JP5314557B2 - 磁気エンコーダおよびその製造方法、回転検出装置 - Google Patents

磁気エンコーダおよびその製造方法、回転検出装置 Download PDF

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Description

この発明は、各種機器の回転検出、回転角度検出に使用する磁気エンコーダおよびその製造方法、回転検出装置に関する。
軸受要素の技術分野に関し、ライン状に並べた磁気センサを使用して、内挿したパルス信号を得る技術が開示されている(特許文献1,2)。
1回転あたりの磁極対数が異なる磁気ドラムと、複数の磁気センサとを使用して絶対角度を演算する技術が開示されている(特許文献3)。
前記特許文献1,2における磁気センサを使用して、異なる2つの磁気エンコーダの位相差に基づいて絶対角度を検出する角度検出装置が開示されている(特許文献4)。
また、多磁極着磁した磁気エンコーダを製造する方法等が開示されている(特許文献5)。
特表2001−518608号公報 特表2002−541485号公報 特開平6−58766号公報 特開2008−233069号公報 特許第4024472号公報
特許文献1,2を応用した特許文献4の角度検出装置において、センサ素子および演算処理回路を半導体上に集積する場合、センサを可能な限り省スペースに配置したい。
特許文献3で使用する2つの磁気エンコーダを近接配置すると、互いの磁気パターンが干渉して角度検出精度が悪化する。その結果、絶対角度を算出するための位相差が正確に求められず、絶対角度を算出する誤差が増大する。
特許文献4に記載された磁気エンコーダを別構成で実現する場合、磁気エンコーダの組立工程時に変形が起こると、着磁精度が悪化する。
また、それぞれの磁気エンコーダに着磁された信号を合わせることが難しいため、絶対角度検出の演算回路に伝相調整工程や、位相ずれの補正値を設定する必要がある。
複数のセンサ素子間隔を大きくして構成すると上記の問題は解決できるが、半導体チップ面積が大きくなり、製造コストの増加になる。
この発明の目的は、複列の磁気エンコーダトラックについて、磁気干渉を生じることなく簡単に着磁し得ると共に着磁精度の向上を図り、製造コストの低減を図ることができる磁気エンコーダおよびその製造方法、回転検出装置を提供することである。
この発明の磁気エンコーダは、2列以上の環状の磁気エンコーダトラックを並べて形成可能なトラック形成部を有する芯金本体と、この芯金本体の前記トラック形成部における個々の磁気エンコーダトラックの形成領域間に立ち上がって介在するスペーサ部およびこのスペーサ部の基端に設けられて前記トラック形成部に重なる重なり部を有しこの重なり部で前記芯金本体に固定されたスペーサ部材とでなる芯金を設け、この芯金の前記トラック形成部における前記各磁気エンコーダトラック形成領域に、前記スペーサ部で互いに仕切られた磁気エンコーダトラックを設けたことを特徴とする。
この構成によると、芯金本体のトラック形成部に、スペーサ部材の重なり部を重ねて固定することで芯金を組立てることができる。この組立てられた芯金のトラック形成部における各磁気エンコーダトラック形成領域に、前記スペーサ部で互いに仕切られた磁気エンコーダトラックを設ける。その後、各列の磁気エンコーダトラックを個別に着磁すると、磁気干渉を生じることなく簡単に着磁し得る。この場合、従来のような磁気エンコーダの組立に起因する変形が起こらないうえ、各列の磁気エンコーダトラックを精度良く着磁することができる。
また、それぞれの磁気エンコーダトラックに着磁された信号を容易に合わせることができるため、例えば、補正値を設定したり、複数のセンサ素子間隔を大きく構成する等の対策を講じる必要がなくなる。よって、製造コストの低減を図ることが可能となる。
前記芯金本体およびスペーサ部材は、それぞれ軸方向に平行な軸心を有する筒状であって、前記芯金本体は、トラック形成部を成すトラック形成筒部と、このトラック形成筒部に連なり取付対象に取り付けられる取付筒部とを有し、前記スペーサ部材は、前記重なり部を成す円筒部と、この円筒部の端部から径方向外方にフランジ状に延びる前記スペーサ部とを有し、前記芯金本体のトラック形成筒部の外周面に、前記スペーサ部材の円筒部の内周面を圧入嵌合させたものであっても良い。
この場合、芯金本体のトラック形成筒部の外周面に、スペーサ部材の円筒部の内周面を圧入嵌合させることで、芯金本体およびスペーサ部材を組立て、ラジアルタイプの磁気エンコーダを実現することができる。
前記芯金本体は軸方向を向く板状であり、前記スペーサ部材は、スペーサ部が筒状で重なり部が軸方向を向く板状であり、前記芯金本体は、磁気エンコーダトラックが正面に形成されたトラック形成部を有し、このトラック形成部に円筒状の段差部を設けてこの段差部にスペーサ部材の円筒部を嵌合させ、前記芯金本体のトラック形成部の正面側に、スペーサ部材の重なり部を重ねたものであっても良い。
この場合、芯金本体のトラック形成部の段差部にスペーサ部材の円筒部を嵌合させることで、芯金本体およびスペーサ部材を組立て、アキシアルタイプの磁気エンコーダを実現することができる。
