しうる。本発明の新規なオルガノシランは、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、又はジエトキシメチルシランを用いたオレフィン前駆体のヒドロシリル化反応により容易に調製され得る。例えば、クロロ白金酸触媒の存在下において、等モルの蒸留3,3−ジメチルブテンにジエトキシメチルシラン、又はテトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTSを滴下添加すると、ネオへキシル置換シランであるネオへキシルジエトキシメチルシラン及びネオへキシルテトラメチルシクロテトラシロキサンが高収率で得られる。
「ガス状試薬」という用語は試薬を説明するのにここで用いられることがあるが、その用語は、反応器にガスとして、直接に供給される試薬、気化した液体、昇華した固体として供給される試薬かつ/又は反応器に不活性キャリアガスにより輸送され試薬を包含する。
さらに、試薬は、別個の供給源から別々に、又は混合物として、反応器に供給されうる。試薬はいかなる数の手段によっても、好ましくはプロセス反応器に液体の配給を可能にする適切なバルブ及び継ぎ手を備えた加圧しうるステンレス鋼容器を用いて、反応系に送られうる。
ある態様において、異なるオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサンの混合物は一緒に用いられる。さらに、多数の異なるポロゲンの組合わせの使用、並びにオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサンを、結合したポロゲンを持つオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン種と組合わせて使用することも、本発明の範囲内である。このような態様は最終生成物のSiに対する細孔の比を調節するのを容易にし、及び/又は基本有機シリカガラス(OSG構造の1つ以上の重要な特性を向上させる。
例えばジエトキシメチルシラン(DEMS及びポロゲンを用いる堆積では、膜の機械的特性を改良するためにテトラエトキシシラン(TEOS)のような付加的な有機ケイ素を使用しうる。同様な例は有機ケイ素であるネオへキシル−ジエトキシメチルシランを用いる反応に添加されるジエトキシメチルシラン(DEMSの使用であり得る。ここではネオへキシル基はポロゲンとしてケイ素系前駆体官能基に結合している。さらなる例はジ−t−ブトキシメチルシラン及びポロゲンを用いる反応へのジ−t−ブトキシ−ジアセトキシシランの添加である。ある態様において、2以下のSi−O結合を持つ第1の有機ケイ素前駆体と3以上のSi−O結合を持つ第2の有機ケイ素前駆体の混合物は本発明の膜の化学組成を適合させるのに与えられる。
構造形成種及び細孔形成種に加えて、堆積反応前に、堆積反応中に、及び/又は堆積反応後に、付加的材料が真空チャンバに装入されうる。このような材料は、例えば不活性ガス(例えば、HeAr KrXe等であり、比較的揮発性の小さいケイ素系前駆体のためのキャリアガスとして使用され得、かつ/又は堆積されたままの材料の硬化を促進し、より安定な最終的な膜を与えうる)、並びにガス若しくは液体の有機物質、NH CO若しくはCOのような反応性物質を含む。COは好適なキャリアガスである。
エネルギーはガスを反応させ、基体上に膜を形成させるためにガス状試薬に加えられる。このようなエネルギーは、例えば熱、プラズマ、パルスプラズマ、へリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合(inductively coupled)プラズマ、及び遠隔プラズマ法により供給されうる。2次的な高周波周波数源は基体表面でプラズマ特性を変性するために用いられうる。好適には、膜はプラズマ増強化学的蒸着で形成される。13.56MHzの周波数で、容量結合型(capacitively coupled)プラズマを発生させるのが特に好適である。プラズマの出力は基体の表面積にもとづいて、好ましくは0.02〜7W/cmより好ましくは0.3〜3W/cmである。プラズマの電子温度を低くするために低イオン化エネルギーを有し、有機シリカガラス(OSG前駆体及びポロゲンにおける切断(fragmentation)を少なくさせるキャリアガスを使用するのが有利である。低イオン化エネルギーを有する種類の例は、CO、NH、CO、CH、ArXeKrである。
ガス状試薬のそれぞれの流速は単一の200mmウェハに関し、好ましくは10〜5000sccm,より好ましくは30〜1000sccmである。個々の流速は膜中に所望の量の構造形成剤及び細孔形成剤を与えるように選択される。必要とされる実際の流速はウェハの大きさ及びチャンバの形態に依存し得、200mmウェハ又は単一のウェハチャンバに決して限定されない。
少なくとも50nm/分の堆積速度で膜を堆積するのが好適である。堆積時の真空チャンバの圧力は、好ましくは0.01〜600torr、より好ましくは1〜15torrである。
膜は0.002〜10μmの厚さに堆積されるのが好適であるが、厚さは必要に応じて変動されうる。非パターン表面に堆積されるブランケット膜は、優れた均一性を有し、合理的に周辺部を除外したときに、基体にわたる1標準偏差に対して2%より少ない厚さ変動を有する。ここでは、例えば、基体の5mmの最外周辺は均一の統計的な計算には含まれない。
膜の気孔率は嵩密度が減少するにつれて増加して、対応して減少して材料の誘電率をさらに低減させ、そして次世代(例えば2.0未満の誘電率(k))へのこの材料の適用性も拡げる。
ニール処理された多孔質有機シリカガラス(OSGポロゲンを添加しなかった類似の多孔質有機シリカガラス(OSG)との間で、統計的に意味のある原子組成の差が測定されなければ、実質的にすべてのポロゲンの除去が達成されたとみなされる。組成についての分析法X線光電子分光法(XPS)、ラザフォード後方散乱分光法/水素前方散乱分光法(RBS/HFS)の固有測定誤差及びプロセス変動性の両方はデータの範囲に寄与するX線光電子分光法(XPSについて固有測定誤差は約±2原子%であるが、ラザフォード後方散乱分光法/水素前方散乱分光法(RBS/HFSについての固有測定誤差、より大きいと予測され、種に依存して約±2〜5原子%に及ぶ。プロセス変動性はデータの最終範囲に対して更に±2原子%の寄与となる。
次に、別個のポロゲンと共に使用するのに適切なケイ素(Si系前駆体の非制限的な例を示す。次の化学式及び本明細書におけるすべての化学式において、「独立」という用語は、対象となるR基が異なる肩文字を持つのR基に関して独立選ばれるばかりでなく、同一のR基の付加的種に関して独立選ばれることを示すと理解されるべきである。例えば、式R (OR4−nSiにおいて、nが2又は3であるとき、2又は3のR基は互いに同一、又はと同一である必要はない。
(OR −nSi
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3でありうる。
例:ジエトキシメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン
(OR3−nSi−O−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,3−ジメチル−1,3−ジエトキシジシロキサン
(OR3−nSi−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジメチル−1,1,2,2,−テトラエトキシジシラン
(O(O)CR4−nSi
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにnは1〜3である。
例:ジメチルジアセトキシシラン
(O(O)CR3−nSi−O−SiR (O(O)CR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRはは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにtは1〜3でありうる。
例:1,3−ジメチル−1,3−ジアセトキシシロキサン
(O(O)CR3−nSi−SiR (O(O)CR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジメチル−1,1,2,2,−テトラアセトキシジシラン
(O(O)CR3−nSi−O−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,3−ジメチル−1−アセトキシ−3−エトキシジシロキサン
