JP2011004848A - 人工膝関節置換術用手術器具 - Google Patents

人工膝関節置換術用手術器具 Download PDF

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Abstract

【課題】大腿骨用インプラントの前後サイズに加えて横幅サイズも決定できるとともに、大腿骨用インプラントが取り付けられる大腿骨の骨形状も容易に確認でき、手術の際における術者及び患者の負担の増大を抑制する。
【解決手段】支持部11は、脛骨側の端面101aに対して載置される。本体12は、大腿骨100に係合するとともに支持部11に対する大腿骨100の位置を調整可能な位置調整機構22を有する。インプラント決定用部材13は、本体12とは別体に形成されるとともに本体12に対して着脱可能に形成され、インプラント設置基準位置のマーキング用のマーキング孔31と、前後サイズ測定部32とが設けられる。そして、インプラント決定用部材13には、横幅サイズの確認が可能である横幅サイズ確認部33が更に設けられている。
【選択図】 図13

Description

本発明は、膝関節を人工膝関節に置換する手術において用いられ、膝が屈曲した位置状態の大腿骨及び脛骨において切除されて形成された大腿骨側の端面と脛骨側の端面とに対して設置され、大腿骨側の端面に対して設置される大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具に関する。
従来より、膝関節に異常が認められた患者に対してその膝関節を大腿骨用インプラントと脛骨用インプラントとを有する人工膝関節に置換する手術である人工膝関節置換術が行われている。そして、このような人工膝関節置換術においては、膝が屈曲した位置状態の大腿骨及び脛骨において切除されて形成された大腿骨側の端面と脛骨側の端面とに対して設置され、大腿骨側の端面に対して設置される大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズ(大きさや寸法)を決定するための人工膝関節置換術用手術器具が用いられる。
上述したような人工膝関節置換術用手術器具として、特許文献1に開示された人工膝関節設置用ジグが知られている。この特許文献1に開示の人工膝関節置換術用手術器具には、大腿骨に取り付けられる大腿骨取付け部材(2)と、大腿骨側の端面と脛骨側の端面とに当接するジグ本体(4)とが備えられている。大腿骨取付け部材(2)は、大腿骨に挿入されるロッド部(6)を有し、ジグ本体(4)に対して連結される。ジグ本体(4)は、脛骨側の端面に配置されるスペーサ(12)と、このスペーサ(12)に取り付けられて大腿骨側の端面に当接する可動ブロック(14)とを有している。可動ブロック(14)には、大腿骨用インプラントを設置するための基準位置となる設置基準孔を大腿骨側の端面に形成するための基準ガイド孔(46)と、設置される大腿骨用インプラントについての大腿骨の前後方向(人体における正面側を前面側とし、背面側を後面側とした際の前後方向)におけるサイズである前後サイズを測定するための指示部(48)とが設けられている。また、可動ブロック(14)には、支持ピン(42)で回転可能に支持された駆動ネジ(40)が設けられている。この駆動ネジ(40)と大腿骨取付け部材(2)に設けられたネジとが係合し、術者の操作に基づいて駆動ネジ(40)が回転されることで、大腿骨に係合した大腿骨取付け部材(2)が可動ブロック(14)に対して相対移動することになる。そして、術者は、大腿骨と脛骨とを連結する靭帯に所望の緊張状態を生じさせた状態で、設置される大腿骨用インプラントに関し、その設置のための基準位置とその前後サイズとを決定することになる。
特開2007−75517号公報
特許文献1に開示された人工膝関節置換術用手術器具を用いることで、術者は、大腿骨側の端面に対して大腿骨用インプラントを設置するための基準位置をマーキングすることができるとともに、設置する大腿骨用インプラントの前後サイズを測定して決定することができる。しかしながら、この人工膝関節置換術用手術器具を用いる場合、術者は、設置される大腿骨用インプラントの大腿骨の横幅方向におけるサイズである横幅サイズを確認することができない。このため、設置する大腿骨用インプラントを一旦決定して、大腿骨側の端面に所定の骨切り処置を施して大腿骨用インプラントを取り付けようとした際に、上記の横幅サイズが不適合であることが判明してしまうことがある。この場合、再度、上
述した工程を行って、前後サイズ及び横幅サイズともに適合する大腿骨用インプラントを検討する作業が必要となってしまうことになる。また、設置する大腿骨用インプラントのサイズ変更に伴って、大腿骨側の端面への骨切り処置が更に必要となってしまう場合もある。このため、手術の際における術者及び患者の負担の増大を招き易いという問題がある。
また、特許文献1に開示された人工膝関節置換術用手術器具は、大腿骨取付け部材(2)を相対移動させるための駆動ネジ(40)が設けられたジグ本体(4)の可動ブロック(14)に、大腿骨用インプラントの設置のための基準位置をマーキングするための構造と、設置する大腿骨用インプラントの前後サイズの測定のための指示部(48)とが設けられた構成となっている。このため、可動ブロック(14)が大型化してしまい、大腿骨側の視界が遮られ、骨形状を術者が確認し難いという問題がある。これにより、術者の作業性が損なわれ易く、手術の際の術者の負担が増大してしまうという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具に関し、大腿骨用インプラントの前後サイズに加えて横幅サイズも決定することができるとともに、大腿骨用インプラントが取り付けられる大腿骨の骨形状も容易に確認することができ、手術の際における術者及び患者の負担の増大を抑制することができる、人工膝関節置換術用手術器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、膝関節を人工膝関節に置換する手術において用いられ、膝が屈曲した位置状態の大腿骨及び脛骨において切除されて形成された大腿骨側の端面と脛骨側の端面とに対して設置され、大腿骨側の端面に対して設置される大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具に関する。そして、第1発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、脛骨側の端面に対して載置される支持部と、大腿骨に係合するとともに前記支持部に対する大腿骨の位置を調整可能な位置調整機構を有し、前記支持部と一体又は別体に形成されるとともに当該支持部に対して支持される本体と、前記本体とは別体に形成されるとともに当該本体に対して着脱可能に形成され、大腿骨側の端面に対して前記大腿骨用インプラントを設置するための基準位置のマーキングが行われる際に用いられるマーキング孔と、設置される前記大腿骨用インプラントについての大腿骨の前後方向におけるサイズである前後サイズを測定するための前後サイズ測定部とが設けられたインプラント決定用部材と、を備え、前記インプラント決定用部材には、当該インプラント決定用部材が前記本体に取り付けられた状態で、設置される前記大腿骨用インプラントの大腿骨の横幅方向におけるサイズである横幅サイズの確認が可能である横幅サイズ確認部が更に設けられていることを特徴とする。
この発明によると、大腿骨に係合する本体の位置調整機構を作動させることにより、脛骨側の端面に載置された支持部に対して大腿骨の位置が調整される。これにより、術者は、大腿骨と脛骨とを連結する靭帯に所望の緊張状態を生じさせた状態で、大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを検討して決定することができる。そして、術者は、本体にインプラント決定用部材を取り付けることで、インプラント決定用部材に設けられた前後サイズ測定部により、設置する大腿骨用インプラントの前後サイズを測定し、適切な前後サイズの大腿骨用インプラントを決定することができる。更に、術者は、インプラント決定用部材に設けられた横幅サイズ確認部により、設置する大腿骨用インプラントの横幅サイズも確認し、適切な横幅サイズの大腿骨用インプラントを決定することができる。そして、術者は、インプラント決定用部材のマーキング孔を用いて、大腿骨側の端面に大腿骨用インプラント設置のための基準位置のマーキングを行うことができる。よって、従来技
術のように一旦決定した大腿骨用インプラントのサイズを再度検討し直すような事態や、それに伴って大腿骨側の端面への更なる骨切り処置が必要となるような事態が発生してしまうことを防止することができる。これにより、手術の際における術者及び患者の負担の増大を抑制することができる。
また、本発明によると、マーキング孔、前後サイズ測定部及び横幅サイズ確認部が設けられたインプラント決定用部材は、本体に対して別体で着脱自在に設けられている。このため、インプラント決定用部材が本体に取り付けられる前の状態では、大腿骨側の視界がインプラント決定用部材によって遮られることがなく、術者は、大腿骨用インプラントが取り付けられる大腿骨の骨形状を容易に確認することができる。このため、術者の作業性が向上し、手術の際の術者の負担の増大を抑制することができる。
従って、本発明によると、大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具に関し、大腿骨用インプラントの前後サイズに加えて横幅サイズも決定することができるとともに、大腿骨用インプラントが取り付けられる大腿骨の骨形状も容易に確認することができ、手術の際における術者及び患者の負担の増大を抑制することができる。
第2発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第1発明の人工膝関節置換術用手術器具において、前記インプラント決定用部材として、異なる前記横幅サイズにそれぞれ対応する複数の前記インプラント決定用部材が備えられていることを特徴とする。
この発明によると、術者は、異なる横幅サイズにそれぞれ対応する複数のインプラント決定用部材を適宜取り替えて本体に取り付けてその横幅サイズ確認部で確認することで、適切な横幅サイズの大腿骨用インプラントを決定することができる。このため、異なる横幅サイズに対応する横幅サイズ確認部がそれぞれ設けられて本体に対して着脱自在なインプラント決定用部材のみを複数設けるだけで、異なる横幅サイズを確認可能な構成を容易に実現することができる。
