JP2018048827A - 複列磁気エンコーダおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気シールド部材を備えた特別な着磁ヨークを必要とせずに、一般的な着磁ヨークで複列の磁気エンコーダトラックに着磁することができ、低価格で製造することができる複列磁気エンコーダおよびその製造方法を提供する。【解決手段】複列磁気エンコーダ4は、軸方向に並ぶ複数の個別磁気エンコーダ1からなる。個別磁気エンコーダ1は、環状の芯金2と、この芯金の外周面に形成された環状で単列の磁気エンコーダトラック3とを有する。磁気エンコーダトラック11は所定の磁気パターンでN極とS極とが着磁されている。隣り合う個別磁気エンコーダ1の芯金2同士が、それぞれの対向する軸方向の端面に形成された嵌合凹部2aと嵌合凸部2bとが嵌合することで、互いに心ずれ不可状態に接合されている。【選択図】図2

Description

この発明は、回転速度または回転位置の検出に使用され、特に絶対角検出機能またはZ相出力機能を有する複列の磁気エンコーダトラックが形成された複列磁気エンコーダ、およびその製造方法に関する。
特許文献1に、複列の磁気エンコーダトラックが形成された磁気エンコーダが開示されている。この磁気エンコーダは、互いに全周にわたって嵌合する環状重なり部を有する2個の環状の芯金分割体からなり、環状重なり部で重ねて一体に組み立ててなる芯金と、各芯金分割体にそれぞれ形成され、且つ、互いに隣り合うように並べた複数の環状の磁気エンコーダトラックと、これら複列の環状の磁気エンコーダトラック間に介在させた環状の磁性体からなる磁性体スペーサとを備える。前記芯金、磁気エンコーダトラック、および磁性体スペーサを組み立てた後、各磁気エンコーダトラックを個別に着磁して複列の磁気エンコーダが完成する。
特許文献2に、複列の磁気エンコーダトラックが形成された磁気エンコーダの着磁装置が開示されている。この着磁装置は、複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラックを一体に有する環状磁性体を回転させつつ着磁して磁気エンコーダを得る。着磁装置は、磁気ギャップを介して対向する一対の対向端部を有する着磁ヨークと、着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、励磁コイルに着磁電流を供給して対向端部間に磁束を通す着磁電源と、着磁ヨークに設けられ、且つ、着磁対象以外の列の磁気エンコーダトラックへの磁束の流れを遮蔽する磁気シールド部材とを有する。
特許第5314556号公報 特開2014−38939号公報
特許文献1では、互いに芯金形状の異なる環状の磁気エンコーダを2つ用意し、これら2つの磁気エンコーダ間に磁性体スペーサを介在させた状態で、各環状重なり部で圧入嵌合させて複列の磁気エンコーダとしている。この構成であると、部品点数が多く、且つ異なる形状の磁気エンコーダを2つ製作する必要があり、製造コストの増加が懸念される。また、2つの磁気エンコーダを一体に組み立てた状態で、隣り合う複列の磁気エンコーダトラックの被検出面(着磁面)を切削加工しているため、製造工程が増えるという課題がある。
さらに、2つの磁気エンコーダを組み立てて複列の磁気エンコーダとしてから、各磁気エンコーダトラックを着磁しているため、着磁していない隣りの磁気エンコーダトラックに磁束が漏れて、着磁精度に影響を与えることも想定される。
この発明の目的は、磁気シールド部材を備えた特別な着磁ヨークを必要とせずに、一般的な着磁ヨークで複列の磁気エンコーダトラックに着磁することができ、低価格で製造することができる複列磁気エンコーダを提供することである。
この発明の他の目的は、磁気シールド部材を備えた特別な着磁ヨークを必要とせずに、複列磁気エンコーダを効率良く製造することができる製造方法を提供することである。
