JP2011013205A - 温度センサ及び温度センサの製造方法 - Google Patents

温度センサ及び温度センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】量子井戸構造体を含む温度センサにおいて、感度を向上させることができる温度センサ及び温度センサの製造方法を提供すること。
【解決手段】基板に形成された検出部50の温度の変化による電流変化を検出する温度センサ100であって、検出部50は、基板に形成されるものであり、複数の障壁層53a、53cと複数の障壁層53a、53cに挟まれた井戸層53bとを含むQW構造部53と、QW構造部53の両面に形成されるものであり、複数の井戸層51aと複数の第2井戸層51aに挟まれた第2障壁層51bとを有するMQB構造部51,52とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度センサ及び温度センサの製造方法に関するものである。
従来、温度によって物理量を検出するセンサの一例として特許文献1に示される温度センサ構造体がある。
特許文献1に示される温度センサ構造体は、基体と、基体によって担持され且つ温度に依存している抵抗を有するサーミスタ層と、そのサーミスタ層の第一の面にある第一の電気接触層及びサーミスタ層の第二の面にある第二の電気接触層とを有するものである。また、サーミスタ層は、交互に設けられた井戸層と障壁層(GaAs/AlGaAs)からなる量子井戸構造体を含むものである。
特許3573754号公報
ところで、量子井戸構造体を用いた温度センサの感度を向上させるには、量子井戸構造体の抵抗温度係数(TCR:Temperature Coefficient of Resistance)の値を大きくさせることが必要である。
この量子井戸構造体のTCRは次式で表される。
TCR=−1/k×(3kT/2+V−E
:ボルツマン定数、T[K]:絶対温度、V(=E−E):障壁エネルギー、E:障壁層の価電子帯の底(または伝導帯の底)のエネルギー、E:井戸層の価電子帯の底(または伝導帯の底)のエネルギー、E:フェルミエネルギー
ここで井戸層がp型にドープされているときは、E、Eはそれぞれ価電子帯の底を意味し、井戸層がn型にドープされているときは、E、Eはそれぞれ伝導帯の底を意味する。
この式に示されるように、|TCR|の値を大きくするためには、障壁高さ(V)を大きくするか、フェルミエネルギー(E)を小さくするしかない。ところが、障壁高さ(V)は、井戸層と障壁層の材料の組み合わせによって決まるため自由に制御できない。一方、フェルミエネルギー(E)を小さくするには、井戸層を薄くするか、キャリア密度を下げるしか方法がない。従って、|TCR|は、材料によって決まる限界値があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、量子井戸構造体を含む温度センサにおいて、感度を向上させることができる温度センサ及び温度センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の温度センサは、基板に形成された検出部の温度の変化による電流変化を検出する温度センサであって、
検出部は、
基板に形成されるものであり、複数の第1障壁層と複数の第1障壁層に挟まれた第1井戸層とを含む量子井戸構造部と、
量子井戸構造部の基板と対向する対向面側、及び、対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されるものであり、複数の第2井戸層と複数の第2井戸層に挟まれた第2障壁層とを有する量子障壁構造部と、を備えることを特徴とするものである。
このように、量子井戸構造部の少なくとも一方の面側に量子障壁構造部を設けることによって、第1障壁層の障壁高さを仮想的に増加(ΔV)させることができる。障壁高さが仮想的に増加すると、TCR=−1/k×(×3kT/2+V−E+ΔV)にて示されるように、量子障壁構造部がない場合に対して|TCR|の値を大きくすることができる。従って、温度センサの感度を向上させることができる。
なお、k:ボルツマン定数、T[K]:絶対温度、V(=E−E):障壁エネルギー、E:障壁層の価電子帯の底(または伝導帯の底)のエネルギー、E:井戸層の価電子帯の底(または伝導帯の底)のエネルギー、E:フェルミエネルギー、ΔV:仮想障壁高さである。井戸層がp型にドープされているときは、E、Eはそれぞれ価電子帯の底を意味し、井戸層がn型にドープされているときは、E、Eはそれぞれ伝導帯の底を意味する。
上記目的を達成するために請求項2に記載の温度センサは、基板に形成された検出部の温度の変化による電流変化を検出する温度センサであって、
検出部は、
基板に形成されるものであり、複数の第1障壁層と複数の第1障壁層に挟まれた第1井戸層とを含む量子井戸構造部と、
量子井戸構造部の基板と対向する対向面側、及び、対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されるものであり、第1障壁層上に設けられる第2井戸層と第2井戸層上に設けられる第2障壁層とを有する量子障壁構造部と、
を備えることを特徴とするものである。
このようにすることによっても、上述の請求項1と同様に温度センサの感度を向上させることができる。
また、請求項3に示すように、量子障壁構造部は、複数の第2井戸層と複数の第2障壁層とが複数層重なった構造を有するようにしてもよい。
このようにすることによって、複数の第2井戸層に第2障壁層が挟まれた、または、第2井戸層と第2井戸層上に設けられる第2障壁層とからなる一重の量子障壁構造部に比べて、仮想障壁高さを高くすることができる。従って、|TCR|の値も大きくすることができるので好ましい。
また、請求項4に示すように、量子障壁構造部は、第2井戸層と第2障壁層との組が、3組以上設けられるようにしてもよい。
このようにすることによって、仮想的に増加する障壁高さを飽和状態とすることができるので好ましい。換言すると、1層の第2井戸層と1層の第2障壁層とを繰り返し積層する際の繰り返し回数を3回以上とすると、仮想的に増加する障壁高さを飽和状態とすることができるので好ましい。このことは、本願発明の発明者によって確認されている。
また、請求項5に示すように、第1井戸層と量子障壁構造部との間に配置される第1障壁層の膜厚は、第1井戸層、第2井戸層、及び第2障壁層の膜厚よりも厚く形成されるようにしてもよい。
このようにすることによって、第1井戸層から量子障壁構造部への電子のトンネリングを防ぐことができる。
また、請求項6に示すように、量子井戸構造部及び量子障壁構造部は、基板に形成されたメンブレン上に形成されるようにしてもよい。
このようにすることによって、熱コンダクタンスを小さくすることができるため、感度を向上させることができる。
また、請求項7に示すように、メンブレンと基板との間には、エピタキシャル層によって封止された真空の空洞部を備えるようにしてもよい。
このようにすることによって、メンブレン下部が真空になるため熱コンダクタンスを下げることができ、感度を向上させることができる。
また、請求項8に示すように、第1井戸層及び第2井戸層はSiGeで構成され、第1障壁層及び第2障壁層はSiで構成されるようにしてもよい。
Si、SiGeは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)と互換性がある材料である。従って、CMOSを製造している場合などは、製造コストを低く抑えることができる。
また、請求項9に示すように、第1井戸層及び第2井戸層はGaAsで構成され、第1障壁層及び第2障壁層はAlGaAsで構成されるようにしてもよい。
このように、GaAs、AlGaAsを用いることによって、|TCR|の値をより一層大きくすることができるので好ましい。
また、請求項10に示すように、赤外線の検出に適用されるようにしてもよい。
|TCR|が大きいため、赤外線の検出に適用することによって、非常に高感度に赤外線を検出することができるので好ましい。
