JP2011001907A - 油圧式ラッシュアジャスタ給油構造 - Google Patents

油圧式ラッシュアジャスタ給油構造 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構造によって油圧式ラッシュアジャスタに対して作動油を確実に供給することができると共に、内燃機関の停止時における作動油のリークを抑制すること。
【解決手段】エンジンは、所定角度だけ傾斜して車載され、吸気側及び排気側のラッシュアジャスタ44に対してオイルを供給するオイル供給通路58a、58bが、前記エンジンの傾斜により前記ラッシュアジャスタ44の高圧室60よりも鉛直上下方向に沿って上方に位置するように前記ラッシュアジャスタ44の軸線に対して偏位した部位に形成される。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構に組み込まれるラッシュアジャスタに対して作動油を供給する油圧式ラッシュアジャスタ給油構造に関する。
例えば、車両用エンジンの吸気ポート及び排気ポートにそれぞれ設けられたバルブを作動させる動弁機構として、回転カムとロッカーアームとの隙間を常時ゼロにするラッシュアジャスタが知られている。
この種のラッシュアジャスタに関し、例えば、特許文献1には、エンジンの運転停止状態からエンジンの始動時に油圧式ラッシュアジャスタに対して作動油を確実に供給することができるように、前記油圧式ラッシュアジャスタの上流側で且つ上方にオイル溜めを設けた構造が開示されている。
実公昭62−2246号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示された構造では、油圧式ラッシュアジャスタへ作動油を供給する給油路中にオイル溜めを設ける必要があり、前記オイル溜めの配置や給油路が複雑化する。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、簡素な構造によって油圧式ラッシュアジャスタに対して作動油を確実に供給することができると共に、内燃機関の停止時における作動油のリークを抑制することが可能な油圧式ラッシュアジャスタ給油構造を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、吸気バルブ及び排気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブをそれぞれ開閉駆動するロッカーアームと、前記ロッカーアームを支え吸気側及び排気側にそれぞれ設けられる油圧式ラッシュアジャスタと、前記油圧式ラッシュアジャスタの取付孔及び前記油圧式ラッシュアジャスタへ作動油を供給する給油路が形成される保持部材とを有する内燃機関における油圧式ラッシュアジャスタ給油構造であって、前記内燃機関は、吸気側又は排気側のいずれか一方側に所定角度傾斜して車載され、前記吸気側及び前記排気側にそれぞれ設けられる前記給油路は、前記傾斜により前記油圧式ラッシュアジャスタの油圧室よりも上方に位置するように前記油圧式ラッシュアジャスタの軸線に対して偏位した部位に形成されることを特徴とする。
本発明によれば、吸気側及び排気側にそれぞれ設けられる給油路は、吸気側及び排気側の油圧式ラッシュアジャスタの油圧室(高圧室)よりも鉛直上下方向において上方に位置するように設けられているため、油圧式ラッシュアジャスタからの作動油のリークを抑制し油圧式ラッシュアジャスタ内に多量の作動油を保持することができる。
従って、本発明では、簡素な構造によって油圧式ラッシュアジャスタに対して作動油を確実に供給することができると共に、内燃機関の運転停止時における油圧式ラッシュアジャスタからの作動油のリークを抑制することにより、内燃機関の運転停止時から内燃機関の運転始動時(運転再始動時を含む)における油圧式ラッシュアジャスタの作動性を向上させることができる。この結果、本発明では、内燃機関の運転始動時における作動油内へのエアの流入を阻止して、エア噛み込みによる異音の発生や吸気及び排気バルブのリフトロスによる内燃機関の性能低下を未然に防止することができる。
