JP3183614U - 人工膝関節置換手術用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】人工膝関節単顆置換術において、脛骨を適切な位置で切除するための人工膝関節置換手術用器具を提供する。
【解決手段】脛骨100に沿って延びるように設けられ、一方側が該脛骨100の遠位端101側に固定されるとともに他方側が前記膝関節側に配置される基体部2と、前記基体部2における前記膝関節側に取り付けられ、切除具が前記脛骨の近位端における外顆側の部分又は内顆側の部分を切除可能なように前記切除具を案内する案内部14が形成された切除ガイド部10とを設ける。さらに、前記切除具によって切除される前記脛骨100の切除面の範囲を調整可能なように、前記切除ガイド部10を回転変位させる回転機構5とを備えて人工膝関節置換手術用器具1を構成する。
【選択図】図1

Description

本考案は、膝関節の脛骨の近位端を切除するための人工膝関節置換手術用器具に関し、特に、脛骨の近位端における内顆側の部分又は外顆側の部分を切除するための器具に関する。
従来より、変形性膝関節症等の疾患により変形した膝関節の一部を切除して人工膝関節に置き換える、人工膝関節置換術が知られている。この置換術では、一般的に、膝関節の脛骨の近位端を切除するために、例えば特許文献1に開示されるような人工膝関節置換手術用器具が用いられる。
上記人工膝関節置換手術用器具では、鋸刃案内スロット92が形成された脛骨切除ガイド90の、膝関節に対する左右方向の位置決めが、基部位置決め部材140等によって行われる。具体的には、この人工膝関節置換手術用器具では、図2等に示すように、脛骨30の近位端側に配置され該脛骨30に沿って延びるように固定される上部シャフト部44に、上記脛骨切除ガイド90及び上記基部位置決め部材140が取り付けられている。一方、大腿骨10には、該大腿骨10に沿うように位置決め用外部ロッド20が固定される。そして、膝関節が伸びた状態で、この位置決め用外部ロッド20が上記基部位置決め部材140のスリット150に挿入される。これにより、脛骨切除ガイド90が、膝関節に対して左右方向に適切に配置される。
上記人工膝関節置換手術用器具は、膝関節全体、すなわち膝関節における内顆側の部分及び外顆側の部分の両方を切除して人工膝関節に置換する、人工膝関節全置換術(Total Knee Arthroplasty、TKA)に用いられる。
また、人工膝関節置換術として、上述したTKAの他に、膝関節における内顆側の部分又は外顆側の部分を切除して人工膝関節に置換する、人工膝関節単顆置換術(Unicompartmental Knee Arthroplasty、UKA)も知られている。UKAでは、膝関節の脛骨の近位端のうち、内顆側の部分又は外顆側の部分が切除され、切除された部分が人工膝関節に置換される。人工膝関節置換手術用器具として、このUKAに用いられる器具も、一般的に知られている。
特開平10−174695号公報
ところで、上述のように、UKAで用いられる単顆置換用の人工膝関節置換手術用器具では、膝関節のうち内顆側の部分又は外顆側の部分のみが切除される。UKAの場合も、TKAの場合と同様、脛骨の近位端を正確な位置で切除することが求められる。
本発明の目的は、人工膝関節単顆置換術において、脛骨を適切な位置で切除するための人工膝関節置換手術用器具を提供することである。
(1)上記課題を解決するため、本考案のある局面に係る人工膝関節置換手術用器具は、膝関節における片側の顆を切除するための人工膝関節置換手術用器具であって、脛骨に沿って延びるように設けられ、一方側が該脛骨の遠位端側に固定されるとともに他方側が前記膝関節側に配置される基体部と、前記基体部における前記膝関節側に取り付けられ、切除具が前記脛骨の近位端における外顆側の部分又は内顆側の部分を切除可能なように前記切除具を案内する案内部が形成された切除ガイド部と、前記切除具によって切除される前記脛骨の切除面の範囲を調整可能なように、前記切除ガイド部を回転変位させる回転機構とを備えている。
この構成によると、脛骨の遠位端側に固定された基体部における膝関節側に、切除ガイド部が取り付けられる。この切除ガイド部には、脛骨の近位端における単顆(外顆側の部分又は内顆側の部分)を切除するための切除具を案内する案内部が形成されている。この切除ガイド部を、脛骨の近位端における適切な位置に配置して固定した後、切除具を案内部に沿って動作させることにより、脛骨の近位端における単顆を所望の位置で切除できる。
そして、この構成によると、回転機構で切除ガイド部を回転変位させることができる。こうすると、切除ガイド部の配置自由度を向上できるとともに、切除具によって切除される脛骨の切除面の範囲を調整できる。
従って、上述の構成によれば、脛骨を適切な位置及び範囲で切除するための人工膝関節置換手術用器具を提供できる。
(2)好ましくは、前記回転機構は、前記膝関節の内旋方向及び外旋方向に沿って回転可能な内外旋方向回転機構を有する。
この構成によると、切除ガイド部を、膝関節の内旋方向及び外旋方向に沿って回転できる。よって、切除ガイド部を内旋方向又は外旋方向に回転させて切除ガイド部の案内部を傾け、該案内部に沿って脛骨を切除することにより、切除面の範囲を調整できる。
(3)更に好ましくは、前記内外旋方向回転機構は、前記基体部における前記膝関節側の端部から前記脛骨が延びる方向に沿って延びる軸心部と、前記切除ガイド部に形成され前記軸心部に回転自在に嵌る軸心用穴部と、を有する。
この構成によると、軸心部に切除ガイド部の軸心用穴部を嵌め、該軸心部周りに切除ガイド部を回転させることで、切除ガイド部を内外旋方向に沿って回転できる。従って、この構成によると、比較的容易な構成で、内外旋方向回転機構を構成できる。
