JP6517011B2 - 磁気エンコーダの着磁装置 - Google Patents

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Description

この発明は、各種機器の回転検出、回転角度検出に使用する磁気エンコーダの着磁装置に関し、特に、各種モータの回転制御に用いられる回転検出装置に適用される技術に関する。
特許文献1に、多磁極着磁した車輪用磁気エンコーダを製造する方法が開示されている。この着磁方法は、特に、車輪軸受に磁気エンコーダが組み込まれた状態で着磁しており、車輪軸受の回転部材に磁束が流れるように着磁ヘッドの一端を回転部材に配置したことが特徴である。
特許文献2にも、特許文献1と同様の着磁方法が開示されている。すなわち、この着磁方法は、図22に示すように、着磁ヨーク2の互いに対向する一対の着磁ヘッド2a,2b間に磁気エンコーダとなる環状磁性体10を挟み込むように配置し、励磁コイル3に着磁電流を供給することで着磁ヨーク2に磁束の流れを生じさせて、環状磁性体10の磁気エンコーダトラック12に着磁する。ただし、特許文献2の着磁方法は、着磁対象となる磁気エンコーダが車輪軸受用に限定されない。また、特許文献2の着磁方法の目的は、希土類磁石からなる磁性部材に精度良く着磁することである。
特許文献3、4に、自動車車輪の回転数を検出するための磁気エンコーダおよびそのトーンホイールの着磁方法および着磁装置が開示されている。これらの着磁方法および着磁装置は、特許文献1,2の技術を踏襲しており、非磁性体チャックに磁気エンコーダを組み込んで着磁することが特徴である。
特開2003−318239号公報 特表2003−344098号公報 特許第4803786号 特許第5105339号
特許文献1の着磁方法は、車輪軸受に磁気エンコーダを組み込んだ状態で着磁するため、適用可能な軸受が限定される。
特許文献2の着磁方法では、磁気エンコーダと共に回転する回転部材(治具)が必要である。この着磁方法を実現するには、着磁ヨークの形状を含めた磁気回路の形成を考慮して設計する必要がある。
特許文献3,4の着磁方法は、非磁性体製のチャックを用い、磁気エンコーダの芯金に磁束を通すため、適用される磁気エンコーダの芯金が磁性体からなるものに限定される。つまり、非磁性体チャックが必須となり、例えば、非磁性体の芯金エンコーダの場合には適用できない。
また、特許文献3,4の着磁方法では、磁気エンコーダを構成する芯金の厚みが薄いため、磁気飽和が起こりやすい。コイルを励磁する着磁電流の電圧の調整を慎重に行う必要があるため、効率の悪い着磁方法となる。
この発明の目的は、特殊な機構や治具を用いない簡素な構成でありながら、各種の回転検出装置用の磁気エンコーダに適用可能で、環状磁性体の未着磁の磁気エンコーダトラックに効率良く着磁を行うことができる磁気エンコーダの着磁装置を提供することである。
この発明の磁気エンコーダの着磁装置は、環状の芯金に未着磁の磁気エンコーダトラックが設けられた環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、前記磁気エンコーダトラックに磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有し、これら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの前記未着磁の磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、流れ方向が交互に切り替わる着磁電流を前記励磁コイルに供給して前記一対の着磁ヘッド間に交番磁束を通す着磁電源と、前記環状磁性体を把持して前記磁気エンコーダトラックの中心軸と一致する回転軸回りに回転するチャックとを備える。前記チャックは、前記環状磁性体に接する把持部を含む少なくとも一部分が磁性体からなり、前記一対の着磁ヘッドのうちの一方の着磁ヘッドは前記磁気エンコーダトラックに対向し、他方の着磁ヘッドは前記チャックの磁性体からなる部分に対向する。なお、この明細書において、「対向」とある記載につき、特に「磁気的」との説明がない場合には、位置的な対向を言う。
