JP2015175301A - エンジンの潤滑油供給機構 - Google Patents

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康弘 疋田
Yasuhiro Hikita
康弘 疋田
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Abstract

【課題】カムと摺動部材との摺動部へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができるエンジンの潤滑油供給機構を提供する。
【解決手段】排気側カムシャフト74を保持するカムハウジング30と、カム77が摺動するロッカアーム72と、を具備し、カム77とロッカアーム72との摺動部90へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、潤滑油を摺動部90へと供給する噴射口89を有する給油部材80と、シリンダヘッド10とカムハウジング30との間に形成され、給油部材8の一部分を収容した状態で、給油部材80の噴射口89を摺動部90と互いに対向して配置させる収容部60とを具備する。
【選択図】図11

Description

本発明は、吸排気バルブを開閉させるためのカムを有するカムシャフトと、前記吸排気バルブを開閉させる際に前記カムが摺動する摺動部材と、を具備し、前記カムと前記摺動部材との摺動部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構の技術に関する。
従来、吸排気バルブを開閉させるためのカムを有するカムシャフトと、前記吸排気バルブを開閉させる際に前記カムが摺動する摺動部材と、を具備し、前記カムと前記摺動部材との摺動部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の技術は、吸排気バルブを開閉させるためのカムを有するカムシャフトと、前記吸排気バルブを開閉させる際に前記カムが摺動するスイングアーム(摺動部材)と、カムキャップ(カムハウジング)の上部に配置されるカムシャワーパイプ(給油手段)と、を具備する。
このような構成により、特許文献1に記載の技術においては、潤滑油を給油手段から下方へと滴下し、当該給油手段の下方に配置されるカムや、前記カムと摺動部材との摺動部へと潤滑油を供給することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術において前記摺動部へと潤滑油を供給するためには、まず潤滑油を給油手段からカムの上端に滴下し、当該滴下した潤滑油を前記カムの下方に位置する前記潤滑部へと案内する必要がある。このような場合、前記滴下した潤滑油はカムの回転によって四方に飛散するため、前記摺動部へと供給される潤滑油の量が不足する点で不利であった。
特開2010−164009号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、カムと摺動部材との摺動部へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができるエンジンの潤滑油供給機構を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、シリンダヘッドと、吸排気バルブを開閉させるためのカムを有するカムシャフトと、前記カムシャフトを保持するカムハウジングと、前記吸排気バルブを開閉させる際に前記カムと摺動する摺動部材と、を具備し、前記カムと前記摺動部材との摺動部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、潤滑油を前記摺動部へと供給する供給口を有する給油手段と、前記シリンダヘッドと前記カムハウジングとの間に形成され、前記給油手段の一部分を収容した状態で、前記給油手段の供給口を前記摺動部と互いに対向して配置させる収容部と、を具備するものである。
請求項2においては、前記給油手段の供給口は、潤滑油を噴射可能に形成されるものである。
請求項3においては、前記給油手段の供給口と前記摺動部との間に、開放された空間が形成されるものである。
請求項4においては、前記収容部を介して、前記給油手段の外部から内部へと潤滑油が供給されるものである。
請求項5においては、前記供給口は、潤滑油を水平方向に噴射するものである。
請求項6においては、前記摺動部は、特定の方向に複数並んで配置され、前記給油手段は、前記特定の方向に延びるように形成され、前記複数の摺動部に対応するように前記供給口を複数有するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、カムと摺動部材との摺動部へと供給する潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
請求項2においては、カムと摺動部材との摺動部へと供給する潤滑油の量が不足するのを、より効果的に防止することができる。
請求項3においては、カムと摺動部材との摺動部へと供給する潤滑油の量が不足するのを、より効果的に防止することができる。
請求項4においては、簡易な構成で給油手段へと潤滑油を供給することができる。
請求項5においては、カムと摺動部材との摺動部へと供給する潤滑油の量が不足するのを、より効果的に防止することができる。
