JP2007206138A - 耐久性が向上した偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を改善した偏光板の提供
【解決手段】
親水性樹脂層を2層以上積層してなる偏光板であって、積層している親水性樹脂層のすべてに架橋剤を含有し、少なくとも1層以上に二色性色素を含有することを特徴とする偏光板は、過酷な環境試験下、例えば湿熱環境、温度65℃、相対湿度93%RHにおいて透過率変化及び偏光度の低下が少ない偏光板となる。液晶ディスプレイ用偏光板における高透過率、高コントラスト、かつ湿熱耐久性の高い偏光板が得られる。

Description

本発明は、耐久性を向上させた偏光板に関する。
偏光素膜は一般に、二色性色素であるヨウ素又は二色性染料をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吸着配向させ製造されている。この偏光素膜の少なくとも片面に接着剤層を介してトリアセチルセルロースなどからなる保護フィルムを貼合して偏光板とされ、液晶表示装置などに用いられる。二色性色素としてヨウ素を用いた偏光板はヨウ素系偏光板と呼ばれ、一方、二色性色素として二色性染料を用いた偏光板は染料系偏光板と呼ばれる。これらのうち、ヨウ素系偏光板は、染料系偏光板に比べ、高透過率で高偏光度、すなわち高コントラストを示すことから、一般的な液晶モニター、液晶テレビ、携帯電話、PDAなどに広く用いられている。しかしながら、ヨウ素系偏光板は光学特性の面では染料系偏光板に勝っているものの、光学耐久性の面では染料系偏光板に大きく劣っており、例えば、ヨウ素系偏光板を高温多湿のような環境試験下に放置すると、大きく脱色し、偏光度が低下するなどの問題が生じていた。また、染料系偏光板であっても、湿熱試験において光学特性が全く変化しない訳ではなく、また、耐光性においても更なる高耐久性が望まれている。
特開平8−5836 特開2001−272534 特開2001−12578 特開平9−269413 機能性色素の応用第1刷発行版, (株)CMC出版, 入江正浩監修, P98-100,
透過率及び偏光度が高く、高コントラストで、かつ、環境試験、例えば耐湿熱性にも優れる偏光板が求められている。この要望に対する発明として、特許文献1、特許文献2に記載されているようにヨウ素系偏光板の保護フィルムによる改善方法や、また、特許文献3、特許文献4のようにトリアセチルセルロースの保護フィルムを接着する接着剤を改質する方法によって乾熱耐久性、湿熱耐久性を向上させることが記載されている。このように、保護フィルム又は接着剤によって偏光板の耐久性を向上させている技術がある。しかしながら、まだ充分ではなく、湿熱耐久性が向上した安価な偏光板を簡易的に得る方法が切望されている。
前記課題を解決すべく鋭意検討の結果、親水性樹脂層を2層以上積層してなる偏光板であって、積層している親水性樹脂層のすべてに架橋剤を含有し、少なくとも1層以上に二色性色素を含有することを特徴とする偏光板は、過酷な環境耐久性、例えば湿熱耐久性が大きく向上する偏光板が得られることを新規に見出した。
すなわち、本発明は、
(1)1μm以上の親水性樹脂層を2層以上積層してなる偏光板であって、積層している該親水性樹脂層のすべてに架橋剤を含有し、少なくとも1層以上に二色性色素を含有することを特徴とする偏光板、
(2)架橋剤がホウ素化合物である親水性樹脂層を1層以上設けられていることを特徴とする(1)に記載の偏光板、
(3)環境試験に暴露する側の親水性樹脂層よりも、環境試験に暴露しない側の親水性樹脂層の方が二色性色素の含有量が高いことを特徴とする(1)又は(2)に記載の偏光板、
(4)環境試験に暴露する側の親水性樹脂層の方が、環境試験に暴露しない側の親水性樹脂層よりも架橋剤の含有量が高いことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の偏光板、
(5)環境試験で暴露する側に二色性色素を含まず架橋剤のみを含む親水性樹脂層が少なくとも1層以上設けられており、該樹脂層の内側に二色性色素および架橋剤が含有している親水性樹脂層が少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の偏光板、
(6)親水性樹脂層の少なくとも2層以上がフィルムであることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の偏光板、
(7)架橋剤がホウ酸であることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の偏光板、
(8)架橋剤を含有している樹脂層の少なくとも1層以上の親水性樹脂層がポリビニルアルコール系樹脂層であることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の偏光板、
(9)二色性色素がヨウ素であることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の偏光板、
(10)架橋剤を含有している親水性樹脂層を積層してなる積層樹脂層の少なくとも片面、もしくは両面に保護層が設けられており、該保護層がトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の偏光板、