上述のように、複数の第2障壁層と複数の第2障壁層に挟まれた第2井戸層、もしくは、第2井戸層と第2井戸層上に設けられる第2障壁層を含む量子障壁構造部を設けることによって、障壁高さを仮想的に増加させることができる。一方、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さ(量子井戸構造部によって仮想的に増加した障壁高さ)が増加する割合は、第2障壁層の膜厚を100Å以上としても、第2障壁層の膜厚を100Åとした場合よりも高くなりにくいことがわかった。よって、第2障壁層の膜厚は、請求項11に示すように、0Åよりも厚く、100Å以下とすると好ましい。
また、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが増加する割合は、特に、第2障壁層の膜厚が60Å以下の場合に高くなる傾向にある。よって、第2障壁層の膜厚は、より好ましくは、請求項12に示すように、0Åよりも厚く、60Å以下とするとよい。
さらに、第2障壁層の膜厚が25Å以下の場合、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなる。よって、第2障壁層の膜厚は、より好ましくは、請求項13に示すように、0Åよりも厚く、25Å以下とするとよい。
また、第2障壁層の膜厚が9Å以上であり、25Å以下の場合、第2障壁層を構成する材料の組成比によらず仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなる。よって、第2障壁層の膜厚は、より好ましくは、請求項14に示すように、9Åよりも厚く、25Å以下とするとよい。
また、請求項15に示すように、第2障壁層の膜厚は、仮想的に増加した第1障壁層の障壁高さが1次ピークになるときの膜厚とすることによって、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなるので好ましい。
また、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さ(量子井戸構造部によって仮想的に増加した障壁高さ)が増加する割合は、第2井戸層の膜厚を200Å以上としても、第2井戸層の膜厚を200Å以上とした場合よりも高くなりにくいことがわかった。よって、第2井戸層の膜厚は、請求項16に示すように、0Åよりも厚く、200Å以下とすると好ましい。
また、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが増加する割合は、特に、第2井戸層の膜厚が100Å以下の場合に高くなる傾向にある。よって、第2井戸層の膜厚は、より好ましくは、請求項17に示すように、0Åよりも厚く、100Å以下とするとよい。
さらに、第2井戸層の膜厚が36Å以下の場合、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなる。よって、第2井戸層の膜厚は、より好ましくは、請求項18に示すように、0Åよりも厚く、36Å以下とするとよい。
また、第2井戸層の膜厚が6Å以上であり、36Å以下の場合、第2井戸層を構成する材料の組成比よらず仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなる。よって、第2井戸層の膜厚は、より好ましくは、請求項19に示すように、6Åよりも厚く、36Å以下とするとよい。
また、請求項20に示すように、第2井戸層の膜厚は、仮想的に増加した第1障壁層の障壁高さが1次ピークになるときの膜厚とすることによって、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなるので好ましい。
また、請求項21に示すように、第2井戸層の膜厚は、仮想的に増加した第1障壁層の障壁高さが2次ピークになるときの膜厚とすることによっても、量子障壁構造部を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなるので好ましい。
また、請求項22に示すように、第1障壁層の膜厚は、300Å以上とすると好ましい。このようにすることによって、広いエネルギー範囲(例えば、340meV程度まで)で第1井戸層と第1障壁層との界面における反射率(ホールの反射率)を95%以上とでき、量子井戸構造部における第1井戸層から量子障壁構造部へのトンネリングをほぼ完全にストップすることができる。このようにトンネリングをほぼ完全にストップすることができると、TCRの低下を抑制できるので好ましい。
上記目的を達成するために請求項23に記載の温度センサの製造方法は、
支持基板上に絶縁膜を介してSiからなる活性層を有するSOI基板と、
SOI基板に形成されるものであり、複数の第1障壁層と複数の第1障壁層に挟まれた第1井戸層とを含む量子井戸構造部と、量子井戸構造部のSOI基板と対向する対向面側、及び、対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されるものであり、複数の第2井戸層と複数の第2井戸層に挟まれた第2障壁層とを有する量子障壁構造部とを有する検出部とを備え、検出部の温度の変化による電流変化を検出する温度センサの製造方法であって、
検出部に対応する活性層に達する開口部を有するマスクを形成するマスク形成工程と、
開口部に対して、検出部を構成する各層を選択的に成膜する成膜工程と、
を備えることを特徴とするものである。
このようにすることによって、量子障壁構造部がない場合に対して|TCR|の値が大きく、感度を向上させることができる温度センサを簡易なプロセスで製造することができる。
上記目的を達成するために請求項24に記載の温度センサの製造方法は、
支持基板上に絶縁膜を介してSiからなる活性層を有するSOI基板と、
SOI基板に形成されるものであり、複数の第1障壁層と複数の第1障壁層に挟まれた第1井戸層とを含む量子井戸構造部と、量子井戸構造部のSOI基板と対向する対向面側、及び、対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されるものであり、複数の第2井戸層と複数の第2井戸層に挟まれた第2障壁層とを有する量子障壁構造部とを有する検出部とを備え、検出部の温度の変化による電流変化を検出する温度センサの製造方法であって、
活性層に前記絶縁膜に達する開口部を形成する開口部形成工程と、
絶縁膜における検出部に対応する領域を開口部からエッチングするエッチング工程と、
エッチング工程終了後に、活性層上にエピタキシャル層を成膜して開口部を塞ぐことによって、エッチングされた領域を封止する封止工程と、
エピタキシャル層上に検出部を構成する各層を成膜する成膜工程と、
を備えることを特徴とするものである。