この発明の複列磁気エンコーダは、軸方向に並ぶ複数の個別磁気エンコーダからなり、前記各個別磁気エンコーダは、環状の芯金と、この芯金の外周面に形成された環状で単列の磁気エンコーダトラックとを有し、前記磁気エンコーダトラックは所定の磁気パターンでN極とS極とが着磁されていて、隣り合う前記個別磁気エンコーダの前記芯金同士が、それぞれの対向する軸方向の端面に形成された嵌合凹部と嵌合凸部とが嵌合することで、互いに心ずれ不可状態に接合されていることを特徴とする。
この構成によると、複数の個別磁気エンコーダを接合する前に、個別磁気エンコーダの磁気エンコーダトラックごとに着磁することで、磁気シールド部材を備えた特別な着磁ヨークを必要とせずに、一般的な着磁ヨークで複列の磁気エンコーダトラックに着磁することができる。隣り合う個別磁気エンコーダの芯金同士が、嵌合凹部と嵌合凸部との嵌合により互いに心ずれ不可状態に接合されるため、従来のように、磁気エンコーダトラックの被検出面(着磁面)を切削加工する必要がなく、製造工程が削減される。これらのことから、低価格で製造することが可能となる。
また、複数の個別磁気エンコーダを接合する前に、各個別磁気エンコーダの未着磁の磁気エンコーダトラックに着磁しておけば、着磁時に隣りの磁気エンコーダトラックに影響を与えることがなく、着磁精度を良好にすることができる。
この発明において、前記複数の個別磁気エンコーダは互いに同形状であり、前記芯金の軸方向の片方の端面に前記嵌合凹部が形成され、かつ他の片方の端面に前記嵌合凸部が形成されていても良い。
この構成であると、嵌合凹部および嵌合凸部の位置や形状も含めて複数の個別磁気エンコーダを全く同じ形状とすることができるため、1種類の個別磁気エンコーダのみ製作するだけでよく、金型等の初期投資を抑えることができる。
この発明において、前記嵌合凹部は、前記芯金の中心軸と同心の円環状であり、前記芯金の前記片方の端面から内径面にかけて切り欠かれた断面形状であって、かつ前記嵌合凸部は、前記芯金の中心軸と同心の円環状であり、前記芯金の前記他の片方の端面から軸方向に突出する断面形状であっても良い。
また、前記嵌合凹部は、前記芯金の中心軸を中心とする円周上の複数箇所に分散して位置し、かつ前記嵌合凸部は、前記芯金の中心軸を中心とする円周上の複数箇所に分散して位置していても良い。
嵌合凹部および嵌合凸部が上記何れの形状であっても、隣り合う個別磁気エンコーダの芯金同士を互いに心ずれ不可状態に接合することができる。
嵌合凹部および嵌合凸部が複数箇所に分散して位置している場合、前記嵌合凹部は内壁面が円筒状面であり、前記嵌合凸部が円柱状であると良い。
この場合、嵌合凹部および嵌合凸部の加工が容易である。
この発明において、前記磁気エンコーダトラックの軸方向の端面は前記芯金の軸方向の端面よりも軸方向内側に位置し、隣り合う2つの前記個別磁気エンコーダの磁気エンコーダトラック間に軸方向の隙間が介在していても良い。
隣り合う2つの個別磁気エンコーダの磁気エンコーダトラック間に軸方向の隙間が介在することで、2つの磁気エンコーダトラックの磁気干渉を抑制し、着磁精度を高精度に維持することができる。
この発明の複列磁気エンコーダの製造方法は、N極とS極とが所定の着磁パターンで並ぶ磁気エンコーダトラックが複列形成された複列磁気エンコーダの製造方法であって、それぞれ単列の磁気エンコーダトラックが形成され、互いに接合可能な複数の個別磁気エンコーダを準備する準備過程と、準備された複数の前記個別磁気エンコーダを互いに接合する接合過程とからなる。
前記準備過程は、環状の芯金の軸方向の片方の端面に嵌合凹部を有し、他の片方の面に嵌合凸部を有する芯金を複数製造する過程と、前記複数の芯金の外周にそれぞれ未着磁の磁気エンコーダトラックを形成して、複数の未着磁の個別磁気エンコーダを得る過程と、前記複数の未着磁の個別磁気エンコーダの前記磁気エンコーダトラックに、それぞれ所定の着磁パターンでN極とS極とを着磁する過程とを含む。
