JP6064894B2 - 弁停止機構の油圧供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの一部の気筒を休止させる減筒運転が可能な多気筒エンジンにおける弁停止機構の油圧供給装置に関する。
上記のようなエンジンでは、減筒運転への移行時に、休止すべき気筒の吸・排気弁の動作を停止させる等の制御が実行される。このため、エンジンには、吸・排気弁を停止させるための機構(弁停止機構)が備えられている。
例えば下記特許文献1には、エンジンの全気筒を休止させるための弁停止機構が開示されている。この弁停止機構は、ロッカーシャフトにカムリフト用ロッカーアームと弁駆動用ロッカーアームとが隣接して支持され、油圧により、これらロッカーアームを連結状態と非連結状態とに切り換えるようになっている。すなわち、両ロッカーアームの連結状態では、リフトカム(カムシャフト)の回転に伴い両ロッカーアームがロッカーシャフト回りに一体に揺動し、この際の弁駆動用ロッカーアームの揺動に伴い吸・排気弁が作動する。一方、両ロッカーアームの非連結状態では、リフトカム(カムシャフト)の回転に伴いカムリフト用ロッカーアームのみが揺動し、これにより吸・排気弁の動作が休止される。
なお、この特許文献1に開示される弁停止機構では、ロッカーシャフト内部に、気筒休止用の第1油路と気筒休止解除用の第2油路とが設けられており、各油路を通じて供給される油圧によって上記両ロッカーアームの連結状態の切り換えが行われる。
特許第3607261号公報
上記の弁停止機構では、全筒運転時には、第1油路への作動油の供給が停止された状態で第2油路に作動油が供給され、これにより両ロッカーアームが連結状態に保たれ、気筒休止運転時には、第2油路への作動油の供給が停止された状態で第1油路に作動油が供給されることで、両ロッカーアームの連結状態が解除される。このような構成においては、全筒運転状態が長期的に継続した場合に、第1油路への作動油の供給が停止されることで当該第1油路内の作動油が減少し、気筒休止運転への移行時に応答遅れが生じることが考えられる。
そのため、弁停止機構を備えたエンジンにおいては、このような応答遅れを抑制する工夫が必要となる。特に、近年の車両では、走行状態に応じて、エンジンの全気筒のうち一部の気筒を休止させる減筒運転を行うものが多く見られるが、このような減筒運転を行うエンジンについても上記のような応答遅れを抑制する工夫が必要となる。しかし、上記特許文献1には、この点の開示は見られない。
本発明は、上記のような事情に鑑みて成されたものであり、エンジンの一部の気筒を休止させる減筒運転が可能なエンジンにおいて、全筒運転から減筒運転への移行応答性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、複数の気筒を有するエンジンにおける弁停止機構の油圧供給装置であって、前記エンジンにおける気筒配列方向の一端側を前、他端側を後と定義したときに、前記エンジンのシリンダヘッドに組み込まれ、当該エンジンの前端に位置する前端気筒の吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を油圧作動により停止させる第1弁停止機構、および前記シリンダヘッドの後端に位置する後端気筒の吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を油圧作動により停止させる第2弁停止機構と、前記複数の気筒に亘って気筒配列方向に延びるようにシリンダヘッドに形成され、かつエンジン駆動中に常に作動油が供給される特定油圧供給路と、前記第1弁停止機構に作動油を供給するための油路であってシリンダヘッドの前端部から後端部に向かって前記特定油圧供給に沿って延びる第1弁停止用油路、および前記第2弁停止機構に作動油を供給するための油路であって前記シリンダヘッドの後端部から前端部に向かって前記特定油圧供給路に沿って延びる第2弁停止用油路と、前記シリンダヘッドの前端部に配置され、前記第1弁停止用油路への作動油の供給を制御する第1制御弁、および前記シリンダヘッドの後端部に配置され、前記第2弁停止用油路への作動油の供給を制御する第2制御弁と、前記第1弁停止用油路と前記特定油圧供給路とを連絡するとともにその途中に絞りを備えた第1連絡油路、および前記第2弁停止用油と前記特定油圧供給路とを連絡するとともにその途中に絞りを備えた第2連絡油路と、含むものである。
この油圧供給装置によれば、第1、2制御弁の制御により第1、2弁停止用油路に各々作動油が供給されると、その作動油の油圧により第1、第2弁停止機構が油圧作動される。第1、第2弁停止機構の作動停止中は、第1油圧供給路から第1、2連絡油路の絞りを通じて第1、2弁停止用油路に作動油が侵入する。このように作動油が第1、2弁停止用油路に侵入することで、第1、第2弁停止機構の停止状態が保たれながら常に第1、2弁停止用油路が作動油で満たされる。従って、第1、2制御弁の開操作時には、常に、第1、第2弁停止機構に対して必要な油圧を速やかに与えて、当該第1、第2弁停止機構を応答性良く作動させることが可能となる。
特に、シリンダヘッドの前後反対側からそれぞれ気筒配列方向に延びるように第1、第2弁停止用油路が形成された上で、シリンダヘッドの前後両側に分かれて第1、第2制御弁が配置されているので、各制御弁から各弁停止機構までの油路長が比較的短くなる。そのため、第1、2連絡油路を通じて侵入する作動油で比較的容易に第1、2弁停止用油路を満たすことができ、また、各制御弁の制御に応じてより速やかに各弁停止機構を作動させることが可能となる。
なお、前記シリンダヘッドが、前記複数の気筒各々に対応して組み込まれかつ吸気弁及び排気弁のバルブクリアランスをゼロに調整する油圧作動式のラッシュアジャスタを備えるものでは、前記特定油圧供給路は、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方のラッシュアジャスタに作動油を供給するものであるのが好適である。