(4)更に好ましくは、前記基体部は、前記脛骨に沿って延びる垂直ロッド部と、該垂直ロッド部における前記膝関節側に設けられ該膝関節に向かって前記垂直ロッド部に対して斜め方向に延びる延出部を有する切除ガイド保持部と、を有し、前記軸心部は、前記延出部の先端部として設けられている。
この構成によると、垂直ロッド側から膝関節に向かって延びる延出部の先端部として設けられた軸心部によって、切除ガイド部が保持される。よって、切除ガイド部を、より膝関節に近づけた状態で保持することができる。
また、この構成によると、切除ガイド部の回転中心となる軸心部が、膝関節に向かって延びる延出部の先端部として設けられている。こうすると、切除ガイド部を、より膝関節に近づけた状態で回転できるため、回転によって切除ガイド部の位置が膝関節から大きくずれてしまうのを抑制できる。従って、膝関節に対する切除ガイド部の位置を微調整しやすくなる。
(5)更に好ましくは、前記基体部は、前記垂直ロッド部における前記膝関節側に設けられ該垂直ロッド部に直交して延びて前記膝関節の左右方向に沿うように配置される水平ロッド部を更に有し、前記切除ガイド保持部は、前記水平ロッド部に沿ってスライドするスライド部を有する。
この構成によると、切除ガイド部を膝関節の左右方向に沿ってスライドできるため、切除ガイド部の配置自由度を更に向上できる。
(6)好ましくは、前記回転機構は、前記膝関節の内反方向及び外反方向に沿って回転可能な内外反方向回転機構を有する。
この構成によると、切除ガイド部を、膝関節の内反方向及び外反方向に沿って回転できる。よって、切除ガイド部を内反方向又は外反方向に回転させて切除ガイド部の案内部を傾け、該案内部に沿って脛骨を切除することにより、膝関節の左右方向に傾斜する切除面を形成できる。従って、この構成によれば、切除面の調整範囲を更に広げることができる。
(7)更に好ましくは、前記切除ガイド部は、前記膝関節の内旋方向及び外旋方向に沿って回転可能なように前記基体部に対して回転するベース部と、前記案内部が形成され前記膝関節の内反方向及び外反方向に沿って回転可能なように前記ベース部に対して回転する切除ガイド本体部と、を有し、前記内外反方向回転機構は、前記切除ガイド本体部を有する。
この構成によると、ベース部を基体部に対して回転させることにより、切除ガイド部を内外旋方向に沿って回転でき、更に、切除ガイド本体部をベース部に対して回転させることにより、該切除ガイド本体部を内外反方向に沿って回転できる。すなわち、この構成によれば、切除ガイド部を内外旋方向及び内外反方向の双方に沿って回転することができる。
(8)更に好ましくは、前記内外反方向回転機構は、前記切除ガイド本体部に回転自在に支持され前記ベース部に当接するカム面が形成されたカム部を有する。
この構成によると、カム部を回転させることで、内外反方向回転機構を容易に回転することができる。
本考案によると、人工膝関節単顆置換術において、脛骨を適切な位置で切除するための人工膝関節置換手術用器具を提供できる。
本考案の実施形態に係る切除ガイド装置(人工膝関節置換手術用器具)の全体構成、及び使用形態の一例を示す概略図である。 図1に示す切除ガイド装置のアンクルクランプの図であって、(A)は平面図、(B)は正面図である。 図1に示す切除ガイド装置のロッドガイド部の正面図である。 図3に示すロッドガイド部の断面図であって、(A)は図3のIVA-IVA矢視位置から視た断面図、(B)は図3のIVB-IVB矢視位置から視た断面図、(C)は図3のIVC-IVC矢視位置から視た断面図、である。 図1に示す切除ガイド装置のロッド部の正面図である。 図5に示すロッド部の図であって、(A)は図5をVIA方向から視た矢視図、(B)は図5のVIB-VIB矢視位置から視た断面図、である。 図1に示す切除ガイド装置の切除ガイド支持部の図であって、(A)は正面方向から視た断面図、(B)は右側面図、(C)は平面図、である。 図1に示す切除ガイド装置の切除ガイド部の図であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、である。 変形例に係る切除ガイド装置の切除ガイド部付近の拡大図である。
以下、本考案を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本考案は、膝関節の脛骨の近位端における内顆側の部分又は外顆側の部分を切除するための人工膝関節置換手術用器具として広く適用することができる。
図1は、本考案の実施形態に係る切除ガイド装置1(人工膝関節置換手術用器具)の全体構成、及び使用形態の一例を示す図である。切除ガイド装置1は、人工膝関節置換術の1つである人工膝関節単顆置換術(UKA)で用いられる。このUKAでは、膝関節における内顆側の部分及び外顆側の部分のいずれか一方が切除され、該切除された部分に人工膝関節が補綴される。本実施形態に係る切除ガイド装置1は、膝関節の脛骨を切除するために用いられる。
なお、以下では、説明の便宜上、各図面において、上と記載された矢印が指示する方向を上側又は上方、下と記載された矢印が指示する方向を下側又は下方、前と記載された矢印が指示する方向を右側又は前方、後と記載された矢印が指示する方向を後側又は後方、右と記載された矢印が指示する方向を右側、左と記載された矢印が指示する方向を左側、と称する。また、上と記載された矢印が指示する方向を脛骨近位端側、下と記載された矢印が指示する方向を脛骨遠位端側と称する場合もある。
[構成]
本実施形態に係る切除ガイド装置1は、図1に示すように、基体部2と、切除ガイド部10とを備えている。基体部2を構成する各部品、及び切除ガイド部10は、例えばステンレス鋼等の金属材料で構成される。
基体部2は、詳しくは後述するが、アンクルクランプ20、ロッドガイド部30、ロッド部50、及び切除ガイド保持部60を有している。基体部2は、図1に示すように、脛骨100に沿って延びるように配置される。基体部2は、一端側が脛骨100の遠位端101側に固定され、他端側が脛骨100の近位端102側に配置される。