また、本発明は、前記吸気側の給油路及び前記排気側の給油路が、前記油圧式ラッシュアジャスタの軸線に対して同一方向の一方側に偏位して設けられることを特徴とする。
本発明によれば、吸気側及び排気側の油圧式ラッシュアジャスタと、前記油圧式ラッシュアジャスタに作動油を供給する給油路とを油圧式ラッシュアジャスタの軸線に対して同一方向に設定することにより、前記油圧式ラックアジャスタと給油路との位置関係を大きく変更することがなく、レイアウトを容易に行うことができる。
さらに、本発明は、前記油圧式ラッシュアジャスタの軸方向に沿った一端部に、前記ロッカーアームと当接する当接部開口が設けられ、前記給油路は、前記内燃機関の車載状態において、前記油圧室よりも上方であって前記当接部開口よりも下方に位置するように設けられることを特徴とする。
仮に、吸気側及び排気側の給油路が油圧式ラッシュアジャスタの当接部開口よりも鉛直上下方向の上方側に設けられている場合には、内燃機関の運転停止状態において、前記当接部開口を通じて作動油の一部がリークするおそれがあるのに対し、本発明では、鉛直上下方向において給油路が油圧室よりも上方であって当接部開口よりも下方に設けられているため、内燃機関の運転停止状態において前記当接部開口から作動油がリークすることを抑制することができる。
本発明によれば、簡素な構造によって油圧式ラッシュアジャスタに対して作動油を確実に供給することができると共に、内燃機関の運転停止時における作動油のリークを抑制することが可能な油圧式ラッシュアジャスタ給油構造を得ることができる。
本発明の実施形態に係る油圧式ラッシュアジャスタ給油構造が適用されたシリンダヘッドの平面図である。 図1のII−II線に沿った一部省略縦断面図である。 図2の部分拡大縦断面図である。 吸気側及び排気側のオイル供給通路の配置関係を示す縦断面図である。 (a)、(b)は、本実施形態において、ラッシュアジャスタ内にオイルが残存する状態を示す部分拡大縦断面図である。 本出願人が案出した第1比較例において、ラッシュアジャスタ内にオイルが残存する状態を示す部分拡大縦断面図である。 (a)、(b)は、本出願人が案出した第2及び第3比較例において、ラッシュアジャスタ内にオイルが残存する状態を示す部分拡大縦断面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る油圧式ラッシュアジャスタ給油構造が適用されたシリンダヘッドの平面図、図2は、図1のII−II線に沿った一部省略縦断面図、図3は、図2の部分拡大縦断面図、図4は、吸気側及び排気側のオイル供給通路の配置関係を示す縦断面図である。
図示しない自動車のエンジンルームには、内燃機関として直列4気筒のエンジン10が横置きに搭載される。このエンジン10は、図2に示されるように、車両前方(FR側)の排気側が低くなり、車両後方(RR側)の吸気側が高くなるように水平線Hに対して所定角度(車載傾斜角度)θだけ傾斜するように図示しない車体に対してマウントされている。なお、前記エンジン10は、吸気側又は排気側のいずれか一方側に所定角度傾斜して車載されればよい。
このエンジン10は、図1及び図2に示されるように、シリンダブロック12、図示しないロアケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック側と、ヘッドカバー14、パッキン16、シリンダヘッド(保持部材)18、ガスケット19等を含むシリンダヘッド側とによって構成される。前記シリンダヘッド18と前記ヘッドカバー14の間には、動弁室20が形成され、前記動弁室20には、動弁機構22が収納される。
前記エンジン10は、シリンダブロック12に形成された4つのシリンダ24内に摺動自在に設けられる4つのピストン26を備え、前記ピストン26によって燃焼室27が形成される。シリンダブロック12の上面に結合されるシリンダヘッド18の下面には、ピストン26の頂面と対向し吸気バルブ28によって開閉される吸気バルブ孔30と、排気バルブ32によって開閉される排気バルブ孔34とがそれぞれ設けられる。前記吸気バルブ孔30は、吸気ポート35と連通するように設けられ、前記排気バルブ孔34は、排気ポート36と連通するように設けられる。また、前記4つのシリンダ24は、シリンダブロック12の略中央部に直列に並んで形成され、この複数のシリンダ24の気筒列方向を、以下、シリンダ列線方向(図1に一点鎖線で示されるシリンダ列線Lの方向参照)という。
