JP2011007709A - 磁気エンコーダおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一体に成形された複列の磁気エンコーダのトラックを、トラック間の磁気干渉を生じることなく精度良く着磁でき、信号の読取り誤差を小さく抑えることができる磁気エンコーダおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 磁気エンコーダ1において、複列の磁気エンコーダトラック2,3は、互いに一体に成形された各環状磁性体4に着磁され、かつ磁気エンコーダトラック2,3の円周方向に沿う着磁パターンが互いに異なる。磁気エンコーダトラック2,3の間に環状の磁性体からなる磁性体スペーサ6が介在し、各磁気エンコーダトラック2,3は互いに切削加工面2b、3bで分離されている。磁性体スペーサ6における磁気エンコーダトラック2,3の被検出面2a,3aと同じ方向を向く面である被検出面側端面6aを露出させた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、各種機器の回転検出、特に各種モータの回転制御に用いられる回転角度検出装置に適用される磁気エンコーダおよびその製造方法に関する。
磁気エンコーダとして、それぞれ単列のトラックを有する2つの磁気エンコーダを隣り合わせて並べ、異なる2つの磁気エンコーダの位相差に基づいて絶対角度を検出するものが開示されている(特許文献1)。また、多磁極着磁した磁気エンコーダを製造する方法等が開示されている(特許文献2)。
隣り合って並ぶ複列の各トラックにN磁極とS磁極とを円周方向に交互に着磁させた磁気エンコーダであって、回転位相を検出する一列のトラックと、原点位置を検出する他列のトラックとが設けられる磁気エンコーダが開示されている(特許文献3)。また位相のずれたトラックを持つ複列の磁気エンコーダが開示されている(特許文献4)。
特開2008−233069号公報 特許第4024472号公報 特開2007−198847号公報 特表2002−512687号公報
特許文献1のような複列の磁気エンコーダを一体型で形成する場合、図9に示すように、隣合う列の磁気エンコーダトラック30,31の間に配置した磁性体スペーサ32の上部に僅かながら磁石部分33が被ってしまう。この被った磁石部分33は、成型する型の寸法および芯金34の寸法公差に依存するが、多くても1mm以下の厚みである。
着磁の際、この被った磁石部分33が磁化されるため、各トラック30(31)の信号を読み取るときに、隣り合うトラック30,31に作用する磁気干渉が大きくなり、信号の読取り精度が悪化する。
この発明の目的は、一体に成形された複列の磁気エンコーダのトラックを、トラック間の磁気干渉を生じることなく精度良く着磁でき、信号の読取り誤差を小さく抑えることができる磁気エンコーダおよびその製造方法を提供することである。
この発明の磁気エンコーダは、複列の環状の磁気エンコーダトラックを有し、これら磁気エンコーダトラックは、互いに一体に成形された各環状磁性体に着磁され、かつ隣合う列の磁気エンコーダトラックの円周方向に沿う着磁パターンが互いに異なる磁気エンコーダであって、隣合う列の磁気エンコーダトラックの間に環状の磁性体からなる磁性体スペーサが介在し、各磁気エンコーダトラックは互いに切削加工面で分離され、前記磁性体スペーサにおける前記磁気エンコーダトラックの被検出面と同じ方向を向く面である被検出面側端面を露出させたことを特徴とする。
この構成によると、各列の磁気エンコーダトラックは、互いに一体に成形されて切削により分離されたものであるため、従来の着磁された複数の磁気エンコーダトラックを組み立てるものと異なり、組立工程時に着磁精度が悪化するという問題が生じず、精度良く着磁することができる。また、各磁気エンコーダトラックは互いに切削加工面で分離させ、隣合う列の磁気エンコーダトラック間の磁性体スペーサにおける被検出面側端面を露出させたことで、複列の磁気エンコーダトラックを物理的に離れるように分離できる。これにより、異なる着磁パターンを持った磁気エンコーダトラックにつき、互いに一体成形されたものでありながら、隣合う磁気エンコーダトラック間に作用する磁気干渉を減らすことができる。このため、磁性体スペーサの上部に磁石部分が被ったものより、信号の読取り精度を良くすることが可能となる。
前記各磁気エンコーダトラックを環状の芯金上に設けても良い。この場合、隣合う列の磁気エンコーダトラックと芯金とを、金型等により一体化できる。芯金を、例えば軸受回転輪に圧入嵌合等して容易に取り付けることも可能となる。