切除ガイド部10は、上述のように脛骨100に固定された状態の基体部2において、基体部2の上側(基体部2における脛骨100の近位端102側)に取り付けられる。
切除ガイド装置1では、基体部2における各構成部分の位置及び状態が適宜調整され、切除ガイド部10の水平スリット部14が脛骨100の近位端102における所望の位置に配置される。そして、切除ガイド部10がその位置で固定された後、術者は、水平スリット部14に切除具としての鋸刃(図示省略)を挿入し、該水平スリット部14に沿って脛骨100を切除する。
基体部2は、図1に示すように、アンクルクランプ20と、ロッドガイド部30と、ロッド部50と、切除ガイド保持部60とを備えている。
アンクルクランプ20は、切除ガイド装置1を患者Pの足首105に固定するためのものである。アンクルクランプ20は、脛骨100の遠位端101を含む足首105に固定される。
図2は、アンクルクランプ20を示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図である。アンクルクランプ20は、図2に示すように、基端部22から2本のプレート状の直線部23が略L字状に延びるように形成されたプレート部21と、各直線部23の先端部に取り付けられた一対のアーム部24とを有している。一対のアーム部24は、足首105がプレート部21の内側の空間Sに位置した状態で該一対のアーム部24とプレート部21とで足首105を挟んで保持可能なように、トーションバネ25によってプレート部21に近づく側へ付勢されている。基端部22には、ロッドガイド部30に係合される被係合部26が形成されている。
図3は、ロッドガイド部30の正面図であり、図4(A)〜(C)は、ロッドガイド部30の各部分の断面図である。ロッドガイド部30は、遠位端側ロッド31と、遠位端側シャフト33と、遠位端側ジョイント35と、ロッドガイド本体部42と、近位端側ジョイント44とを備えている。
遠位端側ロッド31は、細長い略筒状の部材である。遠位端側ロッド31は、図1に示すように、脛骨100に対して略垂直となるように、前後方向に延びるように配置される。遠位端側ロッド31の一方側の端部には、アンクルクランプ20の被係合部26に係合する係合部32が形成されている。遠位端側ロッド31における前記係合部32が形成されている側の端部の内周面には、雌ネジ31aが形成されている。
遠位端側シャフト33は、略棒状に形成され、遠位端側ロッド31に挿通されている。遠位端側シャフト33の一方側の端部には、遠位端側ロッド31の雌ネジ31aに螺合する雄ネジ33aが形成され、他方側の端部には、該遠位端側シャフト33を操作するための操作ノブ34が取り付けられている。
遠位端側ジョイント35は、遠位端側ロッド31とロッドガイド本体部42とを連結するためのものである。遠位端側ジョイント35は、ジョイント本体部36と、ボタン部39とを有している。
ジョイント本体部36は、上方後側に傾斜面を有する基部37と、該基部37の前面における上側の部分から前側へ突出する突出部38とを有し、これらが一体に形成されている。
基部37には、図3及び図4(A)に示すように、該基部37を前後方向に貫通する貫通孔37aと、貫通孔37aが延びる方向と垂直方向に延び、基部37の内部で貫通孔37aと交差するボタン用凹部37bが形成されている。貫通孔37aには、遠位端側ロッド31が挿通している。ボタン用凹部37bには、ジョイント本体部36を遠位端側ロッド31に固定するためのボタン部39が嵌まり込んでいる。
突出部38には、図3に示すように、該突出部38の上面から下方へ凹む凹部38aが形成されている。この凹部38aには、ロッドガイド本体部42の下端部が嵌まり込んでいる。また、突出部38には、凹部38aに嵌まり込んだ状態のロッドガイド本体部42を該凹部38aに固定するための圧入ピン43が圧入される圧入ピン孔が形成されている。
ボタン部39は、図3及び図4(A)に示すように、略円柱状に形成された部材である。ボタン部39における軸方向の一方側には、該軸方向と垂直方向に延びてボタン部39を貫通する貫通孔39aが形成されている。この貫通孔39aには、遠位端側ロッド31が挿通する。ボタン部39は、皿バネ41を介して、ジョイント本体部36のボタン用凹部37bに嵌め込まれる。
遠位端側ジョイント35では、ボタン部39は、該ボタン部39の貫通孔39aがジョイント本体部36の貫通孔37aと同じ方向(図3の前後方向)を向くように、ボタン用凹部37bに嵌め込まれる。これにより、ボタン部39の貫通孔39aは、ジョイント本体部36の貫通孔37aの内側に配置される。そして、この状態で、遠位端側ロッド31がボタン部39の貫通孔39aに挿通している。このとき、ボタン部39は、皿バネ41によってボタン用凹部37bから飛び出す方向へ付勢される。これにより、ボタン部39の貫通孔39aの内壁と、ジョイント本体部36の貫通孔37aの内壁との間で、遠位端側ロッド31が挟んで保持される。
遠位端側ジョイント35では、ボタン部39が押圧されると、遠位端側ロッド31が、ボタン部39の貫通孔39aの内壁とジョイント本体部36の貫通孔37aの内壁との間で挟んで保持されなくなる。その結果、遠位端側ロッド31に対する遠位端側ジョイント35の固定が解除される。一方、ボタン部39に対する押圧をやめると、ボタン部39が押圧されていない状態となり、遠位端側ロッド31に対して遠位端側ジョイント35が固定される。
ロッドガイド本体部42は、細長い略円筒状に形成された部材である。ロッドガイド本体部42は、一端側がジョイント本体部36の凹部38aに嵌め込まれ、圧入ピン43によってジョイント本体部36に対して固定される。ロッドガイド本体部42は、図1に示すように、脛骨100に沿うように配置される。ロッドガイド本体部42の他端側(上側)には、図3に示すように、近位端側ジョイント44が取り付けられる。