吸気バルブ28は、吸気バルブ孔30から離間し又は前記吸気バルブ孔30に着座することにより前記吸気バルブ孔30を開閉するバルブボディ28aと、前記バルブボディ28aから延在するステム28bとを有する。前記吸気バルブ28のステム28bは、シリンダヘッド18の貫通孔内に固定された略円筒状のガイド部材38aによって摺動自在に保持され、一組のばね受け部材40a、40b間に係着された第1バルブスプリング42aのばね力によって、前記バルブボディ28aが吸気バルブ孔30に着座する弁閉方向に付勢されている。
また、動弁室20には、一端部が油圧式のラッシュアジャスタ44に支持されると共に、他端部が前記吸気バルブ28のステム28bに当接する吸気ロッカーアーム46が設けられる。この吸気ロッカーアーム46の中間部にはローラ46aが回転自在に設けられ、前記ローラ46aには吸気カムシャフト48のカム48aが当接するように設けられる。
排気バルブ32は、排気バルブ孔34から離間し又は前記排気バルブ孔34に着座することにより前記排気バルブ孔34を開閉するバルブボディ32aと、前記バルブボディ32aから延在するステム32bとを有する。前記排気バルブ32のステム32bは、シリンダヘッド18の貫通孔内に固定された略円筒状のガイド部材38bによって摺動自在に保持され、一組のばね受け部材40a、40b間に係着された第2バルブスプリング42bのばね力によって、前記バルブボディ32aが排気バルブ孔34に着座する弁閉方向に付勢されている。
また、動弁室20には、一端部が他のラッシュアジャスタ44に支持されると共に、他端部が前記排気バルブ32のステム32bに当接する排気ロッカーアーム50が設けられる。この排気ロッカーアーム50の中間部にはローラ50aが回転自在に設けられ、前記ローラ50aには排気カムシャフト52のカム52aが当接するように設けられる。
このような動弁機構22は、シリンダヘッド18の上面を閉塞するヘッドカバー14によって被覆される。なお、本実施形態では、油圧式のラッシュアジャスタ44の取付孔54が形成される保持部材として、シリンダヘッド18を例示して以下に説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、シリンダヘッド18と別体で形成された図示しないブロック体を保持部材とし、ラッシュアジャスタ44の取付孔54が形成されたブロック体をシリンダヘッド18と一体的に結合するようにしてもよい。
シリンダヘッド18の吸気側及び排気側には、図1に示されるように、シリンダ列線L方向と略平行に所定距離離間する複数(本実施形態では吸気側が8つ、排気側が8つで合計16を例示)の取付孔54が形成され、前記複数の取付孔54に対して吸気側及び排気側のラッシュアジャスタ44がそれぞれ装着される(1シリンダ4バルブ構造)。この複数の取付孔54は、例えば、鋳造成形されたシリンダヘッド18の壁部56をエンドミル等の切削工具を用いて、図2に示されるシリンダ軸線C方向の下側に向かって穿孔加工(切削加工)することにより形成される。
また、シリンダヘッド18の一方の側壁側には、図1に示されるように、吸気側の複数(8つ)のラッシュアジャスタ44に対してオイル(作動油)を供給するための1本の直線状のオイル供給通路(吸気側の給油路)58aが設けられる。前記オイル供給通路58aは、図1に示されるように、平面視してシリンダ列線Lと略平行に設けられ、吸気側に配設された取付孔54の全部にそれぞれ連通するように設けられる。
同様に、シリンダヘッド18の他方の側壁側には、図1に示されるように、排気側の複数(8つ)のラッシュアジャスタ44に対してオイル(作動油)を供給するための1本の直線状のオイル供給通路(排気側の給油路)58bが設けられる。前記オイル供給通路58bは、図1に示されるように、平面視してシリンダ列線Lと略平行に設けられ、排気側に配設された取付孔54の全部にそれぞれ連通するように設けられる。