この構成によると、環状磁性体を把持したチャックを磁気エンコーダトラックの中心軸と一致する回転軸回りに回転させつつ、着磁電源により、流れ方向が交互に切り替わる着磁電流を励磁コイルに供給する。これにより、一方の着磁ヘッド→磁気エンコーダトラック→芯金→チャック→他方の着磁ヘッドの順の磁束の流れと、この逆の順の磁束の流れとを繰り返す交番磁束が発生する。磁束が磁気エンコーダトラックを通過する際に、磁気エンコーダトラックに含有されている磁性粉が励磁されて磁気エンコーダトラックが着磁される。このとき、磁気エンコーダトラックが中心軸回りに回転しているため、周方向にS極とN極とが交互に並ぶ状態に着磁される。
この磁気エンコーダの着磁装置は、磁気回路となる閉回路の一部をチャックで構成したことにより、特殊な機構や治具を用いない簡素な構成でありながら、未着磁の磁気エンコーダトラックに着磁を行うことができる。また、適用範囲が広く、各種の回転検出装置用の磁気エンコーダに対して着磁を行える。
記一方の着磁ヘッドと前記磁気エンコーダトラックの対向面積よりも、前記他方の着磁ヘッドと前記チャックの対向面積の方が広い。また、前記他方の着磁ヘッドは、先端部分が前記チャックの外周面にラジアル隙間を介して対向して他の部分よりも前記チャックの外周面に沿って周方向に広がった形状である。
磁気エンコーダトラックと対向する着磁ヘッドである一方の着磁ヘッドと磁気エンコーダトラックの対向部は、磁気エンコーダトラックに狭いピッチで着磁するために、両者の対向面積を狭くするのが良い。これに対し、チャックと対向する着磁ヘッドである他方の着磁ヘッドとチャックの対向部が、磁気飽和が起きるのを防ぐために、両者の対向面積を広くするのが良い。他方の着磁ヘッドとチャックの対向面積を広くすると、両者間の磁気抵抗が小さくなるので、磁気飽和を防げる。磁気抵抗が小さくなることで、他方の着磁ヘッドとチャック間での漏れ磁束が減り、着磁強度が向上する。また、着磁飽和が起こりにくので、励磁コイルにかける電圧を上げることができ、より一層着磁強度を高めることができる。さらに、磁気飽和防止のために着磁電流の電圧の調整に注意を払わなくて済むため、効率良く着磁を行うことができる。
この発明において、前記チャックは、円周方向に並んで配置された複数のチャック爪を径方向に変位させることで、前記環状磁性体の把持および解放を行う構成であっても良い。この構成のチャックは、円環状等の環状磁性体を正確に把持することができ、精度の良い着磁が可能となる。
この発明において、前記他方の着磁ヘッドは、前記チャックにおける前記回転軸を中心とする円筒面と対向していてもよい。
この場合でも、前記各作用・効果を得ることができる。
この発明の磁気エンコーダの着磁装置は、環状の芯金に未着磁の磁気エンコーダトラックが設けられた環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、前記磁気エンコーダトラックに磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有し、これら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの前記未着磁の磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、流れ方向が交互に切り替わる着磁電流を前記励磁コイルに供給して前記一対の着磁ヘッド間に交番磁束を通す着磁電源と、前記環状磁性体を把持して前記磁気エンコーダトラックの中心軸と一致する回転軸回りに回転するチャックとを備え、前記チャックは、前記環状磁性体に接する把持部を含む少なくとも一部分が磁性体からなり、前記一対の着磁ヘッドのうちの一方の着磁ヘッドは前記磁気エンコーダトラックに対向し、他方の着磁ヘッドは前記チャックの磁性体からなる部分に対向し、前記一方の着磁ヘッドと前記磁気エンコーダトラックの対向面積よりも、前記他方の着磁ヘッドと前記チャックの対向面積の方が広く、前記他方の着磁ヘッドは、先端部分が前記チャックの外周面にラジアル隙間を介して対向して他の部分よりも前記チャックの外周面に沿って周方向に広がった形状であるため、特殊な機構や治具を用いない簡素な機構でありながら、各種の回転検出装置用の磁気エンコーダに適用可能で、環状磁性体の未着磁の磁気エンコーダトラックに効率良く着磁を行うことができる。
