JP2015152004A - 給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構 - Google Patents

給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構 Download PDF

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Yasuhiro Hikita
康弘 疋田
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Abstract

【課題】動弁機構の潤滑部のうち所望の潤滑部へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構を提供する。【解決手段】エンジン1の吸気バルブ32及び排気バルブ34を開閉させる動弁機構30の潤滑部へと潤滑油を供給する給油部材であって、潤滑油が供給されてくる下側貫通孔131を有する本体部材110と、本体部材110からロッカアーム36・36の当接部90・90へ向けて延設され、延設された先端部に下側貫通孔131を介して供給された潤滑油を案内する延設部材150と、を具備する。【選択図】図16

Description

本発明は、エンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給する給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構の技術に関する。
従来、エンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給する給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、カムキャップの上部に接続される給油部材(カムシャワーパイプ)が記載されている。給油部材は、所定の油路を介してシリンダヘッドのオイルギャラリーと連通される。
このような構成において、オイルギャラリーから供給される潤滑油を給油部材から滴下することによって、当該給油部材の下方に配置されている動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、例えば動弁機構の潤滑部のうち所望の潤滑部として、カムに当接されるローラロッカの当接部に潤滑油を供給したい場合、まず給油部材からカムの上端部に潤滑油を滴下し、当該滴下した潤滑油をカムの下方に位置する前記当接部へと案内する必要がある。このような場合、前記滴下した潤滑油はカムの回転によって四方に飛散するため、前記当接部へと供給される潤滑油の量が不足する点で不利であった。
特開2010−164009号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、動弁機構の潤滑部のうち所望の潤滑部へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、エンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給する給油部材であって、潤滑油が供給されてくる給油口を有する本体部材と、前記本体部材から前記潤滑部のうち所望の潤滑部へ向けて延設され、前記延設された先端部に前記給油口を介して供給された潤滑油を案内する延設部材と、を具備するものである。
請求項2においては、前記延設された先端部に案内された潤滑油を、前記所望の潤滑部側へ向けて噴射可能とする噴射手段が設けられるものである。
請求項3においては、前記延設部材の先端部は分岐され、当該分岐された先端部ごとに潤滑油が案内されるものである。
請求項4においては、前記所望の潤滑部とは、前記吸排気バルブを駆動するためのカムに当接されるローラロッカの当接部であるものである。
請求項5においては、前記所望の潤滑部へと供給された潤滑油を前記吸排気バルブへと案内する案内部が設けられるものである。
請求項6においては、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の給油部材を具備するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、動弁機構の潤滑部のうち所望の潤滑部へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
請求項2においては、動弁機構の潤滑部のうち所望の潤滑部へと潤滑油を供給し易くすることができる。
請求項3においては、動弁機構の潤滑部のうち所望の潤滑部へと潤滑油を供給し易くすることができる。
請求項4においては、吸排気バルブを駆動するためのカムに当接されるローラロッカの当接部へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
請求項5においては、ローラロッカの当接部へと供給された潤滑油を用いて吸排気バルブを潤滑することができる。
請求項6においては、動弁機構の潤滑部のうち所望の潤滑部へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内の断面図。 カムキャップ及び給油部材を示す平面図。 図2におけるA−A断面図。 (a)カムキャップを示す平面図。(b)カムキャップのB−B断面を示す正面断面図。(c)カムキャップを示す底面図。 給油部材を示す平面図。 同じく、一部拡大図。 (a)図5におけるC−C断面図。(b)図5におけるD−D断面図。 折り曲げられる前の状態の給油部材を示す斜視図。 同じく、一部拡大図。 給油部材が製造される様子を示す平面図。 (a)図10におけるE−E断面図。(b)延設部材が折り曲げられる様子を示す断面図。 シャフト内油路に潤滑油が供給されない場合の図2におけるA−A断面図。 (a)シャフト内油路に潤滑油が供給される場合の図2におけるA−A断面図。(b)同じく、給油部材の拡大断面図。 カムに当接されるローラロッカの当接部へと潤滑油が供給される様子を示す正面図。 カムに当接されるローラロッカの当接部へと潤滑油が供給される様子を示す平面図。 図15における一部拡大図。 排気バルブへと潤滑油が供給される様子を示す正面図。