つまり、ラッシュアジャスタはエンジンの作動中は常に油圧作動されるものであり、しかも吸気弁および排気弁の近くに配置されるため、上記構成によれば、ラッシュアジャスタに供給される作動油を利用して、合理的に第1、2弁停止用油路を作動油で満たすことが可能となる。
また、上記油圧供給装置において、前記第1弁停機構が、前記前端気筒の吸気弁を停止させる吸気側第1弁停止機構と、前記前端気筒の排気弁を停止させる排気側第1弁停止機構とを含み、前記第2弁停機構が、前記後端気筒の吸気弁を停止させる吸気側第2弁停止機構と、前記後端気筒の排気弁を停止させる排気側第2弁停止機構とを含み、前記特定油圧供給路が、前記複数の気筒の各吸気弁のラッシュアジャスタに作動油を供給する吸気側特定油圧供給路と、各排気弁のラッシュアジャスタに作動油を供給する排気側特定油圧供給路とを含み、前記第1弁停止用油路が、前記吸気側第1弁停止機構に作動油を供給する吸気側第1弁停止用油路と、前記排気側第1弁停止機構に作動油を供給する排気側第1弁停止用油路とを含み、前記第2弁停止用油路が、前記吸気側第2弁停止機構に作動油を供給する吸気側第2弁停止用油路と、前記排気側第2弁停止機構に作動油を供給する排気側第2弁停止用油路とを含むものでは、前記吸気側第1弁停止用油路および排気側第1弁停止用油路は、これら油路のうち、一方側の油路が前記第1制御弁に接続され、かつ当該一方側の油路から分岐するように他方側の油路が設けられており、前記吸気側第2弁停止用油路および排気側第2弁停止用油路は、これら油路のうち、一方側の油路が前記第2制御弁に接続され、かつ当該一方側の油路から分岐するように他方側の油路が設けられ、前記第1制御弁および前記第2制御弁は、吸気側の弁停止用油路および排気側の弁停止油路のうち、互いに同じ側の油路に接続されているのが好適である。
この油圧供給装置によれば、吸気側第1弁停止機構および排気側第1弁停止機構を共通の制御弁(第1制御弁)で油圧作動させ、また、吸気側第2弁停止機構および排気側第2弁停止機構を共通の制御弁(第2制御弁)で油圧作動させることができる。しかも、この油圧供給装置によれば、第1制御弁を含む前端気筒側の油路構造と、第2制御弁を含む後側気筒側の油路構造とが、上記の通りに同一構造とされているため、前端気筒側の吸気側第1弁停止機構および排気側第1弁停止機構と、後端気筒側の吸気側第2弁停止機構および排気側第2弁停止機構との作動応答性をほぼ同等にすることができる。
なお、上記の油圧供給装置において、前記特定油圧供給路は、エンジンにおける被潤滑部又は被冷却部に対する給油路に接続されているのが好適である。
この構成によれば、エンジンが停止状態で長期的に放置され、特定油圧供給路に空気が溜まった場合でも、エンジン駆動後、所定油圧供給路に作動油が導入されると、これに伴い当該空気が給油路を通じて被潤滑部又は被冷却部に放出される。つまり、良好に空気抜きが行われる。よって、特定油圧供給路内に溜まった空気が各連絡油路を通じて各弁停止用油路内に圧送され、その空気圧により弁停止機構が誤作動することが有効に防止される。
以上説明したように、本発明の弁停止機構の油圧供給装置によれば、エンジンの一部の気筒を休止させる減筒運転が可能なエンジンにおいて、全筒運転から減筒運転への移行応答性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る弁停止機構の油圧供給装置が適用される多気筒エンジンの概略構成を示す断面図である。 弁停止機構の構成及び作動を示す断面図である。 油圧供給装置の概略構成を示す図である。 図3の拡大図である。 第1方向切替弁および第2方向切替弁の配置を説明するためのエンジンの斜視図である。 油圧供給装置の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
<エンジンの構成>
図1は、本発明に係る弁停止機構の油圧供給装置が適用される多気筒エンジン2(以下、単にエンジン2という)を示している。このエンジン2は、第1〜第4気筒が順に図1の紙面に垂直な方向に直列に配置された直列4気筒ガソリンエンジンであって、自動車等の車両に搭載される。なお、当例では、エンジン2の気筒配列方向をエンジンの前後方向、これと直交する方向をエンジンの幅方向とし、エンジン2の前端側に位置する気筒から順に、第1気筒、第2気筒、第3気筒、第4気筒と称するものとする。当例では、第1気筒、および第4気筒が各々、本発明の前端気筒、および後端気筒に相当する。
エンジン2は、上下に連結されるカムキャップ3、シリンダヘッド4、シリンダブロック5、クランクケース(図示せず)及びオイルパン6(図4参照)を含む。シリンダブロック5には4つのシリンダボア7が形成され、各シリンダボア7内にそれぞれピストン8が摺動可能に収容され、これらピストン8、シリンダボア7およびシリンダヘッド4によって燃焼室11が気筒毎に形成されている。なお、各ピストン8は、コネクティングロッド10を介して、上記クランクケースに回転自在に支持されたクランク軸9に連結されている。
シリンダヘッド4には、燃焼室11に開口する吸気ポート12及び排気ポート13が設けられ、吸気ポート12及び排気ポート13をそれぞれ開閉する吸気弁14及び排気弁15が、各ポート12,13にそれぞれ装備されている。