近位端側ジョイント44は、ロッドガイド本体部42とロッド部50とを連結するためのものである。近位端側ジョイント44は、ジョイント本体部45と、ボタン部46とを有している。
ジョイント本体部45は、図3、図4(B)及び図4(C)に示すように、上下方向に延びる貫通孔45aを有する略円筒状に形成された部材である。ジョイント本体部45は、固定ピン47によって、ロッドガイド本体部42に挿通した状態で固定される。ジョイント本体部45の上側の部分には、図4(C)に示すように、ボタン用凹部45bが形成されている。このボタン用凹部45bは、ジョイント本体部45の軸方向と垂直方向に延び、ジョイント本体部45の内部で貫通孔45aと交差している。
ボタン部46は、図3及び図4(C)に示すように、略円柱状に形成された部材である。ボタン部46の軸方向の一方側には、軸方向と垂直方向に延びてボタン部46を貫通する貫通孔46aが形成されている。この貫通孔46aには、ロッド部50の垂直ロッド51が挿通する。ボタン部46は、皿バネ48を介して、ジョイント本体部45のボタン用凹部45bに嵌め込まれる。
近位端側ジョイント44では、ボタン部46は、該ボタン部46の貫通孔46aがジョイント本体部45の貫通孔45aと同じ方向(上下方向)を向くように、ボタン用凹部45bに嵌め込まれる。これにより、ボタン部46の貫通孔46aは、ジョイント本体部45の貫通孔45aの内側に配置される。そして、この状態で、垂直ロッド51がボタン部46の貫通孔46a、及びロッドガイド本体部42に挿通される。このとき、ボタン部46は、皿バネ48によってボタン用凹部45bから飛び出す方向へ付勢される。これにより、ボタン部46の貫通孔46aの内壁と、ジョイント本体部45の貫通孔45aの内壁との間で、垂直ロッド51が挟んで保持される。
近位端側ジョイント44では、ボタン部46が押圧されると、垂直ロッド51が、ボタン部46の貫通孔46aの内壁とジョイント本体部45の貫通孔45aの内壁との間で挟んで保持されなくなる。その結果、近位端側ジョイント44に対する垂直ロッド51の固定が解除される。一方、ボタン部46に対する押圧をやめると、ボタン部46が押圧されていない状態となり、近位端側ジョイント44に対して垂直ロッド51が固定される。
図5は、ロッド部50の正面図である。また、図6(A)は、図5の矢印IVA方向から視たロッド部50の側面図であり、図6(B)は、図5のIVB-IVB矢視位置から視た断面図であって、垂直ロッド51の一部を省略して示す図である。ロッド部50は、第1ロッド52及び第2ロッド53を有する垂直ロッド51と、スリーブ部54と、調整ナット57と、水平ロッド58とを有している。
第1ロッド52は、略丸棒状に形成された部材である。第1ロッド52は、ロッドガイド本体部42に挿通された状態で、該ロッドガイド本体部42に近位端側ジョイント44によって固定される。第1ロッド52の上端部には、上方に開口する穴部52aが形成されている。
第2ロッド53は、第1ロッド52よりも短い略棒状に形成された部材である。第2ロッド53は、第1ロッド52の穴部52aに挿通される。第2ロッド53の外周面における上下方向の略中央部分には、ネジ部53aが形成されている。また、第2ロッド53の上端部には、水平方向に貫通する断面略正方形状の貫通孔53bが形成されている。
スリーブ部54は、平行に設けられた一対の平板部55と、該一対の平板部55の外周縁部を連結する連結部56とを有し、これらが一体に形成されている。スリーブ部54は、2つの平板部55が上下方向に対向するように配置された状態で、下側の平板部(下側平板部55a)に形成された貫通孔には、第1ロッド52の上端部が嵌合して固定されている。一方、上側の平板部(上側平板部55b)に形成された貫通孔には、第2ロッド53が上下方向に摺動可能に挿通する。
調整ナット57は、やや肉厚な円板状の部材であって、第1ロッド52に対する第2ロッド53の突出量を調整するためのものである。調整ナット57は、スリーブ部54の2つの平板部55に挟まれるように配置され、スリーブ部54に対して回転自在である。
調整ナット57の中央部には、ネジ孔57aが貫通するように形成されている。このネジ孔57aには、第2ロッド53のネジ部53aが螺合する。調整ナット57を回転させると、その回転方向に応じて、第2ロッド53が第1ロッド52に対して上下方向にスライドする。
水平ロッド58は、角棒状に形成された部材であって、第2ロッド53の貫通孔53bに挿通された状態で該第2ロッド53に固定される。水平ロッド58は、垂直ロッド51に直交し、膝関節の左右方向に延びるように配置される。
図7は、切除ガイド保持部60を示す図である。切除ガイド保持部60は、図1に示すように、水平ロッド58に保持された状態で、切除ガイド部10を保持する。切除ガイド保持部60は、本体部61と、ボタン部65とを有している。
本体部61は、図7に示すように、貫通孔62aを有する角筒状に形成されたスライド部62と、該スライド部62から延出する延出部63とを有している。スライド部62には、ボタン用凹部62bが形成されている。このボタン用凹部62bは、スライド部62の筒軸方向と垂直方向に延び、該スライド部62の内部で貫通孔62aと交差している。
延出部63は、図1及び図7に示すように、本体部61が水平ロッド58に保持された状態において、斜め上方に延びるように形成されている。延出部63の先端部は、略上下方向に延びる円柱状に形成されている。この円柱状の部分は、詳しくは後述するが、切除ガイド部10の回転中心となる軸心部64として設けられている。