前記各磁気エンコーダトラックが、前記環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁されたものであっても良い。このように環状磁性体の円周方向の一部ずつ精度良く着磁できる。
前記各磁気エンコーダトラックの被検出面が、前記磁性体スペーサの前記被検出面側端面と同じ高さ位置に切削加工された切削加工面であっても良い。この切削加工を、着磁前に行う場合、切削加工後の磁気エンコーダの外径寸法が精度良く管理されるため、その後の着磁精度を高めることができる。
前記磁性体スペーサの前記被検出面側端面が、この端面に被さる環状磁性体の部分を切削により除去した切削面であっても良い。各磁気エンコーダトラックは、磁性体スペーサの前記端面に沿う部分が切削加工面となる。この場合、着磁時の磁気干渉によって信号の書き込み精度が悪化し得る部分だけを、切削により除去することができる。それ故、分離するための加工が簡単で、かつ環状磁性体の歩留りが良い。
ゴムまたはプラスチック材質から成る磁気エンコーダとしても良い。削り易さの点でゴムの方が望ましい。
前記磁気エンコーダトラックは、等ピッチの着磁パターンで磁極が交互に繰り返す回転検出用トラックを含むものとしても良い。
前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、一回転に一回または数回の繰り返しパターンを設けて、回転の基準位置を示すZ相信号を生成するものであっても良い。
前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、前記回転検出用の等ピッチの着磁パターンとは磁極間隔が異なる等ピッチの着磁パターンで形成されるものであっても良い。
前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、前記回転検出用の等ピッチの着磁パターンと同じ磁極数で且つ位相関係がずれたパターンで形成されるものであっても良い。
このような複雑な着磁パターンであっても精度良く着磁可能となる。
この発明の磁気エンコーダの製造方法は、環状の磁性体からなる磁性体スペーサを介して隣合う複列のトラックの形成領域を持つ環状磁性体を形成する過程と、この環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁して前記各トラック形成領域を、着磁パターンが互いに異なる磁気エンコーダトラックとする着磁過程と、前記磁性体スペーサにおける前記磁気エンコーダトラックの被検出面と同じ方向を向く面である被検出面側端面に被さった環状磁性体を切削により除去して前記被検出面側端面を露出させる露出加工過程とを含むものである。
この構成によると、磁性体スペーサの被検出面側端面を露出させたことで、複列の磁気エンコーダトラックを物理的に離れるように分離できる。よって、従来の着磁された複数の磁気エンコーダトラックを組み立てるものと異なり、組立工程時に着磁精度が悪化するという問題が生じない。さらに、異なる着磁パターンを持った磁気エンコーダの着磁精度を高め、隣合う磁気エンコーダトラック間に作用する磁気干渉を減らすことができる。
前記環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁すると共に前記被検出面側端面を露出させても良い。この場合、着磁過程と露出加工過程とを同時に行うことができ、よって工程の短縮化を図ることができる。それ故、磁気エンコーダの製造コストを低減できる。
前記環状磁性体の被さり部分を切削により除去する刃物が磁性材料から成り、環状磁性体を着磁する着磁ヘッドの一部に、非磁性材料から成る部材を介して前記刃物を取り付けても良い。磁性材料から成る刃物が、非磁性材料から成る部材を介して着磁ヘッドに取り付けられているため、着磁ヘッドから他方のトラックに流れる漏れ磁束を磁気シールドすることができる。したがって、着磁ヘッドから所望のトラックに精度良く着磁することが可能となる。
前記環状磁性体を着磁する着磁ヘッドを取り付けるステージを設け、このステージに、環状磁性体の被さり部分を除去する刃物を固定しても良い。この場合、環状磁性体を回転させながら着磁すると共に、環状磁性体の被さり部分を除去することができる。したがって、周辺設備の省スペース化や工程の短縮化を図ることができる。
この発明の磁気エンコーダは、複列の環状の磁気エンコーダトラックを有し、これら磁気エンコーダトラックは、互いに一体に成形された各環状磁性体に着磁され、かつ隣合う列の磁気エンコーダトラックの円周方向に沿う着磁パターンが互いに異なる磁気エンコーダであって、隣合う列の磁気エンコーダトラックの間に環状の磁性体からなる磁性体スペーサが介在し、各磁気エンコーダトラックは互いに切削加工面で分離され、前記磁性体スペーサにおける前記磁気エンコーダトラックの被検出面と同じ方向を向く面である被検出面側端面を露出させたため、一体に成形された複列の磁気エンコーダのトラックを、トラック間の磁気干渉を生じることなく精度良く着磁でき、信号の読取り誤差を小さく抑えることができる。