このようにすることによって、検出部をエピタキシャル層上に形成できると共に、検出部の下部に真空となる空間(空洞部)を構成することができるため、熱コンダクタンスを下げることができ、温度センサの感度を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の概略構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の検出部50の概略構成を示す断面図である。 MQB構造部、QW構造部にSiGe/Si(Ge=35%)を用いた場合の量子井戸のTCRの温度依存性を示すグラフである。 MQB構造部、QW構造部にGaAs/AlGaAs(Al=43%)を用いた場合の量子井戸のTCRの温度依存性を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の検出部(MQB構造部、QW構造部)50のエネルギーバンドを示す図面である。 比較例における温度センサの検出部(QW構造部)のエネルギーバンドを示す図面である。 MQB構造部、QW構造部にSiGe/Si(Ge=30%)を用いた場合の各SiGe膜厚における障壁高さとSi膜厚との関係を示すグラフである。 MQB構造部、QW構造部にSiGe/Si(Ge=50%)を用いた場合の各SiGe膜厚における障壁高さとSi膜厚との関係を示すグラフである。 MQB構造部、QW構造部にSiGe/Si(Ge=100%)を用いた場合の各SiGe膜厚における障壁高さとSi膜厚との関係を示すグラフである。 図7〜図9の各グラフにおける包絡線を示すものであり、あり、MQB構造部を設けない場合の障壁高さに対する仮想障壁高さの増加率とSi膜厚との関係を示すグラフである。 MQB構造部、QW構造部にSiGe/Si(Ge=30%)を用いた場合の各Si膜厚における障壁高さとSiGe膜厚との関係を示すグラフである。 MQB構造部、QW構造部にSiGe/Si(Ge=50%)を用いた場合の各Si膜厚における障壁高さとSiGe膜厚との関係を示すグラフである。 MQB構造部、QW構造部にSiGe/Si(Ge=100%)を用いた場合の各Si膜厚における障壁高さとSiGe膜厚との関係を示すグラフである。 図11〜図13の各グラフにおける包絡線を示すものであり、あり、MQB構造部を設けない場合の障壁高さに対する仮想障壁高さの増加率とSiGe膜厚との関係を示すグラフである。 MQB構造部における繰り返し数毎の反射率とエネルギーとの関係を示すグラフである。 MQB構造部における繰り返し数と障壁高さとの関係を示すグラフである。 QW構造部の障壁層の膜厚毎の反射率とエネルギーとの関係を示すグラフである。 図17を部分的に拡大したグラフである。 本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の製造工程を示すものであり、SOI基板の準備工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の製造工程を示すものであり、熱酸化膜のパターンニング工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の製造工程を示すものであり、検出部の製造工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の製造工程を示すものであり、シリコン層形成工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の製造工程を示すものであり、酸化膜形成工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における温度センサ100の製造工程を示すものであり、電極形成工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における温度センサ200の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における温度センサ200の製造工程を示すものであり、SOI基板の準備工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における温度センサ200の製造工程を示すものであり、犠牲層エッチング工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における温度センサ200の製造工程を示すものであり、封止工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における温度センサ200の製造工程を示すものであり、熱酸化膜形成工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における温度センサ200の製造工程を示すものであり、検出部形成工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における温度センサ200の製造工程を示すものであり、電極形成工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態について説明する。本実施の形態における温度センサ100は、検出部50の温度の変化による電流変化を検出するものであり、特に赤外線センサに適用して好適なものである。換言すると、温度の変化によって抵抗値が変化する検出部50を備えた温度センサである。つまり、本実施の形態における温度センサ100は、|TCR|が大きいため、赤外線の検出に適用することによって、非常に高感度に赤外線を検出することができるので好ましい。
図1に示されるように、本実施の形態における温度センサ100は、基板(例えば、シリコン基板であり、以下、シリコン基板とも称する)10をベースに形成されている。このシリコン基板10には、開口部11が形成されており、この開口部11が形成された部位においてメンブレンが構成される。
開口部11は、シリコン基板10の表面と裏面を貫通するように形成されている。具体的には、開口部11は、シリコン基板10の裏面側から表面に向かって開口面積が狭くなるように構成されている。
また、シリコン基板10の表面上には、絶縁膜(例えば、SiOなどの酸化膜、以下、酸化膜とも称する)20が形成されている。この酸化膜20の表面には、例えば、シリコン層に不純物を熱拡散させたことによって形成されたシリコン層31(例えば、Si(P))がパターニングされて形成されている。つまり、上述のメンブレンは、開口部11上に形成される絶縁膜20の部分である。
このように構成されたシリコン基板10と酸化膜20およびシリコン層31は、シリコン基板10を支持基板、酸化膜20を埋め込み層、シリコン層31をSOI(silicon on insulator)層(活性層)とするSOI基板を用いて形成されたものである。なお、高濃度SOI基板を購入して用いても良いし、上述のように活性層が低濃度のシリコン基板を購入し、その活性層に不純物(ボロン等)をドープして高濃度化しても良い。ドープの方法は、例えば、イオン注入後に活性化アニールするなどがある。
さらに、シリコン層31は、熱酸化膜40によって覆われ、この熱酸化膜40の所定部位に形成された開口部(コンタクト用の開口部)を通じて、例えば、アルミニウムなどで構成された電極72に電気的に接続されている。また、シリコン層31は、熱酸化膜40の所定部位に形成された開口部(検出部用の開口部)41を通じて、検出部50が形成されている。また、検出部50の表面(シリコン層31と接する面の反対面)には、上述のシリコン層31と同様のシリコン層32(例えば、Si(P))が形成されている。そして、シリコン層32は、例えば、アルミニウムなどで構成された電極71に電気的に接続されている。なお、この検出部50に関しては、後ほど詳しく説明する。
また、酸化膜20、シリコン層32、熱酸化膜40、検出部50を覆うように酸化膜(例えば、SiO)60が形成され、検出部50が保護されている。この酸化膜60は、シリコン層31、検出部50、シリコン層32を積層した厚みよりも厚く形成されており、熱酸化膜40に形成された開口部に対応する部位に、電極71、72が配置される開口部61、62が形成されている(図23参照)。なお、電極71、72は、シリコン層32、31から熱酸化膜40の開口部(電極72の場合)、酸化膜60の開口部、及び酸化膜60の表面(酸化膜20と接する面の反対面)に形成される。
この酸化膜60に形成された電極71、72の表面には、窒化膜(SiN)81が形成されている。この窒化膜81は、電極71、72におけるパッド部を構成するための開口部81a、81bが形成されている。温度センサ100は、この開口部81a、81bを通じてパッド部に対してワイヤボンディングなどがなされることで、外部に備えられる処理回路(図示省略)に電気的に接続されるようになっている。また、窒化膜81における検出部50に対応する位置には、カーボンペーストなどからなる赤外線吸収膜90が形成されている。
そして、シリコン基板10における裏面側には、窒化膜(PE−SiN)82が形成されている。この窒化膜82には開口部82aが形成されており、この開口部を通じてシリコン基板10の開口部11が形成されている。