ボタン部65は、略円柱状に形成された部材であって、筒軸方向のやや一方側寄りの部分に、筒軸方向と垂直に延びて該ボタン部65を貫通する貫通孔65aが形成されている。この貫通孔65aには、水平ロッド58がスライド可能に挿通する。また、ボタン部65の外周面には、上下方向にやや細長い2本のスリット65b,65bが形成されている。ボタン部65は、皿バネ66を介して、本体部61のボタン用凹部62bに嵌め込まれる。
切除ガイド保持部60では、ボタン部65は、該ボタン部65の貫通孔65aがスライド部62の貫通孔62aと同じ方向を向くように、ボタン用凹部62bに嵌め込まれる。これにより、ボタン部65の貫通孔65aは、スライド部62の貫通孔62aの内側に配置される。そして、この状態で、水平ロッド58がボタン部65の貫通孔65aに挿通される。このとき、ボタン部65は、皿バネ66によってボタン用凹部62bから飛び出す方向へ付勢される。これにより、ボタン部65の内壁と、スライド部62の貫通孔62aの内壁との間で、水平ロッド58が挟んで保持される。
切除ガイド保持部60では、ボタン部65が押圧されると、水平ロッド58が、ボタン部65の内壁と本体部61の貫通孔62aの内壁との間で挟んで保持されなくなる。その結果、水平ロッド58に対する切除ガイド保持部60の固定が解除される。一方、ボタン部65に対する押圧をやめると、ボタン部65が押圧されていない状態となり、水平ロッド58に対して切除ガイド保持部60が固定される。
図8は、切除ガイド部10を示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、である。切除ガイド部10は、患者の脛骨100の近位端102の内顆側の部分又は外顆側の部分を所望の位置で切断可能なように、鋸刃を案内するためのものである。切除ガイド部10は、図8に示すように、基部11と、湾曲部12と、立設部13とを有し、これらが一体に形成されている。
基部11は、上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成されている。基部11の下方寄りの部分には、前後方向に延びて該基部11を貫通するネジ孔が形成されている。このネジ孔は、取付けネジ18が挿入される取付け孔11aとして設けられている。また、基部11の下面には、該基部11の内部で取付け孔11aと交差する穴部が形成されている。この穴部は、切除ガイド保持部60の軸心部64が摺動自在に嵌まり込む軸心用穴部11bとして設けられている。
湾曲部12は、上下方向について基部11と同じ厚みを有し、該基部11から左前方へ緩やかに湾曲しながら延びるように形成されている。湾曲部12の下方寄りの部分には、略前後方向に延びて該湾曲部12を貫通する4本の貫通孔が形成されている。この貫通孔は、切除ガイド部10を脛骨100の近位端102に固定するための釘が挿通する釘孔12aとして設けられている。4本の釘孔12aは、左右方向については等間隔となるように、且つ上下方向については互い違いとなるように形成されている。
切除ガイド部10の上方寄りの部分には、基部11及び湾曲部12に跨って、切除ガイド部10を前後方向に貫通する水平スリット部14が形成されている。水平スリット部14は、左右方向に細長いスリット状に形成されている。水平スリット部14は、鋸刃が挿通可能な幅に形成される。水平スリット部14は、鋸刃が脛骨100の近位端102における所望の位置を切除可能なように鋸刃を案内する案内部として設けられている。
立設部13は、基部11における右側(湾曲部12と反対側)の端部から上方へ延びるように形成されている。立設部13は、前後方向の長さが、基部11における前後方向の長さと同じになるように形成されている。立設部13の上側の部分には、前後方向に延びる溝状の垂直スリット部15が形成されている。垂直スリット部15の幅は、水平スリット部14の幅と同程度である。
切除ガイド部10には、取付けネジ18が螺合される。取付けネジ18は、ネジ部18aと把持部18bとを有し、これらが一体に形成されている。ネジ部18aは、略棒状に形成されていて、その先端部には雄ネジが形成されている。この雄ネジは、切除ガイド部10に形成された取付け孔11aに螺合する。
切除ガイド部10では、切除ガイド保持部60の軸心部64が、切除ガイド部10の軸心用穴部11bに挿入された状態で、取付けネジ18が切除ガイド部10の取付け孔11aに締結される。これにより、軸心部64が、軸心用穴部11bの内壁と取付けネジ18の先端部との間で挟まれて保持されるため、切除ガイド部10が切除ガイド保持部60の軸心部64に対して固定される。
[内外旋方向回転機構]
本実施形態に係る切除ガイド装置1は、切除ガイド部10を膝関節の内旋方向及び外旋方向に沿って旋回させるための内外旋方向回転機構5を備えている。本実施形態では、内外旋方向回転機構5は、切除ガイド保持部60の軸心部64と、切除ガイド部10の軸心用穴部11bとを有している。
内外旋方向回転機構5では、切除ガイド部10を軸心部64の中心軸周りに回転させることで、軸心用穴部11bの内周面が軸心部64の外周面に対して摺動しながら回転する。これにより、切除ガイド部10が膝関節に対して内旋方向及び外旋方向に回転する。
[切除ガイド装置の操作方法]
次に、実施形態に係る切除ガイド装置1の操作方法について、図1等を参照しながら説明する。
まず、術者は、アンクルクランプ20等を含む基体部2、及び切除ガイド部10を、患者Pの足首105に対して固定する。具体的に、術者は、アンクルクランプ20の一対のアーム部24とプレート部21との間の空間Sに足首105が配置されるように、アンクルクランプ20をセットする。これにより、基体部2が患者Pの足首105に固定される。
次に、術者は、ロッドガイド部30の遠位端側ロッド31がアンクルクランプ20に係合した状態において、操作ノブ34を右ネジ方向に回転操作する。これにより、遠位端側ロッド31の係合部32とアンクルクランプ20の被係合部26とが隙間なく密着した状態で互いに押し付け合う。その結果、アンクルクランプ20に対して遠位端側ロッド31が強固に固定される。