吸気弁14及び排気弁15は、それぞれリターンスプリング16,17により各ポート12,13を閉止する方向(図1の上方向)に付勢されており、カムシャフト18,19の外周に設けられたカム部18a,19aによって押下されることで各ポート12,13を開くように構成されている。詳しくは、カムシャフト18,19の回転に伴い、上記カム部18a,19aがスイングアーム20,21の略中央部に設けられたカムフォロア20a,21aを押下することで、スイングアーム20,21がそれらの一端側に設けられた後記HLA(24)、25のピボット機構の頂部を支点として揺動し、この揺動に伴い、スイングアーム20,21の他端部が上記リターンスプリング16,17の付勢力に抗して吸気弁14及び排気弁15を押下する。これにより各ポート12,13が開く。
上記エンジン2の第1〜第4気筒のうち、中央部の第2、第3気筒については、各スイングアーム20,21のピボット機構として、油圧ラッシュアジャスタ(Hydraulic Lash Adjuster)24が設けられている(図4参照)。この油圧ラッシュアジャスタ24(以下、HLA24という)は油圧によりバルブクリアランスを自動的にゼロに調整するものである。
一方、第1〜第4気筒のうち、気筒配列方向の両端に位置する第1、第4気筒については、スイングアーム20、21のピポッド機構として弁停止機構付き油圧ラッシュアジャスタ25(以下、弁停止機構付きHLA25、又は単にHLA25という)が設けられている。この弁停止機構付きHLA25は、HLA24と同様にバルブクリアランスを自動的にゼロに調整するものであるが、この機能に加えて、上記吸気弁14及び排気弁15を、その作動を許容する状態と停止させる状態とに切り換える機能を有する。これにより、このエンジン2では、運転状態を、全気筒の吸排気弁14,15を作動させる(開閉動作させる)全筒運転と、全気筒のうち、第1、第4気筒の吸排気弁14,15の作動を停止(開閉動作を停止)させて、第2、第3気筒の吸排気弁14,15だけを作動をさせる減筒運転とに切り換え可能となっている。
シリンダヘッド4のうち、第1、第4気筒に対応する吸気側及び排気側の部分に、上記弁停止機構付きHLA25の下端部が挿入、装着される装着穴26,27が設けられている。また、シリンダヘッド4のうち、第2、第3気筒に対応する吸気側及び排気側の部分に、上記HLA24の下端部が挿入、装着される装着穴26,27が同様に設けられている。そして、第1〜第4気筒に亘って気筒配列方向に延びて、吸気側及び排気側のHLA24、25の装着穴26,27にそれぞれ連通する2つの油路61、62と、第1、第4気筒に対応する位置で気筒配列方向に延びて、吸気側及び排気側の弁停止機構付きHLA25の装着穴26,27にそれぞれ連通する2つの油路65(75)、67(77)とがシリンダヘッド4に形成されている。
これら油路61、62、65(75)、67(77)のうち、油路61、62は、装着穴26,27に装着されたHLA24、および弁停止機構付きHLA25の後記ピボット機構本体25aに対してオイル(作動油)を供給するためのものであり、HLA24及び弁停止機構付きHLA25のピボット機構本体25aは、その油圧(作動圧)によりバルブクリアランスを自動的にゼロに調整する。一方、65(75)、67(77)は、装着穴26,27に装着された弁停止機構付きHLA25の後記弁停止機構25b(図2に示す)に対してオイルを供給するものである。なお、これら油路61、62、65(75)、67(77)については、後に詳述する。
上記シリンダブロック5のうち、シリンダボア7の排気側の側壁内には、気筒配列方向に延びるメインギャラリ54が設けられている。このメインギャラリ54の下側近傍の位置であって各ピストン8に対応する位置には、メインギャラリ54と連通するピストン冷却用のオイルジェット28が設けられている。オイルジェット28は、ピストン8の下側に位置するシャワーノズル28aを有しており、このシャワーノズル28aからピストン8の裏面に向けてオイル(冷却用オイル)が噴射されるように構成されている。
また、各カムシャフト18,19の上方には、シャワーノズル29,30が設けられており、これらシャワーノズル29,30からその下方に位置するカムシャフト18,19のカム部18a,19aや、スイングアーム20,21とカムフォロア20a、21aとの接触部にオイル(潤滑用オイル)が滴下されるように構成されている。
<弁停止機構付きHLA25の説明>
次に、図2を参照しながら、弁停止機構付きHLA25の弁停止機構25bについて説明する。この弁停止機構25bは、上記の通り、上記吸気弁14及び排気弁15を、その作動を許容する状態と停止させる状態とに切り換えることにより、エンジン2の運転状態を、全気筒の吸排気弁14,15を作動させる(開閉動作させる)全筒運転状態と、第1、第4気筒の吸排気弁14,15の作動を停止(開閉動作を停止)させて、第2、第3気筒の吸排気弁14,15だけを作動をさせる減筒運転状態とに切り換えるものである。換言すれば、エンジン2が全筒運転制御されるときは、弁停止機構25bが停止され、これにより第1、第4気筒を含む、全気筒の吸排気弁14、15の開閉動作が行われる一方、エンジン2が減筒運転制御されるときは、弁停止機構25bが油圧作動され、これにより全気筒のうち、第1、第4気筒の吸排気弁14、15の開閉動作が停止される。
本実施形態では、弁停止機構25bは、上記の通り、弁停止機構付きHLA25に設けられている。つまり、弁停止機構付きHLA25は、ピボット機構本体25aと弁停止機構25bとを備える。ピボット機構本体25aは、油圧によりバルブクリアランスを自動的にゼロに調整する、上記HLA24と実質的に同じ構成である。