以下では、図中に示した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向を定義する。
まず、図1から図4までを用いて、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1の構成について説明する。
本実施形態に係るエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンである。以下では、前後方向に並んだ4つの気筒のうち1つの気筒に主に着目して説明を行う。エンジン1は、主としてシリンダヘッド10、シリンダヘッドカバー20、動弁機構30、カムキャップ50及び給油部材100を具備する。
図1及び図3に示すシリンダヘッド10は、シリンダブロック(不図示)と共にエンジン1の主たる構造体となるものである。シリンダヘッド10は、前記シリンダブロック(不図示)の上部に固定される。シリンダヘッド10は、主として吸気側軸受部12、排気側軸受部14、オイルギャラリー16及びカムジャーナル用油路18を具備する。
図1に示す吸気側軸受部12は、後述する吸気側カムシャフト40を下方から回動可能に支持するものである。吸気側軸受部12は、正面視において上方が開放された半円状の凹部となるように、シリンダヘッド10の左部に形成される。
図1及び図3に示す排気側軸受部14は、後述する排気側カムシャフト42を下方から回動可能に支持するものである。排気側軸受部14は、正面視において上方が開放された半円状の凹部となるように、シリンダヘッド10の右部に形成される。
図1及び図3に示すオイルギャラリー16は、エンジン1の各部(例えば、後述するラッシュアジャスタ38等)へと潤滑油を案内するための油路である。オイルギャラリー16は、シリンダヘッド10の左右側壁近傍を前後方向に通るように形成される。
図3に示すカムジャーナル用油路18は、シリンダヘッド10の右部に形成され、排気側軸受部14へと潤滑油を案内するための油路である。カムジャーナル用油路18の一端はオイルギャラリー16と連通され、カムジャーナル用油路18の他端はシリンダヘッド10の排気側軸受部14と連通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、カムジャーナル用油路18はシリンダヘッド10の左部にも形成され、左側のオイルギャラリー16と吸気側軸受部12とを連通している。
図1に示すシリンダヘッドカバー20は、シリンダヘッド10の上部を覆うものである。シリンダヘッドカバー20はシリンダヘッド10の上部に載置され、ボルト等によって適宜固定される。
図1に示す動弁機構30は、エンジン1の吸気ポート及び排気ポート(不図示)を所定のタイミングで開閉させるためのものである。動弁機構30は、主として吸気バルブ32、排気バルブ34、ロッカアーム36・36、ラッシュアジャスタ38・38、吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を具備する。
吸気バルブ32は、エンジン1の吸気ポート(不図示)を開閉するものである。吸気バルブ32は、棒状のバルブステム32aの長手方向を、略上下方向に向けて配置される。吸気バルブ32の下端は前記吸気ポートまで延設される。吸気バルブ32の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、吸気バルブ32は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
排気バルブ34は、エンジン1の排気ポート(不図示)を開閉するものである。排気バルブ34は、棒状のバルブステム34aの長手方向を、略上下方向に向けて配置される。排気バルブ34の下端は前記排気ポートまで延設される。排気バルブ34の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、排気バルブ34は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
ロッカアーム36・36は、吸気バルブ32及び排気バルブ34を開閉駆動させるためのものである。ロッカアーム36・36の一端は、それぞれ吸気バルブ32及び排気バルブ34の上端に上方から当接される。ロッカアーム36・36には、前後方向に向けた軸線を中心として回動可能なローラ36a・36aがそれぞれ設けられる。ローラ36a・36aには、後述するカム40a・40a及びカム42a・42aに上方から当接される。以下では、当該当接される部位を「当接部90・90」と称する(図2参照)。
ラッシュアジャスタ38・38は、バルブクリアランスを調整するためのものである。ラッシュアジャスタ38・38は、それぞれロッカアーム36・36の他端に下方から当接される。
図1、図2及び図3に示す吸気側カムシャフト40は、ロッカアーム36を所定のタイミングで揺動させることで、吸気バルブ32を開閉駆動させるためのものである。吸気側カムシャフト40は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、シリンダヘッド10の吸気側軸受部12に載置される。吸気側カムシャフト40は、主としてカム40a・40aを具備する。
カム40a・40aは、吸気バルブ32を駆動するためのものである。カム40a・40aは、回転中心(吸気側カムシャフト40の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成される。カム40a・40aは、吸気側カムシャフト40のうちシリンダヘッド10の吸気側軸受部12に載置された部分(カムジャーナル)よりも前方に2つ並べて形成される。当該カム40a・40aは、吸気バルブ32側のロッカアーム36(より詳細には、ローラ36a・36a)に上方から当接される。
図1、図2及び図3に示す排気側カムシャフト42は、ロッカアーム36を所定のタイミングで揺動させることで、排気バルブ34を開閉駆動させるためのものである。排気側カムシャフト42は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、シリンダヘッド10の排気側軸受部14に載置される。排気側カムシャフト42は、主としてカム42a・42a及びシャフト内油路42bを具備する。
