JP2011002476A - 偏光板用保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この製造方法における前記基材フィルムは、偏光板の製造時には、ポリビニルアルコール系樹脂層(偏光フィルム)を形成するための支持体となる。また、前記基材フィルムは、偏光板の製造後には、偏光板の保護フィルムとして使用できる。
基材フィルムの寸法変化に伴って、これに積層された偏光フィルムも歪むため、前記偏光フィルムの吸収軸がずれる結果、偏光板が光漏れを生じる。かかる偏光板を液晶表示装置に組み込んだ場合、その使用時間に応じて前記偏光板の光漏れが大きくなり、液晶表示装置の表示特性が低下するおそれがある。
他方、基材フィルムとして、セルロース系樹脂フィルム又はポリアリレート系樹脂フィルムなどを用いることもできるが、これらのフィルムは、高倍率で延伸し難いという問題点がある。
また、基材フィルムは、保護フィルムとして使用できることから、延伸後においても透明性に優れていなければならない。
本発明の第2の目的は、透明性及び機械的強度に優れ、高温高湿下に曝されても偏光特性が低下し難い偏光板を提供することである。
本発明の好ましい偏光板用保護フィルムは、前記ポリアリレートとポリエステルの質量比が60:40〜10:90である。
本発明の好ましい偏光板用保護フィルムは、前記式(IV)のAkが、炭素数1〜8の直鎖状のアルキレン基である。
本発明の偏光板は、前記いずれかの偏光板用保護フィルムと、偏光フィルムと、を有する。
本発明の好ましい偏光板は、前記偏光フィルムが、前記偏光板用保護フィルムの一面に設けられた、二色性物質を含む親水性ポリマー層である。
本発明の好ましい偏光板は、前記偏光板用保護フィルムと親水性ポリマー層が積層された状態で延伸されている。
本発明の液晶表示装置は、上記いずれかの偏光板を有する。
本発明の偏光板用保護フィルムと偏光フィルムを有する偏光板は、透明性及び機械的強度に優れ、さらに、高温高湿下に曝されても、単体透過率や偏光度のような偏光特性が低下し難い。本発明の偏光板を、例えば、液晶表示装置に組み込むことにより、光漏れに起因するムラが低減され、長期間に渡って表示性能が変わらない液晶表示装置を提供できる。
本発明の偏光板用保護フィルムは、下記一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有するポリアリレートと、下記一般式(III)で表される繰り返し単位及び一般式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリエステルと、を含んでいる。
前記ポリアリレートとポリエステルを混合し、この混合物を製膜することにより、本発明の偏光板用保護フィルムが得られる。
なお、本明細書において、「置換若しくは無置換」とは、「置換基を有する、又は置換基を有しない」ことを意味する。
前記A、B及びDは、それぞれ独立して、好ましくはハロゲン、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であり、より好ましくはハロゲン、無置換の炭素数1〜4のアルキル基、又は無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であり、さらに好ましくはハロゲン、無置換の炭素数1〜2のアルキル基、又は無置換の炭素数1〜2のアルコキシ基である。式(I)及び式(II)で表される各繰り返し単位を有するポリアリレートは、そのベンゼン環にA、B及び/又はDで表される基を有していても或いはこの基を有していなくても、剛直性及び透明性に優れ、さらに、前記ポリエステルと相溶し得る。
前記a、b及びdが0である式(I)及び(II)の繰り返し単位は、下記一般式(I−a)及び(II−a)で表される。式(II−a)において、R1及びR2は、式(II)と同様である。
フタル酸単位がメタ構造である式(I)の繰り返し単位は、下記一般式(I−b)で表される。式(I−b)において、Aaは、式(I)と同様である。
前記R1及びR2は、それぞれ独立して、好ましくは水素原子又は無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又は無置換の炭素数1〜2のアルキル基であり、さらに好ましくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である。R1及びR2は、それぞれメチル基であることが特に好ましい。
