JP2015028328A - エンジンの潤滑油供給機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用する潤滑油の量を削減することが可能なエンジンの潤滑油供給機構を提供する。【解決手段】カムを有するカムシャフト(排気側カムシャフト42)と、前記カムシャフトを回転可能に支持するジャーナル軸受部を有する支持部材(カムハウジング11及びカムキャップ50)と、前記支持部材に形成され、油圧源から供給されてくる潤滑油を前記ジャーナル軸受部の摺動面へと案内する第一油路70と、前記支持部材に形成され、動弁機構30の潤滑部に向かって開口される噴射口(カムキャップ50の側面に開口された前後油路82の端部)と、前記支持部材に形成され、一端が前記ジャーナル軸受部の摺動面と連通されると共に、他端を前記噴射口と連通される第二油路80と、前記カムシャフトの外周面に形成され、前記カムシャフトが特定の回転角度にある場合にのみ第一油路70と第二油路80とを連通する第三油路90と、を具備した。【選択図】図4

Description

本発明は、回転するカムによってエンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構の技術に関する。
従来、回転するカムによってエンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載のエンジンの潤滑油供給機構は、中空状に形成されたカムシャフト(カム軸)と、当該カムシャフトを回転可能に支持するカムキャップと、を具備する。また、カムキャップには潤滑油を噴射する噴射口が形成されると共に、当該カムキャップ及びカムシャフトには、当該カムシャフトが特定の回転角度にある場合にカムシャフトの内部と噴射口とを連通する油路が形成される。
このように構成された潤滑油供給機構において、カムシャフトの内部に潤滑油を満たした上で所定の圧力を付与しておくことによって、カムシャフトが特定の回転角度に達した時に潤滑油を油路を介して噴射口へと供給し、当該噴射口から潤滑油を噴射することができる。このようにして潤滑油を潤滑部(潤滑を要する部分)へと供給し、当該潤滑部を潤滑することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、中空状に形成されたカムシャフトの内部を潤滑油で満たす必要があるため、潤滑油を余分に貯溜することになり、使用する潤滑油の量が多くなる点で不利であった。
特開昭60−198317号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、使用する潤滑油の量を削減することが可能なエンジンの潤滑油供給機構を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、回転するカムによってエンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、前記カムを有するカムシャフトと、前記カムシャフトを回転可能に支持するジャーナル軸受部を有する支持部材と、前記支持部材に形成され、油圧源から供給されてくる潤滑油を前記ジャーナル軸受部の摺動面へと案内する第一油路と、前記支持部材に形成され、前記動弁機構の潤滑部に向かって開口される噴射口と、前記支持部材に形成され、一端が前記ジャーナル軸受部の摺動面と連通されると共に、他端を前記噴射口と連通される第二油路と、前記カムシャフトの外周面に形成され、前記カムシャフトが特定の回転角度にある場合にのみ前記第一油路と前記第二油路とを連通する第三油路と、を具備するものである。
請求項2においては、前記噴射口は、前記カムシャフトよりも上方に形成されるものである。
請求項3においては、前記カムシャフトは複数設けられ、前記噴射口は、前記複数のカムシャフトごとに形成されるものである。
請求項4においては、前記噴射口は、前記第二油路と一体的に形成されるものである。
請求項5においては、前記カムシャフトは中空状に形成されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、余分に貯溜される潤滑油を削減し、ひいては動弁機構の潤滑部を潤滑する際に使用する潤滑油の量を削減することができる。
請求項2においては、カムシャフトに設けられるカムへと潤滑油を供給し易くすることができる。
請求項3においては、複数のカムシャフトに対して、より確実に潤滑油を供給することができる。
請求項4においては、構造を簡素化し、製造コストの削減を図ることができる。