請求項6においては、カムと摺動部材との複数の摺動部へと供給する潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内を示す正面断面図。 カムハウジング、給油部材及び摺動部を示す平面図。 図2におけるA−A断面図。 図2における一部拡大図。 図4においてシリンダヘッド、給油部材及び摺動部を示す図。 給油部材を示す平面図。 (a)図6におけるB−B断面図。(b)同じく、C−C断面図。 (a)上側板材を示す平面図。(b)下側板材を示す平面図。 (a)噴射口を示す平面断面図。(b)噴射口から潤滑油が噴射される様子を示す平面断面図。 給油部材へと潤滑油が供給される様子を示す正面断面図。 図5において摺動部へと潤滑油が供給される様子を示す図。 摺動部へと潤滑油が供給される様子を示す正面断面図。 (a)第二実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内を示す正面断面図。(b)第三実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内を示す正面断面図。 (a)第四実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内を示す正面断面図。(b)第五実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内を示す正面断面図。
以下では、図中に示した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向を定義する。
まず、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1の構成について説明する。
図1及び図3に示す本実施形態に係るエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンである。エンジン1は、主としてシリンダヘッド10、シリンダヘッドカバー20、カムハウジング30、動弁機構70、収容部60及び給油部材80を具備する。
なお、エンジン1においては、吸気バルブ171を開閉させるための吸気側の構造と、排気バルブ71を開閉させるための排気側の構造とが、左右対称に構成される。したがって、以下においては、吸排気バルブ171・71を開閉させる構成について、主として前記排気側の構造(図1における右側に図示する構造)について説明し、前記吸気側の構造(図1における左側に図示する構造)についての説明は省略するものとする。
また、前記排気側の構造においては、前後方向に並んだ4つの気筒のうち、1つの気筒(具体的には、後述する4つのカムハウジング30のうち、前から2つ目のカムハウジング30の直ぐ前方に配置される気筒)について特に着目して説明するものとする(図2等参照)。
図1、図3及び図5に示すシリンダヘッド10は、シリンダブロック(不図示)と共にエンジン1の主たる構造体となるものである。シリンダヘッド10は、前記シリンダブロックの上部に固定される。シリンダヘッド10は、主としてオイルギャラリー11及び潤滑油路12を具備する。
図1及び図3に示すオイルギャラリー11は、エンジン1の各部(例えば、エンジン1の潤滑部や、後述するラッシュアジャスタ73等の油圧機器)へと潤滑油を供給するための油路である。オイルギャラリー11は、シリンダヘッド10の右側壁近傍を前後方向に通るように形成される。
図3及び図5に示す潤滑油路12は、オイルギャラリー11の潤滑油を、後述する給油部材80へと供給するための油路である。潤滑油路12は、主として第一油路13及び第二油路14を具備する。
第一油路13は、シリンダヘッド10の右部に形成される孔である。第一油路13の一端(右下端)は、オイルギャラリー11と連通される。第二油路14の他端(左上端)は、シリンダヘッド10の上側面に開放される。第一油路13は、一端(右下端)から他端(左上端)まで、左上方へ向けて略直線状に延出するように形成される。
第二油路14は、シリンダヘッド10の上側面の右部に形成される凹部である。第二油路14は、上側の開放部分がカムハウジング30(より詳細には、カムキャリア40)によって塞がれ、内側を潤滑油が流通可能に形成される。第二油路14は、左右方向に延出される。第二油路14の一端(右端)は、前記第一油路13の他端(左上端)と連通される。第二油路14の他端(左端)は、シリンダヘッド10の左右中央よりも若干右側に位置し、後述する(シリンダヘッド10の)蓋部62内に進入している。
こうして、オイルギャラリー11と(シリンダヘッド10の)蓋部62とは、潤滑油路12(第一油路13及び第二油路14)を介して連通される。
図1に示すシリンダヘッドカバー20は、シリンダヘッド10の上部を覆うものである。シリンダヘッドカバー20は、シリンダヘッド10の上部に載置され、ボルト等によって適宜固定される。
図1から図4までに示すカムハウジング30は、排気側カムシャフト74を保持するものである。カムハウジング30は、長手方向を左右方向へ向けた略直方体形状に形成される。カムハウジング30は、主としてカムキャリア40及びカムキャップ50を具備する。
図1及び図3に示すカムキャリア40は、カムキャップ50と共にカムハウジング30の主たる構造体となるものである。カムキャリア40は、カムハウジング30の下部を構成する。カムキャリア40は、長手方向を左右方向へ向けた略直方体状に形成される。カムキャリア40は、シリンダヘッド10の上部に載置され、ボルト等によって適宜固定される。本実施形態においてカムキャリア40は、4つ設けられ、前後方向において各気筒の後方となる位置にそれぞれ配置される。カムキャリア40は、主としてキャリア側軸受部41及び第三油路42を具備する。
図1及び図3に示すキャリア側軸受部41は、排気側カムシャフト74を下方から回転可能に支持するものである。キャリア側軸受部41は、カムキャリア40の右部に形成される。キャリア側軸受部41は、正面視で上方が開放された半円状の凹部として形成される。