第3発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第2発明の人工膝関節置換術用手術器具において、複数の前記インプラント決定用部材のそれぞれは、その外形の縁部分が台形における一対の斜めの辺と一対の平行な辺とにそれぞれ沿った部分を有するように、台形状に形成され、前記一対の斜めの辺に沿った部分に隣接して配置された縁部分に前記横幅サイズ確認部が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、複数のインプラント決定用部材は、一対の斜めの辺と一対の平行な辺とに沿った外形の略台形状に形成され、その一対の斜めの辺に沿った部分に隣接した縁部分に横幅サイズ確認部がそれぞれ設けられる。一方、大腿骨側の端面に設置される大腿骨用インプラントは、大腿骨側の端面に対応して略台形状の外形を有する形状に形成される。従って、本発明によると、術者は、大腿骨用インプラントの形状に対応したインプラント決定用部材を用いて、適切な横幅サイズの判断をより容易且つ速やかに行うことができる。
第4発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第2発明又は第3発明の人工膝関節置換術用手術器具において、前記前後サイズ測定部は、前記インプラント決定用部材においてスリット状に貫通形成されるとともに、前記大腿骨用インプラントを設置するための大腿骨の前方側における骨切り位置の確認が可能な貫通スリット部として設けられ、複数の前記インプラント決定用部材において、前記貫通スリット部と前記マーキング部との間の距離寸法が一定の寸法であることを特徴とする。
本発明に係る人工膝関節置換術用手術器具や特許文献1に開示された人工膝関節置換術用手術器具を用いる場合、術者は、靭帯に所望の緊張状態を生じさせた状態で、設置される大腿骨用インプラントに関し、その設置のための基準位置とその前後サイズとを決定する。このように、本発明に係る人工膝関節置換術用手術器具や特許文献1に開示された人工膝関節置換術用手術器具は、これらが用いられる場合、靭帯の緊張力が参照されて骨形状だけでなく靭帯の緊張力にも依存する術者の判断がなされるため、ディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具と呼ばれることもある。これに対して、骨形状のみが参照されて靭帯の緊張力とは独立して術者の判断がなされる人工膝関節置換術用手術器具もあり、このようなものは、インディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具と呼ばれることもある。そして、術者は、上記のディペンデント型或いはインディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具を用いて、設置される大腿骨用インプラントに関し、その設置のための基準位置とその前後サイズとを決定する。そして、骨切りの際の骨の切除用のカッタの切除方向をガイドするスリットが形成された骨切りガイド部材が大腿骨側の端面に取り付けられる。この場合、取り付けられる骨切りガイド部材としては上記の決定された前後サイズに対応したものが選択され、この骨切りガイド部材が、上記の基準位置として形成されたピン穴に嵌め込まれて固定されたピンを介して大腿骨側の端面に取り付けられる。
ここで、特許文献1に開示されたディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具においては、その前後サイズに対応した可動ブロック(14)は、大腿骨用インプラントを設置するための大腿骨の後方側における骨切り位置の確認が可能な端部である下面(14a)と、設置基準位置のマーキングのための指示部(48)との間の距離寸法が、設置される大腿骨用インプラントのサイズに関わらずに一定の寸法に設定されている。これに対し、上記のインディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具の場合、設置される大腿骨用インプラントの前後サイズを測定するための前後サイズ測定部として設けられて大腿骨用インプラント設置のための大腿骨の前方側における骨切り位置の確認が可能な部分と、設置基準位置のマーキングのためのマーキング孔との間の距離寸法が、設置される大腿骨用インプラントのサイズに関わらずに一定の寸法に設定されることが多い。このように設定されることで、大腿骨側の端面において設置基準位置から前方側の骨切り位置までの距離に関し、一定の寸法が確保されることになる。これにより、設置基準位置のマーキング後に骨切りガイド部材を更に小さいサイズのものに変更する場合において、前方側の骨切り位置がより後方側に規定されてしまうことが抑制される。このため、骨切り処置の際にノッチ状の段部が大腿骨の前方側に形成されて骨折を誘発し易い応力集中を招く部分が生じてしまうことが防止されることになる。
また、人工膝関節置換術の際に、当初はインディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具が用いられ、状況に応じた術者の判断により、途中からディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具が切り替えられて用いられることがある。また、その逆の切り替えが行われることもある。しかし、特許文献1に開示のディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具では、大腿骨側の端面における設置基準位置から後方側の骨切り位置までの距離寸法が一定に設定されるのに対して、上記のインディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具では、大腿骨側の端面における設置基準位置から前方側の骨切り位置までの距離寸法が一定に設定されることが多い。このため、人工膝関節置換術の途中で人工膝関節置換術用手術器具の切り替えが行われる場合には、上述した骨切りガイド部材についても、インディペンデント型に対応した骨切りガイド部材とディペンデント型に対応した骨切りガイド部材とが準備される必要があり、手術器具の点数の増大を招いてしまうことになる。
しかしながら、第4発明によると、前後サイズ測定部として大腿骨の前方側の骨切り位置の確認が可能な貫通スリット部が設けられ、この貫通スリット部及びマーキング部間の
距離寸法が複数のインプラント決定用部材にて一定寸法に形成される。このため、インディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具と、本発明に係るディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具との間において、人工膝関節置換術の途中で手術器具の切り替えが行われても、大腿骨側の端面における設置基準位置から前方側の骨切り位置までの距離寸法が一定に設定される状態が維持されることになる。このため、骨切りガイド部材について、インディペンデント型に対応した骨切りガイド部材とディペンデント型に対応した骨切りガイド部材とを個別に準備する必要がなく、インディペンデント型及びディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具において、骨切りガイド部材の共通化を図ることができる。これにより、手術器具の点数の増大を抑制することができる。
第5発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第1発明乃至第4発明のいずれかの人工膝関節置換術用手術器具において、前記本体及び前記インプラント決定用部材には、一方にバネ部材により付勢されたプランジャが設けられ、他方に前記プランジャと係合する凹部が形成され、前記インプラント決定用部材が前記本体に対して直線方向にスライド移動しながら取り付けられることで、前記プランジャが前記バネ部材のバネ力に抗して一旦退避した後に当該バネ部材のバネ力によって突出して前記凹部に係合し、前記インプラント決定用部材が前記本体に取り付けられることを特徴とする。
この発明によると、インプラント決定用部材の本体に対する直線方向のスライド移動が行われることで、バネ部材により付勢されるプランジャとこのプランジャに係合する凹部とを介して、インプラント決定用部材の本体への着脱動作が自動的に行われることになる。これにより、インプラント決定用部材の本体への容易且つ迅速な着脱動作が可能な機構を簡素な構成により実現することができる。
第6発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第1発明乃至第5発明のいずれかの人工膝関節置換術用手術器具において、前記位置調整機構は、大腿骨に係合する係合部と、前記係合部を支持するとともに大腿骨に係合した当該係合部を前記前後方向に変位させるように駆動するジャッキ部と、を有し、前記ジャッキ部は、前記本体において柱状に突出するように設けられていることを特徴とする。
この発明によると、位置調整機構において、大腿骨に係合する係合部を前後方向に変位させるジャッキ部が、本体において柱状に突出するよう設けられる。このため、位置調整機構の一部として大腿骨側の端面に対向して配置されるジャッキ部が、細長い柱状に形成されることで、大腿骨側の視界を遮ってしまうことが抑制されることになる。これにより、骨形状の術者による確認が更に容易となり、術者の作業性が更に向上し、手術の際の術者の負担の増大を更に抑制することができる。
第7発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第6発明の人工膝関節置換術用手術器具において、前記インプラント決定用部材は、前記本体に取り付けられた状態で前記ジャッキ部の両側方に配置されるとともに前記横幅サイズ確認部が設けられている一対の両側部分と、前記一対の両側部分をそれらの一端側において架橋するように連結して一体化する架橋部分と、を有していることを特徴とする。
この発明によると、インプラント決定用部材が、ジャッキ部の両側方に配置される一対の両側部分とそれらの一端側を連結する架橋部分とを備える門型状に形成される。このため、大腿骨側の端面に対向するとともにジャッキ部の両側方でジャッキ部の長手方向に沿って一体で変位するように駆動されるインプラント決定用部材の形状を、大腿骨側の端面の近傍におけるスペースを効率よく活用した無駄のない形状として構成することができる。