請求項5においては、中空状に形成されたカムシャフトを用いる場合であっても、当該カムシャフトの内部を潤滑油で満たす必要がなく、使用する潤滑油の量を削減することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内の断面図。 カムキャップ及びカムシャフトを示す平面図。 図2におけるA−A断面図。 (a)カムキャップの底面図。(b)図3におけるB−B断面図。 (a)排気側カムシャフトが特定の回転角度にない場合のA−A断面図。(b)同じく、カムキャップの底面図。 (a)排気側カムシャフトが特定の回転角度にある場合のA−A断面図。(b)同じく、カムキャップの底面図。 第二実施形態を示す側面断面図。 第三実施形態を示すカムキャップの底面図。 (a)第四実施形態を示す正面断面図。(b)同じく、カムキャップの底面図。
以下では、図中に示した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向を規定して説明を行う。
まず、図1から図3までを用いて、本発明の実施の一形態(第一実施形態)に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1の構成について説明する。
本実施形態に係るエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンである。以下では、前後方向に並んだ4つの気筒のうち1つの気筒に主に着目して説明を行う。エンジン1は、主としてシリンダヘッド10、シリンダヘッドカバー20、動弁機構30及びカムキャップ50を具備する。
シリンダヘッド10は、シリンダブロック(不図示)と共にエンジン1の主たる構造体となるものである。シリンダヘッド10は、前記シリンダブロック(不図示)の上部に固定される。シリンダヘッド10は、主としてカムハウジング11、吸気側軸受部12、排気側軸受部14及びオイルギャラリー16を具備する。
カムハウジング11は、後述する吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を支持するものである。カムハウジング11は、シリンダヘッド10内の左右に亘って形成される、略直方体状の部分である。
吸気側軸受部12は、後述する吸気側カムシャフト40を下方から回転可能に支持するものである。吸気側軸受部12は、正面視において上方が開放された半円状の凹部となるように、カムハウジング11の左部に形成される。
排気側軸受部14は、後述する排気側カムシャフト42を下方から回転可能に支持するものである。排気側軸受部14は、正面視において上方が開放された半円状の凹部となるように、カムハウジング11の右部に形成される。
オイルギャラリー16は、エンジン1の各部(例えば、後述するラッシュアジャスタ38等)へと潤滑油を案内するための油路である。オイルギャラリー16は、シリンダヘッド10の左右側壁近傍を前後方向に通るように形成される。オイルギャラリー16には、油圧源であるオイルポンプ(不図示)から潤滑油が常時供給される。
シリンダヘッドカバー20は、シリンダヘッド10の上部を覆うものである。シリンダヘッドカバー20はシリンダヘッド10の上部に載置され、ボルト等によって適宜固定される。
動弁機構30は、エンジン1の吸気ポート及び排気ポート(不図示)を所定のタイミングで開閉させるためのものである。動弁機構30は、主として吸気バルブ32、排気バルブ34、ロッカアーム36、ラッシュアジャスタ38、吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を具備する。
吸気バルブ32は、エンジン1の吸気ポート(不図示)を開閉するものである。吸気バルブ32は、その長手方向を略上下方向に向けて配置される。吸気バルブ32の下端は前記吸気ポートまで延設される。吸気バルブ32の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、吸気バルブ32は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
排気バルブ34は、エンジン1の排気ポート(不図示)を開閉するものである。排気バルブ34は、その長手方向を略上下方向に向けて配置される。排気バルブ34の下端は前記排気ポートまで延設される。排気バルブ34の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、排気バルブ34は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
ロッカアーム36は、吸気バルブ32及び排気バルブ34を開閉駆動させるためのものである。ロッカアーム36の一端は、それぞれ吸気バルブ32及び排気バルブ34の上端に上方から当接される。ロッカアーム36には、前後方向に向けた軸線を中心として回動可能なローラ36aがそれぞれ設けられる。
ラッシュアジャスタ38は、バルブクリアランスを調整するためのものである。ラッシュアジャスタ38は、それぞれロッカアーム36の他端に下方から当接される。