図3に示す第三油路42は、カムキャリア40の右下部に形成される孔である。第三油路42の一端(左下端)は、潤滑油路12の第一油路13の他端(左上端)に連通される。第三油路42の他端(右上端)は、キャリア側軸受部41の内周面に連通される。こうして、潤滑油路12を流通する潤滑油の一部を、第三油路42を介してキャリア側軸受部41へと供給することができる。
図1から図4までに示すカムキャップ50は、カムキャリア40と共にカムハウジング30の主たる構造体となるものである。カムキャップ50は、カムハウジング30の上部を構成する。カムキャップ50は、長手方向を左右方向へ向けた略直方体状に形成される。カムキャップ50は、カムキャリア40の上部に載置され、ボルト等によって適宜固定される。本実施形態においてカムキャップ50は、4つ設けられ、前後方向において各気筒の後方となる位置にそれぞれ配置される。カムキャップ50は、主としてキャップ側軸受部51を具備する。
図1及び図3に示すキャップ側軸受部51は、排気側カムシャフト74を上方から回転可能に支持するものである。キャップ側軸受部51は、カムキャップ50の右部に形成される。キャップ側軸受部51は、正面視で下方が開放された半円状の凹部として形成される。キャップ側軸受部51は、キャリア側軸受部41と対向する位置に配置される。こうして、キャップ側軸受部51は、排気側カムシャフト74をキャリア側軸受部41と共に回転可能に支持するカムジャーナル軸受部を構成する。
図1に示す動弁機構70は、エンジン1の排気ポート(不図示)を所定のタイミングで開閉させるためのものである。動弁機構70は、主として排気バルブ71、ロッカアーム72、ラッシュアジャスタ73及び排気側カムシャフト74を具備する。
図1に示す排気バルブ71は、エンジン1の排気ポート(不図示)を開閉するものである。排気バルブ71は、棒状に形成されるバルブステム75の長手方向を、略上下方向に向けて配置される。排気バルブ71の下端は、前記排気ポートまで延設される。排気バルブ71の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、排気バルブ71は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
図1及び図2、図4及び図5に示すロッカアーム72は、排気バルブ71を開閉駆動させるためのものである。ロッカアーム72の一端は、排気バルブ71の上端に上方から当接される。ロッカアーム72は、排気バルブ71を開閉させる際に後述するカム77に対して摺動する。ロッカアーム72には、前後方向に向けた軸線を中心として回転可能なローラ76が設けられる。
図1に示すラッシュアジャスタ73は、オイルギャラリー11からの潤滑油により、バルブクリアランスを調整するためのものである。ラッシュアジャスタ73は、ロッカアーム72の他端に下方から当接される。
図1及び図2、図4及び図5に示す排気側カムシャフト74は、ロッカアーム72を所定のタイミングで揺動させることで、排気バルブ71を開閉駆動させるためのものである。排気側カムシャフト74は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、キャップ側軸受部51及びキャリア側軸受部41により構成されるカムジャーナル軸受部に回転可能に支持される。排気側カムシャフト74は、主としてカム77を具備する。
図1及び図2、図4及び図5に示すカム77は、排気バルブ71を開閉させるためのものである。カム77は、回転中心(排気側カムシャフト74の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成される。カム77は、前後方向において各気筒に対応する位置に配置される。カム77は、ロッカアーム72(より詳細には、ローラ76)に上方から当接される。カム77は、排気側カムシャフト74が回転すると、当該回転に応じてロッカアーム72のローラ76に対して摺動する。以下では、カム77とローラ76との摺動部(前記当接される部位)を「摺動部90」と称する(図1や図2等参照)。
なお、詳細な説明は省略したが、前記吸気側の動弁機構70の構造も、吸気バルブ171を開閉駆動させるための吸気側カムシャフト174を具備し(図1参照)、前述した排気側の動弁機構70の構造と同様の構成を有する。
図1及び図2、図4及び図5に示す収容部60は、給油部材80の一部分を収容する部分である。収容部60は、シリンダヘッド10とカムハウジング30(より詳細には、カムキャリア40)との間に形成される。収容部60は、主として凹部61及び蓋部62を具備する。
図1及び図3に示す凹部61は、カムキャリア40の左右中央下部に形成される。凹部61は、カムキャリア40の下側面が上方へ向けて凹んだ部分である。凹部61は、前方、後方及び下方が開放される。凹部61の下側の開放部分は、シリンダヘッド10の上側面の一部分によって塞がれる。以下では、シリンダヘッド10の上側面のうち、前記凹部61の下側の開放部分を塞ぐ一部分を「蓋部62」と称する。すなわち、図1に示すように、蓋部62は、シリンダヘッド10の上側面の左右中央に形成される。なお、蓋部62内には、前述したように、潤滑油路12の左端が進入している。
このように、カムキャリア40の凹部61とシリンダヘッド10の蓋部62とに区画され、前方及び後方が開放された略矩形状の空間(部分)が形成される。本実施形態においては、当該部分が収容部60となる。図1に示すように、収容部60は、上下方向位置が摺動部90と同一となるように形成される。