カム42a・42aは、排気バルブ34を駆動するためのものである。カム42a・42aは、回転中心(排気側カムシャフト42の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成される。カム42a・42aは、排気側カムシャフト42のうちシリンダヘッド10の排気側軸受部14に載置された部分(カムジャーナル)よりも前方に2つ並べて形成される。当該カム42a・42aは、排気バルブ34側のロッカアーム36(より詳細には、ローラ36a・36a)に上方から当接される。
図3に示すシャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42のうちシリンダヘッド10の排気側軸受部14に載置された部分(カムジャーナル)に形成され、当該排気側カムシャフト42を貫通する油路である。シャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42が所定の位置まで回転した際に、その一端(一方の開口部)がシリンダヘッド10のカムジャーナル用油路18と対向し、かつ、その他端(他方の開口部)が左方を向くように形成される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、吸気側カムシャフト40にも排気側カムシャフト42のシャフト内油路42bと同様の油路が形成される。
図1から図4までに示すカムキャップ50は、シリンダヘッド10の上部に固定され、当該シリンダヘッド10との間で吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を保持するものである。カムキャップ50は、長手方向を左右方向に向けた略直方体状に形成される。
カムキャップ50は、主として吸気側軸受部52、吸気側凹部54、吸気側貫通孔56、吸気側連通油路58、排気側軸受部60、排気側凹部62、排気側貫通孔64及び排気側連通油路66を具備する。
図1及び図4に示す吸気側軸受部52は、吸気側カムシャフト40を上方から回動可能に支持するものである。吸気側軸受部52は、正面視において下方が開放された半円状の凹部となるように、カムキャップ50の左部に形成される。当該カムキャップ50の吸気側軸受部52は、シリンダヘッド10の吸気側軸受部12と対向する位置に形成され、当該吸気側軸受部52及び吸気側軸受部12の間に吸気側カムシャフト40が回動可能に支持(保持)される。
吸気側凹部54は、カムキャップ50の上面の左部(左右方向において、吸気側軸受部52のすぐ右側)に形成される。吸気側凹部54は、その周囲よりも下方に所定深さだけ凹むように、かつ上方、前方及び後方が開放されるように形成される。
図4に示す吸気側貫通孔56は、カムキャップ50をシリンダヘッド10に固定するために後述するボルト180が挿通されるボルト穴である。吸気側貫通孔56は、吸気側凹部54の底面の左部からカムキャップ50の下面までを貫通するように形成される。言い換えれば、吸気側貫通孔56の上端の周囲に吸気側凹部54が形成されることになる。吸気側貫通孔56の直径は、後述するボルト180の軸部の直径よりも大きくなるように、すなわち、吸気側貫通孔56にボルト180の軸部を挿通した際に、当該吸気側貫通孔56とボルト180との間に隙間ができるように形成される。
図4に示す吸気側連通油路58は、吸気側軸受部52と吸気側貫通孔56とを連通する油路である。吸気側連通油路58は、カムキャップ50の下面の前後略中央部に形成される。吸気側連通油路58の一端は吸気側軸受部52と連通され、吸気側連通油路58の他端は吸気側貫通孔56と連通される。
図1、図3及び図4に示す排気側軸受部60は、排気側カムシャフト42を上方から回動可能に支持するものである。排気側軸受部60は、正面視において下方が開放された半円状の凹部となるように、カムキャップ50の右部に形成される。当該カムキャップ50の排気側軸受部60は、シリンダヘッド10の排気側軸受部14と対向する位置に形成され、当該排気側軸受部60及び排気側軸受部14の間に排気側カムシャフト42が回動可能に支持(保持)される。
排気側凹部62は、カムキャップ50の上面の右部(左右方向において、排気側軸受部60のすぐ左側)に形成される。排気側凹部62は、その周囲よりも下方に所定深さだけ凹むように、かつ上方、前方及び後方が開放されるように形成される。
図3及び図4に示す排気側貫通孔64は、カムキャップ50をシリンダヘッド10に固定するために後述するボルト180が挿通されるボルト穴である。排気側貫通孔64は、排気側凹部62の底面の右部からカムキャップ50の下面までを貫通するように形成される。言い換えれば、排気側貫通孔64の上端の周囲に排気側凹部62が形成されることになる。排気側貫通孔64の直径は、後述するボルト180の軸部の直径よりも大きくなるように、すなわち、排気側貫通孔64にボルト180の軸部を挿通した際に、当該排気側貫通孔64とボルト180との間に隙間ができるように形成される。
図3及び図4に示す排気側連通油路66は、排気側軸受部60と排気側貫通孔64とを連通する油路である。排気側連通油路66は、カムキャップ50の下面の前後略中央部に形成される。排気側連通油路66の一端は排気側軸受部60と連通され、排気側連通油路66の他端は排気側貫通孔64と連通される。
本実施形態においては、上述の如く構成されたシリンダヘッド10及びカムキャップ50によって、動弁機構30の吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を回転可能に支持するカムハウジングが構成される。
以下では、給油部材100の構成について、詳細に説明する。
図1から図3、図5から図7までに示す給油部材100は、潤滑油を動弁機構30の潤滑部(潤滑すべき部分)のうち、所望の潤滑部へと供給するためのものである。本実施形態においては、前記所望の潤滑部として、カム40a・40a及びカム42a・42aに上方からそれぞれ当接されるロッカアーム36・36の当接部90・90が設定されている(図2参照)。給油部材100は、1枚の板材を適宜折り曲げて形成される部材である。給油部材100は、主として本体部材110及び延設部材150を具備する。