前記Eは、好ましくはハロゲン、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であり、より好ましくはハロゲン、無置換の炭素数1〜4のアルキル基、又は無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であり、さらに好ましくはハロゲン、無置換の炭素数1〜2のアルキル基、又は無置換の炭素数1〜2のアルコキシ基である。式(III)及び式(IV)で表される各繰り返し単位を有するポリエステルは、そのベンゼン環にEで表される基を有していても或いはこの基を有していなくても、柔軟性及び透明性に優れ、さらに、前記ポリアリレートと相溶し得る。
前記eが0である式(III)の繰り返し単位は、下記一般式(III−a)で表される。
上記ポリエステルは、例えば、テレフタル酸誘導体と脂肪族ジオールを重縮合することにより得ることができる。
本発明の偏光板用保護フィルム中の前記ポリアリレートとポリエステルの含有量は、特に限定されず、適宜設定できる。もっとも、前記ポリアリレートが多量に含まれていると、フィルムの延伸性が低下し、一方、前記ポリエステルが多量に含まれていると、高温高湿下における寸法安定性が低下する。このような点を考慮すると、本発明の偏光板用保護フィルム中の前記ポリアリレートとポリエステルの含有比(質量比)は、好ましくは60:40〜10:90であり、より好ましくは60:40〜20:80であり、さらに好ましくは60:40〜40:60である。また、保護フィルムは、ポリアリレートよりもポリエステルを多く含む(質量換算で)ことが好ましい。ポリエステルをポリアリレートよりも多く含む保護フィルムは、熱的安定性と機械的強度のバランスが良好である上、加工性にも優れている。
他の成分としては、前記ポリアリレート及びポリエステル以外のポリマー、各種の添加剤などが挙げられる。
本発明の偏光板用保護フィルムが前記他の成分を含む場合、他の成分の含有量は特に限定されないが、前記フィルム中に1質量%〜10質量%であることが好ましい。
前記ポリアリレートとポリエステルは、相溶化剤などを用いなくても、両者を混合することにより相溶する。例えば、反応押出法によって前記ポリアリレートとポリエステルを混練することにより、両者は相溶する。前記ポリアリレートとポリエステルが相溶することにより、透明性に優れ且つ寸法が変化し難い偏光板用保護フィルムが得られる。前記相溶とは、ポリアリレートとポリエステルとが実質的に相分離を起こすことなく、混ざり合っている状態をいう。
本発明の偏光板用保護フィルムは、その透過率が85%以上、好ましくは88%以上、より好ましくは90%以上であり、そのヘイズ値が1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下である。
ただし、前記透過率は、可視光における全光線透過率であり、JIS K7375(全光線透過率及び全光線反射率の求め方)に準拠して測定できる。また、ヘイズ値は、JIS K7136(透明材料のヘイズの求め方)に準拠して測定できる。
本発明の偏光板用保護フィルムは、延伸後においても透明性及び機械的強度に優れている。前記保護フィルムが延伸前及び延伸後において透明性に優れているのは、前記ポリアリレートと前記ポリエステルが相溶していることに起因すると推定される。前記保護フィルムが延伸前及び延伸後において機械的強度に優れているのは、剛直性のある前記ポリアリレートと柔軟性のある前記ポリエステルを含んでいる上、両者が相溶していることに起因すると推定される。
また、本発明の偏光板用保護フィルムを延伸した後、それを高温高湿下に曝しても寸法変化が小さい。例えば、延伸後の偏光板用保護フィルムを80℃又は60℃且つ湿度90%で500時間放置した条件下において、前記偏光板用保護フィルムの寸法変化率は、好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下である。前記保護フィルムが寸法変化し難いのは、前記ポリアリレートを含んでいることに起因すると推定される。なお、前記寸法変化率は、下記実施例に記載の方法によって求めることができる。
本発明の偏光板用保護フィルムの厚みは、適宜に設定できる。前記偏光板用保護フィルムは、偏光板を形成する際に延伸される。延伸することを考慮すると、偏光板用保護フィルムの厚みは、好ましくは50μm〜200μmであり、より好ましくは100μm〜200μmである。
本発明の偏光板用保護フィルムは、通常、長尺状に形成される。本明細書において、長尺状とは、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは50倍以上である形状をいう。例えば、前記偏光板用保護フィルムは、長さ300m以上に形成される。