なお、収容部60の上下方向幅及び左右方向幅は、給油部材80の上下方向幅及び左右方向幅よりも若干大きく形成される。こうして、図1及び図3に示すように、収容部60は、給油部材80の一部分を収容した場合に、正面視で給油部材80の全部が当該収容部60の内側に位置することになる。
なお、本実施形態においてカムキャリア40は、前述したように4つ設けられる。したがって、図2に示すように、シリンダヘッド10とカムキャリア40との間に形成される収容部60(すなわち、凹部61及び蓋部62)も、4つ設けられる。4つの収容部60は、前後方向において各気筒の後方となる位置にそれぞれ配置される。
図1から図9までに示す給油部材80は、潤滑油を所定方向(水平方向)へ向けて噴射する噴射口89を有する部材である。給油部材80は、長手方向を前後方向へ向けて配置される略平板状に形成される。給油部材80は、2枚の板材を貼り合わせて形成される。給油部材80は、前記2枚の板材としての上側板材82及び下側板材81を具備する。上側板材82及び下側板材81は、かしめや溶接が適宜施されることによって、互いに当接した(貼り合わされた)状態に保持される。
なお、図6に示すように、本実施形態において給油部材80は、略左右対称な構成となっている。そして、給油部材80の右側の構成によって、前記排気側の構造における摺動部90へと潤滑油を供給することができる。また、給油部材80の左側の構成によって、前記吸気側の構造における摺動部90へと潤滑油を供給することができる。したがって、以下では、給油部材80の右側の構成について特に着目して説明し、給油部材80の左側の構成については適宜説明を省略する。
また、本実施形態において給油部材80は、エンジン1の4つの気筒に亘るように一体的に形成される(図2参照)。図6に示すように、給油部材80は、4つの気筒にそれぞれ対応するように前後方向に並べられた4つの部分P・P・P・Pから構成される。なお、前記4つの部分P・P・P・Pにおいて、前側の2つの部分P・P及び後側の2つの部分P・Pは、略前後対称な構成となっている。したがって、以下では、前記前側の2つの部分P・Pの構成について特に着目して説明し、前記後側の2つの部分P・Pの構成については適宜説明を省略する(図4や図5等参照)。
図7及び図8(b)に示す下側板材81は、上側板材82と共に給油部材80の主たる構造体を構成するものである。下側板材81は、給油部材80の下部(下側)を構成する。下側板材81は、長手方向を前後方向へ向けると共に、その板面を上下方向へ向けて配置される略平板状に形成される。下側板材81は、主として流入口83を具備する。
図3、図5から図8(b)までに示す流入口83は、給油部材80に外部からの潤滑油を流入させるための孔である。流入口83は下側板材81の中央よりも若干右側に形成される。流入口83は、下側板材81を上下方向に貫通して形成される。流入口83は、図6に示すように、下側板材81が上側板材82と貼り合わされると、当該上側板材82の根幹油路84の前後中央と平面視で重複する位置に配置される。
図7及び図8(a)に示す上側板材82は、下側板材81と共に給油部材80の主たる構造体を構成するものである。上側板材82は、給油部材80の上部(上側)を構成する。上側板材82は、長手方向を前後方向へ向けると共に、その板面を上下方向へ向けて配置される略平板状に形成される。上側板材82は、平面視で下側板材81と外形が同一に形成される。上側板材82は、主として根幹油路84、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87、第四分岐油路88及び噴射口89を具備する。
図6から図8(a)までに示す根幹油路84、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88は、上側板材82の下側面が上方へ向けて凹んだ凹部として形成される。根幹油路84、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88は、下側の開放部分が下側板材81によって塞がれ、内側を潤滑油が流通可能に形成される。
根幹油路84は、上側板材82の左右中央よりも若干右側で、長手方向を概ね前後方向へ向けて形成される。根幹油路84には、前後中央から前方へ向けて潤滑油が流通する。根幹油路84は、流通する潤滑油を、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88へとそれぞれ適宜分配する。なお、根幹油路84には、下側板材81の流入口83を介して給油部材80の外部から潤滑油が流入される。
第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88は、前側から後側へ向けて順番に、前後方向に適宜な間隔をあけて配置される。第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88の一端(左端)は、それぞれ根幹油路84に連通される。また、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88の他端(右端)は、それぞれ上側板材82の右端面から開放される。
図6から図9までに示す噴射口89は、潤滑油を右方(水平方向)へ向けて噴射する部分である。具体的には、噴射口89は、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88のそれぞれの右端、すなわち上側板材82の右端面からそれぞれ開放された部分である。噴射口89は、右方を臨むように形成される。