(OR3−nSi−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジメチル−1−アセトキシ−2−エトキシジシラン
(OR(O(O)R4−(n+p)Si
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは1〜3でありうる。
例:メチルアセトキシ−t−ブトキシシラン
(OR(O(O)CR3−n−pSi−O−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;mは1〜3;pは1〜3;並びにqは1〜3でありうる。
例:1,3−ジメチル−1,3−ジアセトキシ−1,3−ジエトキシジシロキサン
(OR(O(O)CR3−n−pSi−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;mは1〜3;pは1〜3;並びにqは1〜3でありうる。
例:1,2−ジメチル−1,2−ジアセトキシ−1,2−ジエトキシジシラン
式(OSiRの環状シロキサン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;
例:1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン
上述のすべてのケイ素系前駆体群には次の条件がある:1)反応雰囲気本質的に非酸化性かつ/又は反応混合物に添加された酸化体を含まないこと(酸化体とみなされない程度の任意のCO を除く)、2)ポロゲンは反応混合物に添加されること、及び3)硬化(例えばアニール処理)段階は、2.6未満の誘電率(k)を得るために堆積膜から実質的にすべての含有ポロゲンを除去するのに使用され得ること
上述のケイ素系前駆体はポロゲンと混合され得、又は結合したポロゲンを有し得る。また、上述のケイ素系前駆体は、これらの群の他の分子と混合され得かつ/又はn及び/又はmが0〜3の場合を除いて同一のの分子(下記の例を参照)と混合され得る。
例:テトラエチルオルソシリケート(TEOS)、トリエトキシシラン、ジ−t−ブトキシシラン、シラン、ジシラン、ジ−t−ブトキシジアセトキシシラン等
次は、別個のポロゲンを使用するのに適切なあ種のケイ素(Si系前駆体を示す追加の式である:
(a)式R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは0〜3である;
(b)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−O−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
(c)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
(d)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−R−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R、R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
(e)式(R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si)CH4−t
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは2〜4(ただし、n+p≦4)である;
(f)式(R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si)NH3−t
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは1〜3(ただし、n+p≦4)である;
(g)式(OSiRの環状シロキサン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;
(h)式(NRSiRの環状シラザン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;又は
(i)式(CRSiRの環状カルボシラン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である。
ケイ素系前駆体及びポロゲン化ケイ素系前駆体としてシロキサン及びジシロキサンについて明細書にわたって言及されているが、本発明はそれらに限定されないこと、そしてトリシロキサン及びより大きい長さの線状シロキサンのような他のシロキサンも本発明の範囲内であることが理解されるべきである。
次は、ポロゲン化されたケイ素(Si)系前駆体の非制限的な例であり、ポロゲン材料はR、R及びRの1つ以上である:
(OR3−nSi
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3でありうる。
例:ジエトキシ−ネオ−ヘキシルシラン
(OR3−nSi−O−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,3−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシロキサン
(OR3−nSi−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン
(OR3−nSi―R―SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;2つのSi原子の架橋;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,4−ビス(ジメトキシシリル)シクロへキサン
(OR3−nSi−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン
(O(O)CR4−nSi
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにnは1〜3でありうる。
例:ジアセトキ−ネオ−ヘキシルシラン
(O(O)CR3−nSi−O−SiR (O(O)CR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRはは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,3−ジアセトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシロキサン
(O(O)CR3−nSi−SiR (O(O)CR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジアセトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン
(O(O)CR3−nSi−O−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1−アセトキシ−3,3−ジ−t−ブトキシ−1−ネオヘキシルジシロキサン
(O(O)CR3−nSi−SiR (OR3−m
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1−アセトキシ−2,2−ジ−t−ブトキシ−1−ネオヘキシルジシラン
(OR(O(O)CR4−(n+p)Si
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは1〜3でありうる。
例:アセトキシ−t−ブトキシ−ネオ−ヘキシルシラン
(OR(O(O)CR3−n−pSi−O−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;mは1〜3;pは1〜3;並びにqは1〜3でありうる。
例:1,3−ジアセトキシ−1,3−ジ−t−ブトキシ−1−ネオへキシルジシロキサン
(OR(O(O)CR3−n−pSi−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;mは1〜3;pは1〜3;並びにqは1〜3でありうる。
例:1,2−ジアセトキシ−1,2−ジ−t−1−ブトキシ−1−ネオへキシルジシラン
(OSiRの環状シロキサン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;
例:1−ネオへキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