この場合、図4に示されるように、吸気側のラッシュアジャスタ44に対してオイルを供給する一方のオイル供給通路58a及び排気側のラッシュアジャスタ44に対してオイルを供給する他方のオイル供給通路58bは、吸気側及び排気側のラッシュアジャスタ44の軸線Tに対して同一方向の一方側にそれぞれ偏位して設けられる。
すなわち、吸気側及び排気側のオイル供給通路58a、58bは、それぞれ、ラッシュアジャスタ44の軸線Tを基準として、車両後方側(RR側)の同一方向であって前記軸線Tから斜め上方に偏位した部位に設けられる。この結果、本実施形態では、吸気側及び排気側のラッシュアジャスタ44と、一方及び他方のオイル供給通路58a、58bとを同一方向に設定することにより、前記ラックアジャスタ44とオイル供給通路58a、58bとの位置関係を大きく変更することがなく、レイアウトを容易に行うことができる。なお、本実施形態では、車両後方側(RR側)の同一方向に設けられた一方及び他方のオイル供給通路58a、58bを例示しているが、車両前方側(FR側)の同一方向にそれぞれ設けられるようにしてもよい。
吸気側及び排気側の複数のラッシュアジャスタ44は、それぞれ同一構成からなるため、吸気側のラッシュアジャスタ44の構造を詳細に説明して排気側のラッシュアジャスタ44の説明を省略する。
ラッシュアジャスタ44は、図3に示されるように、取付孔54内に挿入される有底円筒状のボディ62と、前記ボディ62の中間部に配設され前記ボディ62の内壁に沿って摺動自在に設けられたプランジャ64と、下端部が前記プランジャ64に当接すると共に、上端部が吸気ロッカーアーム46に当接するプッシュロッド66とを含む。なお、本実施形態では、プランジャ64とプッシュロッド66とを別体で構成しているが、両者を一体的に構成してもよい。
さらに、ラッシュアジャスタ44は、前記プランジャ64と前記プッシュロッド66とによって形成されるリザーバ68と、前記ボディ62の底壁62aとプランジャ64とによって閉塞される高圧室(油圧室)60と、前記高圧室60に配設され前記プランジャ64に形成された開口部64aを開閉するチェックバルブ70と、前記プランジャ64及びプッシュロッド66を吸気ロッカーアーム46側に向かって押圧するコイルスプリング72とを有する。
この場合、図3に示されるように、前記ボディ62の外周面には、オイル供給通路58aに臨み且つ全周にわたって延在する第1環状溝62bが形成され、前記第1環状溝62b中には、前記ボディ62の内径側と外径側とを連通させる貫通孔からなる連通路74aが設けられる。また、前記プッシュロッド66の外周面には、全周にわたって延在する第2環状溝66aが形成され、前記第2環状溝66a中には、前記プッシュロッド66の内径側と外径側とを連通させる貫通孔からなる連通路74bが設けられる。従って、ラッシュアジャスタ44のボディ62が壁部56の取付孔54内に保持された状態において、図示しないオイルポンプから供給されてオイル供給通路58a内に導入されたオイルは、第1環状溝62b、連通路74a、第2環状溝62b及び連通路74bを介して、ラッシュアジャスタ44のリザーバ68に供給される。
なお、連通路74a及び連通路74bは、第1環状溝62b及び第2環状溝66a中の任意の部位に穿孔されている。従って、前記連通路74a及び連通路74bは、ラッシュアジャスタ44の軸線方向と一致させることがなく周方向の任意の方向(それぞれ異なる方向)に取り付けられた場合であっても、ボディ62に形成された第1環状溝62bとプッシュロッド66に形成された第2環状溝66aを介して、オイル供給通路58aとリザーバ68とが連通するように設けられている。この結果、取付孔54とラッシュアジャスタ44との周方向における位置決めが不要となり、取付孔54に対してラッシュアジャスタ44を簡便に取り付けることができる。