前記スペーサ部材を、スペーサ部と重なり部とで断面L字状に形成しても良い。この場合、例えば、厚みが0.5mm以下のスペーサ部材を使用することで、個々の磁気エンコーダトラック間に介在するスペーサ部の幅を抑えることができる。センサを配置する位置での磁力低下を抑制しつつ、互いのトラックで作用する磁気干渉を抑えることができるため、精度良く着磁できる。
前記スペーサ部材の中間部を断面略U字状の折り重ね状態に曲げ形成した前記スペーサ部とし、このスペーサ部の略U字状の両基端から互いに離隔する方向に延びる前記重なり部としても良い。この場合、厚みが0.2mm〜0.3mm程度のスペーサ部材を使用することで、スペーサ部の幅を0.5mm程度に抑えることができる。
前記芯金本体およびスペーサ部材のいずれか一方に、これら芯金本体とスペーサ部材とを位置決めする位置決め手段を設け、この位置決め手段は、トラック形成部に重なり部を重ねた状態で、スペーサ部材を芯金本体に対して相対的に規制し位置決めするものであっても良い。この場合、位置決め手段により、芯金本体とスペーサ部材との位置決めがし易くなり、位置決め手段が設けられていないものより、芯金の組立精度を上げることができる。
前記スペーサ部材に、隣接する磁気エンコーダトラックを接続する貫通孔を設けても良い。この場合、例えば、ゴムやプラスチックを形成時、磁気エンコーダトラックの被検出面となる面に、磁気エンコーダトラック形成用の「型」を配置することができる。このように「型」を配置しても、複列の磁気エンコーダトラック形成領域に、貫通孔を通して磁気エンコーダトラックの材料を行き渡らせ磁性粉を含むゴム、プラスチックを形成し得る。したがって、スペーサ部を覆うトラックがなくなり、磁気干渉を抑えることができる。このため、精度良く着磁ができる。また、複列の磁気エンコーダトラックを貫通孔を通して連結することで、トラック間の連結も強固になる。この場合、より高速での回転も可能になる。
前記磁気エンコーダトラックは、ゴムまたはプラスチックに磁性粉を混合させた材質から成るものであっても良い。
前記磁気エンコーダトラックは、等ピッチの着磁パターンで磁極が交互に繰り返す回転検出用トラックを含むものであっても良い。
前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、一回転に一回または数回の繰り返しパターンを設けて、回転の基準位置を示すZ相信号を生成するものであっても良い。
前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、前記回転検出用の等ピッチの着磁パターンとは磁極間隔が異なる等ピッチの着磁パターンで形成されるものであっても良い。
前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、前記回転検出用の等ピッチの着磁パターンと同じ磁極数で且つ位相関係がずれたパターンで形成されるものであっても良い。
このような複雑な着磁パターンであっても精度良く着磁可能となる。
この発明における第1の回転検出装置は、請求項1ないし請求項12のいずれか1項の磁気エンコーダと、この磁気エンコーダの磁界を検出する磁気センサとを備えた回転検出装置において、前記磁気センサが、互いに磁極ピッチ内でずれた位置に配置された複数のセンサ素子を有し、sinおよびcosの2相の信号出力を得られるものであって、磁極内における位置を逓倍して検出するものである。
磁気センサをこのような構成にすると、磁気エンコーダの磁界分布をオン・オフ信号としてではなく、アナログ電圧による正弦波状の信号としてより細かく検出でき、精度の良い絶対角度検出が可能となる。
この発明における第2の回転検出装置は、請求項1ないし請求項12のいずれか1項の磁気エンコーダと、この磁気エンコーダの磁界を検出する磁気センサとを備えた回転検出装置において、前記磁気センサが、磁気エンコーダの磁極の並び方向に沿ってセンサ素子が並ぶラインセンサで構成され、sin,cosの2相の信号出力を演算によって生成して、磁極内における位置を検出するものである。
磁気センサをこのようにラインセンサで構成した場合、磁界パターンの歪みやノイズの影響が低減されて、より高い精度で磁気エンコーダの位相を検出し得る。
この発明の磁気エンコーダの製造方法は、芯金と、この芯金に形成した複列の磁気エンコーダトラックとを備えた磁気エンコーダの製造方法であって、2列以上の環状の磁気エンコーダトラックを並べて形成可能なトラック形成部を有する芯金本体と、この芯金本体の前記トラック形成部における個々の磁気エンコーダトラックの形成領域間に立ち上がって介在するスペーサ部およびこのスペーサ部の基端に設けられて前記トラック形成部に重なる重なり部を有しこの重なり部で前記芯金本体に固定されたスペーサ部材とでなる芯金を組み立てる組立過程と、この組立過程の後、前記トラック形成部における前記各磁気エンコーダトラック形成領域に、前記スペーサ部で互いに仕切られて並ぶ未着磁の磁気エンコーダトラックを設けるトラック形成過程と、このトラック形成過程の後、各列の磁気エンコーダトラックを個別に着磁する着磁過程とを含む。