なお、動弁機構30のうち吸気側カムシャフト40側(すなわち、カム40a・40aに上方から当接されるロッカアーム36・36の当接部90・90)へと潤滑油を供給する給油部材100(左側に配置される給油部材100)の構成は、動弁機構30のうち排気側カムシャフト42側(すなわち、カム42a・42aに上方から当接されるロッカアーム36・36の当接部90・90)へと潤滑油を供給する給油部材100(右側に配置される給油部材100)の構成と左右対称である。したがって、以下では、特に右側に配置される給油部材100についてのみ詳細に説明し、左側に配置される給油部材100については説明を省略する。
また、本実施形態において、給油部材100はエンジン1の複数の気筒(本実施形態においては、4つの気筒)に亘るように一体的に形成される(不図示)。給油部材100は、図5に示すように、4つの気筒にそれぞれ対応するように前後方向に並べられた4つの部分P・P・・・から構成される。なお、前記4つの部分P・P・・・において、前側の2つの部分P・P及び後側の2つの部分P・Pにおける油路の構成は、前後方向に略対称である。したがって、以下では、給油部材100の4つの部分P・P・・・のうち前側の2つの部分P・Pに主に着目して説明を行い、後側の2つの部分P・P・・・については説明を適宜省略する。
まず、図8及び図9を用いて、折り曲げられる前の状態の給油部材100の構成について説明する。
なお、図8及び図9は、折り曲げられる前の状態の給油部材100を示している。
図8及び図9に示す給油部材100は、本体部材110を構成する上側本体部120、下側本体部130及び連結部140と、延設部材150を構成する上側延設部160及び下側延設部170と、を具備する。
図8及び図9に示す上側本体部120は、下側本体部130と共に本体部材110の主たる構造体を構成するものである。上側本体部120は、給油部材100が折り曲げられた後に本体部材110の上部を構成する。上側本体部120は、板状の部材であり、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。上側本体部120は、長手方向を前後方向へ向けた平面視略矩形状となるように形成される。
上側本体部120は、主として上側貫通孔121、根幹油路122及び第一派生油路123を具備する。
図8及び図9に示す上側貫通孔121は、上側本体部120を上下方向に貫通する孔である。上側貫通孔121は、給油部材100が折り曲げられる前の状態で、上側本体部120の左端部(左方へと若干突出するように形成された部分)に形成される。上側貫通孔121は、上側本体部120全体で4つ形成される。4つ形成された上側貫通孔121は、前後方向に略等間隔に配置される。
なお、以下では説明の便宜上、特に断りなく「上側貫通孔121」と記した場合は、前から2つ目に配置された上側貫通孔121のみを指すものとする。
図8及び図9に示す根幹油路122は、給油部材100に供給された潤滑油が、まず最初に案内される油路である。根幹油路122は、給油部材100が折り曲げられる前の状態で、上側本体部120の上面を凹ませることで形成される。根幹油路122は、上側貫通孔121から所定距離だけ右方に離間した位置で、前後方向に延設される。根幹油路122の前後方向中途部は、左方に若干湾曲している。根幹油路122は、当該根幹油路122を流通する潤滑油を、複数設けられる第一派生油路123に分配することができる。
図8及び図9に示す第一派生油路123は、根幹油路122を流通する潤滑油が、次に案内される油路である。第一派生油路123は、給油部材100が折り曲げられる前の状態で、上側本体部120の上面を凹ませることで形成される。第一派生油路123は、左右方向に延設される。第一派生油路123の右端部(上流側端部)は、根幹油路122に連通される。第一派生油路123の深さは、根幹油路122の深さよりも若干浅く形成される。また、第一派生油路123の幅は、根幹油路122の幅よりも若干小さく形成される。第一派生油路123は、上側本体部120全体で4つ形成される。4つの第一派生油路123は、前後方向に略等間隔に配置される。
なお、以下では説明の便宜上、特に断りなく「第一派生油路123」と記した場合は、前から2つ目に配置された第一派生油路123のみを指すものとする。
図8及び図9に示す下側本体部130は、上側本体部120と共に本体部材110の主たる構造体を構成するものである。下側本体部130は、給油部材100が折り曲げられた後に本体部材110の下部を構成する。下側本体部130は、板状の部材であり、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。下側本体部130は、長手方向を前後方向へ向けた平面視略矩形状となるように形成される。下側本体部130は、上側本体部120と左右対称な形状となるように形成される。
下側本体部130は、主として下側貫通孔131及び切欠部132を具備する。
図8及び図9に示す下側貫通孔131は、下側本体部130を上下方向に貫通する孔である。下側貫通孔131は、給油部材100が折り曲げられる前の状態で、下側本体部130の右端部(右方へと若干突出するように形成された部分)に形成される。下側貫通孔131は、下側本体部130全体で4つ形成される。4つ形成された下側貫通孔131は、前後方向に略等間隔に配置される。
4つの下側貫通孔131の直径は、後述するボルト180の軸部の直径よりも大きくなるように形成される。これにより、4つの下側貫通孔131にボルト180の軸部を挿通した際に、これらの貫通孔とボルト180との間に隙間が形成される。4つの下側貫通孔131は、給油部材100を折り曲げた状態の平面視において、上側本体部120の4つの上側貫通孔121とそれぞれ重複する位置に形成される。
なお、以下では説明の便宜上、特に断りなく「下側貫通孔131」と記した場合は、前から2つ目に配置された下側貫通孔131のみを指すものとする。
図8に示す切欠部132は、下側本体部130の下側貫通孔131の左端部を左方に所定長さだけ切り欠くように形成される。切欠部132の左端部は、給油部材100を折り曲げた状態の平面視において、根幹油路122と重複する位置まで延設される(図7(a)参照)。