吸気側カムシャフト40は、ロッカアーム36を所定のタイミングで揺動させることで、吸気バルブ32を開閉駆動させるためのものである。吸気側カムシャフト40は、その内部が中空となる略円筒状に形成される。吸気側カムシャフト40は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、シリンダヘッド10の吸気側軸受部12に載置される。吸気側カムシャフト40は、エンジン1のクランクシャフト(不図示)と連結され、正面視反時計回りに回転する。吸気側カムシャフト40は、主としてカム40aを具備する。
カム40aは、回転中心(吸気側カムシャフト40の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成された部分である。カム40aは、吸気側カムシャフト40のうちシリンダヘッド10の吸気側軸受部12に載置された部分(カムジャーナル)よりも前方に2つ並べて固定される。当該カム40aは、吸気バルブ32側のロッカアーム36(より詳細には、ローラ36a)に上方から当接する。
排気側カムシャフト42は、ロッカアーム36を所定のタイミングで揺動させることで、排気バルブ34を開閉駆動させるためのものである。排気側カムシャフト42は、その内部が中空となる略円筒状に形成される。排気側カムシャフト42は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、シリンダヘッド10の排気側軸受部14に載置される。排気側カムシャフト42は、エンジン1のクランクシャフト(不図示)と連結され、正面視反時計回りに回転する。排気側カムシャフト42は、主としてカム42aを具備する。
カム42aは、回転中心(排気側カムシャフト42の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成された部分である。カム42aは、排気側カムシャフト42のうちシリンダヘッド10の排気側軸受部24に載置された部分(カムジャーナル)よりも前方に2つ並べて固定される。当該カム42aは、排気バルブ34側のロッカアーム36(より詳細には、ローラ36a)に上方から当接する。
カムキャップ50は、シリンダヘッド10のカムハウジング11の上部に固定され、当該カムハウジング11との間で吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を保持するものである。カムキャップ50は、長手方向を左右方向に向けた略直方体状に形成される。
カムキャップ50は、主として吸気側軸受部52及び排気側軸受部60を具備する。
吸気側軸受部52は、吸気側カムシャフト40を上方から回転可能に支持するものである。吸気側軸受部52は、正面視において下方が開放された半円状の凹部となるように、カムキャップ50の左部に形成される。当該カムキャップ50の吸気側軸受部52は、カムハウジング11の吸気側軸受部12と対向する位置に形成され、当該吸気側軸受部52及び吸気側軸受部12の間に吸気側カムシャフト40が回転可能に支持(保持)される。このように、吸気側軸受部52及び吸気側軸受部12によって、吸気側カムシャフト40を回転可能に支持するジャーナル軸受部が構成される。
排気側軸受部60は、排気側カムシャフト42を上方から回転可能に支持するものである。排気側軸受部60は、正面視において下方が開放された半円状の凹部となるように、カムキャップ50の右部に形成される。当該カムキャップ50の排気側軸受部60は、カムハウジング11の排気側軸受部14と対向する位置に形成され、当該排気側軸受部60及び排気側軸受部14の間に排気側カムシャフト42が回転可能に支持(保持)される。このように、排気側軸受部60及び排気側軸受部14によって、排気側カムシャフト42を回転可能に支持するジャーナル軸受部が構成される。
このように、カムハウジング11とカムキャップ50によって、吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を回転可能に支持するための支持部材が構成される。
このように構成されたエンジン1が始動すると、当該エンジン1のクランクシャフトと連動して吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42が回転する。吸気側カムシャフト40が回転すると、当該吸気側カムシャフト40に固定されたカム40aも回転する。カム40aが回転すると、当該カム40aの外周の形状に従ってロッカアーム36が適宜のタイミングで下方へと押し下げられる。このようにして、吸気バルブ32が適宜のタイミングで開閉される。
排気バルブ34についても同様に、排気側カムシャフト42が回転することによって、適宜のタイミングで開閉される。
次に、図3及び図4を用いて、潤滑油を動弁機構30の潤滑部へと供給するための機構(潤滑油供給機構)について説明する。