この構成によると、芯金本体のトラック形成部に、スペーサ部材の重なり部を重ねて固定することで芯金を組立てる。→未着磁の複列の磁気エンコーダトラックを形成する。→磁気エンコーダトラックを着磁する。この場合、芯金を組立て後、磁気エンコーダトラックを形成するため、従来のような磁気エンコーダの組立に起因する変形が起こらないうえ、各列の磁気エンコーダトラックを精度良く着磁することができる。また、それぞれの磁気エンコーダトラックに着磁された信号を容易に合わせることができるため、例えば、補正値を設定したり、複数のセンサ素子間隔を大きく構成する等の対策を講じる必要がなくなる。
この発明の磁気エンコーダは、2列以上の環状の磁気エンコーダトラックを並べて形成可能なトラック形成部を有する芯金本体と、この芯金本体の前記トラック形成部における個々の磁気エンコーダトラックの形成領域間に立ち上がって介在するスペーサ部およびこのスペーサ部の基端に設けられて前記トラック形成部に重なる重なり部を有しこの重なり部で前記芯金本体に固定されたスペーサ部材とでなる芯金を設け、この芯金の前記トラック形成部における前記各磁気エンコーダトラック形成領域に、前記スペーサ部で互いに仕切られた磁気エンコーダトラックを設けたため、複列の磁気エンコーダトラックについて、磁気干渉を生じることなく簡単に着磁し得ると共に着磁精度の向上を図り、製造コストの低減を図ることができる。
この発明における第1の回転検出装置は、請求項1ないし請求項12のいずれか1項の磁気エンコーダと、この磁気エンコーダの磁界を検出する磁気センサとを備えた回転検出装置において、前記磁気センサが、互いに磁極ピッチ内でずれた位置に配置された複数のセンサ素子を有し、sinおよびcosの2相の信号出力を得られるものであって、磁極内における位置を逓倍して検出するため、複列の磁気エンコーダトラックについて、磁気干渉を生じることなく簡単に着磁し得ると共に着磁精度の向上を図り、製造コストの低減を図ることができる。
この発明における第2の回転検出装置は、請求項1ないし請求項12のいずれか1項の磁気エンコーダと、この磁気エンコーダの磁界を検出する磁気センサとを備えた回転検出装置において、前記磁気センサが、磁気エンコーダの磁極の並び方向に沿ってセンサ素子が並ぶラインセンサで構成され、sin,cosの2相の信号出力を演算によって生成して、磁極内における位置を検出するため、複列の磁気エンコーダトラックについて、磁気干渉を生じることなく簡単に着磁し得ると共に着磁精度の向上を図り、製造コストの低減を図ることができる。
この発明の磁気エンコーダの製造方法は、芯金と、この芯金に形成した複列の磁気エンコーダトラックとを備えた磁気エンコーダの製造方法であって、2列以上の環状の磁気エンコーダトラックを並べて形成可能なトラック形成部を有する芯金本体と、この芯金本体の前記トラック形成部における個々の磁気エンコーダトラックの形成領域間に立ち上がって介在するスペーサ部およびこのスペーサ部の基端に設けられて前記トラック形成部に重なる重なり部を有しこの重なり部で前記芯金本体に固定されたスペーサ部材とでなる芯金を組み立てる組立過程と、この組立過程の後、前記トラック形成部における前記各磁気エンコーダトラック形成領域に、前記スペーサ部で互いに仕切られて並ぶ未着磁の磁気エンコーダトラックを設けるトラック形成過程と、このトラック形成過程の後、各列の磁気エンコーダトラックを個別に着磁する着磁過程とを含むため、複列の磁気エンコーダトラックについて、磁気干渉を生じることなく簡単に着磁し得ると共に着磁精度の向上を図り、製造コストの低減を図ることができる。
この発明の一実施形態に係る磁気エンコーダの要部断面図である。 (A)は芯金本体にスペーサ部材を組立てる段階の断面図、(B)は芯金を組立てた段階の断面図、(C)は未着磁の2列の磁気エンコーダトラックを形成した段階の断面図である。 環状磁性体を回転させながら、この環状磁性体の円周方向の一部ずつ着磁ヘッドにより着磁する例を示す図である。 環状磁性体の各磁気エンコーダトラックに着磁する磁極の各パターン例を示す図である。 (A)は、この発明の他の実施形態に係る磁気エンコーダの芯金を組立てる段階の断面図、(B)は同芯金を組立てた段階の断面図、(C)は未着磁の2列の磁気エンコーダトラックを形成した段階の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダの要部断面図である。 (A)は、この発明のさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダにおけるスペーサ部材の断面図、(B)は同スペーサ部材の平面図である。 (A)はさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダにおけるスペーサ部材の断面図、(B)はさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダにおけるスペーサ部材の断面図である。 (A)は、この発明の実施形態に係るアキシアルタイプの磁気エンコーダの断面図、(B)は、この発明の他の実施形態に係るアキシアルタイプの磁気エンコーダの断面図である。 (A)は、この発明のさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダの断面図、(B)は、この発明のさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダの断面図である。 (A)はこの発明のいずれかの磁気エンコーダと、この磁気エンコーダの磁界を検出する磁気センサとを備えた回転検出装置の概念図、(B)は磁気センサの一構成例の説明図である。 磁気センサの他の構成例の説明図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図4と共に説明する。