上述のすべてのケイ素系前駆体群には次の条件がある:1)反応雰囲気本質的に非酸化性かつ/又は反応混合物に添加された酸化体を含まないこと(酸化体とみなされない程度の任意のCOの任意を除く)、2)R、R及びRの少なくとも1つは以上の炭化水素を有し、細孔形成剤として作用するのが好ましいこと、及び3)硬化(例えばアニール処理)段階は、2.6未満の誘電率(k)を得るために堆積膜から実質的にすべての含有ポロゲンを除去するのに使用され得ること
上述のケイ素系前駆体は、同のこの群の他の分子と混合され得かつ/又はn及び/又はmが0〜3の場合を除いて同一のこの群の分子と混合され得る。
あるいは、適切なポロゲン化ケイ素(Si)系前駆体の非制限的な例は次の式で示される:
(a)式R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは0〜3であり;ただし、Rの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(b)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−O−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R、R、R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(c)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R、R、R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(d)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−R−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R、R、R、R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、かつ、R及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(e)式(R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si)CH4−t
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは2〜4;ただし、n+p≦4であり、かつの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(f)式(R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si)NH3−t
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは1〜3;ただし、n+p≦であり、かつの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(g)式(OSiRの環状シロキサン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり、かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(h)式(NRSiRの環状シラザン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり;かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;又は、
(i)式(CRSiRの環状カルボシラン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり;かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている。
次は本発明のポロゲンとして使用するのに適切な材料の非制限的な例である:
(1)一般式C2nを持つ環状炭化水素
ここでnは4〜14、環状構造の炭素数は4〜10であり、そして環状構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を含んでいてもよい。例は、シクロへキサン、トリメチルシクロヘキサン、1−メチル−4(1−メチルエチル)シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロオクタン等を含む。
(2)一般式C(2n+2)−2yの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の炭化水
こでnは2〜20及びy=0−nである。例は、エチレン、プロピレン、アセチレン、ネオへキサンを含む。
(3)一般式C2n−2xを持つ、単不飽和若しくは複不飽和の環状炭化水
ここでxは分子の不飽和部位の数、nは4〜14、環状構造の炭素数は4〜10であり、そして単不飽和若しくは複不飽和の環状炭化水素は環状構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を有していてもよい。不飽和は環内に位置していても、又は環構造への炭化水素置換基の1つに位置していてもよい。例は、シクロへキセン、ビニルシクロへキセン、ジメチルシクロへキセン、t−ブチルシクロへキセン、α−テルピネン、ピネン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン等を含む。
(4)一般式C2n−2を持つ2環状炭化水
ここでnは4〜14、2環構造の炭素数は4〜12であり、そして2環構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を有していてもよい。例は、ノルボルナン、スピロノナン、デカヒドロナフタレン等を含む。
(5)一般式C2n−(2+2x)を持つ複不飽和の2環状炭化水
ここでxは分子の不飽和部位の数、nは4〜14、2環構造の炭素数は4〜12であり、2環構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を有していてもよい。不飽和は環内に位置していても、又は環構造への炭化水素置換基の1つに位置していてもよい。例は、カンフェン、ノルボルネン、ノルボルナジエンを含む。
(6)一般式C2n−4を持つ3環状炭化水
ここでnは4〜14、3環構造の炭素数は4〜12であり、そして3環構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を有していてもよい。例はアダマンタンを含む。
さらに本発明は本発明の方法を実施するための組成物を提供する。本発明の組成物は好適には次の成分(A)、又は成分(B)(1)及び成分(B)(2)を含む:
(A)次式で表わされる少なくとも1つのポロゲン化されたケイ素系前駆体:
(1)式R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは0〜3であり;ただし、n+p≦4であり、かつの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(2)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−O−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R、R、R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3m+q≦3であり、かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(3)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R、R、R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(4)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−R−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R、R、R、R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、かつ、R及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(5)式(R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si)CH4−t