また、ラッシュアジャスタ44の軸方向に沿った一端部であって吸気ロッカーアーム46に支持されるプッシュロッド66の頂部には、吸気ロッカーアーム46との当接部位に対してオイルを供給することにより潤滑する通孔(当接部開口)76が設けられる。さらに、シリンダヘッド18の壁部56には、ラッシュアジャスタ44の取付孔54の底部54aと連通するエア抜き孔82が形成される。
図2及び図3に示されるように、断面円形状に形成された吸気側及び排気側のオイル供給通路58a、58bの鉛直方向下部59は、エンジン10が車載された状態において、ラッシュアジャスタ44の高圧室60よりも鉛直上下方向の上方側で(図3において軸線Tと交差する水平線H1よりも上方側)、吸気及び排気ロッカーアーム46、50との当接部位に臨む通孔76の中心よりも鉛直上下方向の下方側(図3において軸線Tと交差する水平線H2よりも下方側)に位置するように設けられる(図3において水平線H1と水平線H2で規制された矢印Eの範囲内)。吸気側及び排気側のオイル供給通路58a、58bの鉛直方向下部59は、仮に、吸気側及び排気側のオイル供給通路58a、58bの鉛直方向下部59が通孔76よりも鉛直上下方向の上方側に設けられている場合には、エンジン10の運転停止状態において、前記通孔76を通じてオイル供給通路58a、58b内のオイルがリークするおそれがある。この結果、本実施形態では、エンジン10の運転停止状態において通孔76からオイル供給通路58a、58b内のオイルがリークすることを抑制することができる。
さらに、図3に示されるように、吸気側及び排気側の複数のラッシュアジャスタ44に対してオイルをそれぞれ供給するオイル供給通路58a、58bは、エンジン10が所定角度θだけ傾斜して車載されることにより、鉛直上下方向において、ラッシュアジャスタ44の高圧室60よりも所定間隔だけ上方に偏位した部位に設けられる。
本実施形態に係る油圧式ラッシュアジャスタ給油構造が適用されたエンジン10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
エンジン10の作動により吸気カムシャフト48が回転すると、カム48aによってローラ46aを押圧された吸気ロッカーアーム46がラッシュアジャスタ44を支点として揺動し、前記吸気ロッカーアーム46は、第1バルブスプリング42aのばね力に抗して吸気バルブ28のステム28bの一端部をピストン26側に向かって押圧する。この結果、吸気バルブ28のバルブボディ28aは、吸気バルブ孔30から離間して弁開状態に駆動される。
一方、エンジン10の作動により排気カムシャフト52が回転すると、カム52aによってローラ50aを押圧された排気ロッカーアーム50が他のラッシュアジャスタ44を支点として揺動し、前記排気ロッカーアーム50は、第2バルブスプリング42bのばね力に抗して排気バルブ32のステム32bの一端部をピストン26側に向かって押圧する。この結果、排気バルブ32のバルブボディ32bは、排気バルブ孔34から離間して弁開状態に駆動される。
この場合、エンジン10の作動中、吸気側及び排気側のラッシュアジャスタ44、44によって、第1、第2バルブスプリング42a、42b及び吸気バルブ28、排気バルブ32の熱膨張や磨耗に伴うバルブクリアランス(吸気側及び排気側ロッカーアーム46、50の一端部とラッシュアジャスタ44、44のプッシュロッド66の頂部との間隙)が好適に吸収される。
すなわち、吸気カムシャフト48及び排気カムシャフト52のカム48a、52aのリフトが開始される前、コイルスプリング72のばね力によってプランジャ64及びプッシュロッド66が吸気及び排気ロッカーアーム46、50側に向かって押圧されることにより、バルブクリアランスがゼロに保持される。なお、この場合、高圧室60には、オイル供給通路58a、58bから供給されたオイルが充填されている。
前記カム48a、52aのリフトが開始されて吸気及び排気ロッカーアーム46、50が所定角度揺動するとプランジャ64及びプッシュロッド66に対して下向きの力が付与されるが、鋼球からなるチェックバルブ70がプランジャ64の開口部64aを閉塞しているため、前記プランジャ64及びプッシュロッド66は変位しない。但し、ボディ62の内壁とプランジャ64及びプッシュロッド66の外壁との間の微小なクリアランスを通じて高圧室60に充填されているオイルが僅かにリークするため、プランジャ64及びプッシュロッド66は、前記オイルがリークする分だけ僅かにシリンダ軸線方向の下方側に変位する。