前記接合過程は、前記磁気エンコーダトラックに着磁後の前記複数の個別磁気エンコーダーダ同士を、それぞれの嵌合凹部と嵌合凸部とを嵌合させることで、互いに心ずれ不可状態に接合する。
この製造方法によると、それぞれ単列の磁気エンコーダトラックが形成され、互いに接合可能な複数の個別磁気エンコーダを準備し、これら複数の個別磁気エンコーダを互いに接合することで、複列磁気エンコーダを製造する。
複数の個別磁気エンコーダを接合する前に、個別磁気エンコーダの磁気エンコーダトラックごとに着磁するため、磁気シールド部材を備えた特別な着磁ヨークを必要とせずに、一般的な着磁ヨークで複列の磁気エンコーダトラックに着磁することができる。隣り合う個別磁気エンコーダの芯金同士が嵌合凹部と嵌合凸部との嵌合により互いに心ずれ不可状態に接合されるため、従来のように、磁気エンコーダトラックの被検出面(着磁面)を切削加工する必要がなく、製造工程が削減される。これらのことから、低価格で製造することが可能となる。
また、複数の個別磁気エンコーダを接合する前に、各個別磁気エンコーダの未着磁の磁気エンコーダトラックに着磁するため、着磁時に隣りの磁気エンコーダトラックに影響を与えることがなく、着磁精度を良好にすることができる。
この発明の複列磁気エンコーダは、軸方向に並ぶ複数の個別磁気エンコーダからなり、前記各個別磁気エンコーダは、環状の芯金と、この芯金の外周面に形成された環状で単列の磁気エンコーダトラックとを有し、前記磁気エンコーダトラックは所定の磁気パターンでN極とS極とが着磁されていて、隣り合う前記個別磁気エンコーダの前記芯金同士が、それぞれの対向する軸方向の端面に形成された嵌合凹部と嵌合凸部とが嵌合することで、互いに心ずれ不可状態に接合されているため、特別な専用の着磁ヨークを必要とせずに、一般的な着磁ヨークで複列の磁気エンコーダトラックに着磁することができ、低価格で製造することができる。
この発明の複列磁気エンコーダの製造方法は、N極とS極とが所定の着磁パターンで並ぶ磁気エンコーダトラックが複列形成された複列磁気エンコーダの製造方法であって、それぞれ単列の磁気エンコーダトラックが形成され、互いに接合可能な複数の個別磁気エンコーダを準備する準備過程と、準備された複数の前記個別磁気エンコーダを互いに接合する接合過程とからなり、前記準備過程は、環状の芯金の軸方向の片方の端面に嵌合凹部を有し、他の片方の面に嵌合凸部を有する芯金を複数製造する過程と、前記複数の芯金の外周にそれぞれ未着磁の磁気エンコーダトラックを形成して、複数の未着磁の個別磁気エンコーダを得る過程と、前記複数の未着磁の個別磁気エンコーダの前記磁気エンコーダトラックに、それぞれ所定の着磁パターンでN極とS極とを着磁する過程とを含み、前記接合過程は、前記磁気エンコーダトラックに着磁後の前記複数の個別磁気エンコーダーダ同士を、それぞれの嵌合凹部と嵌合凸部とを嵌合させることで、互いに心ずれ不可状態に接合するため、磁気シールド部材を備えた特別な着磁ヨークを必要とせずに、複列磁気エンコーダを効率良く製造することができる。
この発明の一実施形態にかかる複列磁気エンコーダの個別磁気エンコーダの断面図である。 同複列磁気エンコーダの断面図である。 同複列磁気エンコーダの側面図である。 この発明の異なる実施形態にかかる複列磁気エンコーダの個別磁気エンコーダの断面図である。 図4のV矢視図である。 同複列磁気エンコーダの断面図である。 この発明のさらに異なる実施形態にかかる複列磁気エンコーダの個別磁気エンコーダの断面図である。 同複列磁気エンコーダの断面図である。 図8に示す複列磁気エンコーダを回転軸に固定した状態を示す断面図である。