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは2〜4;ただし、n+p≦4であり、かつの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(6)式(R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si)NH3−t
ここで、Rは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは1〜3;ただし、n+p≦であり、かつの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(7)式(OSiRの環状シロキサン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり、かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;
(8)式(NRSiRの環状シラザン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり;かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;又は、
(9)式(CRSiRの環状カルボシラン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜C12の直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり;かつ及びRの少なくとも1つはポロゲンとして以上の炭化水素で置換されている;又は、
(B)(1)次式からなる群より選ばれる少なくとも1つのケイ素系前駆体:
(a)式R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは0〜3である;
(b)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−O−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
(c)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
(d)式R (OR(O(O)CR3−n−pSi−R−SiR (O(O)CR(OR3−m−q
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R、R及びRは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
(e)式(R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si)CH4−t
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは2〜4(ただし、n+p≦4)である;
(f)式(R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si)NH3−t
ここで、Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;Rは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和された、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは1〜3(ただし、n+p≦4)である;
(g)式(OSiRの環状シロキサン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;
(h)式(NRSiRの環状シラザン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;又は
(i)式(CRSiRの環状カルボシラン
ここで、R及びRは独立に、水素又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;並びに、
(B)(2)少なくとも1つのケイ素系前駆体とは別個であり、かつ少なくとも次の1つであるポロゲン
(a)環状構造及び式C2n 少なくとも1つの環状炭化水
ここでnは4〜14、環状構造の炭素数は4〜10であり、そして少なくとも1つの環状炭化水素は環状構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を含んでいてもよい;
(b)一般式C(2n+2)−2yの少なくとも1つの直鎖若しくは分枝の、飽和、不飽和若しくは複不飽和の炭化水
ここでnは2〜20及びy=0−nである;
(c)環状構造及び式C2n−2x 少なくとも1つの、単不飽和若しくは複不飽和の環状炭化水
ここでxは不飽和部位の数、nは4〜14、環状構造の炭素数は4〜10であり、そして少なくとも1つの単不飽和若しくは複不飽和の環状炭化水素は環状構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を有していてもよく、さらに環内不飽和若しくはその炭化水素置換基の1つに不飽和を有していてもよい;
(d)2環構造及び式C2n−2 少なくとも1つの2環状炭化水素
ここでnは4〜14、2環構造の炭素数は4〜12であり、そして少なくとも1つの2環状炭化水素は2環構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を含んでいてもよい;
(e)2環構造及び式C2n−(2+2x) 少なくとも1つの複不飽和の2環状炭化水素
ここでxは不飽和部位の数、nは4〜14、2環構造の炭素数は4〜12であり、そして少なくとも1つの複不飽和の2環状炭化水素は2環構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を有していてもよく、さらに環内不飽和若しくはその炭化水素置換基の1つに不飽和を有していてもよい;並びに、
(f)3環構造及び式C2n−4 少なくとも1つの3環状炭化水素
ここでnは4〜14、3環構造の炭素数は4〜12であり、そして少なくとも1つの3環状炭化水素は3環構造に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を含んでいてもよい。
ポロゲン化されたケイ素系前駆体を含む組成物のある態様において、好ましくは組成物はネオへキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトリメチルシリルエチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1つのポロゲン化されたケイ素系前駆体を含む。
ポロゲン化されていないケイ素系前駆体を含む組成物のある態様において、好ましくは組成物は下記の(a)及び/又は(b)含有している
(a)(i)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジイソプロポキシキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びテトラエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1つのケイ素系前駆体並びに(ii)少なくとも1つのケイ素系前駆体とは別個のポロゲンであってα−テルピネン、リモネン、シクロへキサン、1,2,4−トリメチルシクロへキサン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、カンフェン、アダマンタン、1,3−ブタジエン、置換ジエン及びデカヒドロナフタレンからなる群より選ばれる少なくとも1つであるポロゲン。
(b)(i)トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシシラン、メチルエトキシジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルジアセトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシシリル)メタン、テトラエトキシシラン及びトリエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1つのケイ素系前駆体,並びに(ii)少なくとも1つのケイ素系前駆体とは別個のポロゲンであってα−テルピネン、ガンマ−テルピネン、リモネン、ジメチルヘキサジエン、エチルベンゼン、デカヒドロナフタレン、2−カレン、3−カレン、ビニルシクロへキセン及びジメチルシクロオクタジエンからなる群より選ばれる1つであるポロゲン