この発明の一実施形態にかかる着磁装置の概略構成を示す斜視図である。 同着磁装置の側面図である。 同着磁装置の着磁ヨークの一方の着磁ヘッドと磁気エンコーダトラックの対向部を示す平面図である。 同着磁装置の着磁ヨークの他方の着磁ヘッドとチャックの対向部を示す底面図である。 同着磁装置のチャックによる環状磁性体の把持構造を示す平面図である。 同着磁装置の磁束の流れを示す説明図である。 この発明の他の実施形態にかかる着磁装置の側面図である。 参考提案例にかかる着磁装置の側面図である。 (A)は他の参考提案例にかかる着磁装置の正面図、(B)はその側面図である。 (A)はさらに他の参考提案例にかかる着磁装置の正面図、(B)はその側面図である。 (A)は図9に示す着磁装置のチャックの平面図、(B)はその側面図である。 (A)は図9に示す着磁装置のチャックの平面図に着磁ヨークの一方の着磁ヘッドの平面位置を描き加えた図、(B)は同着磁ヘッドのチャックとの対向面をハッチングで示した図、(C)は同対向面のうちのチャック爪と固定部材との隙間と対向する部分をハッチングで示した図である。 (A)は図12の着磁ヘッドとは形状が異なる着磁ヘッドのチャックとの対向面をハッチングで示した図、(B)は同対向面のうちのチャック爪と固定部材との隙間と対向する部分をハッチングで示した図である。 (A)はこの発明のさらに他の実施形態にかかる着磁装置の側面図、(B)はその底面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる着磁装置の側面図である。 (A)はさらに他の参考提案例にかかる着磁装置の正面図、(B)はその側面図である。 (A)はこの発明のさらに他の実施形態にかかる着磁装置の側面図、(B)はその底面図である。 のさらに他の参考提案例にかかる着磁装置の側面図である。 のさらに他の参考提案例にかかる着磁装置の側面図である。 (A)はラジアルタイプの磁気エンコーダの断面図、(B)はその要部の展開図である。 アキシアルタイプの磁気エンコーダの斜視図である。 (A)は従来の着磁装置の側面図、(B)はその底面図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。
この着磁装置1は、例えば、各種機器の回転検出、回転角度検出に使用する磁気エンコーダの着磁装置に適用される。この着磁装置1により得られる磁気エンコーダは、図20(A)に示すようなラジアルタイプの磁気エンコーダREである。この磁気エンコーダ用の環状磁性体10は、段付き円筒状の芯金11の大径部11aの外周面に未着磁の磁気エンコーダトラック12を設けたものである。磁気エンコーダトラック12を着磁することで、磁気エンコーダトラック12がN極とS極が円周方向に交互に並ぶ磁気パターンの磁石となる。
芯金11は、厚さ1mm以上のプレス金属板、焼結金属板等の磁性体からなる。溶製材や鋼材の加工品であってもよい。なお、芯金11の肉厚が1mm以下の場合、非磁性体であっても磁気回路に及ぼす影響が小さいため、芯金11に非磁性体を用いても良い。磁気エンコーダトラック12は、例えば、磁性粉を含むゴム、プラスチック、焼結体等であり、着磁によって磁石となる。磁石の種類としては、フェライト磁石、ネオジム磁石、ボンド磁石等である。