図8及び図9に示す連結部140は、上側本体部120と下側本体部130とを連結する部分である。連結部140は、上側本体部120の右端の一部と下側本体部130の左端の一部とを連結するように、当該上側本体部120及び下側本体部130と一体的に形成される。
図8及び図9に示す上側延設部160は、下側延設部170と共に延設部材150の主たる構造体を構成するものである。上側延設部160は、給油部材100が折り曲げられた後に延設部材150の上部を構成する。上側延設部160は、板状の部材であり、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。上側延設部160は、長手方向を左右方向へ向けた平面視略矩形状となるように形成される。上側延設部160の右端部は、上側本体部120の左端部と一体的に連結される。上側延設部160は、全体で4つ形成される。4つの上側延設部160は、前後方向に略等間隔に形成される。より詳細には、4つの上側延設部160は、4つの第一派生油路123にそれぞれ対応するように形成される。
なお、以下では説明の便宜上、特に断りなく「上側延設部160」と記した場合は、前から2つ目に配置された上側延設部160のみを指すものとする。
上側延設部160は、主として放出部171、第二派生油路172及び放出口173を具備する。
図9に示す放出部171は、放出口173が設けられる部位である。放出部171は、給油部材100が折り曲げられる前の状態で、上側延設部160の左端部に形成される。図9に示すように、放出部171は、平面視で先端側が2方向に分岐した二股形状に形成される。以下では、放出部171において前記分岐した部位のうち、前方に位置する部位を「前側放出部175」と、後方に位置する部位を「後側放出部176」と、それぞれ称する。
図8及び図9に示す第二派生油路172は、本体部材110の第一派生油路123を流通する潤滑油が、次に案内される油路である。第二派生油路172は、給油部材100が折り曲げられる前の状態で、上側延設部160の上面を凹ませることで形成される。第二派生油路172は、左右方向に延設される。第二派生油路172の右端部(上流側端部)は、第一派生油路123の左端部(下流側端部)に連通される。第二派生油路172の左端部(下流側端部)は、平面視で先端側が2方向に分岐し、それぞれ前側放出部175及び後側放出部176に形成される。第二派生油路172は、4つの上側延設部160にそれぞれ形成されるものであり、全体として4つ形成される。
第二派生油路172の深さは、第一派生油路123の深さと略同一に形成される。第二派生油路172の幅は、前側放出部175及び後側放出部176に形成される部位以外においては、第一派生油路123の幅と略同一に形成される。また、第二派生油路172の幅は、前側放出部175及び後側放出部176に形成される部位においては、下流側(先端側)へ行くに従って徐々に第一派生油路123の幅よりも小さくなるように(絞るように)形成される。
なお、以下では説明の便宜上、特に断りなく「第二派生油路172」と記した場合は、前から2つ目に配置された第二派生油路172のみを指すものとする。
図9に示す放出口173は、第二派生油路172を流通する潤滑油、すなわち給油部材100を流通する潤滑油を外部(所望する潤滑部)へと放出するためのものである。放出口173は、前側放出部175及び後側放出部176の先端部がそれぞれ開口することにより形成される。すなわち、放出口173は、1つの上側延設部160に対して2つ形成される。2つの放出口173には、前側放出部175及び後側放出部176に形成された第二派生油路172の下流側端部がそれぞれ連通される。
図8及び図9に示す下側延設部170は、上側延設部160と共に延設部材150の主たる構造体を構成するものである。下側延設部170は、給油部材100が折り曲げられた後に延設部材150の下部を構成する。下側延設部170は、板状の部材であり、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。下側延設部170は、長手方向を左右方向へ向けた平面視略矩形状となるように形成される。下側延設部170の左端部は、下側本体部130の右端部と一体的に連結される。下側延設部170は、平面視で先端側が2方向に分岐した二股形状に形成され、上側延設部160と左右対称な形状となるように形成される。下側延設部170は、全体で4つ形成される。4つの下側延設部170は、前後方向に略等間隔に形成される。下側延設部170は、給油部材100を折り曲げた状態の平面視において、上側延設部160と重複する位置に形成される。
なお、以下では説明の便宜上、特に断りなく「下側延設部170」と記した場合は、前から2つ目に配置された下側延設部170のみを指すものとする。
以下では、図5から図7まで、図10及び図11を用いて、給油部材100の製造方法について説明する。
給油部材100は、まず一枚の板材をプレス加工で打ち抜くことによって、その外形や貫通孔等が形成される。さらに、次のプレス加工によって当該給油部材100を塑性変形させることによって、根幹油路122等の油路が形成される。
次に、図10に示すように、給油部材100は、連結部140・140・140を中心として、上側本体部120及び上側延設部160が下側本体部130及び下側延設部170の上にそれぞれ重なるように折り曲げられる。図11(a)に示すように、給油部材100は、折り曲げられた状態でプレス加工によるかしめや溶接が適宜施されることによって、上側本体部120と下側本体部130と、さらには上側延設部160と下側延設部170と、がそれぞれ当接した状態に保持される。
次に、図11(b)に示すように、当該当接した状態の上側延設部160及び下側延設部170がプレス加工によって、当該上側延設部160及び下側延設部170の先端部が上側本体部120及び下側本体部130の右下方に位置するように折り曲げられる。また、上側延設部160及び下側延設部170の先端部が、右方を指すように折り曲げられる。
このように製造された給油部材100においては、上側本体部120と下側本体部130とが当接した状態で保持されることにより、本体部材110が形成される。本体部材110は、本発明に係る「本体部材」の一実施形態である。図5から図7までに示すように、本体部材110は、板状の部材であり、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。本体部材110は、長手方向を前後方向へ向けた平面視略矩形状となるように形成される。