(11)(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の偏光板を設けたことを特徴とする液晶表示装置、
に関する。
得られた偏光板は、ヨウ素系偏光板であっても、過酷な環境試験下、例えば温度65℃、相対湿度93%において、透過率変化及び偏光度の低下が少ない偏光板である。ディスプレイ用偏光板用として、高透過率、高コントラスト、かつ耐久性の高い偏光板が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、1μm親水性樹脂層を2層以上積層してなる偏光板であって、積層している親水性樹脂層のすべてに架橋剤を含有し、少なくとも1層以上に二色性色素を含有させ偏光素膜を形成させる。親水性樹脂層を形成する親水性樹脂は特に限定しないが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、アミロース系樹脂、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸塩系樹脂などが挙げられる。二色性色素を含有させる場合、染色性、および、架橋性などからポリビニルアルコール系樹脂が最も好ましい。
以下、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを例にして、具体的な偏光素膜の作製方法を説明する。
偏光素膜を構成するポリビニルアルコール系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で作製することができる。製造方法として、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得ることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニル及びこれと共重合可能な他の単量体の共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルに共重合する他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類又は不飽和スルホン酸類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%が好ましく、95モル%以上がより好ましい。このポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性したポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用できる。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000が好ましく、1,500〜5,000がより好ましい。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。この場合、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムには可塑剤としてグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール又は低分子量ポリエチレングリコールなどが含有していても良い。可塑剤量は5〜20重量%(以下、wt%と省略する)が好ましく、8〜15wt%がより好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は特に限定されないが、例えば、5〜150μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムには、まず膨潤処理が施される。膨潤処理は20〜50℃の溶液に30秒〜10分間浸漬させることによって行われる。溶液は水が好ましい。偏光素膜を作製する時間を短縮する場合には、色素の染色処理時にも膨潤するので膨潤処理を省略しても良い。
膨潤処理の後に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは色素が含有した溶液で処理される。処理方法は、該溶液に浸漬することが好ましいが、溶液をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに塗布または塗工によって処理をしても良い。ここでの色素とは、ヨウ素、ヨウ化物又は二色性染料を指す。ヨウ化物とは、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化コバルト又はヨウ化亜鉛などが用いることが出来るが、ここで示したヨウ化物に限定されるものではない。ヨウ素濃度は0.0001〜0.5wt%が好ましく、0.001〜0.4wt%がより好ましい。ヨウ化物濃度は0.0001〜8wt%で用いるのが好ましい。二色性染料とは、例えば非特許文献1に示されるようなアゾ系化合物を使用することができるが、これに限定されるものでなく、アントラキノン系化合物なども使用できるし、他の公知の二色性を有する染料も用いることができる。この工程での処理温度は、5〜50℃が好ましく、5〜40℃がより好ましく、10〜30℃で処理するのが特に好ましい。処理時間は適度に調節できるが、30秒〜6分で調節するのが好ましく、1〜5分がより好ましい。