ここで、動弁機構30の「潤滑部」とは、潤滑油による潤滑を要する部分であり、本実施形態においては、特にカム40a、カム42a、ロッカアーム36(ローラ36a)、吸気バルブ32及び排気バルブ34が他の部材と接触する部分を指すものとする。なお、潤滑部はこれに限るものではなく、その他の潤滑を要する部分であっても良い。
エンジン1は、潤滑油を動弁機構30の潤滑部へと供給するための機構(潤滑油供給機構)として、さらに各種油路(第一油路70、第二油路80及び第三油路90)を具備する。以下、これらについて順に説明する。
なお、前記各種油路は、吸気側カムシャフト40側と排気側カムシャフト42側とに、互いに左右対称となるように形成される。したがって以下では、排気側カムシャフト42側に形成される前記各種油路について説明し、吸気側カムシャフト40側に形成される前記各種油路については説明を省略する。
第一油路70は、オイルギャラリー16を流通する潤滑油を、排気側カムシャフト42を回転可能に支持するジャーナル軸受部へと案内するものである。第一油路70は、主としてハウジング側油路71、キャップ側底面油路72及びキャップ側軸受油路73を具備する。
ハウジング側油路71は、カムハウジング11に形成され、オイルギャラリー16とカムハウジング11の上面(カムキャップ50と当接する面)とを連通するものである。ハウジング側油路71の一端(下端)はオイルギャラリー16と連通される。ハウジング側油路71の他端(上端)はカムハウジング11の上面(カムキャップ50と当接する面)と連通される。
キャップ側底面油路72は、カムキャップ50の底面(カムハウジング11と当接する面)に形成され、ハウジング側油路71と排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)とを連通する溝状の油路である。キャップ側底面油路72の一端(右端)はハウジング側油路71の上端と対向する位置に形成され、当該キャップ側底面油路72は左方へと延設される。キャップ側底面油路72の他端(左端)は排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)の摺動面(排気側カムシャフト42と摺接する面)と連通される。
キャップ側軸受油路73は、カムキャップ50の排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)の摺動面に形成される溝状の油路である。キャップ側軸受油路73の一端(右端)はキャップ側底面油路72の左端と連通される。キャップ側軸受油路73の他端(上端)は排気側軸受部60の最上部(左右中央部)まで延設される。
第二油路80は、排気側カムシャフト42を回転可能に支持するジャーナル軸受部と、カムキャップ50の前後側面とをそれぞれ連通するものである。第二油路80は、主として上下油路81及び前後油路82を具備する。
なお、第二油路80は、カムキャップ50に前後対称となるように2つ形成される。よって以下では、前側に形成される第二油路80について説明し、後側に形成される第二油路80については説明を省略する。
上下油路81は、排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)から上方に向かって延設される油路である。上下油路81の一端(下端)は、排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)の摺動面の最上部(左右中央部)と連通される。この際、上下油路81の下端は、キャップ側軸受油路73の上端の前方に位置するように形成される。上下油路81の他端(上端)は、上方に向かって延設される。
前後油路82は、上下油路81とカムキャップ50の前側面とを連通すると共に、潤滑油を前方へと噴射するための噴射口を兼ねるものである。前後油路82の一端(後端)は上下油路81の上端と連通され、当該前後油路82は前方へと延設される。前後油路82の他端(前端)はカムキャップ50の前側面と連通される。カムキャップ50の前側面に開口するように形成された前後油路82の前端(噴射口)は、排気側カムシャフト42よりも上方(高い位置)に位置し、かつカムキャップ50の前方に配置されたカム42aと対向するように形成される。
このような第二油路80がカムキャップ50に前後対称となるように形成されることで、2つの上下油路81の下端とキャップ側軸受油路73の上端が、前後に一列に並ぶことになる。また、2つの前後油路82は、それぞれカムキャップ50の前後の側面に開口するように形成されることになる。
第三油路90は、排気側カムシャフト42の外周面に形成される溝状の油路である。第三油路90は、排気側カムシャフト42のジャーナル部(ジャーナル軸受部によって支持される部分)に形成される。第三油路90は、前後に延びる直線状に形成される。第三油路90の前端の前後方向位置は、前側の上下油路81の下端と同一位置となるように形成されると共に、第三油路90の後端の前後方向位置は、後側の上下油路81の下端と同一位置となるように形成される。このように形成された第三油路90は、排気側カムシャフト42が特定の回転角度にある場合、すなわち、第三油路90が最上部に位置する場合にのみ、第一油路70のキャップ側軸受油路73と第二油路80の上下油路81とを連通することになる(図4(a)及び図6参照)。