また、上側延設部160と下側延設部170とが当接した状態で保持されることにより、延設部材150が形成される。延設部材150は、本発明に係る「延設部材」の一実施形態である。図7(b)に示すように、延設部材150は、本体部材110から右下方へ向けて略直線状に延設される。延設部材150の先端部は、右方を指している。
このような延設部材150の形状は、後述するように、給油部材100がカムキャップ50に固定された場合に、延設部材150の先端部(すなわち、放出口173)が、本実施形態における所望の潤滑部としてのロッカアーム36・36の当接部90・90の近傍へと配置されるように設定されたものである。すなわち、延設部材150は、給油部材100がカムキャップ50に固定された場合に、本体部材110からロッカアーム36・36の当接部90・90へ向けて延設される(図1等参照)。こうして、延設部材150は、給油部材100を流通する潤滑油を、ロッカアーム36・36の当接部90・90へ向けて案内することができる。なお、延設部材150は、全体で4つ形成される。
なお、以下では説明の便宜上、特に断りなく「延設部材150」と記した場合は、前から2つ目に配置された延設部材150のみを指すものとする。
また、図7(a)に示すように、給油部材100が製造されると、本体部材110において、下側本体部130の切欠部132が上側本体部120の根幹油路122と連通される。こうして、給油部材100が製造されると、本体部材110において、切欠部132、根幹油路122、第一派生油路123とが、それぞれ連通される。なお、本体部材110の第一派生油路123は、延設部材150の第二派生油路172と連通されている。すなわち、給油部材100が製造されると、切欠部132を介して供給された潤滑油が、根幹油路122、第一派生油路123、第二派生油路172を順番に流通する1つの油路が形成される。
また、後述するように、外部からの潤滑油は、下側貫通孔131から切欠部132を介して給油部材100(前記1つの油路)へと供給される。下側貫通孔131は、本発明に係る「給油口」の一実施形態である。また、給油部材100(前記1つの油路)を流通する潤滑油は、放出口173を介して外部へと放出される。
以下では、給油部材100のカムキャップ50への取り付け態様について、図1から図5まで、及び図16を用いて説明する。
図1から図3までに示すように、給油部材100の一部(上側貫通孔121及び下側貫通孔131が形成されている部分)は、カムキャップ50の排気側凹部62内に収容される。また、前記給油部材100の一部が排気側凹部62内に収容されると、給油部材100の上側貫通孔121及び下側貫通孔131はカムキャップ50の排気側貫通孔64と平面視において重複するように配置される。
そして、図3に示すように、給油部材100の上側貫通孔121及び下側貫通孔131に上方からボルト180が挿通され、当該ボルト180がシリンダヘッド10に締結される。このようにボルト180によって共締めされることにより、給油部材100がカムキャップ50に固定されると共に、当該カムキャップ50がシリンダヘッド10に固定される。
また、給油部材100がカムキャップ50に固定されると、当該カムキャップ50の排気側貫通孔64が給油部材100の下側貫通孔131と連通される。すなわち、図3に示すように、給油部材100がカムキャップ50に固定されると、当該給油部材100が所定の油路を介してシリンダヘッド10のオイルギャラリー16と連通可能とされる。
また、図1及び図2に示すように、給油部材100がカムキャップ50に固定されると、延設部材150の先端部は、上下方向及び左右方向において、ロッカアーム36・36の当接部90・90と同一位置となるように配置される。また、給油部材100がカムキャップ50に固定されると、延設部材150の先端部は、前後方向において、ロッカアーム36・36の当接部90・90の間に位置するように配置される。
こうして、図16に示すように、給油部材100がカムキャップ50に固定されると、当該給油部材100は2つの放出口173がロッカアーム36・36の当接部90・90の近傍(真横)に配置される。より詳細には、ロッカアーム36・36の当接部90・90のうち、前側に配置される当接部90に対して、給油部材100の前側放出部175に形成された放出口173が当該当接部90側を臨むように配置される。また、ロッカアーム36・36の当接部90・90のうち、後側に配置される当接部90に対して、給油部材100の後側放出部176に形成された放出口173が当該当接部90側を臨むように配置される。
このように、給油部材100においては、延設部材150の先端部は分岐され、当該分岐された先端部ごとに潤滑油が案内される。そして、当該先端部ごとに放出口173が設けられるため、1つの延設部材150を介して複数の潤滑部(本実施形態においては、当接部90・90)へと潤滑油を供給することができる。すなわち、動弁機構30の潤滑部のうち所望の潤滑部へと潤滑油を供給し易くすることができる。
なお、延設部材150の先端部に設けられる放出口173の数は、2つに限定するものではない。例えば、3つや4つでもよく、所望の潤滑部の態様に応じて変更することができる。
以下では、図12から図17までを用いて、排気側カムシャフト42側に配置されるロッカアーム36・36の当接部90・90への潤滑油の供給態様について説明する。
なお、吸気側カムシャフト40側に配置されるロッカアーム36・36の当接部90・90への潤滑油の供給態様も、排気側カムシャフト42側に配置されるロッカアーム36・36の当接部90・90への潤滑油の供給態様と略同様であるため、以下では説明を省略する。
エンジン1が駆動すると、排気側カムシャフト42が回転する。そして、図12に示すように、シャフト内油路42bの一端がシリンダヘッド10のカムジャーナル用油路18と対向していない場合、オイルギャラリー16を流通する潤滑油は、カムジャーナル用油路18を介して排気側軸受部14へと供給される。当該潤滑油はシャフト内油路42b内には供給されず、排気側カムシャフト42と排気側軸受部14及び排気側軸受部60との摺動面を潤滑する。