弁停止機構25bは、図2Aに示すように、ピボット機構本体25aが軸方向に摺動自在に収納される有底の外筒251と、当該外筒251の周側壁に互いに対向して設けられた2つの貫通孔251aに各々出入可能に設けられる一対のロックピン252と、これら一対のロックピン252を径方向外側へ付勢するロックスプリング253と、外筒251の内底部とピボット機構本体25aの底部との間に設けられ、ピボット機構本体25aを上向きに付勢するロストモーションスプリング254とを備えている。上記一対のロックピン252は、外筒251の内側に先端を突出させた状態で上記貫通孔251aにそれぞれ挿入される離間位置と、これら貫通孔251から外筒251の内側に抜け出た接近位置とに変位可能である。そして、ピボット機構本体25aが外筒251から上方に突出する状態で、当該一対のロックピン252がロックスプリング253の付勢力により上記離間位置に配置されることでピボット機構本体25aの上下動を規制する(ピボット機構本体25aのロック状態という)。その一方で、上記油路61,62を通じて供給される油圧により上記ロックスプリング253の弾発力に抗して一対のロックピン252が上記離間位置に配置されると、ピボット機構本体25aと共に外筒251内を上下動し得るように構成されている(ピボット機構本体25aのロック解除状態という)。
つまり、図2Aに示すように、ピボット機構本体25aのロック状態では、外筒251から突出したピボット機構本体25aの頂部がスイングアーム20,21の揺動の支点となるため、カムシャフト18,19の回転によりカム部18a,19aがカムフォロア20a,21aを押下すると、吸排気弁14,15がリターンスプリング16,17の付勢力に抗して押下されて各ポート12,13が開弁する。したがって、第1、第4気筒について弁停止機構25bがロック状態とされることで、エンジン2の全筒運転を行うことができる。
一方、図2Bに示すように、油圧により上記一対のロックピン252の外側端面が押圧されると、ロックスプリング253の弾発力に抗して、両ロックピン252が互いに接近して貫通孔251aから外筒251の内側に抜け出し、これにより、ロックピン252の上方に位置するピボット機構本体25aの上下方向(軸方向)の移動が可能となる。つまり、ピボット機構本体25aがロック解除状態となる。
このようにピボット機構本体25aがロック解除状態とされることで、吸排気弁14、15の開閉動作が停止される。すなわち、上記ロストモーションスプリング254の付勢力は、上記吸排気弁14,15を付勢するリターンスプリング16,17の付勢よりも小さく設定されており、そのため、ピボット機構本体25aのロック解除状態において、カムフォロア20a,21aがカム部18a,19aにより押下されると、吸排気弁14,15の頂部がスイングアーム20,21の揺動の支点となり、ロストモーションスプリング254の付勢力に抗してピボット機構本体25aが押下されることとなる。これにより吸排気弁14,15は閉弁状態に保たれる。従って、第1、第4気筒について弁停止機構25bがロック解除状態とされることで、エンジン2の減筒運転を行うことができる。
<油圧供給装置1の説明>
次に、図3及び図4を参照しながら、上述のエンジン2にオイル(作動油)を供給するための油圧供給装置1について詳細に説明する。図示するように、油圧供給装置1は、クランク軸9の回転によって駆動されるオイルポンプ36と、このオイルポンプ36に接続され、当該オイルポンプ36により昇圧されたオイルをエンジン2の油圧作動装置や、被潤滑部及び被冷却部に対するオイル供給部に導く給油路50とを備えている。なお、オイルポンプ36は、エンジン2により駆動される補機である。
上記給油路50は、パイプや、シリンダヘッド4、シリンダブロック5等に形成された通路からなる。給油路50は、オイルポンプ36からシリンダブロック5内の分岐点54aまで延びる第1連通路51と、分岐点54aからシリンダブロック5内で気筒配列方向に延びる上記メインギャラリ54と、該メインギャラリ54上の分岐点54bからシリンダヘッド4まで延びる第2連通路52と、シリンダヘッド4内の前端部(第1気筒側の端部)において吸気側から排気側に亘ってエンジン幅方向に延びる第3連通路53と、この第3連通路53から分岐して延びる後記複数の油路とを備えている。
上記オイルポンプ36は、該オイルポンプ36の容量を変更してオイル吐出量を可変にする周知の可変容量型オイルポンプであり、オイルパン6に貯溜されたオイルを、オイルストレーナ37を介してオイル吸入口36aから汲み上げながらオイル吐出口36bから上記第1連通路51に吐出する。第1連通路51には、上流側から順にオイルフィルタ38及びオイルクーラ39が配設されており、オイルポンプ36から吐出されるオイルは、オイルフィルタ38で濾過されかつオイルクーラ39で冷却されてシリンダブロック5内のメインギャラリ54に導入される。
なお、オイルポンプ36には、メインギャラリ54上の分岐点54cから分岐して当該オイルポンプ36の容量可変用圧力室にオイルを導入する油路40が接続されている。この油路40には、リニアソレノイドバルブ41が介設されており、上記容量可変用圧力室に導入されるオイル流量がこのリニアソレノイドバルブ41により調整されることで、オイルポンプ36の容量が変更される。
上記メインギャラリ54には、各気筒のピストン8の裏面側に冷却用オイルを噴射する上記オイルジェット28、クランク軸9を回動自在に支持する5つのメインジャーナルに配置されるメタルベアリングに対するオイル供給部42、および各気筒のコネクティングロッド10を回転自在に連結する、クランク軸9のクランクピンに配置されたメタルベアリングに対するオイル供給部43にそれぞれ接続されている。このメインギャラリ54には、エンジン2の駆動中、オイルが常時供給される。
上記シリンダヘッド4には、分岐点53cで第3連通路53から分岐して吸気側の所定位置を気筒配列方向に延びる油路61(本発明の特定油圧供給路/吸気側特定油圧供給路に相当する)と、分岐点53aで第3連通路53から分岐して吸気側の所定位置を気筒配列方向に延びる油路62(本発明の特定油圧供給路/排気側特定油圧供給路に相当する)とが設けられている。これら油路61、62は互いに平行に設けられている。