第8発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第7発明の人工膝関節置換術用手術器具において、前記インプラント決定用部材は、前記一対の両側部分における対向する端部同士の距離寸法が前記ジャッキ部の幅方向の長さ寸法よりも大きく形成され、前記本体に取り付けられた状態で当該本体に対して前記横幅方向にスライド移動可能に支持されることを特徴とする。
この発明によると、一対の両側部分の距離寸法がジャッキ部の幅寸法よりも大きく設定され、インプラント決定用部材が本体に対し横幅方向にスライド移動可能に支持される。このため、インプラント決定用部材を本体に取り付けた状態で、術者は、インプラント決定用部材の本体に対する横幅方向の位置を適宜調整して、大腿骨用インプラントの設置位置やサイズを判断することができる。これにより、術者は、更に、より細かく適切な判断を行うことができる。
第9発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第8発明の人工膝関節置換術用手術器具において、前記一対の両側部分のそれぞれにおける前記架橋部分と反対側に配置された端部には、プレート状に突出するよう形成された凸部が設けられ、前記本体には、前記凸部が挿入されるスリット状の溝部が形成され、前記インプラント決定用部材が前記本体に対して前記前後方向に沿って直線方向にスライド移動して取り付けられることで、前記凸部が前記溝部に挿入され、前記インプラント決定用部材が前記本体に対して前記横幅方向にスライド移動可能に支持されることを特徴とする。
この発明によると、インプラント決定用部材は、本体に対して前後方向にスライド移動して取り付けられることで、そのプレート状の凸部が本体におけるスリット状の溝部に挿入され、本体に対して横幅方向にスライド移動可能に支持される。このため、本体に対してインプラント決定用部材をスライド移動させて取り付けた後にそのまま横幅方向にスライド移動可能に支持させる構成を、インプラント決定用部材に凸部を設けて本体に溝部を設けるという簡素な構成によって実現することができる。
第10発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第8発明又は第9発明の人工膝関節置換術用手術器具において、前記本体には、バネ部材により付勢されたプランジャが設けられ、前記インプラント決定用部材には、前記プランジャと係合するとともに幅方向に延びる溝状の凹部が形成され、前記インプラント決定用部材が前記本体に対して前記前後方向に沿って直線方向にスライド移動しながら取り付けられることで、前記プランジャが前記バネ部材のバネ力に抗して一旦退避した後に当該バネ部材のバネ力によって突出して前記凹部に係合し、前記インプラント決定用部材が前記本体に取り付けられた状態で当該本体に対して前記横幅方向にスライド移動可能に支持されることを特徴とする。
この発明によると、インプラント決定用部材の本体に対する直線方向のスライド移動が行われることで、本体側でバネ部材により付勢されるプランジャとこのプランジャに係合するインプラント決定用部材側の凹部とを介して、インプラント決定用部材の本体への着脱動作が自動的に行われることになる。そして、インプラント決定用部材の幅方向に溝状に延びるように形成された凹部に対してプランジャが係合することで、インプラント決定用部材が本体に対してスライド移動可能に支持される。従って、本発明によると、インプラント決定用部材の本体への容易且つ迅速な着脱動作が可能であるとともにインプラント決定用部材を本体に対して横幅方向にスライド移動可能に保持する機構を簡素な構成により実現することができる。
第11発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第1発明乃至第10発明のいずれかの人工膝関節置換術用手術器具において、大腿骨側の端面に当接するよう配置された前記本体に対して前記インプラント決定用部材が取り付けられた状態で、大腿骨側の端面と前
記インプラント決定用部材との間において隙間が形成されることを特徴とする。
この発明によると、大腿骨側の端面に当接する本体に対してインプラント決定用部材が取り付けられた状態で、大腿骨側の端面とインプラント決定用部材との間に隙間が形成される。このため、インプラント決定用部材の本体に対する着脱動作を行う場合に、大腿骨側の端面にインプラント決定用部材が全体的に密着した状態とならず、容易に着脱動作を行うことができる。これにより、術者の作業性が向上し、手術の際の術者の負担の増大を更に抑制することができる。
第12発明に係る人工膝関節置換術用手術器具は、第1発明乃至第7発明のいずれかの人工膝関節置換術用手術器具において、前記インプラント決定用部材は、前記本体に取り付けられた状態で当該本体に対して前記横幅方向にスライド移動可能に支持されることを特徴とする。
この発明によると、インプラント決定用部材が本体に対し横幅方向にスライド移動可能に支持される。このため、インプラント決定用部材を本体に取り付けた状態で、術者は、インプラント決定用部材の本体に対する横幅方向の位置を適宜調整して、大腿骨用インプラントの設置位置やサイズを判断することができる。これにより、術者は、更に、より細かく適切な判断を行うことができる。
本発明によると、大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具に関し、大腿骨用インプラントの前後サイズに加えて横幅サイズも決定することができるとともに、大腿骨用インプラントが取り付けられる大腿骨の骨形状も容易に確認することができ、手術の際における術者及び患者の負担の増大を抑制することができる、人工膝関節置換術用手術器具を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る人工膝関節置換術用手術器具の全体構成を示す斜視図である。 大腿骨及び脛骨の一部を示す斜視図である。 大腿骨用インプラントの正面図、及び大腿骨に対して大腿骨用インプラントが設置された状態を示す脛骨の前面側からみた正面図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具における支持部を示す斜視図及び側面図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具における本体を示す斜視図である。 図5に示す本体の平面図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具におけるインプラント決定用部材を示す斜視図である。 図7に示すインプラント決定用部材の正面図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具の使用方法を説明するための斜視図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具の使用方法を説明するための斜視図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具の使用方法を説明するための側面図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具の使用方法を説明するための斜視図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具の使用方法を説明するための斜視図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具の使用方法を説明するための正面図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具の使用方法を説明するための側面図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具におけるインプラント決定用部材の本体への取り付け動作を説明するための一部拡大断面図である。 図1に示す人工膝関節置換術用手術器具の使用方法を説明するための斜視図である。 大腿骨側の端面に対して大腿骨用インプラントを設置するためのピンが固定された状態を示す斜視図である。 大腿骨側の端面に対して骨切り処置を施すための骨切りガイド部材が取り付けられた状態を示す斜視図である。 変形例に係るインプラント決定用部材を示す正面図である。 変形例に係るインプラント決定用部材を示す正面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、膝関節を人工膝関節に置換する手術において用いられ、膝が屈曲した位置状態の大腿骨及び脛骨において切除されて形成された大腿骨側の端面と脛骨側の端面とに対して設置され、大腿骨側の端面に対して設置される大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具として広く適用することができるものである。
図1は、本発明の一実施の形態に係る人工膝関節置換術用手術器具1(以下、単に「手術器具1」ともいう)の全体構成を示す斜視図である。図1に示す手術器具1は、膝関節を人工膝関節に置換する人工膝関節置換術において用いられる。また、図2は、大腿骨100及び脛骨101の一部を示す斜視図である。また、図3は、大腿骨用インプラント102の正面図(図3(a))、及び大腿骨100に対して大腿骨用インプラント102が設置された状態を示す脛骨101の前面側からみた正面図(図3(b))である。尚、図2及び図3では、大腿骨100及び脛骨101の表面の凹凸をメッシュ状の線で模式的に示しており、大腿骨100及び脛骨101以外の人体組織の図示を省略している(後述する図9乃至図15、図17乃至図19についても同様の方法により図示している)。
手術器具1は、膝が屈曲した位置状態の大腿骨100及び脛骨101において切除されて形成された大腿骨側の端面100aと脛骨側の端面101aとに対して設置されて用いられる。大腿骨側の端面100aは、大腿骨100の長手方向と垂直な面(即ち、大腿骨100の前後方向及び横幅方向と平行な面)として形成され、脛骨側の端面101aは、脛骨101の長手方向と垂直な面として形成される。ここで、大腿骨100の前後方向とは、人体における正面側を前面側として背面側を後面側とした際の前後方向を意味する。そして、大腿骨100の横幅方向とは、上記の前後方向に対する左右方向であって大腿骨100を前面側又は後面側から見た場合の幅方向を意味する。大腿骨側の端面100a及び脛骨側の端面101aに手術器具1が設置されて術者(図示せず)によって所定の操作等が行われることで、後述するように、大腿骨側の端面100aに対して設置される大腿骨用インプラント102(以下、単に「インプラント102」ともいう)の設置位置及びサイズが決定されることになる。そして、この決定に基づいて、図3(b)に示すように、大腿骨側の端面100aにインプラント102が設置されることになる。