図1および図2に示すように、この着磁装置1は、着磁対象となる環状磁性体10を回転軸L回りに回転させつつ着磁して磁気エンコーダを得るものであり、着磁ヨーク2と、励磁コイル3と、着磁電源4と、チャック5とを備える。着磁ヨーク2は、環状磁性体10の未着磁の磁気エンコーダトラック12に着磁するためのもので、外周に励磁コイル3が巻かれている。着磁電源4は、励磁コイル3に着磁電流を供給する。チャック5は、環状磁性体10を把持して前記回転軸Lの回りに回転する。
前記着磁ヨーク2は、磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッド2a,2bを有する。励磁コイル3に電流が流れると、一対の着磁ヘッド2a,2bにN極およびS極に対応する磁力が発生する。一対の着磁ヘッド2a,2bは、チャック5の円周方向における同位相に配置されている。
一方の着磁ヘッド2aは、図3に示すように、平面視において先端に行く程に幅が狭まる尖塔形状であり、環状磁性体10の磁気エンコーダトラック12にラジアル隙間13を介して対向する。他方の着磁ヘッド2bは、図4に示すように、チャック5の外周面にラジアル隙間14を介して対向する。チャック5の外周面は、回転軸Lを中心とする円筒面である。着磁ヘッド2bとチャック5の対向面積が十分大きくなるように、着磁ヘッド2bの先端部分はチャック5の外周面に沿って周方向に広がった形状としてある。つまり、一方の着磁ヘッド2aと磁気エンコーダトラック12の対向面積よりも、他方の着磁ヘッド2bとチャック5の対向面積の方が広い。また、着磁ヘッド2bの磁気抵抗が大きくならないように、着磁ヘッド2bの肉厚(径方向寸法)も厚めにしてある。
因みに、他方の着磁ヘッド2bとチャック5間の磁気抵抗Rmは、Rm=d/μSで表される。ここで、μは透磁率、dは磁路の長さ(ラジアル隙間14の寸法)、Sは断面積(対向面積)である。
図1において、前記着磁電源4は、磁気エンコーダトラック12をN極に着磁する電流を励磁コイル3に与えるN極電源4aと、S極に着磁する電流を励磁コイル3に与えるS極電源4bとが個別に設けられ、切替器4cにより両電源4a,4bと励磁コイル3との接続の切替を行う。この切替のタイミング、電流の強さ等の制御は、図示しない制御装置により行う。
前記チャック5は、この例では、全体が磁性体からなり、図5に示す爪式の構造である。この例の場合、円周方向に3分割された平面形状が扇形の爪5aを3つ有し、各爪5aの外周面を環状磁性体10の芯金11の内周面に押し当てて環状磁性体10を把持する。図示しない変位機構により各爪5aを径方向に変位させることで、環状磁性体10の把持および解放を行う。また、チャック5は、図示しない回転機構により、回転軸Lすなわち磁気エンコーダトラック12の中心軸回りに回転する。磁性体からなるチャック5は、ヨーク2、磁気エンコーダトラック12、および芯金11と共に、磁気回路となる閉回路を構成する。
この種の構造のチャック5では、環状磁性体10を把持した状態における爪5a同士の隙間15をなるべく狭く設計するのが望ましい。その理由は、チャック5が磁気回路の一部を構成するため、隙間15を極限まで狭くすることで回転中の磁気回路の変動を極力小さく抑えられるからである。例えば、爪5aの開閉方式をダイアフラム方式とすると、爪5a同士の隙間15を1mm以下に設計することが可能である。チャック5は、これ以外の構造のものであってもよい。
この着磁装置1による磁気エンコーダの着磁方法を説明する。
環状磁性体10を把持したチャック5を磁気エンコーダトラック12の回転軸Lの回りに回転させつつ、着磁電源4により励磁コイル3に着磁電流を供給する。着磁電流は、制御装置(図示せず)の制御により、短い周期で流れ方向が正逆交互に切り替わる。これにより、図6のような、着磁ヨーク2の一方の着磁ヘッド2a→磁気エンコーダトラック12→芯金11→チャック5→着磁ヨーク2の他方の着磁ヘッド2bの順の磁束の流れと、この逆の順の磁束の流れとを繰り返す交番磁束が発生する。磁束が磁気エンコーダトラック12を通過する際に、磁気エンコーダトラック12に含有されている磁性粉が励磁されて磁気エンコーダトラック12が着磁される。このとき、磁気エンコーダトラック12が回転軸L回りに回転しているため、周方向にS極とN極とが交互に並ぶ状態に着磁される。