この発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1〜図3はこの発明の一実施形態を示す。図2に示すように、この複列磁気エンコーダ4は、同じ形状の2つの個別磁気エンコーダ1,1を軸方向に並べて接合してある。図1に示すように、各個別磁気エンコーダ1は、芯金2と、この芯金2の外周面に形成された磁気エンコーダトラック3とで構成される。
芯金2は、軸方向の片方の端面2cに嵌合凹部2aが形成され、かつ他の片方の端面2dに嵌合凸部2bが形成されている。この実施形態の場合、嵌合凹部2aは、芯金2の中心軸Oと同心の円環状であり、前記片方の端面2cから内径面2eにかけて切り欠かれた断面形状である。また、嵌合凸部2bは、芯金2の中心軸Oと同心の円環状であり、前記他の片方の端面2dから軸方向に突出する断面形状である。芯金2は、例えば金属材料を切削またはプレス成形して製作される。芯金2は、金属粉末を所定の形状に圧縮成形した後、焼成した焼結体であってもよい。
磁気エンコーダトラック3は、ゴム磁石またはプラスチック磁石からなる。具体的には、磁性粉を混練したゴム材を芯金2と共に金型(図示せず)に入れて加硫接着して、磁気エンコーダトラック3を形成するか、あるいはプラスチックと磁性粉を混ぜ合わせたものと芯金2とを一体成形して、磁気エンコーダトラック3を形成する。
個別磁気エンコーダ1の磁気エンコーダトラック3は、2つの個別磁気エンコーダ1,1を接合する前に、図3に一例を示すように、所定の磁気パターンでN極とS極とが着磁されている。着磁方法としては、例えばインデック着磁が用いられる。インデック着磁は、個別磁気エンコーダ1を回転させながら、着磁ヨーク(図示せず)によって1極ずつ着磁する方法である。インデック着磁以外に、すべての磁極を同時に着磁する一発着磁を用いても良い。しかしながら、一発着磁は、極数の変更に対応できないという問題がある。インデックス着磁と一発着磁とを比較した場合、インデックス着磁の方が一発着磁よりも着磁精度が良好で、かつ着磁極数の変更や不等ピッチ着磁にも対応できることから、インデックス着磁を用いることが好ましい。
次に、この複列磁気エンコーダ4の製造方法について説明する。
製造方法は、大きく分けて、複数(例えば2つ)の個別磁気エンコーダ1,1を準備する準備過程と、準備された複数の個別磁気エンコーダ1,1を互いに接合する接合過程とからなる。
準備過程では、複数の芯金2を製造し、複数の芯金2の外周にそれぞれ未着磁の磁気エンコーダトラック3を形成し、複数の個別磁気エンコーダ1の未着磁の磁気エンコーダトラック3に着磁する。これにより、着磁された単列の磁気エンコーダトラック3を有する個別磁気エンコーダ1が複数得られる。
接合過程では、準備された複数の個別磁気エンコーダ1,1同士を、それぞれの嵌合凹部2aと嵌合凸部2bとを嵌合させて、それぞれの端面2c,2dからなる接合面を当接させることで、互いに心ずれ不可状態に接合する。複数の個別磁気エンコーダ1,1の接合方法としては、嵌合凹部2aに嵌合凸部2bを圧入することで行ってもよく、また接合面(2c,2d)に接着剤を塗布して行ってもよく、また圧入と接着剤とを併用してもよい。
芯金2の両端面2c,2dに設けられた嵌合凹部2aと嵌合凸部2bの嵌合面公差寸法を高く設定し、磁気エンコーダトラック3の外径面と芯金2の内径面2eとを公差管理すれば、各磁気エンコーダトラック3の段差を抑制することができる。これにより、磁気エンコーダトラック3の被検出面を切削加工することが不要となる。また、2個の個別磁気エンコーダ1,1の内径面2e,2eの段差も抑制される。
複列磁気エンコーダ4の着磁パターンとしては、例えば図3に示すように、一方の磁気エンコーダトラック3(3A)を等ピッチで多極着磁し、他方の磁気エンコーダトラック3(3B)を一方の磁気エンコーダトラック3(3A)よりも1極対減らして着磁してもよい。あるいは、一方の磁気エンコーダトラック3を等ピッチで多極着磁し、他方の磁気エンコーダトラック3を不等ピッチで着磁してもよい。このように、複列で磁気エンコーダトラック3,3の着磁パターンを異ならせても、複列磁気エンコーダ4の片方の端面2cには嵌合凹部2aが存在し、もう片方の端面2dには嵌合凸部2bが存在するので、どの磁気エンコーダトラック3がどの着磁パターンであるかを判別することが可能である。