本発明の組成物は例えば、適切なバルブ及び継ぎ手を備えた少なくとも1つの加圧可能容器(好ましくはステンレス鋼製)に入っており、プロセス反応器にポロゲン、非ポロゲン化ケイ素系前駆体及び/又はポロゲン化ケイ素系前駆体を供給するのを可能にする。容器の中身は予め混合され得る。あるいは、ポロゲン及びケイ素系前駆体は別個の容器に、若しくは貯蔵時にポロゲン及びケイ素系前駆体を別個に保持する手段を持つ単一容器に、保持されうる。所望の場合、このような容器もポロゲン及びケイ素系前駆体を混合する手段を有しうる。
ポロゲンは硬化段階により予備的な膜(すなわち堆積されたままの膜)から除去されるが、それは熱アニール処理、化学処理、その場の若しくは遠隔のプラズマ処理、光硬化及び/又はマイクロ波を含みうる。他のその場若しくは後堆積処理が硬さ、安定性(収縮、空気にさらすこと、エッチング、湿式エッチング等に対して)、一体性(integrability)、均一性及び接着力のような材料特性を向上させるために使用され得る。このような処理はポロゲン除去の前に、ポロゲン除去の間に、及び/又はポロゲン除去の後に、ポロゲン除去に使用される手段と同一若しくは異なる手段を使用して膜に適用されうるこのように、ここで用いられる「後処理」(post−treating)という用語は、エネルギー(例えば、熱、プラズマ、光子、電子、マイクロ波等)又は化学物質で膜を処理してポロゲンを除去し、そして任意に材料特性を向上させることを示す。後処理が実施される条件は大きく変動しうる。例えば、後処理は高圧下又は真空下に実施されうる。
アニール処理は次の条件下で実施される。雰囲気は不活性(例えば、窒素、CO、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化例えば、酸素、空気、希釈酸素雰囲気、富化酸素雰囲気、オゾン、亜酸化窒素又は還元(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族))でありうる。圧力は、好ましくは約1Torr〜約1000Torr、より好ましくは大気圧である。しかし、真空雰囲気も熱アニール処理並びに他の後処理手段のために可能である。温度は好ましくは200〜500℃、そして温度勾配は0.1〜100℃/分である。合計アニール処理時間は好ましくは0.01分〜12時間である。有機シリカガラス(OSG膜の化学処理は次の条件下で実施される。フッ素化(HF、SIF、NF、F、COF、CO )、酸化(H、O )、化学乾燥、メチル化、又は最終材料の特性を向上させる他の化学処理が使用されうる。このような処理に使用される化学物質固体、液体、ガス状、及び/又は超臨界流体状態でありうる。
有機シリケート膜からポロゲンを選択的に除去するための超臨界流体後処理は次の条件下に実施される。流体は二酸化炭素、水、亜酸化窒素、エチレン、SF、及び/又は他の種類の化学物質でありうる。他の化学物質は、不活性(例えば、窒素、CO、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化例えば、酸素、オゾン、亜酸化窒素)又は還元(希釈若しくは濃縮された炭化水素、水素)でありうる。温度は好ましくは大気〜500℃である。さらに、化学物質界面活性剤のような比較的大きい化学種を含みうる。合計曝露時間は好ましくは0.01分〜12時間である。
有機シリカガラス(OSG膜の反応活性基の選択的除去及び可能な化学修飾のためのプラズマ処理は次の条件下で実施される。雰囲気は、不活性(例えば、窒素、CO、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化例えば、酸素、空気、希釈酸素雰囲気、富化酸素雰囲気、オゾン、亜酸化窒素)、又は還元(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族))でありうる。プラズマ出力は好ましくは0〜5000Wである。温度は好ましくは大気〜500℃である。圧力は、好ましくは約10morr〜大気圧である。合計硬化時間は好ましくは0.01分〜12時間である。
有機シリケート膜からのポロゲンの選択的除去のための光硬化は次の条件下で実施される。雰囲気は、不活性(例えば、窒素、CO、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化例えば、酸素、空気、希釈酸素雰囲気、富化酸素雰囲気、オゾン、亜酸化窒素)、又は還元(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族))でありうる。温度は好ましくは大気〜500℃である。出力は好ましくは0〜5000Wである。波長は好ましくは赤外(IR、可視、紫外(UV、若しくは深紫外(深UV(200nm未満の波長)である。合計硬化時間は好ましくは0.01分〜12時間である。
有機シリケート膜からのポロゲンの選択的除去のためのマイクロ波後処理は次の条件下で実施される。雰囲気は、不活性(例えば、窒素、CO、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化例えば、酸素、空気、希釈酸素雰囲気、富化酸素雰囲気、オゾン、亜酸化窒素)、又は還元(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族))でありうる。温度は好ましくは大気〜500℃である。出力及び波長は特定の結合に応じて変動し、適合されうる。合計硬化時間は好ましくは0.01分〜12時間である。
有機シリケート膜からのポロゲン若しくは特定の化学種の選択的除去及び/又は膜特性の改良のための電子線後処理は、次の条件下で実施される。雰囲気は、不活性(例えば、窒素、CO、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化例えば、酸素、空気、希釈酸素雰囲気、富化酸素雰囲気、オゾン、亜酸化窒素)、又は還元(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族))でありうる。温度は好ましくは大気〜500℃である。合計硬化時間は好ましくは0.01分〜12時間であり、連続的又は脈動的であってもよい。
電子線の一般的な使用についての付加的ガイダンスは、例えば下記の刊行物が利用できる:S.Chattopadhyay らのJournal of Materials Science,36(2001)4323−4330; G.KlosterらのProceedings of IITC, June 3−5,2002,SF,CA;米国特許第6,207,555;6,204,201B1;及び米国特許第6,132,814。電子線処理の使用は、マトリックスでの結合形成プロセスにより、ポロゲン除去及び膜の機械的特性の向上を与えうる。
本発明は次の例に関してさらに詳細に説明されるが、本発明はそれらに限定されるものではないことが理解されるべきである。
すべての実験は、非ドープTEOSプロセスキットを用いて、Advance Energy 2000高周波発生器を固定した200mmDxZ チャンバ内でApplied Materials Precision−5000システムにより実施された。その処方は次の基礎段階を含んでいた:ガス流、堆積、及びウェハ除去に先行するチャンバのパージ/真空排気についての初期セットアップ及び安定化。膜は管炉内において、425℃で4時間、N下にアニール処理された。
厚さ及び屈折率は、SCI Filmtek 2000 Reflectometerで測定された。誘電率は低比抵抗のP型ウェハ(0.02Ω−cm未満)についてHgプローブ法を用いて測定された。機械的特性はMTS Nano Indenterを用いて測定された。熱安定性及びオフガス生成物はThermo TA Instruments 2050 TGAを用いた熱重量分析により測定された。組成データはPhysical Electronics 5000LSを用いたX線光電子分光法(XPS)により得られた。表に示されている原子%は水素を含まない。
3つの経路が有機シリカガラス(OSG膜に細孔を導入するのに選ばれた。2.6未満の誘電率(k)を有する低誘電率(低k膜を製造するために検討された第1の経路は、プラズマ増強化学蒸着(CVD)により、有機シリカガラス(OSGとともにポロゲンとして熱的に反応活性な有機オリゴマーを共堆積させ、ついで熱アニール処理段階において、このオリゴマーを除去した。
〈例1A〉