染色処理をするにあたり、溶液に架橋剤及び/又は耐水化剤を添加しても良い。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどの多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型、ブロック型などの多価イソシアネート系化合物、チタニウムオキシサルフェイトなどのチタニウム系化合物などを用いることができるが、他にもエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリアミドエピクロルヒドリンなどを用いることができる。耐水化剤としては、過酸化コハク酸、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、ベンゾインエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、塩化アンモニウム又は塩化マグネシウムなどが挙げられる。以上に示された少なくとも1種以上の架橋剤及び/又は耐水化剤を用いて処理を行う。架橋処理剤としてはホウ酸が好ましく、例えば、ホウ酸を添加する濃度は0.1〜5.0wt%が好ましく、2.0〜4.0wt%がより好ましい。
染色処理後、次の工程に入る前に洗浄を行っても良い。洗浄を行う溶媒は、一般的には水が用いられる。処理方法は、該溶液に浸漬することが好ましいが、溶液をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに塗布によって処理をしても良い。洗浄を行うことによって、次に処理する液中にヨウ素、ヨウ化物又は二色性を有する染料が移行するのを抑制することができる。
染色処理した後、架橋剤及び/又は耐水化剤処理を行う。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂又はホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物、グリオキザール又はグルタルアルデヒドなどの多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型又はブロック型などの多価イソシアネート系化合物、チタニウムオキシサルフェイトなどのチタニウム系化合物などを用いることができるが、他にもエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリアミドエピクロルヒドリンなどを用いることができる。耐水化剤としては、過酸化コハク酸、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、ベンゾインエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル又は塩化マグネシウムなどが挙げられる。以上に示された少なくとも1種以上の架橋剤及び/又は耐水化剤を用いて処理を行う。好ましくはホウ酸が良い。その際の溶媒としては、水が好ましいが限定されるものではない。処理濃度は、ホウ酸を例にして示すと溶媒に対して濃度0.1〜6.0wt%で処理するのが好ましく、2.0〜4.0wt%がより好ましい。この工程での処理温度は、5〜70℃が好ましく、5〜50℃がより好ましい。処理方法は、該溶液に浸漬することが好ましいが、溶液をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに塗布または塗工によって処理をしても良い。処理時間は30秒〜6分が好ましく、1〜5分がより好ましい。ただし、時間を短縮したい場合、架橋処理、又は耐水化処理が不必要な場合には、この処理工程を省略しても良い。
ホウ酸処理を行った後に、1軸延伸処理を施す。延伸方法は湿式延伸法又は乾式延伸法のどちらでも良い。
乾式延伸法の場合には、延伸過熱媒体が空気媒体の場合には、空気媒体の温度は常温〜180℃で延伸するのが好ましい。また、湿度は20〜95%RHの雰囲気中で処理するのが好ましい。加熱方法としては、例えば、ロール間ゾーン延伸法、ロール加熱延伸法、圧延伸法、赤外線加熱延伸法などが挙げられるが、その延伸方法は限定されるものではない。延伸処理は1段で行っても良く、2段以上の多段処理を行っても良い。
湿式延伸法の場合には、水、水溶性有機溶剤、又はその混合水溶液中で延伸する。架橋剤及び/又は耐水化剤を含有した溶液中で浸漬しながら延伸処理を行うことが好ましい。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂又はホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物、グリオキザール又はグルタルアルデヒドなどの多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型又はブロック型などの多価イソシアネート系化合物、チタニウムオキシサルフェイトなどのチタニウム系化合物などを用いることができるが、他にもエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリアミドエピクロルヒドリンなどを用いることができる。耐水化剤としては、過酸化コハク酸、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、ベンゾインエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、塩化アンモニウム又は塩化マグネシウムなどが挙げられる。以上に示された少なくとも1種以上の架橋剤及び/又は耐水化剤を用いて処理を行う。架橋剤はホウ酸が好ましい。架橋剤及び/又は耐水化剤の濃度は、例えば、0.5〜15wt%が好ましく、2.0〜8.0wt%がより好ましい。延伸倍率は2〜8倍が好ましく、5〜7倍がより好ましい。延伸温度は40〜60℃で処理することが好ましく、45〜58℃がより好ましい。延伸時間は30秒〜20分を適用できるが、2〜5分がより好ましい。延伸処理は1段で処理することも良いが、2段以上の多段処理を行っても良い。