図13(a)に示すように、排気側カムシャフト42が360度回転するごとに1度だけシャフト内油路42bの一端がシリンダヘッド10のカムジャーナル用油路18と対向すると共に、シャフト内油路42bの他端が排気側連通油路66と対向する。この場合、オイルギャラリー16を流通する潤滑油は、カムジャーナル用油路18を介してシャフト内油路42bへと供給される。
シャフト内油路42bへと供給された潤滑油は、当該シャフト内油路42b、排気側連通油路66を介して排気側貫通孔64へと供給される。なお、図13に示すように、排気側貫通孔64にはボルト180が挿通されているが、排気側貫通孔64とボルト180との間には隙間があるため、潤滑油は当該排気側貫通孔64内を流通することができる。当該排気側貫通孔64へと供給された潤滑油は、当該排気側貫通孔64内を上方へと流通し、給油部材100(より詳細には、本体部材110の下側貫通孔131)へと供給される。
図13から図15までに示すように、本体部材110の下側貫通孔131へと供給された潤滑油は、切欠部132を介して本体部材110の根幹油路122内へと流入する。根幹油路122へと供給された潤滑油は、当該根幹油路122を介して本体部材110の第一派生油路123へと供給される。第一派生油路123へと供給された潤滑油は、当該第一派生油路123に対応する延設部材150の第二派生油路172へと供給される。当該第二派生油路172へと供給された潤滑油は、延設部材150の先端部(前側放出部175及び後側放出部176)に案内され、2つの放出口173を介して給油部材100の外部へと放出される。
ここで、前述したように、給油部材100の2つの放出口173は、ロッカアーム36・36の当接部90・90の近傍(真横)に配置されると共に、前側に配置される当接部90側及び後側に配置される当接部90側をそれぞれ臨むように配置される。すなわち、当該2つの放出口173を介して給油部材100の外部へと放出された潤滑油は、ロッカアーム36・36の当接部90・90へと供給される。
このような構成により、例えばカム42a・42aの上端部に潤滑油を滴下し、当該滴下した潤滑油を当該カム42a・42aの下方に位置する当接部90・90へと案内しなくとも、当該当接部90・90へと給油部材100から直接潤滑油を供給することができる。すなわち、従来の構成と比べて、給油部材100から当接部90・90へと確実に潤滑油を供給することができるため、当該当接部90・90へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
また、延設部材150の第二派生油路172において前側放出部175及び後側放出部176に形成される部位は、下流側(先端側)へ行くに従って徐々に第一派生油路123の幅よりも小さくなるように(先細り形状に)形成される(図9参照)。こうして、前記1つの油路を流通して放出口173を介して放出される潤滑油は、当該潤滑油の油圧と、延設部材150の第二派生油路172を流通する際の自重により落下する勢いと、第二派生油路172の前記先細り形状と、により、当該放出口173から外部へ向けて噴射されることになる。このように、給油部材100は、放出口173から放出する潤滑油を外部へ向けて噴射可能に構成される。
このような構成により、給油部材100の放出口173から比較的広範囲に、勢い良く潤滑油を放出することができるため、ロッカアーム36・36の当接部90・90へと、より確実に潤滑油を供給することができる(潤滑油を供給し易くすることができる)。
なお、本実施形態において、本体部材110から右下方へ向けて延設された延設部材150の形状と、第二派生油路172の前記先細り形状とは、本発明に係る「噴射手段」の一実施形態である。本発明に係る「噴射手段」の構成は、これに限定するものではない。例えば、本発明に係る「噴射手段」は、放出口173を格子状に区画する部材を設けたり、放出口173から放出される潤滑油に圧力を付与する部材等を設ける構成としてもよい。
また、図17に示すように、ロッカアーム36・36の当接部90・90へと供給された潤滑油は、当該当接部90・90を潤滑した後、当該ロッカアーム36・36を伝って排気バルブ34(すなわち、バルブステム34a)へと案内される。このように、当接部90・90へと供給された(不足していない量の)潤滑油を、バルブステム34aへと供給することができるため、当該バルブステム34aを確実に潤滑することができる。
なお、ロッカアーム36・36は、本発明に係る「案内部」の一実施形態である。本発明に係る「案内部」の構成は、これに限定するものではない。
以上のように、本発明の一実施形態である給油部材100は、エンジン1の吸気バルブ32及び排気バルブ34を開閉させる動弁機構30の潤滑部へと潤滑油を供給する給油部材であって、潤滑油が供給されてくる下側貫通孔131(給油口)を有する本体部材110と、前記本体部材110から前記潤滑部のうち所望の潤滑部(ロッカアーム36・36の当接部90・90)へ向けて延設され、前記延設された先端部に前記下側貫通孔131(給油口)を介して供給された潤滑油を案内する延設部材150と、を具備するものである。
このような構成により、動弁機構30の潤滑部のうち所望の潤滑部(ロッカアーム36・36の当接部90・90)へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
また、給油部材100においては、前記延設された先端部に案内された潤滑油を、前記所望の潤滑部(ロッカアーム36・36の当接部90・90)側へ向けて噴射可能とする、本体部材110から右下方へ向けて延設された延設部材150の形状と、第二派生油路172の前記先細り形状と(噴射手段)が設けられるものである。
このような構成により、動弁機構30の潤滑部のうち所望の潤滑部(ロッカアーム36・36の当接部90・90)へと潤滑油を供給し易くすることができる。
また、給油部材100においては、前記延設部材150の先端部は分岐され、当該分岐された先端部ごとに潤滑油が案内されるものである。
このような構成により、動弁機構30の潤滑部のうち所望の潤滑部(ロッカアーム36・36の当接部90・90)へと潤滑油を供給し易くすることができる。