この発明の磁気エンコーダの製造方法は、環状の磁性体からなる磁性体スペーサを介して隣合う複列のトラックの形成領域を持つ環状磁性体を形成する過程と、この環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁して前記各トラック形成領域を、着磁パターンが互いに異なる磁気エンコーダトラックとする着磁過程と、前記磁性体スペーサにおける前記磁気エンコーダトラックの被検出面と同じ方向を向く面である被検出面側端面に被さった環状磁性体を切削により除去して前記被検出面側端面を露出させる露出加工過程とを含むため、一体に成形された複列の磁気エンコーダのトラックを、トラック間の磁気干渉を生じることなく精度良く着磁でき、信号の読取り誤差を小さく抑えることができる。
この発明の一実施形態に係る磁気エンコーダの要部断面図である。 (A)はアキシアルタイプの磁気エンコーダの断面図、(B)はラジアルタイプの磁気エンコーダの断面図である。 磁気エンコーダトラックの着磁パターンの検査中に削り工程と検査工程とを兼ねた例を示す断面図である。 環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁ヘッドにより着磁する例を示す図である。 環状磁性体の各磁器エンコーダトラックに着磁する磁極の各パターン例を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る磁気エンコーダの要部断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダの製造方法であり、着磁と同時に被さり部分を削る例を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダの製造方法であり、着磁と同時に被さり部分を削る例を示す図である。 (A)は従来例の磁気エンコーダの要部断面図、(B)は他の従来例の磁気エンコーダの要部断面図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。
この発明の実施形態に係る磁気エンコーダは、例えば、各種モータの回転制御に用いられる回転角度検出装置等に適用される。ただし、各種モータの回転制御用に限定されるものではない。以下の説明は、磁気エンコーダの製造方法についての説明をも含む。
図1に示すように、磁気エンコーダ1は、複列の環状の磁気エンコーダトラック2,3を有する。これら磁気エンコーダトラック2,3は、互いに一体に成形された環状磁性体4に着磁され、且つ隣合う列の磁気エンコーダトラック2,3の円周方向に沿う着磁パターンが互いに異なる。この環状磁性体4は、2列の磁気エンコーダトラック2,3を円盤状または円筒状の環状の芯金5の表面上に隣合せて同心上に並べて設けたものである。これら磁気エンコーダトラック2,3の間には、後述の磁性体スペーサ6を配置している。
磁気エンコーダ1の構造としては、図2(A)に示すアキシアルタイプ、図2(B)に示すラジアルタイプのどちらでも良い。図2(A)のアキシアルタイプの磁気エンコーダ1は、例えば、円筒部5aと、この円筒部5aの一端から外径側に立ち上がって円盤状となる立板部5bとを有する断面L字状の芯金5を有する。立板部5bの一表面に2列の磁気エンコーダトラック2,3が径方向内外に並べて固着される。軸受回転輪7の外径面等に前記円筒部5aを圧入嵌合することで、アキシアルタイプの磁気エンコーダ1が軸受に取付けられる。
図2(B)のラジアルタイプの磁気エンコーダは、例えば、円筒部5aからなる芯金5を有する。この芯金5の外径面に2列の磁気エンコーダトラック2,3が軸受軸方向に並べて固着される。軸受回転輪7の内径面等に前記円筒部5aを圧入嵌合することで、ラジアルタイプの磁気エンコーダ1が軸受に取付けられる。
磁気エンコーダトラック2,3は、例えば、磁性粉を含むゴム、プラスチック、焼結体等から成り、着磁によってそれぞれゴム磁石、プラスチック磁石、焼結磁石等となる。この例では、ゴム磁石が採用されている。前記磁性粉の材質は、例えば、フェライト系や希土類系でも可能であるが、この実施形態に係る着磁方法では、容易に着磁できる点と、防錆処理を省ける点でフェライト系が望ましい。