延伸を行った後には、フィルム表面に架橋剤及び/又は耐水化剤の析出、又は異物が付着することがあるため、洗浄を行っても良い。洗浄時間は1秒〜5分が好ましい。処理方法は洗浄溶液に浸漬することが好ましいが、溶液をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに塗布または塗工によって洗浄処理をしても良く、1段で処理することも良いし、2段以上の多段処理を行っても良い。
延伸処理後には、ヨウ化物及び/又は塩化物を含有した溶液処理を行う。処理を行うヨウ化物又は塩化物として、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化コバルト、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、塩化カリウム又は塩化ナトリウムなどが適用でき、これら1種以上の物質を用いることによって処理を行う。塩化物又はヨウ化物の濃度は0.5〜15wt%が好ましく、3〜8wt%がより好ましい。また処理温度は、例えば5〜50℃以下が好ましいが、20〜40℃がより好ましい。処理時間は、例えば、1秒〜5分が適用できるが、偏光素膜の面内特性のバラツキを考慮すると、5〜30秒が好ましい。処理方法は溶液に浸漬することが好ましいが、溶液をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに塗布または塗工によって洗浄処理をしても良い。色相の調製を目的としない場合には、ヨウ化物及び/又は塩化物を含有した溶液で処理する工程を省略することができる。
塩化物及び/又はヨウ化物処理を行った後には、フィルムの乾燥を行う。乾燥の際には、自然乾燥が良いが、より乾燥効率を高めるためにはロールによる圧縮やエアーナイフ、又は吸水ロール等によって表面の水分除去を行っても良く、及び/又は送風乾燥を行うことも良い。処理温度としては、20〜90℃で処理することが好ましく、40〜70℃で処理することがより好ましい。処理時間は30秒〜20分を適用できるが、2〜10分が好ましい。
ここまでの処理工程においての処理溶液の溶媒として、例えば、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール又はトリメチロールプロパン等のアルコール類、エチレンジアミン又はジエチレントリアミン等のアミン類などの溶媒が挙げられるが限定されるものではない。又は1種以上のこれら溶媒の混合物が用いられる。最も好ましくは水が良い。
以上の方法で、親水性樹脂層の一つである偏光素膜を得ることが出来る。偏光素膜を形成する樹脂がポリビニルアルコール系樹脂フィルムでなくても、アミロース系樹脂、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸塩系樹脂などでも二色性色素を含有させ、延伸、シェア配向などで親水性樹脂を配向させることによって、同様な偏光素膜を作製することができる。
本発明では、偏光素膜と同様な形態、もしくは異なる形態の親水性樹脂層を設けることによって耐久性を向上させることが特徴である。親水性樹脂層の少なくとも1層以上の膜厚は1μm以上が良く、好ましくは4μm以上、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは10μm以上であることが好ましい。
親水性樹脂層の形状は、フィルムにより形成されていることが最も好ましいが、フィルムでなくとも塗工、キャスト、吹きつけ、リップ方式などで層を形成させても良い。
架橋剤を含有した親水性樹脂層を形成するに際し、その膜厚を厚くすると耐久性がより向上する。膜厚としては、環境試験に暴露する側の親水性樹脂層が、環境試験に暴露しない側の親水性樹脂層より膜厚を厚くすることによって耐久性は向上する。具体的には、例えば保護層(A)/接着層/親水性樹脂層(A)/接着層/親水性樹脂層(B)/接着層/保護層(B)/粘着層という偏光板の構成において、粘着層をガラスなどの基盤に貼り合わせた場合、保護層(A)が環境試験に暴露する側(面)になる。 こういった構成の場合、親水性樹脂層(A)が親水性樹脂層(B)より膜厚が厚いほど、環境試験の熱、または湿度による影響が少ないため偏光特性の劣化も少ない。