α−テルピネン(ATP)が、酸化体のない雰囲気でPECVDによりシリコンウェハ上にジエトキシメチルシラン(DEMS)とともに共堆積された。プロセス条件は、ジエトキシメチルシラン(DEMS中の39.4vol%α−テルピネン(ATP混合物の流れが700mg/分(mgm)であった。500sccmのCOのキャリアガス流が化学物質を堆積チャンバに随伴するのに用いられた。さらなるプロセス条件は次のとおりであった:チャンバ圧力5Torr;ウェハチャック温度150℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.26インチ(約0.6cm);及びプラズマ出力300W、180秒。
堆積されたままの膜は厚さ650nm及び誘電率2.8であった。膜は窒素下に4時間、425℃でアニール処理された。X線光電子分光法(XPSで確認されたように、配合されたα−テルピネン(ATP)は実質的にすべて除去された。図1はアニール処理前(淡色実線)及び後(濃色実線)の膜の赤外スペクトルを示すが、ポロゲンの消失がみられる。アニール処理された膜は厚さ492nm及び誘電率2.4であった(表2下部参照)。図4は膜の熱重量分析を示し、熱処理時の減量が示されている。
〈例1B〉
α−テルピネン(ATPが、酸化体のない雰囲気でPECVDによりシリコンウェハ上に、ジエトキシメチルシラン(DEMSとともに共堆積された。プロセス条件は、ジエトキシメチルシラン(DEMS中の70vol%α−テルピネン(ATP混合物の流れが1300mg/分(mgm)であった。500sccmのCOのキャリアガス流が、これらの化学物質を堆積チャンバに随伴するのに用いられた。さらなるプロセス条件は次のとおりであった:チャンバ圧力8Torr;ウェハチャック温度200℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.30インチ(約0.8cm);及びプラズマ出力600W、120秒。
堆積されたままの膜は厚さ414nm及び誘電率2.59であった。膜は窒素下に4時間、425℃でアニール処理され、配合されたα−テルピネン(ATPを実質的にすべて除去した。アニール処理された膜は厚さ349nm及び誘電率2.14であった(表2下部参照)。
〈例1C〉
膜は、アニール処理が400℃の低下した温度で実施された以外は実質的に例1Aに従って製造され、そしてアニール処理された。得られた膜の赤外スペクトルが波数を含んで図2に示されている。ポロゲンであるα−テルピネン(ATPの赤外スペクトルが比較のために図3に示されている。
〈例1D(比較)〉
膜が、ポロゲンを使用しなかったこと以外は実質的に例1Aに従って製造され、そしてアニール処理された。膜は誘電率2.8であり、例1Aのアニール処理された膜と実質的に同一の組成を有していた(表1及び2参照)。
〈例1E(比較)〉
膜は、プラズマ出力が400Wであったこと以外は実質的に例1Dに従って製造され、そしてアニール処理された。膜は誘電率2.8であり、例1Aのアニール処理された膜と実質的に同一の組成を有していた(表1及び2参照)。
〈例1F〉
膜は、プロセス条件がジ−t−ブトキシメチルシラン(DtBOMS)中の75vol%α−テルピネン(ATP混合物の流れが1000mg/分(mgm)であったこと以外は実質的に例1Aに従って製造され、そしてアニール処理された。500sccmのCOのキャリアガス流が、これらの化学物質を堆積チャンバに随伴するのに用いられた。さらなるプロセス条件は次のとおりであった:チャンバ圧力7Torr;ウェハチャック温度215℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.30インチ(約0.8cm);及びプラズマ出力400W、240秒。
堆積されたままの膜は厚さ540nm及び誘電率2.8であった。膜は窒素下に4時間、425℃でアニール処理された。X線光電子分光法(XPSで確認されたように、配合されたα−テルピネン(ATPを実質的にすべて除去した。アニール処理された膜は厚さ474nm及び誘電率2.10であった。弾性率及び硬さはそれぞれ2.23GPa及び0.18GPaであった。
〈例1G〉
α−テルピネン(ATPが、酸化体のない雰囲気でPECVDによりシリコンウェハ上にジ−t−ブトキシメチルシラン(DtBOMSとともに共堆積された。プロセス条件はジ−t−ブトキシメチルシラン(DtBOMS中の75vol%α−テルピネン(ATP混合物の流れが700mg/分(mgm)であった。500sccmのCOのキャリアガス流が、これらの化学物質を堆積チャンバに随伴するのに用いられた。さらなるプロセス条件は次のとおりであった:チャンバ圧力9Torr;ウェハチャック温度275℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.30インチ(約0.8cm);及びプラズマ出力600W、240秒。
堆積されたままの膜は厚さ670nm及び誘電率2.64であった。膜は窒素下に4時間、425℃でアニール処理され、配合されたα−テルピネン(ATPを実質的にすべて除去した。アニール処理された膜は厚さ633nm及び誘電率2.19であった。弾性率及び硬さはそれぞれ3.40GPa及び0.44GPaであった。
〈例2〉
.6未満の誘電率を有する低誘電率(低k膜を製造するために検討された第2の経路は、分子構造の部として熱的に反応活性な有機官能基を含む単一源オルガノシラン前駆体を使用した。シリカ前駆体に熱的に反応活性な基を結合することの潜在的な利点は膜への熱的に反応活性な基の膜への改良された導入である。この経路を検討するために、ネオ−へキシル−テトラメチルシクロテトラシロキサン(ネオ−へキシル−TMCTS)が合成された。ここでは、ネオ−へキシル基は、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTSの骨組にグラフトされていた。この試験に使用されたプロセスはネオ−へキシル−テトラメチルシクロテトラシロキサン(ネオ−ヘキシル−TMCTSの500mgm流及び500sccmのCOのキャリアガス流;チャンバ圧力6Torr;ウェハチャック温度150℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.32インチ(約0.8cm);及びプラズマ出力300W、90秒であった。
堆積されたままの膜は厚さ1120nm及び誘電率2.7であった。膜は窒素下に4時間、425℃でアニール処理された。膜厚さは710nmに減少し、誘電率は2.5であった。
150℃でテトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTSから堆積された膜は堆積されたままで誘電率2.8であ、4時間及び425℃でのアニール処理後も変化しなかった。
〈例3〉
2.6未満の誘電率を有する低誘電率(低k膜を製造するために検討された第3の経路は、有機ケイ素前駆体をそれに結合される熱的に反応活性の大きな基と物理的に混合することであった。シリカ前駆体に熱的に反応活性な基を結合することの潜在的な利点は熱的に反応活性な基の膜への改良された導入である。この経路を検討するために、フルフロキシジメチルシランが次の条件で、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTSとともに共堆積された:テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS中の11%フルフロキシジメチルシラン混合物の1000(mg/分)mgm流及び500sccmのHeのキャリアガス流;チャンバ圧力6Torr;ウェハチャック温度150℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.26インチ(約0.6cm);及びプラズマ出力300W及び40秒。
堆積されたままの膜は厚さ1220nm及び誘電率3.0であった。フルフロキシの含有は堆積されたままの膜におけるフーリエ変換赤外(FTIR)分析により示された。窒素下に4時間、400℃での熱後処理後に、誘電率(は2.73であった。この場合、熱アニール処理後でさえも、導入されたフルフロキシのかなりの部分が残存していたと考えられる。
上述の例は堆積されたままの膜に種々の官能基を導入する能力を示し、そしてより重要なことには2.6未満の誘電率を有する材料を可能にするためにポロゲンを適切に選ぶことの重要性を示す。種々の他のポロゲンもこれらの経路を用いて機能しうる。.6未満の誘電率を有する低誘電率材料を提供することは、有機シリカガラス(OSGネットワークに適切な種類及び量の有機基を導入しうるような、ネットワーク形成ケイ素系前駆体を必要とする。有機シリカガラス(OSG膜を製造するのに酸化体の添加を必要としないネットワーク形成ケイ素系前駆体を使用することが好適である。これは、酸化に敏感な炭化水素系細孔形成前駆体を用いるときに特に重要である。酸化は堆積時に細孔形成剤に重大な変性を生じさせ得、アニール処理プロセス時に除去される能力を妨げうる。