換言すれば、芯金2に嵌合凹部2aと嵌合凸部2bとが設けられていない場合には、一方の磁気エンコーダトラック3と他方の磁気エンコーダトラック3との着磁パターンが異なると、これらの磁気エンコーダトラック3,3を備える個別磁気エンコーダ1,1同士を接合したときに、どの磁気エンコーダトラック3がどの着磁パターンであるかを判別することができなくなってしまう場合がある。
これに対して、本実施形態に係る複列磁気エンコーダ4においては、芯金2に嵌合凹部2aと嵌合凸部2bとが設けられている。そのため、個別磁気エンコーダ1,1同士を接合したときに、嵌合凹部2aが存在する片方の端面2c側にある磁気エンコーダトラック3と、嵌合凸部2bが存在するもう片方の端面2d側にある磁気エンコーダトラック3とを容易に区別することができ、それぞれの磁気エンコーダトラック3がどの着磁パターンであるかを判別することが可能となる。
2つの個別磁気エンコーダ1,1を接合する際、それぞれの磁気エンコーダトラック3,3の位相を合わせる必要がある場合、芯金2,2の円周上の1箇所にそれぞれマーキング(図示せず)をしておくと良い。磁気エンコーダトラック3の着磁時に前記マーキングを基準にして着磁し、着磁後、2つの個別磁気エンコーダ1,1を接合するときに、それぞれのマーキング位置を合わせることにより、各磁気エンコーダトラック3,3の位相を合わせることができる。
この複列磁気エンコーダ4は、全く同じ形状の個別磁気エンコーダ1,1を接合して構成されているため、1種類の個別磁気エンコーダ1のみ製作するだけでよく、金型等の初期投資を抑えることができる。また、複数の個別磁気エンコーダ1,1を接合する前に、個別磁気エンコーダ1の磁気エンコーダトラック3ごとに着磁するため、着磁対象以外の列の磁気エンコーダトラックへの磁束の流れを遮蔽する磁気シールド部材を持たない通常の着磁ヨークで着磁することができる。これにより、着磁装置が簡略化される。
図4〜図6はこの発明の異なる実施形態を示す。図6に示すように、この複列磁気エンコーダ8も、同じ形状の2つの個別磁気エンコーダ5,5を軸方向に並べて接合してある。また、各個別磁気エンコーダ5は、芯金6と、この芯金6の外周面に形成された磁気エンコーダトラック7とで構成されている。芯金6および磁気エンコーダトラック7の材料や製作方法は、前記実施形態と同様である。
この複列磁気エンコーダ8は、図1〜図3に示す複列磁気エンコーダ4と比べて、個別磁気エンコーダ5の芯材6に形成された嵌合凹部6aおよび嵌合凸部6bの形態が異なっている。すなわち、図4、図5に示すように、この複列磁気エンコーダ8の個別磁気エンコーダ5では、嵌合凹部6aが芯金6の中心軸Oを中心とする円周上の複数箇所に分散して位置し、かつ嵌合凸部6bが芯金6の中心軸Oを中心とする円周上の複数箇所に分散して位置している。嵌合凹部6aは内壁面が円筒状面であり、嵌合凸部6bは円柱状である。図の例では、嵌合凹部6aおよび嵌合凸部6bが円周上の4箇所に設けられているが、2箇所以上にあれば良い。
この複列磁気エンコーダ8は、図4に示す着磁済みの個別磁気エンコーダ5を2つ用意し、それぞれの個別磁気エンコーダ5,5の嵌合凹部6aと嵌合凸部6bとが嵌合するように、両個別磁気エンコーダ5,5を接合面6c,6dで接合することで得られる。2つの個別磁気エンコーダ5,5の接合方法としては、嵌合凹部6aに嵌合凸部6bを圧入することで行ってもよく、また接合面(6c,6d)に塗布した接着剤で行ってもよく、また圧入と接着剤とを併用してもよい。