次に、術者は、切除ガイド部10が患者Pの膝関節付近に配置されるように、基体部2の各機構部品を適宜調整する。具体的には、術者は、次の(1)〜(4)の作業を行うことにより、膝関節に対する切除ガイド部10の位置を調整する。
(1)術者は、遠位端側ジョイント35のボタン部39を押し、遠位端側ロッド31に対する遠位端側ジョイント35の固定を解除した状態で、遠位端側ジョイント35を前後方向(患者Pに近づく方向又は患者Pから離れる方向)にずらし、所望の位置でボタン部39を離す。これにより、ロッド部50を、前後方向における所望の位置で固定できる。
(2)術者は、近位端側ジョイント44のボタン部46を押し、近位端側ジョイント44に対する垂直ロッド51の固定を解除した状態で、垂直ロッド51を上下方向にずらし、所望の位置でボタン部46を離す。これにより、ロッド部50を、上下方向における所望の位置で固定できる。また、術者は、この作業後、調整ナット57を適宜回転することにより、第1ロッド52に対する第2ロッド53の突出量を調整できる。すなわち、切除ガイド部10の上下方向の位置を微調整できる。
(3)術者は、切除ガイド保持部60のボタン部65を押し、水平ロッド58に対する切除ガイド保持部60の固定を解除した状態で、切除ガイド保持部60を水平方向(左右方向)にずらし、所望の位置でボタン部65を離す。これにより、切除ガイド保持部60を、左右方向における所望の位置で固定できる。
(4)術者は、内外旋方向回転機構5によって、切除ガイド部10を内旋方向又は外旋方向に回転させる。具体的には、切除ガイド部10に取り付けられる取付けネジ19が緩んだ状態で、切除ガイド部10を内旋方向又は外旋方向に回転させる。これにより、内外旋方向回転機構5の軸心用穴部11bが形成された切除ガイド部10が、内外旋方向回転機構5の軸心部64が形成された切除ガイド保持部60に対して、内旋方向又は外旋方向に回転する。術者は、切除ガイド部10を所望の位置まで内旋又は外旋させた後、取付けネジ19を締結する。これにより、切除ガイド部10を、膝関節の内外旋方向における所望の位置で固定できる。
術者は、上記(1)〜(4)の作業を行うことにより、切除ガイド部10を、脛骨100の近位端102における所望の位置に固定する。その後、術者は、切除ガイド部10の釘孔12aを介して脛骨100の近位端102に釘を打ち込むことにより、切除ガイド部10を脛骨100の近位端102に強固に固定する。そして、術者は、所望の位置に固定された切除ガイド部10の水平スリット部14及び垂直スリット部15に沿って脛骨100の近位端102を切除する。これにより、当該近位端102における、内顆側の所望の部分又は外顆側の所望の部分を切除できる。
[効果]
以上説明したように、上記実施形態に係る切除ガイド装置1では、脛骨100の遠位端101側に固定された基体部2における膝関節側に、切除ガイド部10が取り付けられる。この切除ガイド部10には、脛骨100の近位端102における単顆(外顆側の部分又は内顆側の部分)を切除するための鋸刃を案内する水平スリット部14及び垂直スリット部15が形成されている。この切除ガイド部10を、脛骨100の近位端102における適切な位置に配置した後、鋸刃を水平スリット部14及び垂直スリット部15に沿って動作させることにより、脛骨100の近位端102における単顆を所望の位置で切除できる。
そして、切除ガイド装置1では、内外旋方向回転機構5で切除ガイド部10を回転変位させることができる。こうすると、脛骨100の近位端102に対する切除ガイド部10の配置自由度を向上できるとともに、鋸刃によって切除される脛骨100の切除面の範囲を調整できる。
従って、切除ガイド装置1によれば、脛骨100を適切な位置及び範囲で切除することができる。
また、切除ガイド装置1では、切除ガイド部10を、膝関節の内旋方向及び外旋方向に沿って回転できる。よって、切除ガイド部10を内旋方向又は外旋方向に回転させて切除ガイド部10の水平スリット部14を水平方向(脛骨が延びる方向に直交する方向)に傾け、該水平スリット部14に沿って脛骨100を切除することにより、切除面の範囲を調整できる。
また、切除ガイド装置1では、切除ガイド保持部60の軸心部64に切除ガイド部10の軸心用穴部11bを嵌め、該軸心部64周りに切除ガイド部10を回転させることで、切除ガイド部10を内外旋方向に沿って回転できる。従って、切除ガイド装置1によれば、比較的容易な構成で、内外旋方向回転機構5を構成できる。
また、切除ガイド装置1では、水平ロッド58から膝関節に向かって延びる延出部63の先端部として設けられた軸心部64によって、切除ガイド部10が保持される。よって、切除ガイド部10を、より膝関節に近づけた状態で保持することができる。
また、切除ガイド装置1では、切除ガイド部10の回転中心となる軸心部64が、膝関節に向かって延びる延出部63の先端部として設けられている。こうすると、切除ガイド部10を、より膝関節に近づけた状態で回転できるため、回転によって切除ガイド部10の位置が膝関節から大きくずれてしまうのを抑制できる。すなわち、膝関節に対する切除ガイド部10の位置を微調整しやすくなる。
また、切除ガイド装置1では、切除ガイド部10を水平ロッド58に沿って(すなわち、膝関節の左右方向に沿って)スライドできるため、切除ガイド部10の配置自由度を更に向上できる。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案は上述の実施形態に限られるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
[変形例]