偏光素膜と同様、もしくは異なる親水性樹脂層に含有させる架橋剤とは、親水性樹脂層を架橋させるものであれば特に限定されない。親水性樹脂層を架橋させる物質とは、例えば、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどの多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型、ブロック型などの多価イソシアネート系化合物、チタニウムオキシサルフェイトなどのチタニウム系化合物などを用いることができるが、他にもエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリアミドエピクロルヒドリン、過酸化コハク酸、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、ベンゾインエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル又は塩化マグネシウムなどが挙げられる。架橋処理剤としては、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物が好ましく、特にホウ酸がより好ましい。以上に示された少なくとも1種以上の架橋剤を親水性樹脂層に含有させ、架橋剤を含有させた樹脂層を偏光素膜と積層させることが特徴である。積層させる親水性樹脂層ごとに含有している架橋剤は同じ物質でも良いし、異なる物質であってもよい。
架橋剤を含有した親水性樹脂層を形成するに際し、その親水性樹脂層の架橋剤濃度は、偏光素膜以上の架橋剤濃度を含有していることが良い。架橋剤を含有した親水性樹脂層の架橋剤濃度を具体的に示すと、偏光素膜の架橋剤濃度以上であって、35%以内であることが良い。より好ましくは、親水性樹脂層の架橋剤濃度が偏光素膜より2%以上含有していることが良く、さらに好ましくは偏光素膜より架橋剤濃度を5%以上多く含有していることが良い。
親水性樹脂層に、架橋剤を含有させる方法としては限定されず公知の方法で含有させることができる。架橋剤を含有させる方法としては、例えば、架橋剤を含有した溶液に親水性樹脂層またはフィルムを浸漬させる方法、架橋剤を含有した溶液を直接塗布あるいは、キャスト、吹き付けなどにより層に吸着させる方法、または接着剤に架橋剤を含有させて接着剤塗布とともに処理する方法がある。
そういった偏光素膜と同種、または異種の架橋剤を含有した親水性樹脂層は、1層以上に二色性色素、例えば、二色性を有する染料もしくはヨウ素を含有していても良い。積層させる親水性樹脂層ごとに含有している二色性色素は同一であっても、異なる二色性色素を含有しても良い。親水性樹脂層は、延伸を適用し配向していても良いし、未延伸樹脂層を積層させても構わない。好ましくは延伸し、配向させることで、より耐水性も高まるため良い。
架橋剤を含有した親水性樹脂層を積層するに際し、その積層方法で耐久性がより向上する。積層方法としては、環境試験に暴露する側の親水性樹脂層よりも、環境試験に暴露しない側の親水性樹脂層の方が、二色性色素の含有量を多くすることによって耐久性は向上する。具体的には、例えば保護層(A)/接着層/親水性樹脂層(A)/接着層/親水性樹脂層(B)/接着層/保護層(B)/粘着層という偏光板の構成において、粘着層をガラスなどの基盤に貼り合わせた場合、保護層(A)が環境試験に暴露する側(面)になる。 こういった構成の場合、親水性樹脂層(A)よりも親水性樹脂層(B)の方に二色性色素が多いほど、二色性色素の脱色が少なく、環境試験の影響が少ないため偏光特性の劣化も少ない。親水性樹脂層を2層以上積層させた場合にも、環境試験に暴露しない側に二色性色素を多く含有させることが好ましい。一方で、両面が環境試験に暴露する場合、もしくはより耐久性を向上させるには、保護層(A)/接着層/親水性樹脂層(A)/接着層/親水性樹脂層(B)/接着層/親水性樹脂層(C)/接着層/保護層(B)という構成においては、親水性樹脂層(A)および(C)よりも親水性樹脂層(B)の方に二色性色素が多いことが良い。記具体例において、保護層を用いている例を挙げたが、保護層は必ずしも用いなくても良く、好ましくは少なくとも1層以上、より好ましくは親水性樹脂層の両面に保護層を設けることが好ましい。
また、より耐久性を向上させる方法としては、環境試験に暴露する側の親水性樹脂層よりも、環境試験に暴露する側の親水性樹脂層の方に、架橋剤の含有量が同等もしくはそれ以上を有することによって耐久性は向上する。具体的には、例えば、保護層(A)/接着層/親水性樹脂層(A)/接着層/親水性樹脂層(B)/接着層/保護層(B)/粘着層という偏光板の構成において、粘着層をガラスに貼り合わせた場合、保護層(A)が環境試験に暴露する側(面)になる。 こういった構成の場合、親水性樹脂層(A)に親水性樹脂層(B)より架橋剤が多いほど、耐水性が向上し偏光特性の劣化も少ないだけでなく、寸法変化が少ないため乾熱耐久性も向上する。親水性樹脂層を2層以上積層させた場合には、環境試験に暴露する側に架橋剤を同等もしくは多く含有させることが好ましい。一方で、両面が環境試験に暴露する場合、もしくはより耐久性を向上させるには、保護層(A)/接着層/親水性樹脂層(A)/接着層/親水性樹脂層(B)/接着層/親水性樹脂層(C)/接着層/保護層(B)という構成においては、親水性樹脂層(A)および(C)において親水性樹脂層(B)と同等もしくはそれ以上の架橋剤が含有していることが好ましい。上記具体例において、保護層を用いている例を挙げたが、保護層は必ずしも用いなくても良いが、好ましくは少なくとも1層以上、より好ましくは親水性樹脂層の両面に保護層を設けることが好ましい。