このように、嵌合凹部6aおよび嵌合凸部6bが複数箇所に分散して位置している構成であっても、隣り合う個別磁気エンコーダ5,5の芯金6,6同士を互いに心ずれ不可状態に接合することができる。嵌合凹部6aは内壁面が円筒状面であると、嵌合凹部6aの加工が容易である。また、嵌合凸部6bが円柱状であると、嵌合凸部6bの加工が容易である。
芯金6の両端面6c,6dに設けられた嵌合凹部6aと嵌合凸部6bの嵌合面公差寸法を高く設定し、磁気エンコーダトラック7の外径面と芯金6の内径面6eとを公差管理すれば、各磁気エンコーダトラック7の段差を抑制することができる。これにより、磁気エンコーダトラック7の被検出面を切削加工することが不要となる。また、2つの個別磁気エンコーダ5,5の内径面6e,6eの段差も抑制される。
図7、図8はこの発明のさらに異なる実施形態を示す。図8に示すように、この複列磁気エンコーダ12も、同じ形状の2つの個別磁気エンコーダ9,9を軸方向に並べて接合してある。また、各個別磁気エンコーダ9は、芯金10と、この芯金10の外周面に形成された磁気エンコーダトラック11とで構成されている。図4〜図6に示す複列磁気エンコーダ8と同様に、芯金10の片方の端面10cに複数の嵌合凹部10aが設けられ、もう片方の端面に複数の嵌合凸部10bが設けられている。芯金10および磁気エンコーダトラック11の材料や製作方法は、前記実施形態と同様である。
この複列磁気エンコーダ12は、磁気エンコーダトラック11の軸方向の端面11aが、芯金10の端面10c,10dよりも軸方向内側に位置している。これにより、図4〜図6に示す複列磁気エンコーダ8と異なり、2つの個別磁気エンコーダ9,9の各磁気エンコーダトラック11,11間に軸方向隙間12aが形成されている。このように軸方向隙間12aが形成されていると、2つの個別磁気エンコーダ9,9の磁気エンコーダトラック11,11の磁気干渉を抑制することができる。これにより、エンコーダトラック11に着磁された磁極を高精度に保持することができ、当該複列磁気エンコーダ12の磁界を高精度に検出することが可能となる。
図9は複列磁気エンコーダを回転軸に固定した状態の一例を示す。ここでは、複列磁気エンコーダとして図8に示す複列磁気エンコーダ12を使用しているが、他の複列磁気エンコーダ4,8の場合も同様である。
図示例の回転軸13は、軸端に、軸方向中央部分よりも径が小さい挿入部13aと、この挿入部13aよりもさらに径が小さい小径部13bとが形成されている。複列磁気エンコーダ12は、2つの個別磁気エンコーダ9,9の各内径面10e,10eのうち片方の個別磁気エンコーダ9の内径面10eに回転軸13の挿入部13aに嵌合させ、もう片方の内径面10eは小径部13bに対峙する状態で、回転軸13に取り付けられている。挿入部13aが長く小径部13bが無い形状の回転軸13の場合、両方の内径面10e,10eを挿入部13aに嵌合させて、複列磁気エンコーダ12を回転軸13に取り付けても良い。
複列磁気エンコーダ12の磁気エンコーダトラック11,11の外周には、磁気センサ14が設けられる。磁気エンコーダトラック11,11と磁気センサ14との間には、径方向隙間15が開けられている。複列磁気エンコーダ12と磁気センサ14とで、回転軸13の回転角度を検出する角度検出装置が構成される。例えば、2つの磁気エンコーダトラック11,11間で着磁極数に1極対差を設ければ、回転軸13の絶対角を検出することが可能となる。
上記各実施形態の複列磁気エンコーダ4,8,12は、個別磁気エンコーダ1,5,9が2つ並び2列の磁気エンコーダトラック3,7,11を有する構成であるが、個別磁気エンコーダ1,5,9が3個以上並び3列以上の磁気エンコーダトラック3,7,11を有する構成としても良い。
以上、実施例に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…個別磁気エンコーダ