次に、本発明の特徴部分である検出部50の構造に関して説明する。図2に示すように、本実施の形態における温度センサ100の検出部50は、QW構造部(Quantum well構造部、量子井戸構造部)53と、QW構造部53を挟むように設けられたMQB構造部(Multi Quantum Barrier構造部、量子障壁構造部)51、52とを備える。この検出部50は、シリコン基板10に開口部11を設けることによって、SOI基板に形成されたメンブレン上に形成される。このように、検出部50をメンブレン上に設けることによって、熱コンダクタンスを小さくすることができるため感度を向上させることができる。
QW構造部53は、複数(本実施の形態では二つ)の障壁層(第1障壁層)53aと障壁層(第1障壁層)53c、複数の障壁層53aと障壁層53cとに挟まれた井戸層53b(第1井戸層)とを備える。換言すると、障壁層53a、53c、井戸層53bは、シリコン基板10の表面に垂直な方向に、障壁層53a、井戸層53b、障壁層53cの順番で積層されている。
また、障壁層53a、53cは、井戸層53bを構成する材料のバンドギャップよりもバンドギャップが大きな材料によって構成される。よって、井戸層53bは、障壁層53a、53cを構成する材料のバンドギャップよりもバンドギャップが小さな材料によって構成される。例えば、障壁層53a、53cはSiで構成され、井戸層53bはSiGeで構成することができる。
シリコン層31上に形成されるMQB構造部52は、複数の井戸層(第2井戸層)52aと複数の井戸層52aに挟まれた障壁層(第2障壁層)52bを複数備える。換言すると、井戸層52aと障壁層52bは、シリコン基板10の表面に垂直な方向に、井戸層52a、障壁層52bの順番で繰り返し積層されている。つまり、複数の井戸層52aと複数の障壁層52bとが複数層重なった構造を有する。換言すると、井戸層52aと障壁層52bとが交互の複数回繰り返し積層された構造を有する。さらに言い換えると、一つの井戸層52aと一つの井戸層52aに挟まれた一層の障壁層52bからなる単層のQB構造(Quantum Barrier構造)が複数回繰り返し積層された構造である。このとき、二つの障壁層間に挟まれた井戸層は、二つの単層のQB構造部で兼用されることになる。例えば、本実施の形態においては、シリコン基板10側から井戸層52a、障壁層52b、井戸層52a、障壁層52b、井戸層52a、障壁層52b、井戸層52aの順番で多重に積層されている。従って、MQB構造部52における井戸層52a、障壁層52b、QW構造部53における障壁層53a、井戸層53b、障壁層53cは同一の積層方向に積層される。このようにすることによって、複数の井戸層52aに障壁層52bが挟まれた一重のQB構造(Quantum Barrier構造)に比べて、仮想障壁高さを高くすることができる。従って、|TCR|の値も大きくすることができるので好ましい。
また、障壁層52bは、井戸層52aを構成する材料のバンドギャップよりもバンドギャップが大きな材料によって構成される。よって、井戸層52aは、障壁層52bを構成する材料のバンドギャップよりもバンドギャップが小さな材料によって構成される。例えば、障壁層52bはSiで構成され、井戸層52aはSiGeで構成することができる。
なお、MQB構造部51は、MQB構造部52と同様の構成を有するため説明を省略する。つまり、MQB構造部51における障壁層51bは、MQB構造部52の障壁層52bに対応し、MQB構造部51における井戸層51aは、MQB構造部52の井戸層52aに対応する。また、MQB構造部51における障壁層51b、井戸層51aは、MQB構造部52における井戸層52a、障壁層52b、QW構造部53における障壁層53a、井戸層53b、障壁層53cと同一の積層方向に積層される。
このように、QW構造部53の少なくとも一方の面側にMQB構造部51、52を設ける(つまり、QW構造部53にMQB構造部51のみを設けるか、QW構造部53にMQB構造部52のみを設けるか、QW構造部53にMQB構造部51とMQB構造部52の両方を設ける)ことによって、MQB構造部51、52がない場合(図6参照)に対して、図5に示すようにQW構造部53の障壁層53a、53cの障壁高さを仮想的に増加(ΔV)させることができる。障壁高さが仮想的に増加すると、TCR=−1/k×(3kT/2+V−E+ΔV)にて示されるように、MQB構造部51、52がない場合に対して|TCR|の値を大きくすることができる。従って、温度センサ100の感度を向上させることができる。なお、k:ボルツマン定数、T[K]:絶対温度、V(=E−E):障壁エネルギー、E:障壁層の価電子帯の底(または伝導帯の底)のエネルギー、E:井戸層の価電子帯の底(または伝導帯の底)のエネルギー、E:フェルミエネルギー、ΔV:仮想障壁高さである。
ここで、図7〜図10を用いて、MQB構造部51及びMQB構造部52における障壁層51b及び障壁層52bの膜厚に関して説明する。なお、ここでは、一例として、MQB構造部51、MQB構造部52及びQW構造部53における障壁層51b、障壁層52b、障壁層53a、障壁層53cにSi、井戸層51a、井戸層52a、井戸層53bにSiGeを採用した。図7〜図9は、SiGeの組成比を変えた場合の井戸層51a、52aの膜厚(SiGe膜厚)における、障壁高さと障壁層51b、52bの膜厚(Si膜厚(Si層厚))との関係を示すグラフである。図7はGe=30%の場合、図8はGe=50%の場合、図9はGe=100%の場合のグラフである。また、図11〜図13は、井戸層51a、52aの膜厚を5Å、10Å、20Å、30Å、40Å、50Åとした場合のグラフである。また、図10は、図7〜図9の各グラフにおける包絡線を示すものであり、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対する仮想障壁高さの増加率と障壁層52b、52bの膜厚(Si膜厚(Si層厚))との関係を示すグラフである。なお、図10に記載している古典障壁高さとは、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さ(QW構造部53の障壁層53a、53cの障壁高さ)を示すものである。また、図10は、この古典障壁高さで規格化したものである。
上述のように、QW構造部53にMQB構造部51やMQB構造部52を設けることによって、障壁高さを仮想的に増加させることができる。一方、図10に示すように、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さ(MQB構造部51やMQB構造部52によって仮想的に増加した障壁高さ)が増加する割合は、MQB構造部51やMQB構造部52における障壁層51b、52bの膜厚を100Å以上としても、障壁層51b、52bの膜厚を100Åとした場合よりも高くなりにくいことがわかった。よって、障壁層51b、52bの膜厚は、0Åよりも厚く、100Å以下とすると|TCR|の値が大きくなり温度センサとしての感度が高くなるので好ましい。また、このようにすることによって、必要以上に障壁層52bを厚く形成することを抑制でき、コストアップを抑制することもできる。
また、図10のグラフからわかるように、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが増加する割合は、特に、障壁層51b、52bの膜厚が60Å以下の場合に高くなる傾向にある。よって、障壁層51b、52bの膜厚は、より好ましくは、0Åよりも厚く、60Å以下とするとよい。
さらに、図10のグラフからわかるように、障壁層51b、52bの膜厚が25Å以下の場合、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し(つまり、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さの1.5倍)以上になりやすくなる(つまり、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さの1.5倍)。よって、障壁層51b、52bの膜厚は、より好ましくは、0Åよりも厚く、25Å以下とするとよい。