吸気側の上記油路61は、吸気側のカムシャフト18のカムジャーナル潤滑のためのオイル供給部44(図3、図4の白抜き三角△を参照)と、上記HLA24(図3、図4の黒三角▲を参照)と、弁停止機構付きHLA25(図3、図4の白抜き楕円を参照)とに接続されている。シリンダヘッド4には、さらに油路61の分岐点61aから分岐して気筒配列方向に延びる油路63が設けられ、この油路63が吸気側のスイングアーム20に潤滑用オイルを供給するシャワーノズル29に接続されている。油路61,63には、エンジン2の駆動中、オイルが常時供給される。
排気側の上記油路62も同様に、当該油路62は、排気側のカムシャフト18のカムジャーナル潤滑のためのオイル供給部45(図3、図4の白抜き三角△を参照)と、上記HLA24(図3、図4の黒三角▲を参照)と、弁停止機構付きHLA25(図3、図4の白抜き楕円を参照)とに接続されている。シリンダヘッド4には、油路62の分岐点62aから分岐して気筒配列方向に延びる油路64が設けられ、この油路64が排気側のスイングアーム20に潤滑用オイルを供給するシャワーノズル30に接続されている。これら油路62,64には、エンジン2の駆動中、オイルが常時供給される。
シリンダヘッド4には、その前側(図3、図4では右側)であってかつ吸気側の位置において、上記油路61に沿って気筒配列方向に延び、第1気筒の吸気弁14側の上記弁停止機構付きHLA25の弁停止機構25b(本発明の吸気側第1弁停止機構に相当する)に接続される油路65(本発明の吸気側第1弁停止用油路に相当)と、この油路65から排気側に分岐して気筒配列方向に延び、第1気筒の排気弁15側の上記弁停止機構付きHLA25の弁停止機構25b(本発明の排気側第1弁停止機構に相当する)に接続される油路67(本発明の排気側第1弁停止用油路に相当する)とが設けられている。上記油路65は、第1方向切替弁46(本発明の第1制御弁に相当する)を介して、分岐点53bで第3連通路53から分岐する油路70に接続されており、この第1方向切替弁46が切り換え制御により、第1気筒の各弁停止機構25bに対するオイルの供給及びその停止が行われるようになっている。なお、第1方向切替弁46は、図5に示すように、例えばエンジン2の上記シリンダヘッド4の前側壁に固定されている。同図中、符号84は、エンジン2の吸気マニホールドである。
図1に示すように、吸気側の上記油路65は、上記油路61の下側に近接して設けられている。これら油路61、65は、第1気筒と第2気筒との間の位置で、絞り66aを備えた連通路66(本発明の第1連絡油路に相当する)を介して互いに接続されている。排気側の上記油路67も同様であり、当該油路67は、上記油路62の下側に近接して設けられており、第1気筒と第2気筒との間の位置で、絞り68aを備えた連通路68(本発明の第1連絡油路に相当する)を介して油路61に接続されている。
また、シリンダヘッド4には、その後側(図3では左側)であってかつ吸気側の位置において、上記油路61に沿って気筒配列方向に延び、第4気筒の吸気弁14側の上記弁停止機構付きHLA25の弁停止機構25b(本発明の吸気側第2弁停止機構に相当する)に接続される油路75(本発明の吸気側第2弁停止用油路に相当する)と、この油路75から排気側に分岐して気筒配列方向に延び、第4気筒の排気弁15側の上記弁停止機構付きHLA25の弁停止機構25b(本発明の排気側第2弁停止機構に相当する)に接続される油路77(本発明の排気側第2弁停止用油路に相当する)とが設けられている。上記油路75は、第2方向切替弁47(本発明の第2制御弁に相当する)を介して油路72に接続されており、この第2方向切替弁47の切り換え制御により、第4気筒の各弁停止機構25bに対するオイルの供給及びその停止が行われるようになっている。なお、油路72は、第3連通路53上の分岐点53bから分岐して気筒配列方向に延び、さらにシリンダヘッド4の後端近傍位置でエンジン幅方向に延びるように形成されている。また、図5に示すように、第2方向切替弁47は、エンジン2の上記シリンダヘッド4の後側壁に固定されている。
図1に示すように、吸気側の上記油路75は、上記油路61の下側に近接して設けられている。これら油路61、75は、第3気筒と第4気筒との間の位置で、絞り76aを備えた連通路76(本発明の第2連絡油路に相当する)を介して互いに接続されている。排気側の上記油路77も同様であり、当該油路77は、上記油路62の下側に近接して設けられており、第1気筒と第2気筒との間の位置で、絞り78aを備えた連通路78(本発明の第2連絡油路に相当する)を介して油路62に接続されている。
吸気側および排気側においてそれぞれ気筒配列方向に延びる上記油路61、62は、シリンダヘッド4の後端近傍(第4気筒の後側)の位置で油路62上の分岐点62aから分岐してエンジン幅方向に延びる連絡路69を介して互いに接続されている。また、上記分岐点62aからは油路79が分岐されており、この油路79はバキュームポンプのベアリングに対して潤滑用オイルを供給するためのオイル供給部48、および燃料ポンプのジャーナルに対して潤滑用オイルを供給するためのオイル供給部49等にそれぞれ接続されている。
なお、図3中の符号32は、エンジン2の全筒運転時に吸気弁14の弁特性(開閉時期)を油圧作動により変更する吸気弁側VVT(可変バルブタイミング機構)であり、符号33は、排気弁15の弁特性を油圧作動により変更する排気側VVTである。吸気側VVT32は、吸気側方向切替弁34を介して、第3連通路53上の分岐点53dから分岐する油路81に接続されており、他方、排気側VVT33は、排気側方向切替弁35を介して、第3連通路53上の分岐点53aから分岐する油路81に接続されている。そして、吸気側方向切替弁34が切り換え制御されることで、吸気側VVT32により吸気弁14の開閉時期が変更され、排気側方向切替弁35が切り換え制御されることで、排気側VVT33により排気弁15の開閉時期が変更される。