Figure 2011014925
Figure 2011014925
堆積されたままのジエトキシメチルシラン(DEMS)/α−テルピネン(ATP)膜のIRスペクトルと、熱後処理されたこの膜のIRスペクトルの比較は不活性雰囲気での熱後処理がポロゲンの選択的除去及び有機シリカガラス(OSG格子の保持についてうまくいったことを示している。熱アニール処理後に1275cm−1におけるSi−CH吸収には本質的な変化がない(Si−CH有機シリカガラス(OSGネットワークと関連する)。しかし、3000cm−1近くのC−H吸収の劇的な減少がみられ、これは、α−テルピネン(ATPに関連する本質的にすべての炭素が除去されたことを示す。α−テルピネン(ATPに対する赤外(IRスペクトルは図3に対照として示されている。
このアニール処理のさらなる利点は、2240及び2170cm−1におけるSi−H吸収の著しい減少であると思われ、これは膜をより疎水性にする。このように、本発明のある態様において、膜のそれぞれのSi原子は1以下のH原子に結合されている。しかし、他の態様において、Si原子に結合されるH原子の数はそのように限定されない。
元素分析は425℃及び4時間のアニール処理後のジエトキシメチルシラン(DEMS)/α−テルピネン(ATP膜(例1A)が、同様な方法で堆積され、かつアニール処理されたジエトキシメチルシラン(DEMS膜(例1D)と本質的に同一の組成を有することを示す。アニール処理前のジエトキシメチルシラン(DEMS)/α−テルピネン(ATP膜は実質的に多量の炭素に基づく材料が膜中に存在することを示す(赤外(IR分析はこの炭素に基づく材料がα−テルピネン(ATPに非常に類似することを支持する。図3参照)。これは、α−テルピネン(ATPとともに共堆積されたときにジエトキシメチルシラン(DEMS膜に導入されたポロゲン材料が、熱後処理プロセスにおいて本質的に十分に除去されるという考えを支持する。
さらに、熱重量分析は(図4)は、堆積されたままの材料の著しい減量が350℃を超える温度に加熱されるときに経験されることを示す。これはアニール処理時のポロゲン除去の付加的な証明になる。
観察された膜収縮はポロゲンの除去の際に有機シリカガラス(OSGネットワークのいくつかの部分の崩壊によりもたらされたようである。しかし、有機シリカガラス(OSGネットワークからの有機基の損失はほとんどなく、すなわちジエトキシメチルシラン(DEMS内の末端メチル基はほとんど保持されている(表1に示されていジエトキシメチルシラン(DEMS膜についての熱処理前後のX線光電子分光法(XPSデータ参照)。これは赤外(IRスペクトルにおいて、約1275波数での相当Si−CHバンドにより支持される。この材料の疎水性は、赤外(IRスペクトルのSi−OH基の欠失により実証される。後処理膜の屈折率及び誘電率の低下は膜厚の減少にもかかわらず、アニール処理前の膜よりも緻密でないことを示唆する。
陽電子消滅寿命分光法(PALS)は、例1A、1B、及び1Fの試料の細孔が、約1.5nm球体相当径の範囲にあることを示す。さらに、前述の非特許文献1の研究と異なり、組成変化と関連して厚みの減少は、有機シリカガラス(OSGネットワークがアニール処理時に保持され、ほとんど劣化しないことを示す(例1A)
本発明はいくつかの好適な態様について説明されたが、本発明の範囲はこれらの態様に限定されるものではなく、請求項の記載により確認されるべきである。

Claims (26)

  1. 少なくとも1つのケイ素系前駆体、及び前記ケイ素系前駆体とは別個のポロゲンを含有し、かつ前記ケイ素系前駆体が下記の式を有する、組成物:
    (OR 4−n Si
    (R は独立に、水素、又は直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;
    は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;かつ
    nは1〜3)
  2. 前記少なくとも1種のケイ素系前駆体が、下記の式を有する、請求項1に記載の組成物
    (CH )R (OR 3−m Si
    (R は独立に、水素、又は直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;
    は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;かつ
    mは、0〜2)
  3. 前記少なくとも1種のケイ素系前駆体が、下記の式を有する、請求項2に記載の組成物
    (CH )(H)(OR Si
    (R は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素)
  4. 前記少なくとも1ケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジイソプロポキシキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、及びジメチルジ−t−ブトキシシランからなる群より選ばれる、請求項1に記載の組成物
  5. 前記少なくとも1ケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシラン、及びジ−t−ブトキシメチルシランからなる群より選ばれる、請求項4に記載の組成物
  6. なくとも1つの前記ケイ素系前駆体が、2以下のSi−O結合を有し、且つ前記組成物が、3以上のSi−O結合を有する少なくとも1つの追加のケイ素系前駆体を更に含有している請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物
  7. 少なくとも1つの前記ケイ素系前駆体が、下記の式を有し:
    (OR 4−n Si
    (R は独立に、水素、又は直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;
    は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;かつ
    nは2又は3)、かつ
    少なくとも1つの前記追加のケイ素系前駆体が、下記の式を有する:
    (OR 4−t Si
    (R は独立に、水素、又は直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;
    は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;かつ
    tは0又は1)、
    請求項6に記載の組成物。
  8. 少なくとも1つの前記ケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシランであり、かつ少なくとも1つの前記追加のケイ素系前駆体が、テトラエトキシシランである、請求項7に記載の組成物。
  9. 少なくとも1つの前記ケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシランであり、かつ少なくとも1つの前記追加のケイ素系前駆体が、トリエトキシシランである、請求項7に記載の組成物。
  10. 前記ポロゲンが次からなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物
    (a)環状構造を有する式C2nの少なくとも1つの環状炭化水素
    (nは4〜14、環状構造中の炭素数は4〜10であり、かつ少なくとも1つのこの環状炭化水素は、環状構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を有していてもよい);
    (b)一般式C(2n+2)−2yの少なくとも1つの直鎖若しくは分枝の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の炭化水素
    (nは2〜20かつy=0〜n);
    (c)環状構造及び式C2n−2xの少なくとも1つの単不飽和若しくは複不飽和環状炭化水素
    (xは不飽和部位の数、nは4〜14、環状構造中の炭素数は4〜10であり、かつ少なくとも1つの単不飽和若しくは複不飽和のこの環状炭化水素は、環状構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を有していてもよく、またその炭化水素置換基の1つに不飽和若しくは環内不飽和を有していてもよい);
    (d)2環構造を有する式C2n−2の少なくとも1つの2環状炭化水素