また、さらに耐久性を向上させる方法としては、環境試験に暴露する側の親水性樹脂層に二色性色素を含有せず架橋剤のみ含有し、環境試験に暴露する側の親水性樹脂層の方に架橋剤の含有量を多く含有することによって耐久性は向上する。具体的には、例えば保護層(A)/接着層/親水性樹脂層(A)/接着層/親水性樹脂層(B)/接着層/保護層(B)/粘着層という偏光板の構成において、粘着層をガラスに貼り合わせた場合、保護層(A)が環境試験に暴露する側(面)になる。 こういった構成の場合、親水性樹脂層(A)に親水性樹脂層(B)により架橋剤を多く含有させ、二色性色素を含まず、かつ、親水性樹脂層(B)により架橋剤および二色性色素を含ませた方が、さらに耐水性が向上し、色素の脱色が少なく、配向乱れも少ないため偏光特性の劣化も少ないだけでなく、寸法変化が少ないため乾熱耐久性も向上する。親水性樹脂層を2層以上積層させた場合には、環境試験に最も暴露しない側の親水性樹脂層に二色性色素を含有させることが好ましい。一方で、両面が環境試験に暴露する場合、もしくはより耐久性を向上させるには、保護層(A)/接着層/親水性樹脂層(A)/接着層/親水性樹脂層(B)/接着層/親水性樹脂層(C)/接着層/保護層(B)という構成においては、親水性樹脂層(A)および(C)において二色性色素を含まず、親水性樹脂層(B)のみ二色性色素を含み、親水性樹脂層(A)および(C)に親水性樹脂層(B)と同等もしくはそれ以上の架橋剤が含有していることが好ましい。記具体例において、保護層を用いている例を挙げたが、保護層は必ずしも用いなくても良く、好ましくは少なくとも1層以上、より好ましくは親水性樹脂層の両面に保護層を設けることが好ましい。
以上の処方で、偏光素膜と架橋剤を含有した親水性樹脂層を積層させたフィルムを作製することが出来る。
架橋剤がホウ酸であった場合のホウ酸含有量の測定は、まず、水100gに偏光素膜0.038gを溶解し、60分間煮沸させ、煮沸の後、常温に冷却させ、D(−)-マンニトールを7g加え、pH=8.4になるまで0.003N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、その滴下した量よりホウ酸濃度を求めることでホウ酸含有量とした。
ホウ酸含有量は下記式(1)によって求める。

ホウ酸含有量(%)=(滴定量[ml]―B)xFx0.0030915x100 /0.038
(1)

この時のBは水100gを0.003N水酸化ナトリウム水溶液で滴下した時、pH=8.4になる滴下量[ml]を示す。Fは水酸化ナトリウム水溶液のファクターを示す。
得られた偏光素膜と架橋剤を含有した親水性樹脂層を積層させたフィルム、その少なくとも片面、又は両面に透明保護層を設けることによって偏光板とする。透明保護層はポリマーによる塗布層として、又はフィルムのラミネート層として設けることができる。透明保護層を形成する透明ポリマー又はフィルムとしては、機械的強度が高く、熱安定性が良好な透明ポリマー又はフィルムが好ましい。さらに、水分遮断性が優れるものがより好ましい。透明保護層として用いる物質として、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)やジアセチルセルロースのようなセルロースアセテート樹脂又はそのフィルム、アクリル樹脂又はそのフィルム、ポリ塩化ビニル樹脂又はそのフィルム、ポリエステル樹脂又はそのフィルム、ポリアリレート樹脂又はそのフィルム、ノルボルネンのような環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂又はそのフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン骨格を有するポリオレフィン又はその共重合体、主鎖又は側鎖がイミド及び/又はアミドの樹脂又はポリマー又はそのフィルムなどが挙げられる。ポリビニルアルコールは液晶用配向膜として機能するためラビング処理を行ったり、又は光配向膜で処理し、液晶性を有する樹脂又はそのフィルムを設けても良い。保護フィルムの厚みは、例えば、0.5〜200μm程度である。その中の同種又は異種の樹脂又はフィルムを片面、もしくは両面に一層以上設けることによって偏光板を作製する。
得られた偏光板の一方の表面、具体的には、表示装置に貼り合わせ後に非露出面となる保護層またはフィルムの表面に粘着剤等の接着層を設けることもできる。接着層を設けることによって、各種機能性層とは、位相差を制御する層又はフィルムとの貼りあわせができ、液晶、有機エレクトロルミネッセンスなどの表示装置に偏光板を貼り合わせることができる。
この偏光板は、もう一方の表面、すなわち、保護層又はフィルムの露出面に、反射防止層や防眩層、ハードコート層、視野角改善及び/又はコントラスト改善のための液晶塗工層など、公知の各種機能性層を有していてもよい。この各種機能性を有する層を作製するには塗工方法が好ましいが、その機能を有するフィルムを接着剤又は粘着剤を介して貼合せても良い。また、各種機能性層とは、位相差を制御する層又はフィルムであっても良い。