また、給油部材100においては、前記所望の潤滑部とは、前記吸気バルブ32及び排気バルブ34を駆動するためのカム40a・40a及びカム42a・42aに当接されるロッカアーム36・36の当接部90・90であるものである。
このような構成により、吸気バルブ32及び排気バルブ34を駆動するためのカム40a・40a及びカム42a・42aに当接されるロッカアーム36・36の当接部90・90へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
また、給油部材100においては、前記所望の潤滑部(ロッカアーム36・36の当接部90・90)へと供給された潤滑油を前記吸気バルブ32及び排気バルブ34へと案内する案内部(ロッカアーム36・36)が設けられるものである。
このような構成により、ロッカアーム36・36の当接部90・90へと供給された潤滑油を用いて吸気バルブ32及び排気バルブ34(ひいては、バルブステム32a及びバルブステム34a)を潤滑することができる。
また、本発明の一実施形態であるエンジン1の潤滑油供給機構は、給油部材100を具備するものである。
このような構成により、動弁機構30の潤滑部のうち所望の潤滑部(ロッカアーム36・36の当接部90・90)へと供給される潤滑油の量が不足するのを防止することができる。
なお、本実施形態に係るエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンであるものとして説明したが、本発明を適用することが可能なエンジンはこれに限るものではない。
また、本発明は、潤滑油を案内するためのオイルギャラリー16、カムジャーナル用油路18、排気側軸受溝部14a、シャフト内油路42b、排気側連通油路66及び排気側貫通孔64の形状を、本実施形態に限定するものではない。これらの形状は任意に決定することが可能である。
また、本実施形態においては、カムキャップ50及び排気側カムジャーナル軸受部72がそれぞれ4つ設けられる構成であったが、これに限定するものではない。
また、給油部材100は、本発明に係る「給油部材」の一実施形態であり、これに限定するものではない。
例えば、本実施形態においては、給油部材100はエンジン1の複数の気筒に亘るように一体的に形成されるものとしたが、本発明はこれに限定するものではない。
また、給油部材100は、対向する板材の間にガスケット等のシール部材を介設する構成としてもよい。
また、給油部材100の本体部材110及び延設部材150の形状は、本実施形態における形状に限定するものではない。例えば、給油部材100の本体部材110及び延設部材150の形状は、平板状ではなく、例えばパイプ状に形成してもよい。
また、本実施形態においては、給油部材100の延設部材150は、本体部材110からロッカアーム36・36の当接部90・90へ向けて直線状に延設されるものとしたが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、給油部材100の延設部材150は、本体部材110からロッカアーム36・36の当接部90・90へ向けて湾曲状に延設されるものであっても、適宜屈曲して延設されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、給油部材100の延設部材150は、本体部材110と一体的に連結されるものであるが、別体で連結されるものであってもよい。
また、本実施形態において、所望の潤滑部として、カム40a・40a及びカム42a・42aに上方からそれぞれ当接されるロッカアーム36・36の当接部90・90が設定されているが、これに限定するものではない。また、本体部材110及び延設部材150の形状は、所望の潤滑部に設定に応じて適宜に変更することができる。なお、かかる場合には、延設部材150は、本体部材110から所望の潤滑部の近傍まで延設されることが望ましい。
また、給油部材100の延設部材150は、第二派生油路172や放出口173を有する構成に限定するものではない。例えば、延設部材150は、油路(溝)を有さない板状の部材を適宜折り曲げて構成することも可能である。この場合、本体部材110から供給される潤滑油を、延設部材150の上面をつたって所望の潤滑部まで案内することができる。
1 エンジン
30 動弁機構
32 吸気バルブ
34 排気バルブ
36 ロッカアーム
90 当接部
110 本体部材
131 下側貫通孔
150 延設部材

Claims (6)

  1. エンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給する給油部材であって、
    潤滑油が供給されてくる給油口を有する本体部材と、
    前記本体部材から前記潤滑部のうち所望の潤滑部へ向けて延設され、前記延設された先端部に前記給油口を介して供給された潤滑油を案内する延設部材と、
    を具備する、
    ことを特徴とする給油部材。
  2. 前記延設された先端部に案内された潤滑油を、前記所望の潤滑部側へ向けて噴射可能とする噴射手段が設けられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の給油部材。
  3. 前記延設部材の先端部は分岐され、当該分岐された先端部ごとに潤滑油が案内される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の給油部材。
  4. 前記所望の潤滑部とは、前記吸排気バルブを駆動するためのカムに当接されるローラロッカの当接部である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の給油部材。
  5. 前記所望の潤滑部へと供給された潤滑油を前記吸排気バルブへと案内する案内部が設けられる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の給油部材。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の給油部材を具備する、
    ことを特徴とするエンジンの潤滑油供給機構。
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