次に、図2、図4、図5及び図6を用いて、上述の如く構成された潤滑油供給機構によって、潤滑油が動弁機構30の潤滑部へと供給される様子について説明する。
まず、図5を用いて、排気側カムシャフト42が回転し、当該排気側カムシャフト42に形成された第三油路90が最上部に位置していない(排気側カムシャフト42が特定の回転角度にない)場合について説明する。
この場合、オイルギャラリー16(図3参照)を流通する潤滑油は、第一油路70(ハウジング側油路71、キャップ側底面油路72及びキャップ側軸受油路73)を介してカムキャップ50の排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)へと供給される。しかし、この場合においては、第一油路70(キャップ側軸受油路73)と第二油路80(上下油路81)とは連通されていないため、当該潤滑油は第二油路80へと供給されることはない。この場合には、第一油路70を介して排気側軸受部60へと供給された潤滑油は、当該排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)と排気側カムシャフト42との摺動面を潤滑する。
次に、図6を用いて、排気側カムシャフト42が回転し、当該排気側カムシャフト42に形成された第三油路90が最上部に位置した(排気側カムシャフト42が特定の回転角度にある)場合について説明する。
この場合、オイルギャラリー16を流通する潤滑油は、第一油路70を介してカムキャップ50の排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)へと供給される。さらにこの場合、第一油路70(キャップ側軸受油路73)と第二油路80(上下油路81)とが第三油路90を介して連通されているため、第一油路70からの潤滑油が第三油路90を介して第二油路80の上下油路81へと供給される。
上下油路81へと供給された潤滑油は、前後油路82を介してカムキャップ50の前後側面へとそれぞれ供給され、当該前後油路82の開口部(端部)からカムキャップ50の前後方向へとそれぞれ噴射される。当該噴射された潤滑油は、前後油路82の開口部が向けられたカム42a等(動弁機構30の潤滑部)に付着し、当該カム42a等を潤滑することができる。
このように、排気側カムシャフト42が特定の回転角度にある場合にだけ、すなわち間欠的に、潤滑油をカムキャップ50の前後へと噴射することで、動弁機構30の潤滑部へと供給される潤滑油の量を削減し、過剰な潤滑油の供給を防止することができる。
なお、上記排気側カムシャフト42側の潤滑油供給機構と同様に、吸気側カムシャフト40側の潤滑油供給機構においても、オイルギャラリー16からの潤滑油を間欠的に動弁機構30の潤滑部へと供給することができる(図2参照)。
以上の如く、本実施形態に係るエンジン1の潤滑油供給機構は、回転するカム(カム40a及びカム42a)によってエンジン1の吸排気バルブ(吸気バルブ32及び排気バルブ34)を開閉させる動弁機構30の潤滑部へと潤滑油を供給するエンジン1の潤滑油供給機構であって、前記カムを有するカムシャフト(吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42)と、前記カムシャフトを回転可能に支持するジャーナル軸受部を有する支持部材(カムハウジング11及びカムキャップ50)と、前記支持部材に形成され、油圧源から供給されてくる潤滑油を前記ジャーナル軸受部の摺動面へと案内する第一油路70と、前記支持部材に形成され、動弁機構30の潤滑部に向かって開口される噴射口(カムキャップ50の側面に開口された前後油路82の端部)と、前記支持部材に形成され、一端が前記ジャーナル軸受部の摺動面と連通されると共に、他端を前記噴射口と連通される第二油路80と、前記カムシャフトの外周面に形成され、前記カムシャフトが特定の回転角度にある場合にのみ第一油路70と第二油路80とを連通する第三油路90と、を具備するものである。
このように構成することにより、余分に貯溜される潤滑油を削減し、ひいては動弁機構30の潤滑部を潤滑する際に使用する潤滑油の量を削減することができる。
特に、本実施形態のように中空状に形成されたカムシャフト(吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42)を用いる場合であっても、当該カムシャフトの外周面に油路(第三油路90)を形成することで、当該カムシャフトの内部を潤滑油で満たす(潤滑油の油路とする)必要がなくなり、使用する潤滑油の量を削減することができる。また、中空状のカムシャフトの内部を潤滑油の油路とする場合に比べて潤滑油の油路の容積を小さくすることができるため、当該潤滑油に瞬時に適切な圧力(油圧)を付与することができ、ひいては潤滑油を適切に(適切なタイミングで適切な量だけ)噴射することができる。