上記第3連通路53には、さらに油圧センサ90が接続されており、エンジン2の駆動中は、給油路50(第3連通路53)の油圧がこの油圧センサ90により検出されてその油圧に応じた信号が後記コントローラ100に出力される。
なお、図示を省略しているが、クランク軸9を回転自在に支持するメタルベアリング及びカムシャフト18,19を回転自在に支持するカムジャーナルや、ピストン8、カムシャフト18,19等に供給される潤滑用および冷却用のオイルは、冷却や潤滑を終えた後、図示しないドレイン油路を通ってオイルパン6内に滴下し、オイルポンプ36により再び環流される。
上記エンジン2の作動は、コントローラ100によって制御される。このコントローラ100は、周知のマイクロコンピュータをベースとする制御装置であって、上記給油路50内の油圧等を統括的に制御する。このコントローラ100には、上記油圧センサ90からの検出信号の他、図外の油圧センサ、クランクポジションセンサ、エアフローセンサ、油温センサ、カム角センサ、水温センサ等からの検出信号が入力されており、コントローラ100は、これら検出信号により得られる情報に基づき、エンジン2の運転状態を判定し、予め記憶されているマップ等に基づき、上記弁停止機構付きHLA25やVVT32、33等の油圧作動装置の要求油圧のうち、最も高い要求油圧を目標油圧として当該給油路50(第3連通路53)の油圧をフィードバック制御する。具体的には、油圧センサ90による検出圧力に基づき、上記目標油圧が得られるように前記リニアソレノイドバルブ41を制御する。
<油圧供給装置1の作用効果>
上記油圧供給装置1では、エンジン2の駆動中は、オイルポンプ36が作動することで、オイルパン6に貯溜されたオイルが汲み上げられながら、第1連通路51、メインギャラリ54および第2連通路52を介して第3連通路53に導入される。
第3連通路53に導入されたオイルは、さらに各油路61、62、70,72、81、82に導入される。このように油路61、62に導入されることで、各気筒の吸気側および排気側の各HLA24、25(HLA25についてはピボット機構本体25a)にオイルが供給され、吸気弁14及び排気弁15のバルブクリアランスが自動的にゼロに調整される。当例では、各HLA24、25(HLA25についてはピボット機構本体25a)の作動油圧は要求油圧よりも低く、オイルは、油路61、62に設けられた絞り611、621を介して第3連通路53から導入されることで所定の油圧まで減圧される。
エンジン2の全筒運転のときには、油路65(67)が油路70から遮断され、かつ油路75(77)が油路72から遮断されるように、上記第1方向切替弁46および第2方向切替弁47が制御される(図1に示す状態とは逆の状態に弁制御される)。このときは吸気側および排気側の各HLA25の弁停止機構25bへは、絞り66a、76aを備えた連通路66、76と、絞り68a、78aを備えた連通路68、78とにより、作動しない程度のオイルが供給されて一定圧に保持されており、弁停止機構25bが停止状態とされる。すなわち、ピボット機構本体25aがロック状態(図2Aの状態)に保たれ、これにより吸気弁14および排気弁15がカムシャフト18、19の回転に伴い作動することとなる。
一方、エンジン2が減筒運転されるとき、すなわち第1気筒および第4気筒が休止されるときには、油路65(67)と油路70とが連通し、かつ油路75(77)と油路72とが連通するように、上記第1方向切替弁46および第2方向切替弁47が制御される(図1に示す状態に弁制御される)。これにより吸気側および排気側の各HLA25の弁停止機構25bへオイルが供給され、弁停止機構25bが作動状態とされる。すなわち、ピボット機構本体25aがロック解除状態(図2Bの状態)となり、これにより吸気弁14および排気弁15の作動が停止される。
なお、エンジン2が継続して長期的に全筒運転されると、その間に、油路65、67及び油路75、77内のオイルが減少し、詳しくは、各方向切替弁46、47を通じてドレイン油路に流出する等することにより油路65、67及び油路75、77内のオイルが減少し、その結果、エンジン2の全筒運転から減筒運転への移行時に弁停止機構25bに応答遅れが生じることが懸念される。しかし、上記の通り、吸気側の各油路65、75は、絞り66a、76aを備えた連通路66、76を介して油路61に接続されており、排気側の各油路67、77も同様に、絞り68a、78aを備えた連通路68、78を介して油路62に接続されている。そのため、上記のような不都合が生じる事が有効に防止される。すなわち、エンジン2の全筒運転中は、高圧側となる通路61から連通路66、76の絞り66a、76aを通じて油路65、75にオイルが徐々に侵入する結果、当該油路65、75が常時オイルで満たされる。排気側の通路67,77についても同様に、通路62から連通路68、78の絞り68a、78aを通じて油路67、77にオイルが徐々に侵入する結果、当該油路67、77が常時オイルで満たされる。そのため、エンジン2の全筒運転から減筒運転への移行時には、各方向切替弁46、47の切り換えに伴い各HLA25の弁停止機構25bに速やかに油圧が与えられ、その結果、当該弁停止機構25bが速やかに作動することとなる。従って、この油圧供給装置1によれば、全筒運転から減筒運転への切り換え、つまり弁停止機構25bの作動に関して高い応答性が確保される。