図1に示すように、磁性体スペーサ6は、芯金5の磁気エンコーダトラック2,3が形成される片面側に突出するように、2重の折り重ね形状に折り曲げて形成される。例えば、プレス加工により、芯金5の一部を曲げ加工することで磁性体スペーサ6が得られる。ただし、磁性体スペーサ6の加工方法はプレス加工に限定されるものではない。この折り曲げて形成される磁性体スペーサ6を、隣合う磁気エンコーダトラック2,3間に介在させている。この磁性体スペーサ6において、磁気エンコーダトラック2(3)の被検出面2a(3a)と同じ方向を向く面である被検出面側端面6aを露出させている。具体的には、磁性体スペーサ6の前記被検出面側端面6aは、この端面に被さる例えば厚さ1mm以下の環状磁性体の部分8(被さり部分8と称す)を刃物等を用いて切削により除去した切削面としている。磁気エンコーダトラック2,3は、露出する被検出面側端面6aに沿う部分がそれぞれ切削加工面2b、3bとなる。これら切削加工面2b、3bが、径方向(図1の左右方向)に所定小距離離隔して対向状に配置されることで、磁気エンコーダトラック2,3を物理的に離す。
この刃物等で環状磁性体4の被さり部分8を除去する工程は、着磁前に行っても良い。着磁前に着磁と同じスピンドル上で前記被さり部分8を切削加工する場合、環状磁性体4を着磁する着磁ヘッドと磁気エンコーダ1の外径の同軸が確保し易く、着磁精度を高め得る。
環状磁性体4の被さり部分8を除去する工程は、着磁後に行っても良い。この場合、着磁する際の磁気干渉によって信号の書き込み精度が悪化した部分だけを削るため、着磁済みのトラックに影響を与えることなく磁気干渉を低減し得る。また着磁後に被さり部分8を除去する場合、図3に示すように、被さり部分8を刃物9により切削加工する削り工程と、磁気エンコーダトラック2(3)の着磁パターンを検査装置10にて検査する検査工程とを兼ねることが可能となる。つまり着磁パターンの検査中に環状磁性体4の被さり部分8を除去することができる。したがって、削り工程の良否を含めた最終的な磁気エンコーダ1の精度を確認することができ、時間も増加しない。図7と共に後述するように、環状磁性体4を着磁しながら、すなわち着磁と同時に、被さり部分8を切削加工しても良い。
磁気エンコーダ1の着磁方法等について説明する。
図4に示すように、環状磁性体4をこの軸心回りに回転させながら、この環状磁性体4の円周方向の一部ずつ着磁ヘッド11により着磁して各トラック形成領域を、着磁パターンが互いに異なる磁気エンコーダトラック2,3とする。すなわち、着磁ヘッド11は、着磁ヨーク12に励磁コイル13を巻回したものである。着磁ヨーク12は磁気ギャップを介して対向する一対の対向端部12a,12bを有し、図示外の着磁電源から励磁コイル13に励磁電流を供給することにより、両対向端部12a,12b間に磁束を通す。この着磁ヘッド11の前記磁気ギャップに、環状磁性体4における所望の1列の磁気エンコーダトラック2(3)を配置する。つまり、所望の1列の磁気エンコーダトラック2(3)が両対向端部12a,12bで挟まれるように配置することで、磁気エンコーダトラック2(3)に磁束を通して着磁する。この場合、例えば、スピンドル装置に環状磁性体4を支持し、同スピンドル装置をインデックス回転させる。この回転の停止毎に、励磁コイル13への通電方向を逆にする。これにより、磁気エンコーダトラック2,3の周方向にN磁極とS磁極を交互に着磁することができる。同スピンドル装置の回転をインデックス回転とせず、回転に同期して指定角度において励磁コイルへ通電する方法で着磁するものであってもよい。
図5(A)〜(D)は、前述の着磁方法等を用いて、環状磁性体の各磁器エンコーダトラックに着磁する磁極の各パターン例を示す。図5(A)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック2に、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック3には、回転基準位置検出用の磁極をトラックの一周の一箇所(または複数箇所)に着磁して、回転の基準位置を示すZ相信号を生成するZ相信号生成用トラックとしたものである。
図5(B)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック2に、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック3には、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に、かつ前記回転検出用トラックとは磁極数を異ならせて着磁して、別の回転検出用トラックとしたものである。