着磁ヨーク2の一対の着磁ヘッド2a,2bが円周方向の同位相に配置されているため、磁気回路の円周方向の振れ幅が少なく、磁気回路を短くできる。そのため、磁気抵抗が小さくて磁束密度が高くなり、着磁に好ましいものとなっている。また、磁気エンコーダトラック12における磁束の通過方向が円周方向に対して直角方向となるため、狭いピッチで着磁することができる。さらに、着磁ヨーク2の一方の着磁ヘッド2aが図3に示すような尖塔形状であると、磁束を集中させることができるため、より一層狭いピッチで着磁することができる。
他方の着磁ヘッド2bとチャック5の対向面積を十分大きくし、かつ他方の着磁ヘッド2bとチャック5のラジアル隙間14を狭くしたことにより、着磁ヘッド2bとチャック5間の磁気抵抗を下げて、着磁強度を高くすることができる。また、励磁コイル3に大電流を流しても、他方の着磁ヘッド2bとチャック5との間で磁気飽和が起きにくいため、磁気エンコーダトラック12を通過する磁束を増やすことができ、着磁強度を上げられる。着磁飽和が起こりにくいと、励磁コイル3にかける電圧を上げて、より一層着磁強度を高めることもできる。なお、磁気抵抗が大きいと、着磁ヘッド2bとチャック5間で漏れ磁束が増えるため、一方の着磁ヘッド2aから他方の着磁ヘッド2bへ流れる磁束が減り、着磁強度が低下する。
この着磁装置1は、チャック5により環状磁性体10を直接把持するため、環状磁性体10を固定するための治具が不要であり、簡素な構成となっている。また、チャック5で環状磁性体10を堅固に把持できるため、磁気エンコーダトラック12の回転振れが抑えられ、安定して着磁することができ、着磁精度が良好である。なお、一般的には、着磁ヘッド2aと磁気エンコーダトラック12を近づける方が精度良く着磁することができる。
このように、この磁気エンコーダの着磁装置1は、磁気回路となる閉回路の一部をチャック5で構成することにより、特殊な機構や治具を用いない簡素な構成でありながら、未着磁の磁気エンコーダトラック12に着磁を行うことができる。また、他方の着磁ヘッド2bとチャック5の対向面積を十分大きくしたことで、磁気飽和が起こりにくい磁気回路が形成され、着磁強度を高めることができる。この着磁装置1は、適用範囲が広く、各種の回転検出装置用の磁気エンコーダの着磁を行える。
図7は他の実施形態を示す。この着磁装置1は、環状磁性体10の芯金11を円筒部11bとフランジ部11cとからなる断面L字形とし、この芯金11の円筒部11bの外径面からフランジ部11の端面にかけて磁気エンコーダトラック12を設け、円筒部11bの内径面をチャック5で把持するようにしている。この構成であると、図2の構成に比べて、磁気回路を短くすることができるため、漏れ磁束が減り、着磁の効率を向上させることができる。
図8は参考提案例を示す。この着磁装置1は、着磁ヨーク2の一方の着磁ヘッド2aは磁気エンコーダトラック12に対向し、他の着磁ヘッド2bはチャック5の端面に対向している。このように着磁ヘッド2bがチャック5の端面に対向する場合も、着磁ヘッド2bとチャック5との対向面積が十分大きくなるように、着磁ヘッド2bの先端部分をチャック5の端面に沿って円周方向に広がった形状とするのが良い。
上記の各実施形態および参考提案例は、図20に示すようなラジアルタイプ磁気エンコーダRE用の着磁装置であるが、この発明は、図21に示すようなアキシアルタイプ磁気エンコーダAE用の着磁装置にも適用できる。アキシアルタイプ磁気エンコーダAE用の環状磁性体10は、断面L形の芯金11のつば状部11dの表面に未着磁の磁気エンコーダトラック12が設けられている。