(1)図9に、変形例に係る切除ガイド装置1aの切除ガイド部70付近の拡大図を示す。本変形例に係る切除ガイド装置1aは、上記実施形態に係る切除ガイド装置1と比べて、切除ガイド部の構成が異なる。以下、上記実施形態と異なる点について主に説明し、上記実施形態と同様の構成の説明については、図面において同一の符号を付すことで又は同一の符号を引用して説明することで、省略する。
本変形例に係る切除ガイド部70は、図9に示すように、ベース部71と、切除ガイド本体部75とを有している。
ベース部71は、切除ガイド保持部60の軸心部64に対して回転自在に設けられた部材である。ベース部71の下面には、切除ガイド保持部60の軸心部64が摺動自在に嵌まり込む軸心用穴部71bが形成されている。
ベース部71は、軸部72と、カム受け部73とを有している。軸部72は、ベース部71の上面の左側に、前後方向に延びるように設けられている。カム受け部73は、ベース部71における上面の右側に設けられ、前後方向に延びる角筒状に形成されている。カム受け部73は、左右方向にやや細長くなるように形成されている。
切除ガイド本体部75は、ベース部71の軸部72に対して回転自在に設けられた部材である。具体的には、切除ガイド本体部75における左下側の部分には、ベース部71の軸部72が挿通する筒部76が形成されている。筒部76は、軸部72周りに回転自在に設けられている。これにより、切除ガイド本体部75は、膝関節の内反方向及び外反方向に沿って回転可能になる。また、切除ガイド本体部75には、上記実施形態の場合と同様、水平スリット部14、垂直スリット部15、及び釘孔12aが形成されている。
また、切除ガイド本体部75には、ダイアル部77とカム部78とが、カムシャフト79を介して回転自在に取り付けられている。カムシャフト79は、前後方向に延びるように配置され、切除ガイド本体部75に回転自在に支持されている。
ダイアル部77は、略円柱状に形成され、その中心部分にカムシャフト79が挿通されて固定されている。ダイアル部77の外周面には、複数の凹部77aが形成されている。この凹部77aには、切除ガイド本体部75に固定されたボールプランジャー81のボール部81aが嵌まり込む。
カム部78は、円板状に形成された部材であって、その中心部分から偏心した位置にカムシャフト79が挿通されて固定されている。カム部78の外周面は、カム面78aを構成し、ベース部71に形成されたカム受け部73の内壁における上側の面及び下側の面に当接している。
本変形例に係る切除ガイド装置1aは、切除ガイド部70を膝関節の内旋方向及び外旋方向に沿って旋回させるための内外旋方向回転機構6を備えている。本変形例では、内外旋方向回転機構6は、切除ガイド保持部60の軸心部64と、切除ガイド部70の軸心用穴部71bとを有している。内外旋方向回転機構6では、切除ガイド部70を軸心部64の中心軸周りに回転させることで、切除ガイド部70が膝関節に対して内旋方向及び外旋方向に回転する。
[内外反方向回転機構の構成]
本変形例に係る切除ガイド装置1aは、切除ガイド本体部75を膝関節の内反方向及び外反方向に沿って旋回させるための内外反方向回転機構7を備えている。本変形例では、内外反方向回転機構7は、切除ガイド本体部75、筒部76、ダイアル部77、カム部78、及びカム受け部73等を有している。
内外反方向回転機構7では、ダイアル部77の回転方向に応じて、切除ガイド本体部75が、内反方向、又は外反方向に回転する。以下では、右足の膝関節に対して切除ガイド本体部75の位置合わせが行われる場合について説明する。
ダイアル部77を右方向(時計回り方向)に回転させると、カム部78のカム面78aには、カム受け部73を下方へ押圧する力が作用する。このとき、カム部78は、上側の部分及び下側の部分が、カム受け部73によって挟まれているため、ベース部71に対して上下方向に変位しない。その結果、カムシャフト79が上方へ変位し、切除ガイド本体部75が、軸部72を中心として、図9における反時計回り方向へ回転する。これにより、切除ガイド本体部75は内反方向(図9において水平スリット部14が右肩上がりとなる方向)へ回転する。
内反方向に回転した切除ガイド本体部75は、所定角度回転した後、ボールプランジャー81のボール部81aが、ダイアル部77に形成された凹部77aに嵌る。これにより、切除ガイド本体部75が所定角度回転した後、その角度位置で固定される。
一方、ダイアル部77を左方向(反時計回り方向)に回転させると、カム部78のカム面78aには、カム受け部73を上方へ押圧する力が作用する。このとき、上述の場合と同様、カム部78は、上側の部分及び下側の部分が、カム受け部73によって挟まれているため、ベース部71に対して上下方向に変位しない。その結果、カムシャフト79が下方へ変位し、切除ガイド本体部75が、軸部72を中心として、図9における時計回り方向へ回転する。これにより、切除ガイド本体部75は外反方向(図9において水平スリット部14が左肩上がりとなる方向)へ回転する。
外反方向に回転した切除ガイド本体部75は、所定角度回転した後、ボールプランジャー81のボール部81aが、ダイアル部77に形成された凹部77aに嵌る。これにより、切除ガイド本体部75が所定角度回転した後、その角度位置で固定される。
[切除ガイド装置の操作方法]
次に、本変形例に係る切除ガイド装置1aの操作方法について説明する。本変形例に係る切除ガイド装置1aの操作方法は、上記実施形態に係る切除ガイド装置1の操作方法と、概ね同様である。
具体的には、術者は、上記実施形態の場合と同様、基体部2及び切除ガイド部70を患者の足首105に対して固定した後、ロッドガイド部30の操作ノブ34を操作してアンクルクランプ20に対して遠位端側ロッド31を強固に固定する。
その後、述者は、上述した(1)〜(4)の作業の他に、以下の作業を行うことにより、膝関節に対する切除ガイド部70の位置を調整する。具体的には、術者は、ダイアル部77を右方向又は左方向へ適宜回転させることにより、切除ガイド本体部75を所望の角度だけ回転させる。これにより、水平スリット部14を、内反方向又は外反方向へ所望の角度だけ傾けることができる。