さらに、カムシャフトの内部ではなく、外周面に油路を形成するため、加工が容易となる。
また、前記噴射口は、前記カムシャフトよりも上方に形成されるものである。
このように構成することにより、前記カムシャフトに設けられるカム40a及びカム42aへと潤滑油を供給し易くすることができる。
また、前記カムシャフトは複数(吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42)設けられ、
前記噴射口は、前記複数のカムシャフトごとに形成されるものである。
このように構成することにより、複数のカムシャフトに対して、より確実に潤滑油を供給することができる。
すなわち、1箇所に形成された噴射口から複数のカムシャフトへと潤滑油を噴射して供給する場合に比べて、潤滑油の供給ムラの発生を抑制することができる。
また、前記噴射口は、第二油路80(前後油路82)と一体的に形成されるものである。
このように構成することにより、構造を簡素化し、製造コストの削減を図ることができる。すなわち、噴射口として別途部材(噴射ノズル等)を設ける必要がないため、部品コストや組立コスト(製造コスト)の削減を図ることができる。
また、前記カムシャフトは中空状に形成されるものである。
このように構成することにより、中空状に形成されたカムシャフト(吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42)を用いる場合であっても、当該カムシャフトの内部を潤滑油で満たす必要がなく、使用する潤滑油の量を削減することができる。
なお、本実施形態に係るエンジン1は直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンであるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、種々のエンジンに適用することが可能である。
また、本実施形態においては、カムシャフトを回転可能に支持する支持部材としてカムハウジング11及びカムキャップ50を例示したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、支持部材は一体的に構成された部材(カムハウジング11とカムキャップ50とを一体的に構成した部材)であっても良い。この場合、当該支持部材を貫通するように形成されたジャーナル軸受部にカムシャフトを挿通した後、当該カムシャフトにカムを固定することで組み付けが行われる。
また、本発明に係る油路(第一油路、第二油路及び第三油路)の構成は、本実施形態に係るもの(第一油路70、第二油路80及び第三油路90)の構成に限るものではない。以下では、本発明に係る油路の変形例について、第二実施形態、第三実施形態及び第四実施形態として説明する。
図7に示す第二実施形態においては、第二油路80は傾斜油路83を具備する。傾斜油路83は、排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)から前上方及び後上方に向かってそれぞれ延設される油路である。傾斜油路83の一端(下端)は、排気側軸受部60の最上部と連通される。傾斜油路83の他端(上端)は、カムキャップ50の前側面及び後側面とそれぞれ連通される。傾斜油路83は、排気側軸受部60とカムキャップ50の前後側面とを直線的に連通する。
このように構成された第二実施形態においても第一実施形態と同様に、排気側カムシャフト42が回転し、当該排気側カムシャフト42に形成された第三油路90が最上部に位置した(排気側カムシャフト42が特定の回転角度に到達した)際に、第一油路70と第二油路80とが第三油路90によって連通される。この状態において、第一油路70からの潤滑油が第三油路90及び第二油路80を介してカムキャップ50の前後へと噴射される。
なお、第二実施形態に示したように、潤滑油を噴射する第二油路80(噴射口)を、上向きの傾斜油路83で構成したことにより、潤滑油を斜め上方に向かって噴射することができる。これによって、潤滑油をより遠くへと噴射することが可能となる。また、当該傾斜油路83の傾斜角度を適宜設定することで、任意の位置へと潤滑油を供給することが可能となる。
図8に示す第三実施形態においては、第一油路70はキャップ側軸受油路73(図4等を参照)を具備しない。また、第二油路80は、カムキャップ50の底面(カムハウジング11と当接する面)に、前後対称となるように溝状に形成される。第二油路80は、左右油路84及び前後油路85を具備する。左右油路84は、排気側軸受部60(ジャーナル軸受部)から右方に向かって延設される油路である。前後油路85は、左右油路84の右端から左前方(又は、左後方)に向かって延設される油路である。前後油路85の前端(又は後端)はカムキャップ50の前後側面にそれぞれ連通される。