ここで、図9は、一例として第一分岐油路85の噴射口89の構成を示している。図9(a)に示すように、噴射口89は、平面視で上流側から下流側(左側から右側)へ行くほど流路の幅が狭くなるように形成される。こうして、図9(b)に示すように、噴射口89から吐出される潤滑油は、流通する潤滑油の量が絞られることにより、右方へ向けて噴射されることになる。このように、噴射口89は、潤滑油を噴射可能に形成される。なお、図9においては、一例として第一分岐油路85の噴射口89の構成を示したが、他の分岐油路(第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88)の噴射口89の構成も同様である。
なお、図6及び図8(a)に示すように、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88は、平面視でそれぞれ適宜に曲がりくねり、長さが異なるように形成される。具体的には、第三分岐油路87は、第四分岐油路88よりも長さが短くなるように形成される。また、第二分岐油路86は、第三分岐油路87よりも長さが短くなるように形成される。また、第一分岐油路85は、第二分岐油路86よりも長さが短くなるように形成される。こうして、前方に配置される分岐油路ほど、長さが短くなるように形成される。
ここで、根幹油路84を前後中央から前方へ向けて流通する潤滑油には、圧力損失が生じている。すなわち、前方へ行くほど潤滑油の圧力損失が大きいため、後方の油路(例えば第四分岐油路88)に比べて前方の油路(例えば第一分岐油路85)へと分配される潤滑油の量が少なくなると考えられる。
しかしながら、本実施形態において第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88は、前方に配置される分岐油路ほど長さが短くなるように形成されるため、前記根幹油路84における圧力損失の影響を低減させることができる。
具体的には、根幹油路84から分配される潤滑油の圧力損失が小さい第四分岐油路88は、その長さを長く確保することによって、当該第四分岐油路88を流通する潤滑油の圧力損失を大きくする。一方、根幹油路84から分配される潤滑油の圧力損失が大きい第一分岐油路85は、その長さを短くすることによって、当該第一分岐油路85を流通する潤滑油の圧力損失を小さくする。これによって、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88の噴射口89から噴射される潤滑油の量の均等化を図ることができる。
なお、詳細な説明は省略したが、給油部材80の後側の2つの部分P・Pも前述した前側の2つの部分P・Pの構成と同様の構成を有する。また、給油部材80の左側も、前述したような前側の2つの部分P・P(さらには、後側の2つの部分P・P)の構成と同様の構成を有する。
以下では、給油部材80の収容部60への収容態様について説明する。
まず、図1から図3までに示すように、給油部材80は、シリンダヘッド10の上部、より詳細には収容部60を構成するシリンダヘッド10の蓋部62に載置されると共に、長手方向を前後方向へ向けて4つの収容部60の蓋部62に架け渡される。こうして、給油部材80は、排気側カムシャフト74の左方で、当該排気側カムシャフト74に対して平行となるように配置される。給油部材80は、ボルト等によってシリンダヘッド10の蓋部62に適宜固定される。
次に、カムハウジング30(より詳細には、カムキャリア40)がシリンダヘッド10に取り付けられる。図2から図4までに示すように、カムハウジング30がシリンダヘッド10に取り付けられると、カムキャリア40の凹部61とシリンダヘッド10の蓋部62とによって収容部60が形成されると共に、給油部材80の一部分(平面視で収容部60と重複する部分)が当該収容部60に収容される。
このような態様により、給油部材80(より詳細には、給油部材80の一部分)は、収容部60へと収容される。
なお、給油部材80の一部分が収容部60に収容されると、当該給油部材80の他部分(平面視で収容部60と重複しない部分)が収容部60から露出される。図2及び図4に示すように、当該給油部材80の他部分には、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88と、これらの分岐油路の噴射口89が配置される。
ここで、前述したように、収容部60は、上下方向位置が摺動部90と同一となるように形成される。また、図2及び図4に示すように、各分岐油路の噴射口89の前後方向の間隔は、各気筒に対応して設けられる摺動部90の前後方向の間隔と同一となるように形成される。こうして、給油部材80の一部分が収容部60に収容されると、複数の噴射口89と複数の摺動部90とが左右方向に互いに対向して配置される。
また、給油部材80の一部分が収容部60に収容された状態において、図4及び図5に示すように、給油部材80の噴射口89と摺動部90との間には、開放された空間(開放空間R)が形成される。ここで、本実施形態において前記「開放された空間」とは、何ら部材が配置されていない空間、例えば一側から他側へ向けて潤滑油が噴射された場合に、当該噴射された潤滑油を遮るような部材が何ら配置されていない空間を指すものとする。
なお、給油部材80の一部分が収容部60に収容されると、当該給油部材80の流入口83が(前から2つ目のカムハウジング30が取り付けられる)シリンダヘッド10の蓋部62に載置される。ここで、図3及び図5に示すように、当該蓋部62内には、潤滑油路12の左端が進入している。したがって、給油部材80の一部分が収容部60に収容されると、収容部60(より詳細には、蓋部62内の潤滑油路12の左端)を介して、給油部材80の外部と内部とが連通されることになる。すなわち、給油部材80は、収容部60を介して潤滑油路12と連通されると共に、オイルギャラリー11と連通される。こうして、給油部材80には、オイルギャラリー11からの潤滑油が供給される。