この発明の実施形態に係る磁気エンコーダは、例えば、各種モータの回転制御に用いられる回転検出装置等に適用される。ただし、各種モータの回転制御用に限定されるものではない。以下の説明は、磁気エンコーダの製造方法についての説明をも含む。
磁気エンコーダの構造としては、アキシアルタイプ、ラジアルタイプのどちらでも良いが、この例ではラジアルタイプの磁気エンコーダ1について説明する。アキシアルタイプの磁気エンコーダについては後述する。
図1に示すように、磁気エンコーダ1は、芯金2と、複列(この例では2列)の環状の磁気エンコーダトラック3,4とを備えている。前記芯金2は、芯金本体5と、スペーサ部材6とでなる。ラジアルタイプの磁気エンコーダ1の場合、芯金本体5およびスペーサ部材6は、それぞれ軸方向に平行な軸心L1を有する筒状である。芯金本体5は、2列以上の環状の磁気エンコーダトラック3,4を並べて形成可能なトラック形成部7を有する。芯金本体5は、前記トラック形成部7を成すトラック形成筒部と、このトラック形成筒部に環状段差部9を介して続く取付筒部10とを有する。芯金本体5は、例えば、厚みが0.5mm以下の薄肉状の軸受鋼、鋼管、その他鋼等から成るパイプ材からなる。このパイプ材を例えばプレス加工機等を用いて絞り加工することで、トラック形成部7、環状段差部9、および取付筒部10が形成される。
スペーサ部材6は、スペーサ部11と、前記トラック形成部7に重なる重なり部12とを有する。スペーサ部材6は、前記重なり部12を成す円筒部と、この円筒部の端部から径方向外方にフランジ状に延びる前記スペーサ部11とを有する。スペーサ部材6は、例えば、厚みが0.5mm以下の磁性体からなるパイプ材をプレス加工機等を用いて、スペーサ部11と重なり部12とで断面L字状に曲げ形成している。
スペーサ部11は、トラック形成部7における個々の磁気エンコーダトラック3,4の形成領域間に立ち上がって介在する。後述の磁気エンコーダトラック3,4は、トラック形成部7における各磁気エンコーダトラック形成領域に、スペーサ部11で互いに仕切られて配置される。前記重なり部12は、スペーサ部11の基端に設けられてトラック形成部7に重なる。換言すれば、芯金本体5のトラック形成部7であるトラック形成筒部の外周面に、スペーサ部材6の重なり部12の内周面を圧入嵌合させている。また、回転部材14の外径面等に、芯金本体5の取付筒部10の内周面を圧入嵌合することで、ラジアルタイプの磁気エンコーダ1が軸受等に取付けられる。回転部材14としては、例えば、回転軸、モータ軸、軸受外輪、軸受内輪等を適用し得る。
磁気エンコーダトラック3,4は、例えば、フェライト系、希土類系、または磁性粉を添加して形成した焼結磁石等から成る環状磁性体に着磁したものである。後述の着磁方式では容易に着磁することができる点と、防錆処理を省ける点でフェライト系が望ましい。その他、磁気エンコーダトラック3,4は、磁性粉を含むゴム、プラスチックから成り、着磁によってそれぞれゴム磁石、プラスチック磁石となるものであっても良い。
図1の例では、軸方向に隣り合う磁気エンコーダトラック3,4の被検出面3a,4aを、同一の径方向位置となるように揃えて形成される。この場合、被検出面3a,4aを金型により揃えて形成しても良いし、被検出面3a,4aを金型により形成した後、被検出面3a,4aを揃えるように切削加工しても良い。この切削加工時、スペーサ部11の外周縁部を同時に切削加工する。このように被検出面3a,4aを揃えると、着磁工程における着磁ヨークと磁石表面とのギャップ管理が容易になるため、着磁強度も安定し、結果として着磁精度を向上させることができる。
次に、磁気エンコーダ1の製造方法について説明する。
磁気エンコーダ1の製造方法は、芯金本体5とスペーサ部材6とでなる芯金2を組み立てる組立過程と、この組立過程の後、トラック形成部7における各磁気エンコーダトラック形成領域に、スペーサ部11で互いに仕切られて並ぶ未着磁の磁気エンコーダトラックを設けるトラック形成過程と、このトラック形成過程の後、各列の磁気エンコーダトラックを個別に着磁する着磁過程とを含む。
先ず、図2(A)に示すように、磁気エンコーダ1の構成部品である芯金2のうち、芯金本体5と、スペーサ部材6とを別々に形成しておく。次に、図2(B)に示すように、芯金本体5のトラック形成筒部8の外周面に、スペーサ部材6の重なり部12の内周面を圧入状態で嵌合することにより、芯金2を組み立てる。このときスペーサ部11は、芯金本体5のトラック形成部7における個々の磁気エンコーダトラック3,4の形成領域間に立ち上がるように軸方向位置が定められる。よって、スペーサ部材6の芯金本体5に対する軸方向の相対位置が定められる。