図9、図10に示す各着磁装置は、アキシアルタイプ磁気エンコーダ用の参考提案例に係る着磁装置であって、着磁ヨーク2の一対の着磁ヘッド2a,2bが、それぞれ環状磁性体10の磁気エンコーダトラック12およびチャック5の端面にアキシアル隙間16,17を介して対向する。これらアキシアルタイプ磁気エンコーダ用の着磁装置1も、前記ラジアルタイプ磁気エンコーダ用の着磁装置1と同様に、着磁ヘッド2bとチャック5との対向面積を十分大きく形成してある。具体的には、着磁ヘッド2bの先端部分が、チャック5の端面に沿って円周方向に広がった形状とされている。
図9の着磁装置1は、チャック5により環状磁性体10の芯金11の外径面を把持する構成であり、図10の着磁装置1は、チャック5により環状磁性体10の芯金11の内径面を把持する構成である。図9の着磁装置1を例にとって、アキシアルタイプ磁気エンコーダ用の着磁装置1のチャック5について説明する。
図11に示すように、チャック5は、円周方向に等間隔に並ぶ3個の爪5aを有し、各爪5aがコレット方式の開閉機構(図示せず)により径方向に進退可能である。各爪5aは内径端部5aa同士が対向しており、それぞれの内径端部5aaに、環状磁性体10の芯金11の内径面に押し当てられる突起18が設けられている。各爪5aは、前記内径端部5aaと、この内径端部5aaから外径側へ続き両側面が互いに平行な中間部5abと、この中間部5abから外径側へ続き両側面が径方向に沿う外径部5acとかなる。隣合う一対の爪5aの中間部5abおよび外径部5ac間には、固定部材5bが設けられている。
着磁ヨーク2の一方の着磁ヘッド2b、つまりチャック5の端面と対向する着磁ヘッド2bの対向面の形状は、図12に示すように長方形とされている。その理由を説明する。着磁動作時には、チャック5の回転に伴い、着磁ヘッド2bがチャック5に対して相対回転する。着磁ヘッド2bがチャック5の爪5aと固定部材5b間の隙間19を通過する際に、着磁ヘッド2bとチャック5の有効断面積が隙間19の分だけ減少することで、磁気抵抗が増加し、磁気回路を流れる磁束が減少する。
着磁ヘッド2bの対向面の形状が図13のような扇形であると、着磁ヘッド2bの円周方向の一端が隙間19に差し掛かったとき、着磁ヘッド2bとチャック5の有効断面積が、本来の断面積Sに対して隙間部分の断面積S1だけ一気に減少する。これに対し、着磁ヘッド2bの対向面の形状が図12のような長方形であると、本来の断面積S´に対する有効断面積の減少分は断面積S1´だけで済む。このため、チャック5の回転に伴う磁気抵抗の変動を抑えることができ、安定した着磁を行える。図12、図13の各着磁ヘッド2bの断面積比は、(S1/S)>(S1´/S1)の関係となっている。
図14に示す着磁装置1は、着磁ヨーク2の一方の着磁ヘッド2aをアキシアルタイプ磁気エンコーダ用の環状磁性体10の磁気エンコーダトラック12に対向させ、他の着磁ヘッド2bはチャック5の外周面に対向させた構成である。前記同様に、着磁ヘッド2bとチャック5との対向面積が十分大きくなるように、着磁ヘッド2bの先端部分をチャック5の外周面に沿って広がった形状としてある。
図15に示す着磁装置1は、図14の着磁装置1に対して、チャック5の端面を環状磁性体10の芯金11のフランジ部11dに当接した構成である。この構成であると、図14の構成に比べて、磁気回路を短くすることができるため、漏れ磁束が減り、着磁の効率を向上させることができる。
図14、図15は、チャック5により芯金11の内径面を把持する構成であるが、外径面を把持する構成としても良い。内径面把持および外径面把持のどちらにも適用可能であるため、設計の自由度が高い。
上記各着磁装置1のようにチャック5の全体を磁性体とすると、チャック5の形状やチャック爪5aの開閉機構に関係なく、あらゆる形態のチャック5を適用することができる。なお、チャック5の全体を磁性体で構成せずに、チャック5における磁束が流れる磁束流れ部だけを磁性体とし、他は非磁性体としてもよい。または、チャック5とは別部材からなる透磁率の高い治具をチャック5に設けて、この治具を磁束流れ部としてもよい。
図16は、図9に示す着磁装置1のチャック5の端面に磁束流れ部20を設けた例である。つまり、着磁ヨーク2の一方の着磁ヘッド2aと環状磁性体10を挟んでアキシアル方向に対向する部分から他方の着磁ヘッド2bとアキシアル方向に対向する部分にかけての表層部が、磁性体からなる磁束流れ部20となっている。