図5(C)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック2に、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック3には、互いに異なる磁極を交互に、かつ前記回転検出トラックと磁極数が同じで磁極の位相をずらして着磁して、別の回転検出用トラックとしたものである。
図5(D)のパターン例では、アキシアルタイプの環状磁性体での磁気エンコーダトラック2(3)の各磁極対Aにおいて、図5(C)の例と同様なパターンを形成するために、そのN磁極の幅とS磁極の幅とがトラック外周半部つまり径方向内外で互いに異なるように着磁したものである。
以上説明した磁気エンコーダ1によると、各列の磁気エンコーダトラック2,3は、互いに一体に成形されて切削により分離されたものであるため、従来の着磁された複数の磁気エンコーダトラックを組み立てるものと異なり、組立工程時に着磁精度が悪化するという問題が生じず、精度良く着磁することができる。また、各磁気エンコーダトラック2,3は互いに切削加工面2b、3bで分離させ、隣合う列の磁気エンコーダトラック2,3間の磁性体スペーサ6における被検出面側端面6aを露出させたことで、複列の磁気エンコーダトラック2,3を物理的に離れるように分離できる。これにより、異なる着磁パターンを持った磁気エンコーダトラック2,3につき、互いに一体成形されたものでありながら、隣合う磁気エンコーダトラック2,3間に作用する磁気干渉を減らすことができる。このため、磁性体スペーサの上部に磁石部分が被ったものより、信号の読取り精度を良くすることが可能となる。
磁性体スペーサ6の被検出面側端面6aを露出させる工程は、僅か1mm以下の削り工程で足りるため、他のトラックを傷つけたり変形させたりせずに着磁することができる。
磁性体スペーサ6の被検出面側端面6aが、この端面に被さる被さり部分8を切削により除去した切削面であるため、各磁気エンコーダトラック2,3は、磁性体スペーサ6の前記端面に沿う部分が切削加工面2b、3bとなる。この場合、着磁時の磁気干渉によって信号の書き込み精度が悪化し得る部分だけを、切削により除去することができる。それ故、分離するための加工が簡単で、かつ環状磁性体4の歩留りが良い。したがって、磁気エンコーダ1の製造コストの低減を図ることができる。
各磁器エンコーダトラック2,3を環状の芯金5上に設けているため、隣合う列の磁気エンコーダトラック2,3と芯金5とを、金型等により一体化できる。
この発明の他の実施形態について説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図6に示すように、各磁器エンコーダトラック2,3の被検出面2a,3aが、磁性体スペーサ6の被検出面側端面6aと同じ高さ位置に切削加工された切削加工面であっても良い。この場合、磁気エンコーダ1Aのトラック表面全体を切削加工するため、磁気エンコーダ1Aの外径寸法D1が精度良く管理される。この切削加工後に着磁を行う場合、着磁前の磁気エンコーダ1Aの外径寸法D1が精度良く管理されている分、着磁精度を高めることができる。
図7に示すように、環状磁性体4を回転させながら、この環状磁性体4の円周方向の一部ずつ着磁すると共に、磁性体スペーサ6における被検出面側端面6aを露出させても良い。図7の例では、着磁ヘッド11の一部が刃物の機能を備えている。刃物としては磁性材料からなる刃物9を使用し、この刃物9と着磁ヘッド11との間に非磁性材料からなる部材14を介在させている。この構成によると、磁性材料からなる刃物9を使用することで、着磁ヘッド11から他方のトラックに流れる漏れ磁束を磁気シールドすることができ、精度良く着磁することが可能となる。着磁ヘッド11と刃物9との間に、非磁性材料からなる部材14を介在させることで、刃物9に流れる磁束を抑制できる。よって、着磁ヘッド11からの磁束を、着磁したいトラックに充分流すようにして、着磁精度が低下しないようにできる。
図8に示すように、着磁ヘッド11または着磁ヨーク12を取り付けるステージ15を設け、このステージ15に、環状磁性体4の被さり部分を除去する刃物9を固定しても良い。この場合、環状磁性体4を着磁すると共に、環状磁性体4の被さり部分8を除去することができる。したがって、周辺設備の省スペース化や工程の短縮化を図ることができる。
上記各実施形態では、芯金5の一部を曲げ加工等することで磁性体スペーサ6を得ているが、この曲げ加工に代えて、例えば、芯金5の一表面に、この芯金5とは別体の磁性体スペーサ6を接着、溶接、または結合等することも可能である。
磁性体スペーサを、芯金における磁気エンコーダトラックが形成される片面に、固着させて設けても良い。