次に、図2(C)に示すように、芯金2のトラック形成部7における各磁気エンコーダトラック形成領域に、スペーサ部11で互いに仕切られて軸方向に隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラック3A,4Aを形成する。この後、各列の磁気エンコーダトラック3A,4Aを個別に着磁する。
着磁過程では、図3に示すように、芯金本体5を図示外のスピンドル装置等に支持する。そして、未着磁の磁気エンコーダトラック3A,4Aをこの軸心L1回りに回転させながら、磁気エンコーダトラック3A,4Aの円周方向の一部ずつ着磁ヘッド15により着磁する。すなわちインデックス着磁を行う。これにより、各トラック形成領域を、着磁パターンが互いに異なる磁気エンコーダトラック3,4とする。着磁ヘッド15は、着磁ヨーク16に励磁コイル17を巻回したものである。着磁ヨーク16は磁気ギャップを介して対向する一対の対向端部16a,16bを有し、図示外の着磁電源から励磁コイル17に励磁電流を供給することにより、両対向端部16a,16b間に磁束を通す。この着磁ヘッド15の前記磁気ギャップに、所望の1列の磁気エンコーダトラック3(4)を配置する。
所望の1列の磁気エンコーダトラック3(4)が両対向端部16a,16bで挟まれるように配置することで、磁気エンコーダトラック3(4)に磁束を通して着磁する。この場合、前記スピンドル装置に芯金本体5を支持し、同スピンドル装置をインデックス回転させる。この回転の停止毎に、励磁コイル17への通電方向を逆にする。これにより、磁気エンコーダトラック3,4の周方向にN磁極とS磁極とを交互に着磁することができる。
スピンドルの回転に同期して励磁コイル17への通電方向を切り替えて制御することで、回転を停止せずに着磁することも可能である。
図4(A)〜(D)は、図3に示す着磁方法等を用いて、未着磁の各磁気エンコーダトラックに着磁する磁極の各パターン例を示す。図4(A)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック3に、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック4には、回転基準位置検出用の磁極をトラックの一周の一箇所(または複数箇所)に着磁して、回転の基準位置を示すZ相信号を生成するZ相信号生成用トラックとしたものである。
図4(B)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック3に、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック4には、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に、かつ前記回転検出用トラックとは磁極数を異ならせて着磁して、別の回転検出用トラックとしたものである。
図4(C)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック3に、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック4には、互いに異なる磁極を交互に、かつ前記回転検出用トラックと磁極数が同じで磁極の位相をずらして着磁して、別の回転検出用トラックとしたものである。
図4(D)のパターン例では、アキシアルタイプの磁気エンコーダトラック3(4)の各磁極対Aにおいて、図4(C)の例と同様なパターンを形成するために、そのN磁極の幅とS磁極の幅とがトラック外周半部つまり径方向内外で互いに異なるように着磁したものである。
以上説明した磁気エンコーダ1によると、芯金本体5のトラック形成部7に、スペーサ部材6の重なり部12を重ねて固定することで芯金2を組立てることができる。この組立てられた芯金2のトラック形成部7における各磁気エンコーダトラック形成領域に、スペーサ部11で互いに仕切られた磁気エンコーダトラック3A,4Aを設ける。その後、各列の磁気エンコーダトラック3A,4Aを個別に着磁すると、磁気干渉を生じることなく簡単に着磁し得る。この場合、従来のような磁気エンコーダの組立に起因する変形が起こらないうえ、各列の磁気エンコーダトラック3A,4Aを精度良く着磁することができる。
また、それぞれの磁気エンコーダトラック3,4に着磁された信号を容易に合わせることができるため、例えば、補正値を設定したり、複数のセンサ素子間隔を大きく構成する等の対策を講じる必要がなくなる。よって、製造コストの低減を図ることが可能となる。
スペーサ部材6を、スペーサ部11と重なり部12とで断面L字状に形成しているため、例えば、厚みが0.5mm以下のスペーサ部材6を使用することで、個々の磁気エンコーダトラック3,4間に介在するスペーサ部11の幅を抑えることができる。センサを配置する位置での磁力低下を抑制しつつ、互いのトラックで作用する磁気干渉を抑えることができるため、精度良く着磁できる。