本発明の偏光板は、本発明の偏光板用保護フィルムと、偏光フィルムと、を有する。
1つの好ましい実施形態では、図1に示すように、偏光板1は、偏光板用保護フィルム2と、偏光フィルム3と、が積層されている。他の好ましい実施形態では、図2に示すように、偏光板1は、偏光板用保護フィルム2と、偏光フィルム3と、光学フィルム4と、がこの順で積層されている。前記光学フィルム4としては、例えば、位相差フィルム、保護フィルム(この保護フィルムは、本発明の偏光板用保護フィルムを用いてもよいし、或いは、従来公知の保護フィルムを用いてもよい)などが挙げられる。
また、本発明の偏光板は、長尺状に形成される。偏光板が長尺状である場合、その幅方向(TD方向)に前記偏光フィルムの吸収軸を有することが好ましい。
具体的には、本発明の偏光板は、下記工程1〜3及び必要に応じてその他の工程を経て得ることができる。
工程1:本発明の偏光板用保護フィルムの一面に、親水性ポリマーを含む樹脂組成物を塗工し、塗膜を乾燥させる工程。
工程2:前記保護フィルムと乾燥塗膜が積層された積層体を延伸する工程。
工程3:前記保護フィルムと乾燥塗膜が積層された積層体を二色性物質を用いて染色し、偏光板を得る工程。
なお、前記工程2を行った後に工程3を行うことが好ましいが、工程3を行った後に工程2を行ってもよく、或いは、工程2及び工程3を同時に行ってもよい。
工程1は、偏光板用保護フィルムの一面に、親水性ポリマーを含む塗膜を形成し、この塗膜を硬化させる工程である。
前記親水性ポリマーとしては、特に限定されず、一般にはOH基やCOOH基などの親水基を有するポリマーを用いることができ、好ましくはビニルアルコール系樹脂を用いることができる。前記ビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化したPVA、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及びこれらの部分ケン化物などが挙げられる。PVAは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。前記ケン化度は、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%であり、より好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。前記ケン化度は、JIS K6726−1994に準じて求めることができる。ケン化度が前記範囲のビニルアルコール系樹脂を用いることにより、耐久性に優れた偏光フィルムが得られ得る。
前記ビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、適宜設定される。前記平均重合度は、好ましくは1200〜4500であり、より好ましくは2500〜4300である。前記平均重合度は、JIS K6726−1994に準じて求めることができる。
前記親水性ポリマーを含む樹脂組成物は、各種の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、好ましくは可塑剤や界面活性剤などが挙げられる。可塑剤としては、例えば、エチレングリコールなどの多価アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。前記可塑剤や界面活性剤は、塗膜の延伸性や染色性を向上させる機能を有する。
前記樹脂組成物の塗工方法は、特に限定されない。前記塗工方法としては、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーオート法などが挙げられる。
前記塗膜を乾燥させることにより、偏光板用保護フィルムと乾燥塗膜が積層された積層体が得られる。乾燥は、自然乾燥、加熱乾燥、又はこれらの併用でもよい。乾燥塗膜の厚みは、好ましくは1μm〜50μmである。
本発明によれば、前記樹脂組成物を塗工することのみによって、接着剤層を介在させずに、偏光板用保護フィルムと乾燥塗膜(親水性ポリマー層)を直接に密着積層できる。このため、寸法変化率の小さい偏光板が得られ得る。
工程1で得られた偏光板用保護フィルムと乾燥塗膜の積層体を、延伸する。前記保護フィルムと乾燥塗膜が積層された状態で延伸する(積層体を延伸する)ことにより、寸法変化率の小さい偏光板が得られ得る。