2…芯金
2a…嵌合凹部
2b…嵌合凸部
2c,2d…端面
3…磁気エンコーダトラック
4…複列磁気エンコーダ
5…個別磁気エンコーダ
6…芯金
6a…嵌合凹部
6b…嵌合凸部
6c,6d…端面
7…磁気エンコーダトラック
8…複列磁気エンコーダ
9…個別磁気エンコーダ
10…芯金
10a…嵌合凹部
10b…嵌合凸部
10c,10d…端面
11…磁気エンコーダトラック
12…複列磁気エンコーダ
12a…軸方向隙間
O…中心軸

Claims (7)

  1. 軸方向に並ぶ複数の個別磁気エンコーダからなり、前記各個別磁気エンコーダは、環状の芯金と、この芯金の外周面に形成された環状で単列の磁気エンコーダトラックとを有し、前記磁気エンコーダトラックは所定の磁気パターンでN極とS極とが着磁されていて、隣り合う前記個別磁気エンコーダの前記芯金同士が、それぞれの対向する軸方向の端面に形成された嵌合凹部と嵌合凸部とが嵌合することで、互いに心ずれ不可状態に接合されていることを特徴とする複列磁気エンコーダ。
  2. 請求項1に記載の複列磁気エンコーダにおいて、前記複数の個別磁気エンコーダは互いに同形状であり、前記芯金の軸方向の片方の端面に前記嵌合凹部が形成され、かつ他の片方の端面に前記嵌合凸部が形成された複列磁気エンコーダ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の複列磁気エンコーダにおいて、前記嵌合凹部は、前記芯金の中心軸と同心の円環状であり、前記芯金の前記片方の端面から内径面にかけて切り欠かれた断面形状であって、かつ前記嵌合凸部は、前記芯金の中心軸と同心の円環状であり、前記芯金の前記他の片方の端面から軸方向に突出する断面形状である複列磁気エンコーダ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の複列磁気エンコーダにおいて、前記嵌合凹部は、前記芯金の中心軸を中心とする円周上の複数箇所に分散して位置し、かつ前記嵌合凸部は、前記芯金の中心軸を中心とする円周上の複数箇所に分散して位置する複列磁気エンコーダ。
  5. 請求項4に記載の複列磁気エンコーダにおいて、前記嵌合凹部は内壁面が円筒状面であり、前記嵌合凸部が円柱状である複列磁気エンコーダ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の複列磁気エンコーダにおいて、前記磁気エンコーダトラックの軸方向の端面は前記芯金の軸方向の端面よりも軸方向内側に位置し、隣り合う2つの前記個別磁気エンコーダの磁気エンコーダトラック間に軸方向の隙間が介在する複列磁気エンコーダ。
  7. N極とS極とが所定の着磁パターンで並ぶ磁気エンコーダトラックが複列形成された複列磁気エンコーダの製造方法であって、それぞれ単列の磁気エンコーダトラックが形成され、互いに接合可能な複数の個別磁気エンコーダを準備する準備過程と、準備された複数の前記個別磁気エンコーダを互いに接合する接合過程とからなり、
    前記準備過程は、
    環状の芯金の軸方向の片方の端面に嵌合凹部を有し、他の片方の面に嵌合凸部を有する芯金を複数製造する過程と、
    前記複数の芯金の外周にそれぞれ未着磁の磁気エンコーダトラックを形成して、複数の未着磁の個別磁気エンコーダを得る過程と、
    前記複数の未着磁の個別磁気エンコーダの前記磁気エンコーダトラックに、それぞれ所定の着磁パターンでN極とS極とを着磁する過程とを含み、
    前記接合過程は、
    前記磁気エンコーダトラックに着磁後の前記複数の個別磁気エンコーダーダ同士を、それぞれの嵌合凹部と嵌合凸部とを嵌合させることで、互いに心ずれ不可状態に接合する、
    複列磁気エンコーダの製造方法。
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