この発明の他の実施形態について説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図5に示すように、スペーサ部材6Aの中間部を断面略U字状の折り重ね状態に曲げ形成したスペーサ部11Aとし、このスペーサ部11Aの略U字状の両基端から互いに離隔する方向に延びる重なり部12としても良い。この場合、厚みが0.2mm〜0.3mm程度のスペーサ部材6Aを使用することで、スペーサ部11Aの幅を0.5mm程度に抑えることができる。このスペーサ部材6Aも磁性体からなるパイプ材をプレス加工機等を用いて、スペーサ部11Aを断面略U字状に容易に曲げ形成し得る。スペーサ部11Aとして別部品を設ける必要がないため、部品点数の低減を図り、製造コストの低減を図ることができる。図5(C)に示すように、2列の磁気エンコーダトラック3,4のそれぞれの側について重なり部12,12があるため、被検出面3a,4aを揃えると、2列の磁気エンコーダトラック3,4の肉厚を等しくすることができる。このため、2列の磁気エンコーダトラック3,4の磁界の強さを均一にすることができる。
図6に示すように、芯金本体5に、芯金本体5とスペーサ部材6とを軸方向に位置決めする位置決め手段18となる環状段差部を設けても良い。この環状段差部は、トラック形成筒部8よりも径方向外方に延びる外径側の段差部である。芯金本体5は、この位置決め手段18の外周縁部から軸方向に延びる最大径筒部20を有する。最大径筒部20、位置決め手段18、トラック形成筒部8、環状段差部9、および取付筒部10は、前述のパイプ材を例えばプレス加工機等を用いて絞り加工することで形成される。スペーサ部材6の重なり部12の内周面を、トラック形成筒部8の外周面に圧入嵌合させると共に、スペーサ部11の基端側端面を位置決め手段18に当接させる。これにより、スペーサ部材6を芯金本体5に対して相対的に規制し位置決めする。
この構成によると、位置決め手段18により、芯金本体5とスペーサ部材6との位置決めがし易くなり、位置決め手段が設けられていないものより、芯金2の組立精度を上げることができる。最大径筒部20側に配置した磁気エンコーダトラック3を、トラック形成筒部8側に配置した磁気エンコーダトラック4よりも肉厚を小さくし、2列の磁気エンコーダトラック3,4について磁界の強さに差を設けることもできる。
図7に示すように、スペーサ部材6に、隣接する磁気エンコーダトラック3,4を接続する貫通孔hを設けても良い。図7(A)はこのスペーサ部材6の断面図であり、図7(B)は、図7(A)のB−B線端面図である。貫通孔hは、スペーサ部材6の円周方向複数箇所(この例では4箇所)に等配に形成される。各貫通孔hは、スペーサ部11の径方向基端部分から重なり部12の軸方向基端部分にわたり形成され、且つ、正面視半円形状に形成される。
この場合、磁性粉を含むゴム、プラスチック材料により複列の磁気エンコーダトラック3,4を形成するとき、例えば、ゴムやプラスチックを形成時、磁気エンコーダトラック3,4の被検出面3a,4aとなる面に、磁気エンコーダトラック形成用の「型」を配置することができる。このように「型」を配置しても、複列の磁気エンコーダトラック形成領域に、貫通孔hを通してゴム、プラスチック材料を流動させて行き渡らせ磁性粉を含むゴム、プラスチックを形成し得る。また、複列の磁気エンコーダトラック3,4を貫通孔hを通して連結することで、トラック間の連結も強固になる。このように磁気エンコーダトラック3,4を形成することで、スペーサ部11を覆うトラックがなくなり、磁気干渉を抑えることができる。このため、精度良く着磁ができる。また、貫通孔を設けないものより、磁気エンコーダの軽量化を図ることが可能となる。
貫通孔の他の例として、図8(A)に示すように、正面視真円状の貫通孔hとしても良く、図8(B)に示すように、正面視長孔状の貫通孔hとしても良い。また、貫通孔hはスペーサ部材6に少なくとも1つあれば足りる。
図9(A)に示すように、アキシアルタイプの磁気エンコーダ1の場合、芯金本体5は軸方向を向く鋼板等から成る板状である。スペーサ部材6は、スペーサ部11が筒状で重なり部12が軸方向を向く板状である。芯金本体5は、例えば、プレス加工等により形成され、トラック形成部7と、このトラック形成部7の内径側へ段差部21を介して続きトラック形成部7よりも背面側に位置する内径側板部22とを有する。
芯金本体5は、この内径側板部22の内周側端部から円筒状に延びる円筒部23を有する。この円筒部23の内周面を、例えば、回転部材14の外周面に圧入嵌合させて取り付け可能である。回転部材14の端面に内径側板部22を固定する場合等において、円筒部23を省略しても良い。前記トラック形成部7に円筒状の段差部7aを設けてこの段差部7aにスペーサ部11を径方向に嵌合固定させている。また、芯金本体5のトラック形成部7の正面側にスペーサ部材6の重なり部12を重ねている。よって、スペーサ部11に互いに仕切られた2列の磁気エンコーダトラック3,4が径方向内外に並べて配置される。
図9(B)に示すアキシアルタイプの磁気エンコーダ1は、図9(A)の構成の段差部21および内径側板部22が省略され、トラック形成部7の内周側端部から円筒部23が円筒状に続く。なお、図9(A)、(B)の構成において、スペーサ部材6のうち軸方向を向く板状の重なり部12を省略しても良い。これらの場合、段差部7aに対するスペーサ部11の径方向の嵌合部が、芯金本体5に固定される重なり部に相当する。