特に、シリンダヘッド4の前端側から気筒配列方向に延びる油路65(67)が形成され、この油路56に接続される第1方向切替弁46がシリンダヘッド4の前端面に固定されている一方、第4気筒のHLA25の弁停止機構25bに対する油路構造として、シリンダヘッド4の後端側から気筒配列方向に延びる油路75(77)が形成され、この油路75に接続される第2方向切替弁47がシリンダヘッド4の後端面に固定されているので、各方向切替弁46、47から各弁停止機構25bまでの油路長が比較的短い。そのため、連通路66、68および連通路76,78を通じて侵入するオイルで比較的容易に油路65,67および油路75,76を満たすことができる。また、各方向切替弁46、47の制御に応じてより速やかに各弁停止機構25bを作動させることができる。従って、この点においても弁停止機構25bの作動応答性が高められる。
しかも、この油圧供給装置1では、第1方向切替弁46を含む第1気筒側の油路構造と、第2方向切替弁47を含む第4気筒側の油路構造とが同一であるため、第1気筒側の弁停止機構25bと第4気筒側の弁停止機構25bとの作動応答性をほぼ同等にすることができるという利点もある。すなわち、第1気筒側については、吸気側の弁停止機構25bにオイルを供給する油路65が第1方向切替弁46に接続された上で、排気側の弁停止機構25bにオイルを供給する油路67が上記油路65から分岐する油路構造とされており、他方、第4気筒側についても、吸気側の弁停止機構25bにオイルを供給する油路75が第2方向切替弁47に接続された上で、排気側の弁停止機構25bにオイルを供給する油路78が上記油路75から分岐する油路構造となっている。従って、各方向切替弁46、47の切り換えの際に第1、第4気筒の各弁停止機構25bに油圧の伝達に差が生じ難く、これにより第1気筒側の弁停止機構25bと第4気筒側の弁停止機構25bとの作動応答性がほぼ同等に保たれる。
なお、上記のように各油路65、75(67、78)が連通路66、76(68、78)を介して油路61(62)に接続される構成では、エンジン2が停止状態で長期的に放置されると、油戻り等によって各油路61、65、75(62、67、78)および連通路66、76(68、78)に空気が溜まる。そのため、その後エンジン2が駆動されて油路61(62)にオイルが導入されると、油路61(62)に溜まった空気が各連通路66、76(68、78)を通じて各油路65、75(67、78)に導入されて急激に加圧され、全筒運転時であるにも拘わらず、その空気圧により各弁停止機構付きHLA25の弁停止機構25bが空圧動作するこという懸念がある。つまり、弁停止機構25bが誤作動するという懸念がある。しかし、この油圧供給装置1では、上記の通り、油路61は連絡路69を介して油路62に接合され、さらに油路62は油路79を介してバキュームポンプ及び燃料ポンプの潤滑用のオイル供給部48、49に接続されている。そのため、各油路61、62に溜まっている空気は、当該油路61、62へのオイル導入に伴いオイル供給部48、49に圧送され、ここから外部に放出される。よって、油路61(62)に溜まった空気が連通路66、76を通じて各油路65、75(67、77)に導入されて加圧されることが無く、これにより、上記のような弁停止機構25bの誤動作が防止される。特に、当例では、吸気側の上記油路75,65は、上記油路61の下側に設けられており、同様に、排気側の上記油路67,77は、上記油路62の下側に設けられている。このような構成によれば、油路61(62)に溜まった空気が油路65、75(67、77)側に入り込むことが抑制されるため、油路61(62)へのオイル導入に伴い、良好に空気抜きを行うことができる。よって、この点も、弁停止機構25bの誤動作の防止に寄与する。なお、当例では、油路61(62)に溜まる空気量に比べると、連通路66、76(68、78)や各油路65、75(67、78)に溜まる空気量は少なく、そのまま残っていても弁停止機構25bの作動への影響は殆どない。
また、この油圧供給装置1によれば、エンジン2の構造面および製造面で次のような利点もある。すなわち、この油圧供給装置1では、上記の通り、第1気筒のHLA25の弁停止機構25bに対する油路構造として、シリンダヘッド4の前端側から気筒配列方向に延びる油路65(67)が形成され、この油路56に接続される第1方向切替弁46がシリンダヘッド4の前端面に固定されている一方、第4気筒のHLA25の弁停止機構25bに対する油路構造として、シリンダヘッド4の後端側から気筒配列方向に延びる油路75(77)が形成され、この油路75に接続される第2方向切替弁47がシリンダヘッド4の後端面に固定されている。このような油路構造によれば、油路65(67)および油路75(77)が互いに独立した短い通路となるため、シリンダヘッド4の両端からそれぞれ比較的細いドリルを用いて容易に各油路65(67)、75(77)を形成することができる。そのため、シリンダヘッド4の生産性が良い。また、第1方向切替弁46と第2方向切替弁47とが、シリンダヘッド4の前後反対側に分かれて配置されるため、各方向切替弁46、47の配置について制約を受け難く、各方向切替弁46、47のレイアウトの自由度が向上する。また、エンジン2の前後方向の重量バランスを保つこと、つまり、エンジン2の振動を抑制図る上でも有利となる。
<その他の構成>
上述した油圧供給装置1は、本発明に係る、弁停止機構の油圧供給装置の好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、この実施形態の油圧供給装置1では、弁停止機構付きHLA25の弁停止機構25bに対するオイル供給用の油路65、75(67、77)を、連通路66、76(68,78)を介して、HLA24、25(HLA25についてはピボット機構本体25a)に対するオイル供給用の油路61(62)に接続しているが、上記油路65、75(67、77)の接続先は、エンジン2の全筒運転中に、油路65、75(67、77)にオイルを侵入させることができれば、上記油路61(62)以外の油路であってもよい。