また、図10のグラフからわかるように、障壁層51b、52bの膜厚が9Å以上であり、25Å以下の場合、障壁層51b、52bを構成する材料の組成比よらず仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなる。よって、第2障壁層の膜厚は、より好ましくは、9Åよりも厚く、25Å以下とするとよい。
また、図7〜図9のグラフのピークは仮想的な障壁高さが最も高くなりやすい1次ピークである。
次に、図11〜図14を用いて、MQB構造部51及びMQB構造部52における井戸層51a及び井戸層52aの膜厚に関して説明する。なお、ここでは、一例として、MQB構造部51、MQB構造部52及びQW構造部53における障壁層51b、障壁層52b、障壁層53a、障壁層53cにSi、井戸層51a、井戸層52a、井戸層53bにSiGeを採用した。図11〜図13は、SiGeの組成比を変えた場合の障壁層51b、52bの膜厚(Si膜厚)における、障壁高さと井戸層51a、52aの膜厚(SiGe膜厚(SiGe層厚))との関係を示すグラフである。図11はGe=30%の場合、図12はGe=50%の場合、図13はGe=100%の場合のグラフである。また、図11〜図13は、障壁層51b、52bの膜厚を5Å、10Å、20Å、30Å、40Å、50Åとした場合のグラフである。また、図14は、図11〜図13の各グラフにおける包絡線を示すものであり、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対する仮想障壁高さの増加率と井戸層51a、52aの膜厚(SiGe膜厚(SiGe層厚))との関係を示すグラフである。なお、図14に記載している古典障壁高さとは、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さ(QW構造部53の障壁層53a、53cの障壁高さ)を示すものである。また、図14は、この古典障壁高さで規格化したものである。
井戸層51a及び井戸層52aに関しては、図14に示すように、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さ(MQB構造部51やMQB構造部52によって仮想的に増加した障壁高さ)が増加する割合は、MQB構造部51やMQB構造部52における井戸層51a、52aの膜厚を200Å以上としても、井戸層51a、52aの膜厚を200Åとした場合よりも高くなりにくいことがわかった。よって、井戸層51a、52aの膜厚は、0Åよりも厚く、200Å以下とすると|TCR|の値が大きくなり温度センサとしての感度が高くなるので好ましい。また、このようにすることによって、必要以上に障壁層52bを厚く形成することを抑制でき、コストアップを抑制することもできる。
また、図14のグラフからわかるように、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが増加する割合は、特に、井戸層51a、52aの膜厚が100Å以下の場合に高くなる傾向にある。よって、井戸層51a、52aの膜厚は、より好ましくは、0Åよりも厚く、100Å以下とするとよい。
さらに、図14のグラフからわかるように、井戸層51a、52aの膜厚が36Å以下の場合、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなる。よって、井戸層51a、52aの膜厚は、より好ましくは、0Åよりも厚く、36Å以下とするとよい。
また、図14のグラフからわかるように、井戸層51a、52aの膜厚が6Å以上であり、36Å以下の場合、井戸層51a、52aを構成する材料の組成比よらず仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなる。よって、井戸層51a、52aの膜厚は、より好ましくは、6Åよりも厚く、36Å以下とするとよい。
また、図11〜図14のグラフからわかるように、井戸層51a、52aの膜厚は、仮想的に増加した障壁高さが1次ピークになるときの膜厚とすることによって、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなるので好ましい。さらに、井戸層51a、52aの膜厚は、仮想的に増加した障壁高さが2次ピークになるときの膜厚とすることによっても、MQB構造部51及びMQB構造部52を設けない場合の障壁高さに対して、仮想的な障壁高さが50%増し以上になりやすくなるので好ましい。
次に、図15、16を用いて、MQB構造部51、MQB構造部52における井戸層51aと障壁層51b、井戸層52aと障壁層52bの繰り返し数に関して説明する。図15は、図2に示すような構造を有し(つまり、QW構造部53の両方にMQB構造部51及びMQB構造部52を備える)、MQB構造部51、MQB構造部52及びQW構造部53における障壁層51b、障壁層52b、障壁層53a、障壁層53cにSi、井戸層51a、井戸層52a、井戸層53bにSiGeを採用したものをモデルとしてシミュレーションした場合の、繰り返し数(n)毎の反射率(井戸層53bと障壁層53a、及び井戸層53bと障壁層53cとの界面における反射率)とエネルギーとの関係をすグラフである。なお、このモデルの構造パラメータ、物性値などは、Ge組成は30%、障壁層51b及び障壁層52bの膜厚は30Å、井戸層51a及び井戸層52aの膜厚は30Å、障壁層51b及び障壁層52bの層数は各5、障壁層53a及び障壁層53cの膜厚は300Å、ホール有効質量は0.257m0(SiGe),0.291m0(Si)である。ただし、m0は電子質量。なお、障壁高さの定義は、反射率が始めて50%未満となるエネルギーとする。また、図16は、このシミュレーション結果に基づく、障壁高さと繰り返し数との関係を示すグラフである。
なお、この繰り返し数は、井戸層51aと障壁層51b、又は、井戸層52aと障壁層52bを一組とした場合、何組積層したかを示すものである。なお、ここでは、MQB構造部51とMQB構造部52における繰り返し数は同数とする。つまり、1組の場合(井戸層51aと障壁層51b、及び井戸層52aと障壁層52bだけ積層されている場合)は、繰り返し数は1となる。また、3組の場合(井戸層51aと障壁層51bが3層ずつ交互に積層され、井戸層52aと障壁層52bが3層ずつ交互に積層されている場合)は、繰り返し数は3となる。
図15、図16のグラフから分かるように、繰り返し数が3以上の場合は、反射率が初めて50%未満となるエネルギーが350meVとなる。よって、繰り返し数を3以上にすると、仮想的に増加する障壁高さを飽和状態とすることができるので好ましい。換言すると、MQB構造部51では、井戸層51aと障壁層51bの組が3組以上、MQB構造部52では、井戸層52aと障壁層52bの組が3組以上にすると仮想的に増加する障壁高さを飽和状態とすることができるので好ましい。
次に、図17、18を用いて、QW構造部53における障壁層53a、障壁層53cの膜厚に関して説明する。図17は、図2に示すような構造を有し(つまり、QW構造部53の両方にMQB構造部51及びMQB構造部52を備える)、MQB構造部51、MQB構造部52及びQW構造部53における障壁層51b、障壁層52b、障壁層53a、障壁層53cにSi、井戸層51a、井戸層52a、井戸層53bにSiGeを採用したものをモデルとしてシミュレーションした場合の、繰り返し数(n)毎の反射率(井戸層53bと障壁層53a、及び井戸層53bと障壁層53cとの界面における反射率)とエネルギーとの関係を示すグラフである。なお、このモデルの構造パラメータ、物性値などは、Ge組成は30%、障壁層51b及び障壁層52bの膜厚は10Å、井戸層51a及び井戸層52aの膜厚は13Å、障壁層51b及び障壁層52bの層数は各5、障壁層53a及び障壁層53cの膜厚は0〜400Å(0Å、50Å、100Å、200Å、300Å、400Å)、ホール有効質量は0.257m0(SiGe),0.291m0(Si)である。また、図18は、図17のグラフの囲った部分の拡大図である。