図1に示すように、手術器具1は、本実施形態における支持部であるスペーサ11と、本体12と、本実施形態におけるインプラント決定用部材であるサイジングプレート13と、を備えて構成されている。尚、スペーサ11、本体12及びサイジングプレート13は、例えば、チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼などの金属材料により形成
されている。
図4は、スペーサ11の斜視図(図4(a))、及びスペーサ11の側面図(図4(b))である。図1及び図4に示すスペーサ11は、脛骨側の端面101aに対して載置される部材として設けられる。そして、スペーサ11には、把持操作部11aと、載置部11bと、係合突起部11cとが設けられている。把持操作部11aは、略直方体のブロック状に形成され、スペーサ11が脛骨側の端面101aに載置される際に、術者によって把持される部分として設けられている。尚、本実施形態においては、スペーサ11として、載置部11bに対して垂直な方向である厚み方向のサイズ(即ち、図4(b)にて矢印Aで示す厚みサイズ)が異なる複数のスペーサ11が備えられている。各スペーサ11には、その厚みサイズを示す指標が印されている(図1及び図4では、その指標として数字の「10」が刻印されたものを例示している)。そして、術者は、患者の状況等に応じて、適切な厚みサイズのスペーサ11を選択し、把持操作部11aを把持してこのスペーサ11を操作することになる。
スペーサ11の載置部11bは、把持操作部11aの長手方向における一方の端部に配置され、脛骨側の端面101aに載置されるプレート状の部分として形成されている。この載置部11bの外形は、脛骨側の端面101aの外形に対応して、略ハート状に形成されている。そして、載置部11bは、把持操作部11aの端部において、厚み方向における両面のうちの一方の面に沿って平行に配置され、脛骨側の端面101aに載置され易いように構成されている。
スペーサ11の係合突起部11cは、載置部11bと同様に、把持操作部11aの長手方向における一方の端部に配置されている。そして、この係合突起部11cは、把持操作部11aの端部において、厚み方向における両面のうちの載置部11bが配置される側と反対側の他方の面から突出するように形成されている。また、係合突起部11cは、把持操作部11aの長手方向と平行に延びる短いレール状に形成されている。そして、係合突起部11cの両側方には、把持操作部11aの長手方向と平行なレール延長方向に延びる凹み部分11dがそれぞれ形成されている。この係合突起部11cに対して、後述する本体12が、凹み部分11dにおいて係合した状態で取り付けられることになる。
図5は本体12の斜視図であり、図6は本体12の平面図である。図1、図5及び図6に示す本体12は、基部21と、位置調整機構22と、一対のハンドル部23と、プランジャユニット(26、27)と、を備え、スペーサ11と別体に形成されるとともにスペーサ11に対して基部21において支持されるように構成されている。この本体12は、脛骨側の端面101aに載置されたスペーサ11に支持された状態では、大腿骨側の端面100aに対向するとともに当接した状態で配置されることになる。この状態では、位置調整機構22における後述のジャッキ部25の長手方向(図5において両端矢印Bで示す方向)が大腿骨100の前後方向に沿って延びた状態で、本体12が大腿骨側の端面100aに当接して配置されることになる。以下、本体12の説明においても、図5中の両端矢印Bで示す方向を前後方向として説明する。
基部21は、スペーサ11に支持される部分として設けられるとともに、後述のサイジングプレート13を支持する部分として設けられている。この基部21には、位置調整機構22が設置されるとともに、一対のハンドル部23が取り付けられ、更に、プランジャユニット(26、27)が内蔵されている。尚、各ハンドル部23は、その長手方向の途中位置において段状に径寸法が変化する部分が設けられた円柱状に形成されている。そして、一対のハンドル部23は、それぞれの端部において基部21の両側方から嵌め込まれることで取り付けられる。人工膝関節置換術においては、術者は、一対のハンドル部23を把持して本体12の移動操作を行うことになる。
また、基部21には、係合凹部21a、プレート部分21b、溝部21cが設けられている。係合凹部21aは、基部21における後方側の端部の中央部分に設けられ、スペーサ1の係合突起部11cと係合するように凹んだ部分として形成されている。そして、レール状の係合突起部11cがスライド移動しながら係合凹部21aに挿入されて係合することで、本体12とスペーサ11とが連結され、スペーサ11に対して本体12が支持されることになる。尚、係合凹部21aには、図5にて破線で示すプランジャユニット27におけるプランジャ(図示せず)がバネ部材(図示せず)に付勢されて突出した状態で配置されている。そして、スペーサ11の係合突起部11cには、図4(a)に示すように、凹み形成された凹み穴11eが形成されており、係合突起部11cが係合凹部21aに挿入されて係合した状態では、プランジャユニット27のプランジャと凹み穴11eとが更に係合することになる。このように、本体12とスペーサ11とは、着脱自在に構成されている。
基部21のプレート部分21bは、一対設けられ、一方の面が大腿骨側の端面100aに対して当接する平坦な板状の部分として形成されている。そして、各プレート部分21bは、位置調整機構22における後述のジャッキ部25の両側方にそれぞれ配置されている。溝部21cは、一対設けられ、ジャッキ部25の両側方にそれぞれ配置されるとともに、各プレート部分21bに隣接した位置にそれぞれ配置されている。そして、各溝部21cは、基部21を前後方向に貫通するスリット状に形成されている。この溝部21cに対して、後述するサイジングプレート13における凸部30が挿入される。尚、各溝部21cには、図5にて破線で示す各プランジャユニット26におけるプランジャ26aがバネ部材に付勢されて突出した状態で配置されている(図16参照)。また、基部21には、その後方側の端部の端面として形成された一対の後端面21dが設けられている。この後端面21dは、基部21の後方側の端部における係合凹部21aの両側方の部分の端面として設けられている。そして、この後端面21bは、インプラント102を設置するための大腿骨100の後方側における骨切り位置を術者が確認可能な部分として設けられている。
図5及び図6に示す位置調整機構22は、係合ロッド24とジャッキ部25とを備え、大腿骨に係合するとともにスペーサ11に対する大腿骨100の位置を調整可能な機構として構成されている。係合ロッド24は、大腿骨100に係合する本実施形態における係合部を構成している。そして、係合ロッド24は、軸状に形成されており、一端側の端部においてジャッキ部25に対して片持ち状態で支持されるとともに揺動可能に支持されている。この係合ロッド24は、大腿骨100において大腿骨側の端面100aに開口した髄腔部100bに対して、ジャッキ部25に揺動可能に支持された一端側の端部とは反対側の他端側の端部において挿入されることで、大腿骨100に対して係合するよう構成されている。また、係合ロッド24は、大腿骨100の髄腔部100bから抜去し易いように、その外周において長手方向に沿って延びる複数の溝部分が平行に形成されている。
ジャッキ部25は、係合ロッド24を揺動自在に支持するとともに大腿骨100に係合した係合ロッド24を前後方向に変位させるように駆動する機構として設けられている。このジャッキ部25は、本体12において前後方向に沿って柱状に突出するように設けられ、ハウジング25a、スクリュ軸25b、スクリュヘッド25c等を備えて構成されている。
ハウジング25aは、基部21に対して一体に形成されるとともに、基部21から前後方向に沿って柱状に突出するよう設けられ、その内側が中空に形成されている。スクリュ軸25bは、外周の一部に雄ネジが形成された軸状の部材として形成され、ハウジング25aの内側の中空領域に配置されている。そして、スクリュ軸25bは、前方側に配置さ
れたその一端側においてハウジング25aに対して回転自在に支持され、後方側に配置されたその他端側において基部21に対して回転自在に支持されている。また、スクリュ軸25bの一端側はハウジング25aを貫通した状態で配置されており、その一端側の端部には、スクリュヘッド25cが固定されている。また、スクリュ軸25bは、係合ロッド24の一端側の端部に形成された孔の内周に設けられた雌ネジに対して螺合された状態で係合ロッド24に組み合わされ、係合ロッド24を揺動可能な状態で支持している。スクリュヘッド25cには、手術器具としてのドライバ103(図12参照)の先端部が差し込まれてこの先端部と係合するドライバ用穴25dが形成されている。
術者が、ドライバ103(図12参照)の先端部をドライバ用穴25dに差し込んで回転させると、スクリュヘッド25cが回転し、このスクリュヘッド25cとともにスクリュ軸25bが回転する。そして、スクリュ軸25bの回転に伴って、スクリュ軸25bの雄ネジに螺合する雌ネジを一端側の端部に有する係合ロッド24がスクリュ軸25bに対して前後方向に移動することになる。即ち、大腿骨100に係合している係合ロッド24が前後方向に変位するように駆動されることになる。
図7は、サイジングプレート13を示す斜視図である。サイジングプレート13は、一対の両側部分28、架橋部分29、凸部30を備え、略門型状に形成されており、本体12とは別体に形成されるとともに本体12に対して着脱可能に形成されている。このサイジングプレート13は、大腿骨側の端面100aに係合した本体12に取り付けられることで、大腿骨側の端面100aに対向した状態で配置されることになる。この状態では、一対の両側部分28が平行に配置される方向(図7において両端矢印Cで示す方向)が大腿骨100の前後方向に沿って延びた状態で、サイジングプレート13が大腿骨側の端面100aに対向して配置されることになる。以下、サイジングプレート13の説明においても、図7中の両端矢印Cで示す方向を前後方向として説明する。