また、図3、図4の例では、吸気側の油路61が連絡路69を介して排気側の油路62に接続されており、これにより油路61に溜まった空気を、連絡路69、油路62及び油路79を通じてオイル供給部48、49に逃がすようになっているが、例えば、連絡路69を省略し、図6に示すように、吸気側については、シャワーノズル29に対するオイル供給用の油路63を油路61の後端(エンジン後側の端部)に接続し、排気側については、シャワーノズル30に対するオイル供給用の油路64を油路62の後端に接続するようにしてもよい。つまり、油路61、62に溜まった空気を、シャワーノズル29,30からオイル共に放出するようにしてもよい。このような構成によっても、図3、図4の構成と同様に、弁停止機構25bの誤動作を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態では、直列4気筒エンジンの油圧供給装置1について説明したが、本発明は、勿論、直列3気筒エンジンや直列6気筒エンジンなどについても適用可能である。
1 油圧供給装置
2 エンジン
24 油圧ラッシュアジャスタ(HLA)
25 弁停止機構付き油圧ラッシュアジャスタ(弁停止機構付きHLA)
25a ピボット機構本体
25b 弁停止機構
36 オイルポンプ
46 第1方向切替弁
47 第2方向切替弁
61、62、65、67、75、77 油路
66、68、76、78 連通路
66a、68a、76a、78a 絞り

Claims (4)

  1. 複数の気筒を有するエンジンにおける弁停止機構の油圧供給装置であって、
    前記エンジンにおける気筒配列方向の一端側を前、他端側を後と定義したときに、
    前記エンジンのシリンダヘッドに組み込まれ、当該エンジンの前端に位置する前端気筒の吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を油圧作動により停止させる第1弁停止機構、および前記シリンダヘッドの後端に位置する後端気筒の吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を油圧作動により停止させる第2弁停止機構と、
    前記複数の気筒に亘って気筒配列方向に延びるようにシリンダヘッドに形成され、かつエンジン駆動中に常に作動油が供給される特定油圧供給路と、
    前記第1弁停止機構に作動油を供給するための油路であってシリンダヘッドの前端部から後端部に向かって前記特定油圧供給に沿って延びる第1弁停止用油路、および前記第2弁停止機構に作動油を供給するための油路であって前記シリンダヘッドの後端部から前端部に向かって前記特定油圧供給路に沿って延びる第2弁停止用油路と、
    前記シリンダヘッドの前端部に配置され、前記第1弁停止用油路への作動油の供給を制御する第1制御弁、および前記シリンダヘッドの後端部に配置され、前記第2弁停止用油路への作動油の供給を制御する第2制御弁と、
    前記第1弁停止用油路と前記特定油圧供給路とを連絡するとともにその途中に絞りを備えた第1連絡油路、および前記第2弁停止用油と前記特定油圧供給路とを連絡するとともにその途中に絞りを備えた第2連絡油路と、含むことを特徴とする弁停止機構の油圧供給装置。
  2. 請求項1に記載の弁停止機構の油圧供給装置であって、
    前記シリンダヘッドは、前記複数の気筒各々に対応して組み込まれかつ吸気弁及び排気弁のバルブクリアランスをゼロに調整する油圧作動式のラッシュアジャスタを備えるものであり、
    前記特定油圧供給路は、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方のラッシュアジャスタに作動油を供給するものである、ことを特徴とするエンジンにおける弁停止機構の油圧供給装置。
  3. 請求項2に記載の弁停止機構の油圧供給装置であって、
    前記第1弁停機構は、前記前端気筒の吸気弁を停止させる吸気側第1弁停止機構と、前記前端気筒の排気弁を停止させる排気側第1弁停止機構とを含み、
    前記第2弁停機構は、前記後端気筒の吸気弁を停止させる吸気側第2弁停止機構と、前記後端気筒の排気弁を停止させる排気側第2弁停止機構とを含み、
    前記特定油圧供給路は、前記複数の気筒の各吸気弁のラッシュアジャスタに作動油を供給する吸気側特定油圧供給路と、各排気弁のラッシュアジャスタに作動油を供給する排気側特定油圧供給路とを含み、
    前記第1弁停止用油路は、前記吸気側第1弁停止機構に作動油を供給する吸気側第1弁停止用油路と、前記排気側第1弁停止機構に作動油を供給する排気側第1弁停止用油路とを含み、
    前記第2弁停止用油路は、前記吸気側第2弁停止機構に作動油を供給する吸気側第2弁停止用油路と、前記排気側第2弁停止機構に作動油を供給する排気側第2弁停止用油路とを含み、
    前記吸気側第1弁停止用油路および排気側第1弁停止用油路は、これら油路のうち、一方側の油路が前記第1制御弁に接続され、かつ当該一方側の油路から分岐するように他方側の油路が設けられており、
    前記吸気側第2弁停止用油路および排気側第2弁停止用油路は、これら油路のうち、一方側の油路が前記第2制御弁に接続され、かつ当該一方側の油路から分岐するように他方側の油路が設けられており、
    前記第1制御弁および前記第2制御弁は、吸気側の弁停止用油路および排気側の弁停止油路のうち、互いに同じ側の油路に接続されている、ことを特徴とする弁停止機構の油圧供給装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の弁停止機構の油圧供給装置において、
    前記特定油圧供給路は、エンジンにおける被潤滑部又は被冷却部に対する給油路に接続されている、ことを特徴とする弁停止機構の油圧供給装置。
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