前記延伸方法は、特に限定されない。前記延伸方法としては、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横同時二軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法などが挙げられる。1つの実施形態においては、長尺状の積層体の幅方向(TD方向)に1軸延伸することが好ましい。このように幅方向に延伸することにより、偏光板用保護フィルムの幅方向に偏光フィルムの吸収軸を発現させることができる。
延伸手段としては、ロール延伸機、テンター延伸機、二軸延伸機などが挙げられる。延伸倍率は、好ましくは3倍〜7倍であり、より好ましくは4倍〜7倍である。延伸倍率が前記範囲よりも低いと、偏光特性が不十分な偏光フィルムが得られるおそれがある。延伸場率が前記範囲よりも高いと、乾燥塗膜(親水性ポリマー層)にクラックが生じるおそれがある。上述のように、本発明の偏光板用保護フィルムは、破断することなく5倍以上に延伸できるので、前記積層体を7倍程度にまで延伸することも可能である。
延伸温度は、積層体が熱劣化しない温度に設定される。例えば、延伸温度は、偏光板用保護フィルム(ポリアリレートとポリエステルの混合物)のガラス転移温度〜ガラス転移温度+50℃が好ましい。
本発明の偏光板用保護フィルムのガラス転移温度は、ポリアリレート及びポリエステルの含有比などによって異なるが、100℃〜170℃の範囲であり、好ましくは120℃〜160℃である。ただし、前記ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠したDSC法により求めることができる。
なお、延伸処理の前後には、予熱、熱処理、冷却などの各工程を適宜設けてもよい。
工程2で得られた延伸後の積層体を、二色性物質を用いて染色する。二色性物質としては、ヨウ素、二色性染料などが挙げられる。
例えば、二色性物質を水に溶解させた染色溶液中に、前記積層体を浸漬する。前記二色性色素がヨウ素である場合、前記染色溶液としては、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液が用いられる。この水溶液中におけるヨウ素の含有量は、例えば、水100質量部に対して0.01〜2質量である。また、前記水溶液中におけるヨウ化カリウムの含有量は、例えば、水100質量部に対して0.5〜10質量部である。前記水溶液の温度は、20〜40℃が好ましく、浸漬時間は、5秒〜240秒が好ましい。前記温度範囲及び浸漬時間により、乾燥塗膜中に二色性物質を良好に含浸又は吸着させることができる。二色性物質によって染色された乾燥塗膜は、偏光特性を生じる。すなわち、染色後の乾燥塗膜が、偏光フィルムである。
前記乾燥塗膜を染色する前に、乾燥塗膜を膨潤させる工程を行ってもよい。例えば、前記積層体を20〜50℃程度の水中に浸漬することにより、乾燥塗膜を膨潤させることができる。前記膨潤工程は、乾燥塗膜の表面の汚れを除去し且つ乾燥塗膜を水で膨潤させ、二色性物質の導入ムラを防止するために行われる。
また、前記乾燥塗膜を染色した後、架橋工程、洗浄工程、及び乾燥工程を順に行ってもよい。架橋工程は、染色後の乾燥塗膜に、ホウ酸などの架橋剤を含浸させる工程である。洗浄工程は、積層体に付着している不要残存物を洗い流す工程である。乾燥工程は、洗浄後の積層体を乾燥する工程である。
これら膨潤工程、架橋工程、洗浄工程及び乾燥工程は、従来公知の条件で行うことができるので、その詳細説明は省略する。
前記偏光板用保護フィルムと偏光フィルムの厚みは、延伸によって当初よりも薄くなる。延伸後の保護フィルムの厚みは、好ましくは20μm〜80μmであり、より好ましくは20μm〜60μmである。前記偏光板中の偏光フィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは1μm〜10μmであり、より好ましくは1μm〜6μmである。
得られた偏光板は、図1に示すような形態である。実用に際して、この偏光板の偏光フィルムの表面に、位相差フィルムのような他の光学フィルムを貼り合わせることが好ましい。上記製造方法において長尺状の偏光板用保護フィルムを用いた場合、長尺状の偏光板が得られる。長尺状の偏光板に前記他の光学フィルムを貼り合わせるときには、いわゆるロール・トゥ・ロールによる貼り合わせ加工を行うことができる。
前記偏光板の単体透過率(23℃、波長550nm)は、35%〜46%であり、好ましくは39%〜46%である。
前記偏光板の偏光度は、95%以上であり、好ましくは98%以上である。
