JP2011043685A - 偏光板およびその製法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂シートを延伸する工程、および、延伸された樹脂シートを二色性色素で染色する工程を有することを特徴とする偏光板の製法である。延伸工程は一軸延伸であり、染色工程は二色性色素の分散液に樹脂を漬ける方法により、回転式高圧染色機を用いて行う。二色性色素はアゾ系色素であることを特徴とする。種々の樹脂、例えばポリエステル(例示すれば、ポリエチレンテレフタレート(PET))またはポリオレフィン(例示すれば、ノルボルネン樹脂)を使用して製造する。従来は、水溶性のポリビニルアルコール(PVA)を使用しているために、偏光フィルムは、高湿度の条件では使用できなかったが、高湿度の環境下でも偏光板の使用が可能となる。
【選択図】なし
Description
従来、偏光板は、透明性、ヨウ素等の親和性や延伸時における高い配向性に優れるポリビニルアルコールのフィルムを延伸することによって製造されている。ヨウ素を吸着させたポリビニルアルコールのフィルムを一軸延伸する事により、ヨウ素が延伸方向に配向し、偏光性能を持った偏光素子層が得られる。
また、特開2002−48918号公報は、二色性色素を含有するポリビニルアルコールの層を用いて偏光板を製造することを開示している。
(1)樹脂シートを延伸する工程、および
(2)延伸された樹脂シートを二色性色素で染色する工程
を有することを特徴とする偏光板の製法を提供する。
本発明によれば、耐湿潤性および耐熱性に優れた偏光板や偏光フィルムを作製できる。従来は、水溶性のポリビニルアルコール(PVA)を使用しているために、偏光フィルムは、高湿度の条件では使用できなかったが、高湿度の環境下でも偏光板の使用が可能となる。
ポリエステルなどの樹脂は、容易に塑性変形するので、偏光板の加工が容易である。
樹脂シートの樹脂としては、例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;塩化ビニルなどのポリハロゲン化ビニル、塩化ビニリデンなどのポリハロゲン化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;カーボネート系ポリマー;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマー、ナイロンなどのアミド系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系もしくはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体などのオレフィン系ポリマー;などを挙げることができる。これらポリマーは、必要に応じて架橋されたものであってもよい。
無色透明な樹脂シートとは、厚さ100マイクロメートルのシートの可視光(波長450nm〜650nm)に於ける光線透過率が、70%以上のものをいう。
シートについて、延伸工程(1)を、染色工程(2)の前のみ、染色工程(2)の後のみ、または染色工程(2)の前と後に行うことによって、偏光板を製造する。
延伸工程(1)を、染色工程(2)の前と後に行うことが好ましい。したがって、(1)シートを延伸する工程、(2)シートを染色する工程、および(1’)染色シートを延伸する工程を行うことによって、偏光板または偏光フィルムが得ることが好ましい。
延伸倍率は、一般に、2〜20倍、例えば3〜10倍である。染色工程(2)の前と後に延伸工程(1)を行う場合に、延伸の合計が、2〜20倍であることが好ましく、染色工程(2)の前の延伸倍率が2〜6倍、特に3〜5倍であり、染色工程(2)の後の延伸倍率が例えば1.3〜5倍、特に1.4〜3倍であることが好ましい。染色工程(2)の前と後の延伸は、同一方向の一軸延伸であることが好ましい。
工程(1)により得られた延伸シートは、高い耐熱性を有するので、染色工程(2)の前に延伸を行うことが好ましい。
色素と媒体の混合物は、一般に、色素の分散液である。色素の分散液において、色素の分散を促進するように、分散剤が存在することが好ましい。分散剤は、一般に、界面活性剤、例えば、ノニオン性またはイオン性(カチオン性またはアニオン性)の界面活性剤である。
ベンゾチアゾール系色素(1):
ベンゾチアゾール系色素(2):
上記スキーム中、R、R1、R2およびR3のそれぞれは、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であってよい。
使用したフィルムは、アクリサンデー(株)製の厚み500μm、比重1.27の非晶性PETフィルムを使用した。
染色前の延伸において、フィルムは、65℃水中で4倍または3倍延伸した。延伸したフィルムをデシケーター中で24時間乾燥した。
次いで、フィルムを高温高圧染色機(辻井染機工業(株) 製HCC-BS-1)を用いて、120℃において2時間で染色した。染色液は、色素を10%o.w.f.の濃度で水中に分散し、分散剤として、CIBA社製Irgasol NA を1%濃度になるように染色液に加えたものを用いた。
染色後、再度65℃水中で1.6倍延伸した。次いで、フィルムをデシケーター中で24時間乾燥した。
染色後、染色フィルムと同じ処理をして、二色性色素の入っていないフィルムをリファレンスとして、可視部最大吸収波長とその吸光度を測定した。その後、65℃で水中で延伸し、デシケーター中で24時間乾燥した。
偏光子を振動方向が垂直になるようサンプル側に挿入し、ベースライン測定した。
ついで、サンプル延伸フィルムを検出器側に600nmの波長で入射偏光の振動方向と
延伸軸が垂直になるように挿入し、800nm 〜400nmを測定し、次に入射偏光の振動方向と延伸軸が垂直になるように挿入し、それぞれの吸光度を測定し、二色性比を算出した。
次にもう1枚のサンプルフィルムをサンプル側に振動方向と延伸軸が平行になるように挿入し、800nm 〜400nmを測定し、次に2枚目のサンプルフィルムを振動方向と延伸軸が平行になるように挿入し、透過率を同様に測定した。下記の式により、偏光度を算出した。
A=-log(T)
A:吸光度
T:透過率
T=10^(-A)
p(%):偏光度
p=[(Ty-Tz)/(Ty+Tz)]×100
Ty:入射偏光の振動方向と延伸軸が平行な時の透過率
Tz:入射偏光の振動方向と延伸軸が垂直な時の透過率
樹脂シートを用いて、延伸、染色および測定を行った。
以下のような色素を使用した。
条件および結果を表1および表2に示す。
Claims (8)
- (1)樹脂シートを延伸する工程、および
(2)延伸された樹脂シートを二色性色素で染色する工程
を有することを特徴とする偏光板の製法。 - 延伸が一軸延伸である請求項1に記載の製法。
- 延伸工程(1)を、染色工程(1)の前のみ、染色工程(2)の後のみ、または染色工程(2)の前後に行う請求項1または2に記載の製法。
- 染色工程(2)を、二色性色素の分散液に樹脂を漬けることによって行う請求項1〜3のいずれかに記載の製法。
- 染色工程(2)を回転式高圧染色機を用いて行う請求項1〜4のいずれかに記載の製法。
- 樹脂は、ポリエステルまたはポリオレフィンである請求項1〜5のいずれかに記載の製法。
- 二色性色素はアゾ系色素である請求項1〜6のいずれかに記載の製法。
- 請求項1〜7のいずれかの製法によって製造された偏光板。
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2009
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