以下では、摺動部90への潤滑油の供給態様について説明する。
まず、図10に示すように、オイルギャラリー11の潤滑油は、潤滑油路12へと流入する。潤滑油路12へと流入した潤滑油は、潤滑油路12のうち第一油路13を左上方へ向けて流通し、その後に第二油路14を左方へ向けて流通する。なお、潤滑油が第一油路13から第二油路14へと流入する際に、当該潤滑油のうち一部は第三油路42へと流入する。第三油路42へと流入した潤滑油は、当該第三油路42を流通した後にキャリア側軸受部41へと供給される。
また、潤滑油路12のうち第二油路14を左方へ向けて流通した潤滑油は、当該第二油路14の左端に到達すると、給油部材80の流入口83へと流入する。給油部材80の流入口83へと流入した潤滑油は、当該給油部材80の根幹油路84へと流入する。
図11に示すように、給油部材80の根幹油路84へと流入された潤滑油は、根幹油路84を下流側(図11においては前方)へ向けて流通する共に、第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88へと適宜分配(流入)される。第一分岐油路85、第二分岐油路86、第三分岐油路87及び第四分岐油路88へと分配された潤滑油は、下流側(図11においては右方)へと流通した後に、図11及び図12に示すように、それぞれの噴射口89から右方(水平方向)へ向けて噴射される。
ここで、前述したように、給油部材80の一部分が収容部60に収容されると、複数の噴射口89と複数の摺動部90とが左右方向に互いに対向して配置される。したがって、噴射口89から右方(水平方向)へ向けて潤滑油が噴射されると、当該潤滑油を摺動部90へと直接供給することができる。なお、本実施形態において前記「直接供給」とは、給油部材80から供給される潤滑油が、他の部材(又は、他の部分)を介在せずに摺動部90へと供給されることを指すものとする。
このような構成により、例えば従来の技術のように、潤滑油を給油部材80からカム77の上端に滴下し、当該滴下した潤滑油を前記カム77の下方に位置する摺動部90へと案内する必要がないため(すなわち、摺動部90へと潤滑油を直接供給することができるため)、摺動部90へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
また、図12に示すように、摺動部90へと供給された潤滑油は、当該摺動部90を潤滑した後、ロッカアーム72を伝って排気バルブ71(すなわち、バルブステム75)へと案内される。このように、本実施形態においては、摺動部90へと供給された(不足していない量の)潤滑油を、バルブステム75へと供給することができるため、当該バルブステム75を確実に潤滑することができる。
また、本実施形態においては、前述したように、給油部材80の噴射口89と摺動部90との間には開放空間R(開放された空間)が形成される。したがって、噴射口89から噴射された潤滑油は、何らかの部材により遮られることなく、摺動部90へと直接供給することができる。すなわち、摺動部90へと供給される潤滑油の量が不足するのを、より効果的に防止することができる。
以上のように、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1においては、シリンダヘッド10と、排気バルブ71を開閉させるためのカム77を有する排気側カムシャフト74と、前記排気側カムシャフト74を保持するカムハウジング30と、前記排気バルブ71を開閉させる際に前記カム77と摺動するロッカアーム72(摺動部材)と、を具備し、前記カム77と前記ロッカアーム72(摺動部材)との摺動部90へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、潤滑油を前記摺動部90へと供給する噴射口89(供給口)を有する給油部材80(給油手段)と、前記シリンダヘッド10と前記カムハウジング30との間に形成され、前記給油部材80(給油手段)の一部分を収容した状態で、前記給油部材80(給油手段)の噴射口89(供給口)を前記摺動部90と互いに対向して配置させる収容部60と、を具備するものである
このような構成により、カム77とロッカアーム72(摺動部材)との摺動部90へと供給する潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1においては、前記給油部材80(給油手段)の噴射口89(供給口)は、潤滑油を噴射可能に形成されるものである。
このような構成により、カム77とロッカアーム72(摺動部材)との摺動部90へと供給する潤滑油の量が不足するのを、より効果的に防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1においては、前記給油部材80(給油手段)の噴射口89(供給口)と前記摺動部90との間に、開放された空間(開放空間R)が形成されるものである。
このような構成により、カム77とロッカアーム72(摺動部材)との摺動部90へと供給する潤滑油の量が不足するのを、より効果的に防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1においては、前記収容部60(より詳細には、蓋部62内の潤滑油路12の左端)を介して、前記給油部材80の外部から内部へと潤滑油が供給されるものである。