得られた偏光素膜と架橋剤を含有した親水性樹脂層を積層させたフィルムに透明保護層を設けるにあたり、その保護層がフィルムである場合および偏光素膜と架橋剤を含有した親水性樹脂層を積層させたフィルムはフィルムラミネートを行う必要がある。その際には、接着剤が必要となる。接着剤として、ポリビニルアルコール系接着剤が用いられる。ポリビニルアルコール系接着剤として、例えば、ゴーセノールNH-26(日本合成社製)、エクセバールRS-2117(クラレ社製)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。接着剤には、架橋剤及び/又は耐水化剤を添加しても良い。また、接着剤に硫酸、酢酸、塩酸、ギ酸、硫酸アルミニウム又は塩化アルミニウムなどの酸性を有する物質を0.0001〜20wt%の濃度で含有するのが好ましく、0.02〜5wt%を含有するのがより好ましい。ポリビニルアルコール系接着剤には、無水マレイン酸-イソブチレン共重合体のみ/かつ架橋剤を混合させた接着剤を用いることができる。無水マレイン酸-イソブチレン共重合体として、例えば、イソバン#18(クラレ社製)、イソバン#04(クラレ社製)、アンモニア変性イソバン#104(クラレ社製)、アンモニア変性イソバン#110(クラレ社製)、イミド化イソバン#304(クラレ社製)、イミド化イソバン#310(クラレ社製)などが挙げられる。その際の架橋剤には水溶性多価エポキシ化合物を用いることができる。水溶性多価エポキシ化合物とは、例えば、デナコールEX-521(ナガセケムテック社製)、テトラット-C(三井ガス化学社製)などが挙げられる。他の接着剤として、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系のものが多用されており公知の接着剤を用いることができるが、接着剤は限定されるものではない。また、接着剤の添加物として、亜鉛化合物、塩化物、ヨウ化物等を同時に0.1〜10wt%程度の濃度で含有させることもできる。添加物についても限定されるものではない。透明保護層を接着剤で貼り合せた後、適した温度で乾燥もしくは熱処理することによって偏光板を得る。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例に示す透過率、偏光度の評価は以下のようにして行った。
偏光素膜の両面に保護膜を貼合して得た2枚の偏光板を、その吸収軸方向が同一となるように重ねた場合の透過率を平行位透過率Tp 、2枚の偏光板をその吸収軸が直交するように重ねた場合の透過率を直交位透過率Tc とした。
透過率Tは、400〜700nmの波長領域で、所定波長間隔dλ(ここでは10nm)おきに分光透過率τλを求め、下記式(2)により算出した。式中、Pλは標準光(C光源)の分光分布を表し、yλは2度視野等色関数を表す。
Figure 2007206138
分光透過率τλは、分光光度計〔日立社製“U-4100”〕を用いて測定した。
偏光度Py は、平行位透過率Tp 及び直交位透過率Tc から、下記式(3)により求めた。
Py={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100 式(3)
実施例1(偏光素膜の作製)
ケン化度が99%以上で平均重合度が2400、膜厚40μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製 商品名:VF-XS4000)を40℃の温水に2分浸漬し膨潤処理をした。膨潤処理したフィルムを、ホウ酸(Societa Chimica Larderello s.p.a.社製)28.6g/l, ヨウ素(純正化学社製)0.25g/l, ヨウ化カリウム(純正化学社製)17.7g/l, ヨウ化アンモニウム(純正化学社製)1.0g/lを含有した水溶液に30℃で2分間浸漬してヨウ素、ヨウ化物処理を行った。染色して得られたフィルムを、5.0倍に延伸しながらホウ酸30.0g/lを含有した50℃の水溶液中で5分間処理を行った。そのホウ酸処理して得られたフィルムの緊張状態を保ちつつ、ヨウ化カリウム(和光純薬工業社製)50g/lに調整した水溶液で30℃で15秒間処理を行った。処理して得られたフィルムを70℃で9分間乾燥処理を行った。得られた偏光素膜のホウ酸含有量は15.6%、膜厚は14.5μmであった。
(架橋剤を含有する親水性樹脂層となるフィルムの作製)
ケン化度が99%以上で平均重合度が2400、膜厚40μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製 商品名:VF-XS4000)を40℃の温水に2分間浸漬し膨潤処理をした。膨潤処理したフィルムを、ホウ酸(Societa Chimica Larderello s.p.a.社製)80g/lを含有した水溶液に55℃で5分浸漬して架橋剤処理を行った。そのホウ酸処理して得られたフィルムを70℃で9分間乾燥処理を行い、架橋剤を含有する親水性樹脂層の一つとなるフィルムの作製を行った。得られたフィルムのホウ酸濃度は29.45%、膜厚は35.4μmであった。
偏光素膜と、架橋剤を含有する親水性樹脂層の一つとなるフィルムと、アルカリ処理したトリアセチルセルロースフィルム(以下TACと省略)(富士写真フィルム社製 商品名:TD-80U)をポリビニルアルコール系接着剤を用いて、TAC/ 接着層/架橋剤を含有する親水性樹脂層/ 接着層/ 偏光素膜/ 接着層/ TACという構成で積層させラミネートして偏光板を得た。