    (nは4〜14、2環構造中の炭素数は4〜12、かつ少なくとも1つのこの2環状炭化水素は、2環構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を有していてもよい);
    (e)2環構造を有する式C2n−(2+2x)の少なくとも1つの複不飽和2環炭化水素
    (xは不飽和部位の数、nは4〜14、2環構造中の炭素数は4〜12であり、かつ少なくとも1つのこの複不飽和2環状炭化水素は、2環構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を有していてもよく、またその炭化水素置換基の1つに不飽和若しくは環内不飽和を有していてもよい);並びに
    (f)3環構造を有する式C2n−4の少なくとも1つの3環状炭化水素
    (nは4〜14、3環構造中の炭素数は4〜12であり、かつこの少なくとも1つの3環状炭化水素は、3環構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を有していてもよい)。
  11. 前記ポロゲンが、α−テルピネン、リモネン、シクロへキサン、1,2,4−トリメチルシクロへキサン、1−メチル−4(1−メチルエチル)シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロオクタン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ネオへキサン、シクロへキセン、ビニルシクロへキサン、ジメチルシクロへキセン、t−ブチルシクロへキセン、ピネン、ビニルシクロへキセン、ノルボルナン、スピロノナン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、カンフェン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、アダマンタン、1,3−ブタジエン、置換ジエン、及びデカヒドロナフタレンからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項10に記載の組成物
  12. 前記成分が、単一の容器内で予め混合されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記成分が、化学気相堆積容器における混合の前に、複数個の別個の容器に保持されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記成分が、エレクトロニクス産業のために適当な加圧ステンレス鋼容器に保持されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 化学気相堆積用組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 少なくとも1つのケイ素系前駆体及びこのケイ素系前駆体とは別個のポロゲンを含む組成物であって、前記ポロゲンが次の少なくとも1つである、組成物:
    (a)環状構造を有する式C2nの少なくとも1つの環状炭化水素
    (nは4〜14、環状構造中の炭素数は4〜10であり、かつこの少なくとも1つの環状炭化水素は、環状構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を有していてもよい);
    (b)一般式C(2n+2)−2y直鎖若しくは分枝の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の少なくとも1つの炭化水素:
    (nは2〜20及びy=0〜n);
    (c)環状構造を有する式C2n−2xの、単不飽和若しくは複不飽和の少なくとも1つの環状炭化水素:
    (xは不飽和部位の数、nは4〜14、環状構造中の炭素数は4〜10であり、かつ単不飽和若しくは複不飽和のこの少なくとも1つの環状炭化水素は、環状構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を有していてもよく、またその炭化水素置換基の1つに不飽和若しくは環内不飽和を有していてもよい);
    (d)2環構造を有する式C2n−2の少なくとも1つの2環状炭化水素:
    (nは4〜14、2環構造中の炭素数は4〜12であり、かつこの少なくとも1つの2環状炭化水素は、2環構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を有していてもよい);
    (e)2環構造を有する式C2n−(2+2x)複不飽和の少なくとも1つの2環炭化水素:
    (xは不飽和部位の数、nは4〜14、2環構造中の炭素数は4〜12であり、かつ複不飽和のこの少なくとも1つの2環状炭化水素は、2環構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を有していてもよく、またその炭化水素置換基の1つに不飽和若しくは環内不飽和を有していてもよい);及び/又は、
    (f)3環構造を有する式C2n−4の少なくとも1つの3環状炭化水素:
    (nは4〜14、3環構造中の炭素数は4〜12であり、かつこの少なくとも1つの3環状炭化水素は、3環構造上に置換された複数の単純若しくは分枝炭化水素を有していてもよい)。
  17. 少なくとも1つの前記ケイ素系前駆体が、下記の式を有する請求項16に記載の組成物:
    式R (OR(O(O)CR4−(n+p)Si
    (Rは独立に、水素、又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;
    は独立に、C〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;
    は独立に、水素、又はC〜Cの直鎖若しくは分枝の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的若しくは完全にフッ素化された炭化水素;
    nは1〜3;並びに
    pは0〜3)。
  18. 少なくとも1つの前記ケイ素系前駆体が、下記の式を有する、請求項17に記載の組成物:
    (OR 4−n Si
    (R は独立に、水素、又は直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;
    は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;かつ
    nは1〜3)
  19. 前記少なくとも1種のケイ素系前駆体が、下記の式を有する、請求項18に記載の組成物
    (CH )R (OR 3−m Si
    (R は独立に、水素、又は直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;
    は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素;かつ
    mは、1〜2)
  20. 前記少なくとも1種のケイ素系前駆体が、下記の式を有する、請求項19に記載の組成物
    (CH )(H)(OR Si
    (R は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC 〜C 炭化水素)
  21. 前記少なくとも1ケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジイソプロポキシキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、及びジメチルジ−t−ブトキシシランからなる群より選ばれる、請求項18に記載の組成物
  22. 前記少なくとも1ケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシラン、及びジ−t−ブトキシメチルシランからなる群より選ばれる、請求項21に記載の組成物
  23. 前記成分が、単一の容器内で予め混合されている、請求項16〜22のいずれか一項に記載の組成物
  24. 前記成分が、化学気相堆積容器における混合の前に、複数個の別個の容器に保持されている、請求項16〜22のいずれか一項に記載の組成物
  25. 前記成分が、エレクトロニクス産業のために適当な加圧ステンレス鋼容器に保持されている、請求項16〜22のいずれか一項に記載の組成物
  26. 化学気相堆積用組成物である、請求項16〜22のいずれか一項に記載の組成物。
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