このように構成された第三実施形態においては、排気側カムシャフト42が回転し、当該排気側カムシャフト42に形成された第三油路90が最も右に位置した(排気側カムシャフト42が特定の回転角度に到達した)際に、第一油路70と第二油路80とが第三油路90によって連通される。この状態において、第一油路70からの潤滑油が第三油路90及び第二油路80を介してカムキャップ50の前後へと噴射される。
第三実施形態に示したように、潤滑油をカムキャップ50の上部から噴射する構成ではなく、カムハウジング11とカムキャップ50との当接面から噴射する構成とすることも可能である。
図9に示す第四実施形態においては、第三油路90は排気側カムシャフト42の周方向に幅広く形成される。このように構成することにより、当該第三油路90によって第一油路70と第二油路80とが連通される排気側カムシャフト42の回転角度の範囲が大きくなり、ひいては排気側カムシャフト42の1回転あたりの潤滑油の噴射量を多くすることができる。このように、第一油路70と第二油路80とが連通される排気側カムシャフト42の回転角度の範囲を任意に設定することで、潤滑油の噴射量を任意に調節することができる。
なお、第四実施形態においては第三油路90の形状を変更することで第一油路70と第二油路80とが連通される排気側カムシャフト42の回転角度の範囲を設定するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、第一油路70や第二油路80の形状を変更することでも、第一油路70と第二油路80とが連通される排気側カムシャフト42の回転角度の範囲を設定することが可能である。
上記各実施形態に示したように、排気側カムシャフト42が特定の回転角度に到達した際に、第一油路70と第二油路80とが第三油路90によって連通される構成であれば、油路の形状や配置は限定するものではない。例えば、油路の幅や深さを任意に変更することで、動弁機構30の潤滑部へと供給される潤滑油の量を任意に設定することも可能である。
また、上記各実施形態においては、第二油路80は、潤滑油を動弁機構30の潤滑部へと噴射する噴射口を兼ねる構成としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、第二油路80の端部に、別途噴射口(例えば、噴射ノズル等)を設ける構成とすることも可能である。油路の直径を絞った噴射口(噴射ノズル)を設けることで、潤滑油をより遠方まで噴射することも可能である。
1 エンジン
11 カムハウジング(支持部材)
30 動弁機構
32 吸気バルブ(吸排気バルブ)
34 排気バルブ(吸排気バルブ)
40 吸気側カムシャフト(カムシャフト)
42 排気側カムシャフト(カムシャフト)
50 カムキャップ(支持部材)
70 第一油路
80 第二油路
82 前後油路(噴射口)
90 第三油路

Claims (5)

  1. 回転するカムによってエンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、
    前記カムを有するカムシャフトと、
    前記カムシャフトを回転可能に支持するジャーナル軸受部を有する支持部材と、
    前記支持部材に形成され、油圧源から供給されてくる潤滑油を前記ジャーナル軸受部の摺動面へと案内する第一油路と、
    前記支持部材に形成され、前記動弁機構の潤滑部に向かって開口される噴射口と、
    前記支持部材に形成され、一端が前記ジャーナル軸受部の摺動面と連通されると共に、他端を前記噴射口と連通される第二油路と、
    前記カムシャフトの外周面に形成され、前記カムシャフトが特定の回転角度にある場合にのみ前記第一油路と前記第二油路とを連通する第三油路と、
    を具備するエンジンの潤滑油供給機構。
  2. 前記噴射口は、
    前記カムシャフトよりも上方に形成される、
    請求項1に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  3. 前記カムシャフトは複数設けられ、
    前記噴射口は、前記複数のカムシャフトごとに形成される、
    請求項1又は請求項2に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  4. 前記噴射口は、
    前記第二油路と一体的に形成される、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  5. 前記カムシャフトは中空状に形成される、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
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