図17、18から明らかなように、障壁層53a及び障壁層53cの膜厚が0Å、50Å、100Å、200Åなどの場合は、例えば260meV以下においても反射率が95%より小さくなることがある。一方、障壁層53a及び障壁層53cの膜厚が300Å、400Åの場合は、340meV程度までは反射率が95%以上である。このように、障壁層53a、障壁層53cの膜厚は、300Å以上とすることによって、広いエネルギー範囲(例えば、340meV程度まで)で井戸層53bと障壁層53a、及び井戸層53bと障壁層53cとの界面における反射率(ホールの反射率)を95%以上とでき、QW構造部53における井戸層53bからMQB構造部51及びMQB構造部52へのトンネリングをほぼ完全にストップすることができる。このようにトンネリングをほぼ完全にストップすることができると、トンネリングによる障壁高さの低減を抑制することができ、その結果|TCR|の低下を抑制できるので好ましい。
なお、本実施の形態におけるQW構造部53は、障壁層53a、53cに挟まれた一層の井戸層53bからなる単層のQW構造を例として採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、障壁層と井戸層とがそれぞれ複数層重なったMQW構造(Multi Quantum well構造)を採用するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、複数の井戸層52aと複数の障壁層52bとが複数層重なったMQB構造部51、52を例として採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。複数の障壁層52bと複数の障壁層52bに挟まれた一層の井戸層52aからなる単層のQB構造(Quantum Barrier構造)を採用するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、QW構造部53を挟むように二つのMQB構造部51、52を設ける例を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。二つのMQB構造部51、52のうち少なくとも一方を設ければ本発明の目的は達成できるものである。つまり、MQB構造部は、QW構造部53のSOI基板と対向する対向面側、及び、対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されていれば、本発明の目的は達成できるものである。
また、QB構造は、QW構造部53における障壁層(第1障壁層)53a上に設けられる一層の井戸層52aと、この井戸層52a上に設けられる一層の障壁層52bからなるもの、もしくは、QW構造部53における障壁層(第1障壁層)53c上に設けられる一層の井戸層51aと、この井戸層51a上に設けられる一層の障壁層51bからなるものであってもよい。つまり、MQB構造部51は、井戸層51aと障壁層51bからなる単層のQB構造が複数回繰り返し積層された構造であり、MQB構造部52は、井戸層52aと障壁層52bからなる単層のQB構造が複数回繰り返し積層された構造であっても、本発明の目的は達成できるものである。よって、QW構造部53のSOI基板と対向する対向面側、及び、対向面の反対面側の少なくとも一方に、一層の井戸層52a(井戸層51a)と、この井戸層52a(井戸層51a)上に設けられる一層の障壁層52b(障壁層51b)とが形成されていれば、本発明の目的は達成できるものである。
また、上述のように、井戸層52a、53bを構成する材料として採用したSiGe、障壁層52b、53a、53cを構成する材料として採用したSiは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)と互換性がある材料である。従って、CMOSを製造している場合などは、製造コストを低く抑えることができる。
ただし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、井戸層52a、53bを構成する材料としてGaAs、障壁層52b、53a、53cを構成する材料としてAlGaAsを採用するようにしてもよい。図3は、MQB構造部51、52、QW構造部53にSiGe/Si(Ge=35%)を用いた場合の量子井戸の温度依存性を示すグラフである。図4は、MQB構造部51、52、QW構造部53にGaAs/AlGaAs(Al=43%)を用いた場合の量子井戸の温度依存性を示すグラフである。この図3、図4からわかるように、GaAs、AlGaAsを用いることによって、|TCR|の値をより一層大きくすることができるので好ましい。
また、QW構造部53の井戸層53bとMQB構造部51、52との間に配置される障壁層53a、53cの膜厚は、井戸層53b、井戸層51a、52a、及び障壁層51b、52bの各層の膜厚よりも厚く形成されるようにしてもよい。このようにすることによって、井戸層53bからMQB51、52への電子のトンネリングを防ぐことができる。
このような構成の温度センサ100においては、上部から入射した赤外線を赤外線吸収膜90で吸収する。この赤外線の吸収によって、メンブレンの温度が上昇する。2つの電極71、72に直流電圧を与え、検出部50を流れる電流変化で上昇した温度を検出する。
ここで、図19から図24を用いて、温度センサ100の製造方法に関して説明する。
まず、図19に示すように、シリコン基板(支持基板)10、酸化膜(絶縁膜)20、シリコン層(活性層)31からなるSOI基板を準備する。このSOI基板は、高濃度SOI基板を購入しても良いし、活性層が低濃度のシリコン基板を購入しその活性層に不純物(ボロン等)をドープして高濃度化しても良い。ドープの方法は、例えば、イオン注入→活性化アニールがある。
次に、図20に示すように、検出部50に対応するシリコン層31に達する開口部41を有する熱酸化膜(マスク)40を形成する(マスク形成工程)。換言すると、シリコン層31の表面に形成されるものであり、検出部50及び電極72を形成する位置に、シリコン層31まで達する開口部41を有するマスク40を形成する。具体的には、少なくとも検出部50及び電極72が電気的に接続される部位を残してシリコン層31をパターンニングする。その後、シリコン層31を熱酸化して熱酸化膜40を形成する。そして、その熱酸化膜40をパターンニングして、検出部50を形成する領域に開口部41を形成する。
次に、図21に示すように、開口部41に対して、検出部50(QW構造部53、MQB構造部51、52)を構成する各層を選択的に成膜(選択エピ成長)する(成膜工程)。つまり、開口部41によって露出したシリコン層31の表面に、検出部50を構成する各層を選択的に成膜する。具体的には、開口部41にて露出したシリコン層31上に、MQB構造部52を構成する井戸層52a、障壁層52bを、この順番でそれぞれ複数層成長させる。つまり、井戸層52aを構成するSiGeやGaAs、障壁層52bを構成するSiやAlGaAs、井戸層52aを構成するSiGeやGaAs、障壁層52bを構成するSiやAlGaAs、井戸層52aを構成するSiGeやGaAs、障壁層52bを構成するSiやAlGaAs、井戸層52aを構成するSiGeやGaAsを、この順番で成長させる。
次に、MQB構造部52上に、QW構造部53を構成する障壁層53a、井戸層53b、障壁層53cを、MQB構造部52側からこの順番で成長させる。つまり、障壁層53aを構成するSiやAlGaAs、井戸層53bを構成するSiGeやGaAs、障壁層53cを構成するSiやAlGaAsを、この順番で成長させる。