得られた偏光板を40mmx40mmにカットし、粘着剤PTR-3000(日本化薬社製)を介して1mmの透明ガラス板にTAC/ 接着層/架橋剤を含有する親水性樹脂層/ 接着層/ 偏光素膜/ 接着層/ TAC/ 粘着層/ 透明ガラス板という構成で貼り合わせて測定試料とした。
作製したサンプルは環境試験として、湿熱試験を行い耐久性の確認した。湿熱試験は、温度65℃、相対湿度93%の雰囲気中で480時間、さらに温度85℃、相対湿度85%の雰囲気中で96時間処理を行い、環境試験を適用する前と後での透過率及び偏光度を測定した。
実施例2
実施例1において、架橋剤を含有する親水性樹脂層を作製するにあたり、PVAを処理するホウ酸5g/lを含有した水溶液に40℃で5分処理し、架橋剤を含有する親水性樹脂層となるPVAフィルムのホウ酸含有量を20.12%、膜厚36.1μmとした以外は同様にサンプル作製を行い、湿熱試験を適用し、環境試験を提供する前と後での透過率および偏光度を測定した。
比較例1
実施例1において、偏光素膜のみにTACで両面をラミネートした以外は同様に、サンプルの作製を行い、湿熱試験を適用し、環境試験を適用する前と後での透過率および偏光度を測定した。
比較例2
実施例1において、膜厚75μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製 商品名:VF-XS7500)を用いて偏光素膜を作製し、偏光素膜のみにTACで両面をラミネートした以外は同様に、サンプルの作製を行い、湿熱試験を適用し、環境試験を適用する前と後での透過率および偏光度を測定した。用いた偏光素膜のホウ酸濃度は18.66%、膜厚は31.1μmであった。
比較例3
実施例1において、架橋剤を含有する親水性樹脂層となるフィルムの作製において、親水性樹脂層であるポリビニルアルコールフィルムを水のみで膨潤させ(架橋剤であるホウ酸を含有処理させないで)、乾燥処理を行い、ホウ酸濃度は0%、膜厚は38.1μmの親水性樹脂層を形成させること以外は同様にサンプルの作製を行い、湿熱試験を適用し、環境試験を適用する前と前後での透過率および偏光度を測定した。
実施例1、比較例1から3における透過率、偏光度変化の測定結果を表1に示す。
表1
Figure 2007206138
以上の実施例、比較例及び表1から明らかなように、本発明における1μm以上の親水性樹脂層を2層以上積層してなる偏光板であって、積層している親水性樹脂層のすべてに架橋剤を含有し、少なくとも1層以上に二色性色素を含有することを特徴とする偏光板は、過酷な環境試験条件、例えば湿熱環境下である温度65℃、相対湿度93%RHにおいて脱色が少なく、透過率変化及び偏光度の低下が少ない偏光板となる。液晶ディスプレイ用偏光素膜における高透過率、高コントラスト、かつ湿熱耐久性の高い偏光板が得られている。

Claims (11)

  1. 1μm以上の親水性樹脂層を2層以上積層してなる偏光板であって、積層している該親水性樹脂層のすべてに架橋剤を含有し、少なくとも1層以上に二色性色素を含有することを特徴とする偏光板。
  2. 架橋剤がホウ素化合物である親水性樹脂層を1層以上設けられていることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  3. 環境試験に暴露する側の親水性樹脂層よりも、環境試験に暴露しない側の親水性樹脂層の方が二色性色素の含有量が高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 環境試験に暴露する側の親水性樹脂層の方が、環境試験に暴露しない側の親水性樹脂層よりも架橋剤の含有量が高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の偏光板。
  5. 環境試験で暴露する側に二色性色素を含まず架橋剤のみを含む親水性樹脂層が少なくとも1層以上設けられており、該樹脂層の内側に二色性色素および架橋剤が含有している親水性樹脂層が少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の偏光板。
  6. 親水性樹脂層の少なくとも2層以上がフィルムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の偏光板。
  7. 架橋剤がホウ酸であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の偏光板。
  8. 架橋剤を含有している樹脂層の少なくとも1層以上の親水性樹脂層がポリビニルアルコール系樹脂層であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の偏光板。
  9. 二色性色素がヨウ素であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の偏光板。
  10. 架橋剤を含有している親水性樹脂層を積層してなる積層樹脂層の少なくとも片面、もしくは両面に保護層が設けられており、該保護層がトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の偏光板。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の偏光板を設けたことを特徴とする液晶表示装置。
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