このようにしてプランジャ64及びプッシュロッド66が僅かに下降すると、回転する前記カム48a、52aのカムリフトが最終部位に差し掛かったときに吸気及び排気ロッカーアーム46、50からプッシュロッド66に対して荷重が付与されなくなるため、コイルスプリング72のばね力によってプランジャ64及びプッシュロッド66が吸気及び排気ロッカーアーム46、50に追従するように上昇し、吸気及び排気ロッカーアーム46、50の一端部とラッシュアジャスタ44、44のプッシュロッド66の頂部との間隙からなるバルブクリアランスがゼロに保持される。
その際、チェックバルブ70がコイルスプリング72のばね力に抗してプランジャ64の開口部64aから離間することによりチェックバルブ70が弁開状態となり、リザーバ68のオイルが高圧室60内に供給される。また、リザーバ68のオイルは、プッシュロッド66の頂部に設けられた通孔76から流出して、プッシュロッド66と吸気及び排気ロッカーアーム46、50との間の摺動部位を潤滑する。
本実施形態では、エンジン10が所定角度θだけ傾斜して車載され、図3に示されるように、吸気側及び排気側の複数のラッシュアジャスタ44に対してオイルをそれぞれ供給するオイル供給通路58a、58bが、鉛直上下方向において、ラッシュアジャスタ44の高圧室60よりも上方に偏位した部位に設けられることにより、エンジン10の運転停止状態でラッシュアジャスタ44の高圧室60からオイルがリークすることが抑制され、エンジン10の始動時における作動性を向上させることができる。
図5(a)、(b)は、本実施形態において、ラッシュアジャスタ内にオイルが残存する状態を示す部分拡大縦断面図、図6は、本出願人が案出した第1比較例において、ラッシュアジャスタ内にオイルが残存する状態を示す部分拡大縦断面図、図7(a)、(b)は、本出願人が案出した第2及び第3比較例において、ラッシュアジャスタ内にオイルが残存する状態を示す部分拡大縦断面図である。なお、図5〜図7では、車載されたエンジン10の傾斜角度θは、同一角度に設定されているものとする。
エンジン10の運転状態では、図示しないオイルポンプから所定圧力で供給されたオイルがオイル供給通路58a、58b、連通路74a、74bを介して吸気側及び排気側のラッシュアジャスタ44のリザーバ68内に充填され、ラッシュアジャスタ44の内部がオイルによって満たされた状態にある。この点は、本実施形態及び第1〜第3比較例において共通である。
第1比較例では、図6に示されるように、ラッシュアジャスタの高圧室に対して略水平方向に沿った位置又は鉛直上下方向において前記高圧室よりも下方側にオイル供給通路が設けられ、また、プランジャとプッシュロッドが一体的に構成されている点で本実施形態と相違している。従って、第1比較例では、エンジン10の運転を停止した場合、ラッシュアジャスタのリザーバ内のオイルがリークして網掛け部分で示された僅かなオイル残量となる。
すなわち、第1比較例では、エンジンが所定角度傾斜した状態で停止し、オイル供給通路からのオイルの供給(油圧)がなくなるため、ラッシュアジャスタの内部で僅かなオイル残量が保持されるだけである。第1比較例では、オイル供給通路がラッシュアジャスタの高圧室よりも鉛直上下方向において下方側に配置されることにより、リザーバ内のオイルが連通路を通じて流出し、ラッシュアジャスタ内に保持されるオイル量が減少する。なお、ラッシュアジャスタからリークしたオイル及びオイル供給通路内のオイルは、図示しないオイルパンに落下して貯留される。