図10(A)に示すように、トラック形成筒部8を取付筒部10よりも小径とし、環状段差部9を、取付対象である回転部材14の端面に当接させる構成にしても良い。また、図10(B)に示すように、トラック形成筒部8と取付筒部10との間の環状段差部を省略し、回転部材14の外径面に設けた環状の切欠き部14aに、取付筒部10の内周面を圧入嵌合する構成にしても良い。
図11(A)に示すように、この発明のいずれかの磁気エンコーダ1と、この磁気エンコーダ1の磁界を検出する磁気センサ24A,24Bとを備えた回転検出装置25を実現し得る。磁気センサ24A,24Bは、対応する磁気エンコーダトラック4,3の磁極対の数よりも高い分解能で磁極検出できる機能、つまり磁気エンコーダトラック4,3の磁極の範囲内における位置の情報を検出する機能を有するものとされる。この機能を満たすために、例えば磁気センサ24Aとして、対応する磁気エンコーダトラック4の1磁極対のピッチλを1周期とするとき、図11(B)のように90度位相差(λ/4)となるように磁極の並び方向に離して配置したホール素子などの2つの磁気センサ素子24A1,24A2を用い、これら2つの磁気センサ素子24A1,24A2により得られる2相の信号(sinφ,cosφ) から磁極内位相(φ=tan-1(sinφ/cosφ))を逓倍して算出するものとしても良い。他の磁気センサ24Bについても同様である。なお、図11(B)の波形図は、磁気エンコーダ4の磁極の配列を磁界強度に換算して示したものである。
磁気センサ24A,24Bをこのような構成とすると、磁気エンコーダトラック4,3の磁界分布をオン・オフ信号としてではなく、アナログ電圧による正弦波状の信号としてより細かく検出でき、精度の良い絶対角度検出が可能となる。
磁気エンコーダの磁極内における位置の情報を検出する機能を有する磁気センサ24A,24Bの他の例として、図12(B)に示すようなラインセンサを用いても良い。すなわち、例えば磁気センサ24Aとして、対応する磁気エンコーダトラック4の磁極の並び方向に沿って磁気センサ素子24aが並ぶラインセンサ24AA,24ABを用いる。図12(A)は、磁気エンコーダトラック4における1磁極の区間を磁界強度に換算して波形図で示したものである。この場合、磁気センサ24Aの第1のラインセンサ24AAは、図12(A)における180度の位相区間のうち90度の位相区間に対応付けて配置し、第2のラインセンサ24ABは残りの90度の位相区間に対応付けて配置する。
このような配置構成により、第1のラインセンサ24AAの検出信号を加算回路26で加算した信号S1と、第2のラインセンサ24ABの検出信号を加算回路27で加算した信号S2を別の加算回路28で加算することで、図12(C)に示すような磁界信号に応じたsin 信号を得る。また、信号S1と、インバータ29を介した信号S2をさらに別の加算回路30で加算することで、図12(C)に示すような磁界信号に応じたcos 信号を得る。このようにして得られた2相の出力信号から、磁極内における位置を検出する。
磁気センサ24A,24Bをこのようにラインセンサで構成した場合、磁界パターンの歪みやノイズの影響が低減されて、より高い精度で磁気エンコーダトラック4,3の位相を検出することが可能である。
芯金本体5のトラック形成部7に、3列以上の磁気エンコーダトラックを並べて形成しても良い。図6に示す位置決め手段18の代替手段として、芯金本体5の一部に径方向外方に突出する突出部を固定して設けても良い。この突出部は、周方向に連なる環状の突出部でも良いし、周方向に一つまたは複数設けたものであっても良い。
また、スペーサ部材6のうち重なり部12を図1のものより軸方向左側に延ばし、この延ばした端部から径方向内方にフランジ状に延びる位置決め手段を設けても良い。この位置決め手段を、芯金本体5の環状段差部9に当接させることで、芯金本体5とスペーサ部材6とを軸方向に位置決めしても良い。この場合、図6のものより、芯金本体の構造を簡単化できる。その他芯金本体5およびスペーサ部材6に、係合部および被係合部からなる位置決め手段を設けても良い。
1…磁気エンコーダ
2…芯金
3,4…磁気エンコーダトラック
5…芯金本体
6…スペーサ部材
7…トラック形成部
7a…段差部
8…トラック形成筒部
9…環状段差部
10…取付筒部
11…スペーサ部
12…重なり部
18…位置決め手段
21…段差部
22…内径側板部
24A,24B…磁気センサ
25…回転検出装置

Claims (15)

  1. 2列以上の環状の磁気エンコーダトラックを並べて形成可能なトラック形成部を有する芯金本体と、この芯金本体の前記トラック形成部における個々の磁気エンコーダトラックの形成領域間に立ち上がって介在するスペーサ部およびこのスペーサ部の基端に設けられて前記トラック形成部に重なる重なり部を有しこの重なり部で前記芯金本体に固定されたスペーサ部材とでなる芯金を設け、この芯金の前記トラック形成部における前記各磁気エンコーダトラック形成領域に、前記スペーサ部で互いに仕切られた磁気エンコーダトラックを設けたことを特徴とする磁気エンコーダ。