図7に示すサイジングプレート13における一対の両側部分28は、本体12に取り付けられた状態(図13、図14参照)でジャッキ部25の両側方に配置されるように平行に並んで設けられている。そして、一対の両側部分28のそれぞれは、互いに対向するよう配置された縁部分と、前後方向における両側に配置された縁部分とにおいて、厚肉に形成され、その厚肉に形成された部分の内側は、平坦で薄いプレート状に形成されている。架橋部分29は、一対の両側部分28をそれらの一端側において架橋するように連結して一体化する部分として設けられている。凸部30は、一対設けられており、一対の両側部分28のそれぞれにおける架橋部分29とは反対側の他端側に配置された端部に設けられ、プレート状に後方側に向かって突出するよう形成されている。そして、凸部30には、その前後方向における中途位置において、プランジャユニット26に設けられるプランジャ26a(図16参照)と係合するとともに幅方向に延びる溝状の凹部30aが形成されている。
また、一対の両側部分28のそれぞれには、マーキング孔31、前後サイズ測定部32、横幅サイズ確認部33が設けられている。マーキング孔31は、大腿骨側の端面100aに対してインプラント102を設置するための基準位置のマーキングが行われる際に用いられる貫通孔として構成されている。そして、このマーキング孔31は、一対の両側部分28において前後方向における中途の同じ位置にそれぞれ配置され、一対の両側部分28のそれぞれの厚肉に形成された部分に設けられている。
前後サイズ測定部32は、一対の両側部分28のそれぞれに設けられ、設置されるインプラント102についての大腿骨100の前後方向におけるサイズである前後サイズを測定するための部分として設けられている。この前後サイズ測定部32は、貫通スリット部(以下、「前後サイズ測定部32」については、「貫通スリット部32」ともいう)とし
て構成され、一対の両側部分28のそれぞれにおいて、その一端側である前方側にて厚肉に形成された縁部分に設けられている。そして、貫通スリット部32は、一対の両側部分28のそれぞれにおいてスリット状に貫通形成されるとともに、インプラント102を設置するための大腿骨100の前方側における骨切り位置を術者が確認可能な部分として設けられている。この貫通スリット部32と本体12の基部21の後端面21dとの間の前後方向の距離寸法が、インプラント102の前後サイズに対応することになる。このため、術者は、本体12にサイジングプレート13が取り付けられた状態で、貫通スリット部32における貫通形成された空間部分から大腿骨側の端面100aを覗いて確認することで、そのサイジングプレート13に対応する前後サイズを測定することができる。
横幅サイズ確認部33は、一対の両側部分28のそれぞれにおいて一対で設けられている。この横幅サイズ確認部33は、サイジングプレート13が本体12に取り付けられた状態で、設置されるインプラント102の大腿骨100の横幅方向におけるサイズである横幅サイズの確認が可能な部分として設けられている。また、横幅サイズ確認部33は、一対の両側部分28の幅方向の両側の縁部分における後方側に配置された一部の縁部分の端部として設けられ、一対の両側部分28の両側方において平行に延びる一対の平坦な面を有する部分として構成されている。尚、サイジングプレート13は、一対の両側部分28と架橋部分29とを備えることで、その外形の縁部分が台形における一対の斜めの辺と一対の平行な辺とにそれぞれ沿った部分を有するように、台形状に形成されている。そして、横幅サイズ確認部33は、上記の一対の斜めの辺に沿った部分に後方側で隣接して配置された縁部分に設けられている。
また、本実施形態の手術器具1では、図8のサイジングプレート13の正面図に示すように、サイジングプレート13として、前後サイズ及び横幅サイズがそれぞれ異なるものに対応する複数のサイジングプレート(13a、13b、13c、13d、13e)が備えられている。尚、図7では、複数のサイジングプレート(13a〜13e)のうちの1つのサイジングプレート13bを例にとって説明している。各サイジングプレート(13a〜13e)のそれぞれは、図7にて説明したサイジングプレート13bと同様に構成された一対の両側部分28、架橋部分29及び凸部30を備えており、台形状に形成されている。そして、各サイジングプレート(13a〜13e)における一対の両側部分28には、マーキング孔31、前後サイズ測定部32、横幅サイズ確認部33が設けられている。また、各サイジングプレート(13a〜13e)には、一対の両側部分28の一方における薄いプレート状の部分において、そのサイジングプレート(13a〜13e)のサイズを示す指標が印されている(図8では、その指標として数字の「1」から「5」までがそれぞれ刻印されたものを例示している)。
上述のように、各サイジングプレート(13a〜13e)は、前後サイズ及び横幅サイズがそれぞれ異なるものに対応して構成されている。即ち、複数のサイジングプレート(13a〜13e)は、貫通スリット部である前後サイズ測定部32と本体12の基部21の後端面21dとの間の距離寸法である前後サイズと、一対の両側部分28の両側方に配置された一対の横幅サイズ確認部33の間の距離寸法である横幅サイズとが、それぞれ異なるように構成されている。但し、複数のサイジングプレート(13a〜13e)においては、貫通スリット部32aとマーキング部31との間の前後方向における距離寸法(図8にて矢印Dで示す距離寸法)が一定の寸法となるように構成されている。
次に、手術器具1を用いたインプラント102の設置位置及びサイズの決定について説明する。人工膝関節置換術において、図2に示すように、大腿骨側の端面100aと脛骨側の端面101bとが形成された状態において、手術器具1が用いられる。この状態において、術者は、まず、一対のハンドル部23を把持し、図9の斜視図に示すように、本体12を大腿骨側の端面101aに対して取り付ける。このとき、本体12は、術者によっ
て、図9にて破線で示す係合ロッド24が大腿骨100の髄腔部100bに挿入されるように、操作される。そして、係合ロッド24は、本体12におけるプレート部分21bが大腿骨側の端面100aに当接する位置まで、髄腔部100bに対して挿入される。これにより、本体12が大腿骨100に対して設置される。
次に、図10の斜視図及び図11の側面図に示すように、スペーサ11が本体12に対して取り付けられるとともに脛骨101に対して設置される。尚、図10及び図11では、サイジングプレート13についても参考のために図示している。術者は、把持操作部11aを把持し、載置部11bを脛骨側の端面101a上に摺接させるようにして、スペーサ11を移動させるように操作する。そして、大腿骨100に取り付けられた本体12における基部21の係合凹部21aに対して、スペーサ11の係合突起部11cを挿入させて係合させる。このとき、前述したように、プランジャユニット27のプランジャと係合突起部11cに形成された凹み穴11eとが係合し、本体12とスペーサ11との取付けが完了する。これにより、脛骨側の端面101aに載置されたスペーサ11に対して、大腿骨100に係合した本体12が支持された状態となる。
続いて、図12の斜視図に示すように、手術器具としてのドライバ103が用いられる。そして、ドライバ103は、術者によって、その先端部がジャッキ部25のスクリュヘッド25cに形成されたドライバ用穴25dに差し込まれ、回転操作される。これにより、スクリュヘッド25cとともにスクリュ軸25bが回転し、スクリュ軸25bと螺合する係合ロッド24がスクリュ軸25bに対して前後方向に移動する。更に、大腿骨100に係合している係合ロッド24が前後方向に変位することで、大腿骨100と脛骨101とを連結する靭帯に緊張状態が生じることになる。そして、術者は、靭帯に所望の緊張状態を生じさせた段階で、ドライバ103の回転操作を終了し、ドライバ103をスクリュヘッド25cから取り外す。尚、スクリュ軸25bに形成された雄ネジと係合ロッド24に形成された雌ネジとの間で作用している摩擦力については、上記の緊張状態にある靭帯からの緊張力によってスクリュ軸25bの雄ネジと係合ロッド24の雌ネジとの間で相対変位を生じさせることがない程度の十分大きい摩擦力が作用している。このため、ドライバ103による回転操作によって生じた靭帯の緊張状態は、そのまま維持されることになる。尚、スクリュ軸25bと係合ロッド24との間で、スクリュ軸25bの雄ネジに対する係合ロッド24の雌ネジの前方側への相対変位のみを許容するワンウェイクラッチ機構が設けられていてもよい。
術者は、上述のように靭帯に所望の緊張状態を発生させると、次いで、図13の斜視図、図14の正面図及び図15の側面図に示すように、サイジングプレート13の本体12への取り付けを行う。サイジングプレート13を本体12に取り付ける際には、術者は、図10及び図11にて矢印Eで示すように、本体12に対して後方側に向かって直線方向に沿ってサイジングプレート13を移動させて取り付ける。このとき、サイジングプレート13は、一対の両側部分28が基部21のプレート部分21bに摺接するように前後方向に移動させられながら、本体12に対して取り付けられる。そして、このようにサイジングプレート13が本体12に対して前後方向に沿って直線方向にスライド移動して取り付けられることで、サイジングプレート13の各凸部30が本体12の各溝部21cに挿入される。
図16は、凸部30が溝部21cに挿入される様子を示す断面図であって、図14のF−F線矢視位置に対応する位置での凸部30及び溝部21cの一部及びその近傍を拡大して示す拡大断面図である。サイジングプレート13が本体12に対してスライド移動しながら取り付けられると、図16(a)に示すように、凸部30がその先端側から図中の矢印E方向に沿って溝部21cに挿入される。一方、基部21においては、溝部21cに開口するプランジャ設置用穴21eが形成されており、このプランジャ設置用穴21eに対
して、プランジャユニット26が嵌め込まれて固定されている。尚、プランジャユニット26は、プランジャ設置用穴21eに対して、接着剤によって接着されることで、又は、圧入や溶接等が行われることで、固定される。プランジャユニット26は、プランジャ26aとこのプランジャ26aを保持するケース26bとケース26b内でプランジャ26aを付勢するバネ部材(図示せず)とを備えて構成されている。
凸部30が溝部21c内に挿入されていない状態では、プランジャ26aは、バネ部材に付勢されて溝部21cに突出した状態でケース26bに保持されている。その状態から、上述のように、サイジングプレート13が本体12に対して前後方向に沿って直線方向にスライド移動して凸部30が溝部21cに挿入されると、図16(a)に示すように、凸部30の先端側が、プランジャ26aに当接する。凸部30がプランジャ26aに当接した状態で更に溝部21c内に挿入されることで、プランジャ26aが凸部30の先端側によって付勢され、これにより、プランジャ26aがバネ部材のバネ力に抗してケース26b内に一旦退避する動作を行うことになる。そして、プランジャ26aは、一旦退避した後に、図16(b)に示すように、バネ部材のバネ力によって突出して凹部30aに係合する。これにより、図13乃至図15に示すように、サイジングプレート13が本体12に取り付けられることになる。