また、図7(a)、(b)に示される第2及び第3比較例では、プランジャとプッシュロッドとをそれぞれ別体で構成している点は本実施形態と同一であるが、プランジャとプッシュロッドとの当接部位にオイル戻し用溝部が形成されている点で本実施形態及び第1比較例と相違している。このオイル戻し用溝部は、ラッシュアジャスタの径方向に沿って延在し、ボディとプランジャとの間のクリアランスを通じてリークした高圧室内のオイルが、前記オイル戻し用溝部を通じてリザーバ内に戻されるようになっている。第2及び第3比較例では、このオイル戻し用溝部を通じてリークされるため、リザーバ内に保持されるオイル量が第1比較例よりもより一層減少する。なお、第2比較例と第3比較例では、周方向における連通路の向き(取付位置)が異なっているだけである。
これに対して、本実施形態では、図5(a)、(b)に示されるように、吸気側及び排気側のオイル供給通路58a、58bが、吸気側及び排気側のラッシュアジャスタ44の高圧室60よりも鉛直上下方向において上方に位置するように設けられているため、前記比較例のオイル残量と比較して多量のオイル(図5(a)、(b)の網掛け部分参照)をラッシュアジャスタ44内に保持することができる。
本実施形態では、オイル供給通路58a、58bが鉛直上下方向において高圧室60よりも上方に位置するように設定されることにより、連通路74a、74bから流出するオイル量が抑制されてラッシュアジャスタ44内に保持されるオイル量を増大させることができる。なお、車載されるエンジン10の傾斜角度θが大きくなる程、エンジン停止時におけるオイルリーク量が多くなり、本実施形態と第1〜第3比較例とにおけるオイル残量(ラッシュアジャスタ44内に保持されるオイル量)の差が顕著となる。
従って、本実施形態では、簡素な構造によってラッシュアジャスタ44に対してオイルを確実に供給することができると共に、エンジン10の停止時におけるオイルのリークを抑制することにより、エンジン10の運転停止時からエンジン10の始動時(再始動を含む)における作動性を向上させることができる。
この結果、本実施形態では、エンジン始動時におけるオイル内へのエアの流入を阻止して、エア噛み込みによる異音の発生や吸気及び排気バルブ28、32のリフトロス(オイル内に流入したエアの圧縮性に起因する)によるエンジン10の性能低下を未然に防止することができる。
10 エンジン(内燃機関)
18 シリンダヘッド(保持部材)
28 吸気バルブ
32 排気バルブ
44 ラッシュアジャスタ(油圧式ラッシュアジャスタ)
46、50 ロッカーアーム
54 取付孔
58a オイル供給通路(吸気側の給油路)
58b オイル供給通路(排気側の給油路)
60 高圧室(油圧室)
76 通孔(当接部開口)
T 軸線

Claims (3)

  1. 吸気バルブ及び排気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブをそれぞれ開閉駆動するロッカーアームと、前記ロッカーアームを支え吸気側及び排気側にそれぞれ設けられる油圧式ラッシュアジャスタと、前記油圧式ラッシュアジャスタの取付孔及び前記油圧式ラッシュアジャスタへ作動油を供給する給油路が形成される保持部材とを有する内燃機関における油圧式ラッシュアジャスタ給油構造であって、
    前記内燃機関は、吸気側又は排気側のいずれか一方側に所定角度傾斜して車載され、
    前記吸気側及び前記排気側にそれぞれ設けられる前記給油路は、前記傾斜により前記油圧式ラッシュアジャスタの油圧室よりも上方に位置するように前記油圧式ラッシュアジャスタの軸線に対して偏位した部位に形成されることを特徴とする油圧式ラッシュアジャスタ給油構造。
  2. 前記吸気側の給油路及び前記排気側の給油路は、前記油圧式ラッシュアジャスタの軸線に対して同一方向の一方側に偏位して設けられることを特徴とする請求項1記載の油圧式ラッシュアジャスタ給油構造。
  3. 前記油圧式ラッシュアジャスタの軸方向に沿った一端部には、前記ロッカーアームと当接する当接部開口が設けられ、前記給油路は、前記内燃機関の車載状態において、前記油圧室よりも上方であって前記当接部開口よりも下方に位置するように設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の油圧式ラッシュアジャスタ給油構造。
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