  2. 請求項1において、前記芯金本体およびスペーサ部材は、それぞれ軸方向に平行な軸心を有する筒状であって、前記芯金本体は、トラック形成部を成すトラック形成筒部と、このトラック形成筒部に連なり取付対象に取り付けられる取付筒部とを有し、前記スペーサ部材は、前記重なり部を成す円筒部と、この円筒部の端部から径方向外方にフランジ状に延びる前記スペーサ部とを有し、前記芯金本体のトラック形成筒部の外周面に、前記スペーサ部材の円筒部の内周面を圧入嵌合させた磁気エンコーダ。
  3. 請求項1において、前記芯金本体は軸方向を向く板状であり、前記スペーサ部材は、スペーサ部が筒状で重なり部が軸方向を向く板状であり、前記芯金本体は、磁気エンコーダトラックが正面に形成されたトラック形成部を有し、このトラック形成部に円筒状の段差部を設けてこの段差部にスペーサ部材の円筒部を嵌合させ、前記芯金本体のトラック形成部の正面側に、スペーサ部材の重なり部を重ねた磁気エンコーダ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記スペーサ部材を、スペーサ部と重なり部とで断面L字状に形成した磁気エンコーダ。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記スペーサ部材の中間部を断面略U字状の折り重ね状態に曲げ形成した前記スペーサ部とし、このスペーサ部の略U字状の両基端から互いに離隔する方向に延びる前記重なり部とした磁気エンコーダ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記芯金本体およびスペーサ部材のいずれか一方に、これら芯金本体とスペーサ部材とを位置決めする位置決め手段を設け、この位置決め手段は、トラック形成部に重なり部を重ねた状態で、スペーサ部材を芯金本体に対して相対的に規制し位置決めするものである磁気エンコーダ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記スペーサ部材に、隣接する磁気エンコーダトラックを接続する貫通孔を設けた磁気エンコーダ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記磁気エンコーダトラックは、ゴムまたはプラスチックに磁性粉を混合させた材質から成る磁気エンコーダ。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記磁気エンコーダトラックは、等ピッチの着磁パターンで磁極が交互に繰り返す回転検出用トラックを含む磁気エンコーダ。
  10. 請求項9において、前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、一回転に一回または数回の繰り返しパターンを設けて、回転の基準位置を示すZ相信号を生成するものである磁気エンコーダ。
  11. 請求項9において、前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、前記回転検出用の等ピッチの着磁パターンとは磁極間隔が異なる等ピッチの着磁パターンで形成されるものである磁気エンコーダ。
  12. 請求項9において、前記磁気エンコーダトラックは、回転検出用トラックに加えて形成されるトラックの一つが、前記回転検出用の等ピッチの着磁パターンと同じ磁極数で且つ位相関係がずれたパターンで形成されるものである磁気エンコーダ。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか1項の磁気エンコーダと、この磁気エンコーダの磁界を検出する磁気センサとを備えた回転検出装置において、
    前記磁気センサが、互いに磁極ピッチ内でずれた位置に配置された複数のセンサ素子を有し、sinおよびcosの2相の信号出力を得られるものであって、磁極内における位置を逓倍して検出するものである回転検出装置。
  14. 請求項1ないし請求項12のいずれか1項の磁気エンコーダと、この磁気エンコーダの磁界を検出する磁気センサとを備えた回転検出装置において、
    前記磁気センサが、磁気エンコーダの磁極の並び方向に沿ってセンサ素子が並ぶラインセンサで構成され、sin,cosの2相の信号出力を演算によって生成して、磁極内における位置を検出するものである回転検出装置。
  15. 芯金と、この芯金に形成した複列の磁気エンコーダトラックとを備えた磁気エンコーダの製造方法であって、
    2列以上の環状の磁気エンコーダトラックを並べて形成可能なトラック形成部を有する芯金本体と、この芯金本体の前記トラック形成部における個々の磁気エンコーダトラックの形成領域間に立ち上がって介在するスペーサ部およびこのスペーサ部の基端に設けられて前記トラック形成部に重なる重なり部を有しこの重なり部で前記芯金本体に固定されたスペーサ部材とでなる芯金を組み立てる組立過程と、
    この組立過程の後、前記トラック形成部における前記各磁気エンコーダトラック形成領域に、前記スペーサ部で互いに仕切られて並ぶ未着磁の磁気エンコーダトラックを設けるトラック形成過程と、
    このトラック形成過程の後、各列の磁気エンコーダトラックを個別に着磁する着磁過程と、
    を含む磁気エンコーダの製造方法。
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