このような構成により、給油部材80(給油手段)へと潤滑油を供給するための部材をシリンダヘッド10の外部に設ける必要がない。すなわち、簡易な構成で前記給油部材80(給油手段)へと潤滑油を供給することができる。
また、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1においては、前記噴射口89(供給口)は、潤滑油を水平方向に噴射するものである。
このような構成により、複数の噴射口89と複数の摺動部90とが左右方向に互いに対向して配置される状態において、噴射口89から噴射された潤滑油を摺動部90へと直接供給することができる。したがって、カム77とロッカアーム72(摺動部材)との摺動部90へと供給する潤滑油の量が不足するのを、より効果的に防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1においては、前記摺動部90は、前後方向(特定の方向)に複数並んで配置され、前記給油部材80(給油手段)は、前記前後方向(特定の方向)に延びるように形成され、前記複数の摺動部90に対応するように前記噴射口89(供給口)を複数有するものである。
このような構成により、カム77とロッカアーム72(摺動部材)との複数の摺動部90へと供給する潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
なお、本実施形態においてエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンであるものとしたが、本発明を適用することが可能なエンジンはこれに限るものではない。
また、本実施形態においてカムハウジング30は、本発明に係る「カムハウジング」の一実施形態であり、この構成に限定するものではない。すなわち、本発明に係る「カムハウジング」は、「カムシャフト」を保持するものであればよい。例えば、本発明に係る「カムハウジング」は、後述するように、「カムキャップ」だけを具備する構成(すなわち、「カムキャリア」を具備しない構成)であってもよい。
また、本実施形態における潤滑油路12の構成、すなわち形状や配置や大きさ等は、任意に設定することができる。
また、本実施形態において排気側カムシャフト74及び吸気側カムシャフト174は、本発明に係る「カムシャフト」の一実施形態であり、この構成に限定するものではない。例えば、本発明に係る「カムシャフト」は、排気側及び吸気側にそれぞれ設けられるものではなく、1本で供用する所謂シングルタイプのものであってもよい。
また、本実施形態においてロッカアーム72は、本発明に係る「摺動部材」の一実施形態であり、この構成に限定するものではない。例えば、動弁機構としてカム77によって直接排気バルブ71を押し下げる所謂直打式の動弁機構を採用している場合には、当該排気バルブ71自体が本発明に係る「摺動部材」に相当する。また、かかる場合には、排気バルブ71の上端面が、当該排気バルブ71におけるカム77との「摺動部」に相当する。このように、本発明に係る「摺動部材」及び「摺動部」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、本実施形態において複数の噴射口89と複数の摺動部90とが左右方向(すなわち、水平方向)に互いに対向して配置されるように構成されるが、水平方向に対して傾斜するように互いに対向して配置されてもよい。なお、かかる場合には、給油部材80から潤滑部90へと供給される潤滑油は、水平方向ではなく、当該水平方向に対して傾斜した方向へ向けて噴射される。
また、本実施形態においては、収容部60の上下方向位置(すなわち、給油部材80の上下方向位置)を摺動部90と同一に形成しているが、給油部材80の上下方向位置を摺動部90よりも高く形成することもできる。このように、給油部材80の上下方向位置を摺動部90よりも高く形成した場合には、高い位置から潤滑油を噴射させ、離れて配置される摺動部90へと潤滑油を直接供給することができる。なお、このように潤滑部90へと潤滑油を直接供給することができる程度に給油部材80と摺動部90との上下方向位置がずれた状態(配置)も、本発明に係る「対向」に含まれるものとする。
また、本実施形態において給油部材80は、本発明に係る「給油手段」の一実施形態であり、この構成に限定するものではない。本発明に係る「給油手段」は、形状や配置や大きさ等を任意に設定することができる。例えば、本発明に係る「給油手段」は、平板状ではなく、パイプ状に形成してもよい。
また、本実施形態において噴射口89は、本発明に係る「供給口」の一実施形態であり、この構成に限定するものではない。例えば、本発明に係る「供給口」は、潤滑油を所定方向へ向けて飛ばすものであってもよい。
以下では、図13及び図14を用いて、本発明の別実施形態に係る潤滑油供給機構について説明する。
なお、以下では、前述した実施形態に係る潤滑油供給機構と同様の構成については説明を省略し、特に異なる構成について説明するものとする。
図13(a)は、本発明の第二実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン102の正面断面図である。図13(a)に示すように、収容部160は、シリンダヘッド10とカムハウジング30(より詳細には、カムキャリア40)との間に形成される。収容部160は、主として凹部161及び蓋部162を具備する。
凹部161は、シリンダヘッド10の左右中央上部に形成される。凹部161は、シリンダヘッド10の上側面が下方へ向けて凹んだ部分である。凹部161は、前方、後方及び上方が開放される。凹部161の上側の開放部分は、カムキャリア40の下側面の一部分(すなわち、蓋部162)によって塞がれる。