また、図14によく示すように、サイジングプレート13は、一対の両側部分28における対向する端部同士の距離寸法G(図中の両端矢印Gで示す距離寸法)がジャッキ部25の幅方向の長さ寸法である幅寸法H(図中の両端矢印Hで示す長さ寸法)よりも大きく形成されている。また、サイジングプレート13の凸部30の幅方向の長さ寸法よりも溝部21cの長さ寸法(横幅方向における長さ寸法)の方が大きく形成され、凹部30aは幅方向に延びる溝状に形成されている。このため、サイジングプレート13は、本体12に取り付けられた状態で、本体12に対して横幅方向にスライド移動可能に支持されることになる。
また、図15によく示すように、本体12は大腿骨側の端面100aにプレート部分21b等で当接するよう配置されており、サイジングプレート13は、一対の両側部分28においてプレート部分21bに当接した状態で、本体12に対して取り付けられている。このため、サイジングプレート13が本体12に対して取り付けられた状態では、大腿骨側の端面100aとサイジングプレート13との間においては、図中の矢印Iでその距離寸法を示す隙間が形成されることになる。
術者は、図13乃至図15に示すように、サイジングプレート13を本体12に対して取り付けた状態で、大腿骨側の端面100aに対するサイジングプレート13の前後サイズ測定部32の位置と本体12の後端面21dの位置とを確認する。これにより、術者は、前後サイズ測定部32と後端面21dとの間の距離寸法として測定される前後サイズが適切であるかどうかを検討して決定することができる。また、術者は、サイジングプレート13における一対の横幅サイズ確認部33の大腿骨側の端面100aに対する位置も確認する。これにより、術者は、横幅サイズ確認部33の間の距離寸法として確認される横幅サイズが適切であるかどうかを検討して決定することができる。
尚、図13乃至図15では、数字の「2」が刻印されたサイズに対応したサイジングプレート13bが本体12に取り付けられている場合を例示している。ここで、術者は、上述の検討の結果、サイジングプレート13bで確認される前後サイズ又は横幅サイズがもし不適切であると判断した場合、サイジングプレート13bを本体12から取り外し、異なるサイズのサイジングプレート13(例えば、数字の「1」が刻印されたサイジングプレート13aや数字の「3」が刻印されたサイジングプレート13c)を本体12に取り付けて、再度、前後サイズ及び横幅サイズの確認と検討を行うことができる。尚、サイジ
ングプレート13を本体12から取り外す場合は、サイジングプレート13を前方側に向かってスライド移動させることになる。これにより、プランジャ26aが凸部30によってバネ部材のバネ力に抗して付勢されてケース26b内に一旦退避し、プランジャ26aと凹部30aとの係合が解除される。そして、凸部30が溝部21cから抜き出されるようにして取り外され、サイジングプレート13が容易に本体12から取り外されることになる。
術者は、異なるサイズに対応したサイジングプレート13を適宜選択して本体12に取り替えながら取り付けることで、大腿骨側の端面100aに設置されるインプラント102の適切な前後サイズ及び横幅サイズを決定することができる。適切な前後サイズ及び横幅サイズの決定が終了すると、術者は、適切な前後サイズ及び横幅サイズに対応したサイジングプレート13を本体12に対して取り付けたままの状態で、大腿骨側の端面100aに対してインプラント102を設置するための基準位置のマーキングを行う。
上記のマーキング作業においては、手術器具としてのドリル(図示せず)が用いられる。術者は、サイジングプレート13の各マーキング孔31からそのドリルの先端部を挿入して回転運転の操作をすることで、大腿骨側の端面100aにおける各マーキング孔31に対応した位置に、基準位置としてのピン穴を形成するマーキング作業を行うことになる。そして、ピン穴が形成されると、図17に示すように、術者は、ピン104を各マーキング孔31を介して大腿骨側の端面100aに形成された図示しないピン穴に挿入して固定する。そして、術者は、大腿骨側の端面100aに形成されたピン穴に固定されたピン104を残した状態のまま、ピン104の長手方向に沿って大腿骨側の端面100aに垂直な方向に手術器具1を移動させて取り外す。即ち、術者は、スペーサ11、本体12及びサイジングプレート13が連結されたままの状態の手術器具1について、ピン104がマーキング孔31に対して相対移動して抜き出される方向に向かって、この手術器具1を移動させて抜去する。これにより、図18の斜視図に示すように、大腿骨100に対して、大腿骨側の端面100aから垂直に突出した状態で、各ピン104がインプラント102の設置のための基準位置で固定された状態となる。
次いで、図19の斜視図に示すように、術者により、骨切りの際の骨の切除用の電動カッタ(図示せず)の切除方向をガイドする複数のスリット(105a、105b、105c、105d)が形成された骨切りガイド部材105が大腿骨側の端面100aに取り付けられる。この場合、取り付けられる骨切りガイド部材105としては前述の検討結果で決定された前後サイズ及び横幅サイズに対応したものが選択される。そして、この骨切りガイド部材105が、インプラント102の設置の基準位置として形成されたピン穴に嵌め込まれて固定されたピン104によって位置決めされた状態で、大腿骨側の端面100aに取り付けられる。ここで、骨切りガイド部材105に形成されたスリット105aは、サイジングプレート13の前後サイズ測定部32にて確認された前方側における骨切り位置に対応している。そして、骨切りガイド部材105に形成されたスリット105bは、本体12の後端面21dにて確認された後方側における骨切り位置に対応している。図19に示すように骨切りガイド部材105がピン104を介して大腿骨側の端面100aに取り付けられた状態で、術者は電動カッタの刃を各スリット(105a、105b、105c、105d)でそれぞれガイドさせて電動カッタを駆動し、大腿骨100に対する骨切り処置が各スリットごとに対応して順次施されることになる。
上記の骨切り処置が終了すると、骨切りガイド部材105が取り外され、更に各ピン104が大腿骨側の端面100aに形成されたピン穴から抜去される。そして、図3(b)に示すように、前述の検討にて決定された前後サイズ及び横幅サイズに対応するインプラント102が、大腿骨側の端面100aに取り付けられることになる。
以上説明した人工膝関節置換術用手術器具1によると、大腿骨100に係合する本体12の位置調整機構22を作動させることにより、脛骨側の端面101aに載置されたスペーサ11に対して大腿骨100の位置が調整される。これにより、術者は、大腿骨100と脛骨101とを連結する靭帯に所望の緊張状態を生じさせた状態で、大腿骨用インプラント102の設置位置及びサイズを検討して決定することができる。そして、術者は、本体12にサイジングプレート13を取り付けることで、サイジングプレート13に設けられた前後サイズ測定部32により、設置するインプラント102の前後サイズを測定し、適切な前後サイズのインプラント102を決定することができる。更に、術者は、サイジングプレート13に設けられた横幅サイズ確認部33により、設置するインプラント102の横幅サイズも確認し、適切な横幅サイズのインプラント102を決定することができる。そして、術者は、サイジングプレート13のマーキング孔31を用いて、大腿骨側の端面100aにインプラント102の設置のための基準位置のマーキングを行うことができる。よって、従来技術のように一旦決定した大腿骨用インプラントのサイズを再度検討し直すような事態や、それに伴って大腿骨側の端面100aへの更なる骨切り処置が必要となるような事態が発生してしまうことを防止することができる。これにより、手術の際における術者及び患者の負担の増大を抑制することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、マーキング孔31、前後サイズ測定部32及び横幅サイズ確認部33が設けられたサイジングプレート13は、本体12に対して別体で着脱自在に設けられている。このため、サイジングプレート13が本体12に取り付けられる前の状態では、大腿骨100側の視界がサイジングプレート13によって遮られることがなく、術者は、インプラント102が取り付けられる大腿骨100の骨形状を容易に確認することができる。このため、術者の作業性が向上し、手術の際の術者の負担の増大を抑制することができる。
従って、本実施形態によると、大腿骨用インプラント102の設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具1に関し、大腿骨用インプラント102の前後サイズに加えて横幅サイズも決定することができるとともに、大腿骨用インプラント102が取り付けられる大腿骨100の骨形状も容易に確認することができ、手術の際における術者及び患者の負担の増大を抑制することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、術者は、異なる横幅サイズにそれぞれ対応する複数のサイジングプレート13を適宜取り替えて本体12に取り付けてその横幅サイズ確認部33で確認することで、適切な横幅サイズのインプラント102を決定することができる。このため、異なる横幅サイズに対応する横幅サイズ確認部33がそれぞれ設けられて本体12に対して着脱自在なサイジングプレート13のみを複数設けるだけで、異なる横幅サイズを確認可能な構成を容易に実現することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、複数のサイジングプレート13は、一対の斜めの辺と一対の平行な辺とに沿った外形の略台形状に形成され、その一対の斜めの辺に沿った部分に隣接した縁部分に横幅サイズ確認部33がそれぞれ設けられる。一方、大腿骨側の端面100aに設置されるインプラント102は、大腿骨側の端面100aに対応して略台形状の外形を有する形状に形成される。従って、手術器具1によると、術者は、インプラント102の形状に対応したサイジングプレート13を用いて、適切な横幅サイズの判断をより容易且つ速やかに行うことができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、前後サイズ測定部32として大腿骨100の前方側の骨切り位置の確認が可能な貫通スリット部32が設けられ、この貫通スリット部32及びマーキング部31間の距離寸法が複数のサイジングプレート13にて一定寸法に形成される。このため、インディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具と、