従来の保護フィルムは、高温高湿下に曝されると寸法が大きく変化するので、この保護フィルムに積層された偏光フィルムが歪み、その結果、偏光フィルムの吸収軸がずれて、光漏れが生じる。本発明の偏光板用保護フィルムは、寸法変化率が小さいので、これに積層された偏光フィルムの歪みを防止できる。従って、本発明の偏光板は、高温高湿下に曝されても偏光特性が低下し難く、長期間に渡って光漏れを防止できる。
本発明の偏光板は、図1に示す態様で使用でき、或いは、図2に示すように、偏光フィルム3の表面に他の光学フィルム4を積層した態様で使用できる。
好ましい本発明の偏光板1は、図2に示すように、偏光板用保護フィルム2と、偏光フィルム3と、光学フィルム4と、を有する。より好ましくは、前記光学フィルム4が位相差フィルムである。
本発明の偏光板が長尺状である場合、実用的には、これを適宜な形状に打ち抜いて使用される。
本発明の偏光板は、好ましくは、液晶表示装置内に組み込まれる。前記偏光板を有する液晶表示装置の好ましい用途は、テレビ、携帯電話、カメラなどである。
下記式(V)で表される繰り返し単位を有するポリアリレートを20質量部、下記式(VI)で表される繰り返し単位を有するポリエステルを80質量部配合し、ベント付き二軸押出し機を用いて、280℃で混練し、ペレットを形成した。ただし、式(V)のp=75、q=150である。式(VI)のr=279、s=186である。
式(V)で表される繰り返し単位を有するポリアリレートは、ビスフェノールAとイソフタル酸を、モル比1:2で、界面重合反応させることにより得ることができる。
式(VI)で表される繰り返し単位を有するポリエステルは、テレフタル酸とエチレングリコールを、モル比3:2で、脱水縮合させることにより得ることができる。
前記ペレットを、公知のTダイ法(押出温度280℃)により製膜することにより、厚み150μmのフィルムを作製した。
式(V)で表される繰り返し単位を有するポリアリレートを45質量部及び式(VI)で表される繰り返し単位を有するポリエステルを55質量部に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。
実施例2についても、実施例1と同様にして確認したところ、両ポリマーが相溶していた。
式(V)で表される繰り返し単位を有するポリアリレートを55質量部及び式(VI)で表される繰り返し単位を有するポリエステルを45質量部に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。
実施例3についても、実施例1と同様にして確認したところ、両ポリマーが相溶していた。
式(V)で表される繰り返し単位を有するポリアリレートのみを、公知のTダイ法(押出温度260℃)により製膜することにより、厚み150μmのフィルムを作製した。
式(VI)で表される繰り返し単位を有するポリエステルのみを、公知のTダイ法(押出温度260℃)により製膜することにより、厚み150μmのフィルムを作製した。
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム(株)製、製品名「TD80ULフィルム」。厚み80μm)を使用した。
ポリエチレンテレフタレート(イーストマンケミカル社製、製品名「Eastman PET9921」)を、公知のTダイ法(押出温度270℃)により製膜することにより、厚み150μmのフィルムを作製した。
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、製品名「アクリペットV」)を、公知のTダイ法(押出温度250℃)により製膜することにより、厚み150μmのフィルムを作製した。
環状オレフィン樹脂フィルム(JSR(株)製、製品名「アートンフィルム」。厚み150μm)を使用した。
ナイロン6(ユニチカ(株)製、製品名「A1030BRT」)を、公知のTダイ法(押出温度270℃)により製膜することにより、厚み150μmのフィルムを作製した。
ナイロン12(宇部興産(株)製、製品名「UBESTA3030XA」)を、公知のTダイ法(押出温度270℃)により製膜することにより、厚み150μmのフィルムを作製した。
各実施例及び比較例のフィルムを、それぞれ縦横12cm×12cmに裁断し、バッチ式延伸機(bruckner製)を用いて、TD方向に5倍延伸した。なお、実施例1〜3、比較例3及び5のフィルムの延伸温度はそれぞれ150℃、比較例1及び6の延伸温度はそれぞれ160℃、比較例2及び4の延伸温度はそれぞれ100℃、比較例7及び8の延伸温度はそれぞれ120℃とした。
そして、延伸性が良好なフィルムについては、下記機械的強度を測定し、延伸性が良好でないフィルム(5倍に延伸できなかったフィルム)については、下記機械的強度を含む次以降の試験及び測定を行わなかった。