そして、QW構造部53上に、MQB構造部51を構成する井戸層51a、障壁層51bを、この順番でそれぞれ複数層成長させる。つまり、井戸層51aを構成するSiGeやGaAs、障壁層51bを構成するSiやAlGaAs、井戸層51aを構成するSiGeやGaAs、障壁層51bを構成するSiやAlGaAs、井戸層51aを構成するSiGeやGaAs、障壁層51bを構成するSiやAlGaAs、井戸層51aを構成するSiGeやGaAsを、この順番で成長させる。
このようにすることによって、MQB構造部51、52がない場合に対して|TCR|の値が大きく、感度を向上させることができる温度センサ100を簡易なプロセスで製造することができる。
次に、図22に示すように、検出部50の表面(上面、シリコン層31と対向する面の反対面)に例えばSi(P)のシリコン層32を形成する。そして、図23に示すように、酸化膜60を成膜する。そして、その酸化膜60と熱酸化膜40をパターンニングして、電極71、72を形成するための開口部61、62を形成することによってシリコン層31、シリコン層32を部分的に露出させる。
次に、図24に示すように、上述の工程で形成した開口部61、62が形成された酸化膜60上に電極71、72を構成する例えばアルミニウムを成膜する。そして、成膜した電極71、72を構成する材料をパターンニングして、電極71、72を形成する。これによって、電極71、72は、開口部61、62、及び酸化膜60の表面(上面)に形成され、シリコン層31、32に電気的に接続する。その後、酸化膜60の表面(上面)に形成された電極71、72上に窒化膜(SiN)81を成膜して、窒化膜81をパターンニングして電極71、72におけるパッド部を構成するための開口部81a、81bを形成する。さらに、シリコン基板10の裏面を研削・研磨して、窒化膜(PE−SiN)82を成膜する。
その後、検出部50がメンブレン上に配置されるようにするために、シリコン基板10及び窒化膜82に開口部11を形成する。具体的には、シリコン基板10の裏面に形成された窒化膜82をパターンニングして、シリコン基板10をウェットエッチングして開口部11を形成する。そして、窒化膜81における検出部50に対応する位置に、カーボンペーストなどからなる赤外線吸収膜90を形成する。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態における温度センサ200は、上述の実施の形態における温度センサ100と同等な箇所が多いため、本実施の形態においては、上述の実施の形態との相違点を中心的に説明する。また、上述の実施の形態と同等な箇所に関しては、図面において同じ符号を付与して詳しい説明を省略する。
図25に示されるように、本実施の形態における温度センサ100は、基板(例えば、シリコン基板であり、以下、シリコン基板とも称する)10aをベースに形成されている。このシリコン基板10aの表面には、真空の空洞部60a1が形成されている。また、シリコン基板10a上には、メンブレンを構成するものであり、空洞部60a1を形成するためのエッチング用の開口部33a、33bを有するシリコン層33が酸化膜60aを介して形成されている。
また、シリコン層33上には、空洞部60a1を封止するための例えばSiGeからなるエピタキシャル層が形成されている。つまり、空洞部60a1は、エピシール技術によって形成される。ここで用いているエピシールとはエピタキシャル反応容器を使用したシールすなわち封止のことである。なお、エピタキシャル層は、SiGe(N)層34a、SiGe(P)層34b、SiGe(N)層34cからなるものである。SiGe(P)層34bは、検出部50、電極72が接続される部分であり、SiGe(N)層に部分的にボロンをイオン注入するなどして形成されている。そして、空洞部60a1上には、シリコン層33、SiGe(P)層34bを介して検出部50が形成されている。
このように、検出部50が形成されるシリコン層33(メンブレン)とシリコン基板33との間に、エピタキシャル層(SiGe(N)層34a、SiGe(P)層34b、SiGe(N)層34c)によって封止された真空の空洞部60a1を備えることによって、シリコン層33下部が真空になるため熱コンダクタンスを下げることができ、感度を向上させることができる。
ここで、図26から図31を用いて、温度センサ200の製造方法に関して説明する。
まず、図26に示すように、シリコン基板(支持基板)10a、酸化膜(絶縁膜)60a、例えばSi(P)からなるシリコン層(活性層)33からなるSOI基板を準備する。このSOI基板は、高濃度SOI基板を購入しても良いし、活性層が低濃度のシリコン基板を購入しその活性層に不純物(ボロン等)をドープして高濃度化しても良い。ドープの方法は、例えば、イオン注入→活性化アニールがある。そして、シリコン層33をパターンニングして、空洞部60a1をエッチングで形成するための酸化膜60aに達する開口部33a、33bを形成する(開口部形成工程)。
次に、図27に示すように、酸化膜60を部分的(検出部50に対応する領域)に、フッ酸を用いて、開口部33a、33bから犠牲層エッチングを行ない、空洞部60a1となる空間を形成する(エッチング工程)。つまり、検出部50が真空の空洞部60a1上に配置されるように、検出部50を形成する位置に対応する領域に空間を形成する。
次に、図28に示すように、エッチング工程終了後に、シリコン層33上にエピタキシャル層(ここでは、SiGe(N)層)34を成膜して開口部33a、33bを塞ぐことによって、エッチングされた領域(空間)を真空封止する(封止工程)。このようにして、真空の空洞部60a1を形成する。
次に、図29に示すように、エピタキシャル層であるSiGe(N)層における検出部50、電極72が接続される部分に、ボロンをイオン注入するなどしてSiGe(P)層34bを形成する。これによって、エピタキシャル層は、SiGe(N)層34a、SiGe(P)層34b、SiGe(N)層34cとなる。そして、SiGe(N)層34a、SiGe(N)層34cをパターンニングする。例えば、空洞部60a1上にのみに、SiGe(N)層34a、SiGe(P)層34b、SiGe(N)層34cが配置され、少なくとも検出部50及び電極72が電気的に接続される部位を残してパターンニングする。
その後、シリコン層33とSiGe(N)層34a、SiGe(P)層34b、SiGe(N)層34cとを熱酸化して熱酸化膜(マスク)40を形成し、検出部50を形成する領域にSiGe(P)層34bに達する開口部41を形成する(マスク形成工程)。
次に、図30に示すように、開口部41に対して、検出部50(QW構造部53、MQB構造部51、52)を構成する各層を選択的に成膜(選択エピ成長)する(成膜工程)。そして、検出部50の表面(上面、シリコン層31と対向する面の反対面)に例えばSi(P)のシリコン層32を形成する。なお、この成膜工程に関しては、上述の実施の形態と同等であるため詳しい説明は省略する。
次に、図31に示すように、酸化膜60bを成膜する。そして、その酸化膜60と熱酸化膜40をパターンニングして、電極71、72を形成するための開口部61、62を形成することによってSiGe(P)層34b、シリコン層32を部分的に露出させる。次に、上述の工程で形成した開口部61、62が形成された酸化膜60上に電極71、72を構成する例えばアルミニウムを成膜する。そして、成膜した電極71、72を構成する材料をパターンニングして、電極71、72を形成する。これによって、電極71、72は、開口部61、62、及び酸化膜60の表面(上面)に形成され、SiGe(P)層34b、シリコン層32に電気的に接続する。その後、酸化膜60の表面(上面)に形成された電極71、72上に窒化膜(SiN)81を成膜して、窒化膜81をパターンニングして電極71、72におけるパッド部を構成するための開口部81a、81bを形成する。その後、窒化膜81における検出部50に対応する位置に、カーボンペーストなどからなる赤外線吸収膜90を形成する。