本実施形態に係るディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具1との間において、人工膝関節置換術の途中で手術器具の切り替えが行われても、大腿骨側の端面100aにおける設置基準位置から前方側の骨切り位置までの距離寸法が一定に設定される状態が維持されることになる。このため、骨切りガイド部材105について、インディペンデント型に対応した骨切りガイド部材とディペンデント型に対応した骨切りガイド部材とを個別に準備する必要がなく、インディペンデント型及びディペンデント型の人工膝関節置換術用手術器具において、骨切りガイド部材105の共通化を図ることができる。これにより、手術器具の点数の増大を抑制することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、サイジングプレート13の本体12に対する直線方向のスライド移動が行われることで、バネ部材により付勢されるプランジャ26aとこのプランジャ26aに係合する凹部30aとを介して、サイジングプレート13の本体12への着脱動作が自動的に行われることになる。これにより、サイジングプレート13の本体12への容易且つ迅速な着脱動作が可能な機構を簡素な構成により実現することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、位置調整機構22において、大腿骨100に係合する係合ロッド24を前後方向に変位させるジャッキ部25が、本体12において柱状に突出するよう設けられる。このため、位置調整機構22の一部として大腿骨側の端面100aに対向して配置されるジャッキ部25が、細長い柱状に形成されることで、大腿骨100側の視界を遮ってしまうことが抑制されることになる。これにより、骨形状の術者による確認が更に容易となり、術者の作業性が更に向上し、手術の際の術者の負担の増大を更に抑制することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、サイジングプレート13が、ジャッキ部25の両側方に配置される一対の両側部分28とそれらの一端側を連結する架橋部分29とを備える門型状に形成される。このため、大腿骨側の端面100aに対向するとともにジャッキ部25の両側方でジャッキ部25の長手方向に沿って一体で変位するように駆動されるサイジングプレート13の形状を、大腿骨側の端面100aの近傍におけるスペースを効率よく活用した無駄のない形状として構成することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、一対の両側部分28の距離寸法Gがジャッキ部25の幅寸法Hよりも大きく設定され、サイジングプレート13が本体12に対し横幅方向にスライド移動可能に支持される。このため、サイジングプレート13を本体12に取り付けた状態で、術者は、サイジングプレート13の本体12に対する横幅方向の位置を適宜調整して、インプラント102の設置位置やサイズを判断することができる。これにより、術者は、更に、より細かく適切な判断を行うことができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、サイジングプレート13は、本体12に対して前後方向にスライド移動して取り付けられることで、そのプレート状の凸部30が本体12におけるスリット状の溝部21cに挿入され、本体12に対して横幅方向にスライド移動可能に支持される。このため、本体12に対してサイジングプレート13をスライド移動させて取り付けた後にそのまま横幅方向にスライド移動可能に支持させる構成を、サイジングプレート13に凸部30を設けて本体12に溝部21cを設けるという簡素な構成によって実現することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、サイジングプレート13の本体12に対する直線方向のスライド移動が行われることで、本体12側でバネ部材により付勢されるプランジャ26aとこのプランジャ26aに係合するサイジングプレート13側の凹部30aとを介して、サイジングプレート13の本体12への着脱動作が自動的に行われる
ことになる。そして、サイジングプレート13の幅方向に溝状に延びるように形成された凹部30aに対してプランジャ26aが係合することで、サイジングプレート13が本体12に対してスライド移動可能に支持される。従って、手術器具1によると、サイジングプレート13の本体12への容易且つ迅速な着脱動作が可能であるとともにサイジングプレート13を本体12に対して横幅方向にスライド移動可能に保持する機構を簡素な構成により実現することができる。
また、人工膝関節置換術用手術器具1によると、大腿骨側の端面100aに当接する本体12に対してサイジングプレート13が取り付けられた状態で、大腿骨側の端面100aとサイジングプレート13との間に隙間が形成される。このため、サイジングプレート13の本体12に対する着脱動作を行う場合に、大腿骨側の端面100aにサイジングプレート13が全体的に密着した状態とならず、容易に着脱動作を行うことができる。これにより、術者の作業性が向上し、手術の際の術者の負担の増大を更に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)本実施形態では、本体が支持部と別体に形成されるものを例示しているが、この例に限らず、本体が支持部と一体に形成されているものであってもよい。
(2)本実施形態では、インプラント決定用部材と本体とが、凸部及び溝部と、プランジャ及び凹部とを介して着脱されるものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、他の着脱機構を介して着脱されるものであってもよい。また、本実施形態では、本体にプランジャが設けられてインプラント決定用部材に凹部が設けられているものを例にとって説明したが、この通りでなくもよい。即ち、インプラント決定用部材にプランジャが設けられて本体に凹部が設けられているものであってもよい。
(3)本実施形態では、位置調整機構における係合部が係合ロッドとして構成されたものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、係合部が、大腿骨と係合する平板状の部分を有するパドル状の形態として構成されているものであってもよい。また、位置調整機構におけるジャッキ部の形態についても、係合部を前後方向に変位させるものであればよく、本実施形態にて例示した構造に限らず種々変更して実施することができる。
(4)本実施形態では、インプラント決定用部材における前後サイズ測定部が貫通スリット部として設けられ、横幅サイズ確認部が一対の両側部分の一部の縁部分として設けられたものを例にとって説明したが、この通りでなくもよく、前後サイズ測定部及び横幅サイズ確認部の形状は種々変更して実施してもよい。
(5)本実施形態では、インプラント決定用部材が複数設けられている場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、インプラント決定用部材が1つのみ備えられ、この1つのインプラント決定用部材において、複数の前後サイズが測定でき、複数の横幅サイズが確認可能なものであってもよい。図20及び図21は、1つのインプラント決定用部材において複数の前後サイズが測定できるとともに複数の横幅サイズが確認可能な変形例に係るインプラント決定用部材(40、50)の正面図をそれぞれ示したものである。尚、図20及び図21においては、本実施形態のインプラント決定用部材であるサイジングプレート13と同様の構成要素については、同一の符号を付している。
図20に示す変形例に係るインプラント決定用部材40は、本実施形態のサイジングプレート13と同様に、一対の両側部分28と架橋部分29と凸部30とを備えて構成されている。しかし、一対の両側部分28において、複数の前後サイズが測定できる前後サイズ測定部41(41a、41b、41c)が設けられており、更に、複数の横幅サイズが確認できる横幅サイズ確認部42(42a、42b、42c)が設けられている点において、本実施形態とは異なっている。前後サイズ測定部41は、本実施形態の前後サイズ測定部32と同様に、前方側の骨切り位置の確認が可能な貫通スリット部として設けられている。しかし、前後サイズ測定部41は、前後方向における異なる位置に平行に配置された複数の前後サイズ測定部(41a、41b、41c)として設けられている。これにより、異なる前後サイズを1つのインプラント決定用部材40において測定することができる。
一方、インプラント決定用部材40における一対の両側部分28に設けられた横幅サイズ確認部42は、一対の両側部分28においてスリット状に貫通形成されるとともに前後方向に直線状に延びるように形成されている。そして、横幅サイズ確認部42は、横幅方向における異なる位置に平行に配置された複数の横幅サイズ確認部(42a、42b、42c)として設けられている。術者は、一対の両側部分28において対称位置に配置された各横幅サイズ確認部(42a、42b、42c)から覗いて大腿骨側の端面100aを確認することで、横幅サイズの確認を行うことができる。
図21に示す変形例に係るインプラント決定用部材50は、本実施形態のサイジングプレート13と同様に、一対の両側部分28と架橋部分29と凸部30とを備えて構成されている。しかし、一対の両側部分28において、複数の前後サイズが測定できる前後サイズ測定部51(51a、51b、51c)が設けられており、更に、複数の横幅サイズが確認できる横幅サイズ確認部52(52a、52b、52c)が設けられている点において、本実施形態とは異なっている。また、インプラント決定用部材50における一対の両側部分28は、前後サイズ測定部51及びマーキング孔31が形成される厚肉の部分や凸部30が突出するよう設けられる厚肉の部分については金属材料で形成されているが、横幅サイズ確認部52が設けられる平坦で薄いプレート状の部分は例えば透明な樹脂材料で形成されている。即ち、インプラント決定用部材50は、金属材料と透明な樹脂材料とが組み合わされて結合した部材として形成されている。