図17は、図14に示す着磁装置1のチャック5の端面から外周面にかけて磁束流れ部20を設けた例である。つまり、チャック5の端面に沿う端面部20aとチャック5の外周に沿う外周部20bとからなる断面L字形であり、端面部20aの内径端が芯金11を挟んで一方の着磁ヘッド2aとアキシアル方向に対向し、外周部20bが他方の着磁ヘッド2bとラジアル方向に対向している。
図18のように、環状磁性体10の芯金11の肉厚を厚くしてもよい。芯金11がプレス金属板、焼結金属板等の磁性体である場合、一般的には1mm以上の肉厚を有していればよいが、流れる磁束の量を多くするには、芯金11の肉厚を厚くするのが好ましい場合がある。
また、図19のように、チャック5に環状磁性体10を固定する治具21を設けても良い。治具21は磁性体であるのが望ましいが、芯金11または治具21の厚みが薄い場合、磁気回路に及ぼす影響が小さいため、非磁性体で構成してもよい。
1…着磁装置
2…着磁ヨーク
2a…一方の着磁ヘッド
2b…他方の着磁ヘッド
3…励磁コイル
4…着磁電源
5…チャック
5a…チャック爪
10…環状磁性体
11…芯金
12…磁気エンコーダトラック
21…治具
AE…アキシアルタイプの磁気エンコーダ
L…回転軸
RE…ラジアルタイプの磁気エンコーダ

Claims (4)

  1. 環状の芯金に未着磁の磁気エンコーダトラックが設けられた環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、前記磁気エンコーダトラックに磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、
    磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有し、これら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの前記未着磁の磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、流れ方向が交互に切り替わる着磁電流を前記励磁コイルに供給して前記一対の着磁ヘッド間に交番磁束を通す着磁電源と、前記環状磁性体を把持して前記磁気エンコーダトラックの中心軸と一致する回転軸回りに回転するチャックとを備え、
    前記チャックは、前記環状磁性体に接する把持部を含む少なくとも一部分が磁性体からなり、前記一対の着磁ヘッドのうちの一方の着磁ヘッドは前記磁気エンコーダトラックに対向し、他方の着磁ヘッドは前記チャックの磁性体からなる部分に対向し、
    前記一方の着磁ヘッドと前記磁気エンコーダトラックの対向面積よりも、前記他方の着磁ヘッドと前記チャックの対向面積の方が広く、
    前記他方の着磁ヘッドは、先端部分が前記チャックの外周面にラジアル隙間を介して対向して他の部分よりも前記チャックの外周面に沿って周方向に広がった形状である
    磁気エンコーダの着磁装置。
  2. 請求項1に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記チャックは、円周方向に並んで配置された複数のチャック爪を径方向に変位させることで、前記環状磁性体の把持および解放を行う磁気エンコーダの着磁装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記他方の着磁ヘッドと前記チャックとの間に磁性体からなる治具を介在させた磁気エンコーダの着磁装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記他方の着磁ヘッドが、前記チャックにおける前記回転軸を中心とする円筒面と対向する磁気エンコーダの着磁装置。
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