このように、本発明に係る「収容部」は、シリンダヘッド10とカムハウジング30との間に形成されるものであれば、シリンダヘッド10とカムハウジング30とのどちらの側が凹むものであってもよい。また例えば、シリンダヘッド10とカムハウジング30とのどちらの側も凹むものであってもよい。
図13(b)は、本発明の第二実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン103の正面断面図である。図13(b)に示すように、収容部260は、シリンダヘッド10とカムハウジング30(より詳細には、カムキャリア40)との間に形成される。収容部260は、主として凹部261及び蓋部262を具備する。
凹部261は、カムキャリア40の左右中央下部に形成される。凹部261は、カムキャリア40の下側面が上方へ向けて凹んだ部分である。凹部261の上下方向幅は、給油部材80の上下方向幅よりも大きく形成される。凹部261は、前方、後方及び下方が開放される。凹部261の下側の開放部分は、シリンダヘッド10の上側面から上方に突出した部分(すなわち、蓋部262)によって塞がれる。蓋部262は、凹部261内に挿入可能であって、挿入した状態で当該蓋部262と凹部261との上下方向の隙間(幅)が給油部材80の上下方向幅よりも若干大きく形成される。
このような構成により、例えば摺動部90の上下方向位置がシリンダヘッド10とカムハウジング30(より詳細には、カムキャリア40)との合わせ面と異なる場合であっても、収容部260の上下方向位置を摺動部90と同一とすることができる。すなわち、給油部材80の一部分が収容部260に収容されると、複数の噴射口89と複数の摺動部90とを左右方向に互いに対向して配置させることができる。
図14(a)は、本発明の第三実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン104の正面断面図である。図14(a)に示すように、収容部360は、シリンダヘッド10とカムハウジング30(より詳細には、カムキャリア40)との間に、左右に並んで2つ形成される。また、2つの収容部360には、それぞれ給油部材180が配置される。
このような構成により、吸気バルブ171を開閉させるための吸気側の摺動部90と、排気バルブ71を開閉させるための排気側の摺動部90とに対して、それぞれ異なる給油部材180から潤滑油を供給することができる。
図14(b)は、本発明の第四実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン105の正面断面図である。図14(b)に示すように、収容部460は、シリンダヘッド10とカムハウジング30(より詳細には、カムキャップ50)との間に形成される。すなわち、エンジン105においては、第一実施形態に係る潤滑油供給機構とは異なり、カムハウジング30にカムキャリア40が設けられない。収容部460は、主として凹部461及び蓋部462を具備する。
凹部461は、シリンダヘッド10の左右中央上部に形成される。凹部461は、シリンダヘッド10の上側面が下方へ向けて凹んだ部分である。凹部461は、前方、後方及び上方が開放される。凹部461の上側の開放部分は、カムキャップ50の下側面の一部分(すなわち、蓋部462)によって塞がれる。
このように、本発明に係る「カムハウジング」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 エンジン
10 シリンダヘッド
30 カムハウジング
60 収容部
71 排気バルブ
72 ロッカアーム
74 排気側カムシャフト
77 カム
80 給油部材
89 噴射口

Claims (6)

  1. シリンダヘッドと、
    吸排気バルブを開閉させるためのカムを有するカムシャフトと、
    前記カムシャフトを保持するカムハウジングと、
    前記吸排気バルブを開閉させる際に前記カムと摺動する摺動部材と、
    を具備し、前記カムと前記摺動部材との摺動部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、
    潤滑油を前記摺動部へと供給する供給口を有する給油手段と、
    前記シリンダヘッドと前記カムハウジングとの間に形成され、前記給油手段の一部分を収容した状態で、前記給油手段の供給口を前記摺動部と互いに対向して配置させる収容部と、
    を具備することを特徴とするエンジンの潤滑油供給機構。
  2. 前記給油手段の供給口は、潤滑油を噴射可能に形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  3. 前記給油手段の供給口と前記摺動部との間に、開放された空間が形成される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  4. 前記収容部を介して、前記給油手段の外部から内部へと潤滑油が供給される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  5. 前記供給口は、潤滑油を水平方向に噴射する、
    ことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  6. 前記摺動部は、特定の方向に複数並んで配置され、
    前記給油手段は、前記特定の方向に延びるように形成され、前記複数の摺動部に対応するように前記供給口を複数有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
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