上述のようにして、切除ガイド部70を所望の位置に固定した後、術者は、上記実施形態の場合と同様、釘によって切除ガイド部70を脛骨100の近位端102に強固に固定する。そして、術者は、水平スリット部14及び垂直スリット部15に沿って脛骨100の近位端102を切除する。これにより、術者は、当該近位端102における、内顆側の所望の部分又は外顆側の所望の部分を切除できる。
以上のように、本変形例に係る切除ガイド装置1aでは、切除ガイド部70を、膝関節の内反方向及び外反方向に沿って回転できる。よって、切除ガイド部70を内反方向又は外反方向に回転させて切除ガイド部70の水平スリット部14を傾け、該水平スリット部14に沿って脛骨100を切除することにより、左右方向に傾斜する切除面を形成できる。従って、この構成によれば、切除面の調整範囲を更に広げることができる。
また、切除ガイド装置1aでは、ベース部71を基体部2に対して回転させることにより、切除ガイド部70を内外旋方向に沿って回転でき、更に、切除ガイド本体部75をベース部71に対して回転させることにより、切除ガイド本体部75を内外反方向に沿って回転できる。すなわち、切除ガイド装置1aによれば、切除ガイド部70を内外旋方向及び内外反方向の双方に沿って回転可能な構成を実現できる。
また、切除ガイド装置1aでは、ダイアル部77を操作してカム部78を回転させることで、内外反方向回転機構7を容易に回転することができる。
(2)上述した実施形態及び変形例では、切除ガイド部10,70を回転変位させる回転機構として、内外旋方向回転機構5,6及び内外反方向回転機構7を設けているが、これに限らない。具体的には、回転機構として、膝関節の前側へ傾斜する方向及び後側へ傾斜する方向に沿って回転する機構を設けてもよい。これにより、切除面の調整範囲をより一層広げることができる。
(3)また、回転機構の構成は、上述した構成に限らず、内外旋方向、内外反方向に沿って回転する機構であれば、どのような機構であってもよい。
本考案は、膝関節の脛骨の近位端における内顆側の部分又は外顆側の部分を切除するための人工膝関節置換手術用器具として、広く適用することができる。
1,1a 切除ガイド装置(人工膝関節置換手術用器具)
2 基体部
5,6 内外旋方向回転機構
7 内外反方向回転機構
10 切除ガイド部
14 水平スリット部(案内部)
100 脛骨
101 (脛骨の)遠位端
102 (脛骨の)近位端

Claims (8)

  1. 膝関節における片側の顆を切除するための人工膝関節置換手術用器具であって、
    脛骨に沿って延びるように設けられ、一方側が該脛骨の遠位端側に固定されるとともに他方側が前記膝関節側に配置される基体部と、
    前記基体部における前記膝関節側に取り付けられ、切除具が前記脛骨の近位端における外顆側の部分又は内顆側の部分を切除可能なように前記切除具を案内する案内部が形成された切除ガイド部と、
    前記切除具によって切除される前記脛骨の切除面の範囲を調整可能なように、前記切除ガイド部を回転変位させる回転機構と
    を備えていることを特徴とする、人工膝関節置換手術用器具。
  2. 請求項1に記載の人工膝関節置換手術用器具において、
    前記回転機構は、前記膝関節の内旋方向及び外旋方向に沿って回転可能な内外旋方向回転機構を有することを特徴とする、人工膝関節置換手術用器具。
  3. 請求項2に記載の人工膝関節置換手術用器具において、
    前記内外旋方向回転機構は、前記基体部における前記膝関節側の端部から前記脛骨が延びる方向に沿って延びる軸心部と、前記切除ガイド部に形成され前記軸心部に回転自在に嵌る軸心用穴部と、を有することを特徴とする、人工膝関節置換手術用器具。
  4. 請求項3に記載の人工膝関節置換手術用器具において、
    前記基体部は、前記脛骨に沿って延びる垂直ロッド部と、該垂直ロッド部における前記膝関節側に設けられ該膝関節に向かって前記垂直ロッド部に対して斜め方向に延びる延出部を有する切除ガイド保持部と、を有し、
    前記軸心部は、前記延出部の先端部として設けられていることを特徴とする、人工膝関節置換手術用器具。
  5. 請求項4に記載の人工膝関節置換手術用器具において、
    前記基体部は、前記垂直ロッド部における前記膝関節側に設けられ該垂直ロッド部に直交して延びて前記膝関節の左右方向に沿うように配置される水平ロッド部を更に有し、
    前記切除ガイド保持部は、前記水平ロッド部に沿ってスライドするスライド部を有することを特徴とする、人工膝関節置換手術用器具。
  6. 請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の人工膝関節置換手術用器具において、
    前記回転機構は、前記膝関節の内反方向及び外反方向に沿って回転可能な内外反方向回転機構を有することを特徴とする、人工膝関節置換手術用器具。
  7. 請求項6に記載の人工膝関節置換手術用器具において、
    前記切除ガイド部は、前記膝関節の内旋方向及び外旋方向に沿って回転可能なように前記基体部に対して回転するベース部と、前記案内部が形成され前記膝関節の内反方向及び外反方向に沿って回転可能なように前記ベース部に対して回転する切除ガイド本体部と、を有し、
    前記内外反方向回転機構は、前記切除ガイド本体部を有することを特徴とする、人工膝関節置換手術用器具。
  8. 請求項7に記載の人工膝関節置換手術用器具において、
    前記内外反方向回転機構は、前記切除ガイド本体部に回転自在に支持され前記ベース部に当接するカム面が形成されたカム部を有することを特徴とする、人工膝関節置換手術用器具。
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