前後サイズ測定部51は、本実施形態の前後サイズ測定部32と同様に、前方側の骨切り位置の確認が可能な貫通スリット部として設けられている。しかし、前後サイズ測定部51は、前後方向における異なる位置に平行に配置された複数の前後サイズ測定部(51a、51b、51c)として設けられている。これにより、異なる前後サイズを1つのインプラント決定用部材50において測定することができる。
一方、インプラント決定用部材50における一対の両側部分28に設けられた横幅サイズ確認部52は、一対の両側部分28における透明な樹脂材料で形成された部分に設けられ、例えば、前後方向に直線状に延びるように黒色等に色づけされて描かれた線の図形として設けられている。そして、横幅サイズ確認部52は、横幅方向における異なる位置に平行に配置された複数の横幅サイズ確認部(52a、52b、52c)として設けられている。術者は、一対の両側部分28において対称位置に配置された各横幅サイズ確認部(52a、52b、52c)の位置と、透明な樹脂材料を介して透けて見える大腿骨側の端面100aとを確認することで、横幅サイズの確認を行うことができる。
尚、図20及び図21に示した変形例に係るインプラント決定用部材(40、50)においては、マーキング孔31が一対のみ形成されているものを例示したが、この通りでなくてもよい。各インプラント決定用部材(40、50)において、各前後サイズ測定部(
41a、41b、41c)や各前後サイズ測定部(51a、51b、51c)にそれぞれ対応して複数対のマーキング孔31が設けられていてもよい。これにより、本実施形態のサイジングプレート13と同様に、各前後サイズ測定部(41、51)と各マーキング孔31との間の距離寸法が一定の寸法となるように構成されているものであってもよい。
また、1つのインプラント決定用部材において複数の前後サイズが測定できるとともに複数の横幅サイズが確認可能な変形例に係るインプラント決定用部材として、前後サイズ測定部及び横幅サイズ確認部がインプラント決定用部材においてスライド移動自在に設けられているものを構成してもよい。即ち、前後サイズ測定部及び横幅サイズ確認部が、インプラント決定用部材においてスライド移動自在に変位させることが可能なスライダ機構を介して設けられ、これにより、複数の前後サイズが測定できるとともに複数の横幅サイズが確認可能に構成されているものであってもよい。
本発明は、膝関節を人工膝関節に置換する手術において用いられ、膝が屈曲した位置状態の大腿骨及び脛骨において切除されて形成された大腿骨側の端面と脛骨側の端面とに対して設置され、大腿骨側の端面に対して設置される大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具として、広く適用することができるものである。
1 人工関節置換術用手術器具
11 スペーサ(支持部)
12 本体
13、13a〜13e サイジングプレート(インプラント決定用部材)
22 位置調整機構
31 マーキング孔
32 前後サイズ測定部
33 横幅サイズ確認部
100 大腿骨
100a 大腿骨側の端面
101 脛骨
101a 脛骨側の端面
102 大腿骨用インプラント

Claims (12)

  1. 膝関節を人工膝関節に置換する手術において用いられ、膝が屈曲した位置状態の大腿骨及び脛骨において切除されて形成された大腿骨側の端面と脛骨側の端面とに対して設置され、大腿骨側の端面に対して設置される大腿骨用インプラントの設置位置及びサイズを決定するための人工膝関節置換術用手術器具であって、
    脛骨側の端面に対して載置される支持部と、
    大腿骨に係合するとともに前記支持部に対する大腿骨の位置を調整可能な位置調整機構を有し、前記支持部と一体又は別体に形成されるとともに当該支持部に対して支持される本体と、
    前記本体とは別体に形成されるとともに当該本体に対して着脱可能に形成され、大腿骨側の端面に対して前記大腿骨用インプラントを設置するための基準位置のマーキングが行われる際に用いられるマーキング孔と、設置される前記大腿骨用インプラントについての大腿骨の前後方向におけるサイズである前後サイズを測定するための前後サイズ測定部とが設けられたインプラント決定用部材と、
    を備え、
    前記インプラント決定用部材には、当該インプラント決定用部材が前記本体に取り付けられた状態で、設置される前記大腿骨用インプラントの大腿骨の横幅方向におけるサイズである横幅サイズの確認が可能である横幅サイズ確認部が更に設けられていることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  2. 請求項1に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記インプラント決定用部材として、異なる前記横幅サイズにそれぞれ対応する複数の前記インプラント決定用部材が備えられていることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  3. 請求項2に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    複数の前記インプラント決定用部材のそれぞれは、
    その外形の縁部分が台形における一対の斜めの辺と一対の平行な辺とにそれぞれ沿った部分を有するように、台形状に形成され、
    前記一対の斜めの辺に沿った部分に隣接して配置された縁部分に前記横幅サイズ確認部が設けられていることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  4. 請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記前後サイズ測定部は、前記インプラント決定用部材においてスリット状に貫通形成されるとともに、前記大腿骨用インプラントを設置するための大腿骨の前方側における骨切り位置の確認が可能な貫通スリット部として設けられ、
    複数の前記インプラント決定用部材において、前記貫通スリット部と前記マーキング部との間の距離寸法が一定の寸法であることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記本体及び前記インプラント決定用部材には、一方にバネ部材により付勢されたプランジャが設けられ、他方に前記プランジャと係合する凹部が形成され、
    前記インプラント決定用部材が前記本体に対して直線方向にスライド移動しながら取り付けられることで、前記プランジャが前記バネ部材のバネ力に抗して一旦退避した後に当該バネ部材のバネ力によって突出して前記凹部に係合し、前記インプラント決定用部材が前記本体に取り付けられることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記位置調整機構は、大腿骨に係合する係合部と、前記係合部を支持するとともに大腿
    骨に係合した当該係合部を前記前後方向に変位させるように駆動するジャッキ部と、を有し、
    前記ジャッキ部は、前記本体において柱状に突出するように設けられていることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  7. 請求項6に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記インプラント決定用部材は、前記本体に取り付けられた状態で前記ジャッキ部の両側方に配置されるとともに前記横幅サイズ確認部が設けられている一対の両側部分と、前記一対の両側部分をそれらの一端側において架橋するように連結して一体化する架橋部分と、を有していることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  8. 請求項7に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記インプラント決定用部材は、前記一対の両側部分における対向する端部同士の距離寸法が前記ジャッキ部の幅方向の長さ寸法よりも大きく形成され、前記本体に取り付けられた状態で当該本体に対して前記横幅方向にスライド移動可能に支持されることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  9. 請求項8に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記一対の両側部分のそれぞれにおける前記架橋部分と反対側に配置された端部には、プレート状に突出するよう形成された凸部が設けられ、
    前記本体には、前記凸部が挿入されるスリット状の溝部が形成され、
    前記インプラント決定用部材が前記本体に対して前記前後方向に沿って直線方向にスライド移動して取り付けられることで、前記凸部が前記溝部に挿入され、前記インプラント決定用部材が前記本体に対して前記横幅方向にスライド移動可能に支持されることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記本体には、バネ部材により付勢されたプランジャが設けられ、前記インプラント決定用部材には、前記プランジャと係合するとともに幅方向に延びる溝状の凹部が形成され、
    前記インプラント決定用部材が前記本体に対して前記前後方向に沿って直線方向にスライド移動しながら取り付けられることで、前記プランジャが前記バネ部材のバネ力に抗して一旦退避した後に当該バネ部材のバネ力によって突出して前記凹部に係合し、前記インプラント決定用部材が前記本体に取り付けられた状態で当該本体に対して前記横幅方向にスライド移動可能に支持されることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    大腿骨側の端面に当接するよう配置された前記本体に対して前記インプラント決定用部材が取り付けられた状態で、大腿骨側の端面と前記インプラント決定用部材との間において隙間が形成されることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
  12. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の人工膝関節置換術用手術器具であって、
    前記インプラント決定用部材は、前記本体に取り付けられた状態で当該本体に対して前記横幅方向にスライド移動可能に支持されることを特徴とする、人工膝関節置換術用手術器具。
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