このようにすることによって、検出部50をエピタキシャル層上に形成できると共に、検出部の下部に真空となる空間(空洞部)を構成することができるため、熱コンダクタンスを下げることができ、温度センサの感度を向上させることができる。
10,10a シリコン基板、11 開口部、20 酸化膜、31,32,33 シリコン層、33a,33b 開口部、34 SiGe層、40 熱酸化膜、41 開口部、50 検出部、51,52 MQB構造部、53 QW構造部、53a 障壁層、53b 井戸層、53c 障壁層、60,60a,60 酸化膜、60a1 空洞部、61,62,61a,62a 開口部、71,72 電極、81 窒化膜、81a,81b 開口部、82 窒化膜、90 赤外線吸収膜、100,200 温度センサ

Claims (24)

  1. 基板に形成された検出部の温度の変化による電流変化を検出する温度センサであって、
    前記検出部は、
    前記基板に形成されるものであり、複数の第1障壁層と複数の前記第1障壁層に挟まれた第1井戸層とを含む量子井戸構造部と、
    前記量子井戸構造部の前記基板と対向する対向面側、及び、当該対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されるものであり、複数の第2井戸層と複数の前記第2井戸層に挟まれた第2障壁層とを有する量子障壁構造部と、
    を備えることを特徴とする温度センサ。
  2. 基板に形成された検出部の温度の変化による電流変化を検出する温度センサであって、
    前記検出部は、
    前記基板に形成されるものであり、複数の第1障壁層と複数の前記第1障壁層に挟まれた第1井戸層とを含む量子井戸構造部と、
    前記量子井戸構造部の前記基板と対向する対向面側、及び、当該対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されるものであり、前記第1障壁層上に設けられる第2井戸層と当該第2井戸層上に設けられる第2障壁層とを有する量子障壁構造部と、
    を備えることを特徴とする温度センサ。
  3. 前記量子障壁構造部は、複数の前記第2井戸層と複数の前記第2障壁層とが複数層重なった構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の温度センサ。
  4. 前記量子障壁構造部は、前記第2井戸層と前記第2障壁層との組が、3組以上設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の温度センサ。
  5. 前記第1井戸層と前記量子障壁構造部との間に配置される前記第1障壁層の膜厚は、前記第1井戸層、前記第2井戸層、及び第2障壁層の膜厚よりも厚く形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の温度センサ。
  6. 前記量子井戸構造部及び前記量子障壁構造部は、前記基板に形成されたメンブレン上に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の温度センサ。
  7. 前記メンブレンと前記基板との間には、エピタキシャル層によって封止された真空の空洞部を備えることを特徴とする請求項6に記載の温度センサ。
  8. 前記第1井戸層及び前記第2井戸層はSiGeで構成され、前記第1障壁層及び前記第2障壁層はSiで構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の温度センサ。
  9. 前記第1井戸層及び前記第2井戸層はGaAsで構成され、前記第1障壁層及び前記第2障壁層はAlGaAsで構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の温度センサ。
  10. 赤外線の検出に適用されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の温度センサ。
  11. 前記第2障壁層の膜厚は、0Åよりも厚く、100Å以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の温度センサ。
  12. 前記第2障壁層の膜厚は、60Å以下であることを特徴とする請求項11に記載の温度センサ。
  13. 前記第2障壁層の膜厚は、25Å以下であることを特徴とする請求項12に記載の温度センサ。
  14. 前記第2障壁層の膜厚は、9Å以上であり、25Å以下であることを特徴とする請求項13に記載の温度センサ。
  15. 前記第2障壁層の膜厚は仮想的に増加した第1障壁層の障壁高さが1次ピークになるときの膜厚であることを特徴とする請求項11に記載の温度センサ。
  16. 前記第2井戸層の膜厚は、0Åよりも厚く、200Å以下であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の温度センサ。
  17. 前記第2井戸層の膜厚は、100Å以下であることを特徴とする請求項14に記載の温度センサ。
  18. 前記第2井戸層の膜厚は、36Å以下であることを特徴とする請求項15に記載の温度センサ。
  19. 前記第2井戸層の膜厚は、6Å以上であり、36Å以下であることを特徴とする請求項18に記載の温度センサ。
  20. 前記第2井戸層の膜厚は、仮想的に増加した第1障壁層の障壁高さが1次ピークになるときの膜厚であることを特徴とする請求項17に記載の温度センサ。
  21. 前記第2井戸層の膜厚は、仮想的に増加した第1障壁層の障壁高さが2次ピークになるときの膜厚とすることを特徴とする請求項17に記載の温度センサ。
  22. 前記第1障壁層の膜厚は、300Å以上とすることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の温度センサ。
  23. 支持基板上に絶縁膜を介してSiからなる活性層を有するSOI基板と、前記SOI基板に形成されるものであり、複数の第1障壁層と複数の前記第1障壁層に挟まれた第1井戸層とを含む量子井戸構造部と、前記量子井戸構造部の前記SOI基板と対向する対向面側、及び、当該対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されるものであり、複数の第2井戸層と複数の前記第2井戸層に挟まれた第2障壁層とを有する量子障壁構造部とを有する検出部とを備え、前記検出部の温度の変化による電流変化を検出する温度センサの製造方法であって、
    前記検出部に対応する前記活性層に達する開口部を有するマスクを形成するマスク形成工程と、
    前記開口部に対して、前記検出部を構成する各層を選択的に成膜する成膜工程と、
    を備えることを特徴とする温度センサの製造方法。
  24. 支持基板上に絶縁膜を介してSiからなる活性層を有するSOI基板と、前記SOI基板に形成されるものであり、複数の第1障壁層と複数の前記第1障壁層に挟まれた第1井戸層とを含む量子井戸構造部と、前記量子井戸構造部の前記SOI基板と対向する対向面側、及び、当該対向面の反対面側の少なくとも一方に形成されるものであり、複数の第2井戸層と複数の前記第2井戸層に挟まれた第2障壁層とを有する量子障壁構造部とを有する検出部とを備え、前記検出部の温度の変化による電流変化を検出する温度センサの製造方法であって、
    前記活性層に前記絶縁膜に達する開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記絶縁膜における前記検出部に対応する領域を前記開口部からエッチングするエッチング工程と、
    前記エッチング工程終了後に、前記活性層上にエピタキシャル層を成膜して前記開口部を塞ぐことによって、エッチングされた領域を封止する封止工程と、
    前記エピタキシャル層上に前記検出部を構成する各層を成膜する成膜工程と、
    を備えることを特徴とする温度センサの製造方法。
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