上記各実施形態は、環状磁性体を回転させながら各磁極を順次着磁するインデックス着磁の場合につき説明したが、このインデックス着磁に限定されるものではない。例えば、環状磁性体の全周の磁極を一括して着磁する一括着磁しても良い。
1,1A…磁気エンコーダ
2,3…磁気エンコーダトラック
2a,3a…被検出面
4…環状磁性体
5…芯金
6…磁性体スペーサ
6a…被検出面側端面
8…被さり部分

Claims (14)

  1. 複列の環状の磁気エンコーダトラックを有し、これら磁気エンコーダトラックは、互いに一体に成形された各環状磁性体に着磁され、かつ隣合う列の磁気エンコーダトラックの円周方向に沿う着磁パターンが互いに異なる磁気エンコーダであって、
    隣合う列の磁気エンコーダトラックの間に環状の磁性体からなる磁性体スペーサが介在し、各磁気エンコーダトラックは互いに切削加工面で分離され、前記磁性体スペーサにおける前記磁気エンコーダトラックの被検出面と同じ方向を向く面である被検出面側端面を露出させたことを特徴とする磁気エンコーダ。
  2. 請求項1において、前記各磁気エンコーダトラックを環状の芯金上に設けた磁気エンコーダ。
  3. 請求項1または請求項2において、前記各磁気エンコーダトラックが、前記環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁されたものである磁気エンコーダ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記各磁気エンコーダトラックの被検出面が、前記磁性体スペーサの前記被検出面側端面と同じ高さ位置に切削加工された切削加工面である磁気エンコーダ。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記磁性体スペーサの前記被検出面側端面が、この端面に被さる環状磁性体の部分を切削により除去した切削面である磁気エンコーダ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、ゴムまたはプラスチック材質から成る磁気エンコーダ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記磁気エンコーダトラックは、等ピッチの着磁パターンで磁極が交互に繰り返す回転検出用トラックを含む磁気エンコーダ。
  8. 請求項7において、前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、一回転に一回または数回の繰り返しパターンを設けて、回転の基準位置を示すZ相信号を生成するものである磁気エンコーダ。
  9. 請求項7において、前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、前記回転検出用の等ピッチの着磁パターンとは磁極間隔が異なる等ピッチの着磁パターンで形成されるものである磁気エンコーダ。
  10. 請求項7において、前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、前記回転検出用の等ピッチの着磁パターンと同じ磁極数で且つ位相関係がずれたパターンで形成されるものである磁気エンコーダ。
  11. 環状の磁性体からなる磁性体スペーサを介して隣合う複列のトラックの形成領域を持つ環状磁性体を形成する過程と、
    この環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁して前記各トラック形成領域を、着磁パターンが互いに異なる磁気エンコーダトラックとする着磁過程と、
    前記磁性体スペーサにおける前記磁気エンコーダトラックの被検出面と同じ方向を向く面である被検出面側端面に被さった環状磁性体を切削により除去して前記被検出面側端面を露出させる露出加工過程とを含む、
    磁気エンコーダの製造方法。
  12. 請求項11において、前記環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁すると共に前記被検出面側端面を露出させる磁気エンコーダの製造方法。
  13. 請求項11または請求項12において、前記環状磁性体の被さり部分を切削により除去する刃物が磁性材料から成り、環状磁性体を着磁する着磁ヘッドの一部に、非磁性材料から成る部材を介して前記刃物を取り付けた磁気エンコーダの製造方法。
  14. 請求項11ないし請求項13のいずれか1項において、前記環状磁性体を着磁する着磁ヘッドを取り付けるステージを設け、このステージに、環状磁性体の被さり部分を除去する刃物を固定した磁気エンコーダの製造方法。
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