前記延伸後のフィルム(厚み約30μm)について、JIS P8115に準拠したMIT形耐折度試験機((株)安田精機製作所製)を用いて、それぞれMD方向及びTD方向における折り曲げ試験を行った。MD方向における折り曲げ試験(表1のMD方向の機械的強度)は、延伸後のフィルムの中央部において、TD方向と平行な方向に折れ線が生じるように、前記フィルムを往復500回折り曲げた。TD方向における折り曲げ試験(法1のTD方向の機械的強度)は、延伸後のフィルムの中央部において、MD方向と平行な方向に折れ線が生じるように、前記フィルムを往復500回折り曲げた。
その結果を表1に示す。なお、表1の機械的強度において、「良好」は、フィルムを往復500回折り曲げてもフィルムが破断しなかったことを表す。表1の機械的強度において、「〜回」という表示は、試験途中でフィルムが破断した場合であって、その破断時の折り曲げ回数を表す。
そして、MD方向及びTD方向の機械的強度が良好なフィルムについては、下記透過率及びヘイズ値を測定し、機械的強度が良好でないフィルム(MD方向及びTD方向の少なくとも何れかが往復500回未満で破断したフィルム)については、下記透過率を含む次以降の試験及び測定を行わなかった。
JIS K7375に準拠した透過率測定装置((株)日立ハイテクノロジー製、製品名「日立分光光度計 U−4100」)を用いて、延伸後のフィルムの全光線透過率を測定した。その結果を表1に示す。
JIS K7136に準拠したヘイズ測定装置((株)村上色彩技術研究所製、製品名「ヘイズメーター HM−150」)を用いて、延伸後のフィルムのヘイズ値を測定した。その結果を表1に示す。
延伸後のフィルムを、縦横10cm×10cmに裁断して4つの試験片を形成し、それぞれ下記の4つの条件下に曝した後、下記式1及び2から試験片のMD方向及びTD方向における寸法変化率を求めた。
条件1:試験片を80℃のオーブン内に500時間放置。
条件2:試験片を100℃のオーブン内に500時間放置。
条件3:試験片を60℃、湿度90%の恒温恒湿装置内に500時間放置。
条件4:試験片を85℃、湿度85%の恒温恒湿装置内に500時間放置。
式1:試験片のMD方向の寸法変化率(%)={(放置前の試験片のMD方向の長さ−500時間放置後の試験片のMD方向の長さ)/放置前の試験片のMD方向の長さ}×100。
式2:試験片のTD方向の寸法変化率(%)={(放置前の試験片のTD方向の長さ−500時間放置後の試験片のTD方向の長さ)/放置前の試験片のTD方向の長さ}×100。
その結果を表1に示す。なお、表1の寸法変化率については、上記各条件におけるMD方向及びTD方向における寸法変化率のうち、最も悪い値(最も大きい寸法変化率)を代表的に記載した。
実施例1〜3のフィルムは、5倍以上に延伸でき、延伸後においても機械的強度及び透明性に優れていた。さらに、実施例1〜3のフィルムは、高温高湿下において、寸法が殆ど変化しなかった。
一方、比較例2及び4のフィルムは、高温高湿下において寸法が大きく変化した。
Claims (8)
- 一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有するポリアリレートと、一般式(III)で表される繰り返し単位及び一般式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリエステルと、を含む偏光板用保護フィルム。
- 前記ポリアリレートとポリエステルが相溶している請求項1に記載の偏光板用保護フィルム。
- 前記ポリアリレートとポリエステルの質量比が60:40〜10:90である請求項1又は2に記載の偏光板用保護フィルム。
- 前記式(IV)のAkが、炭素数1〜8の直鎖状のアルキレン基である請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板用保護フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムと、偏光フィルムと、を有する偏光板。
- 前記偏光フィルムが、前記偏光板用保護フィルムの一面に設けられた、二色性物質を含む親水性ポリマー層である請求項5に記載の偏光板。
- 前記偏光板用保護フィルムと親水性ポリマー層が積層された状態で延伸されている請求項6に記載の偏光板。
- 請求項5〜7のいずれかに記載の偏光板を有する液晶表示装置。
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